JP6052444B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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    • F02M26/60Systems for actuating EGR valves using positive pressure actuators; Check valves therefor in response to air intake pressure

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特開2003−166445号公報には、EGR装置を備えたディーゼルエンジンのEGR量制御に関する技術が開示されている。この技術では、EGR弁と吸気絞り弁とを両方フィードバック制御する場合に、EGR弁によるフィードバック制御の最中にも吸気絞り弁の目標開度は絶えず計算することとし、その間の吸気絞り弁の実際の弁開度は全開に固定することとしている。これにより、EGR弁による制御から吸気絞り弁による制御に切り替わった際に、吸気絞り弁は既に計算された最適な目標開度から作動を開始するので、切り替えによるトルクショックが防止される。
また、上述した特許文献1に開示された技術では、EGR弁を全開にしてもなおEGR量が足りない場合に、EGR弁を全開に保持する一方、吸入空気量が減少するにつれ徐々に吸気絞り弁を閉じていくことが行われる。これにより、EGRバルブ前後の差圧を大きくすることができるので、多くのEGR量が得られる。
特開2003−166445号公報 特開2007−270642号公報 特開2009−185732号公報 特開2006−161569号公報
エミッションの悪化を抑制するためには、EGR弁やディーゼルスロットル弁等の制御弁を動作させて内燃機関の空気量を精度よく目標値に制御することが求められる。このような要求に対する重要な要素の1つが制御弁の制御応答性及び収束性の確保である。制御弁の制御応答性及び収束性に影響を与えるパラメータは、制御弁の前後のガス差圧であり、この差圧が弁の特性によって決まるある値以上を確保していれば、当該弁の制御応答性は担保される。
しかしながら、上記従来の技術では、EGR弁及び吸気絞り弁の前後差圧について何ら考察がなされていない。なお、この明細書内で表現される「前後差圧」は、対象弁の上流側のガス圧を前圧とし下流側のガス圧を後圧としたときの、前圧と後圧との差圧のことを指している。このため、例えばEGR弁を全開にした制御状態においては、EGR弁の前後差圧が不足して制御応答性が確保できないおそれがある。また、上記従来の技術では、EGR弁の制御から吸気絞り弁の制御に切り替えられる際に吸気絞り弁は全開に開弁された状態になっている。このため、吸気絞り弁の制御が開始された直後は吸気絞り弁の制御応答性を確保できず目標値に素早く収束できないおそれがある。このように、上記従来の技術では、EGR弁の制御と吸気絞り弁の制御とを切り替える場合において、切り替え前後の制御応答性を確保できないおそれがある。
なお、制御弁の制御応答性のみに着目するのであれば、制御弁の前後差圧を常に大きな状態に維持していればよいのだが、この場合流路抵抗増大に起因する燃費の悪化が問題となる。このように、制御弁の制御応答性と燃費は二律背反の関係にあり、これらを両立させる技術の確立が望まれている。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたもので、ディーゼルスロットル弁を用いた新気量の制御とEGR弁を用いた新気量の制御とを切り替え可能な内燃機関において、切り替え前後の制御応答性を確保しつつ燃費の悪化を抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、
吸気通路に配置されたスロットル弁と、前記吸気通路における前記スロットル弁の下流側に排気ガスを再循環させるEGR通路と、前記EGR通路に配置されたEGR弁と、を有し、新気量又は新気量と相関を有する状態量を目標値に近づけるようにフィードバック制御によって前記スロットル弁の閉度を決定するスロットル弁新気量制御と、新気量又は新気量と相関を有する状態量を目標値に近づけるようにフィードバック制御によって前記EGR弁の開度を決定するEGR弁新気量制御と、を実行するように構成された内燃機関の制御装置において、
前記EGR弁新気量制御の実行中に、前記吸気通路における前記スロットル弁の上流側のガス圧と下流側のガス圧との差である第1差圧がスロットル弁目標差圧になるように制御するスロットル弁差圧制御と、前記スロットル弁新気量制御の実行中に、前記EGR通路における前記EGR弁の上流側のガス圧と下流側のガス圧との差である第2差圧がEGR弁目標差圧になるように制御するEGR弁差圧制御と、を実行する差圧制御手段と、
前記スロットル弁新気量制御の実行中に前記第1差圧が前記スロットル弁目標差圧より低下した場合に前記EGR弁新気量制御に切り替え、前記EGR弁新気量制御の実行中に前記第2差圧が前記EGR弁目標差圧より低下した場合に前記スロットル弁新気量制御に切り替える切替制御手段と、
を備えることを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、
前記差圧制御手段は、前記第1差圧が前記スロットル弁目標差圧となるための前記スロットル弁の閉度であるスロットル弁差圧制御用閉度を算出する閉度算出手段を備え、前記スロットル弁差圧制御において前記スロットル弁の閉度を前記スロットル弁差圧制御用閉度に制御するように構成され、
前記切替制御手段は、前記スロットル弁新気量制御の実行中に前記スロットル弁の閉度が前記スロットル弁差圧制御用閉度よりも低下した場合に前記EGR弁新気量制御に切り替えるように構成されていることを特徴としている。
第3の発明は、第2の発明において、
前記閉度算出手段は、前記内燃機関の実新気量及び前記スロットル弁の前後のガスの状態量を用いて、前記スロットル弁差圧制御用閉度を算出するように構成されていることを特徴としている。
第4の発明は、第2の発明において、
前記閉度算出手段は、前記内燃機関の運転条件、及び冷却水温又は大気圧又は大気温を含む環境条件に基づいて、前記スロットル弁差圧制御用閉度を算出するように構成されていることを特徴としている。
第5の発明は、第1の発明において、
前記差圧制御手段は、前記第1差圧の実値を取得し、前記スロットル弁差圧制御において当該実値を前記スロットル弁目標差圧に近づけるようにフィードバック制御によって前記スロットル弁の閉度を決定するように構成されていることを特徴としている。
第6の発明は、第2乃至第5の何れか1つの発明において、
前記EGR弁の開度に応じて前記スロットル弁目標差圧を算出するスロットル弁目標差圧算出手段を更に備えることを特徴としている。
第7の発明は、第1乃至第6の何れか1つの発明において、
前記差圧制御手段は、前記第2差圧が前記EGR弁目標差圧となるための前記EGR弁の開度であるEGR弁差圧制御用開度を算出する開度算出手段を備え、前記EGR弁差圧制御において前記EGR弁の開度を前記EGR弁差圧制御用開度に制御するように構成され、
前記切替制御手段は、前記EGR弁新気量制御の実行中に前記EGR弁の開度が前記EGR弁差圧制御用開度より大きくなった場合に前記スロットル弁新気量制御に切り替えるように構成されていることを特徴としている。
第8の発明は、第7の発明において、
前記開度算出手段は、前記内燃機関の実EGRガス量及び前記EGR弁の前後のガスの状態量を用いて、前記EGR弁差圧制御用開度を算出するように構成されていることを特徴としている。
第9の発明は、第7の発明において、
前記開度算出手段は、前記内燃機関の運転条件、及び冷却水温又は大気圧又は大気温を含む環境条件に基づいて、前記EGR弁差圧制御用開度を算出するように構成されていることを特徴としている。
第10の発明は、第1乃至第6の何れか1つの発明において、
前記差圧制御手段は、前記第2差圧の実値を取得し、前記EGR弁差圧制御において当該実値を前記EGR弁目標差圧に近づけるようにフィードバック制御によって前記EGR弁の開度を決定するように構成されていることを特徴としている。
第11の発明は、第7乃至第10の発明において、
前記スロットル弁の閉度に応じて前記EGR弁目標差圧を算出するEGR弁目標差圧算出手段を更に備えることを特徴としている。
第1の発明によれば、新気量又は新気量と相関を有する状態量を目標値に近づける新気量制御において、フィードバック制御によってスロットル弁の閉度を決定するスロットル弁新気量制御と、フィードバック制御によってEGR弁の開度を決定するEGR弁新気量制御と、が切り替え可能に構成されている。そして、第1の発明によれば、スロットル弁新気量制御の実行中に、EGR弁の前後差圧である第2差圧がEGR弁目標差圧になるように制御され、EGR弁新気量制御の実行中に、スロットル弁の前後差圧である第1差圧がスロットル弁目標差圧になるように制御される。また、第1の発明によれば、スロットル弁新気量制御の実行中にスロットル弁の前後差圧がスロットル弁目標差圧より低下した場合に、当該スロットル弁新気量制御からEGR弁新気量制御への切り替えが行われ、EGR弁新気量制御の実行中にEGR弁の前後差圧がEGR弁目標差圧より低下した場合に当該EGR弁新気量制御からスロットル弁新気量制御への切り替えが行われる。新気量制御に用いられている弁の前後差圧は、制御応答性及び収束性を確保可能か否かの指標となる。また、新気量制御に用いられていない弁の前後差圧は燃費の指標となる。本発明によれば、新気量制御の切り替え時に、これらの弁の前後差圧がそれぞれ目標差圧になるように制御されるため、切り替え前後の制御応答性及び収束性を確保しつつ燃費の悪化を抑制する制御を行うことができる。
第2の発明によれば、スロットル弁の前後差圧がスロットル弁目標差圧となるためのスロットル弁差圧制御用閉度が算出される。そして、スロットル弁新気量制御の実行中にスロットル弁の閉度がスロットル弁差圧制御用閉度よりも低下した場合にスロットル弁新気量制御からEGR弁新気量制御へと切り替えられる。このため、本発明によれば、スロットル弁の閉度に基づいてスロットル弁の前後差圧がスロットル弁目標差圧となる時期を正確に判断することができるので、最適なタイミングでスロットル弁新気量制御からEGR弁新気量制御への切り替えを行うことが可能となる。
第3の発明によれば、実新気量及びスロットル弁の前後のガスの状態量に基づいて、スロットル弁の前後差圧がスロットル弁目標差圧となるためのスロットル弁差圧制御用閉度が算出される。内燃機関の新気量制御において環境条件に対応させるための補正が行われた場合、実新気量には係る補正の影響が反映されている。このため、本発明によれば、実新気量を含む運転条件に基づいて環境条件に対応したスロットル弁差圧制御用閉度を算出することができる。
第4の発明によれば、内燃機関の運転条件、及び冷却水温又は大気圧又は大気温を含む環境条件に基づいて、スロットル弁の前後差圧がスロットル弁目標差圧となるためのスロットル弁差圧制御用閉度が算出される。このため、本発明によれば、環境条件が反映されたスロットル弁差圧制御用閉度を算出することができる。
第5の発明によれば、EGR弁新気量制御の実行中のスロットル弁の前後差圧が、フィードバック制御によってスロットル弁目標差圧に制御される。このため、本発明によれば、スロットル弁新気量制御への切り替えが行われるときのスロットル弁の前後差圧を精度よくスロットル弁目標差圧に近づけることができる。
第6の発明によれば、EGR弁の開度に応じてスロットル弁目標差圧が算出される。EGR弁の開度が小さいほど、EGR弁新気量制御からスロットル弁新気量制御への切り替えが即座に行われる可能性が低い。つまり、EGR弁の開度は、新気量制御がEGR弁新気量制御からスロットル弁新気量制御へと切り替えられる可能性を図る指標となる。このため、本発明によれば、新気量制御の切り替え可能性を考慮したスロットル弁目標差圧の算出を行うことができる。
第7の発明によれば、EGR弁の前後差圧がEGR弁目標差圧となるためのEGR弁差圧制御用開度が算出される。そして、EGR弁新気量制御の実行中にEGR弁の開度がEGR弁差圧制御用開度より大きくなった場合にEGR弁新気量制御からスロットル弁新気量制御へと切り替えられる。このため、本発明によれば、EGR弁の開度に基づいてEGR弁の前後差圧がEGR弁目標差圧となる時期を正確に判断することができるので、最適なタイミングでEGR弁新気量制御からスロットル弁新気量制御への切り替えを行うことが可能となる。
第8の発明によれば、実EGRガス量及びEGR弁の前後のガスの状態量に基づいて、EGR弁の前後差圧がEGR弁目標差圧となるためのEGR弁差圧制御用開度が算出される。内燃機関の新気量制御において環境条件に対応させるための補正が行われた場合、実新気量には係る補正の影響が反映されている。このため、本発明によれば、実新気量を含む運転条件に基づいて環境条件に対応したEGR弁差圧制御用開度を算出することができる。
第9の発明によれば、内燃機関の運転条件、及び冷却水温又は大気圧又は大気温を含む環境条件に基づいて、EGR弁の前後差圧がEGR弁目標差圧となるためのEGR弁差圧制御用開度が算出される。このため、本発明によれば、環境条件が反映されたEGR弁差圧制御用開度を算出することができる。
第10の発明によれば、スロットル弁新気量制御の実行中のEGR弁の前後差圧が、フィードバック制御によってEGR弁目標差圧に制御される。このため、本発明によれば、EGR弁新気量制御への切り替えが行われるときのEGR弁の前後差圧を精度よくEGR弁目標差圧に近づけることができる。
第11の発明によれば、スロットル弁の閉度に応じてEGR弁目標差圧が算出される。スロットル弁の閉度が大きい(閉側)ほど、スロットル弁新気量制御からEGR弁新気量制御への切り替えが即座に行われる可能性が低い。つまり、スロットル弁の閉度は、新気量制御がスロットル弁新気量制御からEGR弁新気量制御へと切り替えられる可能性を図る指標となる。このため、本発明によれば、新気量制御の切り替え可能性を考慮したEGR弁目標差圧の算出を行うことができる。
本発明の実施の形態1の制御装置が適用されるエンジンシステムの構成を示す図である。 フィードバック制御機能の切り替え時の各種状態量の変化を示すタイムチャートである。 運転条件に対するフィードバック制御機能の切り替えについて説明するための図である。 EGR弁実開度に対応する目標Dth弁前後差圧を規定したマップを示す図である。 Dth弁実閉度に対応する目標EGR弁前後差圧を規定したマップを示す図である。 ECUが備える制御機能のうち、最小Dth弁閉度Aを算出するための機能ブロックを抽出した制御ブロック図である。 ECUが備える制御機能のうち、最大EGR弁開度Bを算出するための機能ブロックを抽出した制御ブロック図である。 本発明の実施の形態1の制御装置により実行される新気量制御のためのルーチンの前半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1の制御装置により実行される新気量制御のためのルーチンの後半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2の制御装置が適用されるエンジンシステムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態2のECUが備える制御機能のうち、最小Dth弁閉度Aを算出するための機能ブロックを抽出した制御ブロック図である。 本発明の実施の形態2のECUが備える制御機能のうち、最大EGR弁開度Bを算出するための機能ブロックを抽出した制御ブロック図である。 本発明の実施の形態2の制御装置により実行される新気量制御のためのルーチンの前半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3の制御装置が適用されるエンジンシステムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態3の制御装置により実行される新気量制御のためのルーチンの前半部を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3の制御装置により実行される新気量制御のためのルーチンの後半部を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の制御装置が適用されるエンジンシステムの構成を示す図である。本実施の形態に係る内燃機関は、ターボ過給機付きのディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」と称する)である。エンジンの本体2には4つの気筒が直列に備えられ、気筒ごとにインジェクタ8が設けられている。エンジン本体2にはインテークマニホールド4とエキゾーストマニホールド6が取り付けられている。インテークマニホールド4にはエアクリーナ20から取り込まれた新気が流れる吸気通路10が接続されている。吸気通路10にはターボ過給機のコンプレッサ14が取り付けられている。吸気通路10においてコンプレッサ14の下流にはディーゼルスロットル弁(以下、「Dth弁」とも称する)24が設けられている。吸気通路10においてコンプレッサ14とDth弁24との間にはインタークーラ22が備えられている。エキゾーストマニホールド6にはエンジン本体2から出た排気ガスを大気中に放出するための排気通路12が接続されている。排気通路12にはターボ過給機のタービン16が取り付けられている。ターボ過給機は可変容量型であって、タービン16には可変ノズル18が備えられている。排気通路12においてタービン16の下流には排気ガスを浄化するための触媒装置26が設けられている。
本実施の形態に係るエンジンは、排気系から吸気系へ排気ガスを再循環させるEGR装置を備えている。EGR装置は、吸気通路10におけるDth弁24の下流の位置とエキゾーストマニホールド6とをEGR通路30によって接続している。EGR通路30にはEGR弁32が設けられている。EGR通路30においてEGR弁32の排気側にはEGRクーラ34が備えられている。EGR通路30にはEGRクーラ34をバイパスするバイパス通路36が設けられている。EGR通路30から分岐したバイパス通路36が再びEGR通路30に合流する箇所には、排気ガスが流れる方向を切り替えるバイパス弁38が設けられている。
本実施の形態に係るエンジンシステムはECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50は、エンジンシステムの全体を総合制御する制御装置であって、本発明に係る制御装置はECU50の一つの機能として具現化されている。
ECU50は、エンジンシステムが備えるセンサの信号を取り込み処理する。センサはエンジンシステムの各所に取り付けられている。エアクリーナ20の下流の吸気通路10には、実新気量“gadly”を検出するためのエアフローメータ54が取り付けられている。また、Dth弁24の上流の吸気通路10には、Dth弁前ガス温“thia”を検出するための温度センサ56と、Dth弁前ガス圧“pia”を検出するための圧力センサ58が取り付けられている。また、Dth弁24には、Dth弁の実閉度を検出するための開度センサ60が取り付けられている。また、Dth弁24の下流の吸気通路10には、吸気圧“pim”を検出するための吸気圧センサ62が取り付けられている。また、インテークマニホールド4には、インテークマニホールドガス温を検出するための温度センサ72が取り付けられている。また、EGR弁32の上流のEGR通路30には、EGR弁前ガス圧“pegr”を検出するための圧力センサ64と、EGR弁前ガス温“thegr”を検出するための温度センサ66が取り付けられている。また、EGR弁32には、EGR弁の実開度を検出するための開度センサ68が取り付けられている。さらに、クランク軸の回転速度を検出する回転速度センサ52や、アクセルペダルの開度に応じた信号を出力するアクセル開度センサ70なども取り付けられている。ECU50は、取り込んだ各センサの信号を処理して所定の制御プログラムにしたがって各アクチュエータを操作する。ECU50によって操作されるアクチュエータには、可変ノズル18、インジェクタ8、EGR弁32、Dth弁24などが含まれている。なお、ECU50に接続されるアクチュエータやセンサは図中に示す以外にも多数存在するが、本明細書においてはその説明は省略する。
[実施の形態1の動作]
ECU50により実行されるエンジン制御には新気量制御が含まれる。本実施の形態の新気量制御では、実新気量またはこれと相関を有する実EGR率、実EGRガス量等の状態量が目標値となるように、フィードバック制御によってDth弁24またはEGR弁32の操作量が決定される。
ここで、Dth弁24の操作量とEGR弁32の操作量が同時にフィードバックされると、干渉による制御性の悪化を招いてしまう。そこで、本実施の形態の新気量制御では、Dth弁24を用いた新気量のフィードバック制御(以下、「Dth弁新気量制御」と称する)とEGR弁32を用いた新気量のフィードバック制御(以下、「EGR弁新気量制御」と称する)とを切り替えて実行することとしている。
なお、Dth弁新気量制御の実行中における制御応答性及び収束性は、吸気通路10におけるDth弁24の上流側のガス圧と下流側のガス圧との圧力差(以下、「Dth弁前後差圧」と称する)が小さくなるにつれて悪化方向に変化する。このため、Dth弁新気量制御からEGR弁新気量制御へとフィードバック制御機能の切り替えを行う場合には、Dth弁前後差圧が制御応答性を確保可能な差圧を有する範囲で行われることが求められる。ただし、Dth弁前後差圧が制御応答性を確保可能な差圧の範囲でDth弁新気量制御からEGR弁新気量制御へのフィードバック制御機能の切り替えが行われた場合、Dth弁前後差圧が大きいほど流路抵抗が増大してしまい燃費の悪化を招いてしまう。
そこで、本実施の形態の新気量制御では、Dth弁新気量制御の実行中においてDth弁前後差圧が制御応答性を確保可能な最小差圧(以下、「Dth弁最小前後差圧」と称する)より低下した場合に、Dth弁新気量制御からEGR弁新気量制御へのフィードバック制御機能の切り替えを行うこととしている。また、EGR弁新気量制御からDth弁新気量制御へのフィードバック制御機能の切り替えの場合も同様に、EGR弁新気量制御の実行中において、EGR通路30におけるEGR弁32の上流側のガス圧と下流側のガス圧との圧力差(以下、「EGR弁前後差圧」と称する)が制御応答性を確保可能な最小差圧(以下、「EGR弁最小前後差圧」と称する)より低下した場合に、フィードバック制御機能の切り替えを行うこととしている。
ところで、Dth弁新気量制御からEGR弁新気量制御へのフィードバック制御機能の切り替えにおいて、切り替え時のEGR弁前後差圧がEGR弁最小前後差圧に制御されていないと、切り替え直後の制御応答性の悪化や燃費の悪化を招いてしまう。そこで、本実施の形態の新気量制御では、Dth弁新気量制御からEGR弁新気量制御へのフィードバック制御機能の切り替えにおいて、切り替え時のEGR弁前後差圧をEGR弁最小前後差圧にしておくための差圧制御(以下、「EGR弁差圧制御」と称する)を行うこととしている。また、EGR弁新気量制御からDth弁新気量制御へのフィードバック制御機能の切り替えにおいても同様に、切り替え時のDth弁前後差圧をDth弁最小前後差圧にしておくための差圧制御(以下、「Dth弁差圧制御」と称する)を行うこととしている。
次に、タイムチャートを参照して、本実施の形態の新気量制御におけるフィードバック制御機能の切り替え及び差圧制御について詳細に説明する。図2は、フィードバック制御機能の切り替え時の各種状態量の変化を示すタイムチャートである。この図に示すように、Dth弁新気量制御では、新気量の実値である実新気量が目標値である目標新気量に近づくようにフィードバック制御によってDth弁閉度が決定される。また、Dth弁新気量制御の実行中にはEGR弁差圧制御が並行して実行される。EGR弁差圧制御では、EGR弁前後差圧がEGR弁最小前後差圧に近づくようにEGR弁開度が操作される。なお、EGR弁差圧制御については詳細を後述する。
Dth弁新気量制御において目標新気量が増大すると、Dth弁閉度が目標新気量の増大に対応して減少(開側に変化)する。この際、Dth弁前後差圧は、Dth弁閉度の減少に対応して低下する。そして、Dth弁前後差圧がDth弁最小前後差圧より低下した場合に、新気量制御がDth弁新気量制御からEGR弁新気量制御へと切り替えられる。なお、切替時のEGR弁前後差圧は、EGR弁差圧制御によってEGR弁最小前後差圧に制御されている。
EGR弁新気量制御が開始されると、実新気量が目標新気量に近づくようにフィードバック制御によってEGR弁開度が決定される。また、EGR弁新気量制御の実行中にはDth弁差圧制御が並行して実行される。Dth弁差圧制御では、Dth弁前後差圧がDth弁最小前後差圧に近づくようにDth弁閉度が操作される。なお、Dth弁差圧制御については詳細を後述する。
EGR弁新気量制御へと切り替えられた後は、EGR弁開度が目標新気量の増大に対応して減少(閉側に変化)する。この間、Dth弁前後差圧は、Dth弁差圧制御によってDth弁最小前後差圧に維持される。
その後、EGR弁新気量制御において目標新気量が減少すると、EGR弁開度が目標新気量の減少に対応して増大(開側に変化)する。この際、EGR弁前後差圧は、EGR弁開度の増大に対応して低下する。そして、EGR弁前後差圧が制御応答性を確保可能なEGR弁最小前後差圧より低下すると、フィードバック制御機能がEGR弁新気量制御からDth弁新気量制御へと切り替えられる。
上述した新気量制御によれば、新気量を増大させる過程で、Dth弁前後差圧がDth弁最小前後差圧である状態のDth弁新気量制御からEGR弁前後差圧がEGR弁最小前後差圧である状態のEGR弁新気量制御へと切り替えられる。また、上述した新気量制御によれば、新気量を減少させる過程で、EGR弁前後差圧がEGR弁最小前後差圧である状態のEGR弁新気量制御からDth弁前後差圧がDth弁最小前後差圧である状態のDth弁新気量制御へと切り替えられる。これにより、フィードバック制御機能の切り替え前後において制御応答性が悪化することを抑制するとともに、燃費の悪化を最小限に抑えることが可能となる。
ここで、図2に示すタイムチャートでは、EGR弁新気量制御の実行中のDth弁差圧制御において、Dth弁前後差圧がDth弁最小前後差圧となるようにDth弁閉度を制御している。しかしながら、EGR弁新気量制御の実行中において、フィードバック制御機能が即座にDth弁新気量制御に切り替わる可能性が低い運転条件であるならば、フィードバック制御機能の切り替えに備えてDth弁前後差圧をDth弁最小前後差圧に維持しておく必要性が低い。つまり、このような運転条件の場合にDth弁閉度を更に低下(開側へ変化)させることができれば、流路抵抗の減少による燃費の改善が見込めることとなる。
図3は、運転条件に対するフィードバック制御機能の切り替えについて説明するための図である。この図に示すように、本実施の形態の新気量制御では、回転速度及び噴射量が増大するとフィードバック制御機能がDth弁新気量制御からEGR弁新気量制御へと切り替えられる。EGR弁新気量制御への切り替えが行われた後は、回転速度及び噴射量が増大するほどEGR弁開度が減少(閉側へ変化)する。このことから、EGR弁開度はフィードバック制御機能がEGR弁新気量制御からDth弁新気量制御へ切り替わる可能性を判断するための指標として用いることができる。
そこで、本実施の形態の新気量制御では、EGR弁新気量制御の実行中のEGR弁開度に基づいて、Dth弁差圧制御におけるDth弁前後差圧の目標値(以下、「目標Dth弁前後差圧」と称する)を変化させることとしている。図4は、EGR弁実開度に対応する目標Dth弁前後差圧を規定したマップを示す図である。この図に示すように、目標Dth弁前後差圧はEGR弁実開度に基づいて算出することができる。より詳しくは、目標Dth弁前後差圧は基本的にDth弁最小前後差圧の値として算出され、フィードバック制御機能が切り替わる可能性が低い一部領域、すなわちEGR弁実開度が所定の開度αよりも閉側となる一部領域においてDth弁最小前後差圧よりも小さくなるように算出される。なお、所定の開度αは、Dth弁差圧制御の制御演算周期、EGR弁新気量制御の制御演算周期、及びDth弁24、EGR弁32の制御応答性等を考慮して、EGR弁前後差圧がEGR弁最小前後差圧より低下するまでの期間にDth弁前後差圧をDth弁最小前後差圧に制御可能なEGR開度であればよい。このような制御によれば、フィードバック制御機能の切替時におけるDth弁前後差圧はDth弁最小前後差圧を実現しつつ、フィードバック制御機能が切り替わらない時期におけるDth弁前後差圧はDth弁最小前後差圧よりも減少させることができる。これにより、フィードバック制御機能の切り替え前後の制御応答性を確保しつつ更なる燃費の改善を図ることができる。
なお、上述した新気量制御では、EGR弁新気量制御の実行中のDth弁差圧制御において、Dth弁の前後差圧をDth弁最小前後差圧よりも小さな値に変化させるための制御を実行することとしたが、Dth弁新気量制御の実行中のEGR弁差圧制御においても同様に、EGR弁の前後差圧をEGR弁最小前後差圧よりも小さな値に変化させるための制御を実行することができる。この場合には、フィードバック制御機能が切り替わる可能性が低い領域、すなわちDth弁実閉度が閉側となる一部領域において、EGR弁前後差圧の目標値(以下、「目標EGR弁前後差圧」と称する)がEGR弁最小前後差圧よりも小さくなるように規定されたマップを用いて、Dth弁実閉度に対応する目標EGR弁前後差圧を算出すればよい。以下、目標EGR弁前後差圧の算出についてさらに詳細に説明する。
図5は、Dth弁実閉度に対応する目標EGR弁前後差圧を規定したマップを示す図である。この図に示すように、目標EGR弁前後差圧はDth弁実閉度に基づいて算出することができる。より詳しくは、目標EGR弁前後差圧は基本的にEGR弁最小前後差圧の値として算出され、フィードバック制御機能が切り替わる可能性が低い一部領域、すなわちDth弁実閉度が所定の閉度βよりも閉側となる一部領域においてEGR弁最小前後差圧よりも小さくなるように算出される。なお、所定の閉度βは、EGR弁差圧制御の制御演算周期、Dth弁新気量制御の制御演算周期、及びDth弁24、EGR弁32の制御応答性等を考慮して、Dth弁前後差圧がDth弁最小前後差圧より低下するまでの期間にEGR弁前後差圧をEGR弁最小前後差圧に制御可能なDth弁閉度であればよい。このような制御によれば、フィードバック制御機能の切替時におけるEGR弁前後差圧はEGR弁最小前後差圧を実現しつつ、フィードバック制御機能が切り替わらない時期におけるEGR弁前後差圧はEGR弁最小前後差圧よりも減少させることができる。これにより、フィードバック制御機能の切り替え前後の制御応答性を確保しつつ更なる燃費の改善を図ることができる。
次に、本実施の形態の新気量制御で実行されるDth弁差圧制御の詳細について、図6を参照して説明する。本実施の形態のDth弁差圧制御では、先ず、実新気量を含む運転条件に基づいて目標Dth弁前後差圧を確保するためのDth弁の最小閉度(以下、「最小Dth弁閉度A」と称する)が算出される。そして、フィードフォワード制御によりDth弁閉度が算出された最小Dth弁閉度Aに操作される。
図6は、ECU50が備える制御機能のうち、最小Dth弁閉度Aを算出するための機能ブロックを抽出した制御ブロック図である。この図に示す演算部501は図4に示すマップの演算を行う機能ブロックであり、EGR弁実開度の入力を受けて目標Dth弁前後差圧を計算する。演算部502は、Dth弁24の有効開口面積を計算する機能ブロックである。演算部502には、実新気量“gadly”、Dth弁前圧力“pia”、Dth弁前ガス温“thia”が入力されるとともに、Dth弁前圧力“pia”から演算部501において計算された目標Dth弁前後差圧を減算して算出される目標吸気圧“pimtrg”が入力される。演算部503では、次式(1)に示すノズル式を用いて、目標Dth弁前後差圧が実現された場合のDth弁24の有効開口面積“adth”が計算される。なお、次式(1)において、κは比熱比、Rはガス定数を示している。
Figure 0006052444
演算部502において計算されたDth弁24の有効開口面積“adth”は演算部503に入力される。演算部503では、Dth弁の有効開口面積に対するDth弁閉度の特性を規定した特性マップを用いて、入力されたDth弁24の有効開口面積“adth”に対応する最小Dth弁閉度Aが計算される。
なお、新気量制御では、低大気温、低水温又は低圧の環境下においても要求されたトルクを実現するために、目標新気量に環境条件を反映させるための環境補正が行われている。実新気量は環境補正の内容が反映された値であるため、上述した最小Dth弁閉度Aは環境条件に対応した値として算出することができる。このため、本実施の形態の新気量制御によれば、Dth弁閉度を最小Dth弁閉度Aに制御することにより、環境条件に対応したDth弁差圧制御を行うことが可能となる。
次に、本実施の形態の新気量制御で実行されるEGR弁差圧制御の詳細について、図7を参照して説明する。本実施の形態のEGR弁差圧制御では、先ず、実EGRガス量を含む運転条件に基づいて目標EGR弁前後差圧を確保するためのEGR弁の最大開度(以下、「最大EGR弁開度B」と称する)が算出される。そして、フィードフォワード制御によりEGR弁開度が算出された最大EGR弁開度Bに操作される。
図7は、ECU50が備える制御機能のうち、最大EGR弁開度Bを算出するための機能ブロックを抽出した制御ブロック図である。この図に示す演算部511は、Dth弁実閉度の入力を受けて目標EGR弁前後差圧を計算する。演算部512は、EGR弁32の有効開口面積を計算する機能ブロックである。演算部512には、実EGRガス量“gegr”、EGR弁前圧力“pegr”、EGR弁前ガス温“thegr”が入力されるとともに、EGR弁前圧力“pegr”から演算部511において計算された目標EGR弁前後差圧を減算して算出される目標吸気圧“pimtrg”が入力される。なお、実EGRガス量“gegr”は、実筒内流入空気量から実新気量を差分することにより算出される。この際、実筒内流入空気量は、吸気圧センサ62により検出される実吸気圧と温度センサ72により検出されるインテークマニホールドガス温度とを用いた関数により算出することができる。演算部513では、次式(2)に示すノズル式を用いて、目標EGR弁前後差圧が実現された場合のEGR弁32の有効開口面積“aegr”が計算される。なお、次式(2)において、κは比熱比、Rはガス定数を示している。
Figure 0006052444
演算部512において計算されたEGR弁32の有効開口面積“aegr”は演算部513に入力される。演算部513では、EGR弁の有効開口面積に対するEGR弁開度の特性を規定した特性マップを用いて、入力されたEGR弁32の有効開口面積“aegr”に対応する最大EGR弁開度Bが計算される。
上述した実新気量と同様に、実EGRガス量は環境補正の内容が反映された値であるため、実EGRガス量を含む運転条件に基づいて算出される最大EGR弁開度Bは環境条件に対応した値として算出することができる。このため、本実施の形態の新気量制御によれば、EGR弁開度を最大EGR弁開度Bに制御することにより、環境条件に対応したEGR弁差圧制御を行うことが可能となる。
[実施の形態1の具体的処理]
次に、上述した新気量制御における具体的処理についてフローチャートを用いて詳細に説明する。図8は、本発明の実施の形態1のECU50により実行される新気量制御のためのルーチンの前半部を示すフローチャートである。また、図9は、本発明の実施の形態1のECU50により実行される新気量制御のためのルーチンの後半部を示すフローチャートである。
図8に示すルーチンのステップS1では、回転速度センサ52の信号から計測されたエンジン回転速度と、アクセル開度センサ70の信号から得られた燃料噴射量とから、目標新気量が算出される。ステップS2では、エアフローメータ54の信号から実新気量が検出される。ステップS3では、圧力センサ58の信号からDth弁前ガス圧が検出される。ステップS4では、圧力センサ64の信号からEGR弁前ガス圧が検出される。以上のステップの処理は、後述するステップでの処理に必要なデータを得るための処理である。したがって、各ステップの順番は適宜変更することもできる。
次のステップS5では、目標Dth弁前後差圧を算出する処理が行われる。より詳しくは、ステップS5では、EGR弁の実開度と目標Dth弁前後差圧との関係を規定した図4に示すマップを用いて、開度センサ68の信号から得られたEGR弁の実開度に対応する目標Dth弁前後差圧が算出される。次のステップS6では、Dth弁の実開度と目標EGR弁前後差圧との関係を規定した図5に示すマップを用いて、開度センサ60の信号から得られたDth弁の実閉度に対応する目標EGR弁前後差圧が算出される。
次のステップS7では、最小Dth弁閉度Aが算出される。より詳しくは、ステップS7では、上記ステップS5にて算出された目標Dth弁前後差圧、上記ステップS3にて算出されたDth弁前ガス圧、上記ステップS2にて算出された実新気量、温度センサ56の信号から得られたDth弁前ガス温から、上式(1)に示すノズル式を用いて最小Dth弁閉度Aが算出される。
次のステップS8では、最大EGR弁開度Bが算出される。より詳しくは、ステップS8では、温度センサ72の信号から得られるインテークマニホールドガス温度と吸気圧センサ62から得られる吸気圧と上記ステップS2にて算出された実新気量とから算出される、実EGRガス量、上記ステップS6にて算出された目標EGR弁前後差圧、上記ステップS4にて算出されたEGR弁前ガス圧、及び温度センサ66の信号から得られたEGR弁前ガス温から、上式(2)に示すノズル式を用いて最大EGR弁開度Bが算出される。
図8に示すステップS8の処理の後は図9に示すステップS9に移行する。ステップS9では、エンジンの始動直後か否かが判定される。クランキングが行なわれてエンジンが始動された直後は、燃焼が不安定になり易い。ここでは、クランキングによるファイアリング後、所定時間が経過したか否かや冷却水の水温が所定水温に達したか否か等によって、エンジンの始動直後の燃焼が不安定な期間が経過したか否かが判断される。その結果、エンジンの始動直後であると判定された場合には、新気量制御に含まれるEGR弁新気量制御とDth弁新気量制御のうち、より安全な制御であるEGR弁新気量制御を行うべきと判断されて、後述するステップS11に移行する。
一方、上記ステップS9において、エンジンの始動直後でないと判定された場合には、次のステップS10に移行して、新気量をEGR弁で制御する場合か否かが判定される。ここでは、より詳しくは、前回のルーチンの演算時の結果がEGR弁新気量制御であるか否かが判定される。その結果、新気量をEGR弁で制御する場合でないと判定された場合には、新気量をDth弁で制御する場合であると判断されて、後述するステップS14に移行する。
一方、上記ステップS10において、新気量をEGR弁で制御する場合であると判定された場合には、次のステップS11に移行する。ステップS11では、EGR弁新気量制御とDth弁差圧制御とが並行して実行される。EGR弁新気量制御では、上記ステップS2にて検出された実新気量が上記ステップS1にて算出された目標新気量に近づくように、フィードバック制御によりEGR弁開度が決定される。また、Dth弁差圧制御では、Dth弁閉度が上記ステップS7にて算出された最小Dth弁閉度Aに設定されることが行われる。
次のステップS12では、EGR弁新気量制御を実行した結果、EGR弁の実開度が上記ステップS8にて算出された最大EGR弁開度Bよりも大きくなるか否かが判定される。その結果、EGR弁の実開度が最大EGR弁開度B以下である場合には、引き続きEGR弁新気量制御を実行すべきと判断されて本ルーチンは一端終了される。そして、図8及び図9に示すルーチンが再度最初から実行される。
一方、上記ステップS12において、EGR弁の実開度が最大EGR弁開度Bよりも大きくなると判定された場合には、EGR弁前後差圧がEGR弁最小前後差圧よりも小さくなると判断されて、次のステップS13に移行し、新気量制御におけるフィードバック制御機能の切り替えが行われる。ステップS13では、具体的には、新気量制御におけるフィードバック制御機能がEGR弁新気量制御からDth弁新気量制御へと切り替えられる。
次のステップS14では、Dth弁新気量制御とEGR弁差圧制御とが並行して実行される。Dth弁新気量制御では、実新気量が目標新気量に近づくように、フィードバック制御によりDth弁閉度が決定される。また、EGR弁差圧制御では、EGR弁開度が上記ステップS8にて算出された最大EGR弁開度Bに設定されることが行われる。次のステップS15では、Dth弁新気量制御を実行した結果、Dth弁の実閉度が上記ステップS7にて算出された最小Dth弁閉度Aよりも小さくなるか否かが判定される。その結果、Dth弁の実開度が最小Dth弁閉度A以上である場合には、引き続きDth弁新気量制御を実行すべきと判断されて本ルーチンは一端終了される。そして、図8及び図9に示すルーチンが再度最初から実行される。
一方、上記ステップS15において、Dth弁の実閉度が最小Dth弁閉度Aよりも小さくなると判定された場合には、Dth弁前後差圧がDth弁最小前後差圧よりも小さくなると判断されて、次のステップS16に移行して、新気量制御におけるフィードバック制御機能の切り替えが行われる。ステップS16では、具体的には、新気量制御におけるフィードバック制御機能がDth弁新気量制御からEGR弁新気量制御へと切り替えられる。ステップS16の処理が実行されると、本ルーチンは終了されて、図8及び図9に示すルーチンが再度実行される。
以上説明したルーチンに従って新気量制御を行うことにより、フィードバック制御機能の切り替え時のDth弁24及びEGR弁32の前後差圧をそれぞれ最小差圧に制御することができる。これにより、新気量制御において制御応答性及び収束性を確保しつつ燃費の悪化を有効に抑制することが可能となる。
ところで、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
上述の実施の形態1では、新気量制御の制御目標値として目標新気量を算出し、実新気量が目標新気量に近づくようにDth弁24又はEGR弁32を制御することとしている。しかしながら、新気量制御の制御目標値は目標新気量に限られない。すなわち、上述したように、実筒内流入空気量は、吸気圧センサ62により検出される実吸気圧と温度センサ72により検出されるインテークマニホールドガス温度とを用いた関数により算出することができる。このため、筒内に吸入されるEGRガス量は、実筒内流入空気量から筒内に吸入される新気量を差し引く関数により算出することができる。また、EGR率についても、実筒内流入空気量と新気量とを用いた関数により算出することができる。また、新気の酸素濃度とEGRガスの酸素濃度を公知の手段によって把握することにより、実筒内流入空気の酸素濃度である吸気O2濃度についても、新気量を用いた関数により算出することができる。さらに、新気の温度とEGRガスの温度を公知の手段によって把握することにより、インテークマニホールドガス温度についても、新気量を用いた関数により算出することができる。このように、EGR率、EGRガス量、吸気O2濃度、インテークマニホールドガス温度は、新気量と相関を有する状態量であるため、これらの状態量の目標値を新気量制御に用いてもよい。このことは、後述する他の実施の形態についても同様である。
また、上述の実施の形態1では、Dth弁前ガス圧、EGR弁前ガス圧、インテークマニホールドガス温、Dth弁前ガス温、EGR弁前ガス温、及び吸気圧をそれぞれセンサの信号から直接算出することとしているが、これらの値は公知の手法を用いて推定することとしてもよい。
また、上述した実施の形態1では、目標Dth弁前後差圧を図4に示す関係に従い算出することとした。しかしながら、目標Dth弁前後差圧の算出手法はこれに限られず、切替時にDth弁最小前後差圧が確保可能であれば他のマップを用いてもよいし、また、EGR弁実開度に応じて変化させずにDth弁最小前後差圧の値で固定することとしてもよい。このことは、目標EGR弁前後差圧の算出についても同様である。
また、上述した実施の形態1の新気量制御では、Dth弁24を用いた制御としてDth弁新気量制御及びDth弁差圧制御を実行し、EGR弁32を用いた制御としてEGR弁新気量制御及びEGR弁差圧制御を実行することとしている。しかしながら、本実施の形態の新気量制御では、Dth弁24を用いた制御とEGR弁32を用いた制御の何れか一方が後述する他の実施の形態の制御に置換されてもよい。
なお、上述した実施の形態1では、Dth弁24が上記第1の発明の「スロットル弁」に相当し、Dth弁新気量制御が上記第1の発明の「スロットル弁新気量制御」に相当し、EGR弁新気量制御が上記第1の発明の「EGR弁新気量制御」に相当し、Dth弁差圧制御が上記第1の発明の「スロットル弁差圧制御」に相当し、EGR弁差圧制御が上記第1の発明の「EGR弁差圧制御」に相当し、Dth弁前後差圧が上記第1の発明の「第1差圧」に相当し、目標Dth弁前後差圧が上記第1の発明の「スロットル弁目標差圧」に相当し、EGR弁前後差圧が上記第1の発明の「第2差圧」に相当し、目標EGR弁前後差圧が上記第1の発明の「EGR弁目標差圧」に相当している。また、上述した実施の形態1では、ECU50が上記ステップS12及びステップS13、又は上記ステップS15及びステップS16の処理を実行することにより上記第1の発明における「切替制御手段」が実現され、ECU50が上記ステップS11又は上記ステップS14の処理を実行することにより上記第1の発明における「差圧制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1では、最小Dth弁閉度Aが上記第2の発明の「スロットル弁差圧制御用閉度」に相当している。また、上述した実施の形態1では、ECU50が上記ステップS7の処理を実行することにより上記第2の発明における「閉度算出手段」が実現され、ECU50が上記ステップS12及びステップS13の処理を実行することにより上記第2の発明における「切替制御手段」が実現され、ECU50が上記ステップS11の処理を実行することにより上記第2の発明における「差圧制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1では、最小Dth弁閉度Aが上記第3の発明の「スロットル弁差圧制御用閉度」に相当している。また、上述した実施の形態1では、ECU50が上記ステップS7の処理を実行することにより上記第3の発明における「閉度算出手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1では、ECU50が上記ステップS5の処理を実行することにより上記第6の発明における「スロットル弁目標差圧算出手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1では、最大EGR弁開度Bが上記第7の発明の「EGR弁差圧制御用開度」に相当している。また、上述した実施の形態1では、ECU50が上記ステップS8の処理を実行することにより上記第7の発明における「開度算出手段」が実現され、ECU50が上記ステップS15及びステップS16の処理を実行することにより上記第7の発明における「切替制御手段」が実現され、ECU50が上記ステップS14の処理を実行することにより上記第7の発明における「差圧制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1では、最大EGR弁開度Bが上記第8の発明の「EGR弁差圧制御用開度」に相当している。また、上述した実施の形態1では、ECU50が上記ステップS8の処理を実行することにより上記第8の発明における「開度算出手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1では、ECU50が上記ステップS6の処理を実行することにより上記第11の発明における「EGR弁目標差圧算出手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本発明に係る実施の形態2は、図10に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に後述する図12及び上述した図9に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
[実施の形態2の構成]
図10は、本発明の実施の形態2の制御装置が適用されるエンジンシステムの構成を示す図である。図10に示す制御装置は、Dth弁前ガス圧を検出するための圧力センサ58、EGR弁前ガス圧を検出するための圧力センサ64、EGR弁前ガス温を検出するための温度センサ66、及びインテークマニホールドガス温を検出するための温度センサ72を備えていない点を除き、図1に示す制御装置と同様の構成を備えている。
[実施の形態2の特徴]
上述した実施の形態1の制御装置では、Dth弁24およびEGR弁32の弁前後の状態量を用いて、最小Dth弁閉度A及び最大EGR弁開度Bを算出することとしている。このため、実施の形態1の制御装置では、Dth弁24およびEGR弁32の弁前後の状態量を正確に把握するためのセンサの利用が必要となる。実施の形態2の制御装置は、Dth弁24およびEGR弁32の弁前後の状態量を用いることなく、Dth弁最小前後差圧を実現するための最小Dth弁閉度A及びEGR弁最小前後差圧を実現するための最大EGR弁開度Bを算出する方法に特徴を有している。
最小Dth弁閉度Aを算出する方法としては、例えば、回転速度と噴射量を引数としてDth弁最小前後差圧を実現するための最小Dth弁閉度Aを規定したマップを用いることが考えられる。しかしながら、このようなマップには環境条件の変化が反映されない。このため、例えば、低水温や低圧等の環境条件によってEGR弁新気量制御中の目標新気量や目標EGR率が増大した場合に、Dth弁前後差圧がDth弁最小前後差圧よりも大きくなってしまう。この場合、ポンピングロスが増大してしまい燃費の悪化を招いてしまう。
そこで、本発明の実施の形態2の制御装置では、以下の制御ロジックにより最小Dth弁閉度Aに環境条件の変化を反映させることとしている。図11は、本発明の実施の形態2のECU50が備える制御機能のうち、最小Dth弁閉度Aを算出するための機能ブロックを抽出した制御ブロック図である。この図に示す演算部521は、マップを用いて最小Dth弁閉度Aのベース値を算出するための機能ブロックである。演算部521の演算で用いられるマップには、回転速度と噴射量を引数として、Dth弁最小前後差圧を実現するための最小Dth弁閉度Aのベース値が対応付けられている。演算部521ではこのマップを用いて、入力された回転速度“ne”と噴射量“q”に対応する最小Dth弁閉度Aのベース値が算出される。
演算部522は、最小Dth弁閉度Aに気圧変化の影響を反映させるための閉度補正値を算出するための機能ブロックである。演算部522の演算で用いられるマップには、回転速度、噴射量、及び大気圧を引数として気圧変化による最小Dth弁閉度Aの閉度補正値が対応付けられている。演算部522では、上記マップを用いて、入力された回転速度“ne”、噴射量“q”、及び大気圧“pa”に対応する閉度補正値が算出される。
また、演算部523は、最小Dth弁閉度Aにエンジン冷却水の水温変化の影響を反映させるための補正係数を算出するための機能ブロックである。演算部523の演算で用いられるマップには、水温を引数として閉度補正値の補正係数が対応付けられている。演算部523では、上記マップを用いて、入力された水温“thw”に対応する補正係数が算出される。また、演算部524は、最小Dth弁閉度Aに大気温の変化の影響を反映させるための補正係数を算出するための機能ブロックである。演算部524の演算で用いられるマップには、大気温を引数として閉度補正値の補正係数が対応付けられている。演算部524では、上記マップを用いて、入力された大気温“tha”に対応する補正係数が算出される。演算部522において算出された閉度補正値は、演算部523において算出された補正係数と演算部524において算出された補正係数とが順に乗算された後に最小Dth弁閉度Aのベース値に加算される。これにより、水温、大気温及び気圧に関する環境条件が反映された最小Dth弁閉度Aが算出されるので、低水温環境や低大気温環境、低圧環境においてもDth弁前後差圧をDth弁最小前後差圧に近づけることができる。
また、本発明の実施の形態2の制御装置では、以下の制御ロジックにより最大EGR弁開度Bに環境条件の変化を反映させることとしている。図12は、本発明の実施の形態2のECU50が備える制御機能のうち、最大EGR弁開度Bを算出するための機能ブロックを抽出した制御ブロック図である。この図に示す演算部531は、マップを用いて最大EGR弁開度Bのベース値を算出するための機能ブロックである。演算部531では、回転速度と噴射量を引数として、EGR弁最小前後差圧を実現するための最大EGR弁開度Bのベース値が対応付けられている。演算部531ではこのマップを用いて、入力された回転速度“ne”と噴射量“q”に対応する最大EGR弁開度Bのベース値が算出される。
演算部532は、最大EGR弁開度Bに気圧変化の影響を反映させるための開度補正値を算出するための機能ブロックである。演算部532の演算で用いられるマップには、回転速度、噴射量、及び大気圧を引数として気圧変化による最大EGR弁開度Bの開度補正値が対応付けられている。演算部532では、上記マップを用いて、入力された回転速度“ne”、噴射量“q”、及び大気圧“pa”に対応する開度補正値が算出される。
また、演算部533は、最大EGR弁開度Bに水温変化の影響を反映させるための補正係数を算出するための機能ブロックである。演算部533の演算で用いられるマップには、水温を引数として開度補正値の補正係数が対応付けられている。演算部533では、上記マップを用いて、入力された水温“thw”に対応する補正係数が算出される。また、演算部534は、最大EGR弁開度Bに大気温の変化の影響を反映させるための補正係数を算出するための機能ブロックである。演算部534の演算で用いられるマップには、大気温を引数として開度補正値の補正係数が対応付けられている。演算部534では、上記マップを用いて、入力された大気温“tha”に対応する補正係数が算出される。演算部532において算出された開度補正値は、演算部533において算出された補正係数と演算部534において算出された補正係数とが順に乗算された後に最大EGR弁開度Bのベース値に加算される。これにより、水温、大気温及び気圧に関する環境条件が反映された最大EGR弁開度Bが算出されるので、低水温環境や低大気温環境、低圧環境においてもEGR弁前後差圧をEGR弁最小前後差圧に近づけることができる。
[実施の形態2の具体的処理]
次に、上述した新気量制御における具体的処理についてフローチャートを用いて詳細に説明する。図13は、本発明の実施の形態2のECU50により実行される新気量制御のためのルーチンの前半部を示すフローチャートである。
図13に示すルーチンのステップS21では、回転速度センサ52の信号から計測されたエンジン回転速度と、アクセル開度センサ70の信号から得られた燃料噴射量とから、目標新気量が算出される。ステップS22では、エアフローメータ54の信号から実新気量が検出される。以上のステップの処理は、後述するステップでの処理に必要なデータを得るための処理である。したがって、各ステップの順番は適宜変更することもできる。
次のステップS23では最小Dth弁閉度Aが算出される。より詳しくは、ステップS23では、上述した図11に示す制御ロジックの演算が実行される。次のステップS24では、最大EGR弁開度Bが算出される。より詳しくは、ステップS24では、上述した図12に示す制御ロジックの演算が実行される。図13に示すステップS24の処理の後は図9に示す新気量制御のためのルーチンの後半部に移行する。図9に示すルーチンは実施の形態1における新気量制御のためのルーチンの後半部と共通のため、その説明は省略する。
以上説明したルーチンに従って新気量制御を行うことにより、低温環境下や低圧環境下においてもフィードバック制御機能の切り替え時のDth弁24及びEGR弁32の前後差圧をそれぞれ最小差圧に制御することができる。これにより、新気量制御において制御応答性及び収束性を確保しつつ燃費の悪化を有効に抑制することが可能となる。
ところで、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
上述した実施の形態2では、図11に示す制御ロジックに従い、環境補正が施された最小Dth弁閉度Aを算出することとした。しかしながら、最小Dth弁閉度Aの算出手法はこれに限らず、環境補正として低水温補正、低大気温補正及び低圧補正の何れかを行う制御ロジックでもよいし、他の環境条件に対応させるための補正を含んで構成されていてもよい。このことは、最大EGR弁開度Bの算出についても同様である。
また、上述した実施の形態2の制御装置では、Dth弁最小前後差圧を実現するための最小Dth弁閉度Aを算出することとしたが、目標Dth弁前後差圧を実現するための最小Dth弁閉度Aを算出することとしてもよい。このような算出機能を実現するための制御ロジックとしては、例えば、図11に示す制御ロジックにおいて、EGR弁実開度の入力を受けて目標Dth弁前後差圧を計算する機能ブロック(つまり図6に示す演算部501)を追加する。そして、算出された目標Dth弁前後差圧は演算部521に入力される構成とし、演算部521では、回転速度と噴射量に加えて、目標Dth弁前後差圧を引数として最小Dth弁閉度Aのベース値が対応付けられたマップを使用する。このような制御ロジックによれば、目標Dth弁前後差圧を実現するための最小Dth弁閉度Aを算出することが可能となる。
なお、最大EGR弁開度Bの算出についても同様に、目標EGR弁前後差圧を実現するための最大EGR弁開度Bを算出することとしてもよい。このような算出機能を実現するための制御ロジックとしては、例えば、図12に示す制御ロジックにおいて、Dth弁実閉度の入力を受けて目標EGR弁前後差圧を計算する機能ブロック(つまり図7に示す演算部511)を追加する。そして、算出された目標EGR弁前後差圧は演算部531に入力される構成とし、演算部531では、回転速度と噴射量に加えて、目標EGR弁前後差圧を引数として最大EGR弁開度Bのベース値が対応付けられたマップを使用する。このような制御ロジックによれば、目標EGR弁前後差圧を実現するための最大EGR弁開度Bを算出することが可能となる。
また、上述した実施の形態2の新気量制御では、Dth弁24を用いた制御としてDth弁新気量制御及びDth弁差圧制御を実行し、EGR弁32を用いた制御としてEGR弁新気量制御及びEGR弁差圧制御を実行することとしている。しかしながら、本実施の形態の新気量制御では、Dth弁24を用いた制御とEGR弁32を用いた制御の何れか一方が上述した実施の形態1の制御又は後述する実施の形態の制御に置換されてもよい。
なお、上述した実施の形態2では、Dth弁24が上記第1の発明の「スロットル弁」に相当し、Dth弁新気量制御が上記第1の発明の「スロットル弁新気量制御」に相当し、EGR弁新気量制御が上記第1の発明の「EGR弁新気量制御」に相当し、Dth弁差圧制御が上記第1の発明の「スロットル弁差圧制御」に相当し、EGR弁差圧制御が上記第1の発明の「EGR弁差圧制御」に相当し、Dth弁前後差圧が上記第1の発明の「第1差圧」に相当し、目標Dth弁前後差圧が上記第1の発明の「スロットル弁目標差圧」に相当し、EGR弁前後差圧が上記第1の発明の「第2差圧」に相当し、目標EGR弁前後差圧が上記第1の発明の「EGR弁目標差圧」に相当している。また、上述した実施の形態2では、ECU50が上記ステップS12及びステップS13、又は上記ステップS15及びステップS16の処理を実行することにより上記第1の発明における「切替制御手段」が実現され、ECU50が上記ステップS11又は上記ステップS14の処理を実行することにより上記第1の発明における「差圧制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態2では、最小Dth弁閉度Aが上記第2の発明の「スロットル弁差圧制御用閉度」に相当している。また、上述した実施の形態1では、ECU50が上記ステップS23の処理を実行することにより上記第2の発明における「閉度算出手段」が実現され、ECU50が上記ステップS12及びステップS13の処理を実行することにより上記第2の発明における「切替制御手段」が実現され、ECU50が上記ステップS11の処理を実行することにより上記第2の発明における「差圧制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態2では、最小Dth弁閉度Aが上記第4の発明の「スロットル弁差圧制御用閉度」に相当している。また、上述した実施の形態1では、ECU50が上記ステップS23の処理を実行することにより上記第4の発明における「閉度算出手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態2では、最大EGR弁開度Bが上記第7の発明の「EGR弁差圧制御用開度」に相当している。また、上述した実施の形態2では、ECU50が上記ステップS8の処理を実行することにより上記第7の発明における「開度算出手段」が実現され、ECU50が上記ステップS15及びステップS16の処理を実行することにより上記第7の発明における「切替制御手段」が実現され、ECU50が上記ステップS14の処理を実行することにより上記第7の発明における「差圧制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態2では、最大EGR弁開度Bが上記第8の発明の「EGR弁差圧制御用開度」に相当している。また、上述した実施の形態1では、ECU50が上記ステップS24の処理を実行することにより上記第8の発明における「開度算出手段」が実現されている。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本発明に係る実施の形態3は、図14に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に後述する図15及び図16に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
[実施の形態3の構成]
図14は、本発明の実施の形態3の制御装置が適用されるエンジンシステムの構成を示す図である。図14に示す制御装置は、EGR弁前ガス温を検出するための温度センサ66、及びインテークマニホールドガス温を検出するための温度センサ72を備えていない点を除き、図1に示す制御装置と同様の構成を備えている。
[実施の形態3の特徴]
本実施の形態3の制御装置では、Dth弁24及びEGR弁32の弁前後の状態量に基づいてDth弁前後差圧及びEGR弁前後差圧の実値を検出し、検出されたDth弁前後差圧及びEGR弁前後差圧を用いて新気量制御を実行する。より詳しくは、本実施の形態3の制御装置では、Dth弁新気量制御の実行中に、Dth弁前後差圧の実値がDth弁最小前後差圧より低下した場合にフィードバック制御機能を当該Dth弁新気量制御からEGR弁新気量制御に切り替えることが行われる。また、本実施の形態3の制御装置では、EGR弁新気量制御の実行中に、EGR弁前後差圧の実値がEGR弁最小前後差圧より
低下した場合に、フィードバック制御機能を当該EGR弁新気量制御からDth弁新気量制御に切り替えることが行われる。このような新気量のフィードバック制御によれば、検出されたDth弁前後差圧及びEGR弁前後差圧の実に基づいてフィードバック制御機能の切替時期を正確に判断することができる。
また、本実施の形態3の制御装置では、Dth弁差圧制御において、Dth弁前後差圧の実値が目標Dth弁前後差圧に近づくように、フィードバック制御によりDth弁閉度を決定することが行われる。なお、Dth弁閉度をフィードバック制御によって決定する場合には、新気量制御として実行されているEGR弁新気量制御と干渉しないように、当該EGR弁新気量制御よりも遅い周期で実行される。
また、本実施の形態3の制御装置では、EGR弁差圧制御において、EGR弁前後差圧の実値が目標EGR弁前後差圧に近づくように、フィードバック制御によりEGR弁開度を決定することが行われる。なお、EGR弁開度をフィードバック制御によって決定する場合には、新気量制御として実行されているDth弁新気量制御と干渉しないように、当該Dth弁新気量制御よりも遅い周期で実行される。
このような差圧制御によれば、Dth弁前後差圧及びEGR弁前後差圧を目標Dth弁前後差圧及び目標EGR弁前後差圧に確実に近づけることができるので、フィードバック制御機能の切り替え前後において制御応答性が悪化することを抑制するとともに、燃費の悪化を最小限に抑えることが可能となる。
[実施の形態3の具体的処理]
次に、上述した新気量制御における具体的処理についてフローチャートを用いて詳細に説明する。図15は、本発明の実施の形態3のECU50により実行される新気量制御のためのルーチンの前半部を示すフローチャートである。また、図16は、本発明の実施の形態3のECU50により実行される新気量制御のためのルーチンの後半部を示すフローチャートである。
図15に示すルーチンのステップS31〜ステップS34では、図8に示すステップS1〜ステップS4の処理と同様の処理が実行される。ステップS35では、吸気圧センサ62の信号から吸気圧が検出される。以上のステップの処理は、後述するステップでの処理に必要なデータを得るための処理である。したがって、各ステップの順番は適宜変更することもできる。
次のステップS36では、上記ステップS35において検出された吸気圧と上記ステップS34において検出されたEGR弁前ガス圧とからEGR弁前後差圧が算出される。また、次のステップS37では、上記ステップS35において検出された吸気圧と上記ステップS33において検出されたDth弁前ガス圧とからDth弁前後差圧が算出される。
次のステップS38では、目標Dth弁前後差圧を算出する処理が行われる。ここでは、具体的には、図8に示すステップS5の処理と同様の処理が実行される。また、次のステップS39では、目標EGR弁前後差圧を算出する処理が行われる。ここでは、具体的には、図8に示すステップS6の処理と同様の処理が実行される。
図15に示すステップS39の処理の後は図16に示すステップS40に移行する。ステップS40では、エンジンの始動直後か否かが判定される。ここでは、具体的には、図9に示すステップS9の処理と同様の処理が実行される。その結果、エンジンの始動直後であると判定された場合には、後述するステップS42に移行する。
一方、上記ステップS40において、エンジンの始動直後でないと判定された場合には、次のステップS41に移行して、新気量をEGR弁で制御する場合か否かが判定される。ここでは、より詳しくは、図9に示すステップS10の処理と同様の処理が実行される。その結果、新気量をEGR弁で制御する場合でないと判定された場合には、後述するステップS45に移行する。
一方、上記ステップS41において、新気量をEGR弁で制御する場合であると判定された場合には、次のステップS42に移行する。ステップS42では、EGR弁新気量制御とDth弁差圧制御とが並行して実行される。EGR弁新気量制御では、上記ステップS32にて検出された実新気量が上記ステップS31にて算出された目標新気量に近づくように、フィードバック制御によりEGR弁開度が決定される。また、Dth弁差圧制御では、上記ステップS37にて算出されたDth弁前後差圧が上記ステップS38にて算出された目標Dth弁前後差圧に近づくように、フィードバック制御によりDth弁閉度が決定される。
次のステップS43では、新気量フィードバック制御としてEGR弁新気量制御を実行した結果、EGR弁前後差圧が上記ステップS39にて算出された目標EGR弁前後差圧よりも低下するか否かが判定される。その結果、EGR弁前後差圧が目標EGR弁前後差圧よりも低下しない場合には、引き続きEGR弁新気量制御を実行すべきと判断されて本ルーチンは一端終了される。そして、図15及び図16に示すルーチンが再度最初から実行される。
一方、上記ステップS43において、EGR弁前後差圧が目標EGR弁前後差圧よりも低下する場合には、次のステップS44に移行して、新気量制御におけるフィードバック制御機能がEGR弁新気量制御からDth弁新気量制御へと切り替えられる。
次のステップS45では、Dth弁新気量制御とEGR弁差圧制御とが並行して実行される。Dth弁新気量制御では、上記ステップS32にて検出された実新気量が上記ステップS31にて算出された目標新気量に近づくように、フィードバック制御によりDth弁閉度が決定される。また、EGR弁差圧制御では、上記ステップS36にて算出されたEGR弁前後差圧が上記ステップS39にて算出された目標EGR弁前後差圧に近づくように、フィードバック制御によりEGR弁開度が決定される。
次のステップS46では、新気量フィードバック制御としてDth弁新気量制御を実行した結果、Dth弁前後差圧が上記ステップS38にて算出された目標Dth弁前後差圧よりも低下するか否かが判定される。その結果、Dth弁前後差圧が目標Dth弁前後差圧よりも低下しない場合には、引き続きDth弁新気量制御を実行すべきと判断されて本ルーチンは一端終了される。そして、図15及び図16に示すルーチンが再度最初から実行される。
一方、上記ステップS46において、Dth弁前後差圧が目標Dth弁前後差圧よりも低下する場合には、次のステップS47に移行して、新気量制御におけるフィードバック制御機能がDth弁新気量制御からEGR弁新気量制御へと切り替えられる。
以上説明したルーチンに従って新気量制御を行うことにより、フィードバック制御機能の切り替え時のDth弁24及びEGR弁32の前後差圧をそれぞれ最小差圧に制御することができる。これにより、新気量制御において制御応答性及び収束性を確保しつつ燃費の悪化を有効に抑制することが可能となる。
ところで、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
上述した実施の形態3では、圧力センサ58によって検出されたDth弁前ガス圧と吸気圧センサ62により検出された吸気圧とを用いてDth弁前後差圧を算出する構成とした。しかしながら、Dth弁前後差圧を算出する構成はこれに限られず、これらのセンサに代えてDth弁前後のガス差圧を検出するDth弁前後ガス差圧センサを備えることとしてもよい。このような構成によれば、Dth弁前後ガス差圧センサを用いてDth弁前後差圧を直接検出することが可能となる。また、EGR弁前後差圧についても同様に、EGR弁前ガス圧を検出する圧力センサ64と吸気圧センサ62に代えてEGR弁前後のガス差圧を検出するEGR弁前後ガス差圧センサを備えることとしてもよい。このような構成によれば、EGR弁前後ガス差圧センサを用いてEGR弁前後差圧を直接検出することが可能となる。
上述した実施の形態3では、Dth弁前ガス圧及び吸気圧をそれぞれセンサの信号から直接算出することとしているが、これらの値は公知の手法を用いて推定することとしてもよい。
また、上述した実施の形態3では、目標Dth弁前後差圧を図4に示す関係に従い算出することとした。しかしながら、目標Dth弁前後差圧の算出手法はこれに限らず、切替時にDth弁最小前後差圧が確保可能であれば他のマップを用いてもよいし、また、EGR弁実開度に依らずDth弁最小前後差圧の値で固定することとしてもよい。このことは、目標EGR弁前後差圧の算出についても同様である。
また、上述した実施の形態3の新気量制御では、Dth弁24を用いた制御としてDth弁新気量制御及びDth弁差圧制御を実行し、EGR弁32を用いた制御としてEGR弁新気量制御及びEGR弁差圧制御を実行することとしている。しかしながら、本実施の形態の新気量制御では、Dth弁24を用いた制御とEGR弁32を用いた制御の何れか一方が上述した実施の形態1又は実施の形態2の制御に置換されてもよい。
なお、上述した実施の形態3では、Dth弁24が上記第1の発明の「スロットル弁」に相当し、Dth弁新気量制御が上記第1の発明の「スロットル弁新気量制御」に相当し、EGR弁新気量制御が上記第1の発明の「EGR弁新気量制御」に相当し、Dth弁差圧制御が上記第1の発明の「スロットル弁差圧制御」に相当し、EGR弁差圧制御が上記第1の発明の「EGR弁差圧制御」に相当し、Dth弁前後差圧が上記第1の発明の「第1差圧」に相当し、目標Dth弁前後差圧が上記第1の発明の「スロットル弁目標差圧」に相当し、EGR弁前後差圧が上記第1の発明の「第2差圧」に相当し、目標EGR弁前後差圧が上記第1の発明の「EGR弁目標差圧」に相当している。また、上述した実施の形態3では、ECU50が上記ステップS43及びステップS44、又は上記ステップS46及びステップS47の処理を実行することにより上記第1の発明における「切替制御手段」が実現され、ECU50が上記ステップS42又は上記ステップS45の処理を実行することにより上記第1の発明における「差圧制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態3では、ECU50が上記ステップS42の処理を実行することにより上記第5の発明における「差圧制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態3では、ECU50が上記ステップS38の処理を実行することにより上記第6の発明における「スロットル弁目標差圧算出手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態3では、ECU50が上記ステップS45の処理を実行することにより上記第10の発明における「差圧制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態3では、ECU50が上記ステップS38の処理を実行することにより上記第11の発明における「EGR弁目標差圧算出手段」が実現されている。
2 エンジン本体
4 インテークマニホールド
6 エキゾーストマニホールド
8 インジェクタ
10 吸気通路
12 排気通路
14 コンプレッサ
16 タービン
18 可変ノズル
20 エアクリーナ
22 インタークーラ
24 Dth弁
26 触媒装置
30 通路
32 EGR弁
34 EGRクーラ
36 バイパス通路
38 バイパス弁
50 ECU(Electronic Control Unit)
52 回転速度センサ
54 エアフローメータ
56 温度センサ
58 圧力センサ
60 開度センサ
62 吸気圧センサ
64 圧力センサ
66 温度センサ
68 開度センサ
70 アクセル開度センサ
72 温度センサ

Claims (11)

  1. 吸気通路に配置されたスロットル弁と、前記吸気通路における前記スロットル弁の下流側に排気ガスを再循環させるEGR通路と、前記EGR通路に配置されたEGR弁と、を有し、新気量又は新気量と相関を有する状態量を目標値に近づけるようにフィードバック制御によって前記スロットル弁の閉度を決定するスロットル弁新気量制御と、新気量又は新気量と相関を有する状態量を目標値に近づけるようにフィードバック制御によって前記EGR弁の開度を決定するEGR弁新気量制御と、を実行するように構成された内燃機関の制御装置において、
    前記EGR弁新気量制御の実行中に、前記吸気通路における前記スロットル弁の上流側のガス圧と下流側のガス圧との差である第1差圧がスロットル弁目標差圧になるように制御するスロットル弁差圧制御と、前記スロットル弁新気量制御の実行中に、前記EGR通路における前記EGR弁の上流側のガス圧と下流側のガス圧との差である第2差圧がEGR弁目標差圧になるように制御するEGR弁差圧制御と、を実行する差圧制御手段と、
    前記スロットル弁新気量制御の実行中に前記第1差圧が前記スロットル弁目標差圧より低下した場合に前記EGR弁新気量制御に切り替え、前記EGR弁新気量制御の実行中に前記第2差圧が前記EGR弁目標差圧より低下した場合に前記スロットル弁新気量制御に切り替える切替制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記差圧制御手段は、前記第1差圧が前記スロットル弁目標差圧となるための前記スロットル弁の閉度であるスロットル弁差圧制御用閉度を算出する閉度算出手段を備え、前記スロットル弁差圧制御において前記スロットル弁の閉度を前記スロットル弁差圧制御用閉度に制御するように構成され、
    前記切替制御手段は、前記スロットル弁新気量制御の実行中に前記スロットル弁の閉度が前記スロットル弁差圧制御用閉度よりも低下した場合に前記EGR弁新気量制御に切り替えるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記閉度算出手段は、前記内燃機関の実新気量及び前記スロットル弁の前後のガスの状態量を用いて、前記スロットル弁差圧制御用閉度を算出するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記閉度算出手段は、前記内燃機関の運転条件、及び冷却水温又は大気圧又は大気温を含む環境条件に基づいて、前記スロットル弁差圧制御用閉度を算出するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記差圧制御手段は、前記第1差圧の実値を取得し、前記スロットル弁差圧制御において当該実値を前記スロットル弁目標差圧に近づけるようにフィードバック制御によって前記スロットル弁の閉度を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記EGR弁の開度に応じて前記スロットル弁目標差圧を算出するスロットル弁目標差圧算出手段を更に備えることを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記差圧制御手段は、前記第2差圧が前記EGR弁目標差圧となるための前記EGR弁の開度であるEGR弁差圧制御用開度を算出する開度算出手段を備え、前記EGR弁差圧制御において前記EGR弁の開度を前記EGR弁差圧制御用開度に制御するように構成され、
    前記切替制御手段は、前記EGR弁新気量制御の実行中に前記EGR弁の開度が前記EGR弁差圧制御用開度より大きくなった場合に前記スロットル弁新気量制御に切り替えるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記開度算出手段は、前記内燃機関の実EGRガス量及び前記EGR弁の前後のガスの状態量を用いて、前記EGR弁差圧制御用開度を算出するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記開度算出手段は、前記内燃機関の運転条件、及び冷却水温又は大気圧又は大気温を含む環境条件に基づいて、前記EGR弁差圧制御用開度を算出するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記差圧制御手段は、前記第2差圧の実値を取得し、前記EGR弁差圧制御において当該実値を前記EGR弁目標差圧に近づけるようにフィードバック制御によって前記EGR弁の開度を決定するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記スロットル弁の閉度に応じて前記EGR弁目標差圧を算出するEGR弁目標差圧算出手段を更に備えることを特徴とする請求項7乃至10の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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