JP4613731B2 - コンデンサ - Google Patents

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本発明は各種電子機器やハイブリッド自動車の回生用、あるいは電力貯蔵用等に使用されるコンデンサに関するものである。
図6はこの種の従来のコンデンサの構成を示した断面図、図7は同コンデンサに設けられた圧力調整弁の構成を示した断面図であり、図6と図7において、20はコンデンサ素子、20aはこのコンデンサ素子20に形成された中空部を示し、このコンデンサ素子20はアルミニウム箔からなる集電体上に分極性電極層を形成した正負一対の電極を互いに逆方向に位置をずらしてその間にセパレータを介在させて巻回する(全て図示せず)ことにより構成され、このコンデンサ素子20の両端面(図6において上下方向)から陽極と陰極を夫々取り出すように構成されたものである。
21は上記コンデンサ素子20を図示しない駆動用電解液と共に収容したアルミニウム製の有底筒状の金属ケース、21aはこの金属ケース21の外底面に一体で設けられた外部接続用の陰極端子、21bはコンデンサ素子20の中空部20a内に嵌まり込むように内底面に一体で設けられた突起であり、この突起21bをコンデンサ素子20の中空部20a内に嵌め込んで金属ケース21内に挿入されたコンデンサ素子20の陰極側の端面を金属ケース21の内底面にレーザー溶接等によって機械的かつ電気的に接合するようにしたものである。
22はアルミニウム製の封口板、22aはこの封口板22の表面側に一体で設けられた外部接続用の陽極端子、22bはコンデンサ素子20の中空部20a内に嵌まり込む突起、22cは電解液注入孔、23は圧力調整弁であり、コンデンサ素子20の陽極側の端面を封口板22の内面にレーザー溶接等の手段によって接合することにより、機械的、電気的に接続すると共に、この封口板22の周縁上で上記金属ケース21の開口部を巻き込むように加工(一般に、カーリング加工と呼ばれる)することによって封止して構成されたものである。
また、上記圧力調整弁23は図7に詳細を示すように、上記電解液注入孔22c上にガス透過性部材24と閉塞体25を配設し、これらを外部と連通する孔26aを有する金属キャップ26で覆うように固定し、閉塞体25を常時閉塞する方向に付勢しているものであり、この金属キャップ26の固定は、予め封口板22に電解液注入孔22cの周囲を囲うようにして設けられた円環状凸部22dをカシメ加工等により変形させて金属キャップ26に押し当てることにより固定したものである。
また、上記圧力調整弁23は、コンデンサの内部圧力が所定の圧力以上になると圧力を外部に逃がすための自己復帰型のものであり、コンデンサ内部で発生したガスを外部へ放出してコンデンサ内部の圧力の上昇を防ぐことができ、また作動後に圧力調整弁23は作動前の状態に復帰してコンデンサ内部の気密性を保持することができるため、コンデンサ内部のガス発生による圧力の上昇においてもコンデンサの外観に異常をきたすことはなく、その特性を維持することができるものである。
また、圧力調整弁23には、駆動用電解液の透過を防ぎ、かつコンデンサ内部で発生したガスを外部へ透過する材料を用いて構成したガス透過性部材24を密着配設することにより、駆動用電解液が閉塞体25に付着して圧力調整弁23の機能を損なうことがなく、かつ圧力調整弁23を介してコンデンサ外部への駆動用電解液の漏れを防ぐことができるものである。
このように構成された従来のコンデンサは、電解液注入孔22cに圧力調整弁23を配置させて固定することにより、駆動用電解液の漏出の可能性のある箇所を低減することができ、より信頼性の高いコンデンサを得ることができるというものであった。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2004−134632号公報
しかしながら上記従来のコンデンサでは、電解液注入孔22cに圧力調整弁23を配置させて固定することにより駆動用電解液の漏出を低減させるようにはしているものの、ガス透過性部材24と封口板22とが接合されていないため、この界面から駆動用電解液が漏出し易いという問題があり、これを解決するためにはガス透過性部材24と封口板22とを接着あるいは溶着等により接合すれば良いが、両者の材料物性等の関係から接合が極めて困難であるという課題があった。
本発明はこのような従来の課題を解決し、駆動用電解液の漏出を無くして優れた信頼性を発揮することができるコンデンサを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、金属箔からなる集電体上に分極性電極層を形成した正負一対の電極をその間にセパレータを介在させて巻回し、正負の電極が互いに逆方向に位置するように構成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を駆動用電解液と共に収容し、かつ、コンデンサ素子の一方の電極を内底面に接合した有底筒状の金属ケースと、上記コンデンサ素子の他方の電極を内面に接合して上記金属ケースの開口部を封止した端子板からなり、この端子板に駆動用電解液注入用の孔を兼ねた圧力調整弁を設けたコンデンサにおいて、上記圧力調整弁が、上記端子板に設けた孔に嵌まり込む係合部を周面に設けた筒状に形成され、かつ、上記係合部の上部が鍔状に形成されると共に内周面上端が外周面の方向に向かって広がるようなテーパ部を設けたゴム製の弁体と、この弁体の孔を塞ぐように弁体のテーパ部分に接合されたガス透過性シートと、上記弁体の係合部の上部に設けた鍔部に底面の一部が当接する鍔状の係合部を下端に設けた蓋形に形成されて上記弁体上に配設されたキャップからなり、このキャップに設けた係合部を上記端子板の孔の上面側周縁に設けた環状の壁部の上端から内周方向に突出するように設けられた係合部に嵌め込むことにより、上記ガス透過性シートが接合された弁体を圧縮状態で保持するように構成したものである。
以上のように本発明によるコンデンサは、ガス透過性シートを筒状の弁体の孔を塞ぐように接合し、この弁体を端子板に設けた孔に装着した構成により、駆動用電解液の漏出をなくして信頼性に優れたコンデンサを実現することができるという効果が得られるものである。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1に記載の発明について説明する。
図1は本発明の実施の形態1によるコンデンサの構成を示した断面図、図2は同コンデンサに使用される端子板の構成を示した上面斜視図、図3(a)、(b)は同コンデンサに使用される圧力調整弁の構成を示した分解断面図と装着後の組み立て断面図である。
図1〜図3において、1はコンデンサ素子、1aはこのコンデンサ素子1に形成された中空部を示し、このコンデンサ素子1はアルミニウム箔からなる集電体上に分極性電極層を形成した正負一対の電極を互いに逆方向に位置をずらしてその間にセパレータを介在させて巻回する(全て図示せず)ことにより構成され、このコンデンサ素子1の両端面(図1において上下方向)から陽極と陰極を夫々取り出すように構成されたものである。
2は上記コンデンサ素子1を図示しない駆動用電解液と共に収容したアルミニウム製の有底筒状の金属ケース、2aはこの金属ケース2の内底面に一体で設けられた突起であり、この突起2aを上記コンデンサ素子1の中空部1a内に嵌め込むと共に、金属ケース2内に挿入されたコンデンサ素子1の陰極側の端面を金属ケース2の内底面にレーザー溶接等の手段によって機械的、かつ電気的に接合することにより、コンデンサ素子1の陰極側の電極を金属ケース2から取り出すようにしたものである。
3はアルミニウム製の端子板、3aはこの端子板3の内面に一体で設けられた突起、3bは同じく内面に設けられた接合部、3cは表面に一体で設けられた外部接続用の陽極端子、3dは電解液注入用の孔であり、上記突起3aをコンデンサ素子1の中空部1a内に嵌め込むと共に、コンデンサ素子1の陽極側の端面を上記接合部3bにレーザー溶接等の手段によって機械的、かつ電気的に接合し、この端子板3の周縁上で上記金属ケース2の開口部をその間に絶縁部材4を介在させて巻き込むように加工(一般に、カーリング加工と呼ばれる)することによって封止して構成したものである。
このように構成された本実施の形態によるコンデンサは、上記端子板3に設けた電解液注入用の孔3dから金属ケース2の内部に所定量の駆動用電解液を注入した後、この電解液注入用の孔3dを利用して圧力調整弁が装着されるように構成したものであり、この具体的な実施の形態を図3を用いて説明する。
図3において、5は端子板、5aはこの端子板5に設けられた電解液注入用の孔、5bはこの孔5aの周縁の上面側に設けた円環状の壁部、5cはこの壁部5bの上端から内周方向に突出するように設けられた係合部である。6はゴム等の弾性を有した材料からなり筒状に形成された弁体、6aは上記端子板5に設けられた孔5aに嵌まり込むように弁体6の周面に設けられた係合部、6bは上記係合部6aの上部に設けられた鍔部、6cはこの弁体6の内周面上端に外周方向に向かって広がるように設けられたテーパ部であり、本実施の形態においては、この弁体6の材料としてイソプレンイソブチレンラバー(以下、IIRという)を用いたものであるが、エチレンプロピレンターポリマー(以下、EPTという)を用いても構わないものである。
7は上記弁体6の孔を塞ぐように弁体6のテーパ部6cに接合されたガス透過性シートであり、このガス透過性シート7はコンデンサの内部で発生したガスは透過させるが、駆動用電解液は透過させない物性のものである。
8は剛体からなる蓋形のキャップ、8aはこのキャップ8の下端周縁に設けられた鍔状の係合部、8bはこのキャップ8の内部と外部を連通するように周面に設けられた孔であり、本実施の形態においてはキャップ8の材料として樹脂を用いたものであるが、金属を用いても構わないものである。
このように構成された本実施の形態による圧力調整弁は、筒状に形成された弁体6の孔を塞ぐように弁体6のテーパ部6cにガス透過性シート7を接着等の手段によって接合し、このガス透過性シート7が接合された弁体6をキャップ8内に挿入し、弁体6に設けた係合部6aを端子板5に設けた孔5aに嵌め込むと共に、キャップ8の係合部8aの底面の一部が弁体6の鍔部6bに圧接するようにすることにより弁体6が圧縮状態で保持されて図3(b)に示すように圧力調整弁が装着されるようになるものである。
このように構成された本実施の形態による圧力調整弁は、ガス透過性シート7が弁体6と接合されているため、コンデンサ内部で発生したガスはガス透過性シート7を透過してキャップ8に設けられた孔8bから外部へ放出されるようになり、また、駆動用電解液はガス透過性シート7を透過しないために弁体6によって漏出が防止される構成となり、優れた信頼性を発揮することができるようになるものである。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明について説明する。
本実施の形態は、上記実施の形態1で説明したコンデンサの圧力調整弁の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために、同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
図4(a)、(b)は本発明の実施の形態2によるコンデンサに使用される圧力調整弁の構成を示した分解断面図と装着後の組み立て断面図、図5(a)〜(e)は同圧力調整弁の組み立て方法を示した平面図と要部断面図であり、図4と図5において、9は剛体からなる蓋形のキャップ、9aはこのキャップ9の下端周縁の2箇所に外周方向に突出するように一対で設けられた係合部、9bはこのキャップ9の内部と外部を連通する孔である。
10はゴム等の弾性を有した材料からなり筒状に形成された弁体、10aは後述する端子板11に設けられた孔11aに嵌まり込むように弁体10の周面に設けられた係合部、10bはこの弁体10の内周面上端に外周方向に向かって広がるように設けられたテーパ部、10cはこのテーパ部10bの下端の内周側に円環状に設けられた壁部であり、本実施の形態においては、この弁体10の材料としてIIRを用いたものであるが、EPTを用いても構わないものである。
7は上記弁体10の孔を塞ぐように弁体10の壁部10cの上面に接合されたガス透過性シートである。
11は端子板、11aはこの端子板11に設けられた電解液注入用の孔、11bはこの孔11aの周縁の上面に設けられた円弧状の一対の係合部であり、この係合部11bは図5(d)にその詳細を示すように、端子板11上にキャップ9を密接して回転させることによりキャップ9に設けた係合部9aがスライドしながら嵌まり込むように構成され、かつ、スライドするに連れて高さ(係合部9aの厚み)方向が薄くなるようにテーパ部11cが設けられると共に、このテーパ部11cの終端には係合部9aが嵌まり込む固定部11dが設けられているものである。
このように構成された本実施の形態による圧力調整弁は、筒状に形成された弁体10の孔を塞ぐように弁体10の壁部10c上にガス透過性シート7を接着等の手段によって接合し、このガス透過性シート7が接合された弁体10を端子板11に設けた孔11aに嵌め込み、この弁体10にキャップ9を被せてキャップ9を端子板11に密着させると共にキャップ9を回転させてキャップ9の係合部9aを端子板11の係合部11bに嵌め込んで係合させることにより弁体10が圧縮状態で保持されて図4(b)に示すように圧力調整弁が装着されるようになるものである。
このように構成された本実施の形態による圧力調整弁は、ガス透過性シート7が弁体10と接合されているため、コンデンサ内部で発生したガスはガス透過性シート7を通過してキャップ9に設けられた孔9bから外部へ放出されるようになり、また、駆動用電解液はガス透過性シート7を透過しないために弁体10によって漏出が防止される構成となり、優れた信頼性を発揮することができるようになるばかりでなく、キャップ9と端子板11の結合を極めて容易に行うことができるようになるという効果が得られるものである。
本発明によるコンデンサは、駆動用電解液の漏出をなくして信頼性に優れるという効果を有し、特に高い信頼性が要求される自動車用等として有用である。
本発明の実施の形態1によるコンデンサの構成を示した断面図 同コンデンサに使用される端子板の構成を示した上面斜視図 (a)同コンデンサに使用される圧力調整弁の構成を示した分解断面図、(b)同装着後の組み立て断面図 (a)本発明の実施の形態2によるコンデンサに使用される圧力調整弁の構成を示した分解断面図、(b)同装着後の組み立て断面図 (a)〜(c)同圧力調整弁の組み立て方法を示した平面図、(d)〜(e)同要部断面図 従来のコンデンサの構成を示した断面図 同コンデンサに設けられた圧力調整弁の構成を示した断面図
符号の説明
1 コンデンサ素子
1a 中空部
2 金属ケース
2a、3a 突起
3、5、11 端子板
3b 接合部
3c 陽極端子
3d、5a、11a 電解液注入用の孔
4 絶縁部材
5b、10c 壁部
5c、6a、8a、9a、10a、11b 係合部
6、10 弁体
6b 鍔部
6c、10b、11c テーパ部
7 ガス透過性シート
8、9 キャップ
8b、9b 孔
11d 固定部

Claims (2)

  1. 金属箔からなる集電体上に分極性電極層を形成した正負一対の電極をその間にセパレータを介在させて巻回し、正負の電極が互いに逆方向に位置するように構成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を駆動用電解液と共に収容し、かつ、コンデンサ素子の一方の電極を内底面に接合した有底筒状の金属ケースと、上記コンデンサ素子の他方の電極を内面に接合して上記金属ケースの開口部を封止した端子板からなり、この端子板に駆動用電解液注入用の孔を兼ねた圧力調整弁を設けたコンデンサにおいて、上記圧力調整弁が、上記端子板に設けた孔に嵌まり込む係合部を周囲に設けた筒状に形成され、かつ、上記係合部の上部が鍔状に形成されると共に内周面上端が外周面の方向に向かって広がるようなテーパ部を設けたゴム製の弁体と、この弁体の孔を塞ぐように弁体のテーパ部分に接合されたガス透過性シートと、上記弁体の係合部の上部に設けた鍔部に底面の一部が当接する鍔状の係合部を下端に設けた蓋形に形成されて上記弁体上に配設されたキャップからなり、このキャップに設けた係合部を上記端子板の孔の上面側周縁に設けた環状の壁部の上端から内周方向に突出するように設けられた係合部に嵌め込むことにより、上記ガス透過性シートが接合された弁体を圧縮状態で保持するように構成されたものであるコンデンサ。
  2. 圧力調整弁が、端子板に設けた孔に嵌まり込む係合部を周囲に設けた筒状に形成され、かつ、内周面上端が外周面の方向に向かって広がるようなテーパ部を設けると共に、このテーパ部の下端の内周側に円環状の壁部を設けたゴム製の弁体と、この弁体の孔を塞ぐように弁体の壁部上面に接合されたガス透過性シートと、下端周縁に外周方向に突出する係合部を2箇所以上設けた蓋形に形成されて上記弁体上に配設されたキャップからなり、このキャップを端子板に密接して回転させることにより上記係合部が嵌まり込むと共に厚み方向から係合部を挟持する係合部を端子板に設けて結合することにより、上記ガス透過性シートが接合された弁体を圧縮状態で保持するように構成されたものである請求項1に記載のコンデンサ。
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