以下、本発明に係る実施の形態の遊技機の一例として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図1ないし図10に沿って説明する。
なお、図1は本実施の形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図、図2は本実施の形態における遊技盤を示す正面図、図3は本実施の形態における保留装置及びサブ表示画面を示す拡大正面図、図4は本実施の形態における保留装置及びサブ表示画面を示す側面断面図、図5は遊技球放出状態の保留装置を示す側面断面図、図6は本パチンコ機の制御系を示すブロック図、図7は本パチンコ機におけるテーブルデータを示す図で、(a)は低確率の第1テーブルデータを示す図、(b)は高確率の第2テーブルデータを示す図、図8は本パチンコ機における大当たりに関する処理を示すフローチャート、図9は本パチンコ機における保留装置の保留解除に関する処理を示すフローチャート、図10は本パチンコ機における保留解除抽選処理を示すフローチャートである。なお、後述する遊技盤の遊技領域には多数の障害釘や複数の風車等が植設されているが、図1及び図2においてそれらは便宜上図示を省略している。また図2において、図1に示すガイドレール62は便宜上図示を省略している。
本パチンコ機1は、発射ハンドル9の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤7の遊技領域7aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー(大入賞口)17に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり)とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
図1に示すように、本実施形態におけるパチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体2と、この筐体2に開閉可能に装着された前扉3とを有しており、前扉3の前面には、透明ガラス(図示せず)を有するガラス枠5が開閉可能に取り付けられている。透明ガラスの奥側には、遊技盤7が配置されている。前扉3における遊技盤7の左右上方には演出用照明装置10が配置されており、前扉3における遊技盤7の下方左部にはスピーカ(図示せず)を有する放音装置8が配置されている。また、ガラス枠5における右側部には、前扉3を筐体2側に施錠又は解放するための施錠装置4が配置されている。なお、筐体2及び前扉3等から遊技機本体が構成されている。
前扉3における遊技盤7の下方には上皿13が設けられており、上皿13における左上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口18が設けられ、上皿13における右上部壁面には、球貸ボタン14a及びプリペイドカード返却ボタン14bが設けられている。
また、前扉3における上皿13の下方には下皿15が配置されており、該下皿15の左部には、不図示の球発射装置を操作して遊技球を遊技領域7aに向けて打ち出すための発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿15の球収容部15aには、上皿13からオーバーフローした遊技球が放出される球放出口19が形成されており、下皿15の左部には灰皿24が配置されている。
なお、図1中の符号62は、発射ハンドル9の操作で発射された遊技球を遊技盤7の遊技領域7aに導くガイドレールを示し、符号22はアウト口を示している。また、本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域7aにて入賞することなく落下してアウト口22に入り込んだ遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
遊技盤7の遊技領域7aには、図1及び図2に示すように、中央部分にメイン表示装置(大当たり抽選結果表示手段)47が配設されており、該メイン表示装置47の上部左右及び下部左右には、大当たり抽選に関与しない一般の入賞が行われる入賞口27,28,48が配設されている。メイン表示装置47の下方には、第1始動チャッカー(第1始動口)16と、アタッカー17とが順次配設されている。第1始動チャッカー16は、後述の第1抽選手段33による大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われる役物であり、アタッカー17は、大当たり発生時に開放され、遊技盤7の遊技領域7aに打ち出されて転動落下する遊技球Baを入賞させる役物である。アタッカー17は、大当たり発生中、1回の開放で10個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回繰り返すように構成されている。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、10個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
図1におけるメイン表示装置47の左方下部には、詳しくは後述する第2始動チャッカー(第2始動口)29が配設されており、また、上記入賞口28の下部であって、入賞口48の上部には、遊技盤7に打ち出された遊技球Baのうちの所定数(本実施の形態では5個)を一旦保留した後、これら遊技球Baを全て入賞口48に放出して入賞させるように構成された保留装置25が配設されている。
保留装置25は、図2ないし図4に示すように、遊技球Baを受け入れる遊技球導入部52を最上部に有しており、該遊技球導入部52の前部には、遊技盤7に露出した形で遊技球導入部52及び保留部50に連通する開口部57と、詳しくは後述する保留解除抽選手段70の抽選結果に基づき開放又は閉止させ得るようにヒンジ53aを介して枢着された蓋体53とが配設されている。
また、保留装置25は、遊技球導入部52の内部傾斜面52aを介して開口部57に連通する上記保留部50と、この保留部50に遊技球Baが既に5個保留されている状態で開口部57から入球した遊技球Baを遊技盤7背面側に排出する排出口51と、保留部50内方で上記保留解除抽選手段70の抽選結果に基づき開放又は閉止させ得るようにヒンジ55aを介して枢支された放出規制弁55とを備えている。
保留部50は、遊技盤7の表面(つまり盤面)から裏面側に後退した状態にて、最大で5個の遊技球Baを保留し得るように上記放出規制弁55によって下部側を仕切られるようになっており、進入した遊技球Baを、若干量の隙間をあけるだけで内部空間50aに安定して収容し得るような内径(例えば12〜13mm)を有する円筒状に構成されている。また、遊技球導入部52の前側上部には、蓋体53が閉塞位置(図5に示す状態)にあるときその旨の検知信号を主基板30に出力する蓋体検知センサ58が配設されている。
保留部50は、上記構成により、放出規制弁55の閉塞状態にて最大で5個の遊技球Baを一旦保留した後、放出規制弁55の開放動作でこれら遊技球Baの全てを入賞口48に向けて放出するように機能する。なお、本実施の形態では、保留装置25によって一旦保留できる最大個数を5個として説明するが、保留可能な球数はこれに限定されるものではなく、例えば4個以下、或いは6個以上として適宜設定することが可能なものである。
また保留装置25は、保留部50の下方に備えた放出規制弁55に対向する位置から前方に屈曲して遊技盤7の表面に突出した後、下方に屈曲して入賞口48上部の障害釘56間の空隙56aに対向する開口54aを備えた放出案内路54を具備している。開口54aは、障害釘56の上部側から例えば12〜13mmの距離をあけて位置している。
保留装置25の前面側(遊技盤の表面側)には、図2ないし図4に示すように、例えば液晶パネル等からなるサブ表示装置(解除抽選結果表示手段)46が配設されている。サブ表示装置46は、透明ないし半透明に構成されており、保留装置25の保留部50に前後方向に重なる位置(遊技盤の垂直方向に対して重なる位置)に、該保留部50の全体を覆う形で配設されている。また、サブ表示装置46の表面は、遊技盤7の表面と前後方向の位置が一致するように配置されており、つまり遊技盤7の一部を構成する形となっている。またこのサブ表示装置46により保留装置25の部分が蓋されて遊技領域7aから遊技球Baが侵入しないようになっている。
サブ表示装置46は、略全体が表示領域46aとなっており、その表示領域46aには半透明画像を表示するようになっている。つまり、サブ表示装置46の表示領域46aに所望の画像を表示しても、保留装置25の保留部50が透視し得るようになっており、保留部50に保留・放出される遊技球Baを視認し得るようになっている。
次に、本実施の形態におけるパチンコ機1の制御系を図6に沿って説明する。すなわち、本制御系は、主基板30と、この主基板30に接続されたサブ基板42とを備えている。主基板30は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。
主基板30は、入賞判定手段31、入賞信号出力手段32、第1抽選手段33、第2抽選手段34、遊技制御手段35、保留手段36、作動制御手段37、作動判定手段38、作動決定手段39、保留解除抽選手段70、解除抽選確率変更手段71、テーブルデータ管理手段72、第1計数手段73、及び第2計数手段74を備えている。また主基板30には、蓋体開閉ソレノイド64、規制弁開閉ソレノイド40、始動チャッカー開閉ソレノイド45、アタッカー開閉ソレノイド41、蓋体検知センサ58、及び規制弁検知センサ65が接続されている。
入賞判定手段31は、発射ハンドル9の操作で作動する発射装置(図示せず)によって遊技領域7aに打ち出された遊技球が第1始動チャッカー16、入賞口27,29、第2始動チャッカー29の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。また入賞判定手段31は、入賞口48への入賞時にも当該入賞があった旨を判定する。
入賞信号出力手段32は、入賞判定手段31によって入賞が判定されたとき、対応する第1始動チャッカー16、入賞口27,29,48、或いは第2始動チャッカー29に入賞した旨の入賞信号を出力する。
第1抽選手段33は、第1始動チャッカー16に遊技球が入賞した際であって、入賞信号出力手段32からの入賞信号の入力時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、次なる大当たりを当選させるまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たり、及び上記特殊状態とならない通常当たりのうちの何れか一方に当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して、大当たり抽選を実行する。
第2抽選手段34は、第1抽選手段33での大当たり抽選で確変当たりに当選した場合、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、確変当たりに対応する「111」、「333」や「777」等の図柄がメイン表示画面47の大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターンコマンドを後述の遊技制御手段35に出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。
また、第2抽選手段34は、第1抽選手段33での大当たり抽選で通常当たりが当選した場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、通常当たりに対応する「222」、「444」や「888」等の図柄がメイン表示画面47の大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、この変動パターンコマンドを後述の遊技制御手段35に出力する。
更に、第2抽選手段34は、第1抽選手段33での大当たり抽選で外れた場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する「252」、「464」や「838」等の図柄がメイン表示画面47の大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、この変動パターンコマンドを後述の遊技制御手段35に出力する。
保留手段36は、第2抽選手段34から出力された変動パターンコマンドを入力し、第1始動チャッカー16への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、メイン表示装置47に備えた保留球表示部(図示せず)に、例えば最大4個の保留球として点灯表示される。保留手段36は、例えば保留球数Hが0<H<5であるか否かを常時判定し、保留球数Hが4個表示されている間は、第1始動チャッカー16への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
そして保留手段36は、保留(記憶)している変動パターンコマンドを順次表示制御手段44に送信し、この送信した変動パターンコマンドに基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターンコマンドを送信しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる(オンする)と共に、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ(図示せず)をセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段36は、保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、第1抽選手段33で行われる第1始動チャッカー16への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
一方、保留解除抽選手段70は、まず、上記第2始動チャッカー29に遊技球が入賞した際に、保留装置25の保留状態の解除動作の抽選、即ち保留装置25の当たり・外れの抽選を行うため、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得し、詳しくは後述する第1テーブルデータ91又は第2テーブルデータ92を参照する。また、保留解除抽選手段70は、その抽選結果に基づき、当たりに対応する「33」や「77」等、或いは外れに対応する「12」や「54」等の図柄がサブ表示装置46の当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、この変動パターンコマンドを後述の遊技制御手段35に出力する。
解除抽選確率変更手段71は、上記保留解除抽選手段70が抽選を行う際に参照する第1テーブルデータ91又は第2テーブルデータ92を、詳しくは後述する変更処理によって選択変更する。
テーブルデータ管理手段72は、図7に示すような不図示の不揮発性メモリ等に格納されている第1テーブルデータ91と第2テーブルデータ92とを読出し自在に管理する。このうち、本実施の形態において図7(a)に示す第1テーブルデータ91は、「当選状態」が当たりである乱数の範囲が例えば0〜11であって、上記保留解除抽選手段70により抽出する乱数が当たりに該当する確率が低い、所謂低確率のテーブルデータであり、また、図7(b)に示す第2テーブルデータ92は、「当選状態」が当たりである乱数の範囲が例えば0〜59であって、上記保留解除抽選手段70により抽出する乱数が当たりに該当する確率が高い、所謂高確率のテーブルデータである。
第1計数手段73は、上記第1抽選手段33の抽選により大当たりが当選し、当該大当たりの遊技が終了した後(大当たり遊技実行手段による遊技者に有利な遊技状態の実行処理が終了した後)から、保留解除抽選手段70により抽選が行われた回数を計数する。なお、この第1計数手段73により計数された回数が、上記解除抽選確率変更手段71によりテーブルデータを選択変更する条件の1つとなり、詳しくは、第1計数手段73により計数された回数が第1の所定回数(例えば100回)以内である際に、上記解除抽選確率変更手段71により第2テーブルデータ92に選択変更される。
また、第2計数手段74は、上記第1抽選手段33の抽選により大当たりが当選し、当該大当たりの遊技が終了した後(大当たり遊技実行手段による遊技者に有利な遊技状態の実行処理が終了した後)から、第1抽選手段33により抽選が行われた回数を計数する。なお、この第2計数手段74により計数された回数が、上記解除抽選確率変更手段71によりテーブルデータを選択変更する条件の1つとなり、詳しくは、第2計数手段74により計数された回数が第2の所定回数(例えば1000回)以上である際に、上記解除抽選確率変更手段71により第2テーブルデータ92に選択変更される。
遊技制御手段(遊技制御手段)35は、予め設定された大当たり用の演出データに応じて、第2抽選手段34での抽選結果に基づき、メイン表示装置47に表示すべき演出内容に関する信号を、制御コマンドと共にサブ基板42の第1表示制御手段44に送信する。また、遊技制御手段35は、予め設定された保留装置用の演出データに応じて、保留解除抽選手段70での抽選結果、特に上記第1テーブルデータ91及び第2テーブルデータ92における抽出乱数に対応する表示図柄に基づき、サブ表示装置46に表示すべき演出内容に関する信号を、制御コマンドと共にサブ基板42の第2表示制御手段80に送信する。
作動制御手段(遊技制御手段)37は、後述する作動決定手段(遊技制御手段)39の作動開始決定の旨の信号に基づき、蓋体開閉ソレノイド64に駆動信号を送って該ソレノイド64を作動させて蓋体53を開放又は閉塞動作させ、また、規制弁開閉ソレノイド40に駆動信号を送って該ソレノイド40を作動させて放出規制弁55を開放又は閉塞動作させる。また作動制御手段37は、作動決定手段39の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド45に駆動信号を送って該ソレノイド45を作動させて第1始動チャッカー16を開放又は閉塞動作させる。更に作動制御手段37は、アタッカー開閉ソレノイド(遊技制御手段)41に駆動信号を送って該ソレノイド41を作動させ、第1抽選手段33での抽選による大当たり発生時にアタッカー17を開放して所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返すように制御する。
作動判定手段(遊技制御手段)38は、蓋体開閉ソレノイド64、規制弁開閉ソレノイド40、始動チャッカー開閉ソレノイド45、アタッカー開閉ソレノイド41を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。蓋体開閉ソレノイド64にあって、蓋体53の開放の「条件を満たす」時とは、例えば、規制弁検知センサ65の検知に基づいて放出規制弁55の閉塞が検出された場合であり、蓋体53の閉塞の「条件を満たす」時とは、例えば、放出規制弁55の開放動作の直前と判定された場合である。規制弁開閉ソレノイド40にあって、放出規制弁55の開放の「条件を満たす」時とは、例えば上記保留解除抽選手段70の抽選結果が当たりの場合であって、特にサブ表示画面46の図柄が確定した状態であり、放出規制弁55の閉塞の「条件を満たす」時とは、例えば、保留装置25の保留部50から放流されている遊技球が落下し終える時間(例えば1秒)を経過した場合である。
また、始動チャッカー開閉ソレノイド45にあって、第1始動チャッカー16の開閉の「条件を満たす」時とは、主基板30において第1抽選手段33の大当たり抽選とは別途行われる抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド41にあって、アタッカー17の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ(所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)の状態から3つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、アタッカー17の閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時における1ラウンドの入賞を完了した場合(或いは所定時間経過した場合)である。
作動決定手段39は、作動判定手段38からの判定信号を受けて、蓋体開閉ソレノイド64、規制弁開閉ソレノイド40、始動チャッカー開閉ソレノイド45、アタッカー開閉ソレノイド41の作動開始をそれぞれに決定する。
また蓋体開閉ソレノイド64は、作動制御手段37から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、蓋体53を開閉動作させる。
規制弁開閉ソレノイド40は、作動制御手段37から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、放出規制弁55を開閉動作させる。
始動チャッカー開閉ソレノイド45は、作動制御手段37から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、第1始動チャッカー16を開閉動作させる。
アタッカー開閉ソレノイド41は、作動制御手段37から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、アタッカー17を開閉動作させる。
蓋体検知センサ58は、蓋体53が閉塞位置(図5に示す状態)にあるときその旨の検知信号を主基板30に出力する。
規制弁検知センサ65は、放出規制弁55が閉塞位置(図4に示す状態)と開放位置(図5に示す状態)の何れにあるかを検知してその旨の信号を主基板30に送信する。
一方、サブ基板42は、演出制御手段43、第1表示制御手段44、及び第2表示制御手段80を有しており、サブ基板42には、放音装置11、演出用照明装置10、メイン表示装置47、及びサブ表示装置46が接続されている。
演出制御手段43は、主基板30中の上記マイクロプロセッサから供給される信号に従って、放音装置11、演出用照明装置10を適時駆動して、遊技者の視覚及び聴覚に訴える演出表示を行う。
第1表示制御手段44は、遊技制御手段35から送信された演出内容に関する信号に従ってメイン表示装置47を適時駆動し、大当たり抽選の結果等を遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。
第2表示制御手段80は、遊技制御手段35から送信された演出内容に関する信号に従ってサブ表示装置46を適時駆動し、保留装置25の放出に関する当たり抽選の結果等を遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。
放音装置11、演出用照明装置10、メイン表示装置47、及びサブ表示装置46は、上述したように各制御に応答して音、光等の発生により、通常時の演出や大当たり時における特別な演出等を行う。
次に、本パチンコ機1による大当たりに関する処理(つまり第1種特別電動役物としての処理)について、図8のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル9を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS1)、発射装置(図示せず)の作動によって遊技球が所定の時間間隔で遊技領域7aに向けて連続的に発射される。すると、遊技盤7の遊技領域7aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、第1始動チャッカー16や入賞口27,29に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域7a最下部のアウト口22から遊技盤7背面側に排出される。なお、第2始動チャッカー29に入賞した場合については、後述の保留装置の放出抽選処理において説明する。
そして、第1始動チャッカー16に入賞した場合、入賞判定手段31が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段32が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段36は、保留球Hが0<H<5であるか否かを常時判定しており、0<H<5を満たすと判定したときには、保留している変動パターンコマンドを、遊技制御手段35を介して表示制御手段44に順次送信し、図柄変動禁止フラグをオンすると共に、図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段36は、当該保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、第1抽選手段33で行われる始動入賞口16への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
そして、大当たり抽選で当選した場合(ステップS3)、第1抽選手段33が当たりフラグをオンすると、第2抽選手段34が、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり確変当たり又は通常当たりに対応する変動パターンを決定する。
これにより、ステップS4において、遊技制御手段35は、その旨の変動パターンコマンドを第1表示制御手段44に出力し、メイン表示装置47に表示されるべき当たり図柄がセットされると共に、当該変動パターンコマンドに基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターンコマンドを送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。一方、大当たり抽選で外れた場合には、第2抽選手段34による演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定され、遊技制御手段35によって、その旨の変動パターンコマンドを第1表示制御手段44に出力する。これにより、メイン表示装置47に表示される外れ図柄がセットされると共に、遊技制御手段35は、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
以上のようにして、遊技制御手段35が、メイン表示装置47に表示すべき演出内容に関する信号を制御コマンドと共にサブ基板42の第1表示制御手段44に送信することに基づき、第1表示制御手段44が、メイン表示装置47を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS5)。
そして、第1抽選手段33での抽選結果がメイン表示装置47の画面上に表れると、作動制御手段37が、作動判定手段38の判定後に、作動決定手段39の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド41に駆動信号を送り、当該ソレノイド41を作動させてアタッカー17を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返させる。これにより、アタッカー17に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口18から上皿13に払い出されることとなる(ステップS6)。
次に、本パチンコ機1による保留装置25の保留解除に関する処理について、図9のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
同様に、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル9を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS11)、発射装置(図示せず)の作動によって遊技球が所定の時間間隔で遊技領域7aに向けて連続的に発射される。すると、遊技盤7の遊技領域7aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、第2始動チャッカー29に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域7a最下部のアウト口22から遊技盤7背面側に排出される。なお、第1始動チャッカー16に入賞した場合は、同時進行で上述の大当たり抽選処理が行われる(図8参照)。
そして、第2始動チャッカー29に入賞した場合、入賞判定手段31が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段32が入賞信号を出力する(ステップS12)。
第2始動チャッカー29の入選信号を受けた保留解除抽選手段70は、詳しくは後述する保留装置25の当たり・外れに関する抽選処理、即ち保留解除抽選処理を行い(ステップS13)、当たりを抽選した場合は、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、当たりの図柄に対応する変動パターンを決定する。なお、外れを抽選した場合は、同様に外れの図柄に対応する変動パターンを決定する。また、当たりを抽選した際は、抽出乱数に基づき上記第1テーブルデータ91又は第2テーブルデータ92より解除回数を読出し、遊技制御手段35にその解除回数に関する信号を出力する。
これにより、ステップS14において、遊技制御手段35は、その旨の変動パターンコマンドを第2表示制御手段80に出力し、サブ表示装置46に表示されるべき当たり図柄又は外れ図柄がセットされる。なお、例えばこの変動パターンの図柄が確定するまでの間、保留解除抽選手段70は、第2始動チャッカー29に遊技球Baが入賞しても抽選を行わず、つまり保留球として抽選結果を保留しないものを一例に説明しているが、上記大当たり抽選処理と同様に、図柄の変動中における第2始動チャッカー29の入賞を所定数の保留球として保留するようにしてもよい。
以上のようにして、遊技制御手段35が、サブ表示装置46に表示すべき演出内容に関する信号を制御コマンドと共にサブ基板42の第2表示制御手段80に送信することに基づき、第2表示制御手段80が、サブ表示装置46を適時駆動し、保留装置25の放出の抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS15)。
このように保留解除抽選手段70での抽選結果がサブ表示装置46の画面上に表れると、作動制御手段37が、作動判定手段38の判定後に、作動決定手段39の作動開始決定の旨の信号に基づき、まず、当該ソレノイド64により蓋体53を閉止する。そして、蓋体検知センサ58により蓋体58が閉止していることが検知され、例えば所定時間(例えば3秒)経過後に、作動制御手段37が、作動決定手段39の作動開始決定の旨の信号に基づき、規制弁開閉ソレノイド40に駆動信号を送り、当該ソレノイド40を作動させて放出規制弁55を開放し(図5参照)、所定時間(例えば1秒)後に当該ソレノイド40により放出規制弁55を閉止する。
これにより、保留装置25の保留部50に例えば5個の遊技球Baが保留され、該保留部50に保留された例えば5個の遊技球Baが入賞口48に向けて放出されて、該入賞口48に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口18から上皿13に払い出されることとなり、つまり保留状態の解除動作(放出処理)が行われる(ステップS16)。また、放出規制弁55の閉止動作の直後は、作動制御手段37からの駆動信号に応答して蓋体53が開放作動させられ、保留装置25では、遊技領域7aに打ち出された遊技球Baを再び受け入れ得る状態となる。
また、前述の解除回数が複数回(例えば10回や30回など)である場合は、上述した作動制御手段37、作動判定手段38、及び作動決定手段39による保留装置25の保留状態の解除動作を、当該解除回数の信号に対応する回数だけ繰り返して行い、つまり抽選された解除回数の解除動作が行われる。
なお、以上の処理の間において、規制弁開閉ソレノイド40の作動で放出規制弁55が閉止され、且つ蓋体開閉ソレノイド64の作動で蓋体53が開放された図4の状態では、不図示の障害釘の間を転動しつつ開口部57に到達した遊技球Baが該開口部57に進入すると、保留装置25の保留部50に遊技球Baが順次溜まっていき、5個目が溜まった時点から更に進入する遊技球Baは、5個目の遊技球Baの上部後方にて遊技盤7背面側に開口する排出口51から排出されることとなる。
また、作動制御手段37からの駆動信号に応答して放出規制弁55を開放動作した場合には、図5に示すように、保留部50に保留されていた5個の遊技球Baが全て一斉に自重落下し、障害釘56間の空隙56aを通って入賞口48に入賞するが、この際、場合によっては、落下する遊技球Baの一部が障害釘56に接触し弾かれて、入賞し得ないこともある。また、放出規制弁55の開放の時点で保留部50には遊技球Baが必ずしも5個保留されているとは限らず、入賞状況によって5個未満の保留状態となっていても、放出規制弁55の開放が行われた際には、保留部50内に存する遊技球Baが全て一斉に落下される。
なお、本実施の形態において、保留装置25における蓋体53と放出規制弁55との動作は、保留解除抽選手段70により当たりが抽選された場合に、蓋体53が開閉し、保留部50に遊技球を保留し、放出規制弁55を開閉し、保留装置25としての放出を行うものを説明したが、その他の動作として、以下の(ア)又は(イ)の動作が考えられる。
(ア)通常状態で蓋体53は閉止しておき、保留解除抽選手段70により当たりが抽選された場合に、蓋体53を所定時間開放して再び閉止し、放出規制弁55を開閉して遊技球の放出を行う。
(イ)保留解除抽選手段70により当たりが抽選された場合に、蓋体53の開閉を行って保留部50の保留を行うと共に、保留部50に所定数(5個)の遊技球が保留された場合に、放出規制弁55を開閉して遊技球の放出を行う。
つづいて、本発明の要部となる保留解除抽選処理に関して、図10のフローチャートを併せて参照しつつ詳細説明する。
上述したように遊技球発射処理(S11)、及び入賞処理(S12)が行われると、保留解除抽選処理(S13)が開始され、図10に示すように、保留解除抽選手段70により乱数の抽出が行われる(S13−1)。ここで、例えば解除抽選確率変更手段71により第1テーブルデータ91が選択されていたとすると、保留解除抽選手段70は、図7(a)に示す第1テーブルデータ91を参照する(S13−2)。
つづいてステップS13−3において、保留解除抽選手段70は、抽出した乱数(以下、「抽出乱数」という)が当たりであるか外れであるかを判定する。即ち、該抽出乱数が0から14までの間であれば当たり乱数と判定され(S13−3のYes)、該抽出乱数が例えば14から999までの間であれば外れ乱数と判定される(S13−3のNo)。当たり乱数と判定されなかった場合、即ち外れ乱数であった場合は、そのままステップS13−5に進み、つまり保留装置25の保留状態の解除動作は行われない。
当たり乱数と判定された場合は、当たりフラグのONを不図示のメモリに記録すると共に、上記抽出乱数に基づき第1テーブルデータ91を参照して解除回数を読出し、その解除回数を不図示のメモリに信号出力して記録する(S13−4)。これにより、前述の放出処理(S16)において、保留装置25の保留状態の解除動作が解除回数の信号に応じた回数だけ連続的に行われることになる。なお、この放出処理において、保留装置25の保留装置の解除がその回数だけ終了すると、メモリの当たりフラグがOFFされると共に解除回数信号も消去される。
また、前述の図柄決定処理(S14)においては、抽出乱数に応じて第1テーブルデータ91を参照して当たりの表示図柄を決定し(例えば抽出乱数が0〜4であれば「11」、5〜6であれば「33」、7〜9であれば「55」、10〜11であれば「77」をそれぞれ表示図柄として決定し)、前述の図柄表示処理(S15)で決定された図柄がサブ基板42の第2表示制御手段80によってサブ表示装置46に表示されることになる。
一方、例えば解除抽選確率変更手段71により第2テーブルデータ92が選択されていたとすると、保留解除抽選手段70は、図7(b)に示す第2テーブルデータ92を参照し(S13−2)、抽出乱数が当たりであるか外れであるかを判定することになる(S13−3)。この際は、該抽出乱数が0から59までの間であれば当たり乱数と判定され(S13−3のYes)、該抽出乱数が例えば60から999までの間であれば外れ乱数と判定される(S13−3のNo)。つまり、これによって保留解除抽選手段70の抽選における当選確率が変更されていることになる。
その後は同様に、外れ乱数と判定された場合は、そのままステップS13−5に進んで保留装置25の保留状態の解除動作は行わず、また、当たり乱数と判定された場合は、当たりフラグのONを不図示のメモリに記録すると共に、上記抽出乱数に基づき第2テーブルデータ92を参照して解除回数を読出し、その解除回数を不図示のメモリに信号出力して記録し(S13−4)、ステップS13−5に進む。更に、当たり乱数と判定された場合は、前述の放出処理(S16)において、保留装置25の保留状態の解除動作が解除回数の信号に応じた回数だけ連続的に行われることになり、保留装置25の保留装置の解除がその回数だけ終了すると、メモリの当たりフラグがOFFされると共に解除回数信号も消去される。
また、前述の図柄決定処理(S14)においては、抽出乱数に応じて第2テーブルデータ92を参照して当たりの表示図柄を決定し(例えば抽出乱数が0〜19であれば「11」、20〜24であれば「33」、25〜39であれば「55」、40〜59であれば「77」をそれぞれ表示図柄として決定し)、前述の図柄表示処理(S15)で決定された図柄がサブ基板42の第2表示制御手段80によってサブ表示装置46に表示されることになる。
以上のように当たり・外れに関する処理が終了すると、ステップS13−5に進み、解除抽選確率変更手段71は、保留解除抽選手段70の抽選における当選確率の変更処理を開始する。詳細には、まず、解除抽選確率変更手段71により選択されているテーブルデータ(第1テーブルデータ91又は第2テーブルデータ92)を参照し、上記抽出乱数に基づき解除確率変更指令がテーブルデータ変更抽選に該当するか否かを判定する(S13−5)。
解除抽選確率変更手段71により選択されているテーブルデータを参照し、テーブルデータ変更に該当しない場合、即ち、第1テーブルデータ91を参照した際は、例えば抽出乱数が0〜4、7〜11、14〜999であって「テーブルデータ変更なし」に該当する場合であり、第2テーブルデータ92を参照した際は、例えば抽出乱数が0〜19、25〜59、65〜999であって「テーブルデータ変更なし」に該当する場合は(S13−5のNo)、そのままステップS13−8に進む。
一方、テーブルデータ変更に該当する場合(テーブルデータ変更抽選指令ありの場合)、即ち、第1テーブルデータ91を参照した際は、例えば抽出乱数が5〜6又は12〜13である場合、第2テーブルデータ92を参照した際は、例えば抽出乱数が20〜24又は60〜64である場合は(S13−5のYes)、ステップS13−6に進み、解除抽選確率変更手段71は、テーブルデータ変更に関する抽選処理を行って、乱数的に第1又は第2テーブルデータ91,92の選択を抽選する。なお、このテーブルデータ変更抽選処理において、第1又は第2テーブルデータ91,92の選択確率は、例えばそれぞれ1/2のようなものであっても、例えば第1テーブルデータ91が2/3で第2テーブルデータ92が1/3のようなものであってもよく、つまり適宜な設定された選択確率であればどのような確率であってもよい。
そして、ステップS13−7において、解除抽選確率変更手段71は、上記テーブルデータ変更抽選処理において抽選されたテーブルデータに移行を行う。つまり、選択されていたテーブルデータが第1テーブルデータ91であって上記テーブルデータ変更抽選処理において第2テーブルデータ92が抽選された場合、又は選択されていたテーブルデータが第2テーブルデータ92であって上記テーブルデータ変更抽選処理において第1テーブルデータ91が抽選された場合は、テーブルデータの選択変更がなされ、これによって、保留解除抽選手段70の抽選における当選確率が変更されることになる。また、選択されていたテーブルデータが第1テーブルデータ91であって上記テーブルデータ変更抽選処理において第1テーブルデータ91が抽選された場合、又は選択されていたテーブルデータが第2テーブルデータ92であって上記テーブルデータ変更抽選処理において第2テーブルデータ92が抽選された場合は、テーブルデータの変更は行われないことになる。
なお、本実施の形態においては、例えば抽出乱数のうちの特定の表示図柄「33」に対応する場合に上記テーブルデータ変更抽選処理を行うので(図7参照)、遊技者は保留装置25の保留状態の解除抽選に当選した際に表示図柄によって抽選が行われたことを知ることができ、遊技者に期待感を与えることができるので、それによって遊技機としての遊技性の向上を図ることができる。また、例えば抽出乱数のうちの外れ乱数であって、特に表示図柄が対応していない場合にも上記テーブルデータ変更抽選処理を行うので(図7参照)、たとえ保留装置25の保留状態の解除抽選に当選しなくても、遊技者に期待感を与えることができるので、それによって遊技機としての遊技性の向上を図ることができる。
つづいてステップS13−8に進むと、解除抽選確率変更手段71は、上記第1計数手段73により計数されている、大当たり後(ステップS6の大当たり処理の終了後)の保留解除抽選手段70による抽選回数(大当たり後の保留解除抽選回数)が100回(第1の所定回数)以内であるか否かを判定する。大当たり後、保留解除抽選手段70による抽選回数が100回以上である場合は(S13−8のNo)、そのままステップS13−9に進む。一方、大当たり後、保留解除抽選手段70による抽選回数が100回以内である場合は(S13−8のYes)、ステップS13−10に進み、上記テーブルデータ変更抽選処理(S13−6)の結果に拘らず、解除抽選確率変更手段71によって選択するテーブルデータを第2テーブルデータ92にし、保留解除抽選処理を終了する。これにより、大当たり後の保留装置25が、保留解除抽選手段70による抽選回数が100回行われるまで、高確率で解除動作が行われる状態に維持されることになり、つまり、大当たりに関する抽選結果が遊技者に与える影響を大きくすることができる。
更に、つづいてステップS13−9に進むと、解除抽選確率変更手段71は、上記第2計数手段74により計数されている、大当たり後(ステップS6の大当たり処理の終了後)の第1抽選手段33による抽選回数(大当たり後の大当たり抽選回数)が1000回(第2の所定回数)以上であるか否かを判定する。大当たり後、第1抽選手段33による抽選回数が1000回以内である場合は(S13−9のNo)、そのまま保留解除抽選処理を終了する。一方、大当たり後、第1抽選手段33による抽選回数が1000回以上である場合は(S13−9のYes)、ステップS13−10に進み、上記テーブルデータ変更抽選処理(S13−6)の結果に拘らず、解除抽選確率変更手段71によって選択するテーブルデータを第2テーブルデータ92にし、保留解除抽選処理を終了する。これにより、前回の大当たり後に1000回以上の抽選が行われているのにも拘らず大当たりに当選しない状態において、保留装置25が、高確率で解除動作が行われる状態に維持されることになり、つまり遊技者が長時間に亘って大当たりに当選しない場合であっても、遊技者を飽きさせないようにすることができる。
なお、上記実施形態においては、大当たり後に保留解除抽選手段70による抽選回数が100回以内である場合、また、大当たり後に第1抽選手段33による抽選回数が1000回以上である場合に、第2テーブルデータ92を選択するものについて説明しているが、これらの回数の値は限定されるものでなく、適宜な値の回数に設定されれば、どのような値であってもよい。
以上説明したように、本発明に係るパチンコ機1によると、解除抽選確率変更手段71が、保留装置25の保留状態の解除に関する抽選を行う保留解除抽選手段70の抽選における当選確率を、高確率の状態と低確率の状態とに選択変更し得るので、保留装置25の解除動作が変化に富み、遊技機1としての遊技性の向上を図ることができる。
また、保留解除抽選手段70が、第2始動チャッカー29に遊技球が入賞したことに基づき抽選を行うので、第1抽選手段33の抽選とは別に保留装置25の解除動作を行うようにすることができ、遊技機1としての趣向を増すことができる。
更に、保留解除抽選手段70の抽選結果を表示するサブ表示装置46を備えているので、遊技者が大当たりの抽選結果と混同することなく、容易に保留装置25の解除動作を確認することができる。
また、テーブルデータ管理手段72が当選確率の異なるように構成された第1及び第2テーブルデータ91,92を読出し自在に管理し、解除抽選確率変更手段71が第1及び第2テーブルデータ91,92より1つのテーブルデータを選択変更し得、保留解除抽選手段70が解除抽選確率変更手段71により選択されたテーブルデータに基づき保留装置25の保留状態の解除に関する抽選を行うので、即ち保留解除抽選手段70が参照するためのテーブルデータを選択変更されることで、保留解除抽選手段70の抽選における当選確率を段階的に変更することができる。
更に詳細には、第1及び第2テーブルデータ91,92には外れ乱数と当たり乱数とが格納されていると共に、外れ乱数と当たり乱数との格納比率が異なるように構成されており、それら第1及び第2テーブルデータ91,92に格納されている外れ乱数又は当たり乱数に基づき保留装置25の保留状態の解除に関する抽選を行うので、これによって保留解除抽選手段70の抽選における当選確率を段階的に変更することができる。
また、第1及び第2テーブルデータ91,92には、当たり乱数に対応して、保留装置25の保留状態を解除する回数に関する回数データ(解除回数)が格納されており、保留装置25が、保留解除抽選手段70により抽出された乱数が当たり乱数である際、該当たり乱数に対応する解除回数に応じて連続的に保留状態を解除するので、保留解除抽選手段70の抽選結果に応じて保留装置25が連続的に保留状態を解除する回数を変化させることができ、遊技機としての遊技性の向上を図ることができる。
また、大当たり処理が終了した後から、保留解除抽選手段70による抽選が行われた回数を計数する第1計数手段73を備えており、解除抽選確率変更手段71が、第1計数手段73による計数が第1の所定回数(例えば100回)以内である際に、保留解除抽選手段70の抽選における当選確率が高い状態となるように選択変更するので、大当たりの終了後に、保留装置25の保留状態の解除を当選し易くすることができ、つまり、大当たりに関する抽選結果が遊技者に与える影響を大きくすることができる。
更に、大当たり処理が終了した後から、第1抽選手段33による抽選が行われた回数を計数する第2計数手段74を備えており、解除抽選確率変更手段71が、第2計数手段74による計数が第2の所定回数(例えば1000回)以上である際に、保留解除抽選手段70の抽選における当選確率が高い状態となるように選択変更するので、例えば遊技者が長時間に亘って大当たりに当選しない場合であっても、遊技者を飽きさせないようにすることができる。
また、解除抽選確率変更手段71が、保留解除抽選手段70の抽選結果に基づき、それぞれ第1及び第2テーブルデータ91,92よりテーブルデータ変更抽選の指令を読出し、それに応じてテーブルデータの選択抽選を行うことで、当選確率を選択変更し得るので、保留解除抽選手段70の抽選が行われる毎に遊技者に期待感を与えることができる。
なお、解除抽選確率変更手段71が、保留解除抽選手段70の抽選結果だけでなく、第1抽選手段33の抽選結果に基づきテーブルデータ変更抽選を行って、保留装置25の解除動作の当選確率を選択変更するようにしてもよく、この場合は、大当たりの抽選が行われる毎に遊技者に期待感を与えることができる。
また、本実施の形態においては、解除抽選確率変更手段71が、テーブルデータを選択変更することで保留装置25の解除動作の当選確率を変更するものについて説明したが、保留装置25の解除動作の当選確率を変更するものであれば、テーブルデータを用いなくても構わない。
更に、本実施の形態においては、第1及び第2テーブルデータ91,92の2つを有しているものを説明したが、テーブルデータを3つ以上有しているものであってもよい。この際は、解除抽選確率変更手段71によるテーブルデータの選択変更を段階的に抽選を行って当選確率が徐々に変化するようにしてもよく、反対に何れのテーブルデータが選択されるか分からないように選択変更の抽選を行うようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、解除抽選確率変更手段71により、テーブルデータ変更抽選、大当たり後の保留解除抽選回数、大当たり後の大当たり抽選回数に基づきテーブルデータの選択変更を行っているが、これらに限らず、テーブルデータの選択変更の契機はどのようなものを用いてもよい。
更に、本実施の形態においては、保留解除抽選手段70が第2始動チャッカー29に入賞した際に抽選を行うものについて説明したが、これに限らず、その他の始動口、入賞口、スルーゲート等、何れのものを抽選の契機に用いても構わない。
また、本実施の形態においては、保留解除抽選手段70の抽選結果をサブ表示装置46に表示するものについて説明したが、メイン表示装置47に表示するものであってもよく、更に、7セグメントなど、他の表示手段を用いて表示するものであっても構わない。
また、本実施の形態において、解除抽選確率変更手段71がテーブルデータ変更抽選指令があった際に(S13−5参照)テーブルデータ変更抽選処理を行うものを説明したが、テーブルデータ変更抽選指令があった際に必ずテーブルデータの変更を行うように構成してもよい。
なお、以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機及びその遊技盤は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機及びその遊技盤も、本発明の範囲に含まれる。