JP2023166690A - 内燃機関の制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気量を検出空気量として検出する空気量センサと、検出空気量に相関する空気量相関値に基づいて内燃機関を制御する制御装置と、を備え、空気量センサの検出精度が低下した場合であっても実空気量に略等しい空気量相関値を取得する内燃機関の制御システムを提供する。【解決手段】制御装置は、確認時体積効率値に対する学習時体積効率値の比に等しい値を修正係数として取得し、検出空気量に修正係数を乗じて得られる修正空気量を空気量相関値として取得する。学習時体積効率値は、内燃機関の回転速度に対する実際の吸気量である実空気量の比に相関し且つ吸気の温度及び圧力に相関しない値である体積効率値を、学習条件が成立したときに実空気量に代わり検出空気量を適用して取得される値である。確認時体積効率値は、学習時体積効率値の取得後に確認条件が成立したときに体積効率値を、実空気量に代わり検出空気量を適用して取得される値である。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の制御システムに関する。例えば、吸気経路を流れる空気量(吸入空気量)を検出するエアフローメータ(空気量センサ)を備えた内燃機関の制御システムに関する。
この種の内燃機関の制御システムにおいては、吸入空気量を精度よく取得できることが望ましい。そのため、従来の制御システム(空気量算出装置)の1つは、エアフローメータから入力される脈動する検出信号に含まれる高調波の影響を排除したうえで極大値と極小値と間の振幅中央値(平均流量)を吸入空気量として取得していた(例えば、特許文献1を参照)。
特開2018-168803号公報
ところで、エアフローメータの吸入空気量の検出精度が時間の経過と共に低下する可能性がある。即ち、エアフローメータの経年劣化によって、実際の吸入空気量(実空気量)と、エアフローメータによって検出された吸入空気量(検出空気量)と、の差分の大きさが徐々に大きくなる可能性がある。具体的には、ある実空気量に対してエアフローメータから出力される検出信号によって表される検出空気量が、経年劣化に伴って大きくなったり小さくなったりする。吸入空気量の検出精度が低下すると、内燃機関の制御に支障が生じる虞がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、エアフローメータの検出精度が低下した場合であっても実空気量に略等しい空気量相関値を取得することができる内燃機関の制御システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の発明に係る車両の制御システムは、内燃機関の吸気経路を流れる吸気の量を検出空気量として検出する空気量センサと、前記検出空気量に相関する空気量相関値に基づいて前記内燃機関を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、確認時体積効率値に対する学習時体積効率値の比に等しい値を修正係数として取得し、前記検出空気量に前記修正係数を乗じて得られる修正空気量を前記空気量相関値として取得する。
前記学習時体積効率値は、前記内燃機関の回転速度に対する前記吸気経路を実際に流れる吸気の量である実空気量の比に相関し且つ前記内燃機関の気筒に流入する吸気の温度及び圧力に相関しない値として取得される体積効率値を、所定の学習条件が成立したときに前記実空気量に代わり前記検出空気量を適用することによって取得される値である。前記確認時体積効率値は、前記学習時体積効率値が取得された後、所定の確認条件が成立したときに前記体積効率値を、前記実空気量に代わり前記検出空気量を適用することによって取得される値である。
本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る車両の制御システムであって、前記制御装置は、前記実空気量と前記検出空気量との差分が小さい可能性が高いときに前記実空気量の変動が小さい可能性が高いことを含む所定の定常条件が成立すると前記学習条件が成立したと判定し、前記学習時体積効率値が取得された後、前記定常条件が成立すると前記確認条件が成立したと判定する。
本発明の第3の発明は、上記第1の発明に係る車両の制御システムであって、前記制御装置は、前記修正係数を前記内燃機関に係る複数の運転状態のそれぞれに対して取得し、前記取得された複数の修正係数の中から前記運転状態に応じて選択した前記修正係数を前記検出空気量に乗じることによって前記空気量相関値を取得する。
第1の発明に係る車両の制御システムにおいて、体積効率値は、比較的長い時間が経過しても(即ち、空気量センサの検出精度が低下する程度に時間が経過しても)、変化しない値として扱うことができる。仮に、空気量センサの検出精度が低下した結果として確認時体積効率値が取得された時点において、学習時体積効率値が取得された時点と比較して検出空気量が実空気量に対して大きくなっていれば、確認時体積効率値は学習時体積効率値よりも大きくなる。
換言すれば、学習時体積効率値に対する確認時体積効率値の比(空気量比)は、空気量センサの検出精度が悪化した程度を表す。従って、検出空気量に修正係数(即ち、空気量比の逆数)を乗じて得られる空気量相関値は、空気量センサの検出精度が悪化した程度を割り戻した値であり、実空気量に略等しい値である可能性が高い。そのため、第1の発明によれば、空気量センサ(エアフローメータ)の検出精度が低下した場合であっても実空気量に略等しい空気量相関値を取得し、且つ空気量相関値に基づいて内燃機関を制御することが可能となる。
第2の発明において、学習時体積効率値は、空気量センサの検出精度が悪化する前に取得される。上述したように、空気量比は、学習時体積効率値が取得された時点から確認時体積効率値が取得された時点までの期間において空気量センサの検出精度が悪化した程度を表している。そのため、第2の発明によれば、実空気量と空気量相関値との差分が非常に小さくなる可能性が高くなる。
第3の発明において、実空気量と検出空気量との差分(即ち、空気量センサの検出誤差)が内燃機関の運転状態に応じて変化しても、運転状態毎に空気量センサの検出誤差に応じた修正係数が取得される。そのため、第3の発明によれば、内燃機関の運転状態に依らず、実空気量と空気量相関値との差分が非常に小さくなる可能性が高くなる。
本発明に係る車両の制御システムが適用される車両の概略構成図である。 修正係数が取得される内燃機関の運転状態を示した図である。 車両の制御システムの制御装置が実行する「補正係数更新処理ルーチン」を示したフローチャートである。 制御装置が実行する「修正空気量取得処理ルーチン」を示したフローチャートである。
本発明の実施形態を図1~4を参照しながら説明する。説明中の同じ参照番号は、重複する説明をしないが同じ機能を有する同じ要素を意味する。本実施形態に係る内燃機関の制御システムは、図1に示される車両1に適用される。車両1は、駆動力源である内燃機関2、過給機3、吸気システム4、排気システム5、EGRシステム6及びECU7を含んでいる。なお、車両1の外観の図示は省略される。
内燃機関2は、多気筒ディーゼル機関である。内燃機関2は、複数の燃料噴射弁21を含んでいる。燃料噴射弁21のそれぞれは、ECU7からの指示に応じて図示しないコモンレール装置の蓄圧室から供給される高圧の燃料を気筒内に噴射する。
過給機3は、タービン31、可変ノズル機構32、ノズルアクチュエータ32a及びコンプレッサ33を含んでいる。タービン31は、内燃機関2の各気筒から排出される排気(燃焼ガス)の圧力によって作動(回転)する。可変ノズル機構32は、タービン31に流入する排気の絞り機構であるノズルベーンを備えている。
具体的には、ノズルベーンの状態であるノズル閉度Vnに応じてタービン31における排気流路の開度(或いは、閉度、即ち、タービン31に排気を導入する流路が可変ノズル機構32によって閉じられる程度)が変化する。ノズルアクチュエータ32aは、ECU7からの指示に応じてノズル閉度Vnを所定の全開位置(全開状態)から全閉位置(全閉状態)までの間で変化させる。コンプレッサ33は、タービン31と連動して作動(回転)し、内燃機関2の各気筒に吸入される空気(吸気)を加圧する。
吸気システム4は、吸気通路である吸気管41a~41b、吸気マニホールド42、インタークーラ43、スロットル弁44及びスロットルアクチュエータ44aを含んでいる。吸気管41aは、外部(車外)から吸入された吸気(新気)をコンプレッサ33に導入する。吸気管41bは、コンプレッサ33から排出された吸気を吸気マニホールド42に導入する。吸気マニホールド42は、内燃機関2の各気筒に吸気を導入する。吸気管41a~41b及び吸気マニホールド42は、内燃機関2の吸気経路を形成する。
インタークーラ43は、吸気管41bに配設されている。インタークーラ43は、コンプレッサ33にて加圧されて温度が上昇した吸気を冷却する。スロットル弁44は、吸気管41bのインタークーラ43よりも下流の位置に介装されている。スロットル弁44は、その回転位置に応じて吸気管41bの開度を調整する。スロットルアクチュエータ44aは、ECU7からの指示に応じてスロットル弁44の回転位置(開弁状態)を所定の全開位置(全開状態)から全閉位置(全閉状態)までの間で変化させる。
排気システム5は、排気マニホールド51、排気管52a~52b及び排ガス浄化装置53を含んでいる。排気マニホールド51及び排気管52a~52bは、内燃機関2の排気経路を形成する。
排気マニホールド51は、内燃機関2の各気筒から排出された排気(燃焼ガス)を排気管52aに導入する。排気管52aは、排気をタービン31に導入する。排気管52bは、タービン31から排出された排気を外部(車外)に排出する。排ガス浄化装置53は、排気管52bに介装されている。排ガス浄化装置53は、周知の酸化触媒、DPF(Diesel Particulate Filter)及びSCR(Selective Catalytic Reduction)等を含んでおり、排気を浄化する。
EGRシステム6は、EGR管61、EGRクーラ62、バイパス管63、EGR弁64及びEGRバイパス弁65を含んでいる。EGR管61は、排気管52aと吸気管41bとを連通する。EGRクーラ62は、EGR管61に配設されている。EGRクーラ62は、排気管52aから流入した高温の排気(即ち、EGRガス)を冷却する。バイパス管63は、EGR管61におけるEGRクーラ62よりも上流の位置(分岐位置)と下流の位置(合流位置)とを連通してEGRクーラ62を通過しないEGRガスの流路を形成する。
EGR弁64は、EGR管61におけるバイパス管63との合流位置よりも吸気管41b側の位置に介装されている。EGR弁64の開弁状態は、ECU7からの指示に応じて所定の全開位置(全開状態)から全閉位置(全閉状態)までの間で変化し、その結果、排気管52aから吸気管41bに還流するEGRガスの量が調整される。EGRガスの量は、内燃機関2の気筒に流入するガスの量(即ち、後述される実空気量Gaによって表される吸気(新気)の量とEGRガスの量の和)に対するEGRガスの量であるEGR率Erによって表される。
EGRバイパス弁65は、EGR管61におけるバイパス管63との分岐位置に配設されている。EGRバイパス弁65の開弁状態は、ECU7からの指示に応じて所定の全開位置(全開状態)から全閉位置(全閉状態)までの間で変化し、その結果、EGRクーラ62を通過しないEGRガスの量が調整される。
ECU7は、CPU、ROM、RAM及びEEPROMを含む電子制御ユニット(Electronic Control Unit)であり、内燃機関2の制御システムの制御装置(制御部)である。CPUは、所定のプログラムを逐次実行することによってデータの読み込み、数値演算、及び演算結果の出力等を行う。ROMは、CPUが実行するプログラム及びマップ(ルックアップテーブル)等を記憶している。RAMは、CPUによって参照されるデータを一時的に記憶する。EEPROMは、CPUによって参照されるデータを記憶し、更に、ECU7が作動を停止しても記憶したデータを保持する。
ECU7は、クランク角度センサ71、カムポジションセンサ72、エアフローメータ73、ノズル閉度センサ74、圧力センサ75a~75d、温度センサ76a~76b及びアクセル開度センサ77と接続されている。
クランク角度センサ71は、内燃機関2の図示しないクランクシャフトが所定角度だけ回転する毎にパルス信号をECU7へ出力する。カムポジションセンサ72は、内燃機関2の図示しないカムシャフトの回転位置に応じた信号をECU7へ出力する。ECU7は、クランク角度センサ71から入力された信号に基づいて内燃機関2の機関回転速度NE[rpm]を取得する。ECU7は、クランク角度センサ71及びカムポジションセンサ72から入力された信号に基づいて内燃機関2が備える特定の気筒のクランク角度CAを取得する。
エアフローメータ73は、吸気管41aを流れる吸気の量を検出空気量Gd[g/sec]として検出し、検出空気量Gdを表す信号をECU7へ出力する。エアフローメータ73は、便宜上、「空気量センサ」とも称呼される。ノズル閉度センサ74は、ノズル閉度Vnを検出し、ノズル閉度Vnを表す信号をECU7へ出力する。
圧力センサ75aは、車両1の周囲の空気の圧力である大気圧Poを検出し、大気圧Poを表す信号をECU7へ出力する。圧力センサ75bは、吸気管41aにおけるエアフローメータ73よりも下流の位置に配設されている。圧力センサ75bは、コンプレッサ33に流入する吸気の圧力である吸気圧力Paを検出し、吸気圧力Paを表す信号をECU7へ出力する。
圧力センサ75cは、吸気管41bにおけるコンプレッサ33とインタークーラ43との間の位置に配設されている。圧力センサ75cは、コンプレッサ33から流出した吸気の圧力と、大気圧Poと、の差分を過給圧Pbとして検出し、過給圧Pbを表す信号をECU7へ出力する。従って、圧力センサ75aによって検出された大気圧Poと、圧力センサ75cによって検出された過給圧Pbと、の和は、コンプレッサ33から流出した吸気の圧力に等しい。
圧力センサ75dは、吸気マニホールド42に配設されている。圧力センサ75dは、内燃機関2の気筒に流入する吸気の圧力と、大気圧Poと、の差分をインマニ圧力Piとして検出し、インマニ圧力Piを表す信号をECU7へ出力する。
温度センサ76aは、吸気管41aにおけるエアフローメータ73の近傍の位置に配設されている。温度センサ76aは、吸気管41aを流れる吸気の温度である吸気温度To[℃]を検出し、吸気温度Toを表す信号をECU7へ出力する。温度センサ76bは、吸気マニホールド42に配設されている。温度センサ76bは、内燃機関2の気筒に流入する吸気の温度であるインマニ温度Ti[℃]を検出し、インマニ温度Tiを表す信号をECU7へ出力する。
アクセル開度センサ77は、車両1の運転者が車両1の加速度を制御するために操作するアクセルペダル(不図示)の開度であるアクセルペダル開度Apを検出し、アクセルペダル開度Apを表す信号をECU7へ出力する。運転者が車両1を加速させるとき(即ち、内燃機関2に対する要求負荷が大きくなるとき)、アクセルペダル開度Apが大きくなる。
ECU7は、アクセルペダル開度Apに基づいて機関回転速度NEを制御する。機関回転速度NEを上昇させるとき、ECU7は、燃料噴射弁21から噴射される燃料の量である燃料噴射量Qiを増加させる。更にECU7は、過給圧Pbを上昇させて内燃機関2の気筒に流入する吸気量(吸入空気量)を増加させる。
燃料噴射量Qiが決定されると、ECU7は、クランク角度CAによって表される燃料を噴射するタイミングとそのタイミングにおける燃料噴射量との(複数の)組合せを含む燃料噴射パターンを燃料噴射量Qiに応じて決定する。ECU7は、燃料噴射パターンに従って各気筒の燃料噴射弁21に燃料を噴射させる。
更に、ECU7は、修正空気量Gmに基づいてノズル閉度Vn及びEGR率Er等を制御する。修正空気量Gmは、検出空気量Gdに後述される修正係数Kを乗じて得られる(即ち、Gm=K×Gd)。修正空気量Gmは、吸気管41aを実際に流れる吸気の量である実空気量Gaと略等しい値として扱われる。修正空気量Gmは、便宜上、「空気量相関値」とも称呼される。
例えば、ECU7は、修正空気量Gm、吸気圧力Pa、過給圧Pb等に基づいて周知の処理によりノズル閉度Vnを変更する(即ち、ノズルアクチュエータ32aを制御する)。加えて、ECU7は、修正空気量Gm及び燃料噴射量Qi等に基づいて周知の方法によりEGR率Erを変更する(即ち、EGR弁64を制御する)。
(補正係数更新処理)
次に、修正係数Kを取得(更新)するためにECU7が実行する「修正係数取得処理」について、図2~3を参照しながら説明する。エアフローメータ73は、時間の経過と共に劣化して検出空気量Gdの検出精度が低下する可能性がある(即ち、エアフローメータ73の検出誤差が増大する可能性がある)。具体的には、エアフローメータ73によって検出される検出空気量Gdが、経年劣化に起因して、実空気量Gaよりも少ない値となったり、実空気量Gaよりも大きい値となったりする。そこで、ECU7は、上述したように修正係数Kに基づいて修正空気量Gmを取得し、修正空気量Gmに基づいて内燃機関2を制御する。
ECU7は、修正係数Kを、機関回転速度NE及び燃料噴射量Qiの組合せによって特定される、内燃機関2の運転状態Se(x,y)のそれぞれに対して取得する。以下、修正係数Kは、特定の運転状態Se(x,y)に対して取得されていることを明示する場合には修正係数K(x,y)とも称呼される。一方、運転状態Se(x,y)は、単に運転状態Seとも称呼される。
具体的には、運転状態Seは、機関回転速度NEの区間(即ち、下端値及び上端値によって特定される機関回転速度NEの値の範囲)と、燃料噴射量Qiの区間と、の組合せ毎に区分される。運転状態Se毎に取得された修正係数K(x,y)の例が、図2に示される。図2において太い実線で囲まれた運転状態Seについては後述される。
例えば、機関回転速度NEが回転速度n2から回転速度n3までの範囲に含まれ且つ燃料噴射量Qiが噴射量q1から噴射量q2までの範囲に含まれているとき、内燃機関2は運転状態Se(3,2)にある。この場合、ECU7は、運転状態Se(3,2)に対する修正係数K(3,2)の値である係数k32を、検出空気量Gdに乗じることによって修正空気量Gmを取得する(即ち、Gm=k32×Gd)。
修正係数K(x,y)のそれぞれの初期値は「1」である。実空気量Gaと検出空気量Gdとの差分が比較的大きくなると、ECU7は、後述される処理によって修正係数Kの値を「1」以外の値に更新(変更)する。
ECU7は、修正係数Kを、体積効率値Ve[g/m]に基づいて更新する。体積効率値Veは、下式(1)に実空気量Ga、機関回転速度NE、大気圧Po、インマニ圧力Pi、吸気温度To及びインマニ温度Ti、並びに、内燃機関2の総排気量Vc[cc]を代入することによって取得(算出)される。以下、機関回転速度NE、大気圧Po、インマニ圧力Pi、吸気温度To及びインマニ温度Tiは「体積効率パラメータ」とも総称される。式(1)から理解されるように、体積効率値Veは、機関回転速度NEに対する実空気量Gaの比(即ち、Ga/NE)に相関(比例)している。
Figure 2023166690000002
インマニ圧力Piと大気圧Poとの差分、及びインマニ温度Tiと吸気温度Toとの差分は、主に、コンプレッサ33による加圧、及びインタークーラ43による冷却に起因する。インマニ圧力Pi及びインマニ温度Tiのそれぞれの変化に応じて吸入空気量は変化する。
一方、体積効率値Veは、1サイクルあたり(且つ総排気量Vcあたり)の吸入空気量であって、インマニ圧力Piの上昇による吸入空気量増加の効果、及びインマニ温度Tiの上昇(即ち、体積膨張)による吸入空気量減少の効果を割り戻した値である。即ち、体積効率値Veは、インマニ圧力Pi及びインマニ温度Tiに相関しない値として取得される。
従って、体積効率値Veは、インマニ圧力Pi及びインマニ温度Ti等が変化しても変化しない値として扱うことが可能である。更に、実空気量Gaに基づいて取得される体積効率値Veは、比較的長い時間が経過しても(即ち、経年劣化によりエアフローメータ73の検出精度が低下しても)、変化しない値として扱うことが可能である。そのため、検出空気量Gdの精度が低下する前のタイミングにて取得された体積効率値Veと、検出空気量Gdの精度が低下したタイミング(例えば、後述される確認タイミング)にて取得された体積効率値Veと、は互いに等しい値として扱うことができる。
体積効率値Veに基づく修正係数Kの更新処理についてより具体的に説明する。ECU7は、車両1の製造後に内燃機関2が最初に作動を開始してからの経過時間Te(積算時間)が所定の時間閾値Tthよりも長くなる前のタイミングであって、「定常条件」が最初に成立したとき、「学習処理」を実行する。
定常条件は、EGR弁64が全閉状態であり(即ち、EGR率Erが「0」であり)且つ機関回転速度NE及び検出空気量Gdのそれぞれの単位時間あたりの変化量が所定値(具体的には、微少な値)よりも小さい状態が所定時間だけ継続すると成立する。換言すれば、実空気量Gaの変動が小さく且つEGRガスが内燃機関2の気筒に流入しないために各気筒に流入する空気量(即ち、吸入空気量)が実空気量Gaと等しいとき、定常条件が成立する。
学習処理は、運転状態Se(x,y)毎に体積効率パラメータ及び検出空気量GdをEEPROMに記憶する処理である。以下、学習処理によって記憶される体積効率パラメータのそれぞれ及び検出空気量Gdは、学習時回転速度NE1、学習時大気圧Po1、学習時インマニ圧力Pi1、学習時吸気温度To1及び学習時インマニ温度Ti1並びに学習時検出空気量Gd1とも称呼される。
これらのパラメータを式(1)に適用して取得される体積効率値Veは、便宜上、学習時体積効率値Ve1とも称呼される。従って、これらのパラメータと学習時体積効率値Ve1との関係は、下式(2)によって表すことができる。なお、ECU7は、実際には、学習時体積効率値Ve1、並びに、後述される補正確認時体積効率値Ve2m(式(3)を参照)、補正学習時体積効率値Ve1m(式(4)を参照)及び実確認時体積効率値Ve2a(式(7)を参照)を取得しない。
Figure 2023166690000003
ある運転状態Se(x,y)に対して学習処理が実行されるタイミングは、以下、「学習タイミング」とも称呼される。学習タイミングが到来したときに成立する条件は、便宜上、「学習条件」とも称呼される。時間閾値Tthは、経過時間Teが時間閾値Tthよりも短ければ、エアフローメータ73の検出精度が低下していない可能性が高くなるように予め適合されている。
そのため、学習タイミングにおいて、検出空気量Gdと実空気量Gaとの差分が微少である可能性が高い。従って、式(1)に基づいて取得される体積効率値Veと、式(2)に基づいて取得される学習時体積効率値Ve1と、の差分は小さい可能性が高い。
ある運転状態Se(x,y)に対して学習タイミングが到来した後、内燃機関2がその運転状態Se(x,y)にあるときに定常条件が成立すると、ECU7は、補正空気量Gd1mを取得する。以下、補正空気量Gd1mの取得方法について説明する。
ある運転状態Se(x,y)に対して補正空気量Gd1mが取得されるタイミングは、以下、「確認タイミング」とも称呼される。確認タイミングが到来したときに成立する条件は、便宜上、「確認条件」とも称呼される。確認タイミングにおける体積効率パラメータのそれぞれは、確認時回転速度NE2、確認時大気圧Po2、確認時インマニ圧力Pi2、確認時吸気温度To2及び確認時インマニ温度Ti2とも称呼される。
これらのパラメータを式(1)に適用することによって、下式(3)に示されるように補正確認時体積効率値Ve2mを取得することができる。なお、式(1)における実空気量Gaに代わり、式(3)においては確認タイミングの検出空気量Gdである確認時検出空気量Gd2が適用されている。
Figure 2023166690000004
一方、確認タイミングにおける運転状態Se(x,y)に対して取得された、学習タイミングにおける体積効率パラメータ及び補正空気量Gd1mを式(1)に適用することによって下式(4)に示される補正学習時体積効率値Ve1mを取得することができる。
Figure 2023166690000005
補正学習時体積効率値Ve1m及び補正確認時体積効率値Ve2mが互いに等しい値であると扱うことにより下式(5a)が得られる。更に、式(5a)を補正空気量Gd1mについて解くと、下式(5b)が得られる。
Figure 2023166690000006
なお、ECU7は、後述される、確認タイミングにおける補間処理が実行される場合を除き、式(5b)に代わり下式(6)に基づいて補正空気量Gd1mを取得する。即ち、学習時大気圧Po1及び確認時大気圧Po2は、互いに等しいと見做される(即ち、Po2/Po1=1)。加えて、同一の運転状態Se(x,y)に対して取得された学習時回転速度NE1及び確認時回転速度NE2は互いに等しいと見做される(即ち、NE1/NE2=1)。
Figure 2023166690000007
補正空気量Gd1mが取得されると、ECU7は、学習時検出空気量Gd1に対する補正空気量Gd1mの比を空気量比Raとして取得する(即ち、Ra=Gd1m/Gd1)。空気量比Raは、確認タイミングにおける実空気量Ga(以下、確認時空気量Ga2とも称呼される)に対する確認時検出空気量Gd2の比に略等しい値として扱うことができる(即ち、Ra=Gd2/Ga2)。
より具体的に述べると、下式(7)に示されるように、式(1)に確認タイミングにおける体積効率パラメータ及び確認時空気量Ga2を適用することにより、確認タイミングにおける体積効率値Veである実確認時体積効率値Ve2aを取得することができる。
Figure 2023166690000008
式(3)及び式(7)から理解されるように、実確認時体積効率値Ve2aに対する補正確認時体積効率値Ve2mの比は、確認時空気量Ga2に対する確認時検出空気量Gd2の比と等しい(即ち、Ve2m/Ve2a=Gd2/Ga2)。一方、補正学習時体積効率値Ve1mは補正確認時体積効率値Ve2mと等しい値として扱われているので、学習時検出空気量Gd1に対する補正空気量Gd1mの比は、確認時空気量Ga2に対する確認時検出空気量Gd2の比と等しい(即ち、Ra=Gd1m/Gd1=Gd2/Ga2)。
換言すれば、確認時空気量Ga2と確認時検出空気量Gd2との差分(即ち、確認タイミングにおけるエアフローメータ73の検出誤差)が大きくなると、補正空気量Gd1mと学習時検出空気量Gd1との差分が大きくなる。従って、学習時検出空気量Gd1に対する補正空気量Gd1mの比である空気量比Raは、学習タイミングから確認タイミングまでの期間においてエアフローメータ73の検出誤差が増大した程度を表す値である。換言すれば、エアフローメータ73の検出誤差が大きくなっていなければ、空気量比Raは「1」に略等しい値となる。
一方、エアフローメータ73の検出誤差が増大すると、空気量比Raは「1」から乖離した値となる。ECU7は、空気量比Raが「1」より小さい所定の下側閾値Rthdよりも小さければ、或いは、空気量比Raが「1」より大きい所定の上側閾値Rthuよりも大きければ(即ち、Ra<Rthd<1又は1<Rthu<Ra)、修正係数K(x,y)を更新する。具体的には、ECU7は、修正係数K(x,y)を空気量比Raの逆数に等しい値に設定する(即ち、K=1/Ra)。
(補正係数更新処理-修正係数についての補足説明)
上述した処理によって取得(更新)される修正係数Kは、(確認時検出空気量Gd2を適用して取得される)補正確認時体積効率値Ve2mに対する(学習時検出空気量Gd1を適用して取得される)学習時体積効率値Ve1の比に等しい。より具体的に述べると、上述したように、Ra=Gd1m/Gd1であり且つK=1/Raであるから、修正係数Kは下式(8)により表すことができる。
Figure 2023166690000009
一方、補正確認時体積効率値Ve2mに対する学習時体積効率値Ve1の比は、式(2)及び式(7)に基づいて下式(9)により表すことができる。式(8)及び式(9)から理解されるように、修正係数Kは、補正確認時体積効率値Ve2mに対する学習時体積効率値Ve1の比に等しい。
Figure 2023166690000010
(補正係数更新処理-確認タイミングにおける補間処理)
上述したように、ECU7は、経過時間Teが時間閾値Tthに達する前に定常条件が成立した場合、その時点における運転状態Seに対応する学習処理が未だ実行されていなければ、学習処理を実行する。換言すれば、全ての運転状態Seに対して学習処理が実行される前に経過時間Teが時間閾値Tthに達する可能性がある。
そこで、ECU7は、経過時間Teが時間閾値Tthに達した後、学習処理が実行されていない運転状態Seにあるときに定常条件が成立すると、学習時体積効率値Ve1が取得された運転状態Seに対応する体積効率パラメータ等を援用して補正係数更新処理を実行する。以下、学習処理が実行された運転状態Seは、学習済運転状態Seaとも称呼される。一方、経過時間Teが時間閾値Tthに達する前に学習処理が実行されなかった運転状態Seは、未学習運転状態Sebとも称呼される。
ECU7は、未学習運転状態Sebにあるときに定常条件が成立すると(即ち、未学習運転状態Sebに対して確認タイミングが到来すると)、学習済運転状態Seaを1つ選択する。加えて、ECU7は、選択された学習済運転状態Seaに対して取得された体積効率パラメータ及び現時点における体積効率パラメータ等を式(6)に適用することによって補正空気量Gd1mを取得する。更に、ECU7は、取得された補正空気量Gd1m及び学習済運転状態Seaに対して取得された学習時検出空気量Gd1に基づいて空気量比Raを取得する。
学習済運転状態Seaの選択方法について説明する。ECU7は、未学習運転状態Sebにあるときに定常条件が成立すると、その未学習運転状態Sebに最も近接している未学習運転状態Seb(例えば、隣接している未学習運転状態Seb)を選択する。最も近接している学習済運転状態Seaが複数ある場合、ECU7は、機関回転速度NEの範囲が同一である学習済運転状態Seaを優先的に選択する。
ここで、図2において太い実線で囲まれた運転状態Se(x,y)が未学習運転状態Sebであり、それ以外の運転状態Se(x,y)が学習済運転状態Seaであると仮定する。例えば、未学習運転状態Seb(3,1)にあるときに定常条件が成立した場合、運転状態Se(1,1)及び運転状態Se(3,3)が最も近い学習済運転状態Seaである。
この場合、ECU7は、未学習運転状態Seb(3,1)と機関回転速度NEの範囲(具体的には、機関回転速度NEが回転速度n2から回転速度n3までの範囲)が共通している学習済運転状態Sea(3,3)を選択する。加えて、ECU7は、運転状態Se(3,3)に対する学習処理によって取得された体積効率パラメータ等を式(6)に適用することによって補正空気量Gd1mを取得する。更に、ECU7は、取得された補正空気量Gd1mと、運転状態Se(3,3)に対して取得された学習時検出空気量Gd1と、に基づいて空気量比Raを取得する。
一方、未学習運転状態Seb(2,1)にあるときに定常条件が成立した場合、ECU7は、学習済運転状態Sea(1,1)を選択する。このように、選択された学習済運転状態Seaと、未学習運転状態Seb(即ち、現時点における運転状態Se)と、が機関回転速度NEの範囲において異なっていれば、ECU7は、下式(10)に基づいて補正空気量Gd1mを取得する。即ち、この場合、学習時回転速度NE1及び確認時回転速度NE2が互いに異なる値として扱われる。
Figure 2023166690000011
(修正空気量取得処理)
上述したように、ECU7は、運転状態Seのそれぞれに対応する修正係数Kをエアフローメータ73の検出誤差に応じて更新する。換言すれば、ある運転状態Seに対しては確認タイミングが到来して修正係数Kが更新される一方、他の運転状態Seに対して確認タイミングが到来せず(即ち、定常条件が成立せず)、修正係数Kが更新されてない可能性がある。
即ち、エアフローメータ73の検出誤差が比較的大きくなった結果として修正係数Kが「1」とは異なる値に更新された運転状態Seと、修正係数Kが「1」から変更されていない運転状態Seと、が併存する可能性がある。このような場合、ECU7は、修正係数Kが「1」に等しい運転状態Seに内燃機関2があるとき、他の運転状態Seに対して取得された「1」とは異なる修正係数Kを援用して修正空気量Gmを取得する。
より具体的に述べると、ECU7は、修正係数Kが「1」に等しい運転状態Seに内燃機関2があるとき、修正係数Kが「1」とは異なり且つ最も近接している運転状態Seを選択する。加えて、ECU7は、選択された運転状態Seに対して取得された修正係数K(即ち、「1」とは異なる値)に基づいて修正空気量Gmを取得する。修正係数Kが「1」とは異なり且つ最も近接している運転状態Seが複数ある場合、ECU7は、機関回転速度NEの範囲が同一である運転状態Seを優先的に選択する。
(具体的作動)
次に、ECU7の具体的作動について説明する。ECU7のCPU(以下、単位「CPU」とも称呼される)は、図3及び図4にフローチャートにより表された「補正係数更新処理ルーチン」及び「修正空気量取得処理ルーチン」のそれぞれを所定の時間周期が経過する毎に実行する。
適当なタイミングとなると、CPUは、図3のステップ300から処理を開始してステップ305に進み、内燃機関2が作動中であって定常条件が成立しているか否かを判定する。即ち、CPUは、EGR弁64が全閉状態であり且つ機関回転速度NE及び検出空気量Gdのそれぞれの単位時間あたりの変化量が所定値よりも小さい状態が所定時間以上継続しているか否かを判定する。定常条件が成立していなければ、CPUは、ステップ305にて「No」と判定してステップ395に直接進み、本ルーチンの処理を終了する。
一方、定常条件が成立していれば、CPUは、ステップ305にて「Yes」と判定してステップ310に進み、現時点における内燃機関2の運転状態Se(x,y)を機関回転速度NE及び燃料噴射量Qiに基づいて特定する。
次いで、CPUは、ステップ315に進み、現時点における運転状態Se(x,y)に対して学習処理が実行されているか否かを判定する。即ち、CPUは、その運転状態Se(x,y)の学習タイミングにて取得された体積効率パラメータ及び学習時検出空気量Gd1がEEPROMに記憶されているか否かを判定する。
学習処理が実行されていなければ、CPUは、ステップ315にて「No」と判定してステップ320に進み、経過時間Teが時間閾値Tthよりも短いか否かを判定する。なお、CPUは、車両1に搭載された内燃機関2が最初に作動を開始したとき、図示しないルーチンを実行して作動開始日時をEEPROMに記憶する。更に、CPUは、ステップ320の実行時、現在の日時と作動開始日時との差分(即ち、経過時間Te)が時間閾値Tthよりも大きいか否かを判定する。
経過時間Teが時間閾値Tthよりも短ければ、CPUは、ステップ320にて「Yes」と判定してステップ325に進み、学習処理を実行する。即ち、CPUは、現時点における体積効率パラメータ及び検出空気量GdをEEPROMに記憶する。次いで、CPUは、ステップ395に進む。
一方、経過時間Teが時間閾値Tth以上であれば、CPUは、ステップ320にて「No」と判定してステップ330に進み、学習処理が実行された運転状態Se(x,y)の1つを選択する。即ち、CPUは、学習処理が実行され且つ現時点の運転状態Se(x,y)に最も近い運転状態Se(x,y)を選択する。学習処理が実行され且つ現時点の運転状態Se(x,y)に最も近い運転状態Se(x,y)が複数あれば、CPUは、機関回転速度NEの範囲が同一である運転状態Se(x,y)を優先的に選択する。
次いで、CPUは、ステップ335に進み、式(6)又は式(10)に基づいて補正空気量Gd1mを取得する。この場合、CPUは、選択された運転状態Se(x,y)に対して取得された体積効率パラメータに基づいて補正空気量Gd1mを取得する。更に、CPUは、ステップ340に進み、学習時検出空気量Gd1に対する補正空気量Gd1mの比を空気量比Raとして取得する。
次いで、CPUは、ステップ345に進み、空気量比Raが下側閾値Rthdよりも小さい、或いは空気量比Raが上側閾値Rthuよりも大きいか否かを判定する。即ち、CPUは、エアフローメータ73の検出誤差が比較的大きくなっているか否かを判定する。空気量比Raが下側閾値Rthdよりも小さい、或いは空気量比Raが上側閾値Rthuよりも大きければ、CPUは、ステップ345にて「Yes」と判定してステップ350に進み、修正係数Kを空気量比Raの逆数に等しい値に設定する。更に、CPUは、ステップ395に進む。
一方、空気量比Raが下側閾値Rthdから空気量比Raまでの範囲に含まれていれば、CPUは、ステップ345にて「No」と判定してステップ395に直接進む。即ち、この場合、修正係数Kの値は更新されず、「1」に維持される。
なお、ステップ315の判定条件が成立していれば(即ち、学習処理が既に実行されていれば)、CPUは、ステップ315にて「Yes」と判定してステップ335に直接進む。即ち、この場合、(上述したステップ320にて「No」と判定された場合と異なり)現時点の運転状態Se(x,y)に対して取得された体積効率パラメータに基づいて補正空気量Gd1mを取得する。
次に、図4の修正空気量取得処理ルーチンについて説明する。適当なタイミングとなると、CPUは、図4のステップ400から処理を開始してステップ405に進み、図3のステップ310と同様の処理により現時点における運転状態Se(x,y)を特定する。
次いで、CPUは、ステップ410に進み、現時点の運転状態Se(x,y)に対応する修正係数Kの値が「1」以外の値に更新されているか否かを判定する。修正係数Kの値が「1」以外の値に更新されていれば、CPUは、ステップ410にて「Yes」と判定してステップ415に進み、現時点の運転状態Se(x,y)に対応する修正係数Kに基づいて修正空気量Gmを取得する。即ち、CPUは、検出空気量Gdに修正係数K(この場合、「1」以外の値)を乗じることによって修正空気量Gmを取得する。
次いで、CPUは、ステップ495に進み、本ルーチンの処理を終了する。なお、CPUは、図示しないルーチンを実行することにより、修正空気量Gmに基づいて内燃機関2を制御する。具体的には、CPUは、修正空気量Gmに基づいてノズル閉度Vn及びEGR率Er等を制御する
一方、現時点の運転状態Se(x,y)に対応する修正係数Kの値が「1」であれば(即ち、「1」以外の値に更新されていなければ)、CPUは、ステップ410にて「No」と判定してステップ420に進み、修正係数Kが「1」以外の値に更新された運転状態Se(x,y)が存在しているか否かを判定する。即ち、CPUは、エアフローメータ73の検出誤差が比較的大きくなっている一方、現時点の運転状態Se(x,y)に対して定常条件が成立せずに確認タイミングが到来していない状態であるか否かを判定する。
修正係数Kが「1」以外の値に更新された運転状態Se(x,y)が存在していれば、CPUは、ステップ420にて「Yes」と判定してステップ425に進み、修正係数Kが更新(変更)された運転状態Se(x,y)の1つを選択する。即ち、CPUは、修正係数Kが更新され且つ現時点の運転状態Se(x,y)に最も近い運転状態Se(x,y)を選択する。修正係数Kが更新され且つ現時点の運転状態Se(x,y)に最も近い運転状態Se(x,y)が複数あれば、CPUは、機関回転速度NEの範囲が同一である運転状態Se(x,y)を優先的に選択する。
次いで、CPUは、ステップ430に進み、選択された運転状態Se(x,y)に対応する修正係数Kに基づいて修正空気量Gmを取得する。即ち、CPUは、検出空気量Gdに修正係数K(この場合、「1」以外の値)を乗じることによって修正空気量Gmを取得する。更に、CPUは、ステップ495に進む。
一方、修正係数Kが「1」以外の値に更新された運転状態Se(x,y)が存在していなければ、CPUは、ステップ420にて「No」と判定してステップ415に進む。この場合、修正係数Kは「1」であるので、修正空気量Gmは検出空気量Gdに等しい値に設定される。
以上、説明したように、本実施形態に係る内燃機関の制御システムによれば、エアフローメータ73の経年劣化によって実空気量Gaと検出空気量Gdとの差分が比較的大きくなっても、実空気量Gaと略等しい可能性が高い修正空気量Gmに基づいて内燃機関2を制御することが可能となる。仮に、エアフローメータ73の検出精度が低下したときに(修正空気量Gmではなく)検出空気量Gdに基づいてEGR弁64が制御されると、実際のEGR率Erが目標値と乖離し、内燃機関2の排気に含まれる窒素酸化物(NOx)又は煤(スート)の量が増える可能性がある。一方、修正空気量Gmに基づいてEGR弁64が制御されると、このような事象の発生を回避できる可能性が高くなる。
加えて、ECU7は学習タイミングにおける体積効率パラメータ及び確認タイミングにおける体積効率パラメータ等に基づいて修正係数Kを取得するので、修正空気量Gmを取得するために新たなセンサ等は必要とならない。特に、エアフローメータ73の検出精度が低下する前に学習処理が実行されるので、修正空気量Gmを実空気量Gaとの差分が小さい値として取得することが可能となる。
更に、機関回転速度NE及び/又は燃料噴射量Qiが変化すると実空気量Gaが変化するので、ECU7は、機関回転速度NE及び燃料噴射量Qiの組合せによって特定される運転状態Seのそれぞれに対して修正係数Kを取得していた。そのため、実空気量Gaと検出空気量Gdとの差分の大きさが運転状態Se(即ち、実空気量Ga)に応じて変化していても、運転状態Seに依らず(即ち、実空気量Gaが変化しても)修正空気量Gmを実空気量Gaとの差分が小さい値として取得することが可能となる。
以上、本発明の実施形態を上記の構造を参照して説明したが、本発明の目的を逸脱せずに多くの交代、改良、変更が可能であることは当業者であれば明らかである。従って本発明の形態は、添付された請求項の精神と目的を逸脱しない全ての交代、改良、変更を含み得る。本発明の形態は、前記特別な構造に限定されず、例えば下記のように変更が可能である。
大気圧Poが、体積効率値Veの算出に際して適用されていた。これに代えて、吸気圧力Paが体積効率値Veの算出に際して適用されても良い。即ち、体積効率パラメータとして、大気圧Poに代わり吸気圧力Paが用いられても良い。同様に、体積効率値Veの算出に際し、インマニ圧力Piに代わり過給圧Pbが用いられても良い。換言すれば、体積効率値Veは、体積効率パラメータ又はそれに類するパラメータ及び実空気量Gaに基づいて取得され、エアフローメータ73の経年劣化並びに内燃機関2の気筒に流入する吸気の温度及び圧力の変化に伴って変化しない値であれば良い。
定常条件は、EGR弁64が全閉状態であることを含んでいた。これに代えて、定常条件は、EGR弁64が全閉状態であることを含んでいなくても良い。この場合、ECU7は、体積効率パラメータ及びEGR弁64の開度等に基づいて周知の方法により内燃機関2の気筒に流入するEGRガス量(即ち、吸入空気量と実空気量Gaとの差分)を取得し、実空気量GaとEGRガス量との和を実空気量Gaに代わり式(1)に適用して得られる値を体積効率値Veとして扱っても良い。
加えて、定常条件は、機関回転速度NE及び検出空気量Gdのそれぞれの単位時間あたりの変化量が所定値よりも小さい状態が所定時間だけ継続することを含んでいた。これに代えて、定常条件は、検出空気量Gdの単位時間あたりの変化量が所定値よりも小さい状態が所定時間だけ継続することを含んでも良い。即ち、定常条件の成否に機関回転速度NEの変化は考慮されなくても良い。
ECU7は、経過時間Teが時間閾値Tthよりも長くなる前のタイミングであって、ある運転状態Seに対して定常条件が成立したとき、学習処理を実行していた。換言すれば、学習処理が実行されない運転状態Seが出現する可能性がある。これに代えて、ECU7は、車両1の製造直後に運転状態Seのそれぞれに対して順々に定常状態を成立させ、学習処理を実行しても良い。即ち、この場合、全ての運転状態Seに対して学習処理が実行される。この処理は、車両1を所定の試験装置に載せた状態にて実行されても良い。
ECU7は、運転状態Seのそれぞれに対して(複数の)修正係数Kを取得していた。これに代えて、ECU7は、1つの修正係数Kを取得しても良い。或いは、ECU7は、(燃料噴射量Qiに依らず)機関回転速度NEによってのみ区分される運転状態のそれぞれに対して修正係数Kを取得しても良い。更に、ECU7は、検出空気量Gdによって区分される運転状態のそれぞれに対して修正係数Kを取得しても良い。
ECU7は、空気量比Raが下側閾値Rthdよりも小さい場合、或いは空気量比Raが上側閾値Rthuよりも大きい場合に修正係数Kを更新していた。これに代えて、ECU7は、空気量比Raが取得される度に修正係数Kを空気量比Raの逆数に等しい値に更新しても良い。或いは、ECU7は、ある運転状態Seに対して空気量比Raが所定の回数だけ取得されると(即ち、確認タイミングが所定の回数だけ到来すると)、取得された複数の空気量比Raの平均値に応じて修正係数Kを更新しても良い。
経過時間Teは、車両1に搭載された内燃機関2が最初に作動を開始した時刻から経過した時間を表していた。これに代えて、経過時間Teは、内燃機関2が作動している時間の総和であっても良い。
ECU7は不揮発性メモリとしてEEPROMを含んでいた。これに代えて、ECU7は、EEPROM以外の不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)を含んでいても良い。更に、上述したECU7によって実現されていた処理は、複数のECUによって実行されても良い。加えて、内燃機関2は、圧縮着火式のディーゼル機関であった。これに代えて、内燃機関2は、火花点火式のガソリン機関であっても良い。
1…車両
2…内燃機関
3…過給機
4…吸気システム
5…排気システム
6…EGRシステム
7…ECU
21…燃料噴射弁
31…タービン
32…可変ノズル機構
32a…ノズルアクチュエータ
33…コンプレッサ
41a、41b…吸気管
42…吸気マニホールド
43…インタークーラ
44…スロットル弁
44a…スロットルアクチュエータ
51…排気マニホールド
52a、52b…排気管
53…排ガス浄化装置
61…EGR管
62…EGRクーラ
63…バイパス管
64…EGR弁
65…EGRバイパス弁
71…クランク角度センサ
72…カムポジションセンサ
73…エアフローメータ
74…ノズル閉度センサ
75a~75d…圧力センサ
76a、76b…温度センサ
77…アクセル開度センサ

Claims (3)

  1. 内燃機関の吸気経路を流れる吸気の量を検出空気量として検出する空気量センサと、
    前記検出空気量に相関する空気量相関値に基づいて前記内燃機関を制御する制御装置と、
    を備える内燃機関の制御システムであって、
    前記制御装置は、
    確認時体積効率値に対する学習時体積効率値の比に等しい値を修正係数として取得し、
    前記検出空気量に前記修正係数を乗じて得られる修正空気量を前記空気量相関値として取得し、
    前記学習時体積効率値は、
    前記内燃機関の回転速度に対する前記吸気経路を実際に流れる吸気の量である実空気量の比に相関し且つ前記内燃機関の気筒に流入する吸気の温度及び圧力に相関しない値として取得される体積効率値を、所定の学習条件が成立したときに前記実空気量に代わり前記検出空気量を適用することによって取得される値であり、
    前記確認時体積効率値は、
    前記学習時体積効率値が取得された後、所定の確認条件が成立したときに前記体積効率値を、前記実空気量に代わり前記検出空気量を適用することによって取得される値である、
    内燃機関の制御システム。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御システムであって、
    前記制御装置は、
    前記実空気量と前記検出空気量との差分が小さい可能性が高いときに前記実空気量の変動が小さい可能性が高いことを含む所定の定常条件が成立すると前記学習条件が成立したと判定し、
    前記学習時体積効率値が取得された後、前記定常条件が成立すると前記確認条件が成立したと判定する、
    内燃機関の制御システム。
  3. 請求項1に記載の内燃機関の制御システムであって、
    前記制御装置は、
    前記修正係数を前記内燃機関に係る複数の運転状態のそれぞれに対して取得し、
    前記取得された複数の修正係数の中から前記運転状態に応じて選択した前記修正係数を前記検出空気量に乗じることによって前記空気量相関値を取得する、
    内燃機関の制御システム。
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