JP2006207504A - エンジンのegr量推定方法およびエンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンのegr量推定方法およびエンジンの制御装置 Download PDF

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滋 中川
Hiroshi Takagi
宏 高木
Toshiki Matsue
利樹 松江
Hiroyuki Kusuki
寛之 楠木
Michihiro Imada
道宏 今田
Yasuhiko Katou
也寸彦 加藤
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Abstract

【課題】燃焼室に存在する既燃ガス量を精度よく推定する方法と,この推定方法を用いて要求トルクを精度よく実現できるエンジン制御装置とを提供する。
【解決手段】内部EGRガス中に占める既燃ガス量となる内部EGR既燃量Einを推定し,外部EGRガス中に占める既燃ガス量となる外部EGR既燃量Eoutを推定し,推定された内外の各既燃ガス量に基づいて燃焼室内に存在する総既燃ガス量ETが決定される。排気ガス中に含まれる未燃焼ガスの割合となる排気ガス新気率αを個々に遅れ補正して内部EGR新気率αinと外部EGR新気率αoutとを推定し,内部EGR量EIと内部EGR新気率αinとに基づいて内部EGR既燃量Einを求め,外部EGR量EOと外部EGR新気率αoutとに基づいて外部EGR既燃量Eoutを求めることができる。
推定された燃焼室内の総既燃量ETが多いほど,燃料噴射量が増大補正される。
【選択図】 図9

Description

本発明はエンジンのEGR量推定方法およびエンジンの制御装置に関するものである。
最近のエンジン,特に自動車用エンジンにおいては,外部EGRと呼ばれるように,吸気通路と排気通路とを連通するEGR通路を別途設けて,このEGR通路を介して排気ガスの一部を吸気通路つまり燃焼室に還流させることが行われており,EGR通路に設けたEGR弁の開度を変更することにより外部EGR量が変更される。この一方,排気ガスの一部は燃焼室に残留することとなり,この燃焼室への残留排気ガスが内部EGRとして機能することになる。このように,燃焼室には,内部EGRによる内部EGRガスと外部EGRによる外部EGRガスとが混在した状態で,燃焼が行われることになる。
EGRガスは,高温でかつ燃焼抑制作用があること等から,エンジンの燃焼状態に大きな影響を与えることになる。このため,燃焼室に存在するEGR量を精度よく求めることが,燃焼制御を精度よく行う等の上で重要となる。特許文献1には,排気弁の閉時期を可変制御するエンジンにおいて,吸気弁と排気弁との開弁時期とがオーバラップするオーバラップ期間に応じて内部EGR量が変化することから,エンジン回転数に加えて,吸気弁の開時期と排気弁の閉時期とに基づいて,内部EGR量を精度良く求める(推定する)ことが提案されている。
特開2001−221105号公報
燃焼室に存在(供給)される外部EGR量や内部EGR量そのものを精度良く求めることが従来から種々提案されており,したがって,これらの合計値である総EGR量も精度よく求めることは可能である。しかしながら,実際に燃焼に影響を与える要因としては,EGRガス中の既燃ガスであり,したがって,EGR量が同じであっても既燃ガス量が相違すれば燃焼状態が変化することになる。
一方,エンジンの中には,エンジンの運転状態に基づいて要求トルクを決定して,この要求トルクを実現するように燃料噴射量を制御することが行われている。このようなエンジンにおいて,同じ燃料噴射量であっても,燃焼室に存在する総既燃量が相違すると,エンジンが実際に発生するトルクが微妙に相違することになり,要求トルクを精度よく実現する上で問題となる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その第1の目的は、燃焼室に存在する既燃ガス量を精度よく求めることができるようにしたエンジンのEGR量推定方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は,上記推定方法を利用して要求トルクを精度よく実現できるようにしたエンジンの制御装置を提供することにある。
前記第1の目的を達成するため、本発明におけるエンジンのEGR量推定方法にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
排気ガスの一部を吸気通路に還流させる外部EGRを行うようにしたエンジンのEGR量推定方法であって,
燃焼室に残留する内部EGRガス中に占める既燃ガス量となる内部EGR既燃量を推定する第1ステップと,
吸気通路に還流される外部EGRガス中に占める既燃ガス量となる外部EGR既燃量を推定する第2ステップと,
前記推定された内部EGR既燃量と外部EGR既燃量とに基づいて,燃焼室に存在する総既燃量を決定する第3ステップと,
を備えているようにしてある。上記解決手法によれば,内部EGRガス中に占める既燃量と,外部EGRガス中に占める既燃量とを別々に求めることにより,燃焼室に存在する総既燃量を精度よく求める(推定する)ことができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2〜請求項6に記載のとおりである。すなわち,
燃焼室に残留する内部EGRガス中に占める未燃焼ガスの割合を示す内部EGR新気率を推定する第4ステップと,
吸気通路に還流される外部EGRガス中に占める未燃焼ガスの割合を示す外部EGR新気率を推定する第5ステップと,
を備え,
前記第1ステップでは,内部EGR量と前記推定された内部EGR新気率とに基づいて内部EGR既燃量を推定し,
前記第2ステップでは,外部EGR量と前記推定された外部EGR新気率とに基づいて外部EGR既燃量を推定する,
ようにすることができる(請求項2対応)。この場合、EGRガス中に占める未燃焼ガスの割合となる新気率を用いて,内部EGR既燃量と外部EGR既燃量とを求める(推定する)ことができる。
排気ガス中に占める未燃焼ガスの割合を示す排気ガス新気率を推定する第6ステップをさらに有し,
前記内部EGR新気率と外部EGR新気率とがそれぞれ,前記推定された排気ガス新気率を遅れ補正することによって決定される,
ようにすることができる(請求項3対応)。この場合、燃焼直後において,燃焼室から排出される排気ガスの新気率と,燃焼室に残留される排気ガスの新気率とは同じである一方,内部EGRと外部EGRとでは排気ガスが燃焼室に供給される遅れタイミングが相違することになる。そして,この遅れタイミングの相違を個別に遅れ補正することによって補償して,内部EGR新気率と外部EGR新気率とを精度よく決定して,内部EGR既燃量と外部EGR既燃量とを精度よく決定(推定)することができる。
今回推定された排気ガス新気率を1サイクル分だけ遅れ補正することによって,今回の内部EGR新気率が決定され,
今回推定された排気ガス新気率を1サイクル以上分だけ遅れ補正することによって,今回の外部EGR新気率が決定される,
ようにすることができる(請求項4対応)。この場合、遅れ補正のより具体的な手法が提供される。
前記外部EGR新気率を決定する遅れ補正が,外部EGRガスが前記外部EGR通路を流れる間の応答遅れと,該外部EGR通路に設けたEGR弁の開度変化に伴う応答遅れとを含むように行われる,ようにすることができる(請求項5対応)。この場合、外部EGRガスが燃焼室に供給されるまでに生じる遅れの主要因となる排気ガスが外部EGR通路を流れる応答遅れと,EGR弁の開度変化に起因する応答遅れとを勘案して,外部EGR新気率を精度よく決定する上で好ましいものとなる。
前記外部EGR既燃量を,前記EGR通路の吸気通路への開口端から燃焼室までの吸気通路を流れる間の応答遅れ補正する第7ステップをさらに有し,
前記総既燃量を決定する際に用いる外部EGR既燃量として,前記第7ステップで遅れ補正された後の値が用いられる,ようにすることができる(請求項6対応)。この場合、外部EGRガスが吸気通路を流れる応答遅れを補正して,燃焼室に供給される外部EGR既燃量をより精度よく決定する上で好ましいものとなる。
前記第2の目的を達成するため、本発明におけるエンジンの制御装置にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項7に記載のように、
エンジンの運転状態に基づいて運転者が要求する目標トルクを決定して,該決定された目標トルクに応じて目標燃料噴射量を決定するようにしたエンジンの制御装置において,
前記目標トルクが同じであっても,請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載されたエンジンのEGR量推定方法を用いて推定された総EGR既燃量が大きいときは小さいときに比して,前記目標燃料噴射量が大きくなるように補正する燃料噴射量補正手段を備えている,
ようにしてある。上記解決手法によれば,燃焼室に実際に存在する総既燃量を精度よく反映した燃料噴射量の補正が行われて,要求トルクを精度よく実現することができる。
本発明によるエンジンのEGR量推定方法によれば,燃焼室に存在する総既燃量を精度よく推定することができる。また,本発明によるエンジンの制御装置によれば,要求トルクを精度よく実現することができる。
図1において,1はエンジン(エンジン本体)であり,往復動されるピストン2によって燃焼室3の容積が変化される往復動型とされている。4は吸気ポート,5は吸気ポート4を開閉する吸気弁,6は排気ポート,7は排気ポート6を開閉する排気弁である。8は燃焼室3の略中心に設けられた点火プラグであり,9は点火プラグ8付近に向けて燃焼室3内に直接燃料噴射を行う燃料噴射弁である。
吸気ポート4に連なる吸気通路11には,その上流側から下流側へ順次,スロットル弁12,コントロール弁13が配設されている。スロットル弁12,コントロール弁13はそれぞれ,図示を略すアクチュエータによって駆動されるようになっている。コントロール弁13は,その吸気ポート4を流れる吸入空気の流れ状態を変更させるもので,均質燃焼(燃料と吸入空気とが十分に混合された状態での燃焼)を行う場合は図示の状態とされて,吸入空気が吸気ポート4の全断面積にほぼ均一に流れて,燃焼室3に噴射された燃料に対して吸入空気が十分に混合される。この状態からコントロール弁13を駆動してその姿勢を変更することによって,吸入空気は吸気ポート4を偏向して流れて,点火プラグ8付近に噴射された燃料が点火プラグ8付近に留まるような成層燃焼を行うのに好適な吸気供給状態とされる(吸気ポート4を,例えばスワールポートとして,燃焼室3内で吸気の流れが旋回されるように設定することもできる)。
図2には,均質燃焼を行う運転領域と,成層燃焼を行う運転領域との設定例が示される。図2の例では,エンジン回転数と目標トルク(エンジン負荷に相当)とをパラメータとして,低回転・低負荷領域で成層燃焼が行われ,高回転あるいは高負荷領域では均質燃焼が行われるようになっている。なお,均質燃焼と成層燃焼との切替ハンチング防止のために,切替特性線が,図2実線と波線との2種類設定されていて,実線が成層燃焼から均質燃焼への切替用であり,波線が均質燃焼から成層燃焼への切替用である。
均質燃焼のときは,目標空燃比が理論空燃比あるいはその付近の空燃比とされ,吸気行程での燃料噴射とされ,吸気が渦流とならないようにされ(コントロール弁13が図1の状態),目標トルクの実現は主として吸入空気量でコントロールする運転状態とされる。この一方,成層燃焼を行うときは,空燃比は理論空燃比よりもリーンとされ(均質燃焼の場合よりも十分にリーンとされる),燃料噴射が圧縮行程で実行され,コントロール弁13を図1の状態から変化させて吸気の渦流を生成する状態とされ,目標トルクの実現は主として燃料噴射量でコントロールされることになる。
図1において,排気ポート6に連なる排気通路15には,EGR通路16の上流端が接続され,EGR通路16の下流端が,スロットル弁12とコントロール弁13との間において吸気通路11に接続されている。EGR通路16には,EGR弁17が接続されている。このEGR弁17の開度を変更することにより,EGR通路16を通して吸気通路11に還流される排気ガス量つまり外部EGR量が変更される。
前述した吸気弁5を開閉するための吸気弁用カムシャフト21は,これに取付けたプーリ22を介してクランク軸によって回転駆動される。また,排気弁7を開閉するための排気弁用カムシャフト23は,これに取付けたプーリ24を介してクランク軸によって回転駆動される。上記各プーリ22,24は,それぞれクランク軸に対する回転位相が変更可能とされており,このプーリ22,24のクランク軸に対する回転位相の変更によって,吸気弁5の開閉時期と排気弁7の開閉時期とが個々に変更可能となっている(可変バルブタイミング)。したがって,吸気弁5と排気弁7とが共に開いたオーバラップ量(期間)が変更可能となっている。
吸気弁5と排気弁7とが共に開いたオーバラップ量の変更は例えば図3のように切替えられる。すなわち,エンジン回転数と目標トルク(エンジン負荷に相当)とをパラメータとして,中回転・中負荷域のときにオーバラップ量が大とされて,内部EGR量を増大させて,燃費向上が図られる。また,中回転・高負荷域のときにオーバラップ量が中とされて,燃費向上と燃焼安定性と出力確保とのバランスが図られる。その他の領域ではオーバラップ量が小とされるが,特に低回転・低負荷域のときには内部EGR量を抑制して燃焼安定性が向上される一方,高回転域では排気弁7の開弁時期の早期化による排気効率向上と,吸気弁5の閉弁時期の遅延による充・効率向上とにより,出力向上が図られる。
図1において,Uはマイクロコンピュータを利用して構成された制御ユニット(コントローラ)である。この制御ユニットUによって,スロットル弁12の制御と,コントロール弁13の制御と,EGR弁17の制御と,各プーリ22,23の制御(位相変更制御)とが行われる他,点火プラグ8の点火時期制御や,燃料噴射弁9からの燃料噴射制御をも行われる。
制御ユニットUには,各種センサS1〜S10からの信号が入力される(一部のセンサについてのみその配設位置をも示してある)。センサS1は,吸入空気量センサで,スロットル弁12上流側において吸入空気量を検出する。センサS2は,吸気温度センサで,スロットル弁12の上流側において吸気温度を検出する。センサS3は,吸気圧センサで,EGR通路16の吸気通路11への開口端よりも下流側において吸気圧力を検出する。センサS4は,水温センサで,エンジン1の冷却水温度を検出する。センサS5は,回転数センサで,エンジン回転数を検出する。センサS6は,車速センサであり,車速を検出する。センサS7は,アクセル開度センサで,アクセル開度を検出する。センサS8は,カムセンサで,吸気弁用プーリ22の回転位相位置(カム位置)を検出する。センサS9は,カムセンサで,排気弁用プーリ24の回転位相位置(カム位置)を検出する。センサS10は,開度センサで,EGR弁17の開度を検出する。
次に,図4を参照しつつ,制御ユニットUによって実行される制御内容の概要について説明する。なお,以下の説明でP1〜Pは制御ユニットUの制御内容をブロック図的に示すプロセス(演算回路)であり,成層燃焼を行う場合を前提にしてある。まず,P1において,エンジン1の運転状態に基づいて運転者の要求トルクPeが演算される。また,P2においてアイドル運転に必要なISCトルクが演算され,P3において,補器類駆動抵抗や各種機械抵抗となる損失トルクPfが演算される。上記要求トルクPeに対して,アイドル時にのみP4において上記ISCトルクが加算されると共に,P5において常に損失トルクPfが加算されて,P6での目標トルクPiが決定される。
一方,後述するように,P10において外部EGR量の中に含まれる既燃量となる外部EGR既燃量Eoutが演算され,P11において,内部EGR量の中に含まれる既燃量となる内部EGR既燃量Einが演算される。P10で得られた外部EGR既燃量Eoutは,P12において応答遅れ補正されることによって,Eout2とされる。P12での応答遅れ補正は,外部EGRガスが,EGR通路16の吸気通路11への開口端から吸気通路11,吸気ポート4へ経て燃焼室3に至るまでの吸気経路長さに起因する応答遅れの補正である。P13では,上記EinとEout2とを加算することによって,燃焼室3内に存在する総既燃量Etが演算される。
P7においては,P6で決定された目標トルクPiを実現するための目標燃料噴射量が演算されるが,この目標燃料噴射量は,P13で得られた総既燃量Etによって補正される。すなわち,総既燃量が大きいほど,目標燃料噴射量が増大されるように補正される。P7の後は,P8において,目標空気量と目標空燃比とが演算され,その後P9において,目標空気量を実現するための目標スロットル開度が演算される。勿論,P9で演算された目標スロットル開度となるようにスロットル弁12の開度が制御され,P7で演算された目標燃料噴射量となるように燃料噴射弁9からの燃料噴射が実行される。
図5,図6は,上述した制御ユニットUの制御内容をより詳細に示すものであり,以下このフローチャートについて説明する。なお,以下の説明でQはステップを示す。また,以下の説明では,アイドル運転時以外のときを前提としており,このため,図4のプロセスP2およびP4に対応する制御部分については省略してある。以上のことを前提として,図5のQ1において,ここに記載されている各種データ(各種センサからの信号)が読み込まれる。次いで,Q2において,エンジン回転数Nと,車速Sと,アクセル開度θaとに基づいて,運転者の要求する要求トルクPeが演算される(図4のP1対応)。次いで,Q3において,機械抵抗とポンピングロスと補器類駆動抵抗とを加算した損失トルクPfが演算される(図4のP3対応)。この後,Q4において,要求トルクPeと損失トルクPfとを加算して,目標トルクPiが決定される(図4のP5,P6対応)。
Q5では,内部EGR量(既燃ガスと新気となる未燃ガスとを含む総内部EGR量)EIが演算される。この内部EGR量EIは適宜の既知の手法により決定することができ,例えば,排気圧(例えば吸気量Amと実燃料噴射量とに基づいて演算してもよいが,別途センサによって検出してもよい)を決定して,この排気圧と,吸気圧Apと,吸・排気弁のカム位置から得られる開弁時期のオーバラップ量と,エンジン回転数Nと,吸気量Amとに基づいて演算することができる。次いで,Q6において,外部EGR量(既燃ガスと新気となる未燃ガスとを含む総外部EGR量)EOが演算される。この外部EGR量EOは適宜の既知の手法により決定することができ,例えば,前述のように決定された排気圧と,吸気圧Apと,EGR弁17の開度θeとに基づいて演算することができる。
Q6の後,Q7において,後述するように,排気ガス中に含まれる未燃焼ガスの割合となる排気ガス新気率αが推定される。この後,推定された排気ガス新気率αに基づいて,Q8において内部EGR新気率(内部EGRガス中に占める未燃焼ガスの割合)αinが決定され,Q9において外部EGR新気率(外部EGRガス中に示す未燃焼ガスの割合)αoutが決定される。このQ7〜Q9の詳細については後述する。
Q9の後,Q10において,内部EGR量EIと内部EGR新気率αinとをここに示す式に照合することによって,内部EGRガス中における既燃ガス量となる内部EGR既燃量Einが推定される(図4のP11対応)。また,Q11において,外部EGR量EOと外部EGR新気率αoutとをここに示す式に照合することによって,外部EGRガス中における既燃ガス量となる外部EGR既燃量Eoutが推定される(図4のP10対応)。この後,Q12において,外部EGR既燃量Eoutを遅れ補正することによって,Eout2が決定される(図4のP12対応)。そして,Q13において,EinとEout2とを加算することによって,燃焼室3に存在する総既燃量Etが決定される(図4のP13対応)。
Q13の後は,図6のQ21に移行して,図2のマップを参照して,成層燃焼を行う運転領域であるか否かが判別される。このQ21の判別でNOのとき,つまり均質燃焼を行う運転領域であるときは,Q22〜Q27の処理が行われる。すなわち,均質燃焼のときは,前述のように,目標空燃比が理論空燃比あるいはその付近の空燃比に設定され,吸気行程での燃料噴射とされ,吸気が渦流とならないようにされ(コントロール弁13が図1の状態),目標トルクの実現は主として吸入空気量でコントロールする運転状態とされる。このような制御を行うため,まず,Q22において,エンジン回転数Nと目標トルクPiと総既燃量Etとに基づいて,基本目標燃料噴射量Teが演算される。この場合,総既燃量Etは補正用パラメータとして機能するもので,基本パラメータとなるエンジン回転数Nと目標トルクPiとが同じ値であっても,総既燃量Etが大きいほど基本目標燃料噴射量Teが大きくなるように決定される。
Q22の後は,Q23において,エンジン回転数Nと目標トルクPiとに基づいて(例えばマップ照合),目標空燃比A/Fが決定される((例えば図示を略すマップから目標空燃比を決定)。次いでQ24において,目標空燃比A/Fを実現するために必要な目標空気量が,エンジン回転数NとQ22で決定された基本燃料噴射量TeとQ23で決定された目標A/Fとに基づいて決定される。この後,Q25において,上記目標空気量を実現するために必要な目標スロットル開度が,エンジン回転数Nと吸気圧ApとQ24で決定された目標空気量とから決定される。さらに,Q26において,エンジン回転数Nと吸気量Amと目標空燃比A/Fとから,最終的な目標燃料噴射量が演算される。そして,Q27において,Q26で決定された目標燃料噴射量でもって吸気行程において燃料噴射弁9から燃料噴射が実行され,Q25で決定された目標スロットル開度となるようにスロットル弁12の開度が制御され,コントロール弁13吸気の渦流を生成しない図1の状態に制御される。
前記Q21の判別でYESのときは,成層燃焼を行うときである。成層燃焼を行うときは,前述のように,空燃比は理論空燃比よりもリーンとされ(均質燃焼の場合よりも十分にリーンに設定),燃料噴射が圧縮行程で実行され,コントロール弁13を図1の状態から変化させて吸気の渦流を生成する状態とされ,目標トルクの実現は主として燃料噴射量でコントロールされることになる。このため,まずQ28において,エンジン回転数Nと目標トルクPiと総既燃量Etとに基づいて,最終的な目標燃料噴射量が演算される。この場合,総既燃量Etは補正用パラメータとして機能するもので,基本パラメータとなるエンジン回転数Nと目標トルクPiとが同じ値であっても,総既燃量Etが大きいほど目標燃料噴射量が大きくなるように決定される。次いで,Q29において,エンジン回転数Nと目標トルクPiとに基づいて,目標空気量が演算される。この後,Q30において,エンジン回転数Nと吸気圧Apと目標空気量とに基づいて,目標スロットル開度が演算される(燃料噴射量でトルク制御を行うために,目標スロットル開度はほぼ全開付近の値に決定される)。そして,Q31において,Q28で決定された目標燃料噴射量が燃料噴射弁9から圧縮行程において噴射され,スロットル弁12の開度がQ30で決定された目標スロットル開度となるように制御され,コントロール弁13が吸気の渦流を生成する状態とされる。なお,上記Q28〜Q30が,図4のP7〜P9に対応している。
次に,前述した図5のQ7〜Q9の詳細,つまり排気ガス新気率αと,内部EGR新気率αinと,外部EGR新気率αoutとを推定する手法について,図7,図8を参照しつつ説明する。まず,図7(a)は,燃焼室に供給される質量を未燃分と既燃分とに分けて示すものである。すなわち,燃焼直前に燃焼室3に供給される総質量は,燃料量Fと,スロットル弁12を通過した吸入空気量と,内部EGR量と,外部EGR量となるが,内部EGR量と外部EGR量とは,過去に燃焼された既燃ガス量を含むものとなっている。この(a)の状態で燃焼が行われると,燃料量Fとこの燃料量Fを完全燃焼させるのに要した吸入空気量(F×14.7)とが今回の燃焼で生じた新たな既燃量となり,EGRガス中に含まれる既燃量との合計値が,今回の燃焼で生じた排気ガス中に含まれる総既燃量となる。
図7(b)には,上記燃焼によって排気ガスが形成されて,その一部が外部EGR量となり,その一部が内部EGR量となり,残りが排気通路15より大気へ開放される様子を示す。燃焼によって生じた排気ガスは,その後上述のように内部EGR量,外部EGR量,大気開放される排気ガス量として分かれるが,燃焼室3付近ではその濃度は互いに等しいものとなる。つまり,燃焼室3から排出される排気ガス中に含まれる未燃焼ガスの割合となる排気ガス新気率をαとしたとき,EGR通路16内に導入される外部EGRガスの新気率もαとなり,燃焼室3に残留する内部EGRガスの新気率もαとなる。
ただし,燃焼室3に残留する内部EGRガスは,1サイクル後(次回)の燃焼に用いられる一方,外部EGRガスは,長いEGR通路16を通過することの遅れと,EGR弁17を開度変化させたときの応答遅れ(無駄時間+1次遅れ)分だけ遅れることになり,この遅れは,1サイクル以上となるのが通常である(1サイクル以上遅れて燃焼室3に還流される)。つまり図8に示すように,排気ガス新気率αを1サイクル遅れ補正することによって,内部EGRガスの新気率αinとされる。これに対して,排気ガス新気率αを1サイクル以上遅れ補正することによって,外部EGR新気率αoutとされる。上述の説明からも明らかなように,図5のQ8,Q9で演算される新気率αin,αoutは,それぞれ後のサイクルに用いるためのもので,演算された各新気率αin,αoutは一旦記憶されることになる。そして図5のQ10,Q11で用いる各新気率αin,αoutは,上記記憶されている過去の値の中から選択されることになる(αinについては1サイクル前の値で,αoutについては1サイクル以上前の値)。
前記排気ガス新気率α(0≦α≦1)は,「総新気量−14.7×実燃料噴射量」を,「総新気量+外部EGR既燃量+内部EGR既燃量+実燃料噴射量」で除した値として求められる。なお,演算の初期には,内部EGR既燃量および外部EGR既燃量に適宜の初期値(例えば零)を与えればよい。なお,総新気量は,スロットル弁12を通過した吸入空気量と,外部EGRおよび内部EGRに含まれる総未燃焼ガス量との合計値である。なお,内部EGRガスの中で既燃ガスの占める割合は,「1−αin」であり,外部EGRガスの中で未燃焼ガスの占める割合は「1−αout」となる。
図9は,前述して得られた新気率αin,αout,内部EGR量EI,外部EGR量EOから,最終的に今回燃焼が行われる燃焼室3に存在する総既燃量ETを求める手法をブロック図的に示すもので,図5のQ10〜Q13に対応したものである。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。本発明におけるEGR量推定手法は,燃料噴射量の補正に用いるのみならず,例えば点火時期の制御(既燃量が燃焼速度に影響を与えることを考慮してベストトルクが得られる点火時期となるようにする制御)や,EGR量の増減制御等,種々のエンジン制御に利用できるものである。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明の一実施形態を示す全体系統図。 均質燃焼の運転領域と成層燃焼の運転領域の設定例を示す図。 吸・排気弁のオーバラップ量を変化させる例を示す図。 制御ユニットの制御例をブロック図的に示す図。 制御ユニットの制御例を詳細に示すフローチャート。 制御ユニットの制御例を詳細に示すフローチャート。 排気ガス新気率と外部EGR新気率と内部EGR新気率との関係を説明するための図。 排気ガス新気率から内部EGR新気率と外部EGR新気率とを決定する手法をブロック図的に示す図。 今回燃焼が行われる燃焼室に存在する総既燃量を決定するまでの手法をブロック図的に示す図。
符号の説明
1:エンジン
3:燃焼室
4:吸気ポート
5:吸気弁
6:排気ポート
7:排気弁
9:燃料噴射弁
11:吸気通路
12:スロットル弁
13:コントロール弁
15:排気通路
16:EGR通路
17:EGR弁
21:カムシャフト(吸気弁用)
22:カムシャフト(排気弁用)
23:プーリ(吸気弁位相変更用)
24:プーリ(排気弁位相変更用)
U:制御ユニット
EI:内部EGR量(総量)
Eo:外部EGR量(総量)
α:排気ガス新気率
αin:内部EGR新気率
αout:外部EGR新気率

Claims (7)

  1. 排気ガスの一部を吸気通路に還流させる外部EGRを行うようにしたエンジンのEGR量推定方法であって,
    燃焼室に残留する内部EGRガス中に占める既燃ガス量となる内部EGR既燃量を推定する第1ステップと,
    吸気通路に還流される外部EGRガス中に占める既燃ガス量となる外部EGR既燃量を推定する第2ステップと,
    前記推定された内部EGR既燃量と外部EGR既燃量とに基づいて,燃焼室に存在する総既燃量を決定する第3ステップと,
    を備えていることを特徴とするエンジンのEGR量推定方法。
  2. 請求項1において,
    燃焼室に残留する内部EGRガス中に占める未燃焼ガスの割合を示す内部EGR新気率を推定する第4ステップと,
    吸気通路に還流される外部EGRガス中に占める未燃焼ガスの割合を示す外部EGR新気率を推定する第5ステップと,
    を備え,
    前記第1ステップでは,内部EGR量と前記推定された内部EGR新気率とに基づいて内部EGR既燃量を推定し,
    前記第2ステップでは,外部EGR量と前記推定された外部EGR新気率とに基づいて外部EGR既燃量を推定する,
    ことを特徴とするエンジンのEGR量推定方法。
  3. 請求項2において,
    排気ガス中に占める未燃焼ガスの割合を示す排気ガス新気率を推定する第6ステップをさらに有し,
    前記内部EGR新気率と外部EGR新気率とがそれぞれ,前記推定された排気ガス新気率を遅れ補正することによって決定される,
    ことを特徴とするエンジンのEGR量推定方法。
  4. 請求項3において,
    今回推定された排気ガス新気率を1サイクル分だけ遅れ補正することによって,今回の内部EGR新気率が決定され,
    今回推定された排気ガス新気率を1サイクル以上分だけ遅れ補正することによって,今回の外部EGR新気率が決定される,
    ことを特徴とするエンジンのEGR量推定方法。
  5. 請求項4において,
    前記外部EGR新気率を決定する遅れ補正が,外部EGRガスが前記外部EGR通路を流れる間の応答遅れと,該外部EGR通路に設けたEGR弁の開度変化に伴う応答遅れとを含むように行われる,ことを特徴とするエンジンのEGR量推定方法。
  6. 請求項2〜請求項5のいずれか1項において,
    前記外部EGR既燃量を,前記EGR通路の吸気通路への開口端から燃焼室までの吸気通路を流れる間の応答遅れ補正する第7ステップをさらに有し,
    前記総既燃量を決定する際に用いる外部EGR既燃量として,前記第7ステップで遅れ補正された後の値が用いられる,ことを特徴とするエンジンのEGR量推定方法。
  7. エンジンの運転状態に基づいて運転者が要求する目標トルクを決定して,該決定された目標トルクに応じて目標燃料噴射量を決定するようにしたエンジンの制御装置において,
    前記目標トルクが同じであっても,請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載されたエンジンのEGR量推定方法を用いて推定された総EGR既燃量が大きいときは小さいときに比して,前記目標燃料噴射量が大きくなるように補正する燃料噴射量補正手段を備えている,
    ことを特徴とするエンジンの制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008157223A (ja) * 2006-12-20 2008-07-10 Crf Soc Consortile Per Azioni 可変駆動する吸気弁と一定リフトのブート部分を含むリフトプロファイルとを有する内燃機関
JP2010242683A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Toyota Motor Corp 排気ガス改質システム
JP2012520968A (ja) * 2009-03-19 2012-09-10 ルノー・エス・アー・エス エンジンへの燃料噴射を一部再循環排気ガス流量に依存して制御する装置及び方法
JP2014114749A (ja) * 2012-12-10 2014-06-26 Nissan Motor Co Ltd 直噴火花点火式内燃機関の制御装置

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