JP4614241B2 - 試料処理装置およびそれを設けた測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料流路に付着する共存成分を処理する試料処理装置およびそれを設けた測定装置に関する。
従来から、重油を原料とする各種石油製品の製作過程において、精製装置や接触分解装置などから出てくる硫化水素(HS)を多量に含むガスは、そのまま燃料ガスにすると二酸化硫黄(SO)の発生が著しいので、硫黄回収装置で硫黄分を取り除いて使用する。具体的には、硫黄回収は,ガス中に含まれるHSを分離する工程と,分離されたHSを元素硫黄(Sv)に転化する工程をとる。前者は、モノエタノールアミンなどのアルカリ性水溶液に吸収させた後に分離・回収する方法が採用され、後者は、クラウス法あるいはスーパークラウス法が広く採用されている。
クラウス法あるいはスーパークラウス法は、最も重要で効果的な硫黄回収プロセスとして、ガス処理、天然ガス、コークスプラントおよび精製装置に用いられる。このプロセスにおいては、酸性ガス流の一部が酸化されSOが発生する。その後触媒存在下において、SOは残存HSと反応し硫黄を生成する。その簡便性や効率性によって、クラウス法は硫黄回収において有用であり、世界的に他のいかなるプラントよりも多く利用されている。
クラウス法は、以下の化学反応によってHSをSvに変換するものである。
(1)HSを反応炉で空気により部分燃焼させて、その一部によってSOを生成させる。
〔式1〕
3HS + 3/2O → 2HS +SO + HO ・・式1
(2)次に、このガスを触媒反応塔(触媒反応手段)に導入し、ガス状のSvを生成させる。
〔式1〕
2HS + SO → 3Sv + 2HO ・・式2
上記クラウス法によって、硫黄の回収率は高いものでは98%以上が得られている。
触媒反応塔における化学量論的反応を含め、クラウス法はSvを確実に収率よく得るためには臨界比率2:1を維持する必要がある。これは、比率が2:1以上になった場合プロセスに過剰酸素(O)が必要となることから明らかである。反応炉での燃焼においては空気が使用されることから、反応における酸素要求量は、通常空気要求量とされる。
また、上記のようなクラウスプロセスのガス流からSvを除去し回収する方法として、処理すべきガスを冷却して、蒸気および/または伴出粒子の形で該ガス内に存在するSvを除去する方法が提案されている。具体的には、図5に示すように、処理されるガスは熱交換器104の下方端部に導かれ、熱交換器104の壁面の温度が硫黄の凝固点以下であること、および該ガス中に水が存在する場合には、該水の露点以上であることが、冷媒の温度および/または冷媒の流速によって保証される。析出したSvは重力の作用によって処理されるガスの流れとは反対の方向に除去される(例えば特許公報1参照)。
特開平8−224438号公報
しかしながら、上記クラウスプラントなどにおいては、硫黄の回収率は、反応に関与するHSやSOの濃度が大きく影響することから、こうしたHSやSOの濃度を測定することが重要である。つまり、硫黄回収プロセスの最適化においては、HSやSOの正確な測定がキーとなる。測定方法としては、HSおよびSOを個別に直接測定可能な紫外線(UV)吸光法を用いた方法、あるいは赤外線(IR)吸光法を用いてHSのような還元性硫黄化合物をSOに酸化処理した試料との組合せによってHSの濃度を間接的に測定しHSおよびSOの濃度を測定する方法などを挙げることができる。
このとき、プロセスガス中に共存するSv、水分などによって、HSおよびSOとの吸収スペクトルの重複による干渉影響やこれらの凝縮による閉塞や飛沫などによる影響を受けることがある。特にプロセスから採取して測定する場合や直挿式によって測定する場合には、4〜8月間の適正状態での測定装置の稼動が必要とされることから、こうした影響は無視することができない。
従って、前者の試料採取式の測定装置において、Svの例えば高いUV吸光特性によるHSおよびSOの測定における干渉影響を排除するための吸光測定部でのSv除去装置が要求される。また、Svによる結晶化および詰りを発生しやすいことから、試料採取式の測定装置の試料処理部でのSvなどの固形化し易い物質の除去が必要となる。
また、直挿式測定装置においては、測定用のフローセルへの硫黄の混入を排除すべくコールドットラップ式を用いることがあるが、結晶化した硫黄が積層し断熱層を形成することとなり、適切な冷却機能を維持することができなくなる。こうした過剰の硫黄の排除が課題となる。
さらに、上記のようなSvだけでなく、一般に結晶化あるいは凝縮硬化する物質(例えば、石炭液化ガス中のタール分など)を含んだガスの連続測定は難しく、現状、例えばテトラバックなどにガスを採取してバッチ的に分析している。
また、このようなガスを測定するとき、給送ポンプのように試料の圧力や温度に影響を与える手段を試料採取系に設けると、そこでの変化によって凝縮物の発生を誘発するおそれがある。
そこで、この発明の目的は、こうした要請に対応し、例えば硫黄のような、析出物を形成しやすい物質を含む試料を、連続的にかつ長期安定的に処理が可能な試料処理装置、およびこれを設けて、高精度でかつ長期安定性の高い、連続測定が可能な測定装置を提供することにある。
本発明は、アスピレータ用流体導入路と、一端側がアスピレータ用流体導入路に繋がり他端側が試料採取部に繋がる少なくとも2つの試料流路Aと、一端側がアスピレータ用流体が流れる試料流路Aに繋がるとともに他端側が他の試料流路Aと繋がる試料流路Bと、試料流路Aの一部を冷却する冷温部と、アスピレータ用流体を導入する試料流路Aを選択し切り換える制御部とを備え、
少なくとも1つの試料流路Aにアスピレータ用流体を導入することによって、該試料流路Aを清浄すると同時に、他の試料流路Aに繋がった少なくとも1つの試料採取部からの試料の吸引、該試料流路Aにおける試料の冷却および試料中の特定成分の凝縮除去、さらに試料の試料流路Bへの導入を行うとともに、所定の周期でアスピレータ用流体を導入する試料流路Aを選択し切り換えることを特徴とする。
例えば、クラウスプラントにおいては、硫黄の回収率をモニタするためのHSやSOの濃度測定装置が重要な役割を果たす。このとき、析出物を形成しやすい物質を含む試料を連続的に精度よく測定するには、こうした物質を如何に試料セルなどの測定系に導入せずに効率よく排除するかが重要であり、同時に、試料採取において、試料滞留部や圧力などの試料性状の変化を抑えて如何にこうした物質の析出などを防げるかが重要となる。
本発明においては、試料処理部において、冷却された流路を設けて該流路内面に析出物を付着させることによって、干渉影響を与え流路の閉塞の原因となる成分を除去することができる。また、試料導入手段としてアスピレータを用いることによって、保守を要する駆動部が不要で、かつ試料流路での析出物が発生する可能性のある箇所を最小限に抑え、長期間の連続使用が可能であるとともに、前記析出物の清浄用にこのアスピレータ用流体を用いることによって、別途清浄用流体を準備する必要がない点においても有用である。さらに、少なくとも2つのこうした試料流路の組合せを備え、一方の流路によりサンプリング、その流路内での析出および他方の流路におけるその析出物の清浄化を順次繰り返すことによって、連続性が高くかつ長期安定的に処理可能な試料処理装置を提供することが可能となった。また、測定精度に影響する成分を析出させて除去することによって、従前の方法ではできなかった測定精度を確保することが可能となった。
本発明は、上記試料処理装置であって、前記アスピレータ用流体を加温スチームまたは加温空気とすることを特徴とする。
上記のように、本発明は、アスピレータを試料導入用の吸引手段としての機能に加え、付着物の清浄手段としての機能を有する点を特徴の1つとしている。従って、清浄効果の高く、かつ吸引能力を上げる流体をアスピレータに利用することが好ましい。本発明においては、Svなどのように冷却凝縮する析出物の除去をはかるものであり、アスピレータ用流体をスチームとすることによって、付着物の昇温および溶解を図るとともに、高速流による強力な清浄効果を利用することができる。
本発明は、上記試料処理装置であって、前記試料がクラウスプロセスのプロセス流体であり、少なくとも前記試料採取部がプロセス配管に直接挿入されることを特徴とする。
クラウスプロセスにおいては、試料自体が結晶化しやすく付着しやすい物質を多く含むことから、試料採取点から測定部まで試料を移送することが難しい。従って、冷却などの処理は、可能な限りプロセスは配管から最短の位置で行うことが好ましい。本発明においては、試料採取部をプロセスに直接挿入し直ちに処理することによって、こうした要請に対応するとともに、後述する測定機能との組合せによって測定装置を構成して長期安定性の高い、連続測定が可能な測定装置を提供することが可能となる。また、試料流路Aの清浄に用いられた多量のアスピレータ用流体をプロセスに排出することによって、別途の排出ガスの処理装置なども不要となる。
本発明は、上記試料処理装置を設けた測定装置であって、前記試料流路Bが試料セル部に繋がっていることを特徴とする。
本発明に係る試料処理装置は、単独で試料処理機能を有することから、測定装置は処理された試料を直接測定対象とするものが好ましい。具体的には、上記のような紫外線や赤外線などの吸光特性を利用するものが好適であり、特に前記試料処理装置で析出物を除去した試料を所定の温度に維持された試料セル部に導入しながら測定することにより、試料処理装置と一体となった測定装置を構成することができる。また、少なくとも2つの試料流路Bの他端側を試料セル部に繋げ、これを交互あるいは順次切り換えることによってほぼ連続的に清浄化された試料を測定することができる。従って、高精度でかつ長期安定性の高い、連続測定が可能な測定装置を提供することが可能となる。
本発明は、上記測定装置であって、前記試料流路Bおよび試料セル部を含んだ加温部を設け、該加温部を前記冷温部よりも高い温度に制御可能であることを特徴とする。
クラウスプラントなどの試料に含まれる析出物を形成しやすい物質を除去するには、試料流路Aにおいて冷却処理することが有効であることは上記の通りである。一方、試料セル部は、例えば吸光特性を安定にするためには略一定の温度によって制御されることが好ましく、それに接続する流路においても同様である。本発明においては、加温部と冷温部に分け、加温部の温度を、冷温部よりも高い温度に制御することによって、各部の機能に対応させた各部の温度制御が可能となる。
本発明は、上記測定装置であって、前記加温部を、加熱用流体、チェック用ガス、校正ガス、もしくは清浄用ガスを導入する流路を含む第1ディスク、試料セル部を収容する第2ディスク、アスピレータ用流体導入路を有する第3ディスクに分割し、各々のディスクを接合することにより構成したことを特徴とする。
本発明に係る測定装置においては、試料処理系と検出系、さらには校正用ガスなどの検出補助系から構成され、各系は機能が相違するとともに制御温度なども相違する。本発明は、加温部についてこうした各系を3つディスクに分割して構成することによって、独立した機能に適した制御あるいは試料などの供給を行うことができる。
本発明は、上記測定装置であって、前記試料セル部に光ファイバーを接続し、吸光度を検出することによって試料中の特定成分の濃度測定を行うことを特徴とする。
上記のように、プロセス中の試料測定においては、プロセスに直接挿入することが可能な測定装置が有用である。このとき、吸光法を利用した測定装置にあっては、光学系を構成するエレメントがプロセスの高い温度に耐えることが難しい、あるいは温度制御ができない場合がある。そこで、本発明は、こうした測定装置において試料セル部に光ファイバーを接続し、吸光度を検出して試料中の特定成分の濃度測定を行うことによって、耐熱性あるいはダストなどの光学系に悪影響を及ぼす条件を排除することができ、高精度でかつ長期安定性の高い、連続測定が可能な測定装置を提供することが可能となる。
本発明は、上記測定装置であって、所定の周期でアスピレータ用流体を導入する試料流路Aを選択し切り換える切り換え周期にリンクして、測定系のバックグランドの較正を行うことを特徴とする。
上記測定装置にあっては、アスピレータが繋がる流路が少なくとも2つ試料セル部に接続する構成を有している。従って、流路の切り換え時において、短時間であるがアスピレータ用流体を試料セル部に導入することも可能である。つまり、アスピレータ用流体は、スチームなど清浄流体をベースとしていることから、アスピレータ用流体を試料セル部に導入することによって、試料セル部を清浄化することができる。このとき、測定装置の出力は測定成分のないバックグランドの測定値に相当することから、該出力を基準に測定系のバックグランドの較正を行うことが可能となる。つまり、従前においては非常に処理の難しい、析出物を形成しやすい物質を含む試料の測定において、常時そのバックグランドを較正することによって、高精度でかつ長期安定性の高い、連続測定が可能な測定装置を提供することが可能となる。
以上のように、本発明では、従来困難であった、析出物を形成しやすい物質を含む試料を、連続的にかつ長期安定的に処理が可能な試料処理装置、およびこれを用いて、高精度でかつ長期安定性の高い、連続測定が可能な測定装置を提供することが可能となった。従って、例えばクラウスプラントなど硫黄の回収率の向上には不可欠な硫黄化合物の測定においては、測定値の信頼性および迅速性からも非常に有用である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明に係る試料処理装置は、
(1)アスピレータ用流体導入路と、(2)一端側がアスピレータ用流体導入路に繋がり他端側が試料採取部に繋がる少なくとも2つの試料流路Aと、(3)一端側がアスピレータ用流体が流れる試料流路Aに繋がるとともに他端側が他の試料流路Aと繋がる試料流路Bと、(4)試料流路Aの一部を冷却する冷温部と、(5)アスピレータ用流体を導入する試料流路Aを選択し切り換える制御部を備えることを特徴とする。
<本発明に係る試料処理装置の構成例>
本発明に係る試料処理装置(以下「本試料処理装置」という。)の構成例を、図1に例示する。本試料処理装置は、クラウス法による硫黄回収プロセスにおける硫黄リッチな環境を測定するために設計された画期的な自浄能力を有する直挿式の試料処理装置(以下「本プローブ」という。)である。なお、ここで説明する自浄能力を有する本プローブは、干渉影響の強い原因となるような凝縮性の成分が存在する同様なプロセスに対しても同じように適用することができる。また、本プローブはプロセス配管に直挿する場合だけではなく、別途採取した試料を本プローブに導入することで同様の機能、技術的効果を得ることができる。
ここで、クラウス法による硫黄回収プロセスにおける試料ガスの組成は、プロセスの構成によって相当異なるが、一般には、
S 0〜2%
SO 0〜2%
COS 0〜5000ppm
CS 0〜5000ppm
その他、Sv、水分、窒素酸化物(NOx)、アンモニア(NH)などが含まれる。
図1に表すように、自浄能力を有する本プローブは、加温部Z1と冷温部Z2から構成される。ここでは、2つの試料処理系を有する場合を例示しているが、その数量および構成に限定されるものではない。
加温部Z1は、2つのフランジディスク1,2と1つの中空円筒4から構成される。第1ディスク1には、加温部Z1の加熱のための加温スチームまたは加温空気(以下「スチーム」という。)を導入するスチーム導入部5、第1ディスク内のスチームの流路Fa、第1ディスク1と第2ディスク2の加熱のための流路Fbを構成する。第2ディスク2には、流路Fbおよび中空円筒4へのスチームの供給を担う流路Fcを構成するとともに、2つのアスピレータ(ブローバック機能を有する)用の試料流路A1とA2を形成し、アスピレータ用流体導入部8aおよび8bを有している。中空円筒内は、流路Fcから中空部にスチームが導入され、試料流路A1とA2がスチームによって加温される。中空円筒内に導入されたスチームは、スチーム排出部9から排出される。ここで、アスピレータ用流体としては、圧縮空気、高温(例えば100〜200℃)のスチームなどを挙げることができる。アスピレータ機能およびブローバック機能については後述する。
冷温部Z2は、加温部Z1のちょうど下部に位置し、中空円管部内部に試料流路A1とA2の一部を収容するとともに、冷媒導入部10から中空部に冷媒を導入して冷媒排出部11から排出する構成を有する。
このとき、この加温部Z1と冷温部Z2との間には、緩衝ゾーンは必要とされない。加温部Z1と冷温部Z2の両方に渡って試料流路A1とA2を形成した構成において、(1)ガスの熱伝導係数が大きいことから速やかな設定温度への移行を図ることができる、(2)冷温部Z2において析出物が形成されるのは、その下部試料採取部S1,S2側であることから、加温部Z1と冷温部Z2の間において急激な温度変化があっても問題とならないなどの理由によるためである。
また、温度制御は、試料から取り除く物質を選択するための手段として用いられる。ここで、冷媒としては、圧縮空気、水、または炭化水素系冷媒などを挙げることができる。
上記の構成を有する本プローブを、図1のように、フランジ12によってプロセス配管(図示せず)に取り付けた場合において、アスピレータ用流体は電磁弁13および電磁弁14を介してアスピレータ用流体導入部8aおよび8bと接続され、アスピレータあるいはブローバックとして機能する流路A1とA2の切り換えを制御する。
ここで、本プローブにおいては、細管(例えば内径2〜6mm管)である試料流路B1,B2と太管(例えば内径8〜10mm)である試料流路A1,A2との接合部にアスピレータ用流体導入部8a,8bからアスピレータ用流体を大量に導入することによって、アスピレータとして機能し、試料流路A1あるいはA2および試料流路B1あるいはB2から試料を吸引する。と同時にブローバックとして機能し、試料流路A1,A2の析出物を除去しながら、プロセス配管内に放出する。特に本プローブのように試料を冷却して析出物を生成させて除去する装置においては、高温のスチームをアスピレータ用流体として用いることによって、冷温状態の試料流路A1とA2の内壁部に付着した析出物などを除去するのに非常に有効である。
また、アスピレータ用流体を導入する試料流路Aは、制御部(図示せず)によって選択され、所定の周期(例えば、数分〜数時間)で切り換られる。具体的には、図1に例示するように、電磁弁13に接続された高温のスチームが、電磁弁14によって流路Cと流路Dに切り換られる。流路Cはアスピレータ用流体導入部8aを介して試料流路A1と繋がり、流路Dはアスピレータ用流体導入部8bを介して試料流路A2と繋がり、試料流路A1,A2におけるアスピレータ機能と試料中の析出物除去処理機能が交互に働く。
ここで、アスピレータとしての機能の1つは、例えば、次のような手順によって、試料の採取を行うことである。
(1)電磁弁13を開放し、電磁弁14、流路Cおよびアスピレータ用流体導入部8aを介して試料流路A1に所定量の(例えば10〜50L/minの圧縮空気)アスピレータ用流体を導入する。
(2)このとき、試料流路A1においては、ベルヌーイのエネルギー保存則に従い、試料流路B1との接合部において減圧状態を形成する。
(3)この減圧状態の形成によって、試料流路B1とこれに繋がる試料流路B2、および試料流路A2に連続的に繋がる流路を介して、試料採取部S2からプロセス配管中の試料を吸引する(例えば約0.1〜0.5L/min)。
(4)吸引された試料は、冷温状態の試料流路A2において、硫黄などの析出物を流路の壁部に付着、除去させた後、加温状態の試料流路B2に導入される。
(5)試料流路B2に導入された試料は、試料流路B1を介してアスピレータ用流体と混合され、試料流路A1を経由してプロセス配管に戻される。
(6)この状態を所定時間(例えば、数分〜数時間)維持した後に、電磁弁14を作動させて流路Cから流路Dに切り換え、アスピレータ用流体を試料流路A2に導入する。
(7)このとき、上記(2)〜(5)同様、減圧状態を試料流路B2との接合部において形成し、試料採取部S1からプロセス中の試料を吸引することができる。
(8)この状態を所定時間維持し、安定な状態を維持した後に、電磁弁14を作動させて上記(1)の状態に流路を切り換え、これらを周期的に繰り返す。
このように、2つのアスピレータ用流体を導入する流路CとDを交互に切り換えることによって、アスピレータとしての機能は試料採取としての機能以外に、ブローバックとして機能を有することができる。「ブローバック機能」とは、通常は試料が流通する流路において、試料中に含まれ、流路内壁に付着あるいはさらに成長する析出物などを除去するために、一般に、試料の流通と反対方向に大量の流体を導入する試料処理機能をいう。つまり、上記(4)の状態において、冷温状態の試料流路A2の壁部に付着した硫黄などが徐々に成長することから、
(1)この状態を継続すると、析出物による流路の狭小化や閉塞を招く。
(2)析出物の積層による熱交換機能の悪化に伴い、試料流路A2での除去効率が低下し、検出系6における干渉影響などの増大およびそれに伴う測定精度の悪化の原因となる。
そこで、流路の切り換えに伴う試料流路A2へのアスピレータ用流体の導入によって、壁部の析出物を除去し、試料流路A2の清浄化を図ることができる。特に高温のスチームを用いることで、スチームの凝縮および析出物の溶解を促し、一層の清浄効果を高めることができる。また、こうした析出物をプロセスに戻すことによって、別途の廃棄物処理の必要性をなくす析出物の溶解できる。
加温部Z1において、スチームは、第1ディスク1のスチーム導入部5を介して本プローブに流入され、流路Faを通過して第1ディスク1と第2ディスク2の間にある流路Fbを流れる。流路FaおよびFbの出口には、リークを防止するためにO−リングシールRaおよびRbが設けられている。また、第1ディスク1と第2ディスク2の間には、付加的にO−リング(図示せず)が設けられる。流路Fbを通過したスチームは、第2ディスク2の流路Fcを介して内部空間に試料流路Aおよび試料流路Bが配設された中空円筒4に流入し、スチーム排出部9を介して本プローブから流出する。また、冷温部Z2は加温部Z1のちょうど下部に位置する。この加温部Z1と冷温部Z2との間には緩衝ゾーンは必要とされない。
<本試料処理装置を設けた測定装置の第1構成例>
次に、本試料処理装置(本プローブ)を設けた測定装置(以下「本測定装置」という。)として、上記本プローブを、別体である図1の破線部に示す検出系6と、接続部7aと7bによって繋げた構成例を挙げることができる。基本的には、上記<本試料処理装置の構成例>における試料流路B1およびB2を、本プローブ外の検出系6に接続する構成を有し、試料処理系については本プローブと同様の機能を有する。
検出系6には、後述する紫外線吸光式の検出系だけでなく、赤外線吸光式の検出系や熱伝導式検出系、あるいは溶液を用いたイオン電極式検出系や導電率検出系など、測定成分あるいは試料の性状にあった種々の測定原理の検出系を利用することが可能である。
また、測定対象としては、上記クラウス法による硫黄回収プロセスにおいてはHSやSOなどを挙げることができるが、これに限定されるものではない。例えば、天然ガス処理プロセスについては、HSやメチルメルカプタン(CHSH)、COSあるいはCSなどが測定対象となり、紙やパルプ製造処理プロセスについては、HSやSOに加え、CHSHや硫化メチル((CHS)などが測定対象となる。
ここで、次のような手順によって、試料の採取および測定を行うことができる。基本的には、上記<本試料処理装置の構成例>における本プローブと同様の手順によって機能する。
(1)電磁弁13を開放し、電磁弁14およびアスピレータ用流体導入部8aを介して試料流路A1に所定量のアスピレータ用流体を導入する。
(2)このとき、試料流路A1と試料流路B1との接合部において減圧状態を形成する。
(3)この減圧状態の形成によって、試料流路B1および接続部7aから検出系6内部の流路、さらに接続部7b、試料流路B2、および試料流路A2に連続的に繋がる流路を介して、試料採取部S2からプロセス配管中の試料を吸引する。
(4)吸引された試料は、冷温状態の試料流路A2において、硫黄などを析出させ、その析出物を流路の壁部に付着、除去させた後、加温状態の試料流路B2および接続部7bを介して検出系6に導入され、測定に供される。このとき、新たな析出を回避し、検出系6での分析において干渉影響を与えないようにするために、検出系6も同じく加温状態が好ましい。
(5)測定された試料は、接続部7aおよび試料流路B1を介してアスピレータ用流体と混合され、試料流路A1を経由してプロセス配管に戻される。
(6)この状態を所定時間維持し、安定な測定を行った後に、電磁弁14を作動させて流路Cから流路Dに切り換え、アスピレータ用流体を試料流路A2に導入する。
(7)このとき、上記(2)〜(5)同様、減圧状態を試料流路B2との接合部において形成し、試料採取部S1からプロセス中の試料を吸引し、測定を行うことができる。
(8)この状態を所定時間維持し、安定な測定を行った後に、電磁弁14を作動させて上記(1)の状態に流路を切り換え、これらを周期的に繰り返す。
以上のように、検出系6を試料流路A1およびA2を連通させるための流路で形成し、(1)〜(8)の手順によって、検出系6における干渉影響などの増大およびそれに伴う測定精度の悪化の原因となる析出物の除去を行い、高精度でかつ長期安定性の高い、連続測定が可能な測定装置を提供することが可能となった。
<本試料処理装置を設けた測定装置の第2構成例>
図2に、本試料処理装置を設けた測定装置の第2構成例を例示する。本測定装置は、本試料処理装置の冷温部Z2において、第1ディスク1と第2ディスク2の間に検出系(具体的には試料セル部)6を収容した第3ディスク3を付加した構成である。試料セル部6を試料流路A1およびA2を連通させるための流路で形成するとともに、3つのディスクを一体化することによって、測定装置のコンパクト化、応答性の向上を図るとともに、第1ディスク1と第2ディスク2の中間に位置し加温部を形成することによって、試料セル部6の温度的な安定性および析出物の発生の防止さらにこれに伴う干渉影響を防止することができる。また、ここでは、試料セル部6として、紫外線吸光法を用いた場合について例示し、説明する。紫外線吸光法を用いた分析計の詳細は後述する。
本測定装置の自浄能力を有する直挿本プローブは、上記試料処理装置同様、加温部Z1および冷温部Z2からなり、加温部Z1が、3つのフランジディスクと1つの中空円筒4から構成される。第2ディスク2と中空円筒4および冷温部Z2の構造機能は上記と同様である。図2に示すように、第1ディスク1において、加温部Z1の加熱のためのスチームを導入するスチーム導入部5とともに、試料セル部6に供給するチェックガス、ゼロガス、スパンガスあるいは/および清浄用ガスの導入部15を有している。第3ディスク3には、試料セル部6が設けられる。試料セル部6の両端の接続部には、プロセス試料を紫外線吸光法によって測定するための光ファイバーケーブル6aおよび6bとの取り合い部6cおよび6dが備えられている。対となる第1ディスク1と第3ディスク3の間の流路Fbおよび第3ディスク3と第2ディスク2の間の流路Fdにはスチームが供給され、その熱によって加温部Z1が形成され、プロセス試料の凝縮を防止することができる。
このとき、本測定装置の測定動作は、上記第1構成例に係る測定装置と基本的に同じであるが、試料セル部6を試料流路A1およびA2を連通させるための流路で形成するとともに、3つのディスクを一体化したことに伴いいくつか異なる点がある。以下に、その相違点を主として説明する。
(1)電磁弁13を開放し、電磁弁14およびアスピレータ用流体導入部8aを介して試料流路A1に所定量のアスピレータ用流体を導入する。
(2)このとき、試料流路A1と試料流路B1との接合部において減圧状態を形成する。
(3)この減圧状態の形成によって、試料流路B1と繋がる試料セル部6、試料流路B2、および試料流路A2に連続的に繋がる流路を介して、試料採取部S2からプロセス中の試料を吸引する。
(4)吸引された試料は、冷温状態の試料流路A2において、硫黄などを析出させ、その析出物を流路の壁部に付着、除去させた後、加温状態の試料流路B2を介して試料セル部6に導入され、測定に供される。このとき、新たな析出を回避するために、試料セル部6も同じく加温状態が好ましい。
(5)測定された試料は、試料流路B1を介してアスピレータ用流体と混合され、試料流路A1を経由してプロセスに戻される。
(6)この状態を所定時間(例えば、数分〜数時間)維持し、安定な測定を行った後に、電磁弁14を作動させて流路を切り換え、アスピレータ用流体を試料流路A2に導入する。
(7)このとき、上記(2)〜(5)同様、減圧状態を試料流路B2との接合部において形成し、試料採取部S1からプロセス中の試料を吸引し、測定を行うことができる。
(8)この状態を所定時間維持し、安定な測定を行った後に、電磁弁14を作動させて上記(1)の状態に流路を切り換え、これらを周期的に繰り返す。
このように、2の試料処理系の流路を交互に切り換えることによって、プロセス配管の直近においてプロセス試料を採取し、迅速な測定を可能にするとともに、ブローバックによって試料処理系の清浄化を行うことができる。
試料セル部6として紫外線吸光式分析計を用いた場合、一般に図3(A)〜(C)に例示するように、紫外線光源部61、試料セル部6、紫外線検出器63aあるいは63bおよび分光素子64a〜64cからなる光学系を形成し、試料セル部6に導入された試料中の測定成分による紫外領域の光(図中のUVに相当)の吸収量を紫外線検出器63aあるいは63bによって検出することによって、試料中の測定成分の濃度を測定することができる。
ここで、分光素子として、図3(A)および(B)に示すようにモノクロメータ64aとスリット64bを組み合わせて、狭帯域の紫外線の吸収量を紫外線検出器63aによって検出するタイプを挙げることができる。図3(C)に示すタイプは、分光素子としてポリクロメータ64cを用い、複数の検出素子からなる紫外線検出器63bによって複数の波長域において検出することができる。
本測定装置においては、試料セル部6の両端6cおよび6dに光ファイバー6aおよび6bを接続した試料セル部6を第3ディスク3に収納し、光ファイバー6aを介して紫外線光源部61からの紫外線を試料セル部6に照射し、光ファイバー6bを介してそこでの吸光度の変化を紫外線検出器63aあるいは63bで検出する。本プローブがプロセスに近接することから、熱輻射や振動などの種々の外乱の影響を受けやすい光学系、特に紫外線光源部61、紫外線検出器63aあるいは63bおよび分光素子64a〜64cを分離することで、高い測定精度を確保することができる。
紫外線光源部61としては、一般に、低圧水銀ランプ、重水素ランプ、キセノンランプ等が使用される。実用性またはコスト面からは低圧水銀ランプが多く使用されている。また、紫外線光源部61を一定周期でON−OFFを繰り返す、いわゆる「変調」手段を採ることも可能である。
試料セル部6は、加工性および強度面を考慮して石英やガラスあるいはステンレス鋼やアルミニウムといった金属管を使用することができる。形状は、図3(A)〜(C)に示すように、測定成分の濃度に合わせてセル長が決定され、1〜500mm程度の円筒形が一般的であるが、内面にミラーを設けて多重反射を利用した実質長光路セルなども多く利用されている。また、石英製の角柱タイプのセルなどを使用することも可能である。
利用される紫外線の波長は、他の共存成分の吸収が少ない波長域を利用する。例えば、HSの場合は210〜220nm近傍、SOの場合は280〜300nm近傍が利用される。紫外線光源部61と紫外線検出器63aあるいは63bの間に、上記波長域を選択的透過するバンドパスフィルタ(BPF)と呼ばれる光学フィルタが設けられる場合があるが、本例においては、図3(A)や図3(B)のようにモノクロメータ64aとスリット64bの組み合わせによって波長を選択し、選択された波長での吸収量を紫外線検出器63aによって検出する方法や、図3(C)のようにポリクロメータ64cによって分光し、分光された波長での吸収量をアレー式紫外線検出器63bよって全波長においてモニタする方法を挙げることができる。
紫外線検出器63としては、光電子増倍管やシリコンフォトセル或いはシリコンフォトダイオードが使用可能であるが、光電子増倍管は一般に高感度であるが高価であり、昨今はフォトセルやフォトダイオードが多く用いられている。
ここで、第1ディスク1には、校正ガスであるゼロガスとスパンガス(あるいはチェック用ガス)との切り換えを行う電磁弁16、校正ガスと清浄用ガス(スチームなど)との切り換えを行う電磁弁17、および閉止用電磁弁18を介してチェックガス、ゼロガス、スパンガスあるいは清浄用ガスが、導入部15から導入される。上流の電磁弁16〜18は、これらのガスの導入および切り換えを制御する。具体的には、電磁弁18を作動させて校正ガスを試料セル部6に導入し、紫外線吸光式分析計の校正を行うことができる。また、試料セル部が清浄を必要とする場合においては、スチームが電磁弁17と18を介して導入され、第1ディスク1を通過して第3ディスク3の試料セル部6に導入される。試料セル部6に導入されたスチームは、試料セル部6内の析出物を溶解し、試料セル部6に繋がる試料流路B1あるいはB2を介して試料流路A1あるいはA2からアスピレータ用流体とともに排出する。
加温部Z1において、スチームは、第1ディスク1のスチーム導入部5を介して本プローブに流入され、流路Faを介して第1ディスク1と第2ディスク2の間にある流路Fbを流れる。さらにスチームは、第3ディスク3に設けられた流路Feを介して第3ディスク3と第2ディスク2の間にある流路Fdを流れる。これらの流路FbおよびFdの入口と出口には、リークを防止するためにO−リングシールRaとRbおよびRcとRdが設けられている。対となる第1ディスク1と第3ディスク3および第3ディスク3と第2ディスク2の間には、付加的にO−リング(図示せず)が設けられる。第3ディスク3と第2ディスク2の間の流路Fdを通過した後、スチームは、第2ディスク2に流入され、流路Fcを介して第3ディスク3から流出する。スチームは、その後アスピレータ用流路A1およびA2の一部を収容する中空円筒4に流入し、それら流路と熱交換を行い、スチーム排出部9を介して本プローブから流出する。
本測定装置は、本試料処理装置同様、加温部Z1のちょうど下部に冷媒によって冷却される冷温部Z2を有している。この加温部Z1と冷温部Z2との間には緩衝ゾーンは必要とされず、冷温部Z2内に収容された試料流路A1およびA2の一部分において、プロセス試料中の凝縮性成分を凝縮し、析出させる。冷温部Z2で捕捉されず捕集されないミストは、後段の加温部Z1において気化され、試料セル部での測定において干渉影響を与えないようにされる。
試料吸引をブローバック機能に切り換えたとき、高温のスチームは、既に配管系において凝縮された所定の物質(析出物)を洗浄する。このときの切り換えに必要となる時間間隔は、数分〜数時間であるが、本測定装置は、スチームが試料セル部に満たされるのは、たったの数秒である。この過渡時間の間、試料セル部6にはスチームが満たされ分析計は暗電流あるいはバックグランドの把握を行うことができる。と同時に、この状態は、通常、丁度アスピレータとブローバックの切り換え時に生じることから、これと連動して暗電流あるいはバックグランドの補正を行うことができる。つまり、本測定装置では、アスピレータ用流体の切り換え周期にリンクして、測定系のバックグランドの較正を行うことが可能となる。このとき、試料セル部に導入するガスはアスピレータ用流体に限定するものではなく、このタイミングに電磁弁17および18を作動し清浄用ガスを導入することによって、試料セル部つまり光学系を清浄化することができるともに、このときの検出器出力を基準に測定系のバックグランドの較正を行うことが可能となる。また、必要に応じて、校正ガスをこのタイミングで導入することによって、欠測時間を極力少ない条件で測定装置の校正を行うことが可能となる。
また、試料流路A1またはA2に流すアスピレータ用流体の流量が極めて大流量であり、試料流量が小流量であることから、試料流路A1またはA2における清浄効果は十分に確保することが可能である。
<本試料処理装置をプロセス配管に実装した場合の構成例>
次に、本測定装置をプロセス配管に実装した場合の外装を、図4に示す。試料採取部S1,S2から交互に試料を吸引するとともに、交互にアスピレータ用流体を排出する2つの試料処理系を有するタイプの本プローブをプロセスラインに配設し、凝縮性物質を除去処理したガスを試料セル部6に導入して検出する測定装置を例示している。上記本測定装置のような構成および機能に加え、アスピレータ用流体としてスチームの導入を制御する電磁弁13と14、および校正ガス(チェックガスを含む)や清浄用ガスの試料セル部6への導入を制御する電磁弁16〜18を制御するとともに、試料セル部6に接続されている光ファイバー6aと6bへの入出力を処理するコントローラ(制御部に相当)20が設けられている。コントローラ20は、本プローブの各種制御のみならず、検出系の要素、例えば紫外線光源部や紫外線検出器など、さらには紫外線検出器の出力増幅部や出力変換器など測定装置の性能を維持するために必要な機能を有するとともに、外部との信号の入出力あるいは電源の供給機能を有している。
以上においては、本発明を、主としてクラウス法による硫黄回収プロセスにおける硫黄リッチな環境を測定するために設計された画期的な自浄能力を有する本プローブ式の試料処理装置および測定装置に適用する場合について述べたが、タール分が多い石炭液化ガス中の特定成分測定装置などプロセスガス等において組成が類似する試料や各種プロセス研究用などについても、本試料処理装置および測定装置を適用することが可能である。
本発明に係る試料処理装置の構成例を示す説明図。 本発明に係る試料処理装置を設けた測定装置の構成例を示す説明図。 本発明に係る紫外線吸光式分析計の構成例を示す説明図。 本発明に係る測定装置をプロセスに実装した場合の外装例を示す説明図。 従来技術に係るクラウスプロセスの硫黄回収方法を例示する説明図。
符号の説明
A,A1,A2、B,B1,B2 試料流路
C、D、Fa,Fb,Fc,Fd 流路
S1,S2 試料採取部
Z1 加温部
Z2 冷温部
1 第1ディスク
2 第2ディスク
3 第3ディスク
4 中空円筒
5 スチーム導入部
6 試料セル部(検出系)
6a,6b 光ファイバー
8a,8b アスピレータ用流体導入部
13,14,16〜18 電磁弁
20 コントローラ(制御部)

Claims (8)

  1. アスピレータ用流体導入路と、一端側がアスピレータ用流体導入路に繋がり他端側が試料採取部に繋がる少なくとも2つの試料流路Aと、一端側がアスピレータ用流体が流れる試料流路Aに繋がるとともに他端側が他の試料流路Aと繋がる試料流路Bと、試料流路Aの一部を冷却する冷温部と、アスピレータ用流体を導入する試料流路Aを選択し切り換える制御部とを備え、
    少なくとも1つの試料流路Aにアスピレータ用流体を導入することによって、該試料流路Aを清浄すると同時に、他の試料流路Aに繋がった少なくとも1つの試料採取部からの試料の吸引、該試料流路Aにおける試料の冷却および試料中の特定成分の凝縮除去、さらに試料の試料流路Bへの導入を行うとともに、所定の周期でアスピレータ用流体を導入する試料流路Aを選択し切り換えることを特徴とする試料処理装置。
  2. 前記アスピレータ用流体を加温スチームまたは加温空気とすることを特徴とする請求項1記載の試料処理装置。
  3. 前記試料がクラウスプロセスのプロセス流体であり、少なくとも前記試料採取部がプロセス配管に直接挿入されることを特徴とする請求項1または2記載の試料処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の試料処理装置を設けた測定装置であって、前記試料流路Bが試料セル部に繋がっていることを特徴とする測定装置。
  5. 前記試料流路Bおよび試料セル部を含んだ加温部を設け、該加温部を前記冷温部よりも高い温度に制御可能であることを特徴とする請求項4記載の測定装置。
  6. 前記加温部を、加熱用流体、チェック用ガス、校正ガス、もしくは清浄用ガスを導入する流路を含む第1ディスク、試料セル部を収容する第2ディスク、アスピレータ用流体導入路を有する第3ディスクに分割し、各々のディスクを接合することにより構成したことを特徴とする請求項5記載の測定装置。
  7. 前記試料セル部に光ファイバーを接続し、吸光度を検出することによって試料中の特定成分の濃度測定を行うことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の測定装置。
  8. 所定の周期でアスピレータ用流体を導入する試料流路Aを選択し切り換える切り換え周期にリンクして、測定系のバックグランドの較正を行うことを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の測定装置。
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