JP4136277B2 - 減速機付き回転圧入装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管杭を回転圧入して埋設するための施工装置であって、特に比較的軟弱な上層からその下の硬い地盤の支持層までの鋼管杭の回転圧入を、オーガ装置の連続した作業で行うことができるようにした減速機付き回転圧入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
長尺な鋼管杭を打ち込んで基礎杭とする施工の1つに、ベースマシーンにオーガ装置を装着し、そのオーガ装置によって鋼管杭に回転を与えながら地中への回転圧入を行うものがある。図9は、そうした施工方法の一工程を示した概念図である。
ベースマシーンである三点支持式杭打機(以下、単に「杭打機」という)100は、クローラによる走行部101上に操縦席などを備えた旋回体102が設けられ、その旋回体102のフロントブラケット103にリーダ104がバックステー105により立設されている。そのリーダ104には、鋼管杭110に回転を与えて圧入させるオーガ装置120が軸方向に摺動自在に装着され、旋回体102のドラムから繰り出されるワイヤロープ106に連結され、リーダ104に沿って昇降するようになっている。
【0003】
そこで、こうした杭打機100を使用した鋼管杭の回転圧入は、次のような施工手順で行われる。先ず、杭打機100は、オーガ装置120をリーダ104の上端にまで上昇させ、そこにクレーンを利用して鋼管杭110を吊り込み、管端をオーガ装置120にはめ込んでセットする。鋼管杭110の下端部分は、不図示の振れ止め装置によって固定する。
続いて、鋼管杭110の鉛直性を確認した後、オーガ装置120を駆動させ、鋼管杭110に回転を与えて図9に示すように回転圧入を行う。鋼管杭110の先端には螺旋刃や掘削刃が形成されており、オーガ装置120によって与えられる回転と、その重さや螺旋による推進力とによって地中へと掘進して徐々に圧入が行われていく。
【0004】
ところが、鋼管杭110が所定の深さにまで入れられると、地盤が硬くなってオーガ装置120で得られる回転トルクではそれ以上の圧入が困難になることがある。そうした状況は、オーガ装置120に作用する所定のトルク確認で行われ、従来では、こうしてトルクがある値を超えた時点でオーガ装置120による施工を完了していた。そして、鋼管杭110の回転圧入は、オーガ装置120の施工から回転圧入機能を備えたチュービング装置の圧入に切り替えられていた。ここで図10は、チュービング装置による施工状態を示した概念図である。
【0005】
鋼管杭110は、図10に示すように比較的柔らかい上層Aの下にある硬い地盤の支持層Bにまで打ち込まれるため、従来では、地層が支持層Bに変わる手前まで前述したようにオーガ装置120が利用され、その後チュービング装置130へと切り替えられていた。
このチュービング装置130は、図示するように貫いた鋼管杭110の外周をチャック手段によって把持し、油圧モータの回転駆動により鋼管杭110に回転を与えるとともに、上下方向に駆動するスラストジャッキによって鋼管杭110を下降させるようにしたものである。
【0006】
作業の切り替えには、鋼管杭110からオーガ装置120が外され、地中から突き出た状態の鋼管杭110へとクレーンで吊り下げられたチュービング装置130が搬送される。チュービング装置130は、そのチャック手段が鋼管杭110にはめ合うようにしてに地上に降ろされ図示するように設置される。
そこで、チュービング装置130に把持された鋼管杭110にはより高いトルクの回転が与えられ、それとともに地中への押し込みが行われ、図10に示すように硬い地盤の支持層Bにまで鋼管杭110が圧入される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした鋼管杭の回転圧入は、上層Aの地盤と支持層Bの地盤とで鋼管杭110を回転圧入する際に必要とする回転トルクが違うため、オーガ装置120に加えて高トルクを発生させるチュービング装置130が必要であり、そのため従来からその切り替えに手間がかかり、作業効率が悪いものであった。
そこで、鋼管杭110の回転圧入をオーガ装置120だけで行うことができれば作業効率は良くなるが、高トルクを発生させるオーガ装置120は勢い大型になり、それに従いオーガ装置120を支える杭打機100も大型になってしまう。
【0008】
従って、従来のオーガ装置を大型化しただけのものは、輸送の不便さや生産コストのアップなど、新たに生じる問題の方が大きかった。
また、オーガ装置120は、杭打機100に支持される作業装置なので、トルクを上げること、即ち大型化に対しては杭打機100の強度やバランスの点から常に制約を受ける。従って、大型化してもトルク不足が生じることは否めず、そうした場合にはやはり別途チュービング装置が必要になり、結論としてオーガ装置を大型化することは有効な手段ではなかった。
【0009】
そこで本発明は、かかる課題を解決すべく、オーガ装置を利用して鋼管杭の最終根入れまでを行うことを可能にする減速機付き回転圧入装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の減速機付き回転圧入装置は、鋼管杭が通る貫通孔の形成されたベースフレームと昇降フレームとを連結し、ベースフレームに対して昇降フレームを上下動させる昇降手段と、前記昇降フレームに対して回転自在に設けられ、当該貫通孔を通った鋼管杭を把持する把持手段と、鋼管杭に回転軸を直接連結して回転を与えるオーガ装置の当該回転軸に連結可能で、前記昇降フレームに対して回転自在に設けられたカップリングと、前記オーガ装置の回転軸から出力される回転を、前記カップリングから前記把持手段に回転数を減速させて伝達する減速機とを有することを特徴とする。
【0011】
従って本発明によれば、比較的柔らかい軟弱地盤などの上層では鋼管杭に直接連結したオーガ装置で回転圧入を行い、硬い地盤の支持層では、オーガ装置の回転軸をカップリングに連結し、オーガ装置からの回転を減速機を介して鋼管杭を把持した把持手段に回転数を減速して伝達することにより、鋼管杭への伝達トルクが増大し、従来のオーガ装置でも十分に最終根入れまでを行うことができる。
【0012】
また、本発明の減速機付き回転圧入装置は、前記把持手段が、前記昇降フレームにベアリングを介して回転自在に取り付けられ、前記減速機が、前記カップリングと同軸に一体固定されたピニオンギヤが、前記ベアリングの回転側に固定された旋回ギヤに対して直接的に又は間接的に噛み合った歯車列であることを特徴とする。
従って本発明によれば、こうした簡単な構成の減速機構を設けたことにより、オーガ装置を主駆動源とするため専用の回転モータを不要とし、しかもこれまでのオーガ装置で十分に最終根入れまでを行うことができ、従来のような別途回転圧入機能を備えたチュービング装置を用いるのに比べ格段に安く、取り扱いも容易になった。
【0013】
また、本発明の減速機付き回転圧入装置は、前記オーガ装置を装着した杭打機と前記ベースフレームを連結し、鋼管杭の回転圧入時に作用する反力を当該杭打機で受けるようにした連結手段を有することを特徴とする。
従って本発明によれば、回転圧入時の反力を受けるために減速機付き回転圧入装置自身にウエイトを載せる必要がなく、またスパイクを設ける必要もないことから取り扱いが容易で構造も簡素化できた。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る減速機付き回転圧入装置の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態の減速機付き回転圧入装置は、三点支持式杭打機に取り付けられ、作業装置として装着されたオーガ装置の補助装置として使用するものである。そこで、図1に本実施形態の減速機付き回転圧入装置を備え、オーガ装置を装着した三点支持式杭打機を示す。
この杭打機(以下、単に「杭打機」という)1は、前記従来例で説明したものとほぼ同様のものであり、クローラによる走行部2上に操縦席などを備えた旋回体3が設けられ、その旋回体3のフロントブラケット4にリーダ5がバックステー6によって支えられるようにして立設されている。そして作業を行うためのオーガ装置25が、このリーダ5に固定された平行な2本のガイドパイプ7に係合し、軸方向に沿って摺動するように装着されている。
【0015】
旋回体3の後部には不図示の巻上げドラムが設けられ、その巻き上げドラムに巻回されたワイヤロープ11が、立設したガントリ12を介してガントリ滑車13と中間滑車14とに数条掛けされている。一方、バックステー6をリーダ5に連結させるためのブラケット15には、ペンダントロープ16を介して中間滑車14が連結されている。リーダ5は、こうしたペンダントロープ16を介したワイヤロープ11の巻上げによって起こされ、そうした起立状態でバックステー6によって垂直な角度が調整されて支持されるよう構成されている。そして、リーダ5がバックステー6に支持された状態では、図示するようにしてワイヤロープ11が弛むように巻き出されている。
【0016】
また、旋回体3に設けられた不図示のドラムには、滑車21を経て繰り出されるワイヤロープ22が巻回されており、そのワイヤロープ22が、リーダ5の上端に設けられたトップシーブブロック23の滑車を介して反対側に送られ、オーガ装置25上端の滑車25aに掛けられている。そして、そのワイヤロープ22のエンドがトップシーブブロック23に止着され、オーガ装置25がこのワイヤロープ22によって吊設されている。従って杭打機1では、このワイロープ22の巻出し・巻戻しによってオーガ装置25の昇降を操作できるように構成されている。
【0017】
更に、こうした杭打機1には、その前方部分に本発明に係る減速機付き回転圧入装置(以下、単に「回転圧入装置」という)50が取り付けられている。ここで、図2及び図3は、回転圧入装置50を取り付けた杭打機1のフロント部分を示した平面図であり、特に図2にオーガ装置単独の低トルク運転状態を示し、図3に回転圧入装置を使用した高トルク運転状態を示している。
【0018】
回転圧入装置50は、杭打機1の前方にあって、リーダ5に沿って昇降するオーガ装置25の直下に位置するように着脱可能に取り付けられている。そのため杭打機1には、クローラ30,30を回避するようにしてクローラ枠体31,31(図1参照)から前方に支持ブラケット32,32が延設され、そこにアーム部材33,33が更に前方に突出して固定されている。そして、そのアーム部材33,33先端には、直立した状態で固定された油圧ジャッキ34,34を介して回転圧入装置50を着脱させる反力ブラケット35,35が連結されている。こうして回転圧入装置50を杭打機1に連結したのは、後述する回転圧入装置50によって鋼管杭110を回転圧入させる際の反力を、別途ウエイトなどを用いることなくこの杭打機1の重量によって受けるようにしたためである。
【0019】
次に図4及び図5は、こうしたオーガ装置25と回転圧入装置50とを図2及び図3に対応させて示した正面図である。つまり、図4は、図2に対応したオーガ装置単独の低トルク運転状態を示した正面図であり、図5は、図3に対応した回転圧入装置を使用した高トルク運転状態を示した正面図である。一方、図6は、回転圧入装置50の減速機構を示した構造図である。
本実施形態の回転圧入装置50は、貫通した鋼管杭110を把持する本体部に、図5に示すようにしてオーガ装置25を連結し、その本体部で把持した鋼管杭110に高トルクを与える減速機を備えたものである。
【0020】
回転圧入装置50は、先ずベースフレーム51と昇降フレーム52とが、それぞれの貫通孔51a,52aを同軸に合わせ、四隅に立設されたスラストジャッキ53,53…によって連結され、接地側のベースフレーム51に対して昇降フレーム52が昇降するように構成されている。なお、前述した杭打機1に連結するための反力ブラケット35,35(図2参照)は、このベースフレーム51側面に取り付けられている。
スラストジャッキ53は、図4に示した断面部分のように、ベースフレーム51に固定された中ガイドパイプ54に対し、昇降フレーム52に固定された外ガイドパイプ55が摺接してはめ合わされている。そして、こうしたガイドパイプ54,55の内部において、外ガイドパイプ55にスラストシリンダ56が固定され、下方に突き出されたシリンダロッド56a先端が中ガイドパイプ54にピン結合されている。
【0021】
回転圧入装置50は、こうした4本のスラストジャッキ53,53…に囲まれた中央部分に、鋼管杭110を把持するためのバンドチャック60が設けられている。このバンドチャック60は、図3に示すように昇降フレーム52の貫通孔52aより径の小さい環状の把持面60aを有し、その把持面60aを三分割して構成されている。具体的には、図3に示した破線部分のように、バンドチャック60は、固定フレーム61と、その両端に連結された揺動フレーム62,63とから構成され、更にその揺動フレーム62,63の揺動端が開閉シリンダ64に連結されている。即ち、開閉シリンダ64のシリンダロッドが揺動フレーム62に、またシリンダチューブが揺動フレーム63にそれぞれ軸着されている。
【0022】
こうした固定フレーム61と揺動フレーム62,63とは、図7に示すように(図示していない揺動フレーム63も同じ構造である)共に上下2段で形成され、それぞれの軸受ブラケット66…,67…が交互に重なり合い、その貫通孔を貫く不図示のピンによって回転自在に連結されている。また、揺動フレーム62,63は、その揺動端にライナ68…が固着され、開閉シリンダ64から突き出たシリンダロッド先端の軸受ブラケット69,69が挟み込まれ、やはりその貫通孔を貫く不図示のピンによって回転自在に連結されている。
【0023】
こうしたバンドチャック60は、昇降フレーム52の下に回転可能な状態で設けられている。そのためバンドチャック60には、その上面に図8に示すリング状の回転盤71が固定されている。この回転盤71は、片面の内周に沿って一部分に取付プレート72が、そしてまた他の一部分には摺動プレート73が固定されており、その取付プレート72に複数のネジ穴72a…が形成されている。回転盤71は、この取付プレート72などの設けられた面が下になり、図7に示す固定フレーム61の貫通孔61a…を下から通ったボルトによって固定フレーム61にネジ止めされる(図8参照)。
【0024】
従って、バンドチャック60は回転盤71に対して固定フレーム61のみよって固定され、揺動フレーム62,63が摺動プレート73を摺動し、固定フレーム61との軸着部を中心に揺動可能な構造となっている。
また、固定フレーム61には、図7に示すように、回転盤71との円周方向のズレを防止するためのストッパ74,74が固定されており、図8に破線で示すように固定された取付プレート72の両端を挟み込んでいる。
そして、こうした回転盤71と一体になったバンドチャック60には、図6に示すようにベアリング75を介して昇降フレーム52に取り付けられている。ベアリング75は、その内側の軌道輪76が昇降フレーム52に固定され、外側の転動体77が回転盤71に固定されている。
【0025】
次に、本実施形態の回転圧入装置50は、回転を発生させるための油圧モータを備えた従来のものとは異なり、オーガ装置25の回転出力を利用するようにしたものであって、そのための減速機構が設けられている。
昇降フレーム52には横への張出し部52bが形成され、そこには図6に示すようにオーガ装置25の回転軸25bを受けるためのカップリング81が回転可能に設けられている。カップリング81を支持する回転軸82には他端にピニオンギヤ83が固定され、張出し部52bの下で回転するようになっている。そして、このピニオンギヤ83は、同じように張出し部52bに回転自在に軸支されたアイドラギヤ84と噛み合いっている。
【0026】
更に、バンドチャック60と一体の回転盤71には、ベアリング75の外側位置の周縁部分に旋回ギヤ85が固定され、これにアイドラギヤ84が噛み合っている。こうして回転圧入装置50には、カップリング81に与えられた回転を回転数を下げてバンドチャック60へと伝達するため、ピニオンギヤ83、アイドラギヤ84及び旋回ギヤ85の歯車列からなる減速機構が設けられている。
【0027】
続いて、こうした回転圧入装置50を利用した鋼管杭110の回転圧入について説明する。
先ず、杭打機1と分離した回転圧入装置50は、所定の施工位置に配置されており、それに向けて前進した杭打機1がその回転圧入装置50をフロント部分に図1に示すようにして連結させる。そして、杭打機1と一体になった回転圧入装置50に向け鋼管杭110がクレーンで運ばれ、そこで下端部分が回転圧入装置50内に入れられて地面に垂直に立てられる。
【0028】
鋼管杭110は、図9に示すものと同様、下端に螺旋刃や掘削刃が形成され、上端部分にはオーガ装置25の回転を受けるように回転軸25bに連結可能なカップリングが形成されている。そのため、リーダ5に沿って立てられた鋼管杭110には、その上端に図4に示すようにして杭打機1に装着されたオーガ装置25の回転軸25bが差し込まれて連結される。
そこで、オーガ装置25の駆動によって回転が与えられた鋼管杭110は、オーガ装置25の重量や螺旋刃による推進力によって地中に回転しながら圧入される。そのときオーガ装置25は、鋼管杭110の圧入にともなってワイヤロープの長さが調整され、その鋼管杭110に従って下降する。
【0029】
こうした作業の初期段階、即ち図10に示すような上層A部分に鋼管杭110の先端がある場合には、従来と同様に鋼管杭110をオーガ装置25によって直接回転が与えられる。この時点で回転圧入装置50は、バンドチャック60が開いて非把持状態になっている。バンドチャック60は、その開閉シリンダ64のシリンダロッドが伸びており、そのシリンダロッド及びシリンダチューブに軸着された揺動フレーム62,63の揺動端が開いている。なお、本実施形態では、この開閉シリンダ64を駆動させるための油圧源を杭打機1から得るようにし、それによって揺動フレーム62,63を動作させるようにしている。
【0030】
こうしてオーガ装置25に回転が与えられた鋼管杭110は、それによって地中への回転圧入が行われるが、所定の深さにまで掘進して地盤が硬くなってしまうと、オーガ装置25から鋼管杭110へ直接与えられるトルクが小さいため、それ以上の圧入が困難になる。そこで、回転圧入装置50を利用した高トルクの回転圧入に切り替えられる。
【0031】
そこで、図4に示すように鋼管杭110に差し込まれていたオーガ装置25は、ワイヤロープ22に引き上げられて上昇し、その回転軸25bがカップリングから外される。そして杭打機1の旋回部3が図2に示す位置から図3に示す位置にまで旋回し、オーガ装置25が鋼管杭110から回転圧入装置50のカップリング81上に移動する。その位置でオーガ装置25は降ろされ、その回転軸25bが図5に示すようにしてカップリング81へと差し込まれて連結される。
鋼管杭110は、こうしたオーガ装置25の離脱の一方でバンドチャック60によって把持される。バンドチャック60は、その開閉シリンダ64のシリンダロッドの引き込みによって揺動フレーム62,63の揺動端が閉じ、その揺動フレーム62,63及び固定フレーム61とで、図3に破線で示すような円となって、その内周の把持面60aが鋼管杭110の外周面を強く把持する。
【0032】
そこで、再びオーガ装置25が駆動すると、その回転軸25bの回転によってカップリング81が回転し、その回転は、図6に示すようにピニオンギヤ82からアイドラギヤ84へと伝達され、更にそのアイドラギヤ84に噛合した大径の旋回ギヤ85へと伝達される。従って、オーガ装置25による回転出力は、ピニオンギヤ83と旋回ギヤ85とのギヤ比に従って減速して伝達され、その分旋回ギヤ85への伝達トルクが増大する。
そして、旋回ギヤ85は回転盤71を介してバンドチャック60に一体になっているため、バンドチャック60に回転が与えられ、その結果このオーガ装置25によって鋼管杭110に高トルクの回転が与えられる。
【0033】
また、回転圧入装置50では、こうした回転と同時に、バンドチャック60を昇降フレーム52とともに下降させ、把持した鋼管杭110を地中へと押し込んでいる。
昇降フレーム52は、スラストジャッキ53の伸縮によって上下動し、伸びていたスラストシリンダ56のシリンダロッド56aが縮められ、ベースフレーム51へ引っ張られて下降することとなる。なお、本実施形態では、このスラストシリンダ56を駆動させるための油圧源を杭打機1から得るようにし、それによって昇降フレーム52を昇降させるようにしている。
【0034】
従って、昇降フレーム52が下降すれば、カップリング81に連結したオーガ装置25や、そこに設けられた減速機構も一緒に下降し、バンドチャック60に把持された鋼管杭110は、回転が与えられるとともに押し下げられて地中への回転圧入が行われる。このとき回転圧入装置50に作用する回転と圧入とによる反力は、アーム部材33,33などを介して連結された杭打機1の重量によって受けている。
こうしたスラストジャッキ53,53…による1ストローク分の下降が終わると、一旦鋼管杭110はバンドチャック60から解放される。そして、鋼管杭110は、スラストジャッキ53,53…が伸びて再び上部がバンドチャック60によって把持され、こうした回転圧入が繰り返されて図10に示すのと同様に支持層Bへの根入れが行われる。
【0035】
よって、本実施形態の回転圧入装置50を利用すれば、比較的柔らかい軟弱地盤などの上層Aから硬い地盤の支持層Bまで、鋼管杭110の一連の回転圧入をオーガ装置25によって行うことができるようになった。従って、最終根入れまでを1台の杭打機1で効率良く行うことができ、施工時間の大幅な短縮になった。
また、こうした回転圧入装置50は、オーガ装置25を主駆動源とするので、それ自身の回転モータが不要になり、従来のような別途回転圧入機能を備えたチュービング装置を用いるのに比べ格段に安く、その取り扱いも簡単になった。
更に、本実施形態の回転圧入装置50では、スラストシリンダ56や開閉シリンダ64に杭打機1の油圧源を使用するため、専用のパワー源が不要になる点からもその取り扱いが容易になった。
【0036】
なお、本発明は、前記実施形態のものに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、回転圧入装置50では、ピニオンギヤ83、アイドラギヤ84及び旋回ギヤ85からなる平歯1段減速の減速機構で構成したが、その他複数段にしても良く、遊星減速機を用いるようにするなどしても良い。
また、鋼管杭110をバンドチャックで把持するようにしたが、例えば本出願人が先に提案した特願平6−39993号に示す楔式のチャック手段を用いるものであっても良い。
また前記実施形態では、回転圧入装置50に作用する圧入時の反力を受けるために杭打機1と連結させるようにしたが、スパイクやウエイトを設けて回転圧入装置50自身で反力を受けるようにすれば、杭打機1と連結させる必要はない。
【0037】
【発明の効果】
よって本発明は、鋼管杭を把持し回転及び昇降する把持手段に、オーガ装置の回転を減速させて伝達する減速機を設けたことにより、オーガ装置を利用して鋼管杭の最終根入れまでを行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の減速機付き回転圧入装置を有し、オーガ装置を装着した三点支持式杭打機を示した側面図である。
【図2】回転圧入装置50を取り付けた杭打機1のフロント部分を示した、低トルク運転状態の平面図である。
【図3】回転圧入装置50を取り付けた杭打機1のフロント部分を示した、高トルク運転状態の平面図である。
【図4】図2に対応する運転状態のオーガ装置25と回転圧入装置50とを示した正面図である。
【図5】図3に対応する運転状態のオーガ装置25と回転圧入装置50とを示した正面図である。
【図6】回転圧入装置50の減速機構を示した構造図である。
【図7】バンドチャック60の一部を示す外観斜視図である。
【図8】回転盤71を示した平面図である。
【図9】鋼管杭を打ち込んで基礎杭とする施工の一工程を示した概念図である。
【図10】従来の回転圧入装置による施工を示した概念図である。
【符号の説明】
1 三点支持式杭打機
2 走行部
3 旋回体
5 リーダ
25 オーガ装置
50 減速機付き回転圧入装置
60 バンドチャック
71 回転盤
75 ベアリング
81 カップリング
83 ピニオンギヤ
84 アイドラギヤ
85 旋回ギヤ

Claims (3)

  1. 鋼管杭が通る貫通孔の形成されたベースフレームと昇降フレームとを連結し、ベースフレームに対して昇降フレームを上下動させる昇降手段と、
    前記昇降フレームに対して回転自在に設けられ、当該貫通孔を通った鋼管杭を把持する把持手段と、
    鋼管杭に回転軸を直接連結して回転を与えるオーガ装置の当該回転軸に連結可能で、前記昇降フレームに対して回転自在に設けられたカップリングと、
    前記オーガ装置の回転軸から出力される回転を、前記カップリングから前記把持手段に回転数を減速させて伝達する減速機とを有することを特徴とする減速機付き回転圧入装置。
  2. 請求項1に記載する減速機付き回転圧入装置において、
    前記把持手段は、前記昇降フレームにベアリングを介して回転自在に取り付けられ、前記減速機は、前記カップリングと同軸に一体固定されたピニオンギヤが、前記ベアリングの回転側に固定された旋回ギヤに対して直接的に又は間接的に噛み合った歯車列であることを特徴とする減速機付き回転圧入装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する減速機付き回転圧入装置において、
    前記オーガ装置を装着した杭打機と前記ベースフレームを連結し、鋼管杭の回転圧入時に作用する反力を当該杭打機で受けるようにした連結手段を有することを特徴とする減速機付き回転圧入装置。
JP2000180020A 2000-06-15 2000-06-15 減速機付き回転圧入装置 Expired - Fee Related JP4136277B2 (ja)

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