JP2020122401A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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健士 鈴木
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【課題】入力パラメータとして空燃比を用いた学習モデルにおいて出力パラメータの推定精度を向上させる。【解決手段】学習モデルの入力パラメータの実測値を変換して変換データ値を算出するデータ変換部82と、変換データ値が入力されると学習モデルを用いて出力パラメータの推定値を出力するパラメータ値出力部83と、この推定値に基づいて内燃機関1に関する制御を実行する制御部84と、を備え、入力パラメータは空燃比関連パラメータを含み、データ変換部82は、空燃比関連パラメータの変換データ値をその実測値が理論空燃比よりもリッチである場合とリーンである場合とで正負の符号が逆になるように算出し、空燃比関連パラメータ以外の入力パラメータの変換データ値をその実測値を正規化することにより算出し、各変換データ値をその上限値同士及び下限値同士のいずれか一方が等しくなるように算出する。【選択図】図5

Description

本開示は、内燃機関の制御装置に関する。
従来から、機械学習によって学習された学習モデルを用いて、車両の内燃機関を制御する内燃機関の制御装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、内燃機関の運転に関する複数の入力パラメータの実測値を正規化した正規化データが入力されると、ニューラルネットワークを用いて、内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒の劣化度合いの推定値を出力パラメータの推定値として出力する学習モデルが開示されている。特に、特許文献1では、正規化するにあたり、各入力パラメータの実測値を、その中央値が0に且つその最大値及び最小値がそれぞれ1及び−1になるように変換している。また、特許文献1に記載の内燃機関の制御装置では、学習モデルから出力された排気浄化触媒の劣化度合いの推定値に応じて、内燃機関における空燃比の制御が実行される。
特開平10−252451号公報
ところで、斯かる内燃機関では、その排気通路に設けられた排気浄化触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチにするリッチ制御と理論空燃比よりもリーンにするリーン制御とが交互に実行される場合がある。
しかし、斯かる空燃比制御においてリッチ制御における空燃比の理論空燃比からの差とリーン制御における空燃比の理論空燃比からの差とが異なるように空燃比が制御される場合、空燃比の実測値の中央値は理論空燃比にならない。このような場合に特許文献1に開示された方法によって空燃比の実測値を正規化すると共に正規化された値を学習モデルの入力パラメータとして用いると、その学習モデルにおける出力パラメータの推定精度は必ずしも十分ではなかった。
上記課題に鑑みて、本開示の目的は、入力パラメータとして空燃比を用いた学習モデルにおいて、出力パラメータの推定精度を向上させることにある。
本開示の要旨は、以下の通りである。
(1)学習モデルの入力パラメータの実測値を変換して変換データ値を算出するデータ変換部と、前記変換データ値が入力されると、前記学習モデルを用いて、出力パラメータの推定値を出力するパラメータ値出力部と、前記出力パラメータの推定値に基づいて、内燃機関に関する制御を実行する制御部と、を備え、前記入力パラメータは、前記内燃機関の機関本体から排出される排気ガスの空燃比に関するパラメータを含み、前記制御部は、前記内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒に流入する排気ガスの目標空燃比を理論空燃比よりもリッチにするリッチ制御と前記目標空燃比を理論空燃比よりもリーンにするリーン制御とを実行し、前記データ変換部は、前記空燃比に関するパラメータについての変換データ値を、前記空燃比に関するパラメータの実測値が理論空燃比よりもリッチである場合と理論空燃比よりもリーンである場合とで正負の符号が逆になるように算出し、前記データ変換部は、前記空燃比に関するパラメータ以外の入力パラメータについての変換データ値を、前記空燃比に関するパラメータ以外の入力パラメータの実測値を正規化することにより算出し、前記データ変換部は、前記空燃比に関するパラメータについての変換データ値と前記空燃比に関するパラメータ以外の入力パラメータについての変換データ値との上限値同士及び下限値同士のいずれか一方が等しくなるように、各変換データ値を算出する、内燃機関の制御装置。
本開示によれば、入力パラメータとして空燃比を用いた学習モデルにおいて、出力パラメータの推定精度を向上させることが可能となる。
図1は、内燃機関の概略的な構成図である。 図2は、ECUの処理部における機能ブロック図である。 図3は、ニューラルネットワークの一例を示す図である。 図4は、一実施形態に係る内燃機関の制御装置で行われる制御ルーチンを示すフローチャートである。 図5は、図4に示されるステップS2におけるデータ変換処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
≪内燃機関全体の説明≫
まず、図1を参照して本実施形態に係る制御装置が用いられる内燃機関1の構成について説明する。図1は、車両に搭載される内燃機関1の概略的な構成図である。図1に示されるように、内燃機関1は、機関本体10、燃料供給装置20、吸気系30、排気系40、排気ガス再循環(EGR)システム50、及び制御装置60を備える。
機関本体10は、複数の気筒11が形成されたシリンダブロックと、吸気ポート及び排気ポートが形成されたシリンダヘッドと、クランクケースとを備える。各気筒11内にはピストンが配置されると共に、各気筒11は吸気ポート及び排気ポートに連通している。
燃料供給装置20は、燃料噴射弁21、コモンレール22、燃料供給管23、燃料ポンプ24、及び燃料タンク25を備える。燃料噴射弁21は、各気筒11の燃焼室内に燃料を直接噴射するようにシリンダヘッドに配置されている。燃料噴射弁21は、コモンレール22及び燃料供給管23を介して燃料タンク25に連結されている。燃料供給管23には、燃料タンク25内の燃料を圧送する燃料ポンプ24が配置される。燃料ポンプ24によって圧送された燃料は、燃料供給管23を介してコモンレール22に供給され、燃料噴射弁21から各気筒11の燃焼室内に直接噴射される。コモンレール22内の燃料の圧力は燃料ポンプ24の出力を変更することによって調整される。したがって、燃料ポンプ24は、燃料噴射弁21へ供給する燃料の圧力を制御する燃圧制御装置として機能する。なお、燃料噴射弁21は、吸気ポート内に燃料を噴射するように構成されてもよい。また、本実施形態では、燃料として理論空燃比が14.6であるガソリンが用いられる。しかしながら、内燃機関1は他の燃料を用いてもよい。
吸気系30は、吸気マニホルド31、吸気管32、エアクリーナ33、排気ターボチャージャ5のコンプレッサ34、インタークーラ35、及びスロットル弁36を備える。各気筒11の吸気ポートは吸気マニホルド31及び吸気管32を介してエアクリーナ33に連通している。吸気管32内には、吸気管32内を流通する吸入空気を圧縮して吐出する排気ターボチャージャ5のコンプレッサ34と、コンプレッサ34によって圧縮された空気を冷却するインタークーラ35とが設けられている。スロットル弁36は、スロットル弁駆動アクチュエータ37によって回動せしめられることで、吸気通路の開口面積を変更することができる。
排気系40は、排気マニホルド41、排気管42、排気ターボチャージャ5のタービン43、及び排気浄化触媒44を備える。各気筒11の排気ポートは、排気マニホルド41及び排気管42を介して排気浄化触媒44に連通している。排気マニホルド41及び排気管42は、排気通路を形成する。排気管42には、排気ガスのエネルギによって回転駆動せしめられる排気ターボチャージャ5のタービン43が設けられている。排気ターボチャージャ5のタービン43が回転駆動せしめられると、これに伴ってコンプレッサ34が回転し、よって吸入空気が圧縮せしめられる。
排気浄化触媒44は、例えば、酸素吸蔵能力を有する三元触媒である。三元触媒は、三元触媒に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比に維持されていると、未燃HC、CO及びNOxを同時に浄化する機能を有する。加えて、排気浄化触媒44にある程度の酸素が吸蔵されている場合には、排気浄化触媒44に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比に対してリッチ側或いはリーン側に若干ずれたとしても未燃HC、CO及びNOxとが同時に浄化される。排気浄化触媒44としては、三元触媒以外にも、例えば、排気ガス中のNOxを還元浄化する選択還元型NOx触媒、NOx吸蔵還元触媒、酸化触媒等が用いられる。なお、排気系40は、排気浄化触媒44の下流側にさらに排気浄化触媒を備えてもよい。
EGRシステム50は、機関本体10から排出された排気ガスの一部を吸気通路に供給する。EGRシステム50は、EGR管51と、EGR制御弁52と、EGRクーラ53とを備える。EGR管51は、排気マニホルド41と吸気マニホルド31とに連結され、これらを互いに連通させる。EGR管51には、EGR管51内を流れるEGRガスを冷却するEGRクーラ53が設けられている。加えて、EGR管51には、EGR管51によって形成されるEGR通路の開口面積を変更することができるEGR制御弁52が設けられている。EGR制御弁52の開度を制御することによって、排気マニホルド41から吸気マニホルド31へ還流せしめられるEGRガスの流量が調整され、その結果、EGR率が変化する。なお、EGR率は、燃焼室内に供給される全ガス量(新気量とEGRガス量との合計)に対するEGRガス量の割合である。
≪内燃機関の制御装置≫
内燃機関の制御装置60は、電子制御ユニット(ECU)61及び各種センサを備える。ECU61は、デジタルコンピュータから構成され、双方向性バス62を介して相互に接続された記憶部63、CPU(マイクロプロセッサ)を備える処理部65、入力ポート66、及び出力ポート67を備える。記憶部63は、揮発性メモリ(例えば、RAM)及び不揮発性メモリ(例えば、ROM)を備え、処理部65において実行されるプログラム等、各種のデータを記憶する。
吸気管32には、排気ターボチャージャ5のコンプレッサ34の吸気流れ方向上流側に、吸気管32内を流れる空気の流量を検出するエアフロメータ71が設けられている。また、排気マニホルド41の集合部には排気マニホルド41内を流れる排気ガス(すなわち、排気浄化触媒44に流入する排気ガス)の空燃比を検出する上流側空燃比センサ72が配置される。加えて、排気管42内には排気管42内を流れる排気ガス(すなわち、排気浄化触媒44から流出する排気ガス)の空燃比を検出する下流側空燃比センサ73が配置される。これらエアフロメータ71、上流側空燃比センサ72及び下流側空燃比センサ73の出力は、対応するAD変換器68を介して入力ポート66に入力される。
また、アクセルペダル77にはアクセルペダル77の踏み込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ78が接続され、負荷センサ78の出力電圧は対応するAD変換器68を介して入力ポート66に入力される。したがって、本実施形態では、アクセルペダル77の踏み込み量が機関負荷として用いられる。クランク角センサ79は機関本体10のクランクシャフトが例えば10度回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入力ポート66に入力される。処理部65ではこのクランク角センサ79の出力パルスから機関回転速度が計算される。
一方、ECU61の出力ポート67は、対応する駆動回路69を介して、内燃機関1の運転を制御する各アクチュエータに接続される。図1に示される例では、出力ポート67は、排気ターボチャージャ5の可変ノズル、燃料噴射弁21、燃料ポンプ24、スロットル弁駆動アクチュエータ37、及びEGR制御弁52に接続されている。ECU61は、これらアクチュエータを制御する制御信号を出力ポート67から出力して、内燃機関1の運転を制御する。
図2は、ECU61の処理部65における機能ブロック図である。図2に示されるように、本実施形態では、処理部65は、機能モジュールとして、パラメータ値取得部81と、データ変換部82と、パラメータ値出力部83と、制御部84とを備える。
パラメータ値取得部81は、内燃機関1の運転状態を表す入力パラメータの実測値を取得する。具体的には、パラメータ値取得部81は、ECU61の入力ポート66を介して、上述した種々のセンサ等の出力を、内燃機関1の運転状態を表す入力パラメータの実測値として取得する。また、パラメータ値取得部81は、ECU61から燃料噴射弁21への指令値等を、内燃機関1の運転状態を表す入力パラメータの実測値として取得する。
データ変換部82は、パラメータ値取得部81において取得した各入力パラメータの実測値を変換して変換データ値を算出する。データ変換部82において行われる具体的なデータ変換方法については後述する。
パラメータ値出力部83は、データ変換部82において算出された変換データ値が入力されると、複数の入力層と、隠れ層と、出力層とを備えるニューラルネットワークを用いた学習モデルを用いて、内燃機関1の性能を表す出力パラメータの推定値を算出する。
制御部84は、パラメータ値出力部83によって算出された出力パラメータの推定値に基づいて、内燃機関1に関する制御を実行する。
≪基本的な空燃比制御≫
次に、本実施形態に係る内燃機関1の制御装置60の制御部84における基本的な空燃比制御の概要を説明する。本実施形態では、上流側空燃比センサ72の出力空燃比(排気浄化触媒44に流入する排気ガスの空燃比に相当)に基づいて上流側空燃比センサ72の出力空燃比が目標空燃比となるようにフィードバック制御が行われる。すなわち、本実施形態に係る空燃比制御では、上流側空燃比センサ72の出力空燃比に基づいて排気浄化触媒44に流入する排気ガスの空燃比が目標空燃比となるようにフィードバック制御が行われる。なお、「出力空燃比」は、空燃比センサの出力に相当する空燃比を意味する。
また、本実施形態では、下流側空燃比センサ73の出力空燃比等に基づいて目標空燃比が設定される。具体的には、下流側空燃比センサ73の出力空燃比がリッチ空燃比となったときに、目標空燃比がリーン設定空燃比に設定される。この結果、排気浄化触媒44に流入する排気ガスの空燃比もリーン設定空燃比になる。ここで、リーン設定空燃比は、理論空燃比(制御中心となる空燃比)よりもある程度リーンである予め定められた空燃比であり、例えば、14.7〜16程度である。本実施形態では、下流側空燃比センサ73の出力空燃比が理論空燃比よりも僅かにリッチであるリッチ判定空燃比(例えば、14.55)以下になったときに、下流側空燃比センサ73の出力空燃比がリッチ空燃比になったと判断される。
一方、下流側空燃比センサ73の出力空燃比がリーン空燃比となったときに、それまでリーン設定空燃比だった目標空燃比がリッチ設定空燃比に設定される。この結果、排気浄化触媒44に流入する排気ガスの空燃比もリッチ設定空燃比になる。リッチ設定空燃比は、理論空燃比よりもある程度リッチである予め定められた空燃比であり、例えば、14〜14.55程度とされる。本実施形態では、下流側空燃比センサ73の出力空燃比が理論空燃比よりも僅かにリーンであるリーン判定空燃比(例えば、14.65)以上になったときに、下流側空燃比センサ73の出力空燃比がリーン空燃比になったと判断される。
なお、本実施形態では、リッチ設定空燃比の理論空燃比からの差(リッチ度合い)は、リーン設定空燃比の理論空燃比からの差(リーン度合い)以下とされる。したがって、本実施形態では、目標空燃比は、短期間のリーン設定空燃比と、長期間のリッチ設定空燃比とに交互に設定されることになる。
その後、下流側空燃比センサ73の出力空燃比が再びリッチ判定空燃比以下となったときに、目標空燃比が再びリーン設定空燃比とされ、その後、同様な操作が繰り返される。このように本実施形態では、排気浄化触媒44に流入する排気ガスの目標空燃比がリーン設定空燃比とリッチ設定空燃比とに交互に設定される。換言すると、本実施形態では、制御部84は、内燃機関1の排気通路に設けられた排気浄化触媒44に流入する排気ガスの目標空燃比を理論空燃比よりもリッチにするリッチ制御とこの目標空燃比を理論空燃比よりもリーンにするリーン制御とを実行するといえる。
なお、本実施形態では、下流側空燃比センサ73の出力空燃比がリーン空燃比になったときにそれまでリーン設定空燃比だった目標空燃比がリッチ設定空燃比に設定されたが、下流側空燃比センサ73の出力空燃比に基づいて算出した排気浄化触媒44の吸蔵酸素量が、排気浄化触媒44が吸蔵可能な酸素量の最大値である最大吸蔵可能酸素量よりも小さい所定の基準値以上になったときに目標空燃比がリッチ設定空燃比に設定されてもよい。
≪ニューラルネットワークを用いたモデルの例≫
上述したように、本実施形態では、パラメータ値出力部83は、ニューラルネットワークを用いた学習モデルを用いて、内燃機関の性能を表す種々のパラメータ(出力パラメータ)の推定値を算出する。以下では、図3を参照して、パラメータ値出力部83で用いられるニューラルネットワークの一例について説明する。
図3は、本実施形態においてパラメータ値出力部83によって用いられる畳み込みニューラルネットワーク(CNN)モデルの一例を示す図である。図3に示されるCNNモデルは、入力層(L=1)、14個の隠れ層(L=2〜15)及び出力層(L=16)を有する。しかしながら、ニューラルネットワークは、3層以上の任意の層数であればいかなる層数を有していてもよい。
図3に示されるCNNモデルは、入力層I(L=1)、畳み込み層C1(L=2)、Relu層R1(L=3)、畳み込み層C2(L=4)、Relu層R2(L=5)、最大プーリング層P1(L=6)、畳み込み層C3(L=7)、Relu層R3(L=8)、畳み込み層C4(L=9)、Relu層R4(L=10)、最大プーリング層P2(L=11)、全結合層F1(L=12)、Relu層R5(L=13)、ドロップアウト層D(L=14)、全結合層F2(L=15)及びソフトマックス(Softmax)層S(L=16)の順に構成されている。
例えば、畳み込み層C1及びRelu層R1の出力チャンネル数は30であり、畳み込み層C2、Relu層R2及び最大プーリング層P1の出力チャンネル数は20であり、畳み込み層C3及びRelu層R3の出力チャンネル数は10であり、畳み込み層C4、Relu層R4及び最大プーリング層P2の出力チャンネル数は5であり、全結合層F1、Relu層R5及びドロップアウト層Dの出力チャンネル数は4であり、全結合層F2及びソフトマックス層Sの出力チャンネル数は2である。また、例えば、畳み込み層C1乃至C4のストライド数は1であり、最大プーリング層P1及びP2のストライド数は2である。
なお、図3に示されるCNNモデルでは、簡略化のため、各層におけるノードが省略されているが、各層及び各層の各出力チャンネルには1又は複数のノードが存在する。入力層のノードの数は任意の数とすることができ、入力層以降の各層及び各層の各出力チャンネルにおけるノードの数は各層で実行される演算処理に応じて適宜設定される。また、畳み込み層C1乃至C4及び全結合層F1及びF2における各ノードには、任意の重みやバイアスが適宜設定されている。CNNモデルにおいて、各層の数及び位置は、図3に例示したものに限定されず、適宜変更され得る。また、ドロップアウト層Dは省略されてもよい。
入力層Iでは、後述するように、各入力パラメータの実測値についての各変換データ値が入力され、斯かる変換データ値がそのまま畳み込み層C1に出力される。畳み込み層C1乃至C4では、入力された各データに対して畳み込み演算が実行され、入力されたデータの特徴が抽出される。Relu層R1乃至R5では、入力された各データに対して活性化演算が実行され、畳み込み層において抽出された特徴が強調される。最大プーリング層P1及びP2では、入力された各データについてその最大値を用いてダウンサンプリングする最大プーリング演算が実行される。全結合層F1及びF2では、入力された各データを全結合する全結合演算が実行され、抽出された特徴が結合されて特徴を示す変数が生成される。ドロップアウト層Dでは、入力されたデータをランダムに0にするドロップアウト演算が実行される。ソフトマックス層Sでは、入力されたデータを確率に変換する演算が実行され、全結合層F2で生成された変数が確率に変換される。
本実施形態では、パラメータ値取得部81により取得された内燃機関1の運転状態を表す特定の入力パラメータの実測値がデータ変換部82により変換データ値に変換され、入力層I(L=1)にこの変換データ値が入力される。特に、本実施形態では、各入力パラメータの実測値が所定のデータ長を有する複数の時系列データに分割され、これら分割された時系列データがそれぞれデータ変換部82によりこの所定のデータ長を有する変換データ値に変換され、入力層I(L=1)にこの変換データ値が入力される。また、本実施形態では、入力パラメータとして、上流側空燃比センサ72の出力空燃比、下流側空燃比センサ73の出力空燃比、吸入空気量及び内燃機関1の回転速度が用いられる。
加えて、本実施形態では、ソフトマックス層S(L=16)からは2つの出力パラメータの推定値が出力される。本実施形態では、出力パラメータとして、排気浄化触媒が異常状態である可能性及び正常状態である可能性が用いられる。
したがって、本実施形態におけるニューラルネットワークでは、上流側空燃比センサ72の出力空燃比、下流側空燃比センサ73の出力空燃比、吸入空気量及び内燃機関1の回転速度の実測値についての変換データ値が入力されると、排気浄化触媒が異常状態である可能性及び正常状態である可能性に関する現在又は将来の推定値(例えば、異常状態である確率及び正常状態である確率)が出力パラメータの推定値として出力される。
したがって、パラメータ値出力部83は、内燃機関1の運転中において、上述したような変換データ値が入力されると、ニューラルネットワークを用いた学習モデルを用いて、出力パラメータの推定値を算出する。具体的には、パラメータ値出力部83は、パラメータ値出力部83に入力された変換データ値をニューラルネットワークの入力層に入力すると共に、ニューラルネットワークの出力層から出力された出力パラメータの推定値を出力する。
各入力パラメータの実測値は、パラメータ値取得部81によって取得される。具体的には、上流側空燃比センサ72及び下流側空燃比センサ73の出力空燃比は上流側空燃比センサ72及び下流側空燃比センサ73の出力値からそれぞれ取得される。吸入空気量はエアフロメータ71等の出力に基づいてECU61において算出され、機関回転速度は、クランク角センサ79の出力に基づいてECU61において算出される。パラメータ値取得部81は、このようにして算出された吸入空気量及び機関回転速度をECU61内から取得する。
このようにしてパラメータ値取得部81によって取得された各入力パラメータの実測値はデータ変換部82によって変換されて、変換データ値が算出される。データ変換部82によって算出された変換データ値はパラメータ値出力部83に入力され、その結果、出力パラメータである排気浄化触媒が異常状態である可能性及び正常状態である可能性の推定値がパラメータ値出力部83から出力される。
また、このように構成されたニューラルネットワークの学習(すなわち、畳み込み層や全結合層における重みの値及びバイアスの値の学習)は、各車両に搭載される前に事前に行われる。ニューラルネットワークの学習を行うにあたっては、入力パラメータの実測値とこの入力パラメータの実測値に対応した出力パラメータの実測値(正解データ)を含むデータセットが多数作成される。このようにして作成されたデータセットを用いて、例えば周知の誤差逆伝搬法を用いてニューラルネットワーク内の重み及びバイアスの値を繰り返し更新することによって、各重み及び各バイアスの値が学習される。
このようにして事前に学習された重み及びバイアスの値を用いたニューラルネットワークが車両に搭載される。したがって、パラメータ値出力部83では、事前に学習された学習モデルによって排気浄化触媒が異常状態である可能性及び正常状態である可能性の推定値が算出される。
このようにして学習された学習モデルを用いて出力パラメータである排気浄化触媒が異常状態である可能性及び正常状態である可能性を推定することにより、比較的高い精度で排気浄化触媒が異常状態である可能性及び正常状態である可能性を推定することができる。
なお、本実施形態に係る学習モデルにおけるニューラルネットワークでは、上述した入出力パラメータの例の他にも、入力パラメータとして内燃機関1の機関本体10から排出される排気ガスの空燃比に関するパラメータ(以下、「空燃比関連パラメータ」ともいう)を含むものであれば、その入出力パラメータは適宜設定されてもよい。本実施形態に係る学習モデルにおけるニューラルネットワークは、例えば、上流側空燃比センサ72の出力空燃比、燃料噴射量、吸入空気量及び機関回転速度を入力パラメータとし、上流側空燃比センサ72の出力空燃比が本来出力すべき値に対して異常に大きい又は小さい状態であるか否かに関する判定を出力パラメータとすることができる。また、本実施形態に係る学習モデルにおけるニューラルネットワークは、例えば、上流側空燃比センサ72の出力空燃比、下流側空燃比センサ73の出力空燃比、吸入空気量及び機関回転速度を入力パラメータとし、下流側空燃比センサ73の出力空燃比が本来出力すべき値に対して異常に大きい又は小さい状態であるか否かに関する判定を出力パラメータとすることができる。
ここで、上述したように、本実施形態では、学習モデルとしてCNNモデルを用いるが、学習モデルとして例えばRNN(Recurrent Neural Network)モデルやLSTN(Long Short Term Memory)モデルを用いてもよい。ただし、CNNモデルは、畳み込み層におけるフィルタの大きさや数を自由に調整することが可能であり、例えばRNNモデルやLSTNモデルと比較して高い自由度で設計される。そのため、CNNモデルでは、畳み込み層におけるフィルタの大きさを変更することにより、所定のデータ長を有する変換データ値に対してフィルタを適用する部分を調整でき、その変換データ値における特徴量を適切に抽出することが可能となる。また、畳み込み層におけるフィルタの数を増やすことにより、1つの変換データ値からより多くの特徴量を抽出することが可能となる。そのため、学習モデルとしてCNNモデルを用いることにより、学習モデルにおける出力パラメータの推定精度を向上させること可能となる。
≪出力パラメータの推定値に基づく制御の概要≫
上述したように、本実施形態では、パラメータ値出力部83は、変換データ値が入力されると、学習モデルを用いて、出力パラメータである排気浄化触媒が異常状態である可能性及び正常状態である可能性の推定値を出力する。
制御部84は、パラメータ値出力部83によって算出された排気浄化触媒が異常状態である可能性及び正常状態である可能性の推定値に基づいて、内燃機関1に関する制御を実行する。具体的には、制御部84は、例えば、パラメータ値出力部83によって算出された排気浄化触媒が異常状態である可能性の推定値が排気浄化触媒が正常状態である可能性の推定値よりも大きい場合、排気浄化触媒44が異常状態である旨の判定をする。この場合、制御部84は、例えば、車両の室内に設置された警告灯等を点灯させることで、車両の運転者に排気浄化触媒44の交換や修理を促す。
また、制御部84は、例えば、排気浄化触媒が異常状態である可能性の推定値が相対的に大きい場合にリッチ制御時におけるリッチ度合いが相対的に小さくなるように、上記空燃比制御における目標空燃比を変更してもよい。この結果、例えば、排気浄化触媒44の劣化の進行に伴い、排気浄化触媒44における酸素吸蔵能力が低下した場合であっても、その酸素吸蔵能力を超えたCO、HCを含む排気ガスが排気浄化触媒44に供給され、排気浄化触媒44によってこの排気ガスが十分に浄化されなくなることを抑制することができる。
≪問題点≫
ところで、本実施形態では、データ変換部82は、異なるカテゴリの複数の入力パラメータの実測値を同じ範囲の値に変換するように、入力パラメータの実測値(後述する空燃比関連パラメータを除く)を正規化する。この結果、学習モデルにおいて異なるカテゴリの複数の入力パラメータを用いる場合であっても、その出力結果が特定の入力パラメータに過大に影響を受けることを抑制することができるため、出力パラメータの推定精度を向上させることが可能となる。この正規化は、例えば、斯かる学習モデルへの入力パラメータの入力の前処理として行われる。
しかし、本実施形態に係る空燃比制御では、リッチ度合いとリーン度合いとが異なるため、空燃比関連パラメータの実測値の中央値が理論空燃比にならない。このような場合に特許文献1に開示された方法によって空燃比関連パラメータの実測値を正規化するとともに正規化された空燃比関連パラメータを学習モデルの入力パラメータとして用いると、学習モデルにおける出力パラメータの推定精度は必ずしも十分ではなかった。
≪空燃比関連パラメータについてのデータ変換≫
そこで、本実施形態では、データ変換部82は、空燃比関連パラメータについての変換データ値を、空燃比関連パラメータの実測値が理論空燃比よりもリッチである場合と理論空燃比よりもリーンである場合とで正負の符号が逆になるように算出し、空燃比関連パラメータ以外の入力パラメータについての変換データ値を、空燃比関連パラメータ以外の入力パラメータの実測値を正規化することにより算出する。そして、データ変換部82は、空燃比関連パラメータについての変換データ値と空燃比関連パラメータ以外の入力パラメータについての変換データ値との上限値同士及び下限値同士のいずれか一方が等しくなるように、各変換データ値を算出する。その結果、本実施形態によると、理論空燃比からリッチ側及びリーン側への空燃比関連パラメータの変動がその変換データ値にそのまま反映される一方で、各変換データ値の上限値同士及び下限値同士のいずれか一方が等しくなるため、学習モデルにおいて特定の入力パラメータに過大に影響を受けることを抑制することができる。従って、本実施形態によると、学習モデルにおける出力パラメータの推定精度を向上させることが可能となる。以下、本実施形態について詳細に説明する。
≪フローチャート≫
図4は、本実施形態に係る内燃機関1の制御装置60で行われる制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンのフローは、処理部65が、記憶部63に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。図示された制御ルーチンは、例えば、車両のイグニッションスイッチがオフからオンに切り替わる毎に実行される。
ステップS1では、パラメータ値取得部81において、学習モデルの各入力パラメータの実測値が取得される。本実施形態では、パラメータ値取得部81は、上流側空燃比センサ72の出力空燃比、下流側空燃比センサ73の出力空燃比、吸入空気量及び内燃機関1の回転速度の実測値を取得する。
ステップS2では、データ変換部82において、パラメータ値取得部81により取得された各入力パラメータの実測値を変換して変換データ値が算出される。ステップS2におけるデータ変換処理については、図5を用いて後述する。
次に、ステップS3では、パラメータ値出力部83において、データ変換部82により算出された各変換データ値が入力され、学習モデルを用いて、出力パラメータの推定値が出力される。本実施形態では、パラメータ値出力部83は、上流側空燃比センサ72の出力空燃比、下流側空燃比センサ73の出力空燃比、吸入空気量及び内燃機関1の回転速度についての各変換データ値が入力されると、学習モデルを用いて、排気浄化触媒が異常状態である可能性及び正常状態である可能性の推定値が出力される。
次に、ステップS4では、制御部84において、出力パラメータの推定値に基づいて、内燃機関1に関する制御が実行される。本実施形態では、制御部84は、例えば、排気浄化触媒が異常状態である可能性の推定値が正常状態である可能性の推定値よりも大きい場合、排気浄化触媒44が異常状態である旨の判定をし、車両の室内に設置された警告灯等を点灯させる。
ステップS4の後、本制御ルーチンは終了する。
図5は、図4に示されるステップS2においてデータ変換部82により実行されるデータ変換処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンのフローは、処理部65が、記憶部63に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。
ステップS11では、パラメータ値取得部81において取得された入力パラメータについて、そのパラメータが空燃比関連パラメータであるか否かが判定される。ステップS11において空燃比関連パラメータではないと判定された場合には、本制御ルーチンはステップS12に進む。一方で、ステップS11において空燃比関連パラメータではあると判定された場合には、本制御ルーチンはステップS13に進む。
ステップS12では、空燃比関連パラメータ以外のパラメータについて、例えば下記の式(1)に基づいて変換データ値を算出する。
変換データ値=(実測値−中央値)/2 …(1)
ここで、中央値=(実測値の上限値−実測値の下限値)/2である。ステップS12の後、本制御ルーチンはステップS16に進む。
ステップS13では、空燃比関連パラメータについて、(実測値の上限値−理論空燃比)が(理論空燃比−実測値の上限値)よりも大きいか否かが判定される。ステップS13において(実測値の上限値−理論空燃比)が(理論空燃比−実測値の上限値)よりも大きいと判定された場合には、本制御ルーチンはステップS14に進む。一方、ステップS13において(実測値の上限値−理論空燃比)が(理論空燃比−実測値の上限値)以下であると判定された場合には、本制御ルーチンはステップS15に進む。
ステップS14では、空燃比関連パラメータについて、下記の式(2)に基づいて、変換データ値が算出される。
変換データ値=(実測値−理論空燃比)/(実測値の上限値−理論空燃比) …(2)
ステップS14の後、本制御ルーチンはステップS16に進む。
ステップS15では、空燃比関連パラメータについて、下記の式(3)に基づいて、変換データ値が算出される。
変換データ値=(実測値−理論空燃比)/(理論空燃比−実測値の下限値) …(3)
ステップS15の後、本制御ルーチンはステップS16に進む。
ステップS16では、ステップS12、S14又はS15によりデータ変換されていない入力パラメータがあるか否かを判定する。ステップS16においてデータ変換されていない入力パラメータがあると判定された場合には、本制御ルーチンはステップS11へと戻る。そして、ステップS11では、データ変換されていない入力パラメータについて、上記のようにそのパラメータが空燃比関連パラメータであるか否かが判定される。一方で、ステップS11においてデータ変換されていない入力パラメータはないと判定された場合には、本制御ルーチンは終了して、図4に示される制御ルーチンに戻る。
≪正解確率の比較≫
次に、本実施形態の効果について説明する。上述したように、本実施形態によると、理論空燃比からリッチ側及びリーン側への空燃比関連パラメータの変動がその変換データ値にそのまま反映され、また学習モデルにおいて特定の入力パラメータに過大に影響を受けることが抑制されるため、学習モデルにおける出力パラメータの推定精度を向上させることが可能となる。この効果を検証するため、本実施形態に係るデータ変換方法による変換データ値を用いて学習された学習モデルと、従来の正規化方法による変換データ値を用いて学習された学習モデルと、から出力された出力パラメータの推定値の推定精度(正解確率)の比較を実施した。以下、この比較結果について説明する。
本検証では、入力パラメータを上流側空燃比センサ72の出力空燃比、下流側空燃比センサ73の出力空燃比、吸入空気量及び内燃機関1の回転速度とし、出力パラメータを排気浄化触媒が異常状態である可能性及び正常状態である可能性とする学習モデルを用いた。そして、斯かる学習モデルから出力された出力パラメータの推定値に基づいて内燃機関が制御される車両を、異なる劣化度合いの排気浄化触媒を用いて、異なる車両状態(例えば重量など)及び異なる走行パターンでそれぞれ走行させた。ここで、テストデータを作成する際には、酸素吸蔵能力が所定の閾値を上回る正常状態及び所定の閾値を下回る異常状態の2つの排気浄化触媒をそれぞれ用いた。その結果、計256個の学習データ用のデータセット及び計64個のテストデータ用のデータセットが得られた。この学習データ用のデータセット及びテストデータ用のデータセットは、各入力パラメータと各入力パラメータから得られるべき正解データ(すなわち、その走行中に用いられた排気浄化触媒の状態(異常状態又は正常状態)との組合せの集合で構成される。
また、本検証では、このようにして得らえた学習データ用のデータセット及びテストデータ用のデータセットについて、各入力パラメータのデータサンプリング間隔が16msで、入力パラメータの1データ長が250サンプル(4秒)のデータサンプリングを実施した。このデータサンプリングでは、学習データについて25サンプル(0.4秒)毎に1データを取得し、テストデータについて250サンプル(4秒)毎に1データを取得した。その結果、計212931個の学習データ及び計7371個のテストデータが得られた。
このようにして取得された学習データの入力パラメータを、本実施形態に係るデータ変換方法及び従来の正規化方法をそれぞれ用いてデータ変換し、斯かる変換データ値を含む学習データを用いて図3に示されるCNNモデルをそれぞれ5000epoch学習することにより、本実施形態に係るデータ変換方法及び従来の正規化方法による学習モデルをそれぞれ作成した。そして、各学習モデルについて、テストデータを用いて、排気浄化触媒の状態(異常状態又は正常状態)についての正解確率を検証した。なお、本検証では、排気浄化触媒が異常状態である可能性の推定値が正常状態である可能性の推定値よりも大きい場合には排気浄化触媒が異常状態であると判定し、その逆の場合には排気浄化触媒が正常状態であると判定した。
従来の正規化方法として、以下の式(4)を用いて変換データ値を算出する方法を用いた。
変換データ値=(実測値−実測値の下限値)/(実測値の上限値−実測値の下限値) …(4)
この従来の正規化方法によると、入力パラメータの実測値が0〜1に正規化される。この従来の正規化方法の場合、学習モデルから出力された推定値に基づいて推定された排気浄化触媒の状態の正解確率は、93.88%であった。
また、別の従来の正規化方法として、上記式(1)を用いて変換データ値を算出する方法を用いた。この従来の正規化方法によると、入力パラメータの実測値が、その中央値を0として−1〜1に正規化される。この従来の正規化方法の場合、学習モデルから出力された推定値に基づいて判定された排気浄化触媒の状態の正解確率は、95.70%であった。
一方で、本実施形態に係るデータ変換方法では、一例として、上流側空燃比センサ72の出力空燃比が11.88〜16、下流側空燃比センサ73の出力空燃比が13.137〜15、吸入空気量が5〜105[g/s]、内燃機関1の回転速度が0〜5000[rpm]である場合、吸入空気量及び内燃機関1の回転速度は上記式(1)に基づいて変換データ値が算出され、上流側空燃比センサ72の出力空燃比及び下流側空燃比センサ73の出力空燃比は上記式(3)に基づいて変換データ値が算出される。従って、上流側空燃比センサ72の出力空燃比(11.88〜16)は−1〜0.515に変換され、下流側空燃比センサ73の出力空燃比(13.137〜15)は−1〜0.273に変換され、吸入空気量(5〜105[g/s])及び内燃機関1の回転速度(0〜5000[rpm])はそれぞれ−1〜1に変換される。
本実施形態に係るデータ変換方法の場合、学習モデルから出力された推定値に基づいて判定された排気浄化触媒の状態の正解確率は、96.32%であった。したがって、本実施形態に係るデータ変換方法では、従来の正規化方法と比較して、排気浄化触媒の状態の正解確率、すなわち学習モデルから出力された排気浄化触媒が異常状態である可能性の推定値及び正常状態である可能性の推定値の推定精度が向上していることがわかる。特に、90%台での正解確率の向上は、機械学習の分野においては顕著な効果といえる。
1 内燃機関
10 機関本体
44 排気浄化触媒
60 制御装置
61 ECU
65 処理部
81 パラメータ値取得部
82 データ変換部
83 パラメータ値出力部
84 制御部

Claims (1)

  1. 学習モデルの入力パラメータの実測値を変換して変換データ値を算出するデータ変換部と、
    前記変換データ値が入力されると、前記学習モデルを用いて、出力パラメータの推定値を出力するパラメータ値出力部と、
    前記出力パラメータの推定値に基づいて、内燃機関に関する制御を実行する制御部と、
    を備え、
    前記入力パラメータは、前記内燃機関の機関本体から排出される排気ガスの空燃比に関するパラメータを含み、
    前記制御部は、前記内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒に流入する排気ガスの目標空燃比を理論空燃比よりもリッチにするリッチ制御と前記目標空燃比を理論空燃比よりもリーンにするリーン制御とを実行し、
    前記データ変換部は、前記空燃比に関するパラメータについての変換データ値を、前記空燃比に関するパラメータの実測値が理論空燃比よりもリッチである場合と理論空燃比よりもリーンである場合とで正負の符号が逆になるように算出し、
    前記データ変換部は、前記空燃比に関するパラメータ以外の入力パラメータについての変換データ値を、前記空燃比に関するパラメータ以外の入力パラメータの実測値を正規化することにより算出し、
    前記データ変換部は、前記空燃比に関するパラメータについての変換データ値と前記空燃比に関するパラメータ以外の入力パラメータについての変換データ値との上限値同士及び下限値同士のいずれか一方が等しくなるように、各変換データ値を算出する、内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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