JP4613812B2 - ディーゼルエンジン - Google Patents

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Description

本発明はディーゼルエンジン、より詳しくは、過給機を搭載し、吸気通路における排気ガス還流通路の合流部が過給機コンプレッサの上流に配置されているディーゼルエンジンに関する。
従来、内燃機関において、NOx低減のため、排気通路内の排気ガスの一部を吸気通路に還流する排気ガス還流通路を設けることが知られており、ディーゼルエンジンにおいても事情は同じである。この場合、ディーゼルエンジンに過給機が搭載されていると、吸気通路における排気ガス還流通路の合流部を過給機コンプレッサの下流に配置したときには吸気通路内の圧力が高いために排気還流ガスが吸気通路に入り難い、という問題がある。そこで、特許文献1に開示されるように、過給機を搭載したディーゼルエンジンでは、排気ガス還流通路の合流部を過給機コンプレッサの上流に配置することが知られている。
なお、特許文献1には、前記のように排気ガス還流通路の合流部を過給機コンプレッサの上流に配置したときにはディーゼルエンジンの排気ガスに含まれるパティキュレートが排気ガス還流通路を通って過給機コンプレッサに堆積する、という問題を解消するために、排気通路にパティキュレートフィルタを配設し、排気通路における排気ガス還流通路の分岐部を前記パティキュレートフィルタの下流に配置して、吸気通路上の過給機コンプレッサにはパティキュレートフィルタでパティキュレートが除去された後の排気還流ガスが供給されるようにし、これにより過給機コンプレッサの耐久性低下を抑制することが開示されている。
実開昭63−125161号公報
ところで、一般に、排気ガス還流通路を備えたディーゼルエンジンにおいては、アクセル開度があまり変化しない定常走行時は、前記排気ガス還流通路を開状態として、エンジン回転数やアクセル開度等のエンジンの運転状態に応じて排気ガス還流量を制御する一方、アクセル開度が大きくなる方向に変化する加速走行時は、前記排気ガス還流通路を閉状態として、燃料噴射量及び新気量を増量し、エンジントルクの増大を図ることが行われている。ところが、前記のように、吸気通路において、排気ガス還流通路の合流部を過給機コンプレッサの上流に配置すると、該合流部が相対的に吸気通路の上流側に位置することとなり、その結果、排気ガス還流通路を開状態とする定常走行から閉状態とする加速走行への移行時に排気ガス還流通路を閉状態に切り換えても、その時点では、まだ、吸気通路内には、前記合流部からシリンダ直前の吸気マニホルドまで、長距離に亘って、多量の排気還流ガスが充満している状態である。それゆえ、シリンダに流入する吸気中の新気量が実際に増大するのは、排気ガス還流通路を閉状態に切り換えてから相当の時間が経過した後であり、したがって、排気ガス還流通路を閉状態に切り換えると同時に燃料噴射量を増量すると、吸気中の酸素濃度不足により多量のパティキュレートが発生する、という不具合が生じる。特に、過給機コンプレッサの下流には、容積の大きいインタークーラが配設されているため、このインタークーラから排気還流ガスが抜け出るのに長い時間がかかってしまい、新気量増大の時間的遅れの問題がより顕著となる。
この問題に対処するため、例えば、前記インタークーラをバイパスするバイパス通路を設け、通常はこのバイパス通路を閉じておくが、定常走行からエンジントルクの増大が要求される加速走行への移行時には、一時的にこのバイパス通路を開いて、速やかに新気をインタークーラの下流から吸気マニホルドに送り込み、吸気中の酸素濃度を早急に高めるようにすることが考えられる。こうすれば、燃料噴射量を早い時期に増量しても、吸気中の酸素濃度不足が解消されるから、多量のパティキュレートが発生することが抑制され、加速応答性も確保できる。しかし、その反面、燃料噴射量に比べて吸気中の酸素濃度が過剰になると、燃焼温度が上がり過ぎて、NOx悪化が懸念される。
本発明は、吸気通路において排気ガス還流通路の合流部が過給機コンプレッサの上流に配置されているディーゼルエンジンの前記問題に対処するもので、排気ガス還流通路を開状態とする定常走行から閉状態とする加速走行への移行時に、パティキュレート発生の問題及びNOx悪化の問題を低減しつつ、加速応答性の確保を図ることを課題とする。
前記課題を解決するため、まず、本願の請求項1に記載の発明は、吸気通路に上流側から順に過給機コンプレッサとインタークーラとが配設され、排気ガス還流通路の合流部が前記過給機コンプレッサの上流に配置されているディーゼルエンジンであって、前記インタークーラをバイパスするバイパス通路が設けられていると共に、定常走行時は前記排気ガス還流通路を開状態とする一方、加速走行時は前記排気ガス還流通路を閉状態とする還流通路制御手段と、エンジンの運転状態に応じて吸気マニホルド内の酸素濃度の目標値を設定する吸気酸素濃度目標値設定手段と、吸気マニホルド内の酸素濃度を推定する吸気酸素濃度推定手段とが備えられ、前記還流通路制御手段は、定常走行時、前記吸気酸素濃度推定手段で推定された吸気酸素濃度が前記吸気酸素濃度目標値設定手段で設定された目標値となるように排気ガス還流量を制御し、かつ、エンジンの運転状態に応じてエンジン要求トルクを設定する要求トルク設定手段と、定常走行から加速走行への移行時に、前記要求トルク設定手段で設定されたエンジン要求トルクの変化量が所定値よりも大きいときは、前記還流通路制御手段による排気ガス還流通路の閉動作に伴い前記バイパス通路を閉状態から開状態とする一方、前記変化量が所定値よりも小さいときは、前記バイパス通路を閉状態に維持するバイパス通路制御手段とを備えることを特徴とする。
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のディーゼルエンジンにおいて、前記バイパス通路制御手段は、所定時間が経過したときは、前記バイパス通路を閉状態に戻すことを特徴とする。ここで、所定時間は、例えば、排気ガス還流通路が閉じてから吸気通路内の排気還流ガスが無くなるまでに要する時間である。
そして、請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は2に記載のディーゼルエンジンにおいて、排気通路にパティキュレートフィルタが配設され、排気ガス還流通路の分岐部が前記パティキュレートフィルタの下流に配置されていることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、定常走行時に、排気ガス還流量の制御が精度よく行われ、NOxが効率よく低減される。そして、定常走行から加速走行への移行時におけるエンジン要求トルクの変化量が所定値よりも大きいときは、排気ガス還流通路の閉動作に伴いバイパス通路を閉状態から開状態に切り換えるようにしたから、速やかに新気をインタークーラの下流に送り込んで吸気中の酸素濃度を早急に高めることができ、たとえ燃料噴射量を早い時期に増量しても吸気中の酸素濃度不足が解消されることとなる。その結果、多量のパティキュレートが発生することが抑制され、加速応答性も確保できる。
一方、定常走行から加速走行への移行時におけるエンジン要求トルクの変化量が所定値よりも小さいときは、バイパス通路を閉状態に維持するようにしたから、吸気中の酸素濃度が高まることがなく、燃料噴射量に比べて吸気中の酸素濃度が過剰になることが免れ、燃焼温度の上がり過ぎに起因するNOx悪化が回避できる。
しかも、この場合は、燃料噴射量を早い時期に増量してもよく、また吸気通路内から排気還流ガスが無くなる頃に増量してもよい。前者の場合、燃料噴射量の増量分は相対的に小さいから、たとえ燃料噴射量を早い時期に増量しても吸気中の酸素濃度不足に起因するパティキュレート発生の問題は小さくて済む。後者の場合、要求されているエンジントルクの増大分は相対的に小さいから、たとえ加速応答遅れが生じてもそれに起因する違和感の問題は小さくて済む。それよりも、パティキュレート発生の問題がより一層解消されて好ましい結果が得られる。
次に、請求項2に記載の発明によれば、エンジン要求トルクの変化量が所定値よりも大きいときにバイパス通路を開状態としたときは、所定時間が経過すれば、前記バイパス通路を閉状態に戻すようにしたから、吸気通路内から排気還流ガスが無くなる頃には再び新気の全量がインタークーラを通過することとなり、吸気中の酸素濃度がさらに高まって、パティキュレートの発生をよりいっそう確実に抑制することができる。
そして、請求項3に記載の発明によれば、吸気通路上の過給機コンプレッサにはパティキュレートフィルタでパティキュレートが除去された後の排気還流ガスが供給されることとなり、これによりパティキュレートが過給機コンプレッサに堆積するのが防止できて、過給機コンプレッサの耐久性低下が抑制される。以下、発明の最良の実施形態を通して本発明をさらに詳しく説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るディーゼルエンジン1は、シリンダ毎にピストン2及び燃料噴射弁3を有し、シリンダブロックに水温センサ4が、クランクケースに回転センサ5が、それぞれ備えられている。吸気通路10には、上流側から順に、エアクリーナ11、吸気制御弁12、過給機コンプレッサ13及びインタークーラ14が配設され、エアクリーナ11の下流に吸気量センサ17が、サージタンク15に吸気温度センサ18及び吸気圧センサ19が、それぞれ備えられている。吸気通路10の最下流部は、シリンダヘッドの吸気ポートに接続する吸気マニホルド16で構成されている。一方、排気通路20には、上流側から順に、過給機タービン22及び排気浄化装置25が配設されている。排気浄化装置25は、酸化触媒23とパティキュレートフィルタ24とを含んでいる。排気通路20の最上流部は、シリンダヘッドの排気ポートに接続する排気マニホルド21で構成されている。
そして、排気通路20の排気浄化装置24の下流側と吸気通路10の過給機コンプレッサ13の上流側とを接続する排気ガス還流通路30が備えられ、この排気ガス還流通路30にEGRクーラ31及びEGR制御弁32が配設されている。加えて、吸気通路10には、インタークーラ14をバイパスしてサージタンク15に直接至るバイパス通路40が設けられ、このバイパス通路40にバイパス弁41が配設されている。
このエンジン1のコントロールユニット60は、上記各センサ4,5,17〜19からの検出信号の他、アクセル開度センサ51及び車速センサ52からの検出信号に基づいて、燃料噴射弁3、吸気制御弁12、EGR制御弁32及びバイパス弁41に制御信号を出力する。
次に、図2のフローチャートを参照しながら、前記コントロールユニット60によるエンジン1の制御動作の具体的1例を説明する。まず、ステップS1で、各種データを読み込み、ステップS2で、エンジン1の運転状態、すなわち回転センサ5で検出されるエンジン回転数とアクセル開度センサ51で検出されるアクセル開度とに基づいてエンジン1の要求トルクを設定する。ここで、エンジン要求トルクは、例えば図3に示すような特性に従って設定される。図示したように、このトルク設定特性は、概ね、アクセル開度が相対的に小さい領域がトルク小領域a、アクセル開度が相対的に中程度の領域がトルク中領域b、アクセル開度が相対的に大きい領域がトルク大領域cとされている。
次いで、ステップS3で、いま、アクセル開度があまり変化しない定常走行(緩加速を含む)をしているか否かを判定する。そして、定常走行をしていると判定したときは、ステップS4で、EGR実行フラグをONとする。つまり、排気ガス還流通路30を介しての排気ガス還流を実行するのである。
次いで、ステップS5で、エンジン1の運転状態、すなわち回転センサ5で検出されるエンジン回転数とアクセル開度センサ51で検出されるアクセル開度とに基づいて吸気酸素濃度の目標値を設定する。ここで、吸気酸素濃度とは、図1に示したD点(×印)における酸素濃度、つまり吸気マニホルド16内の酸素濃度である。また、吸気酸素濃度目標値は、例えば図4に示すような特性に従って設定される。図示したように、この目標値設定特性は、概ね、エンジン回転数が大きくなるほど高くされ、アクセル開度が大きくなるほど高くされている。
次いで、ステップS6で、吸気酸素濃度を推定する。つまり、前記D点における吸気マニホルド16内の酸素濃度を推定するのである。この推定方法については最後にあらためて述べる。
次いで、ステップS7で、前記ステップS6で推定された吸気酸素濃度が前記ステップS5で設定された目標値となるように排気ガス還流量を制御する。この排気ガス還流量の制御は、吸気通路10上の吸気制御弁12の開度制御と、排気ガス還流通路30上のEGR制御弁32の開度制御とにより行われる。そしてリターンする。
一方、前記ステップS3で、定常走行をしていないと判定したときは、ステップS8で、いま、アクセル開度が大きくなる方向に変化する加速走行をしているか否かを判定する。そして、加速走行をしていると判定したときは、ステップS9で、EGR実行フラグをOFFとする。つまり、排気ガス還流通路30を介しての排気ガス還流を停止するのである。したがって、ステップS10で、EGR制御弁32を閉じる。
次いで、ステップS11で、前記ステップS2で設定されたエンジン要求トルクの変化量を検出する。次いで、ステップS12で、そのエンジン要求トルクの変化量が、図3に示したトルク設定特性におけるトルク小領域aからトルク大領域cへの変化量(パターン(i))に相当するか否か、すなわちエンジン要求トルクの変化量が所定値よりも大きいか否かを判定する。そして、大きいときは、ステップS13で、バイパス通路40上のバイパス弁41を開き、次いで、ステップS14で、所定時間Tの経過後にバイパス弁41を閉じる。そしてリターンする。これに対し、前記ステップS12で、エンジン要求トルクの変化量が、図3に示したトルク設定特性におけるトルク小領域aからトルク中領域bへの変化量(パターン(ii))に相当するとき又はトルク中領域bからトルク大領域cへの変化量(パターン(iii))に相当するとき、すなわちエンジン要求トルクの変化量が所定値よりも小さいときは、ステップS15で、バイパス通路40上のバイパス弁41を閉状態に維持する。そしてリターンする。
一方、前記ステップS8で、加速走行をしていないと判定したとき、つまり減速走行をしていると判定したときは、ステップS16で、EGR実行フラグをOFFとする。つまり、排気ガス還流通路30を介しての排気ガス還流を停止するのである。したがって、ステップS17で、EGR制御弁32を閉じる。そしてリターンする。
図5は、前記ステップS12で、エンジン要求トルクの変化量が大きいときの作用を示すタイムチャートである。時刻t1までは、アクセル開度が相対的に小さく、エンジン要求トルクがトルク小領域aにあり、定常走行をしていて、EGR制御弁32が開状態とされている。また、バイパス弁41が閉状態とされ、燃料噴射量が相対的に少ない状態にある(ステップS4〜S7)。
そして、アクセルペダルが大きく踏み込まれて、時刻t1に、アクセル開度が相対的に大きくなり、加速走行へ移行すると、エンジン要求トルクがトルク小領域aからトルク大領域cへ変化し、これに伴い、EGR制御弁32が閉状態に切り換わる(ステップS10)。これにより、吸気通路10への排気ガス還流が停止する。しかし、この時点では、まだ、吸気通路10内には、排気ガス還流通路30との合流部から、過給機コンプレッサ13及びインタークーラ14を通過して、サージタンク15及びシリンダ直前の吸気マニホルド16に至るまで、長距離に亘って、多量の排気還流ガスが充満している。
併せて、時刻t1には、バイパス弁41が開状態に切り換わる(ステップS13:請求項1の構成)。また、燃料噴射量が直ちに増量される。したがって、加速応答性が確保される。しかも、バイパス通路40が開くことにより、新気がバイパス通路40を通ってサージタンク15に直接導かれるので、新気が容積の大きいインタークーラ14を通過してサージタンク15に導かれる場合と比べて、速やかにD点における吸気酸素濃度が高まることとなる。よって、たとえ燃料噴射量をEGR制御弁32の閉動作に対して直ちに増量しても(時刻t1)、多量のパティキュレートが発生することが抑制される。
次いで、時刻t1から所定時間Tが経過した時刻t2には、バイパス弁41が再び閉状態に切り換わる(ステップS14:請求項2の構成)。したがって、インタークーラ14を通過してサージタンク15に導かれる排気還流ガスが少なくなり、排気還流ガスが吸気通路10内から無くなりかけて、新気ばかりがシリンダに流入するようになる頃には、再び、新気の全量がインタークーラ14を通過することとなり、吸気中の酸素濃度がさらに高まって、パティキュレートの発生をよりいっそう確実に抑制することが可能となる。
これに対し、図6は、前記ステップS12で、エンジン要求トルクの変化量が小さいときの作用を示すタイムチャートである。図5の場合と同様、時刻t11までは、アクセル開度が相対的に小さく、エンジン要求トルクがトルク小領域aにあり、定常走行をしていて、EGR制御弁32が開状態とされている。また、バイパス弁41が閉状態とされ、燃料噴射量が相対的に少ない状態にある(ステップS4〜S7)。
そして、図5の場合に類似して、アクセルペダルが踏み込まれて、時刻t11に、アクセル開度が相対的に大きくなり、加速走行へ移行すると、エンジン要求トルクがトルク小領域aからトルク中領域bへ変化し、これに伴い、EGR制御弁32が閉状態に切り換わる(ステップS10)。これにより、吸気通路10への排気ガス還流が停止する。しかし、この時点では、まだ、吸気通路10内には、排気ガス還流通路30との合流部から、過給機コンプレッサ13及びインタークーラ14を通過して、サージタンク15及びシリンダ直前の吸気マニホルド16に至るまで、長距離に亘って、多量の排気還流ガスが充満している。
併せて、時刻t11には、燃料噴射量が直ちに増量される。したがって、加速応答性が確保される。ただし、バイパス弁41は閉状態のままである(ステップS15:請求項1の構成)。これにより、D点における吸気酸素濃度が高まることがないので、燃料噴射量に比べて吸気中の酸素濃度が過剰になることが免れ、酸素濃度過剰ひいては燃焼温度の上がり過ぎに起因するNOx悪化が回避される。しかも、燃料噴射量の増量分は図5の場合と比べて相対的に小さいので、たとえ燃料噴射量をEGR制御弁32の閉動作に対して直ちに増量しても(時刻t11)、吸気中の酸素濃度不足に起因するパティキュレートの問題は小さい。
なお、図6に破線で示したように、燃料噴射量の増量を、EGR制御弁32の閉動作よりも遅い時刻t12に行ってもよい。すなわち、インタークーラ14を通過してサージタンク15に導かれる排気還流ガスが少なくなり、排気還流ガスが吸気通路10内から無くなりかけて、新気ばかりがシリンダに流入するようになる頃に、燃料噴射量を増量するのである。この場合は、吸気中の酸素濃度不足に起因するパティキュレートの問題はより一層解消される。もっとも、この場合は、加速がその分応答遅れするが、もともとそれほど大きなトルクの増大が要求されていないのであるから、加速応答遅れによる違和感も小さいもので済む。
加えて、本実施形態では、前記ステップS5において、エンジン1の運転状態に応じて吸気マニホルド16内の酸素濃度の目標値を設定し、前記ステップS6において、吸気マニホルド16内の酸素濃度を推定し、そして、前記ステップS7において、前記推定値が前記目標値となるように排気ガス還流量を制御する構成としたから(請求項1の構成)、定常走行時には、排気ガス還流量の制御精度が向上し、NOxが効率よく低減されることとなる。
さらに、本実施形態では、図1から明らかなように、排気通路20において、過給機タービン22の下流のパティキュレートフィルタ24の下流に排気ガス還流通路30の分岐部を配置したから(請求項3の構成)、吸気通路10上の過給機コンプレッサ13には、パティキュレートフィルタ24によってディーゼルエンジン1の排気ガスに含まれるパティキュレートが除去された後の排気還流ガスが供給されることとなり、パティキュレートが過給機コンプレッサ13に堆積するのが防止でき、過給機コンプレッサ13の耐久性が確保されることとなる。
ここで、請求項1の「還流通路制御手段」は、コントロールユニット60が行う図2のフローチャートのステップS7,S10で構成され、「要求トルク設定手段」は、ステップS2で構成され、「バイパス通路制御手段」は、ステップS13,S15で構成され、「吸気酸素濃度目標値設定手段」は、ステップS5で構成され、「吸気酸素濃度推定手段」は、ステップS6で構成される。また、請求項2の「バイパス通路制御手段」は、ステップS14で構成される。
最後に、前記ステップS6で行う、吸気酸素濃度の推定について説明する。前述したように、吸気酸素濃度は、図1に示したD点(×印)における吸気マニホルド16内の酸素濃度であるが、これは、同じく図1に示したA点(×印)における排気マニホルド21内の酸素濃度(排気酸素濃度)、B点(×印)における排気ガス還流通路30内の酸素濃度(排気還流ガス酸素濃度)、及びC点(×印)における吸気通路10と排気ガス還流通路30との合流部の酸素濃度(合流部酸素濃度)から順に演算していくことができる。
まず、A点における排気酸素濃度(Cex)は、シリンダに流入するガス量(Mcyl)、シリンダに流入するガス酸素濃度(Ccyl)、燃料噴射量(Qf)及び単位燃料当りの消費酸素量(K1)から、次の数1に基いて演算される。
Figure 0004613812
次いで、B点における排気還流ガス酸素濃度(Cegr)は、前記排気酸素濃度(Cex)、なまし係数(K2)及び排気還流ガス酸素濃度の前回値(Cegr(i−1))から、次の数2に基いて演算される。
Figure 0004613812
ここで、前記なまし係数(K2)は、EGR率(Regr)、シリンダ容積総量(Vcyl)、気筒数(Ncyl)、吸気マニホルド15と排気マニホルド21との圧力比(Rinex)、エンジン回転数(Ne)及び排気ガス還流通路30の容積(Vegr)から、次の数3に基いて演算される。
Figure 0004613812
次いで、C点における合流部酸素濃度(Cx)は、排気還流ガス量(Megr)、前記排気還流ガス酸素濃度(Cegr)、新気量(Mair)及び大気酸素濃度(K3)から、次の数4に基いて演算される。
Figure 0004613812
そして、D点における吸気酸素濃度(Cin)は、前記合流部酸素濃度(Cx)及びディレイ係数(K4)から、次の数5に基いて演算される。
Figure 0004613812
ここで、前記ディレイ係数(K4)は、吸気マニホルド16の容積(Vin)、シリンダ容積総量(Vcyl)、気筒数(Ncyl)及びエンジン回転数(Ne)から、次の数6に基いて演算される。
Figure 0004613812
以上の実施形態は、本発明の最良の実施形態ではあるが、特許請求の範囲を逸脱しない限り、なお種々の改良や変更を施すことができることはいうまでもない。例えば、前記実施形態では、バイパス通路40の合流部を相対的に吸気通路10の下流側のサージタンク15に設けたが、インタークーラ14の下流であれば、サージタンク15より上流に設けても構わない。
本発明は、吸気通路において排気ガス還流通路の合流部が過給機コンプレッサの上流に配置されているディーゼルエンジンにおいて、定常走行から加速走行への移行時に、パティキュレート発生の問題及びNOx悪化の問題を低減しつつ、加速応答性の確保を図ることができるもので、内燃機関の技術分野において広範な産業上の利用可能性を有する。
本発明の実施の形態に係るディーゼルエンジンの制御システム図である。 前記ディーゼルエンジンの制御動作の具体的1例を示すフローチャートである。 前記制御動作でエンジン要求トルクの設定に用いる特性図である。 同じく吸気酸素濃度の目標値の設定に用いる特性図である。 前記制御動作においてエンジン要求トルク変化が大きいときの作用を示すタイムチャートである。 同じく小さいときの作用を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 ディーゼルエンジン
3 燃料噴射弁
5 回転センサ
10 吸気通路
12 吸気制御弁
13 過給機コンプレッサ
14 インタークーラ
16 吸気マニホルド
20 排気通路
22 過給機タービン
24 パティキュレートフィルタ
30 排気ガス還流通路
32 EGR制御弁
40 バイパス通路
41 バイパス弁
51 アクセル開度センサ
60 コントロールユニット(還流通路制御手段、要求トルク設定手段、バイパス通路制御手段、吸気酸素濃度目標値設定手段、吸気酸素濃度推定手段)

Claims (3)

  1. 吸気通路に上流側から順に過給機コンプレッサとインタークーラとが配設され、排気ガス還流通路の合流部が前記過給機コンプレッサの上流に配置されているディーゼルエンジンであって、
    前記インタークーラをバイパスするバイパス通路が設けられていると共に、
    定常走行時は前記排気ガス還流通路を開状態とする一方、加速走行時は前記排気ガス還流通路を閉状態とする還流通路制御手段と、
    エンジンの運転状態に応じて吸気マニホルド内の酸素濃度の目標値を設定する吸気酸素濃度目標値設定手段と、
    吸気マニホルド内の酸素濃度を推定する吸気酸素濃度推定手段とが備えられ、
    前記還流通路制御手段は、定常走行時、前記吸気酸素濃度推定手段で推定された吸気酸素濃度が前記吸気酸素濃度目標値設定手段で設定された目標値となるように排気ガス還流量を制御し、かつ、
    エンジンの運転状態に応じてエンジン要求トルクを設定する要求トルク設定手段と、
    定常走行から加速走行への移行時に、前記要求トルク設定手段で設定されたエンジン要求トルクの変化量が所定値よりも大きいときは、前記還流通路制御手段による排気ガス還流通路の閉動作に伴い前記バイパス通路を閉状態から開状態とする一方、前記変化量が所定値よりも小さいときは、前記バイパス通路を閉状態に維持するバイパス通路制御手段とを備えることを特徴とするディーゼルエンジン。
  2. 前記請求項1に記載のディーゼルエンジンにおいて、
    前記バイパス通路制御手段は、所定時間が経過したときは、前記バイパス通路を閉状態に戻すことを特徴とするディーゼルエンジン。
  3. 前記請求項1又は2に記載のディーゼルエンジンにおいて、
    排気通路にパティキュレートフィルタが配設され、排気ガス還流通路の分岐部が前記パティキュレートフィルタの下流に配置されていることを特徴とするディーゼルエンジン。
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