JP4611696B2 - 人形または置物の製作法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機原料を炭化することにより得られる炭素材、特に米糠や麩等に代表される麩糠類を原料として得られる炭素材を用いて、人形または置物の生地を作製する方法に関する。
我が国の主要穀物である米からは、副産物として大量の籾殻や糠が生じる。また、同様に、麦や蕎麦、大豆等の穀類からも大量の殻や麩(フスマ)が生じる。これら穀類からの副産物の多くは、邪魔者として焼却処分に回される。一部のものだけが利用されているに過ぎない。例えば、米糠は搾油して米糠油として、殻(特に籾殻)の一部は暗渠用資材や燻炭等として、またその製炭過程で留出された乾留気化物は、凝縮されて防虫剤や動物忌避剤、土壌改良剤、水虫治療薬等として利用されているに過ぎない。このように脱脂糠を含む麩糠類は、大部分が飼料化、茸培地化、あるいは肥料化される等して農業用資材として活用される程度に止まっている。これら麩糠類の工業用資材としての利用が模索されている。
そのような状況において、麩糠類を炭素化する技術が知られている(特許文献1)。しかし、麩糠類を原材料とした多孔性炭素材製品をどのような分野にどのように応用していくかについては現在模索中であり、新たな分野への応用が期待されている。
一方、従来、雛人形の顔(人形業界において、首から上の部分、すなわち顔や頭の部分を特に頭(かしら)という)として、作り方の違いにより、桐塑頭、石膏頭、セラミック頭、樹脂(プラスチック)頭等が知られている。桐塑頭(とうそがしら)は、桐の木の粉を正麩糊(しょうふのり)で固めたものを素体とし、その上に貝殻の粉(胡粉(ごふん)ともいう)をニカワで練ったものを塗布し乾燥する工程を十数回繰り返し、手彫りで表情をつけ、その後筆で顔を描くことにより製作される。桐塑頭は、プラスチックや石膏では表現できない趣のある表情豊かな顔、特に肌の色合いが良い顔を作ることができる。しかし、すべての製作が職人による手作業で行われるため、一品もので希少価値がある反面、価格が高いという問題がある。また、この桐塑頭は、温度、湿度の変化に弱く、強度も強くないことから、ひび割れやぶつけた際の表面剥離などが問題となる。次に、石膏頭は、原型から取った型に石膏を流し込んで作り、胡粉を塗布した後乾燥させる工程を数回繰り返したのち、顔を描くことにより製作される。この石膏頭は、原型の出来さえよければ、あとは面相書きが問題となる位なので、比較的安定した品質で同じ顔を大量に生産できるという利点がある。また、価格も低くてすむ。しかし、重さの割に柔らかく、ぶつけるなどできわめて壊れやすいうえ、希少価値はなく、風合いの良い色合いがでない。また、石膏頭の雛人形は壊れると廃棄物となるが、焼却しても頭だけ残り或いは埋めても腐敗しないので、人形業界ではその取り扱いに苦慮している。また、セラミック(陶器や磁器)頭は、型を使って陶土あるいは粘土質の磁土を成形し、焼いて出来上がったものに顔を描くことにより製作される。このセラミック頭の雛人形は、石膏より丈夫で、温度や湿気の変化にも強く、値段もあまり高くない。しかし、型にはまったものしか出来ず、石膏頭と同様、希少価値はない。また、趣のある表情豊かな顔、特に風合いの良い色合いの顔づくりには研究の余地があり、普及していない。また、樹脂頭は、金属型を使用し成形したうえ
、顔を描くことにより製作される。この樹脂頭は、ひび割れに強く、かつては中級品以下の普及品の主流であった。しかし、最初に型を作るのが高くつく割に、好みの顔はすぐ変わることから、流行についていけず、さらに石膏頭の価格も低下したので、現在はほとんど作られていない。
このように雛人形の頭(かしら)を製作する方法としては幾つかの方法が知られているが、従来の方法はみな一長一短あり、改良の余地があった。新たな雛人形の頭の製作法が望まれていた。
特開2004―137144号公報
そこで、本発明は、趣のある表情で色合いが良く、かつ、ひび割れや剥離も生じない人形の頭をはじめとした人形及び置物を得るための、人形または置物の製作法を提供することを課題とする。
また、本発明は、人形や置物の仕上げ工程は職人が行うことで一品製作的な商品価値は維持したまま、安い価格で人形または置物を製作することができる、人形または置物の製作法を提供することを課題とする。
また、本発明は、廃棄が容易な地球環境にやさしい人形または置物が製作できる、人形または置物の製作法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、人形または置物の生地を、麩糠類を炭化して得られた炭素材を用いて作製するとよいことを見出した。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1) 有機原料を不活性ガスまたは真空雰囲気中で焼成、炭化することにより得られた炭素材を用い、該炭素材に熱硬化性樹脂を含浸し混練した後、乾燥及び粉砕することにより成形用供試材料を得て、該成形用供試材料を成形することにより得られた成形体を、不活性ガスまたは真空雰囲気中で焼成、炭化することにより、人形または置物の生地を作製し、胡粉を塗装することを特徴とする、人形または置物の製作法。
(2) 前記炭素材が、麩糠類を原料として焼成、炭化することにより得られた麩糠炭であることを特徴とする、(1)に記載の人形または置物の製作法。
(3) 前記麩糠炭が、米糠炭であることを特徴とする、(2)に記載の人形または置物の製作法。
(4) 前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂であることを特徴とする、(1)〜(3)の何れかに記載の人形または置物の製作法。
(5) (1)〜(4)の何れかに記載の人形または置物の製作法を用いて作製された、胡粉を塗布した雛人形の頭(かしら)の下地。
(6) (5)に記載の胡粉を塗装した雛人形の頭(かしら)の下地に、更に、植毛、化粧が施された、雛人形の頭(かしら)。
(7) (6)に記載の雛人形の頭(かしら)に、胴を合わせ、衣装と装飾品を着装させた、雛人形。
本発明により、趣のある表情豊かな、特に風合いの良い色合いの人形または置物であって、かつ、ひび割れや剥離も生じない人形または置物を製作することができる。
また、本発明により、人形や置物の商品価値は下げずに、低価格な人形または置物を製作することができる。
また、本発明により、廃棄が容易で、地球環境にもやさしく、子供にも安心して与えることができる人形または置物を製作することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<本発明の製作法>
本発明の人形または置物の製作法は、人形または置物の生地の作製に特徴がある。すなわち、本発明は、人形または置物を製作するにあたり、人形または置物の生地を、有機原料を不活性ガスまたは真空雰囲気中で焼成、炭化することにより得られた炭素材を用い、該炭素材に熱硬化性樹脂を含浸し混練した後、乾燥及び粉砕することにより成形用供試材料を得て、該成形用供試材料を成形することにより得られた成形体を、不活性ガスまたは真空雰囲気中で焼成、炭化することにより作製する。
本発明で「生地」とは、胡粉等の塗装材を用いて塗装を施したり、釉薬(うわぐすり)や絵の具等の絵付けにより化粧を施したりする前の焼成工程を経ただけの素地をいう。
上記有機原料として、麩糠類を使用するのが好ましい。ここで、麩糠類とは、米糠油を搾油した後に大量に残る脱脂糠を始めとし、小麦をひいて粉にしたときに皮屑として出る麩(ふすま)、更には、籾殻や蕎麦殻、大豆殻、グルテンフィード(トウモロコシの皮や実の滓、即ちコーンスターチを製造したときの残滓)等、穀類を加工処理する過程で発生する皮殻をいう。
つまり、本発明では、上記炭素材が、麩糠類を原料として焼成、炭化することにより得られた多孔質炭素材である麩糠炭であることがより好ましい。尚、上記麩糠類の定義から明らかなように、「麩糠炭」には、もみがら炭も含まれている。また、さらに好ましくは、「麩糠炭」が、米糠炭であるとよい。
<i>炭素材準備
本発明で使用する炭素材(好ましくは麩糠炭)は、予め用意していたものを用いることができる。尚、麩糠炭は以下のようにして得ることができる。
麩糠炭は、特開2004−137144号公報に記載の粒状多孔性炭素材または粉末状多孔性炭素材の製造方法に準じて製造することができる。すなわち、麩糠類と、熱硬化性樹脂、動植物性糊料入り水溶液、及び水からなる群より選ばれる少なくとも1種とを混練し、その後乾燥及び造粒して得た麩糠類粒状素材を、不活性ガスまたは真空雰囲気中で焼成、炭化する、或いはさらに粉砕することにより、粒状のまたは粉末状の麩糠炭を得ることができる。該麩糠炭を製造するにあたり、配合割合、焼成温度等各製造条件は、上記特開2004−137144号公報に記載の条件を参酌することができる。
用意する炭素材は、次の工程で熱硬化性樹脂に含浸し、混練りしやすいような、形状及び大きさのものを選択しておくとよい。
<ii>熱硬化性樹脂に含浸、混練り
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、特にワニス状のフェノール樹脂が好ましい。
麩糠炭を熱硬化性樹脂に含浸、混練りさせる場合、その混合割合は、麩糠炭60〜90重量部に対し、熱硬化性樹脂は10〜40重量部程度であるとよい(但し、麩糠炭の粒度や混練物の含水率、又は使用原料の温度等の条件によって好適な混合割合は変わる)。
<iii>成形用供試材料の作製
混練り後、約65〜80℃で乾燥させ、揮発分含有量が3%以下となるまで乾燥させるとよい。
このように揮発分含有量を考慮する必要があるのは、揮発分が多く含まれていると、成形時、成形品内部にガスが菰りクラックが発生しやすく、また焼成時の昇温の際、狭い温度帯で多量のガスが発生しクラックが出来やすいからである。
この揮発分含有量を求めるには、乾燥工程を経た乾燥物の一部を揮発分測定用に取り出し、別途測定することにより行うことができる。詳しくは、飼料法として従来より用いられてきた方法に準じて測定することができ、より具体的には、乾燥物を乾燥器中で115℃、3時間乾燥させ、乾燥前後の重量差をもとの重量との比で表すことにより求めることが出来る(JIS K 1474参照)。
揮発分含有量が上記値以下となるよう十分乾燥させた該乾燥物を、次に粉砕機(アトマイザー)を使って粉砕する。所望の粒径(好ましくは、50〜150μmの粒径)の粉砕物を成形用供試材料として選別する。
<iv>成形
人形または置物の所望の形状に合わせた金型を予め用意する。該金型を用いて、上記で得た成形用供試材料を成形する。成形方法としては、射出成形法、圧縮成形法等を用いることができる。
射出成形法による場合、その成形条件としては、スクリュウ温度は40〜85℃、より好ましくは40〜80℃、さらに好ましくは65〜80℃で、金型温度は160〜190℃、より好ましくは175℃で、保持時間は1〜5分、より好ましくは3分で、成形型締圧力は40〜65kg/cm2、より好ましくは45〜60kg/cm2、さらに好ましくは55kg/cm2であるとよい。
圧縮成形法による場合、その成形条件としては、金型温度は140〜170℃、より好ましくは150℃で、保持時間は3〜7分、より好ましくは5分で、成形圧力は60〜150kg/cm2、より好ましくは100kg/cm2であるとよい。
<v>焼成
また、上記焼成は、真空雰囲気中又は窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中といった無酸素状態下で行われる。また、焼成温度は、約500℃から1100℃の温度範囲の中で設定されるとよい。より好ましくは800から900℃の温度まで昇温させるよう設定されるとよい。
焼成・炭化工程における昇温速度、及び炭化後常温まで冷却する冷却速度は、最終製品形態である多孔性炭素材製品にクラック等の問題を生じさせないよう留意する必要がある。
例えば、室温から500℃までは、0.25〜0.45℃/分、より好ましくは0.3℃/分の昇温速度となるように昇温し、500℃で2〜5時間、より好ましくは3時間保持する。その後さらに0.3〜0.5℃/分、より好ましくは0.4℃/分の昇温速度で900℃まで昇温し、900℃達成後2〜5時間、より好ましくは5時間保持する。その後、降温する。
降温は、900〜600℃までは0.3〜0.5℃/分、より好ましくは0.4℃/分の速度で行い、以後は自然冷却で100℃以下まで下げる。
<人形及び置物>
上述した製作法を用いると、硬質多孔性のセラミック素材からなる人形または置物の生地を作製することができる。
本発明では、上記生地を用いて雛人形の頭を製作するとよい。
以下、雛人形の頭を製作する方法を記載する。
成形時に使用する金型を雛人形の頭に合わせた形状とする。上述の製作法により、硬質多孔性の炭素材(ニューセラミック素材)からなる雛人形の頭の生地が作製できる。次に、この生地を雛人形の頭の原形とし、これにガラスの目入れ、胡粉の塗装(ニカワに溶かした胡粉を塗り乾燥させる工程を繰り返す(本発明で得られた生地に対しては該工程を数回繰り返すのが好ましい)。胡粉の地塗り、胡粉の置き上げ、胡粉の中塗り等の工程を有する)、口切りや目あけ等の手彫り、化粧(顔書き)、植毛(髪付け)等を施すと、雛人形の頭(かしら)が出来る。そして、この雛人形の頭(かしら)に、胴を合わせ、衣装と装飾品を着装させれば、雛人形が完成する。
原形を作製した後の上記胡粉の塗装、植毛、化粧等の作業は、従来桐塑頭で行われていたやり方と同じやり方が適用できる。
本発明は、従来桐塑頭の製法において、タネと呼ばれる桐粉を固めて作製していた生地を、麩糠炭等の炭素材を用いて作製した生地に換えたことに特徴がある。この炭素材からなる生地は胡粉との相性がよく、この生地は胡粉の水分を程良く吸収することができるせいか、風合いの良い色合いをだすことができる。また、この生地を用いると、胡粉のつきがよく、きれいに塗装することができるため、これを土台とすればそれ以降の工程において職人が持ち前の腕を十分振るうことができ、趣のある表情豊かな顔の人形を製作することができる。また、この生地を用いた人形は、ひび割れや表面剥離も生じにくくなる。また、この生地は、炭素材であるため焼却できるうえ粉砕して土に埋めると土壌改良材になるため、廃棄が容易でありかつ地球環境にもやさしいものである。また、この生地の材質は子供が口にしても害はなく、この生地を用いた人形を安心して子供に提供することができる。
また、この原形を作製するまでは、金型を使用し一度に生産することができるため、ての工程を職人が手作業で行う桐塑頭に比べコストをかなり下げることができる。さらに、原形作製後、塗装からは、職人が技を発揮することができる手作業工程が入るため、一品製作的な商品価値は維持したままである。また、金型を使用して作製するため、大量生産にも、多品種少量生産にも適用可能である。
尚、本発明の製作法の適用対象として、好適な例として雛人形の頭を挙げたが、本発明は、雛人形の頭に限らず、どのような人形の頭であっても適用可能であり、また頭に限らず人形全体の形状にも適用可能である。また、人形に限らず、動物や建物の形状とした置物に適用することも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
<実施例1>
<i>炭素材準備
油を抽出した脱脂糠を50メッシュの篩に掛け通過したものを用いた。この脱脂糠75重量部と、フェノ−ル樹脂[(株)ホーネンコーポレーション製 豊年レジングル−px−1600(商品名)]25重量部とを充分混練した。揮発分を除去するため、80℃に加熱しながら造粒し、4メッシュの篩を通過した麩糠類粒状素材を得た。ロータリーキルンで窒素ガスを流しながら焼成した。その際のロータリーキルン内の温度は、入り口で700℃、中間800℃、出口900℃になるように炉内温度勾配を掛け、原料が急激に高温に曝されてしまわないように注意した。原料を投入してから炭化焼成品が排出されるまで、少なくとも1時間は炉内に保持され続けるようにした。炉から炭化焼成品を排出し、その後水冷却機によって常温まで冷却した。常温にまで戻した炭化済みの麩糠類粒状素材(米糠炭ともいう)を、粉砕機(アトマイザー)によって粉砕し、その後振盪篩によって選別し100μm以下の粉末状の多孔性炭素材である米糠炭を得た。
<ii>熱硬化性樹脂を含浸、混練り
米糠炭75重量部にワニス状のフェノール樹脂(DIK製リゾール型)25重量部を含浸し、混練りした。
<iii>成形用供試材料の作製
混練り後、約80℃で乾燥させ、揮発分含有量3%以下となるようにした。
次いで、乾燥物を粉砕機(不二パウダル社製、アトマイザーA−75型)で粉砕した。この後、ロータップ型振盪篩器で150μm以下を分級し、この粒分を成形用供試材料とした。
<iv>成形
雛人形の雄雛と雌雛の頭部形状の金型を製作した。上記で得た成形用供試材料を該金型に射出成形し、両雛の頭部の形状の成形品を得た。
射出成形条件は、フェノール樹脂を射出成形材料として使用した場合と同じ条件とした。各条件は、下記のとおりである。
1)スクリュウ温度 40〜80℃
2)金型温度 175℃
3)保持時間 3分
4)成形型締圧力 55kg/cm2
5)成形サイクル 5分
<v>焼成
焼成炉で窒素ガスを流し、無酸素状態にしたうえ、室温から500℃までは、0.3℃/分の昇温速度となるように昇温し、500℃で3時間保持した。その後さらに0.4℃/分の昇温速度で900℃まで昇温し、900℃達成後5時間保持した。その後、降温した。降温は、900〜600℃までは0.4℃/分の速度で行い、以後は自然冷却で100℃以下まで下げた。
この生地を雛人形の頭の原形とし、これにガラスの目入れ、胡粉を塗り、手彫り、化粧、植毛を施すことにより、雛人形の頭(かしら)を完成させた。
<実施例2>
実施例1において成形品を得るために用いた射出成形法を下記に示す条件の圧縮成形法に換えた他は、実施例1と同様にして雛人形の頭(かしら)を得た。
圧縮成形条件を以下に示す。
1)金型温度 150℃
2)保持時間 5分
3)成形圧力 100kg/cm2
4)成形サイクル 10分
実施例1及び2で得られたこれらの雛人形の頭は、顔の色味が良く、趣のある表情に仕上がっていた。また、この生地を使いこの上に胡粉を塗装していく作業を行った職人によると、胡粉のつきがよく塗装がしやすく、数回の塗装できれいな仕上がりの頭が得られるとのことであった。
さらに、これらの雛人形は、ひび割れや表面剥離も生じにくいものであった。

Claims (7)

  1. 有機原料を不活性ガスまたは真空雰囲気中で焼成、炭化することにより得られた炭素材を用い、該炭素材に熱硬化性樹脂を含浸し混練した後、乾燥及び粉砕することにより成形用供試材料を得て、該成形用供試材料を成形することにより得られた成形体を、不活性ガスまたは真空雰囲気中で焼成、炭化することにより、人形または置物の生地を作製し、胡粉を塗装することを特徴とする、人形または置物の製作法。
  2. 前記炭素材が、麩糠類を原料として焼成、炭化することにより得られた麩糠炭であることを特徴とする、請求項1に記載の人形または置物の製作法。
  3. 前記麩糠炭が、米糠炭であることを特徴とする、請求項2に記載の人形または置物の製作法。
  4. 前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の人形または置物の製作法。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の人形または置物の製作法を用いて作製された、胡粉を塗装した雛人形の頭(かしら)の下地。
  6. 請求項5に記載の胡粉を塗装した雛人形の頭(かしら)の下地に、更に、植毛、化粧が施された、雛人形の頭(かしら)。
  7. 請求項6に記載の雛人形の頭(かしら)に、胴を合わせ、衣装と装飾品を着装させた、雛人形。
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