JP4003604B2 - コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種電子機器に使用されるコンデンサの中で、特にコンデンサの電解液を注入する注入孔を有したコンデンサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のコンデンサの構成を図9に示す。同図において、91はコンデンサ素子、92はこのコンデンサ素子91を収納した有底筒状の端子一体型の金属ケース、93はこの端子一体型の金属ケース92の内底面に設けられたコンデンサ素子91の位置決め固定用の突起、94はコンデンサ素子91の端面に接合された端子一体型のフタ部材、95はこの端子一体型のフタ部材94に設けられたコンデンサ素子91の位置決め固定用の突起、96はカーリング加工部分、97は外部接続用の孔を有する平板状の端子、98は上記コンデンサ素子91の中心に配設された中空部分を有する棒状の芯材で、上記端子一体型のフタ部材94には電解液注入孔99と圧力調整弁100が配設されている。
【0003】
上記電解液注入孔99は、フタ部材94に電解液注入孔99が突出するように筒状にしたものを、その部分を挟んで変形させた後、一部を閉塞するようにして、その閉塞部分に対してレーザ溶接することにより密閉する構成としたもの、或いは、電解液注入孔99に封止部材を嵌入し、その封止部材をレーザ溶接にてフタ部材94に溶接して上記電解液注入孔99を密閉することができる。
【0004】
また、コンデンサに電圧を印加した際にはガスが発生するので、電解液注入孔99とは別に圧力調整弁100を設け、この圧力調整弁100よりコンデンサの内部で発生したガスをコンデンサの外部へ放出することができるようにしている。
【0005】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−315632号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のコンデンサでは、金属からなる筒状の電解液注入孔99を挟んでその一部を閉塞して、その閉塞部分をレーザ溶接することから、レーザ溶接された封止部分に溶接欠陥が生じてコンデンサ内部側と外部側を貫通するパスが発生するという場合があり、また、電解液注入孔99の内側面部及び開口端部に電解液が付着している状態でレーザ溶接すると、その付着した電解液が気化するときにレーザ溶接にて溶解した金属を同時に吹き飛ばして、コンデンサ内部側と外部側を貫通するパスが発生する場合があり、この発生した貫通のパスによりコンデンサ内部の駆動用電解液がコンデンサ外部へ漏出するという課題があった。
【0008】
また、フタ部材94は、電解液注入孔99および圧力調整弁100の2箇所に貫通孔を有しているため、駆動用電解液の漏出の可能性のある箇所がフタ部材94においては2箇所も存在するという課題があった。なお、圧力調整弁100の部分の貫通孔においては、漏液防止のために図示しない気体透過性シート状部材をフタ部材94のコンデンサ素子91側に貫通孔を覆うように密着配設しているため、貫通孔からは駆動用電解液を注入することができない。
【0009】
本発明はこのような従来の課題を解決し、作業性を容易にし、電解液注入孔を確実に封止するとともに、信頼性の高いコンデンサを安定して生産することができるコンデンサおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に記載の発明は、平板状の一対の電極をその間にセパレータを介在させ、かつ各々の電極の端面が互いに逆方向に突出するようにして巻回することにより構成された中空状のコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を駆動用電解液と共に収納する外表面に外部接続用の端子を設けた金属ケースと、この金属ケースの開口部を外表面に外部接続用の端子を設けた封口板で封止したコンデンサであって、上記封口板に駆動用電解液を注入する電解液注入孔を設け、上記電解液注入孔にガス透過性シート部材と閉塞体を配設し、このガス透過性シート部材と閉塞体を外部と連通する孔を有する金属キャップで覆うように配設して固定し、上記閉塞体が常時閉塞する方向に付勢される構成の圧力調整弁を備えた構成としたものであり、この構成により、封口板の電解液注入孔に圧力調整弁を配置させることにより、駆動用電解液の漏出の可能性のある箇所を軽減することができ、作業効率を高め、より信頼性の高いコンデンサを得ることができるという作用を有する。
【0011】
なお、電解液注入孔に配設したガス透過性シート部材を接着部材などで封口板に固定することにより、さらに信頼性の高いコンデンサを得ることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、ガス透過性シート部材と閉塞体の間に孔を有する金属板部材を配設した構成としたものであり、この構成により、金属板部材が弾性体でないためにガス透過性シート部材を封口板により密着配設することができるため、封口板とガス透過性シート部材の間を電解液が通過してコンデンサの外部へ電解液が漏出する危険性をより少なくすることができ、かつ金属板部材がガス透過性シート部材より剛性を有するため、圧力調整弁の動作圧のばらつきをより少なくすることができるという作用を有する。
【0013】
請求項3に記載の発明は、平板状の一対の電極をその間にセパレータを介在させ、かつ各々の電極の端面が互いに逆方向に突出するようにして巻回することにより中空状のコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子を外表面に外部接続用の端子を設けた金属ケースに挿入し、この金属ケースの開口部を外表面に外部接続用の端子を設けた封口板で封止するようにしたコンデンサの製造方法であって、上記封口板に設けられた電解液注入孔から駆動用電解液を注入した後、上記電解液注入孔にガス透過性シート部材と閉塞体を配設し、このガス透過性シート部材と閉塞体を外部と連通する孔を有する金属キャップで覆うようにして、上記閉塞体が常時閉塞する方向に付勢された圧力調整弁を固定するようにした製造方法とするものであり、製造工程の削減を図ることができるという作用を有する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、ガス透過性シート部材と閉塞体の間に孔を有する金属板部材を配設するようにした製造方法とするものである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、圧力調整弁の固定を封口板の電解液注入孔の周囲を囲うようにして設けられた円環状凸部を変形させて金属キャップに押し当てるようにした製造方法とするものであり、例えば円環状の凸部をカーリング加工などにより変形させることにより、容易に金属キャップを固定することができるという作用を有する。
【0016】
請求項6に記載の発明は、圧力調整弁の固定を封口板の電解液注入孔の周囲に設けられた十字に相対する凸部を変形させて金属キャップに押し当てるようにした製造方法とするものであり、金属キャップを容易に固定することができ、また、封口板に与える応力を最小限にすることができるので、封口板の信頼性を高めることができるという作用を有する。
【0017】
請求項7に記載の発明は、圧力調整弁の固定を電解液注入孔の周囲を囲うようにして設けられた円環状凸部の内側面の径より大きい外周径を有する金属キャップに応力を加えて上記金属キャップの外周径を一時的に円環状凸部の内側面の径より小さくし、上記円環状凸部の内側面に上記金属キャップの外周部分を挿入し、上記金属キャップに加えた応力を緩和することにより上記金属キャップを固定するようにした製造方法とするものであり、金属キャップに応力を加えて上記円環状凸部の内側面に金属キャップの外周部分を挿入することにより、この金属キャップのスプリングバックにより円環状凸部の内側面に固定することができ、作業効率を向上させることができるという作用を有する。
【0018】
請求項8に記載の発明は、金属キャップの外周に欠損部分を設けるようにした製造方法とするものであり、金属キャップに加える応力を小さくすることができるので、円環状凸部の内側面に容易に固定することができるという作用を有する。
【0019】
請求項9に記載の発明は、圧力調整弁の固定を金属キャップの外周をレーザー溶接もしくはアーク溶接により封口板に溶接するようにした製造方法とするものであり、金属キャップを封口板に確実に固定することができるという作用を有する。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1によるコンデンサの構成を示した断面図、図2(a)は同要部であるコンデンサ素子の展開斜視図、図2(b)は同斜視図である。図1において、11はコンデンサ素子、12aはこのコンデンサ素子11を収納した有底筒状の端子一体型の金属ケース、12bはこの端子一体型の金属ケース12aの内底面に設けられたコンデンサ素子11の位置決め固定用のテーパを有する円柱状の突起、13aはコンデンサ素子11の端面に接合された端子一体型の封口板、13bはこの端子一体型の封口板13aに設けられたコンデンサ素子11の位置決め固定用のテーパを有する円柱状の突起、14はカーリング加工部分、15aは金属ケース12aに一体に設けられた外部接続用の孔を有する平板状の端子、15bは封口板13aに設けられた外部接続用のスリット入りの平板状の端子、16は上記コンデンサ素子11の中心に配設された中空部分を有する棒状の芯材、17は上記端子一体型の封口板13aに設けた電解液注入孔、18は圧力調整弁である。
【0021】
図2(a)において21は一対の電極であり、この一対の電極21は集電体の露出部分22a,22bが互いに逆方向に突出するようにして、活性炭と結着剤と導電性の混合物からなる分極性電極層23a,23bを形成して構成され、このように構成された一対の電極21間にセパレータ24を介在させた状態で巻回することにより、同図(b)に示すようなコンデンサ素子11が構成されている。
【0022】
また、図3に封口板13aの電解液注入孔17に設けられた圧力調整弁18の断面図を示す。同図において、封口板13aにコンデンサ内部と連通する電解液注入孔17を設け、この電解液注入孔17を覆うようにガス透過性シート部材31と閉塞体32を配設し、このガス透過性シート部材31と閉塞体32を外部と連通する孔34を有する金属キャップ33で覆うようにして固定したもので、上記閉塞体32は常時閉塞する方向に付勢されるような構成を有している。
【0023】
上記金属キャップ33の固定は、予め封口板13aに電解液注入孔17の周囲を囲うようにして設けられた円環状凸部35をカーリング加工などにより変形させて金属キャップ33に押し当てることにより、容易に金属キャップ33を固定することができる。
【0024】
以上のように構成された本実施の形態のコンデンサは、電解液注入孔17に圧力調整弁18を配置させ固定することにより、駆動用電解液の漏出の可能性のある箇所を軽減することができ、より信頼性の高いコンデンサを得ることができる。
【0025】
上記圧力調整弁18はコンデンサの内部圧力が所定以上の圧力になると圧力を外部に逃がすための自己復帰型のものである。すなわち、コンデンサ内部で発生したガスを外部へ放出してコンデンサ内部の圧力の上昇を防ぐことができ、また作動後に圧力調整弁18は作動前の状態に復帰してコンデンサ内部の気密性を保持することができるため、コンデンサ内部のガス発生による圧力の上昇においてもコンデンサの外観に異常をきたすことはなく、その特性を維持することができる。
【0026】
また、圧力調整弁18には、駆動用電解液の透過を防ぎ、かつコンデンサ内部で発生したガスを外部へ透過する材料を用いて構成したガス透過性シート部材31を密着配設することにより、駆動用電解液が閉塞体32に付着して圧力調整弁18の機能を損なうことがなく、かつ圧力調整弁18を介してコンデンサ外部への駆動用電解液の漏れを防ぐことができる。
【0027】
上記圧力調整弁18は図4(a),(b),(c)に示す封口板13aに配設される。同図(a)は外観斜視図で、同図のA−A断面を同図(b)に、B−B断面図を同図(c)に示す。隆起状の凹凸部分41をコンデンサ素子11の電極21の端面に押し当てて配設することにより電極21の端面が部分的にスウェッジ加工され、封口板13aとコンデンサ素子11の電極21が接合される。
【0028】
また、この場合、電極21の端面に隆起状の凹凸部分41を押し当てる際、完全に押し当てずに封口板13aの凹凸部分のない平面部分がコンデンサ素子11の端面に接触しないよう、封口板13aにコンデンサ素子11の芯材と接触する突起13bを設け、封口板13aの凹凸部分のない平面部分とコンデンサ素子11の端面との間に隙間を設けることにより、駆動用電解液がコンデンサ素子11へ浸入する際の一つの浸入経路となるものである。
【0029】
なお、上記スウェッジ加工された箇所に封口板13a側からコンデンサ素子11の電極21の端面方向にレーザ光を照射して封口板13aとコンデンサ素子11の端面を接合することにより、確実な接合が可能となる。
【0030】
また、金属ケース12aおよび封口板13aに設けられたテーパを有する円柱状の突起12b,13bは、これに対応する中空部分を有する芯材16の中空部分に挿入してコンデンサ素子11を固定することができるので、外部より振動が加えられた際においてもコンデンサ素子11の端面と端子一体型の封口板13aおよび端子一体型の金属ケース12aとの接合部分に対してのストレスが軽減できるものである。
【0031】
また、コンデンサ素子11の中心部に、コンデンサ素子11の位置決めおよび/または固定を行うための棒状の芯材16を配設した構成とすることにより、例えばコンデンサ素子11の巻回時にこの芯材16を巻芯とすることによって芯材16のない場合と比較して固く巻くことができるために巻きずれの軽減ができ、かつ電極間の距離を短くすることができるためにコンデンサの内部抵抗を減少させることができ、かつコンデンサに対して外部より振動が加えられた際にコンデンサ素子11の端面と電極部との接合部分に対してのストレスが軽減できるために製品の耐振性を向上させることができる。
【0032】
さらにまた、上記芯材16は、金属および/または絶縁性の高分子からなるものとし、例えば芯材16が金属と絶縁性の高分子の複合材料からなる場合、コンデンサ素子11の端面に接続した2つの電極部が芯材16を介してショートすることがなく、かつ金属部を設けているためにコンデンサ使用時に内部発熱が生じた場合においても外部への放熱性を向上させることができ、さらにこの場合、金属部分が多いほど外部への放熱性を向上させることができるものである。
【0033】
また、端子一体型の封口板13aと端子一体型の金属ケース12aのカーリング加工部分14をアルマイトなどの絶縁処理とすることにより、カーリング加工後も端子一体型の封口板13aと端子一体型の金属ケース12aの絶縁を可能とすることができるものである。
【0034】
なお、上記絶縁処理のコーティング部分の前処理として、脱脂処理または粗面化処理または酸化皮膜形成処理の少なくとも一つを行うことにより、カーリング加工の際においても、封口板13aと金属ケース12aの絶縁部材のコーティング部分の剥がれが軽減できるため、封口板13aと金属ケース12aの間の絶縁性がより確保できるものである。
【0035】
図5は上記カーリング加工部分14を示したものであり、同図に示すように、カーリング加工部分14の最大外周部が金属ケース12aの外周径より大きくならないようにするため、カーリング加工前に金属ケース12aの開口部の開口径を小さくするようなネッキング加工を施すとよい。また、上記アルマイトなどの絶縁処理の代わりにゴムシートやシリコーンゴムシートなどの絶縁部材52で代用してもよい。
【0036】
このようにして構成されたコンデンサは、分極性電極層23a,23bの界面で形成される電気二重層を利用した電気二重層コンデンサとして使用できるものであり、電気二重層コンデンサの内部抵抗の減少により大電流で充電もしくは放電しても充放電における電圧の急激なダウン部分あるいはアップ部分の電圧範囲を小さくすることができるためにコンデンサのより大電流での充放電ができるものである。
【0037】
(実施の形態2)
上記実施の形態1において、圧力調整弁を図6に示すような構成にした以外は上記実施の形態1と同様にしてコンデンサを作製した。
【0038】
図6は実施の形態2による圧力調整弁の構成を示す断面図である。同図において封口板13aに設けられたコンデンサ内部と連通する電解液注入孔17に、この電解液注入孔17を覆うようにガス透過性シート部材61と、図示しない孔を有する金属板部材62および閉塞体63を順に配設し、このガス透過性シート部材61と金属板部材62および閉塞体63を外部と連通する孔65を有する金属キャップ64で覆うようにして固定したものである。
【0039】
このような構成により、金属板部材62が弾性体でないためにガス透過性シート部材61を封口板13aに密着配設することができるため、封口板13aとガス透過性シート部材61の間を駆動用電解液が通過してコンデンサの外部へ駆動用電解液が漏出する危険性をより少なくすることができる。また、金属板部材62がガス透過性シート部材61より剛性を有するため、圧力調整弁の動作圧のばらつきをより少なくすることができる。
【0040】
(実施の形態3)
上記実施の形態1において、圧力調整弁18の固定を次に示す方法により固定した以外は上記実施の形態1と同様にしてコンデンサを作製した。
【0041】
上記圧力調整弁18の固定は、まず、封口板13aの電解液注入孔17の周囲を囲うようにして設けられた円環状凸部35の先端部分をカーリング加工などによりL状に折り曲げる。次に、内側面の径より大きい外周径を有する金属キャップ33に応力を加えて上記金属キャップ33の外周径を一時的に円環状凸部35の内側面の径より小さくし、上記円環状凸部35の内側面に上記金属キャップ33の外周部分を挿入し、上記金属キャップ33に加えた応力を緩和することにより上記金属キャップ33を固定するようにした。
【0042】
このような方法により、上記金属キャップ33のスプリングバックにより円環状凸部35の内側面に容易に固定することができ、作業効率を向上させることができる。
【0043】
なお、上記金属キャップ33の鍔部分に欠損部分を設けることにより、上記金属キャップ33に応力を容易に加えることができるので、円環状凸部35の内側面に容易に固定することができる。
【0044】
(実施の形態4)
上記実施の形態1において、圧力調整弁18の固定を図7に示すような構成にした以外は上記実施の形態1と同様にしてコンデンサを作製した。
【0045】
図7は実施の形態4による圧力調整弁18の固定の方法を説明するための上面図である。同図において71は金属キャップで、予め封口板13a(図示せず)に電解液注入孔17(図示せず)の周囲に十字に相対する凸部73を設け、その凸部73の先端部分に金型を押し当てて変形させ、金属キャップ71を固定したものである。
【0046】
このような方法により、金属キャップ71を容易に固定することができる。また、上記凸部73は封口板13aに一体的に設けているので、封口板13aが受ける応力を最小限にすることができる。
【0047】
(実施の形態5)
上記実施の形態1において、圧力調整弁18の固定を図8に示すような構成にした以外は上記実施の形態1と同様にしてコンデンサを作製した。
【0048】
図8は金属キャップ83の鍔部分をレーザ溶接により固定したときの断面図である。同図において封口板13aにコンデンサ内部と連通する電解液注入孔17を設け、この電解液注入孔17を覆うようにガス透過性シート部材81と閉塞体82を配設し、このガス透過性シート部材81と閉塞体82を外部と連通する孔84を有する金属キャップ83で覆うようにして、この金属キャップ83の鍔部分をレーザ溶接によりレーザ溶接部分85を形成して固定するようにしたものである。
【0049】
このような方法により、封口板13aに円環状凸部を形成しないので、封口板13aに応力が加わることがなく、容易に金属キャップ83を固定することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明のコンデンサは、平板状の一対の電極をその間にセパレータを介在させ、かつ各々の電極の端面が互いに逆方向に突出するようにして巻回することにより構成された中空状のコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を駆動用電解液と共に収納する外表面に外部接続用の端子を設けた金属ケースと、この金属ケースの開口部を外表面に外部接続用の端子を設けた封口板で封止したコンデンサであって、上記封口板に駆動用電解液を注入する電解液注入孔を設け、上記電解液注入孔にガス透過性シート部材と閉塞体を配設し、このガス透過性シート部材と閉塞体を外部と連通する孔を有する金属キャップで覆うように配設して固定し、上記閉塞体が常時閉塞する方向に付勢される構成の圧力調整弁を備えた構成とすることにより、封口板の電解液注入孔に圧力調整弁を配置させることにより、駆動用電解液の漏出の可能性のある箇所を軽減することができ、作業効率を高め、より信頼性の高いコンデンサを得ることができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるコンデンサの構成を示す断面図
【図2】(a)同コンデンサ素子の構成を示す展開斜視図
(b)同斜視図
【図3】同圧力調整弁の構成を示す断面図
【図4】(a)同封口板の構成を示す斜視図
(b)同A−A断面を示す断面図
(c)同B−B断面を示す断面図
【図5】同カーリング部分の要部断面図
【図6】本発明の実施の形態2による圧力調整弁の構成を示す断面図
【図7】本発明の実施の形態4による圧力調整弁の固定方法を示す上面図
【図8】本発明の実施の形態5による圧力調整弁の構成を示す断面図
【図9】従来のコンデンサの構成を示す断面図
【符号の説明】
11 コンデンサ素子
12a 金属ケース
12b 突起
13a 封口板
13b 突起
14 カーリング加工部分
15a,15b 平板状の端子
16 芯材
17 電解液注入孔
18 圧力調整弁

Claims (9)

  1. 平板状の一対の電極をその間にセパレータを介在させ、かつ各々の電極の端面が互いに逆方向に突出するようにして巻回することにより構成された中空状のコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を駆動用電解液と共に収納する外表面に外部接続用の端子を設けた金属ケースと、この金属ケースの開口部を外表面に外部接続用の端子を設けた封口板で封止したコンデンサであって、上記封口板に駆動用電解液を注入する電解液注入孔を設け、上記電解液注入孔にガス透過性シート部材と閉塞体を配設し、このガス透過性シート部材と閉塞体を外部と連通する孔を有する金属キャップで覆うように配設して固定し、上記閉塞体が常時閉塞する方向に付勢される構成の圧力調整弁を備えたコンデンサ。
  2. ガス透過性シート部材と閉塞体の間に孔を有する金属板部材を配設した請求項1に記載のコンデンサ。
  3. 平板状の一対の電極をその間にセパレータを介在させ、かつ各々の電極の端面が互いに逆方向に突出するようにして巻回することにより中空状のコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子を外表面に外部接続用の端子を設けた金属ケースに挿入し、この金属ケースの開口部を外表面に外部接続用の端子を設けた封口板で封止するようにしたコンデンサの製造方法であって、上記封口板に設けられた電解液注入孔から駆動用電解液を注入した後、上記電解液注入孔にガス透過性シート部材と閉塞体を配設し、このガス透過性シート部材と閉塞体を外部と連通する孔を有する金属キャップで覆うようにして、上記閉塞体が常時閉塞する方向に付勢された圧力調整弁を固定するようにしたコンデンサの製造方法。
  4. ガス透過性シート部材と閉塞体の間に孔を有する金属板部材を配設するようにした請求項3に記載のコンデンサの製造方法。
  5. 圧力調整弁の固定を封口板の電解液注入孔の周囲を囲うようにして設けられた円環状凸部を変形させて金属キャップに押し当てるようにした請求項3に記載のコンデンサの製造方法。
  6. 圧力調整弁の固定を封口板の電解液注入孔の周囲に設けられた十字に相対する凸部を変形させて金属キャップに押し当てるようにした請求項3に記載のコンデンサの製造方法。
  7. 圧力調整弁の固定を電解液注入孔の周囲を囲うようにして設けられた円環状凸部の内側面の径より大きい外周径を有する金属キャップに応力を加えて上記金属キャップの外周径を一時的に円環状凸部の内側面の径より小さくし、上記円環状凸部の内側面に上記金属キャップの外周部分を挿入し、上記金属キャップに加えた応力を緩和することにより、上記金属キャップを固定するようにした請求項3に記載のコンデンサの製造方法。
  8. 金属キャップの外周に欠損部分を設けるようにした請求項7に記載のコンデンサの製造方法。
  9. 圧力調整弁の固定を金属キャップの外周をレーザー溶接もしくはアーク溶接により封口板に溶接するようにした請求項3に記載のコンデンサの製造方法。
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