JP4612937B2 - オーガ回転駆動装置用変速装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築や土木などの基礎工事に用いられるオーガに装着するものであって、オーガの回転出力から作業状況に合ったトルクの回転を得ることが可能なオーガ回転駆動装置用変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築や土木などの基礎工事には、ベースマシーンである杭打機に装着したオーガによりスクリューやケーシング、杭自体を回転させて地盤を掘削し、杭体を地中に構築するさまざまな工法がある。
【0003】
一般的にオーガは、電動オーガの場合は電動モータ、油圧オーガの場合は油圧モータを出力源とし、減速機を介して最終の回転軸に回転出力を伝達する構造となっている。そして、その回転軸に対してスクリューやケーシング、杭自体が同軸に連結され、オーガの回転出力によって回転が与えられる。
例えば、スクリューにより地盤を掘削しながら排土を行う工法に使用するオーガには、スクリューによる排土効果を上げるために回転数の比較的高い機種を選択することが多い。しかし、スクリューによる掘削は、比較的柔らかい上層から堅い地盤の支持層にまで行われるが、柔らかい上層の途中にも岩盤などの堅い部分が存在すると、回転数の高いオーガだけではトルク不足により最後まで掘削することができなかった。
【0004】
そこで、従来から、高速・低トルクのオーガの他に堅い地盤に対応できる低速・高トルクのオーガの2台が用意され、柔らかい地盤では高回転を出力する軟質地盤用オーガが、また岩盤や支持層などの堅い地盤では回転数は落ちるが高トルクを出力する硬質地盤用オーガが使用されていた。
従って、例えば実際の作業では、堅い地盤が存在する場合には、先ず硬質地盤用オーガにより全長にわたり先行掘りを行い、地盤をもみほぐしたり、砂などに置換した後に軟質地盤用オーガで施工が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした2台のオーガを使用することは、切り換えによる作業効率の低下とともに、設備費用にかかる負担、特に堅い地盤で掘削する頻度が少ない場合には硬質地盤用オーガを保有する経済的負担が大きかった。
また、こうした2種類のオーガは、軟質地盤用オーガが小型で軽い減速機によって構成される一方、硬質地盤用オーガは、歯車やベアリングなどの強度を大きくする必要があるため減速機が大きく重くなって全体的に重く大きなものとなってしまう傾向がある。そのため、硬質地盤用オーガをリーダに装着するには、全体のバランスを考慮した十分な大きさの杭打機が必要になり、その点でもコストをアップさせる要因となった。
【0006】
ところで、このような問題に対しては、トルクが異なる2台のオーガを用意することなく、上述した一連の作業を1台で可能にした低トルクと高トルクを両立したオーガが存在する。これは、2軸同軸型オーガと呼ばれるものであり、同軸上に中軸と外軸とが設けられ、一般的には中軸が低トルク用、そして外軸が高トルク用になるように減速機が設けられ、互いに逆回転して回転を出力するように構成されたものである。
そこで、2軸同軸型オーガでは、外軸にケーシング、中軸にスクリューを装着して掘削するか、外軸にスクリューを装着して全長にわたって先行掘りした後に中軸で掘削が行われる。
【0007】
しかし、こうした2軸同軸型オーガは、高トルクを出力するための外軸に対応する減速機が大きくなるので、オーガの全長が増えた分連結するスクリューの長さが短くなってしまう。また、2軸同軸型オーガ自身の重量が重くなるため、先に説明した硬質地盤用オーガよりもリーダに装着した際のバランスが悪く、安定させるために更に大型の杭打機が必要であった。従って、こうした2軸同軸型オーガも有効なものではなかった。
一方、これまでは地盤が堅い場合について説明したが、より柔らかい地盤では、軟質地盤用オーガの回転数を更に上げることが有効で、軟質地盤の原土に液状あるいは粉状のセメントを混合し、攪拌し、地盤強度を上げるための地盤改良工法でも、均一な混合を重視するため高回転数のオーガが要求される。しかし、この場合にも2台のオーガを所有する設備費用にかかる負担、特により柔らかい地盤で掘削する頻度が少ない場合には軟質地盤用オーガを保有する経済的負担が大きかった。
【0008】
そこで本発明は、かかる課題を解決すべく、1台のオーガで異なる堅さの地盤に対応できるように、当該オーガの回転出力から作業状況に合った回転数(トルク)の回転を得るためのオーガ回転駆動装置用変速装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1のオーガ回転駆動装置用変速装置は、回転を出力するオーガの回転軸に連結する入力軸と、被回転体に連結する出力軸と、オーガから受けた回転を入力軸から出力軸へ回転数を変換して伝達する歯車式変速機構とを有し、前記オーガとは着脱可能な別体のものであり、前記オーガと共に昇降し、且つ回転反力を受けるように杭打機のリーダへ装着させるものであることを特徴とする。
また、請求項2のオーガ回転駆動装置用変速装置は、請求項に係る前記入力軸と出力軸との関係を、歯車式変速機構の切り換えによって直結状態と歯車減速状態とにする切換手段を有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3のオーガ回転駆動装置用変速装置は、請求項1に係る歯車式変速機構が、太陽歯車と、太陽歯車に噛合してその周りのリングギヤ内にて公転する遊星歯車とを備え、当該歯車を介して入力軸から出力軸へ回転数を変換して伝達する遊星歯車式であることを特徴とする。
また、請求項4のオーガ回転駆動装置用変速装置は、請求項1に係る歯車式変速機構が、前記入力軸に連結された中心歯車と、その中心歯車の周りに軸支され、当該中心歯車に噛合した複数の中間歯車と、その複数の中間歯車に外側において回転可能に噛合し、前記出力軸に連結されたリングギヤとを有し、入力軸から出力軸へ回転数を変換して伝達するものであることを特徴とする。
また、請求項5のオーガ回転駆動装置用変速装置は、請求項1に係る歯車式変速機構が、噛合させた径の異なる駆動歯車と被動歯車とを複数段設け、当該歯車を介して入力軸から出力軸へ回転数を変換して伝達する平歯車式変速機構であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6のオーガ回転駆動装置用変速装置は、請求項3に係る遊星歯車式変速機構が、太陽歯車に対する遊星歯車の公転を制限して入力軸から出力軸へ回転を直接伝達する切換手段を有することを特徴とする。
また、請求項7のオーガ回転駆動装置用変速装置は、請求項3に係る遊星歯車式変速機構が、太陽歯車と遊星歯車との噛み合いを外すとともに入力軸側のスプライン軸と出力軸側のボス部との噛み合いによって、入力軸から出力軸への回転を直接伝達する切換手段を有することを特徴とする。
また、請求項8のオーガ回転駆動装置用変速装置は、請求項5に係る平歯車式変速機構が、入力軸と出力軸とに切換歯車を備え、当該切換歯車への噛み合いを切り換えることによって、入力軸から出力軸への回転を直接伝達する切換手段を有することを特徴とする。
【0012】
よって、こうした本発明のオーガ回転駆動装置用変速装置によれば、所定の回転を出力するオーガの当該回転出力を回転数を変換して被回転体に伝達することができるため、オーガの回転出力から作業状況に合った回転数(トルク)を得ることができ、1台のオーガで異なる堅さの地盤に対応できるようになった。従って、例えば高速・低トルクのオーガに回転を減速させ高トルクを発生させるオーガ回転駆動装置用変速装置を使用すれば、従来は堅い地盤用に用意しておく必要のあった低速・高トルクのオーガが不要になる。そして、その逆に更に回転数を上げることも可能である。
また、切換手段を設けることにより、作業中におけるオーガ回転駆動装置用変速装置の取り外しがなくなり、作業効率の向上が図られる。
更に、オーガ回転駆動装置用変速装置を杭打機のリーダに装着するようにすれば、回転反力をリーダで受けられるようになるので、オーガとの連結部分の剛性が低くてもよくなり、そうした面でのコスト削減になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るオーガ回転駆動装置用変速装置の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態のオーガ回転駆動装置用変速装置は、三点支持式杭打機に装着されたオーガの補助装置として使用されるものである。そこで、図1にオーガとそれに接続したオーガ回転駆動装置用変速装置を装着した三点支持式杭打機を示す。
この三点支持式杭打機(以下、単に「杭打機」という)1は、クローラによる走行部2上に操縦席などを備えた旋回体3が設けられ、その旋回体3のフロントブラケット4にリーダ5がバックステー6によって支えられるようにして立設されている。そして作業を行うためのオーガ25が、このリーダ5に固定された平行な2本のガイドパイプ7に係合し、軸方向に沿って摺動するように装着されている。
【0014】
旋回体3の後部には不図示の巻上げドラムが設けられ、その巻き上げドラムに巻回されたワイヤロープ11が、立設したガントリ12を介してガントリ滑車13と中間滑車14とに数条掛けされている。一方、バックステー6をリーダ5に連結させるためのブラケット15には、ペンダントロープ16を介して中間滑車14が連結されている。リーダ5は、こうしたペンダントロープ16を介したワイヤロープ11の巻上げによって起こされて垂直な角度が調整され、そうした起立状態でバックステー6によって支持されるよう構成されている。そして、リーダ5がバックステー6に支持された状態では、図示するようにしてワイヤロープ11が弛むように巻き出されている。
【0015】
また、旋回体3に設けられた不図示のドラムには、滑車21を経て繰り出されるワイヤロープ22が巻回されており、そのワイヤロープ22が、リーダ5の上端に設けられたトップシーブブロック23の滑車を介して反対側に送られ、オーガ25上端の滑車25aに掛けられている。そして、そのワイヤロープ22のエンドがトップシーブブロック23に止着され、オーガ25がこのワイヤロープ22によって吊設されている。従って、杭打機1では、このワイロープ22の巻出し・巻戻しによってオーガ25の昇降が操作できるように構成されている。
【0016】
そして本実施形態では、オーガ25と同様にしてリーダ5のガイドパイプ7にオーガ回転駆動装置用変速装置26が摺動自在に装着され、オーガ25の回転軸25aがオーガ回転駆動装置用変速装置26を介して先端に不図示の螺旋刃を備えたスクリュー27に接続されている。オーガ回転駆動装置用変速装置26は、オーガ25に一体的に固定せず、吊すだけにしてリーダ5に装着するようにしているが、これは回転を減速する際に作用するモーメント(回転反力)をリーダ5で受けるようにしたからである。従って、剛性を持たせてオーガ25に一体的に固定すれば、必ずしもオーガ回転駆動装置用変速装置26をリーダ5に装着するようにしなくてもよい。
【0017】
続いて、図1で示したオーガ回転駆動装置用変速装置26の実施形態について種々の具体例を上げて以下に説明する。
先ず、図2は、オーガ回転駆動装置用変速装置の第1実施形態を示した組立図である。このオーガ回転駆動装置用変速装置30は、ケース31に吊設板28が固定され、その先端がブラケット25bに軸着されてオーガ25に吊設されている。また、ケース31には不図示のガイドギブが設けられ、図1に示すオーガ回転駆動装置用変速装置26のようにリーダ5のガイドパイプ7に係合している。そして、こうしたケース31内には遊星式減速機構が内蔵され、回転数を落として高トルクを発生させるよう構成されている。
【0018】
オーガ回転駆動装置用変速装置30は、オーガ25の回転軸25aに接続するカップリング32に入力軸33が固定され、その入力軸33に太陽歯車34が固定されている。そして、複数の遊星歯車35,35…が、その太陽歯車34とリングギヤ36との間に配置されて噛み合い、その中心を貫いて回転可能に支持するキャリア37によって各遊星歯車35,35…が連結されている。更に、キャリア37には出力軸38が入力軸33と同軸に固定され、その出力軸38がスクリュー27上端のカップリング27aに接続される。
【0019】
そこで、こうしたオーガ回転駆動装置用変速装置30を用いることによって、従来2台使用していた施工工事を1台のオーガで行うことが可能になった。
オーガ回転駆動装置用変速装置30を接続したオーガ25は、前述した軟質地盤用オーガ25(以下、単に「オーガ」とする)であり、柔らかい上層部分の掘削を行うために高速・低トルクの回転を出力するものである。従って、比較的柔らかい地盤では基本的にこのオーガ25を使用してスクリュー27を高速回転させて掘削を行い、支持層や岩盤など一部堅い地盤が存在する場合にオーガ回転駆動装置用変速装置30を使用することとなる。
【0020】
従って、柔らかい地層では、図示しないがオーガ25の回転軸25aを直接スクリュー27のカップリング27aに接続し、その回転出力をダイレクトにスクリュー27へと伝達する。そのため、スクリュー27は高速で回転し、効率の良い掘削が行われる。
一方、岩盤などの堅い地盤が存在する場合には、オーガ25ではその地盤を突き崩すだけの十分なトルクが得られないため、オーガ回転駆動装置用変速装置30が装着され先行掘りが行われる。なお、こうした堅い層は、ボーリング調査によって予め確認されているため、その存在によってオーガ回転駆動装置用変速装置30のオーガ25への着脱が決定される。
【0021】
そこで、堅い地盤が存在する場合には、図1に示すオーガ回転駆動装置用変速装置26のようにオーガ回転駆動装置用変速装置30がリーダ25に装着される。そして、オーガ回転駆動装置用変速装置30のカップリング32がオーガ25の回転軸25aに接続され、更に出力軸38がスクリュー27のカップリング27aへと接続される。
これによりオーガ25の回転出力は、回転軸25aからカップリング32を介して入力軸33に伝達され、それによって太陽歯車34が回転する。太陽歯車34の回転は、その周りの遊星歯車35,35…をリングギヤ36との間で公転させ、その遊星歯車35,35…の公転に従いキャリア37が回転することとなる。そのため、キャリア37に固定された出力軸38からは、太陽歯車34を公転する遊星歯車35,35…によって回転数を落とした回転が得られる。
【0022】
こうしてオーガ25の回転出力は、オーガ回転駆動装置用変速装置30によって回転数を落とした分トルクを増幅し、低速・高トルクの回転となって出力軸38に接続したスクリュー27へと伝達される。
従って、従来は堅い地盤で使用することができなかったオーガ25でも、オーガ回転駆動装置用変速装置30を接続することによって十分なトルクが得られ、スクリュー27を回転させることができるようになった。そのため、堅い地盤が存在する場合には、このオーガ回転駆動装置用変速装置30を接続した状態で先掘りを行い、その後再びオーガ回転駆動装置用変速装置30を取り外して高速回転による掘削を行えばよい。
【0023】
よって、本実施形態のオーガ回転駆動装置用変速装置30によれば、従来は地盤の堅さの違いによって少なくとも2台のオーガが必要であったが、高速・低トルクのオーガを用意するだけで、そのオーガから低速・高トルクの回転出力を得ることができるので、1台のオーガで施工工事を行うことができるようになった。そのため、2台のオーガを所有するのに比べて格段にコストの削減をすることができた。特に、堅い地盤を掘削する作業頻度が低い場合にその効果は大きい。
また、従来の低速・高トルク用オーガのように装置自体が大型にならないので、全体のバランスをとるために杭打機1を大型にする必要がない点でもコストを抑えることができた。
【0024】
次に、オーガ回転駆動装置用変速装置の第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態のオーガ回転駆動装置用変速装置を示した組立図である。これも回転数を落として高トルクを発生させるオーガ回転駆動装置用変速装置である。本実施形態のオーガ回転駆動装置用変速装置40は、平歯車減速機構をケース41に内蔵したものであり、そのケース41が第1実施形態のものと同様にしてオーガ25に吊設され、リーダ5のガイドパイプ7に摺動自在に装着される。
【0025】
オーガ回転駆動装置用変速装置40は、オーガ25の回転軸25aに接続するカップリング42に入力軸43が固定され、その入力軸43に駆動歯車44が固定されている。そして、駆動歯車44にはこれより大径の被動歯車45が噛み合い、その被動歯車45との同一軸に小径の駆動歯車46が固定され、更にその駆動歯車46に大径の被動歯車47が噛み合っている。オーガ回転駆動装置用変速装置40はこうした2段の変速機構を備え、被動歯車47には入力軸43と同軸上に出力軸48が固定されている。
そして、出力軸48はスクリュー27上端のカップリング27aに接続され、このオーガ回転駆動装置用変速装置40を介してオーガ25の回転出力がスクリュー27に伝えられるようにして取り付けられる。
【0026】
そこで、こうしたオーガ回転駆動装置用変速装置40を用いることによって、やはり従来2台使用していた施工工事を1台のオーガで行うことが可能になった。
即ち、根入れを行う堅い地盤の支持層や、上層でも岩盤などの一部堅い層部分でこのオーガ回転駆動装置用変速装置40を使用すれば、高速・低トルクのオーガでも十分なトルクが得られるようになる。
そこで、岩盤などの堅い地盤が存在する場合には、リーダ5にオーガ回転駆動装置用変速装置40が装着され、そのカップリング42がオーガ25の回転軸25aに、そして出力軸48がスクリュー27のカップリング27aへと接続され、次のようにしてオーガ25の回転が高トルク回転に変換される。
【0027】
オーガ25の回転出力は、回転軸25aからカップリング42を介して入力軸43に伝達され、それによって駆動歯車44が回転する。そして、その駆動歯車44の回転が被動歯車45へ伝達され、同一軸に設けられた駆動歯車46が回転し、更にその駆動歯車46に噛み合った被動歯車47に回転が伝達される。従って、オーガ25の回転出力は、駆動歯車44と被動歯車45との減速比、更に駆動歯車46と被動歯車47との減速比により、2段階の速度変化によって回転数を低くして伝えられる。
【0028】
こうしてオーガ25の回転出力は、オーガ回転駆動装置用変速装置40によって回転数を落とした分トルクを増幅し、低速・高トルクの回転が出力軸48に接続したスクリュー27に伝達される。
従って、従来は堅い地盤に使用することができなかったオーガ25でも、オーガ回転駆動装置用変速装置40を接続することによって十分なトルクが得られ、スクリュー27を回転させることができるようになった。そのため、堅い地盤が存在する場合には、このオーガ回転駆動装置用変速装置50を接続した状態で先掘りを行い、その後再びオーガ回転駆動装置用変速装置40を取り外して高速回転による掘削を行えばよい。
【0029】
よって、本実施形態のオーガ回転駆動装置用変速装置40によれば、従来は地盤の堅さの違いによって少なくとも2台のオーガが必要であったが、高速・低トルクのオーガを用意するだけで、そのオーガから低速・高トルクの回転出力を得ることができるので、1台のオーガで施工工事を行うことができるようになった。そのため、2台のオーガを所有するのに比べて格段にコストを削減することができた。特に、堅い地盤を掘削する作業頻度が低い場合にその効果は大きい。
また、従来の低速・高トルク用オーガのようにそれ自体が大型にならないので、全体のバランスをとるために杭打機1を大型にする必要がない点でもコストを抑えることができた。
【0030】
次に、オーガ回転駆動装置用変速装置の第3実施形態について説明する。図4は、オーガ回転駆動装置用変速装置の第3実施形態を示した組立図である。これも回転数を落として高トルクを発生させるオーガ回転駆動装置用変速装置である。本実施形態のオーガ回転駆動装置用変速装置50は、カップリング52に入力軸53を介して中心歯車54が固定され、ケース51に対して軸支された複数の中間歯車55,55…が、その中心歯車54と、リングギヤ56とに噛み合っている。そのリングギヤ56は、固定されたキャリア57と一体になって回転可能に設けられ、更にそのキャリア57に出力軸58が固定されている。
【0031】
そこで、こうしたオーガ回転駆動装置用変速装置50を用いることによって、従来2台使用していた施工工事を1台のオーガで行うことが可能になった。
即ち、支持層や岩盤などの一部堅い地盤でもこのオーガ回転駆動装置用変速装置50を使用すれば、高速・低トルクのオーガでも十分なトルクが得られるようになる。
そこで、岩盤などの堅い地盤が存在する場合には、リーダ5にオーガ回転駆動装置用変速装置50が装着され、そのカップリング52がオーガ25の回転軸25aに、そして出力軸58がスクリュー27のカップリング27aへと接続され、次のようにしてオーガ25の回転が高トルク回転に変換される。
【0032】
オーガ回転駆動装置用変速装置50のカップリング52がオーガ25の回転軸25aに接続され、更に出力軸58がスクリュー27のカップリング27aへと接続される。
これによりオーガ25の回転出力は、回転軸25aからカップリング52を介して入力軸53に伝達され、それによって中心歯車54が回転する。中心歯車54の回転はその周りの中間歯車55,55…を回転させ、更にその中間歯車55,55…に噛み合ったリングギヤ56を回転させる。そのため、リングギヤ56と一体のキャリア57が回転することで、それに固定された出力軸58からは、中心歯車54から中間歯車55,55…を介し、回転数を落としてリングギヤ56に伝達された高トルクの回転が得られる。
【0033】
こうしてオーガ25の回転出力は、オーガ回転駆動装置用変速装置50によって回転数を落とした分トルクを増幅し、低速・高トルクの回転となって出力軸58に接続したスクリュー27へと伝達される。
従って、従来は堅い地盤で使用することができなかったオーガ25でも、オーガ回転駆動装置用変速装置50を接続することによって十分なトルクが得られ、スクリュー27を回転させることができるようになった。そのため、堅い地盤が存在する場合には、このオーガ回転駆動装置用変速装置50を接続した状態で先掘りを行い、その後再びオーガ回転駆動装置用変速装置50を取り外して高速回転による掘削を行えばよい。
【0034】
よって、本実施形態のオーガ回転駆動装置用変速装置50によれば、従来は地盤の堅さの違いによって少なくとも2台のオーガが必要であったが、高速・低トルクのオーガを用意するだけで、そのオーガから低速・高トルクの回転出力を得ることができるので、1台のオーガで施工工事を行うことができるようになった。そのため、2台のオーガを所有するのに比べて格段にコストを削減することができた。特に、堅い地盤を掘削する作業頻度が低い場合にその効果は大きい。
また、従来の低速・高トルク用オーガのように装置自体が大型にならないので、全体のバランスをとるために杭打機1を大型にする必要がない点でもコストを抑えることができた。
【0035】
次に、オーガ回転駆動装置用変速装置の第4実施形態について説明する。図5は、第4実施形態のオーガ回転駆動装置用変速装置を示した組立図である。このオーガ回転駆動装置用変速装置60は、図示しないが、減速機構を内蔵したケース61が第1実施形態のものと同様にしてオーガ25に吊設され、リーダ5のガイドパイプ7に摺動自在に装着されるものである。そしてまた、これも回転数を落として高トルクを発生させるようにしたものである。
オーガ回転駆動装置用変速装置60は、前記第1実施形態の遊星式減速機構にクラッチ機構を設け、回転数の切換を可能にしたものである。従って、減速ギヤの構成は第1実施形態のものと同様である。具体的には、カップリング62に入力軸63を介して太陽歯車64が固定され、複数の遊星歯車65,65…が、その太陽歯車64とリングギヤ68とに噛み合っている。各遊星歯車65,65…は、その中心を貫いて回転可能に支持するキャリア66によって連結され、そのキャリア66には出力軸67が固定されている。
【0036】
そして、こうした遊星式減速機構が設けられたケース61内には内周側ディスククラッチ71が設けられ、一方の駆動側ディスク71aが入力軸63に固定され、他方の被動側ディスク71bがキャリア66に固定されている。ケース61には複数のシリンダ72,72…が固定され、そのシリンダロッドの先端に駆動側ディスク71aに当接・離間するスラスト軸受73が固定されている。また、遊星歯車65,65…の外周側に噛み合ったリングギヤ68は、それが回転体69に一体になって回転可能に設けられている。
【0037】
更に、内周側ディスククラッチ71の外側には、環状の外周側ディスククラッチ75が設けられ、一方の回転側ディスク75aが回転体69に固定され、他方の固定側ディスク75bがケース61に固定されている。そして、ケース61には前記シリンダ72,72…の外側に複数のシリンダ76,76…が固定され、そのシリンダロッド先端が回転側ディスク75aに当接・離間するように構成されている。
こうして内周側ディスククラッチ71及び外周側ディスククラッチ75の切換には複数のシリンダ72,72…,76,76…が使用され、いずれもシリンダロッドがスプリングによって後退し、シリンダ室への加圧によって突き出されるように構成されている。そのため、各シリンダ室には駆動流体を供給する供給源と、駆動流体を排出する排出側とに切り換えられるよう切換弁77を介して接続されている。
【0038】
そこで、こうしたオーガ回転駆動装置用変速装置60を用いることによって、従来2台使用していた施工工事を1台のオーガで行うことが可能になった。
先ず、比較的柔らかい地盤では高速・低トルク回転を出力するようにする。そのためには、切換弁77の切換操作によって内側のシリンダ72,72…を加圧する一方、外側のシリンダ76,76…を解放する。これによって内周側ディスククラッチ71は、シリンダロッドが伸び、駆動側ディスク71aが被動側ディスク71bに押し付けられた接続状態になり、一方外周側ディスククラッチ75は、スプリングバックによってシリンダロッドが縮み、回転側ディスク75aが固定側ディスク75bと離間して非接続状態になる。
【0039】
従って、入力軸63に伝えられる回転出力は、内周側ディスククラッチ71を介してキャリア66にダイレクトに伝えられ、オーガ25の回転軸25aの回転がそのまま出力軸67から出力される。即ち、入力軸63とキャリア66とが内周側ディスククラッチ71を介して接続されたことにより、太陽歯車64、遊星歯車65,65…そしてリングギヤ68が一体になって回転し、変速機構として機能しなくなる。そのため、オーガ25の回転出力がそのままダイレクトに伝えられて高速・低トルク回転が得られる。
【0040】
続いて、掘削が進み、例えば岩盤などの堅い層に達したところで、このオーガ回転駆動装置用変速装置60におけるクラッチの切り換えを行う。そのためには、切換弁77の切換操作によって内側のシリンダ72,72…を解放する一方、外側のシリンダ76,76…を加圧する。これによって内周側ディスククラッチ71は、シリンダロッドがスプリングバックによって縮み、駆動側ディスク71aが被動側ディスク71bと離間して非接続状態になり、一方外周側ディスククラッチ75は、加圧されて伸びたシリンダロッドによって回転側ディスク75aが固定側ディスク75bに押圧されて接続状態になる。
【0041】
従って、オーガ25の回転出力は、回転軸25aからカップリング62を介して入力軸63に伝達され、それによって太陽歯車64が回転する。このとき、内周側ディスククラッチ71が切り離されてキャリア66がフリーになり、外周側ディスククラッチ75が接続してリングギヤ68が固定状態になっている。
そのため、太陽歯車64の回転は、噛み合いによって周りの遊星歯車65,65…を公転させ、その遊星歯車65,65…の公転に従ってキャリア66が回転することとなる。従って、キャリア66に固定された出力軸67からは、太陽歯車64を公転する遊星歯車65,65…によって回転数を落とした低速・高トルク回転が得られる。
【0042】
こうしてオーガ25の回転出力は、オーガ回転駆動装置用変速装置60によって回転数を落とした分トルクを増幅し、低速・高トルクの回転が出力軸67に接続したスクリュー27に伝達される。
従って、従来は堅い地盤に使用することができなかったオーガ25でも、オーガ回転駆動装置用変速装置60を接続することによって十分なトルクが得られ、スクリュー27を回転させることができるようになった。
そこで、柔らかい地盤の途中に岩盤などの堅い部分が存在する場合には、内周側ディスククラッチ71及び外周側ディスククラッチ75の切り換えにより、高速回転による効率の良い掘削と、低速回転による高トルクでの掘削とを段階的に分けて行うようにすればよい。
【0043】
よって、本実施形態のオーガ回転駆動装置用変速装置60によれば、従来は地盤の堅さの違いによって少なくとも2台のオーガが必要であったが、高速・低トルクのオーガを用意するだけで、しかもクラッチの切り換え操作のみによって、高速・低トルクの回転出力と低速・高トルクの回転出力を得ることができるので、1台のオーガで非常に効率良く施工工事を行うことができるようになった。そのため、2台のオーガを所有するのに比べて格段にコストを削減することができ、作業効率も格段に向上した。特に、堅い地盤を掘削する作業の頻度が低い場合に、その効果は大きい。
また、従来の低速・高トルク用オーガのようにそれ自体が大型にならないので、全体のバランスをとるために杭打機1を大型にする必要がない点でもコストを抑えることができた。
【0044】
次に、オーガ回転駆動装置用変速装置の第5実施形態について説明する。図6は、第5実施形態のオーガ回転駆動装置用変速装置を示した組立図である。このオーガ回転駆動装置用変速装置80は、減速機構を内蔵したケース81が第1実施形態のものと同様にしてオーガ25に吊設され、リーダ5のガイドパイプ7に摺動自在に装着するようにしたものである。そしてまた、これも回転数を落として高トルクを発生させるようにしたものである。
オーガ回転駆動装置用変速装置80は、前記第2実施形態の平歯車式減速機構にクラッチ機構を設け、回転数の切換を可能にしたものである。従って、減速ギヤの構成は第2実施形態のものと同様である。
【0045】
具体的には、オーガ25の回転軸25aに接続するカップリング82に入力軸83が固定され、その入力軸83に駆動歯車84が固定されている。そして、この駆動歯車84にはこれより大径の被動歯車85が噛み合い、被動歯車85には同一軸に小径の駆動歯車86が固定され、更にその駆動歯車86に大径の被動歯車87が噛み合っている。従って、オーガ回転駆動装置用変速装置80は、こうした2段の変速機構を備え、被動歯車87には入力軸83と同軸に配置され出力軸88が固定されている。
【0046】
次に、こうした平歯車式減速機構が設けられたケース81内には、摺動歯車式クラッチ90が設けられている。摺動歯車式クラッチ90は、入力軸83に対して一体に回転し、かつ軸方向に移動可能な歯車型継手91を有し、レバー92の切り換えによって入力軸83に固定された上切換歯車93或いは下切換歯車94のいずれか一方へ噛み合うように構成されている。
【0047】
そこで、こうしたオーガ回転駆動装置用変速装置80を用いることによって、従来2台使用していた施工工事を1台のオーガで行うことが可能になった。
先ず、比較的柔らかい地盤では高速・低トルク回転を出力するようにする。そのためには、レバー92の操作により摺動歯車式クラッチ90を、歯車型継手91が下切換歯車94に噛み合うようにする。それにより、回転は摺動歯車式クラッチ90を介してダイレクトに出力軸88へ伝えられ、オーガ25の回転出力がそのままダイレクト伝えられて高速・低トルク回転が得られる。
【0048】
続いて、掘削が進み、例えば岩盤などの堅い層に達したところで、このオーガ回転駆動装置用変速装置80の摺動歯車式クラッチ90を切り換える。そのためには、レバー92の切換操作によって歯車型継手91を上切換歯車93に噛み合わせる。
オーガ25の回転出力は、回転軸25aからカップリング82を介して入力軸83に伝達され、それによって駆動歯車84が回転する。そして、その駆動歯車84の回転が被動歯車85へ伝達され、同一軸に設けられた駆動歯車86が回転し、更にその駆動歯車86に噛み合った被動歯車87に回転が伝達される。従って、駆動歯車84と被動歯車85との減速比、さらに駆動歯車86と被動歯車87との減速比によって回転数を落とした低速・高トルク回転が得られる。
【0049】
こうしてオーガ25の回転出力は、オーガ回転駆動装置用変速装置80によって回転数を落とした分トルクを増幅し、低速・高トルクの回転が出力軸88に接続したスクリュー27に伝達される。
従って、従来は堅い地盤に使用することができなかったオーガ25でも、オーガ回転駆動装置用変速装置80を接続することによって十分なトルクが得られ、スクリュー27を回転させることができるようになった。
そこで、柔らかい地盤の途中に岩盤などの堅い部分が存在する場合には、摺動歯車式クラッチ90の切り換えにより、高速回転による効率の良い掘削と、低速回転による高トルクでの掘削とを段階的に分けて行うようにすればよい。
【0050】
よって、本実施形態のオーガ回転駆動装置用変速装置80によれば、従来は地盤の堅さの違いによって少なくとも2台のオーガが必要であったが、高速・低トルクのオーガを用意するだけで、しかもクラッチの切り換え操作のみによって、高速・低トルクの回転出力と低速・高トルクの回転出力を得ることができるので、1台のオーガで非常に効率良く施工工事を行うことができるようになった。そのため、2台のオーガを所有するのに比べて格段にコストを削減することができ、作業効率も格段に向上した。特に、堅い地盤を掘削する作業の頻度が低い場合にその効果は大きい。
また、従来の低速・高トルク用オーガのようにそれ自体が大型にならないので、全体のバランスをとるために杭打機1を大型にする必要がない点でもコストを抑えることができた。
【0051】
次に、オーガ回転駆動装置用変速装置の第6実施形態について説明する。図7及び図8は、第6実施形態のオーガ回転駆動装置用変速装置であって、特に回転数を落として高トルクを発生させるオーガ回転駆動装置用変速装置を示した組立図である。
本実施形態のオーガ回転駆動装置用変速装置100は、前記第1実施形態の遊星式減速機構にクラッチ機構を設け、回転数の切換を可能にしたものである。従って、減速ギヤの構成は第1実施形態のものと同様である。具体的には、カップリング102に入力軸103を介して太陽歯車104が固定され、複数の遊星歯車105,105…が、その太陽歯車104とリングギヤ106とに噛み合い、各遊星歯車105,105…には、これらを回転可能に支持するキャリア107が設けられ、そのキャリア107に出力軸108が固定されている。
【0052】
そして、本実施形態では、こうした入力軸103の先端にスプライン軸103aが形成され、キャリア107に形成されたボス部107aにはまり合うように構成されている。
更にオーガ回転駆動装置用変速装置100は、遊星式減速機構が設けられたケース101全体を上下動させるため、オーガ25に連結された切換シリンダ110,110によって吊設されている。その切換シリンダ110,110は、オーガの支持ブラケット25bに軸着され、そのシリンダロッドがケース101に軸着されている。
【0053】
そこで、こうしたオーガ回転駆動装置用変速装置100を用いることによって、従来2台使用していた施工工事を1台のオーガで行うことが可能になった。
先ず、比較的柔らかい地盤では高速・低トルク回転を出力するようにする。そのためには、切換シリンダ110,110をシリンダロッドが後退するように操作し、オーガ25に対してケース101を上昇させる。これによって、図8に示すように太陽歯車104が遊星歯車105,105…から外れ、入力軸103先端のスプライン軸103aがキャリア107のボス部107aにはまり込んで、入力軸103と出力軸108とが直結される。従って、回転は出力軸108にそのままダイレクトに伝えられて高速・低トルク回転が得られる。
【0054】
続いて、掘削が進み、例えば岩盤などの堅い層に達したところで、遊星式減速機構を機能させて低速・高トルク回転を出力するようにする。そのためには、切換シリンダ110,110のシリンダロッドを伸ばし、図7に示すように入力軸103先端のスプライン軸103aをキャリア107のボス部107aから外して、太陽歯車104が遊星歯車105,105…に噛み合わせる。
オーガ25の回転出力は、回転軸25aからカップリング102を介して入力軸103に伝達され、それによって太陽歯車104が回転する。太陽歯車104の回転は、ギヤの噛み合いによって周りの遊星歯車105,105…をリングギヤ106との間で公転させ、その遊星歯車105,105…の公転に従いキャリア107が回転することとなる。そのため、キャリア107に固定された出力軸108からは、太陽歯車104を公転する遊星歯車105,105…によって回転数を落とした回転が得られる。
【0055】
こうしてオーガ25の回転出力は、オーガ回転駆動装置用変速装置100によって回転数を落とした分トルクを増幅し、低速・高トルクの回転が出力軸108に接続したスクリュー27に伝達される。
従って、従来は堅い地盤に使用することができなかったオーガ25でも、オーガ回転駆動装置用変速装置100を接続することによって十分なトルクが得られ、スクリュー27を回転させることができるようになった。
そこで、柔らかい地盤の途中に岩盤などの堅い部分が存在する場合には、切換シリンダ110,110により、高速回転による効率の良い掘削と、低速回転による高トルクでの掘削とを段階的に分けて行うようにすればよい。
【0056】
よって、本実施形態のオーガ回転駆動装置用変速装置100によれば、従来は地盤の堅さの違いによって少なくとも2台のオーガが必要であったが、高速・低トルクのオーガを用意するだけで、しかもシリンダクラッチの切り換え操作のみによって、高速・低トルクの回転出力と低速・高トルクの回転出力を得ることができるので、1台のオーガで非常に効率良く施工工事を行うことができるようになった。そのため、2台のオーガを所有するのに比べて格段にコストを削減することができ、作業効率が格段に向上した。特に、堅い地盤を掘削する作業の頻度が低い場合にその効果は大きい。
また、従来の低速・高トルク用オーガのようにそれ自体が大型にならないので、全体のバランスをとるために杭打機1を大型にする必要がない点でもコストを抑えることができた。
【0057】
以上、オーガ回転駆動装置用変速装置の一実施形態について説明したが、本発明はこうしたものに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
前記各実施形態では、トルクを上げるために減速するようにギヤを構成したものを示したが、例えば入力と出力を逆にしてトルクを落として回転数を上げるようにしてもよい。
また、前記各実施形態では、オーガ回転駆動装置用変速装置30を吊設板28でオーガ25に吊すようにしたが、リーダ5に装着せずにオーガ25に直接装着する一体型とするようにしてもよい。
【0058】
【発明の効果】
よって、回転を出力するオーガの回転軸に連結する入力軸と、被回転体に連結する出力軸と、オーガから受けた回転を入力軸から出力軸へ回転数を変換して伝達する歯車式変速機構とを有し、当該オーガに着脱可能なものとしたので、オーガの回転出力から作業状況に合った回転数(トルク)の回転を得ることができ、1台のオーガで異なる堅さの地盤に対応することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 オーガとそれに接続したオーガ回転駆動装置用変速装置を装着した三点支持式杭打機を示した図である。
【図2】 本発明に係るオーガ回転駆動装置用変速装置の第1実施形態を示した組立図である。
【図3】 本発明に係るオーガ回転駆動装置用変速装置の第2実施形態を示した組立図である。
【図4】 本発明に係るオーガ回転駆動装置用変速装置の第3実施形態を示した組立図である。
【図5】 本発明に係るオーガ回転駆動装置用変速装置の第4実施形態を示した組立図である。
【図6】 本発明に係るオーガ回転駆動装置用変速装置の第5実施形態を示した組立図である。
【図7】 本発明に係るオーガ回転駆動装置用変速装置の第6実施形態を示した組立図である。
【図8】 本発明に係るオーガ回転駆動装置用変速装置の第6実施形態を示した組立図である。
【符号の説明】
1 杭打機
5 リーダ
25 オーガ
26,30,40,50,60,80,100 オーガ回転駆動装置用変速装置
27 スクリュー
32 カップリング
33 入力軸
34 太陽歯車
35 遊星歯車
36 リングギヤ
37 キャリア
38 出力軸
Claims (8)
- 回転を出力するオーガの回転軸に連結する入力軸と、被回転体に連結する出力軸と、オーガから受けた回転を入力軸から出力軸へ回転数を変換して伝達する歯車式変速機構とを有し、
前記オーガとは着脱可能な別体のものであり、前記オーガと共に昇降し、且つ回転反力を受けるように杭打機のリーダへ装着させるものであることを特徴とするオーガ回転駆動装置用変速装置。 - 請求項1に記載のオーガ回転駆動装置用変速装置において、
前記入力軸と出力軸との関係を、歯車式変速機構の切り換えによって直結状態と歯車減速状態とにする切換手段を有することを特徴とするオーガ回転駆動装置用変速装置。 - 請求項1に記載のオーガ回転駆動装置用変速装置において、
前記歯車式変速機構は、太陽歯車と、太陽歯車に噛合してその周りのリングギヤ内にて公転する遊星歯車とを備え、当該歯車を介して入力軸から出力軸へ回転数を変換して伝達する遊星歯車式であることを特徴とするオーガ回転駆動装置用変速装置。 - 請求項1に記載のオーガ回転駆動装置用変速装置において、
前記歯車式変速機構は、前記入力軸に連結された中心歯車と、その中心歯車の周りに軸支され、当該中心歯車に噛合した複数の中間歯車と、その複数の中間歯車に外側において回転可能に噛合し、前記出力軸に連結されたリングギヤとを有し、入力軸から出力軸へ回転数を変換して伝達するものであることを特徴とするオーガ回転駆動装置用変速装置。 - 請求項1に記載のオーガ回転駆動装置用変速装置において、
前記歯車式変速機構は、噛合させた径の異なる駆動歯車と被動歯車とを複数段設け、当該歯車を介して入力軸から出力軸へ回転数を変換して伝達する平歯車式変速機構であることを特徴とするオーガ回転駆動装置用変速装置。 - 請求項3に記載のオーガ回転駆動装置用変速装置において、
前記遊星歯車式変速機構は、太陽歯車に対する遊星歯車の公転を制限して入力軸から出力軸へ回転を直接伝達する切換手段を有することを特徴とするオーガ回転駆動装置用変速装置。 - 請求項3に記載のオーガ回転駆動装置用変速装置において、
前記遊星歯車式変速機構は、太陽歯車と遊星歯車との噛み合いを外すとともに入力軸側のスプライン軸と出力軸側のボス部との噛み合いによって、入力軸から出力軸への回転を直接伝達する切換手段を有することを特徴とするオーガ回転駆動装置用変速装置。 - 請求項5に記載のオーガ回転駆動装置用変速装置において、
前記平歯車式変速機構は、入力軸と出力軸とに切換歯車を備え、当該切換歯車への噛み合いを切り換えることによって、入力軸から出力軸への回転を直接伝達する切換手段を有することを特徴とするオーガ回転駆動装置用変速装置。
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