以下、本発明の実施例に係る無断変速機システムを、添付の図面を参考にしながら詳しく説明する。
本発明の原理を図1に基づいて説明する。
前記図1の(a)及び(b)は、公知の技術であるダブルピニオン遊星歯車装置を示す概略図である。
前記ダブルピニオン遊星歯車装置とは、1つの太陽歯車101と多数のキャリア102、第1遊星歯車103、第2遊星歯車104及び1つのリングギア106で構成されており、ここで太陽歯車101と第1遊星歯車103が噛み合い、第1遊星歯車103と第2遊星歯車104が噛み合い、前記第2遊星歯車104とリングギア106が噛み合うものである。
前記図1の(a)及び(b)で、前記太陽歯車101が同一で、第1遊星歯車103も同一であり、第2遊星歯車104も同一である。
ところが、図1の(a)及び(b)で、前記第2遊星歯車104の位置を異にすれば、図1の(a)でリングギア106のピッチ円の半径r1より、図1の(b)でリングギア106のピッチ円の半径r2が大きくなるので、図1の(a)でのリングギアの歯数より図1の(b)でのリングギアの歯数が多くなる。なお、図1の(a)及び(b)で、キャリア102を固定し太陽歯車101へ動力が入力され、前記リングギア106へ動力が出力されるとき、図1の(a)及び(b)での回転比を比べてみれば、図1の(a)での回転比は図1の(b)での回転比より大きい。したがって、前記第2遊星歯車104の位置に応じて回転比が変化することが分かる。
本発明では、前記ダブルピニオン遊星歯車装置の原理を利用して、1つは機関から動力を受ける駆動部Dの変速部にし、もう1つは動力が出力される従動部Fの変速部にする。それぞれの遊星歯車装置でリングギア106の代りにチェーンで第2遊星歯車104の周りに噛み合い駆動部Dと従動部Fを連結したもので、前記第2遊星歯車104を連続的に第1遊星歯車103の周りで公転させることにより、連続的に変速比を得るようにしたものである。
次に、図1の(c)の変速システムI(これに対しては、後で詳しく記述する)を説明する。
前記駆動部Dは、多数の駆動第1遊星歯車103D及び駆動キャリアシャフト102DS、多数の駆動第2遊星歯車104D及び駆動第2遊星歯車シャフト107Dを備える。前記従動部Fは、多数の従動第1遊星歯車103F及び従動キャリアシャフト102FS、多数の従動第2遊星歯車104F及び従動第2遊星歯車シャフト107Fを備える。
前記駆動第1遊星歯車103Dは駆動キャリアシャフト102DS上で自転し、駆動第1遊星歯車103Dと噛み合う駆動第2遊星歯車104Dは、駆動第2遊星歯車シャフト107D上で自転しながら駆動第1遊星歯車103Dの周りを公転し、前記駆動第2遊星歯車104Dの周りの公転半径が変化することになる。したがって、駆動第2遊星歯車104Dと噛み合わされた駆動部Dのチェーン105の半径が連続的に変化しながら、駆動部Dのチェーン105の回転速度が変化することになる。
前記従動部Fの従動第2遊星歯車104Fは、噛み合わされたチェーン105から駆動部Dの動力を受け、前記従動第2遊星歯車104Fは従動第1遊星歯車103Fと噛み合わされ、従動第2遊星歯車シャフト107F上で自転しながら従動第1遊星歯車103Fの周りを公転する。従動第1遊星歯車103Fは、従動キャリアシャフト102FS上で自転する。従動第2遊星歯車104Fが従動第1遊星歯車103Fの周りを公転する時に従動第2遊星歯車104Fの周りの公転半径が変化するので、従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っている従動部Fのチェーン105の半径が連続的に変化することになって変速することになる。
さらに、変速機において、前記チェーン105は、歯形部(tooth)を有しているチェーンまたはベルトのような伝動要素である。前記チェーン105は、駆動第2遊星歯車104Dと従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合い、駆動部Dの動力を従動部Fに伝達する。
前記図1の(c)のような変速システムにおいて、連続的な変速比を得るためには、駆動第2遊星歯車104Dを駆動第1遊星歯車103Dの周りに、前記従動第2遊星歯車104Fを従動第1遊星歯車103Fの周りにそれぞれ公転させるシステムが必要であり、このシステムを変速調整システムという。駆動第2遊星歯車104Dと従動第2遊星歯車104Fに噛み合い、駆動部Dと従動部Fを連結させるチェーン105の駆動部Dでの半径と従動部Fでの半径とが同心になるようにするシステムをガイドコーンシステムという。前記ガイドコーンシステムと変速調整システムを組み合わせてガイドコーンと変速調整システムを構成し、前記変速システムとガイドコーンと変速調整システムを組み合わせて無段変速機システムを構成するのである。
本発明で、変速システムは変速システムI、変速システムII、変速システムIII、変速システムIVの四種類に分類する。変速調整システムは、変速調整システムP1、変速調整システムP2、変速調整システムQ1、変速調整システムQ2、変速調整システムR1、変速調整システムR2の六種類に分類する。ガイドコーンシステムは、ガイドコーンシステムA、ガイドコーンシステムB、ガイドコーンシステムCの三種類に分類する。ガイドコーンと変速調整システムは、ガイドコーンと変速システムP1A−1、P1A−2、P1B、P2A、Q1C−1、Q1C−2、Q2C、R1AC、R2AC−1、R2AC−2の十種類に分類している。無段変速機システムは、無段変速機システムNo.1〜No.32の32種類の例を挙げた。
変速システム
前記変速システムは、第1遊星歯車または第2遊星歯車がステップまたはロングピニオン、即ち、単・複列タイプのピニオンの可否に従い第2遊星歯車に噛み合うチェーンまたはベルトの仕様及び変速比幅を変更することができるので、本発明では変速システムI、変速システムII、変速システムIII、変速システムIVに分類し、図2〜図7を参照しながら説明する。
図2で変速システムIに対し検討してみれば、構成は、駆動部Dと従動部Fのダブルピニオン遊星歯車装置からなり、駆動部Dと従動部Fは、歯形(tooth)のあるチェーン105またはベルトのような伝動要素で連結されている。
駆動部Dの主要構成部品は、駆動太陽歯車101D、右側駆動キャリア102RD及び左側駆動キャリア102LDと一体に連結された駆動キャリアシャフト102DS、駆動第1遊星歯車103D、駆動第2遊星歯車104D、駆動第2遊星歯車シャフト107Dで構成される。駆動キャリアシャフト102DS、駆動第1遊星歯車103D、駆動第2遊星歯車104D、駆動第2遊星歯車シャフト107Dは、多数の対で構成することができる。
従動部Fの主要構成部品は、従動太陽歯車101F、右側従動キャリア102RF及び左側従動キャリア102LFと一体に連結された従動キャリアシャフト102FS、従動第1遊星歯車103F、従動第2遊星歯車104F、従動第2遊星歯車シャフト107Fで構成される。従動キャリアシャフト102FS、従動第1遊星歯車103F、従動第2遊星歯車104F、従動第2遊星歯車シャフト107Fは多数の対で構成することができる。
動力の伝達経路方法は、次の四種類の場合に分類することができる。
場合1:駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSを固定し、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動太陽歯車101Fから出力される場合。
場合2:駆動太陽歯車101Dと従動太陽歯車101Fを固定し、右側駆動キャリア102RDに動力が入力され、右側従動キャリア102RFから出力される場合。
場合3:駆動キャリアシャフト102DSと従動太陽歯車101Fは固定され、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、右側従動キャリア102RFから出力される場合。
場合4:駆動太陽歯車101Dと従動キャリアシャフト102FSが固定され、右側駆動キャリア102RDに動力が入力され、従動太陽歯車101Fから出力される場合。
前記場合1は、図3に示されているように第1実施例に適用するものである。
その動力伝達過程を検討してみれば、次の通りである。
駆動太陽歯車101Dが時計方向に回転するとき、駆動太陽歯車101Dと噛み合わされている駆動第1遊星歯車103Dは駆動キャリアシャフト102DS上で反時計方向に回転し、駆動第1遊星歯車103Dと噛み合っている駆動第2遊星歯車104Dは駆動第2遊星歯車シャフト107D上で時計方向に自転する。駆動第2遊星歯車104Dの周りと従動第2遊星歯車104Fの周りに同時に噛み合っているチェーン105は時計方向に回転し、駆動部Dの動力を従動部Fへ伝達する。
チェーン105に噛み合う従動第2遊星歯車104Fは、従動第2遊星歯車シャフト107F上で時計方向に自転し、従動第2遊星歯車104Fと噛み合っている従動第1遊星歯車103Fは従動キャリアシャフト102FS上で反時計方向に自転する。従動第1遊星歯車103Fと噛み合っている従動太陽歯車101Fは時計方向に回転しながら出力することになる。
次には、前記のような動力伝達過程の中で変速原理を説明する。
駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っているチェーン105の半径が最大であり、従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っているチェーン105の半径が最小であるとき、出力される従動太陽歯車101Fの回転速度が最大となる。このとき、駆動第2遊星歯車シャフト107D上で時計方向に自転している駆動第2遊星歯車104Dを駆動第1遊星歯車103Dの周りで一定の角度だけ時計方向に公転させ、同時に従動第2遊星歯車シャフト107F上で時計方向に自転している従動第2遊星歯車104Fを一定の角度だけ従動第1遊星歯車103Fの周りで時計方向に公転させれば、駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っているチェーン105の半径は小さくなり、従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っているチェーン105の半径は大きくなるので、出力される従動太陽歯車101Fは減速することになる。
駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っているチェーン105の半径が最小であり、従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っているチェーン105の半径が最大であるとき、出力される従動太陽歯車101Fの回転速度は最小となる。このとき、駆動第1遊星歯車103Dと噛み合い駆動第2遊星歯車シャフト107D上で時計方向に自転している駆動第2遊星歯車104Dを駆動第1遊星歯車103Dの周りで一定の角度だけ反時計方向に公転させ、同時に従動第1遊星歯車103Fと噛み合い従動第2遊星歯車シャフト107F上で時計方向に自転している従動第2遊星歯車104Fを従動第1遊星歯車103Fの周りで一定の角度だけ反時計方向に回転させれば、駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っているチェーン105の半径は大きくなり、従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っているチェーン105の半径は小さくなるので、出力される従動太陽歯車101Fは変速することになる。
次に、前記場合2は、第3実施例に適用したものである。
その動力伝達過程を検討してみれば、次の通りである。
駆動太陽歯車101Dと従動太陽歯車101Fは固定されており、入力を伝達された右側駆動キャリア102RDが回転するとき、駆動太陽歯車101Dと噛み合っている駆動第1遊星歯車103Dは駆動キャリアシャフト102DSで自転し、駆動第1遊星歯車103Dと噛み合っている駆動第2遊星歯車104Dは駆動第2遊星歯車シャフト107Dで自転する。駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っているチェーン105は右側駆動キャリア102RDと同じ方向に回転し、駆動部Dの動力を従動部Fへ伝達する。
チェーン105に噛み合う従動第2遊星歯車104Fは従動第2遊星歯車シャフト107Fで自転し、従動第2遊星歯車104Fと噛み合う従動第1遊星歯車103Fは従動キャリアシャフト102FSで自転する。右側従動キャリア102RFはチェーン105と同じ方向に回転しながら出力することになる。
このような第3実施例の動力伝達過程での変速原理は、前記場合1と同様である。
したがって、本発明の変速原理は、動力伝達経路に関係なく同一である。
次に、図4を参照しながら、変速システムIIを説明する。
図2の変速システムIとの相違点は、駆動第2遊星歯車104Dと従動第2遊星歯車104Fをステップまたはロングピニオン(long pinion)の複数列タイプのピニオンを製作して適用したものであって、駆動第1遊星歯車103Dと従動第1遊星歯車103Fに噛み合わない駆動第2遊星歯車104Dと従動第2遊星歯車104Fのそれぞれの左側列(row)のピニオンにチェーンが噛み合うものである。
したがって、前記変速システムIIの特徴は、チェーン105と、チェーン105と噛み合う駆動第2遊星歯車104Dと従動第2遊星歯車104F部の歯形の種類を多様に適用することができ、歯形の設計時に制限される条件(例えば、ピッチ、ねじれ角など)の選択幅を広くすることができる。
なお、変速システムIIの動力伝達過程と変速原理は、変速システムIと同様である。
次に、図5を参照しながら変速システムIIIを説明する。
図2の変速システムIとの構成上の相違点は、駆動第1遊星歯車103Dと従動第1遊星歯車103Fをステップまたはロングピニオンの複数列タイプのピニオンを製作して適用したものであって、駆動第1遊星歯車103Dの右側列のピニオンには駆動太陽歯車101Dと駆動リングギア106Dが噛み合い、その左側列のピニオンには駆動第2遊星歯車104Dが噛み合う。
従動第1遊星歯車103Fの右側列のピニオンには従動太陽歯車101Fと従動リングギア106Fが噛み合い、その左側列のピニオンには従動第2遊星歯車104Fが噛み合う。
駆動第2遊星歯車104Dと従動第2遊星歯車104Fの周りにはチェーン105が噛み合い、駆動部Dの動力を従動部Fへ伝達する。
さらに、図2の変速システムIとの機能上の相違点は、次の通りである。
即ち、駆動第2遊星歯車104D、従動第2遊星歯車104Fがそれぞれ駆動第1遊星歯車103D、従動第1遊星歯車103Fの周りを公転するとき、駆動太陽歯車101D及び従動太陽歯車101Fとの干渉を避けることができるので、変速システムIより公転時に回転される角を大きくすることができる。したがって、駆動第2遊星歯車104D、従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っているチェーン105の半径比を大きくして変速比の幅を大きくすることができる。
さらに、駆動リングギア106Dと従動リングギア106Fの追加により、入力を駆動太陽歯車101Dまたは右側駆動キャリア102RDまたは駆動リングギア106Dにすることができ、出力は従動太陽歯車101Fまたは右側従動キャリア102RFまたは従動リングギア106Fにすることができる。
このような変速システムIIIの変速原理は、変速システムIと同様である。
次に、図6を参照しながら、変速システムIVを説明する。
このような変速システムIVは、図7に示されているように第2実施例に適用したものである。
図5の変速システムIIIにおいて、駆動第2遊星歯車104Dと従動第2遊星歯車104Fをステップまたはロングピニオンの複数列タイプのピニオンを製作して適用したものであって、変速システムIIと変速システムIIIの特徴を全て備えたものである。
したがって、変速システムIに比べ、変速比の幅を大きくすることができ、チェーン105と、チェーン105と噛み合う駆動第2遊星歯車104D、従動第2遊星歯車104Fの歯形を多様に適用することができる。
なお、変速システムIVの変速原理は、変速システムIと同様である。
変速調整システム
前記変速調整システムは、キャリアの回転または停止に応じて変速調整方法を異にしなければならないので、本発明では変速調整システムP1、変速調整システムP2、変速調整システムQ1、変速調整システムQ2、変速調整システムR1、変速調整システムR2に分類し、図8〜図15を参照しながら説明する。
次に、図8を参照しながら、変速調整システムP1を説明する。
前記変速調整システムP1は、図9に示されているように第1実施例に適用したものであって、キャリアが固定される変速システムに適用される変速調整システムである。
構成をみれば、左側調整メインギア202Lと右側調整メインギア202Rは、調整メインシャフト203に一体に連結されている。前記左側調整メインギア202Lは、左側駆動調整太陽歯車204LDと左側従動調整太陽歯車204LFと同時に噛み合っており、右側調整メインギア202Rは、右側駆動調整太陽歯車204RDと右側従動調整太陽歯車204RFと同時に噛み合っている。左側駆動フランジギア205LD、右側駆動フランジギア205RDはそれぞれ左側駆動調整太陽歯車204LD、右側駆動調整太陽歯車204RDに噛み合っている。左側従動フランジギア205LF、右側従動フランジギア205RFはそれぞれ左側従動調整太陽歯車204LF、右側従動調整太陽歯車204RFに噛み合っている。
駆動第2遊星歯車シャフト107Dは、左側駆動フランジギア205LDと右側駆動フランジギア205RDに一体に連結されており、従動第2遊星歯車シャフト107Fは、左側従動フランジギア205LFと右側従動フランジギア205RFに一体に連結されている。
次に、変速調整システムP1の作動方法を説明する。
左側調整メインギア202Lが時計方向に回転すれば、同時に右側調整メインギア202Rも時計方向に回転する。左側調整メインギア202Lと噛み合っている左側駆動調整太陽歯車204LD及び左側従動調整太陽歯車204LFは、それぞれ左側駆動調整太陽歯車シャフト207LD及び左側従動調整太陽歯車シャフト207LF上で反時計方向に自転する。右側調整メインギア202Rと噛み合っている右側駆動調整太陽歯車204RD及び右側従動調整太陽歯車204RFは、それぞれ駆動太陽歯車101Dと一体に形成された駆動太陽歯車シャフト101DS、及び従動太陽歯車101Fと一体に形成された従動太陽歯車シャフト101FS上で反時計方向に自転する。
左側駆動調整太陽歯車204LDと噛み合っている左側駆動フランジギア205LDは、駆動キャリアシャフト102DS上で時計方向に自転し、右側駆動調整太陽歯車204RDと噛み合っている右側駆動フランジギア205RDも駆動キャリアシャフト102DS上で時計方向に自転する。左側駆動フランジギア205LDと右側駆動フランジギア205RDは駆動第2遊星歯車シャフト107Dと一体に連結され、一定の角度だけ同時に回転することになる。
左側従動調整太陽歯車204LFと噛み合っている左側従動フランジギア205LFは、従動キャリアシャフト102FS上で時計方向に自転し、右側従動調整太陽歯車204RFと噛み合っている右側従動フランジギア205RFも、従動キャリアシャフト102FS上で時計方向に自転する。左側従動フランジギア205LFと右側従動フランジギア205RFは従動第2遊星歯車シャフト107Fと一体に連結され、一定の角度だけ同時に回転することになる。
したがって、動力を伝達された左側調整メインギア202Lを時計方向に回転させるとき、駆動第2遊星歯車シャフト107D及び従動第2遊星歯車シャフト107Fは、それぞれ駆動キャリアシャフト102DS及び従動キャリアシャフト102FSを中心軸にして時計方向に一定の角度だけ回転する。左側調整メインギア202Lを反時計方向に回転させるとき、駆動第2遊星歯車シャフト107D及び従動第2遊星歯車シャフト107Fは、それぞれ駆動キャリアシャフト102DS及び従動キャリアシャフト102FSを中心軸に反時計方向に一定の角度だけ回転することになる。
前記のような作動により、駆動第2遊星歯車シャフト107D上で自転している駆動第2遊星歯車104D及び従動第2遊星歯車シャフト107F上で自転している従動第2遊星歯車104Fを、それぞれ駆動第1遊星歯車103D及び従動第1遊星歯車103Fの周りに公転させる。
次に、図10を参照しながら変速調整システムP2を説明する。
このような変速調整システムP2は、前記変速調整システムP1のようにキャリアが固定されている変速システムに適用される。変速調整システムP1を変形したものであって、変速調整システムP1との構成上の相違点は次の通りである。
調整メインシャフト203と右側調整メインギア202Rが削除される。左側駆動調整太陽歯車204LDと右側駆動調整太陽歯車204RDを一体に連結して左側駆動調整太陽歯車シャフト207LD上で自転させる。左側従動調整太陽歯車204LFと右側従動調整太陽歯車204RFを一体に連結して左側従動調整太陽歯車シャフト207LFで自転させたものである。
作動方法は、前記変速調整システムP1と同様である。
次に、図11を参照しながら、変速調整システムQ1を説明する。
このような変速調整システムQ1は、図12に示されているように第3実施例に適用したものであって、キャリアが回転している変速システムに適用される。
先ず、駆動部Dの構成関係を検討してみれば、左側駆動キャリア102LDと右側駆動キャリア102RDに多数の駆動キャリアシャフト102DSを固定させる。それぞれの駆動キャリアシャフト102DS上の左側には左側駆動フランジギア205LDが自転し、右側には右側駆動フランジギア205RDが自転する。左側駆動フランジギア205LDと右側駆動フランジギア205RDは駆動第2遊星歯車シャフト107Dと一体に連結する。
全ての左側駆動フランジギア205LDは左側駆動調整太陽歯車204LDと噛み合い、右側駆動フランジギア205RDは右側駆動調整太陽歯車204RDに噛み合う。
左側駆動調整太陽歯車204LDと右側駆動調整太陽歯車204RDの中心と、キャリア102の回転中心は一致する。前記中心線の左側端には左側駆動調整スクリュー232LDを固定し、右側端には右側駆動調整スクリュー232RDを固定させる。
左側駆動調整スクリュー232LDと左側駆動調整スライダ233LDは左巻きスクリューで組み立てられ、右側駆動調整スクリュー232RDと右側駆動調整スライダ233RDは右巻きスクリューで組み立てられている。左側駆動ヘリカルスライダ234LDは外径の両側面にそれぞれ調整スラスト軸受231を位置させて左側駆動調整スライダ233LD内に組み立てられている。右側駆動ヘリカルスライダ234RDは外径の両側面にそれぞれ調整スラスト軸受を位置させて右側駆動調整スライダ233RD内に組み立てられる。左側駆動調整スライダ233LD、右側駆動調整スライダ233RDが軸方向に移動するとき、左側駆動ヘリカルスライダ234LD、右側駆動ヘリカルスライダ234RDの回転は自在である。
左側駆動ヘリカルスライダ234LDと左側駆動キャリア102LDはスプラインで連結されて軸方向にスライディングさせ、左側駆動ヘリカルスライダ234LDと左側駆動調整太陽歯車204LDはヘリカルギアタイプに互いに噛み合う。
右側駆動ヘリカルスライダ234RDと右側駆動キャリア102RDはスプラインで連結されて軸方向にスライディングすることになり、右側駆動ヘリカルスライダ234RDと右側駆動調整太陽歯車204RDはヘリカルギアタイプに7互いに噛み合う。
左側駆動ヘリカルスライダ234LD、右側駆動ヘリカルスライダ234RDがそれぞれ左側駆動キャリア102LD、右側駆動キャリア102RDの軸方向への移動時に、左側駆動調整太陽歯車204LD、右側駆動調整太陽歯車204RDは自転する。このとき、左側駆動調整太陽歯車204LDと右側駆動調整太陽歯車204RDの自転方向は常に一致する。
なお、前記駆動部Dと同様に従動部Fを構成する。
左側調整メインギア202Lと右側調整メインギア202Rは、調整メインシャフト203に固定する。左側調整メインギア202Lは、左側駆動調整スライダ233LD及び左側従動調整スライダ233LFと同時に噛み合い、右側調整メインギア202Rは、右側駆動調整スライダ233RD及び右側従動調整スライダ233RFと同時に噛み合う。
次に、変速調整システムQ1の作動方法を説明する。
モータ301から動力を伝達された左側調整メインギア202Lが時計方向に回転するとき右側調整メインギア202Rも時計方向に回転する。左側調整メインギア202Lと噛み合っている左側駆動調整スライダ233LD及び左側従動調整スライダ233LFは、反時計方向に回転し、右側調整メインギア202Rと噛み合っている右側駆動調整スライダ233RD及び右側従動調整スライダ233RFも反時計方向に回転する。
このとき、左側駆動調整スライダ233LDは軸方向の左側に、右側駆動調整スライダ233RDは軸方向の右側に移動する。左側従動調整スライダ233LFは、軸方向の右側に、右側従動調整スライダ233RFは、軸方向の左側に移動する。同時に、左側駆動ヘリカルスライダ234LDは、左側駆動キャリア102LDとともに回転しながら軸方向の左側に移動する。右側駆動ヘリカルスライダ234RDは右側駆動キャリア102RDとともに回転しながら軸方向の右側に移動する。ヘリカルギアで噛み合っている左側駆動ヘリカルスライダ234LD及び左側駆動調整太陽歯車204LD、並びに右側駆動ヘリカルスライダ234RD及び右側駆動調整太陽歯車204RDは、ヘリカルギアのねじれ角だけ左側駆動調整太陽歯車204LD及び右側駆動調整太陽歯車204RDを反時計方向に回転させる。駆動第2遊星歯車シャフト107Dと一体に連結された左側駆動フランジギア205LD及び右側駆動フランジギア205RDは、時計方向に回転する。
さらに、左側従動ヘリカルスライダ234LFは、左側従動キャリア102LFとともに回転しながら軸方向の右側に移動する。右側従動ヘリカルスライダ234RFは、右側従動キャリア102RFとともに回転しながら軸方向の左側に移動する。左側従動調整太陽歯車204LF及び右側従動調整太陽歯車204RFを反時計方向に回転し、従動第2遊星歯車シャフト107Fと一体に連結された左側従動フランジギア205LF及び右側従動フランジギア205RFは、時計方向に回転する。
次に、図13を参照しながら変速調整システムQ2を説明する。
このような変速調整システムQ2は、図11の変速調整システムQ1を変更したもので、構成上の相違点は次の通りである。
変速調整システムQ1から駆動部Dの右側駆動調整スクリュー232RD、右側駆動調整スライダ233RD、右側駆動ヘリカルスライダ234RD、調整スラスト軸受231を除く。従動部Fの右側従動調整スクリュー232RF、右側従動調整スライダ233RF、右側従動ヘリカルスライダ234RF、調整スラスト軸受231を除き、調整メインシャフト203及び右側調整メインギア202Rを除いたものである。
ここで、右側駆動調整太陽歯車204RDは、左側駆動調整太陽歯車204LDと一体に連結し、右側従動調整太陽歯車204RFは、左側従動調整太陽歯車204LFと一体に連結する。
変速調整システムQ2の作動方法を説明すれば、次の通りである。
調整モータ301から動力が伝達された左側調整メインギア202Lが時計方向に回転するとき、左側調整メインギア202Lと噛み合っている左側駆動調整スライダ233LD及び左側従動調整スライダ233LFは、反時計方向に回転する。左側駆動調整スライダ233LDと左側駆動調整スクリュー232LDは、左巻きスクリューに組み立てられているので、左側駆動調整スライダ233LDは、軸方向の左側に移動する。左側従動調整スライダ233LFと左側従動調整スクリュー232LFは、右巻きスクリューで組み立てられているので、左側従動調整スライダ233LFは、軸方向の右側に移動する。
左側駆動調整スライダ233LDにより、左側駆動キャリア102LDとともに回転している左側駆動ヘリカルスライダ234LDは、軸方向の左側に移動する。左側従動調整スライダ233LFにより左側従動キャリア102LFとともに回転している左側従動ヘリカルスライダ234LFは、軸方向の右側に移動する。
左側駆動ヘリカルスライダ234LDとヘリカルギアで噛み合っている左側駆動調整太陽歯車204LDは、ヘリカルギアのねじれ角だけ反時計方向に回転する。
左側従動ヘリカルスライダ234LFとヘリカルギアで噛み合っている左側従動調整太陽歯車204LFは、ヘリカルギアのねじれ角だけ反時計方向に回転する。
左側駆動調整太陽歯車204LDと右側駆動調整太陽歯車204RDは、一体に連結されて反時計方向に回転し、同時に駆動第2遊星歯車シャフト107Dは、左側駆動フランジギア205LDと右側駆動フランジギア205RDに一体に連結されて時計方向に回転する。
さらに、左側従動調整太陽歯車204LFと右側従動調整太陽歯車204RFは、一体に連結されて反時計方向に回転し、同時に従動第2遊星歯車シャフト107Fは、左側従動フランジギア205LFと右側従動フランジギア205RFに一体に連結されて時計方向に回転する。
次に、図14を参照しながら変速調整システムR1を説明する。
このような変速調整システムR1は、図10の変速調整システムP2の駆動部Dと図13の変速調整システムQ2の従動部Fを結合したもので、変速システムの中で駆動部Dと従動部Fのうち1つはキャリアが固定されており、他の1つはキャリアの回転時に適用する。
左側調整メインギア202Lは、左側駆動調整太陽歯車204LDと左側従動調整スライダ233LFに同時に噛み合っている。
作動方法は、左側調整メインギア202Lが時計方向に回転するとき左側駆動調整太陽歯車204LDは、反時計方向に回転し、左側駆動調整太陽歯車204LDと一体に連結された右側駆動調整太陽歯車204RDも反時計方向に回転する。左側駆動調整太陽歯車204LDと右側駆動調整太陽歯車204RDにそれぞれ噛み合っている左側駆動フランジギア205LDと右側駆動フランジギア205RDは、駆動第2遊星歯車シャフト107Dと一体に連結されて時計方向に回転する。
さらに、左側調整メインギア202Lが時計方向に回転するとき、従動部Fの作動方法は、図13の変速調整システムQ2の従動部Fの作動方法と同様である。
次に、図15を参照しながら変速調整システムR2を説明する。
変速調整システムR1のように、変速システムの中で駆動部Dと従動部Fのうち1つは、固定キャリアに適用し、他の1つは回転キャリアに適用したものである。
図8の変速調整システムP1の駆動部Dと図11の変速調整システムQ1の従動部Fとを結合したものである。左側調整メインギア202Lと右側調整メインギア202Rは、メイン調整シャフト203により一体に連結されており、左側調整メインギア202Lには左側駆動調整太陽歯車204LDと左側従動調整スライダ233LFが同時に噛み合っている。右側調整メインギア202Rには右側駆動調整太陽歯車204RDと右側従動調整スライダ233RFが同時に噛み合っている。
作動方法は、左側調整メインギア202Lが時計方向に回転するとき、駆動部Dの作動方法は、変速調整システムP1と同様であり、従動部Fの作動方法は変速調整システムQ1と同様である。
ガイドコーンシステム
前記ガイドコーンシステムは、チェーンまたはベルトのような伝動要素が回転するとき回転半径の同心円を維持させるためのものであり、ガイドコーンシステムA、ガイドコーンシステムB、ガイドコーンシステムCに分類して、図16〜図25を参照しながら説明する。
先ず、ガイドコーンシステムAを図16〜図18を参照しながら説明する。
前記ガイドコーンシステムAとは、駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSが固定されている変速システムに適用されるものである。図16は、左側駆動ガイドコーン251LD、右側駆動ガイドコーン251RD、左側従動ガイドコーン251LF、右側従動ガイドコーン251RFを示すものであり、左側駆動ガイドコーン251LDは、左側駆動調整太陽歯車204LDに、右側駆動ガイドコーン251RDは右側駆動調整太陽歯車204RDに、左側従動ガイドコーン251LFは、左側従動調整太陽歯車204LFに、右側従動ガイドコーン251RFは右側従動調整太陽歯車204RFにそれぞれ組み立てられている。図17は、ガイドコーンシステムAの第1実施例の組立断面図であり、図18は、ガイドコーンシステムAの部品図である。
次に、図18を参照しながら、ガイドコーンシステムAを説明する。
左側駆動ガイドコーン251LDと右側従動ガイドコーン251RFの内径は、左巻きスクリューで加工されており、右側駆動ガイドコーン251RDと左側従動ガイドコーン251LFの内径は右巻きスクリューで加工されている。
前記全てのガイドコーンは、共通してチェーン105と接触する部分が一定の傾斜角をなすコーンで加工されている。ガイドコーンには、駆動第2遊星歯車シャフト107Dまたは従動第2遊星歯車シャフト107Fが移動するとき邪魔されないように一定の角度だけ多数の円弧形の溝が形成される。駆動キャリアシャフト102DSまたは従動キャリアシャフト102FSと組み立てられている部分は、ガイド溝が加工されているため、前記ガイドコーンの回転を防止する。
図17を参照すれば、右側駆動ガイドコーン251RDは、右側駆動調整太陽歯車204RDに右巻きスクリューで組み立てられており、左側駆動ガイドコーン251LDは、左側駆動調整太陽歯車204LDに左巻きスクリューで組み立てられる。前記ガイドコーン251RD、251LDは、駆動部Dのチェーン105の両側に設けられ、チェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
さらに、右側従動ガイドコーン251RFは右側従動調整太陽歯車204RFに左巻きスクリューで組み立てられており、左側従動ガイドコーン251LFは左側従動調整太陽歯車204LFに右巻きスクリューで組み立てられる。前記ガイドコーン251RD、251LDは、従動部Fのチェーン105の両側に設けてチェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
調整メインシャフト203のスプラインで一体に連結された左側調整メインギア202Lと右側調整メインギア202Rが時計方向に回転するとき、左側調整メインギア202Lと噛み合っている左側駆動調整太陽歯車204LDは、反時計方向に回転し、左側駆動調整太陽歯車204LDと噛み合っている左側駆動フランジギア205LDは、時計方向に回転する。左側駆動調整太陽歯車204LDと左巻きスクリューで組み立てられている左側駆動ガイドコーン251LDは軸方向の左側に移動することになる。さらに、右側調整メインギア202Rと噛み合っている右側駆動調整太陽歯車204RDは、反時計方向に回転し、右側駆動調整太陽歯車204RDと噛み合っている右側駆動フランジギア205RDは、時計方向に回転する。右側駆動調整太陽歯車204RDと右巻きスクリューで組み立てられている右側駆動ガイドコーン251RDは、軸方向の右側に移動することになる。
前記左側駆動フランジギア205LDと右側駆動フランジギア205RDは駆動第2遊星歯車シャフト107Dと一体に連結される。駆動第2遊星歯車シャフト107Dが時計方向に回転することになり、駆動第2遊星歯車シャフト107D上で自転している駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っている駆動部Dのチェーン105の半径が小さくなる。同時に右側駆動ガイドコーン251RDは軸方向で右側に移動し、左側駆動ガイドコーン251LDは、軸方向で左側に移動して両方のガイドコーンの間の幅が広くなる。
したがって、駆動部Dのチェーン105の半径の大きさに応じて、左側駆動ガイドコーン251LDと右側駆動ガイドコーン251RDは、自動にチェーン105の両側面で接触幅を一定に維持したままチェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
一方、左側調整メインギア202Lと右側調整メインギア202Rが時計方向に回転するとき、左側調整メインギア202Lと噛み合っている左側従動調整太陽歯車204LFは、反時計方向に回転し、左側従動調整太陽歯車204LFと噛み合っている左側従動フランジギア205LFは、時計方向に回転する。左側従動調整太陽歯車204LFと右巻きスクリューで組み立てられている左側従動ガイドコーン251LFは、軸方向で右側に移動することになる。右側調整メインギア202Rと噛み合っている右側従動調整太陽歯車204RFは、反時計方向に回転し、右側従動調整太陽歯車204RFと噛み合っている右側従動フランジギア205RFは時計方向に回転する。右側従動調整太陽歯車204RFと左巻きスクリューで組み立てられている右側従動ガイドコーン251RFは、軸方向で左側に移動することになる。
前記左側従動フランジギア205LFと右側従動フランジギア205RFは、従動第2遊星歯車シャフト107Fと一体に連結される。従動第2遊星歯車シャフト107Fが時計方向に回転することになり、従動第2遊星歯車シャフト107F上で自転している従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っている従動部Fのチェーン105の半径が大きくなる。同時に右側従動ガイドコーン251RFは、軸方向で左側に移動し、左側従動ガイドコーン251LFは、軸方向で右側に移動して両方のガイドコーンの間の幅が小さくなる。
したがって、従動部Fのチェーンの半径の大きさに応じて、左側従動ガイドコーン251LFと右側従動ガイドコーン251RFは、自動にチェーン105の両側面で接触幅を一定に維持したままチェーン105の半径が維持されるようにする。
次に、前記ガイドコーンシステムBを図19〜図22を参照しながら説明する。
ガイドコーンシステムBとは、駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSが固定されている変速システムに適用されるものである。図19は、左側駆動ガイドコーン251LD、右側駆動ガイドコーン251RD、左側従動ガイドコーン251LF、右側従動ガイドコーン251RFを示すものであり、右側駆動ガイドコーン251RDと左側従動ガイドコーン251LFは固定される。左側駆動ガイドコーン251LDは、左側駆動調整太陽歯車204LDに組み立てられ、右側従動ガイドコーン251RFは、左側従動調整太陽歯車204LFに組み立てられるものである。図20は第2実施例に適用されたガイドコーンシステムBの組立断面図であり、図21及び図22はガイドコーンシステムBの部品図である。
図21及び図22を参照すれば、左側駆動ガイドコーン251LDと右側従動ガイドコーン251RFの内径はそれぞれ左巻きスクリューで加工されている。
左側駆動ガイドコーン251LD、右側駆動ガイドコーン251RD、左側従動ガイドコーン251LF、右側従動ガイドコーン251RFは、共通してチェーン105と接触する部分が一定の傾斜角をなすコーンで加工されている。左側駆動ガイドコーン251LDと左側従動ガイドコーン251LFには、それぞれ左側駆動フランジギアシャフト206LDと左側従動フランジギアシャフト206LFの軸の中心を基準に一定の角度だけ多数の円弧形の溝が形成されている。この溝の大きさは、第2遊星歯車シャフト107D、107Fの軸径より大きくして第2遊星歯車シャフト107D、107Fが回転するとき邪魔されないようにする。
右側駆動ガイドコーン251RDと右側従動ガイドコーン251RFには、それぞれ駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSの軸の中心を基準に一定の角度だけ多数の円弧形の溝が形成されている。この溝の大きさは、第2遊星歯車104D、104Fの軸径より大きくして第2遊星歯車104D、104Fがそれぞれ第1遊星歯車103D、103Fの周りを公転するとき邪魔されないようにする。
左側駆動ガイドコーン251LDと右側従動ガイドコーン251RFは、それぞれ駆動ガイドバー252Dと従動ガイドバー252Fに組み立てられ、回転せずに軸方向に移動するように溝が加工されている。
図20を参照すれば、右側駆動ガイドコーン251RDはセンターケース15にスプラインで固定されており、左側駆動ガイドコーン251LDは、左側駆動調整太陽歯車204LDに左巻きスクリューで組み立てられている。右側駆動ガイドコーン251RDと左側駆動ガイドコーン251LDは、駆動部Dのチェーン105の両側に設けられ、チェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
左側従動ガイドコーン251LFは、左側ケース13にスプラインで固定されており、右側従動ガイドコーン251RFは、左側従動調整太陽歯車204LFに左巻きスクリューで組み立てられている。右側従動ガイドコーン251RFと左側従動ガイドコーン251LFは、従動部Fのチェーン105の両側に設けられ、チェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
左側調整メインギア202Lが時計方向に回転するとき、左側駆動調整太陽歯車204LDは、反時計方向に回転する。左側駆動調整太陽歯車204LDと左巻きスクリューで組み立てられている左側駆動ガイドコーン251LDは、軸方向で左側に移動することになる。右側駆動ガイドコーン251RDはセンターケース15にスプラインで固定されているので、左側駆動ガイドコーン251LDと右側駆動ガイドコーン251RDの幅は大きくなる。
したがって、駆動部Dのチェーン105の半径の変化に伴い、左側駆動ガイドコーン251LDと右側駆動ガイドコーン251RDは、自動にチェーン105の両側面で接触幅を一定に維持したままチェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
一方、左側調整メインギア202Lが時計方向に回転するとき、左側従動調整太陽歯車204LFと左巻きスクリューで組み立てられている右側従動ガイドコーン251RFは、軸方向で左側に移動することになる。左側従動ガイドコーン251LFは、左側ケース13にスプラインで固定されているので、左側従動ガイドコーン251LFと右側従動ガイドコーン251RFの幅は小さくなる。
したがって、従動部Fのチェーン105の半径の変化に伴い、左側従動ガイドコーン251LFと右側従動ガイドコーン251RFは、自動にチェーン105の両側面で接触幅を一定に維持したままチェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
次に、前記ガイドコーンシステムCを図23〜図25を参照しながら説明する。
図24は第3実施例のガイドコーンシステムCの組立図であり、図25はガイドコーンシステムCの部品図である。
前記ガイドコーンシステムCとは、キャリア102が回転している変速システムに適用されるガイドコーンシステムを称するものである。図23に示されているように、左側駆動ガイドコーン251LDは、左側駆動調整太陽歯車204LDに左巻きスクリューで組み立てられており、右側駆動ガイドコーン251RDは、右側駆動調整太陽歯車204RDに右巻きスクリューで組み立てられて駆動部Dのチェーン105の両側面に設けられる。
左側従動ガイドコーン251LFは、左側従動調整太陽歯車204LFに右巻きスクリューで組み立てられており、右側従動ガイドコーン251RFは、右側従動調整太陽歯車204RFに左巻きスクリューで組み立てられ、従動部Fのチェーン105の両側面に設けられる。
図25に示されているように、前記全てのガイドコーンは共通してチェーン105と接触する部分が一定の傾斜角をなすコーンで加工されている。駆動第2遊星歯車シャフト107Dまたは従動第2遊星歯車シャフト107Fが移動するとき邪魔されないように一定の角度だけ多数の円弧形の溝が形成されている。駆動キャリアシャフト102DSまたは従動キャリアシャフト102FSと組み立てられる部分は、ガイド溝が加工されているので、前記ガイドコーンの軸方向への往復運動を可能にする。
図24を参照すれば、左側駆動調整太陽歯車204LD、右側駆動調整太陽歯車204RD、左側従動調整太陽歯車204LF、右側従動調整太陽歯車204RFが同時に反時計方向に回転するとき、左側駆動フランジギア205LDと右側駆動フランジギア205RDは、駆動第2遊星歯車シャフト107Dと一体に連結されて時計方向に回転することになる。駆動第2遊星歯車シャフト107D上で自転している駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っている駆動部Dのチェーン105の半径が小さくなる。左側駆動ガイドコーン251LDは、軸方向の左側に移動し、右側駆動ガイドコーン251RDは、軸方向の右側に移動し、両方のコーンの間の幅が大きくなる。したがって、駆動部Dのチェーン105の半径の大きさに応じて、左側駆動ガイドコーン251LDと右側駆動ガイドコーン251RDは、駆動部Dのチェーン105の両側面に接触幅を一定に維持したままチェーン105の半径が維持されるように設けられる。
これと同時に、左側従動フランジギア205LFと右側従動フランジギア205RFは、従動第2遊星歯車シャフト107Fと一体に連結されて時計方向に回転することになる。従動第2遊星歯車シャフト107F上で自転している従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っている従動部Fのチェーン105の半径が大きくなる。左側従動ガイドコーン251LFは、軸方向の右側に移動し、右側従動ガイドコーン251RFは、軸方向の左側に移動して両方のコーンの間の幅が小さくなる。したがって、従動部Fのチェーン105の半径の大きさに応じて、左側従動ガイドコーン251LFと右側従動ガイドコーン251RFは、従動部Fのチェーン105の両側面に接触幅を一定に維持したままチェーン105の半径が維持されるように設けられる。
ガイドコーンと変速調整システム
前記ガイドコーンと変速調整システムは、ガイドコーンシステムと変速調整システムの結合方法に従い、ガイドコーンと変速調整システムP1A−1、ガイドコーンと変速調整システムP1A−2、ガイドコーンと変速調整システムP1B、ガイドコーンと変速調整システムP2A、ガイドコーンと変速調整システムQ1C−1、ガイドコーンと変速調整システムQ1C−2、ガイドコーンと変速調整システムQ2C、ガイドコーンと変速調整システムR1AC、ガイドコーンと変速調整システムR2AC−1、ガイドコーンと変速調整システムR2AC−2に分類し、図26〜図35を参照しながら説明する。
次に、図26を参照しながらガイドコーンと変速調整システムP1A−1を説明する。
前記ガイドコーンと変速調整システムP1A−1は、図8の変速調整システムP1と図16のガイドコーンシステムAとを組み合わせたものである。
左側駆動調整太陽歯車204LDと左側駆動ガイドコーン251LDは、左巻きスクリューで組み立てられ、右側駆動調整太陽歯車204RDと右側駆動ガイドコーン251RDは、右巻きスクリューで組み立てる。左側従動調整太陽歯車204LFと左側従動ガイドコーン251LFは、右巻きスクリューで組み立てられ、右側従動調整太陽歯車204RFと右側従動ガイドコーン251RFは、左巻きスクリューで組み立てられる。
調整メインシャフト203と一体に連結された左側調整メインギア202Lと右側調整メインギア202Rが時計方向に回転するとき、左側駆動調整太陽歯車204LD、右側駆動調整太陽歯車204RD、左側従動調整太陽歯車204LF、右側従動調整太陽歯車204RFは、反時計方向に自転する。このとき、左側駆動ガイドコーン251LDは左側に移動し、右側駆動ガイドコーン251RDは右側に移動して両方のコーンの間の幅が大きくなる。左側従動ガイドコーン251LFは右側に移動し、右側従動ガイドコーン251RFは、左側に移動して両方のコーンの間の幅が小さくなる。
さらに、左側駆動フランジギア205LD及び右側駆動フランジギア205RDと一体に連結された駆動第2遊星歯車シャフト107Dは時計方向に回転し、駆動第2遊星歯車シャフト107Dで自転している駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っているチェーン105の半径が小さくなる。
一方、左側調整メインギア202Lと右側調整メインギア202Rが反時計方向に回転するとき、前記作動内容と逆に作動する。したがって、チェーン105の半径に応じて左側駆動ガイドコーン251LDと右側駆動ガイドコーン251RDの間はチェーン105の幅だけ維持しながら、駆動部Dでチェーン105の半径が同心を維持するようにする。
左側従動フランジギア205LF、右側従動フランジギア205RFと一体に連結された従動第2遊星歯車シャフト107Fも時計方向に回転し、従動第2遊星歯車シャフト107F上で自転している従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っているチェーン105の回転半径が大きくなる。
一方、左側調整メインギア202Lと右側調整メインギア202Rが反時計方向に回転するとき、前記作動内容と逆に作動する。したがって、チェーン105の半径に応じて左側従動ガイドコーン251LFと右側従動ガイドコーン251RFの間はチェーン105の幅だけ維持しながら、従動部Fでチェーン105の半径が同心を維持するようにする。
次に、図27を参照しながらガイドコーンと変速調整システムP1A−2を説明する。
このようなガイドコーンと変速調整システムP1A−2と図26のガイドコーンと変速調整システムP1A−1との構成上の相違点は、左側駆動ガイドコーン251LDと右側駆動ガイドコーン251RDを左側駆動調整太陽歯車204LDに組み立てて、左側従動ガイドコーン251LFと右側従動ガイドコーン251RFを左側従動調整太陽歯車204LFに組み立てたことである。
左側駆動ガイドコーン251LDと右側従動ガイドコーン251RFは、左巻きスクリューで組み立てられ、右側駆動ガイドコーン251RDと左側従動ガイドコーン251LFは、右巻きスクリューで組み立てられたものである。作動方法は、前記ガイドコーンと変速システムP1A−1と同様である。
次に、図28を参照しながらガイドコーンと変速調整システムP1Bを説明する。
このようなガイドコーンと変速調整システムP1Bは、第2実施例に適用したものであって、図8の変速調整システムP1と図19のガイドコーンシステムBとを組み合わせたものである。
右側駆動ガイドコーン251RDと左側従動ガイドコーン251LFを固定させる。左側駆動ガイドコーン251LDは、左側駆動調整太陽歯車204LDに左巻きスクリューで組み立てて、右側従動ガイドコーン251RFは、左側従動調整太陽歯車204LFに左巻きスクリューで組み立てたものである。
左側調整メインギア202Lを時計方向に回転させると、左側駆動調整太陽歯車204LDと左側従動調整太陽歯車204LFは反時計方向に回転し、左側駆動ガイドコーン251LDと右側従動ガイドコーン251RFは、軸方向の左側に移動する。このとき、左側駆動ガイドコーン251LDと右側駆動ガイドコーン251RDの間の幅は大きくなり、左側従動ガイドコーン251LFと右側従動ガイドコーン251RFの間の幅は小さくなる。なお、左側調整メインギア202Lを反時計方向に回転させると、前記作動内容と逆に作動する。
したがって、チェーン105の半径に応じて、左側駆動ガイドコーン251LDと右側駆動ガイドコーン251RDの間、及び左側従動ガイドコーン251LFと右側従動ガイドコーン251RFの間は、チェーン105の幅だけ維持しながら対応され、チェーン105の半径の同心が維持されるようにする。
次に、図29を参照しながらガイドコーンと変速調整システムP2Aを説明する。
このようなガイドコーンと変速調整システムP2Aは、図10の変速調整システムP2と図16のガイドコーンシステムAとを組み合わせたものである。
一体に連結された左側駆動調整太陽歯車204LDと右側駆動調整太陽歯車204RDにおいて、左側駆動調整太陽歯車204LD側に左側駆動ガイドコーン251LDを左巻きスクリューで組み立てて、右側駆動調整太陽歯車204RD側には右側駆動ガイドコーン251RDを右巻きスクリューで組み立てる。一体に連結された左側従動調整太陽歯車204LFと右側従動調整太陽歯車204RFにおいて、左側従動調整太陽歯車204LF側には左側従動ガイドコーン251LFを右巻きスクリューで組み立てて、右側従動調整太陽歯車204RF側には右側従動ガイドコーン251RFを右巻きスクリューで組み立てる。
左側調整メインギア202Lが時計方向に回転するとき、左側駆動調整太陽歯車204LDと右側駆動調整太陽歯車204RDは反時計方向に回転し、左側駆動ガイドコーン251LDは軸方向の左側に移動し、右側駆動ガイドコーン251RDは軸方向の右側に移動し、両方のコーンの間の幅が大きくなる。同時に、左側従動調整太陽歯車204LFと右側従動調整太陽歯車204RFは反時計方向に回転し、左側従動ガイドコーン251LFは軸方向の右側に移動し、右側従動ガイドコーン251RFは軸方向の左側に移動して両方のコーンの間の幅が小さくなる。一方、左側調整メインギア202Lが反時計方向に回転するとき、前記作動内容と逆に作動する。
次に、図30を参照しながらガイドコーンと変速調整システムQ1C−1を説明する。
このようなガイドコーンと変速調整システムQ1C−1は、第3実施例に適用したもので、さらにキャリアが回転している変速システムに適用したものであって、図11の変速調整システムQ1と図23のガイドコーンシステムCとを組み合わせたものである。
変速調整システムQ1において、左側駆動調整太陽歯車204LDに左側駆動ガイドコーン251LDを左巻きスクリューで組み立てて、右側駆動調整太陽歯車204RDに右側駆動ガイドコーン251RDを右巻きスクリューで組み立てる。
左側従動調整太陽歯車204LFに左側従動ガイドコーン251LFを右巻きスクリューで組み立てて、右側従動調整太陽歯車204RFに右側従動ガイドコーン251RFを左巻きスクリューで組み立てる。
変速調整システムQ1により左側駆動調整太陽歯車204LDと右側駆動調整太陽歯車204RDが同時に反時計方向に回転し、左側駆動ガイドコーン251LDは軸方向の左側に移動し、右側駆動ガイドコーン251RDは軸方向の右側に移動して両方のガイドコーンの間の幅が大きくなる。左側従動調整太陽歯車204LFと右側従動調整太陽歯車204RFが同時に反時計方向に回転すれば、左側従動ガイドコーン251LFは軸方向の右側に移動し、右側従動ガイドコーン251RFは軸方向の左側に移動して両方のガイドコーンの間の幅は小さくなる。
一方、左側駆動調整太陽歯車204LD、右側駆動調整太陽歯車204RD及び左側駆動調整太陽歯車204LF、右側従動調整太陽歯車204RFを時計方向に回転するとき、前記作動内容と逆に作動する。
次に、図31を参照しながらガイドコーンと変速調整システムQ1C−2を説明する。
このようなガイドコーンと変速調整システムQ1C−2は、変速調整システムQ1とガイドコーンシステムCとを組み合わせたものであって、キャリアが回転している変速システムに適用する。
前記ガイドコーンと変速調整システムQ1C−2と図30のガイドコーンと変速調整システムQ1C−1との構成上の相違点は、次の通りである。
即ち、左側駆動調整太陽歯車204LDに左側駆動ガイドコーン251LDは、左巻きスクリューで組み立て、右側駆動ガイドコーン251RDは、右巻きスクリューで組み立てる。左側従動調整太陽歯車204LFに左側従動ガイドコーン251LFは、右巻きスクリューで組み立て、右側従動ガイドコーン251RFは、左巻きスクリューで組み立てる。
その作動方法は、図30のガイドコーンと変速調整システムQ1C−1と同様である。
次に、図32を参照しながらガイドコーンと変速調整システムQ2Cを説明する。
前記ガイドコーンと変速調整システムQ2Cは、図13の変速調整システムQ2と図23のガイドコーンシステムCとを組み合わせたものであって、キャリアが回転している変速システムに適用したものである。
変速調整システムQ2で一体に連結された左側駆動調整太陽歯車204LDと右側駆動調整太陽歯車204RDにおいて、左側駆動調整太陽歯車204LD側には左側駆動ガイドコーン251LDを左巻きスクリューで組み立て、右側駆動調整太陽歯車204RD側には右側駆動ガイドコーン251RDを右巻きスクリューで組み立てる。さらに、一体に連結された左側従動調整太陽歯車204LFと右側従動調整太陽歯車204RFにおいて、左側従動調整太陽歯車204LF側には左側従動ガイドコーン251LFを右巻きスクリューで組み立て、右側従動調整太陽歯車204RF側には右側従動ガイドコーン251RFを左巻きスクリューで組み立てる。
変速調整システムQ2でのように、一体に連結された左側駆動調整太陽歯車204LDと右側駆動調整太陽歯車204RDが反時計方向に回転すれば、左側駆動ガイドコーン251LDは軸方向の左側に移動し、右側駆動ガイドコーン251RDは軸方向の右側に移動して両方のガイドコーンの間の幅が大きくなる。
さらに、一体に連結された左側従動調整太陽歯車204LFと右側従動調整太陽歯車204RFが反時計方向に回転すれば、前記左側従動ガイドコーン251LFは軸方向の右側に移動し、右側従動ガイドコーン251RFは軸方向の左側に移動して両方のガイドコーンの間の幅が小さくなる。
次に、図33を参照しながらガイドコーンと変速調整システムR1ACを説明する。
このようなガイドコーンと変速調整システムR1ACは、図14の変速調整システムR1でキャリアが固定されている駆動部DにはガイドコーンシステムAを適用し、キャリアが回転している従動部FにはガイドコーンシステムCを適用したものである。
このようなガイドコーンと変速調整部の結合構成を検討してみれば、変速調整システムR1の一体に連結された左側駆動調整太陽歯車204LDと右側駆動調整太陽歯車204RDにおいて、左側駆動調整太陽歯車204LD側には左側駆動ガイドコーン251LDを左巻きスクリューで組み立て、右側駆動調整太陽歯車204RD側には右側駆動ガイドコーン251RDを右巻きスクリューで組み立てる。一方、一体に連結された左側従動調整太陽歯車204LFと右側従動調整太陽歯車204RFにおいて、左側従動調整太陽歯車204LF側には左側従動ガイドコーン251LFを右巻きスクリューで組み立て、右側従動調整太陽歯車204RF側には右側従動ガイドコーン251RFを左巻きスクリューで組み立てる。左側調整メインギア202Lは、駆動調整太陽歯車204LDと左側従動調整スライダ233LFに同時に噛み合っている。
左側駆動調整太陽歯車204LD、右側駆動調整太陽歯車204RDが反時計方向に回転するとき、左側駆動ガイドコーン251LDは軸方向の左側に移動し、右側駆動ガイドコーン251RDは、軸方向の右側に移動して両方のガイドコーンの間の幅は大きくなる。
さらに、左側従動調整太陽歯車204LF、右側従動調整太陽歯車204RFが反時計方向に回転するとき、左側従動ガイドコーン251LFは、軸方向の右側に移動し、右側従動ガイドコーン251RFは、軸方向の左側に移動して両方のガイドコーンの間の幅が小さくなる。
なお、左側駆動調整太陽歯車204LD、右側駆動調整太陽歯車204RD、左側従動調整太陽歯車204LF、右側従動調整太陽歯車204RFを時計方向に回転するとき、前記作動内容と逆に作動する。
次に、図34を参照しながらガイドコーンと変速調整システムR2AC−1を説明する。
このようなガイドコーンと変速調整システムR2AC−1は、図15の変速調整システムR2と、駆動部DにガイドコーンシステムAと、従動部FにガイドコーンシステムCとを組み合わせたものである。
即ち、変速調整システムR2において、左側駆動調整太陽歯車204LDには左側駆動ガイドコーン251LDを左巻きスクリューで組み立て、右側駆動調整太陽歯車204RDには右側駆動ガイドコーン251RDを右巻きスクリューで組み立てたものである。さらに、左側従動調整太陽歯車204LFには左側従動ガイドコーン251LFを右巻きスクリューで組み立て、右側従動調整太陽歯車204RFには右側従動ガイドコーン251RFを左巻きスクリューで組み立てたものである。その作動方法は図33のガイドコーンと変速調整システムR1ACと同様である。
次に、図35を参照しながらガイドコーンと変速調整システムR2AC−2を説明する。
このようなガイドコーンと変速調整システムR2AC−2と図34のガイドコーンと変速調整システムR2AC−1との構成上の相違点は、右側駆動ガイドコーン251RDを左側駆動調整太陽歯車204LDに右巻きスクリューで組み立て、右側従動ガイドコーン251RFを左側従動調整太陽歯車204LFに左巻きスクリューLHで組み立てたものである。その作動方法は、図33のガイドコーンと変速調整システムR1ACと同様である。
無段変速機システム
前記無段変速機システムは、変速システムと変速調整システムとの組合せ、特に変速システムとガイドコーンと変速調整システムとの組合方法、及び入力と出力方法に従いその作動方法を多様に変更することができる。無段変速機システムNo.1〜No.32の32種類の例を挙げており、図36〜図70を参照しながら説明する。さらに、設置構成関係など、容易に理解できるよう3種類の実施例をもって記述し、その例として無段変速機システム(No.1)は第1実施例として、無段変速機システム(No.4)は第2実施例として、無段変速機システム(No.9)は第3実施例として説明する。
次に、図36を参照しながら無段変速機システム(No.1)を説明する。
これは、図37に示されているように第1実施例であって、図2の変速システムIと図26のガイドコーンと変速調整システムP1A−1とを組み合わせたものである。ここで、駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSを固定し、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動太陽歯車101Fから動力が出力される。
次に、図38の無段変速機システム(No.2)を説明すれば、これは図4の変速システムIIと図27のガイドコーンと変速調整システムP1A−2とを組み合わせたものである。ここでは、駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSは固定し、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動太陽歯車101Fから動力が出力される。
次に、図39の無段変速機システム(No.3)を説明すれば、これは図5の変速機システムIIIから駆動リングギア106Dと従動リングギア106Fを除いて、図27のガイドコーンと変速調整システムP1A−2を組み合わせたものである。ここで、駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSは、固定され、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動太陽歯車101Fから動力が出力される。
次に、図40の無段変速機システム(No.4)を説明すれば、これは図41に示されているように第2実施例であって、図6の変速システムIVから駆動リングギア106Dと従動リングギア106Fを除いて、図28のガイドコーンと変速調整システムP1Bを組み合わせたものである。ここでは、駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSは、固定され、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動太陽歯車101Fから動力が出力される。
次に、図42の無段変速機システム(No.5)を説明すれば、図5の変速機システムIIIから駆動太陽歯車101Dと従動太陽歯車101Fを除いて、図27のガイドコーンと変速調整システムP1A−2を組み合わせたものである。ここで、駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSは、固定され、駆動リングギア106Dに動力が入力され、従動リングギア106Fから動力が出力される。
次に、図43の無段変速機システム(No.6)を説明すれば、これは図6の変速システムIVから駆動太陽歯車101Dと従動太陽歯車101Fを除いて、図27のガイドコーンと変速調整システムP1A−2を組み合わせたものである。ここでは、駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSを固定し、駆動リングギア106Dに動力が入力され、従動リングギア106Fから動力が出力される。
次に、図44の無段変速機システム(No.7)を説明すれば、これは図5の変速システムIIIから駆動リングギア106Dと従動太陽歯車101Fを除いて、図27のガイドコーンと変速調整システムP1A−2を組み合わせたものである。ここで、駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSを固定し、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動リングギア106Fから動力が出力される。
次に、図45の無段変速機システム(No.8)を説明すれば、これは図6の変速システムIVから駆動リングギア106Dと従動太陽歯車101Fを除いて、図27のガイドコーンと変速調整システムP1A−2を組み合わせたものである。ここで、駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSを固定し、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動リングギア106Fから動力が出力される。
図46の無段変速機システム(No.9)を説明すれば、これは図47に示されているように第3実施例に関するものであって、図2の変速システムIと図30のガイドコーンと変速調整システムQ1C−1とを組み合わせたものである。ここでは、駆動太陽歯車101Dと従動太陽歯車101Fを固定し、右側駆動キャリア102RDに動力が入力され、右側従動キャリア102RFから動力が出力される。
次に、図48の無段変速機システム(No.10)を説明すれば、図4の変速システムIIと図31のガイドコーンと変速調整システムQ1C−2とを組み合わせたものである。ここでは、駆動太陽歯車101Dと従動太陽歯車101Fが固定され、右側駆動キャリア102RDに動力が入力され、右側従動キャリア102RFから動力が出力される。
次に、図49の無段変速機システム(No.11)を説明すれば、図5の変速システムIIIから駆動リングギア106Dと従動リングギア106Fを除いて、図31のガイドコーンと変速調整システムQ1C−2を組み合わせたものである。ここでは、駆動太陽歯車101Dと従動太陽歯車101Fは、固定され、右側駆動キャリア102RDに動力が入力され、右側従動キャリア102RFから動力が出力される。
次に、図50を参照しながら無段変速機システム(No.12)を説明すれば、図6の変速システムIVから駆動リングギア106Dと従動リングギア106Fを除いて、図31のガイドコーンと変速調整システムQ1C−2と組み合わせたものである。ここでは、駆動太陽歯車101Dと従動太陽歯車101Fを固定し、右側駆動キャリア102RDに動力が入力され、右側従動キャリア102RFから動力が出力される。
次に、図51の無段変速機システム(No.13)を説明すれば、図5の変速システムIIIと図32のガイドコーンと変速調整システムQ2Cとを組み合わせたものであって、駆動リングギア106Dと従動リングギア106Fが固定され、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動太陽歯車101Fから動力が出力される。
次に、図52の無段変速機システム(No.14)を説明すれば、これは無段変速機システム(No.13)のように、図5の変速システムIIIと図32のガイドコーンと変速調整システムQ2Cとを組み合わせたものである。ここでは、駆動太陽歯車101Dと従動太陽歯車101Fを固定し、駆動リングギア106Dに動力が入力され、従動リングギア106Fから動力が出力される。
次に、図53の無段変速機システム(No.15)を説明すれば、無段変速機システム(No.13)のように、図5の変速システムIIIと図32のガイドコーンと変速調整システムQ2Cとを組み合わせたものである。ここでは、駆動リングギア106Dと従動太陽歯車101Fが固定され、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動リングギア106Fから動力が出力される。
次に、図54の無段変速機システム(No.16)を説明すれば、図6の変速システムIVと図32のガイドコーンと変速システムQ2Cとを組み合わせたものであって、駆動リングギア106Dと従動リングギア106Fを固定し、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動太陽歯車101Fから動力が出力される。
次に、図55の無段変速機システム(No.17)を説明すれば、無段変速機システム(No.16)のように、図6の変速システムIVと図32のガイドコーンと変速システムQ2Cとを組み合わせたものである。ここでは、駆動太陽歯車101Dと従動太陽歯車101Fを固定し、駆動リングギア106Dに動力が入力され、従動リングギア106Fから動力が出力される。
次に、図56を参照しながら無段変速機システム(No.18)を説明すれば、前記無段変速機システム(No.16)のように、図6の変速システムIVと図32のガイドコーンと変速システムQ2Cとを組み合わせたものであって、駆動太陽歯車101Dと従動リングギア106Fを固定し、駆動リングギア106Dに動力が入力され、従動太陽歯車101Fから動力が出力される。
次に、図57を参照しながら無段変速機システム(No.19)を説明すれば、図2の変速システムIと図34のガイドコーンと変速調整システムR2AC−1とを組み合わせたものであって、駆動キャリアシャフト102DSと従動太陽歯車101Fが固定され、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、右側従動キャリア102RFから動力が出力される。
次に、図58の無段変速機システム(No.20)を説明する。これは図4の変速システムIIと図35のガイドコーンと変速調整システムR2AC−2とを組み合わせたものであって、駆動キャリアシャフト102DSと従動太陽歯車101Fが固定され、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、右側従動キャリア102RFから動力が出力される。
次に、図59を参照しながら無段変速機システム(No.21)を説明する。これは図5の変速システムIIIから駆動リングギア106Dと従動リングギア106Fを除いて、図35のガイドコーンと変速調整システムR2AC−2を組み合わせたものである。ここで、駆動キャリアシャフト102DSと従動太陽歯車101Fを固定し、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、右側従動キャリア102RFから動力が出力される。
次に、図60の無段変速機システム(No.22)を説明する。これは図5の変速システムIIIから駆動リングギア106Dを除いて、図33のガイドコーンと変速調整システムR1ACを組み合わせたものであって、駆動キャリアシャフト102DSと従動リングギア106Fを固定し、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動太陽歯車101Fから動力が出力される。
次に、図61の無段変速機システム(No.23)を説明する。これは図60の無段変速機システム(No.22)のように、図5の変速システムIIIから駆動リングギア106Dを除いて、図33のガイドコーンと変速システムR1ACを組み合わせたものであって、駆動キャリアシャフト102DSと従動太陽歯車101Fを固定し、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動リングギア106Fから動力が出力される。
次に、図62の無段変速機システム(No.24)を説明する。これは図5の変速システムIIIから駆動太陽歯車101Dを除いて、図33のガイドコーンと変速システムR1ACを組み合わせたものであって、駆動キャリアシャフト102DSと従動太陽歯車101Fは固定され、駆動リングギア106Dに動力が入力され、従動リングギア106Fから動力が出力される。
次に、図63の無段変速機システム(No.25)を説明する。これは図5の変速システムIIIから駆動太陽歯車101Dと従動リングギア106Fを除いて、図33のガイドコーンと変速システムR1ACを組み合わせたものであって、駆動キャリアシャフト102DSと従動太陽歯車101Fを固定し、駆動リングギア106Dに動力が入力され、右側従動キャリア102RFから動力が出力される。
次に、図64の無段変速機システム(No.26)を説明する。これは図5の変速システムIIIから駆動太陽歯車101Dを除いて、図33のガイドコーンと変速システムR1ACを組み合わせたものであって、駆動キャリアシャフト102DSと従動リングギア106Fを固定し、駆動リングギア106Dに動力が入力され、従動太陽歯車101Fから動力が出力される。
次に、図65の無段変速機システム(No.27)を説明する。これは図6の変速システムIVから駆動リングギア106Dと従動リングギア106Fを除いて、図35のガイドコーンと変速調整システムR2AC−2を組み合わせたものであって、駆動キャリアシャフト102DSと従動太陽歯車101Fを固定し、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、右側従動キャリア102RFから動力が出力される。
次に、図66の無段変速機システム(No.28)を説明する。これは図6の変速システムIVから駆動リングギア106Dを除いて、図33のガイドコーンと変速調整システムR1ACを組み合わせたものであって、駆動キャリアシャフト102DSと従動リングギア106Fを固定し、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動太陽歯車101Fから動力が出力される。
次に、図67の無段変速機システム(No.29)を説明する。これは無段変速機システム(No.28)のように、図6の変速システムIVから駆動リングギア106Dを除いて、図33のガイドコーンと変速調整システムR1ACを組み合わせたものであって、駆動キャリアシャフト102DSと従動太陽歯車101Fを固定し、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動リングギア106Fから動力が出力される。
次に、図68の無段変速機システム(No.30)を説明する。これは、図6の変速システムIVから駆動太陽歯車101Dを除いて、図33のガイドコーンと変速調整システムR1ACを組み合わせたものであって、駆動キャリアシャフト102DSと従動リングギア106Fを固定し、駆動リングギア106Dに動力が入力され、従動太陽歯車101Fから動力が出力される。
次に、図69の変速機システム(No.31)を説明する。これは無段変速機システム(No.30)のように、図6の変速システムIVから駆動太陽歯車101Dを除いて、図33のガイドコーンと変速調整システムR1ACを組み合わせたものであって、駆動キャリアシャフト102DSと従動太陽歯車101Fを固定し、駆動リングギア106Dに動力が入力され、従動リングギア106Fから動力が出力される。
次に、図70の無段変速機システム(No.32)を説明する。これは図6の変速システムIVから駆動太陽歯車101Dと従動リングギア106Fを除いて、図33のガイドコーンと変速調整システムR1ACを組み合わせたものであって、駆動キャリアシャフト102DSと従動太陽歯車101Fを固定し、駆動リングギア106Dに動力が入力され、右側従動キャリア102RFから動力が出力される。
実施例1
実施例1とは、図36の無段変速機システム(No.1)と同様のもので、図2の変速システムIと図26のガイドコーンと変速調整システムP1A−1とを組み合わせたものである。
このような実施例1に対し、図71〜図75を参照しながら説明する。
変速システム
前記変速システムとは、図2の変速システムIを適用したもので、駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSを固定し、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され、従動太陽歯車101Fから動力が出力されるものである。図71において、駆動太陽歯車101D、駆動キャリアシャフト102DS、駆動第1遊星歯車103D、駆動第2遊星歯車104D、駆動第2遊星歯車シャフト107D、チェーン105、従動第2遊星歯車104F、従動第2遊星歯車シャフト107F、従動第1遊星歯車103F、従動キャリアシャフト102FS、従動太陽歯車101Fが示されている。
変速原理を図72に基づいて説明すれば、機関から動力を受けて駆動太陽歯車101Dが回転すれば、駆動太陽歯車101Dと噛み合っている駆動第1遊星歯車103Dが固定されている駆動キャリアシャフト102DSで駆動太陽歯車101Dと逆に回転し、駆動第1遊星歯車103Dと噛み合っている駆動第2遊星歯車104Dは駆動太陽歯車101Dと同じ方向に回転する。さらに、駆動第2遊星歯車シャフト107Dを駆動キャリアシャフト102DSに関し一定の角度だけ連続して回転させると、前記駆動第2遊星歯車104Dは、駆動第1遊星歯車103Dと噛み合い回転した状態で、駆動第1遊星歯車103Dの周りを一定の角度だけ回転する。さらに、前記駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っているチェーン105は、駆動第2遊星歯車104Dと同じ方向に回転しながら駆動部Dのチェーン105の半径は変化する。
前記チェーン105は、駆動第2遊星歯車104Dと従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合い連結されており、駆動部Dの動力を従動部Fへ伝達する。前記従動第2遊星歯車104Fはチェーン105から動力が伝達され、チェーン105の回転方向と同じ方向に回転する。前記従動第2遊星歯車シャフト107Fを従動キャリアシャフト102FSを中心に一定の角度だけ回転させると、従動第2遊星歯車104Fは、従動第1遊星歯車103Fと噛み合い回転した状態で、従動第1遊星歯車103Fの周りを一定の角度だけ回転し、従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っているチェーン105の半径が変化する。
前記従動第1遊星歯車103Fは、従動第2遊星歯車104Fと常に噛み合い、固定されている従動キャリアシャフト102FS上で従動第2遊星歯車104Fと逆方向に回転し、従動第1遊星歯車103Fと噛み合っている従動太陽歯車101Fに回転力を伝達する。
このような実施例1の図72での変速原理を要約すれば、駆動部Dのチェーン105の半径が最大になるように駆動第2遊星歯車104Dを位置させ、従動部Fのチェーン105の半径が最小になるように従動第2遊星歯車104Fを位置させる。したがって、従動太陽歯車101Fに最高速の状態が与えられる。変速調整システムP1により、駆動第2遊星歯車シャフト107Dと従動第2遊星歯車シャフト107Fは、それぞれ駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSに関して同時に同じ方向に回転させると、前記駆動第2遊星歯車104Dは駆動第1遊星歯車103Dの周りで、従動第2遊星歯車104Fは従動第1遊星歯車103Fの周りでそれぞれ公転する。その結果、駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合う部分のチェーン105の半径は小さくなり、従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合うチェーン105の半径は大きくなって出力軸の回転は減少される。駆動部Dのチェーン105の半径が最小になるように駆動第2遊星歯車104Dを位置させ、従動部Fのチェーン105の半径が最大になるように従動第2遊星歯車104Fを位置させれば、従動太陽歯車101Fに最低速の状態を与える。
このように、駆動第2遊星歯車104Dと従動第2遊星歯車104Fをそれぞれ駆動第1遊星歯車103D、従動第1遊星歯車103Fの周りで公転方向を連続的に調整するので、連続的な速度比を得ることができる。
変速調整システム
前記変速調整システムとは、図26のガイドコーンと変速調整システムP1A−1と同様のもので、図8の変速調整システムP1と図16のガイドコーンシステムAを適用したものである。ここで、前記変速調整システムP1とは、図73において調整入力軸201、左側調整メインギア202L、右側調整メインギア202R、左側駆動調整太陽歯車204LD、左側駆動調整太陽歯車シャフト207LD、右側駆動調整太陽歯車204RD、左側駆動フランジギア205LD、右側駆動フランジギア205RD、左側従動調整太陽歯車204LF、左側従動調整太陽歯車シャフト207LF、右側従動調整太陽歯車204RF、左側従動フランジギア205LF、右側従動フランジギア205RFを示したものである。
前記変速調整システムP1において、調整モータ301から入力された回転力が調整入力軸201を介し左側調整メインギア202Lへ伝達される。左側調整メインギア202Lと、調整メインシャフト203に連結された右側調整メインギアと202Rが時計方向に回転するとき、左側調整メインギア202L、右側調整メインギア202Rとそれぞれ噛み合っている左側駆動調整太陽歯車204LD、右側駆動調整太陽歯車204RDと左側従動調整太陽歯車204LF、右側従動調整太陽歯車204RFが同時に反時計方向に回転する。
左側駆動調整太陽歯車204LD、右側駆動調整太陽歯車204RDにそれぞれ噛み合っている左側駆動フランジギア205LD、右側駆動フランジギア205RDは時計方向に回転することになり、同時に左側従動調整太陽歯車204LF、右側従動調整太陽歯車204RFにそれぞれ噛み合っている左側従動フランジギア205LF、右側従動フランジギア205RFも時計方向に回転することになる。
左側駆動フランジギア205LD、右側駆動フランジギア205RDに一体に連結されている駆動第2遊星歯車シャフト107Dと、左側従動フランジギア205LF、右側従動フランジギア205RFに一体に連結された従動第2遊星歯車シャフト107Fも時計方向に一定の角度だけ回転することになる。
このとき、駆動部Dで駆動第2遊星歯車シャフト107Dを自転している駆動第2遊星歯車104Dは、駆動第1遊星歯車103Dと噛み合い駆動第1遊星歯車103Dの周りを公転することにより、駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っているチェーン105の半径が小さくなる。同時に、従動部Fで従動第2遊星歯車シャフト107Fを自転している従動第2遊星歯車104Fは、従動第1遊星歯車103Fと噛み合い従動第1遊星歯車103Fの周りを公転することにより、従動第2遊星歯車104Fに噛み合っているチェーン105の半径が大きくなる。
したがって、左側調整メインギア202L、右側調整メインギア202Rの回転を時計方向に調整すれば、駆動部Dの第2遊星歯車104Dと噛み合うチェーン105の半径は減少し、同時に従動部Fの従動第2遊星歯車104Fと噛み合うチェーン105の半径は増加することになる。左側調整メインギア202L、右側調整メインギア202Rの回転を反時計方向に調整すれば、駆動部Dの駆動第2遊星歯車104Dと噛み合うチェーン105の半径は増加し、同時に従動部Fの従動第2遊星歯車104Fと噛み合うチェーン105の半径は減少することになる。
このように、駆動部Dのチェーン105の半径と、従動部Fのチェーン105の半径が連続的に調整されることにより、動力伝達に必要な速度比または回転力を連続的に得ることができる。
ガイドコーンシステムA
前記ガイドコーンシステムAとは、駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSが固定されている変速システムに適用されるものである。図73において左側駆動ガイドコーン251LD、右側駆動ガイドコーン251RD、左側従動ガイドコーン251LF、右側従動ガイドコーン251RFを示すものであって、左側駆動ガイドコーン251LDは、左側駆動調整太陽歯車204LDに、右側駆動ガイドコーン251RDは、右側駆動調整太陽歯車204RDに、左側従動ガイドコーン251LFは、左側従動調整太陽歯車204LFに、右側従動ガイドコーン251RFは右側従動調整太陽歯車204RFにそれぞれ組み立てられている。
次に、図73及び図74を参照しながらガイドコーンシステムAを説明する。
左側駆動ガイドコーン251LDと右側従動ガイドコーン251RFの内径は、左巻きスクリューで加工されており、右側駆動ガイドコーン251RDと左側従動ガイドコーン251LFの内径は右巻きスクリューで加工されている。
前記全てのガイドコーンは、共通してチェーン105と接触する部分が一定の傾斜角をなすコーンで加工されている。駆動第2遊星歯車シャフト107Dまたは従動第2遊星歯車シャフト107Fが移動するとき邪魔されないように一定の角度だけ多数の円弧形の溝が形成されている。駆動キャリアシャフト102DSまたは従動キャリアシャフト102FSと組み立てられている部分は、ガイド溝が加工されているので、前記ガイドコーンの回転を防止する。
右側駆動ガイドコーン251RDは、右側駆動調整太陽歯車204RDに右巻きスクリューで組み立てられており、左側駆動ガイドコーン251LDは、左側駆動調整太陽歯車204LDに左巻きスクリューで組み立てられる。これらは、駆動部Dのチェーン105の両側に設けられてチェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
さらに、右側従動ガイドコーン251RFは、右側従動調整太陽歯車204RFに左巻きスクリューで組み立てられており、左側従動ガイドコーン251LFは、左側従動調整太陽歯車204LFに右巻きスクリューで組み立てられる。これらは、従動部Fのチェーン105の両側に設けられてチェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
調整メインシャフト203のスプラインで、一体に連結された左側調整メインギア202Lと右側調整メインギア202Rが時計方向に回転するとき、左側調整メインギア202Lと噛み合っている左側駆動調整太陽歯車204LDは、反時計方向に回転し、左側駆動調整太陽歯車204LDと噛み合っている左側駆動フランジギア205LDは、時計方向に回転する。左側駆動調整太陽歯車204LDと左巻きスクリューで組み立てられている左側駆動ガイドコーン251LDは、軸方向の左側に移動することになる。右側調整メインギア202Rと噛み合っている右側駆動調整太陽歯車204RDは、反時計方向に回転し、右側駆動調整太陽歯車204RDと噛み合っている右側駆動フランジギア205RDは、時計方向に回転する。右側駆動調整太陽歯車204RDと右巻きスクリューで組み立てられている右側駆動ガイドコーン251RDは、軸方向の右側に移動することになる。
前記左側駆動フランジギア205LDと右側駆動フランジギア205RDは、駆動第2遊星歯車シャフト107Dと一体に連結される。駆動第2遊星歯車シャフト107Dが時計方向に回転することになり、駆動第2遊星歯車シャフト107D上で自転している駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っている駆動部Dのチェーン105の半径が小さくなる。同時に右側駆動ガイドコーン251RDは、軸方向の右側に移動し、左側駆動ガイドコーン251LDは軸方向の左側に移動して両方のガイドコーンの間の幅が広くなる。
したがって、駆動部Dのチェーン105の半径の大きさに応じて、左側駆動ガイドコーン251LDと右側駆動ガイドコーン251RDは、自動にチェーン105の両側面で接触幅を一定に維持したままチェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
一方、左側調整メインギア202Lと右側調整メインギア202Rが時計方向に回転するとき、左側調整メインギア202Lと噛み合っている左側従動調整太陽歯車204LFは、反時計方向に回転し、左側従動調整太陽歯車204LFと噛み合っている左側従動フランジギア205LFは、時計方向に回転する。左側従動調整太陽歯車204LFと右巻きスクリューで組み立てられている左側従動ガイドコーン251LFは軸方向の右側に移動することになる。右側調整メインギア202Rと噛み合っている右側従動調整太陽歯車204RFは、反時計方向に回転し、右側従動調整太陽歯車204RFと噛み合っている右側従動フランジギア205RFは、時計方向に回転する。右側従動調整太陽歯車204RFと左巻きスクリューで組み立てられている右側従動ガイドコーン251RFは、軸方向の左側に移動することになる。
前記左側従動フランジギア205LFと右側従動フランジギア205RFは従動第2遊星歯車シャフト107Fと一体に連結される。従動第2遊星歯車シャフト107Fが時計方向に回転することになり、従動第2遊星歯車シャフト107F上で自転している従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っている従動部Fのチェーン105の半径が大きくなる。同時に右側従動ガイドコーン251RFは、軸方向の左側に移動し、左側従動ガイドコーン251LFは、軸方向の右側に移動して両方のガイドコーンの間の幅が小さくなる。
したがって、従動部Fのチェーンの半径の大きさに応じて、左側従動ガイドコーン251LFと右側従動ガイドコーン251RFは、自動にチェーン105の両側面で接触幅を一定に維持したままチェーン105の半径が維持されるようにする。
次に、図75を参照しながら、実施例1の構成を説明する。
駆動部Dの設置関係を検討してみる。
駆動太陽歯車シャフト101DSと一体に形成された駆動太陽歯車101Dと駆動第1遊星歯車103Dを噛み合わせ、右側ケース12に圧入されたボールベアリング352と、右側ケースカバー11に圧入されたボールベアリング351の内径に同軸の駆動太陽歯車シャフト101DSを挟持して駆動太陽歯車101Dの回転を自在にする。
右側ケースカバー11のベアリング351の外部にはオイルシール361を圧入させて右側ケースカバー11と駆動太陽歯車シャフト101DSの間での漏油を防止する。
駆動太陽歯車シャフト101DSの外径には中孔の右側駆動調整太陽歯車204RDを組み立てさせる。駆動太陽歯車シャフト101DSと右側駆動調整太陽歯車204RDとの間にはニードルベアリング341を挿入させて駆動太陽歯車シャフト101DSと右側駆動調整太陽歯車204RDの回転を自在にする。右側駆動調整太陽歯車204RDの左右にはスラスト軸受321を位置させ、左側スラスト軸受321部にはサークリップ331を駆動太陽歯車101Dに挟持する。
右側駆動調整太陽歯車204RDのギア部は、外側で右側駆動フランジギア205RDと噛み合い、右側駆動調整太陽歯車204RDと右側駆動ガイドコーン251RDは、スクリューで組み立てられる。右側駆動調整太陽歯車204RDが回転するとき、右側駆動ガイドコーン251RDは図でみたとき、軸方向の左右に移動する。
駆動太陽歯車101Dの中心と一致するように左側駆動調整太陽歯車シャフト207LDは、左側ケース13にスプラインで固定し、終端はサークリップ332を挟む。
左側駆動調整太陽歯車シャフト207LDの外径部には中孔の左側駆動調整太陽歯車204LDを組み立てる。左側駆動調整太陽歯車シャフト207LDと左側駆動調整太陽歯車204LDとの間にはニードルベアリング341を挿入して左側駆動調整太陽歯車204LDの回転を自在にする。左側駆動調整太陽歯車204LDの左右にはスラスト軸受322を組み立てて、右側スラスト軸受322部にはサークリップ332を左側駆動調整太陽歯車シャフト207LDに挟持する。
左側駆動調整太陽歯車204LDのギア部は、左側駆動フランジギア205LDと噛み合い、左側駆動調整太陽歯車204LDと左側駆動ガイドコーン251LDは、スクリューで組み立てられる。左側駆動調整太陽歯車204LDが回転するとき、左側駆動ガイドコーン251LDは軸方向の左右に移動する。
駆動キャリアシャフト102DSはスプラインで右側ケース12と左側ケース13に固定させ、両端はサークリップ333を挟持する。
駆動太陽歯車101Dと噛み合う中孔の駆動第1遊星歯車103Dを駆動キャリアシャフト102DSの外径部に組み立てる。駆動第1遊星歯車103Dと駆動キャリアシャフト102DSとの間にはニードルベアリング343を挿入し、駆動第1遊星歯車103Dの回転を円滑にする。駆動第1遊星歯車103Dの左右側にはスラスト軸受329を位置させてサークリップ333を駆動キャリアシャフト102DSに挟持する。
さらに、駆動キャリアシャフト102DSの右側外径部には中孔の右側駆動フランジギア205RDを組み立てる。駆動キャリアシャフト102DSと右側駆動フランジギア205RDとの間にはニードルベアリング342を挿入して右側駆動フランジギア205RDの回転を円滑にする。右側駆動フランジギア205RDの左右にはスラスト軸受323を位置させて左側スラスト軸受部にサークリップ333を駆動キャリアシャフト102DSに挟持する。
さらに、駆動キャリアシャフト102DSの左側外径部には中孔の左側駆動フランジギア205LDを組み立てる。駆動キャリアシャフト102DSと左側駆動フランジギア205LDとの間にはニードルベアリング342を挿入して左側駆動フランジギア205LDの回転を円滑にする。左側駆動フランジギア205LDの左右にはスラスト軸受323を位置させて右側スラスト軸受部にサークリップ333を駆動キャリアシャフト102DSに挟持する。
駆動第2遊星歯車シャフト107Dは、左側駆動フランジギア205LDと右側駆動フランジギア205RDにスプラインで一体に固定させ、両端にはサークリップ334を挟持する。
駆動第2遊星歯車シャフト107Dの外径部には中孔の駆動第2遊星歯車104Dを組み立てる。駆動第2遊星歯車シャフト107Dと駆動第2遊星歯車104Dとの間にはニードルベアリング344を挿入して駆動第2遊星歯車104Dが円滑に回転できるようにする。駆動第2遊星歯車104Dの左右側にはスラスト軸受324を組み立てさせ、サークリップ334を駆動第2遊星歯車シャフト107Dに挟持する。
駆動第2遊星歯車104Dは駆動第1遊星歯車103Dと噛み合い、駆動第2遊星歯車104Dの周りにはチェーン105を噛み合わせる。
ここで、駆動第2遊星歯車104Dは、駆動第1遊星歯車103Dと噛み合って回転力が伝達され、駆動第2遊星歯車シャフト107Dの外径部で自転しながら、左側駆動フランジギア205LD、右側駆動フランジギア205RDが一定の角度だけ回転するとき、駆動第1遊星歯車103Dの周りを公転することになる。このとき、駆動第2遊星歯車104Dと噛み合っているチェーン105の半径が変化することになり、駆動部の変速がなされる。
チェーン105が駆動第2遊星歯車104Dの周りを回転するとき、チェーン105の半径が中心で一定に維持されるようにチェーン105の両側面に右側駆動ガイドコーン251RD、左側駆動ガイドコーン251LDを接触させて設ける。
次に、従動部Fの設置関係を検討してみる。
従動太陽歯車101Fと一体に形成された従動太陽歯車シャフト101FSは、右側ケース12に圧入されたボールベアリング352と、右側ケースカバー11に圧入されたボールベアリング351の内径に挟持して従動太陽歯車シャフト101FSが自在に回転するようにする。
右側ケースカバー11のボールベアリング351の外部には、オイルシール362を圧入させて右側ケースカバー11と従動太陽歯車101Fとの間での漏油を防止する。
従動太陽歯車シャフト101FSの外径部には中孔の右側従動調整太陽歯車204RFを組み立てる。従動太陽歯車シャフト101FSと右側従動調整太陽歯車204RFとの間にはニードルベアリング341を挿入させて従動太陽歯車シャフト101FSと右側従動調整太陽歯車204RFの回転を自在にする。右側従動調整太陽歯車204RFの左右にはスラスト軸受321を位置させ、左側のスラスト軸受321部にはサークリップ331を従動太陽歯車101Fに挟持する。
右側従動調整太陽歯車204RFのギア部は右側従動フランジギア205RFと噛み合い、右側従動調整太陽歯車204RFと右側従動ガイドコーン251RFはスクリューで組み立てられる。右側従動調整太陽歯車204RFが回転するとき、右側従動ガイドコーン251RFは、軸方向の左右に移動する。
従動太陽歯車101Fの中心と一致するように左側従動調整太陽歯車シャフト207LFを左側ケース13にスプラインで固定させ、サークリップ332を左側従動調整太陽歯車シャフト207LFに挟持する。
左側従動調整太陽歯車シャフト207LFの外径には中孔の左側従動調整太陽歯車204LFを組み立てる。左側従動調整太陽歯車シャフト207LFと左側従動調整太陽歯車204LFとの間にニードルベアリング341を挿入して左側従動調整太陽歯車204LFの回転を円滑にする。左側従動調整太陽歯車204LFの左右にはスラスト軸受322を位置させ、右側スラスト軸受322部にサークリップ332を左側従動調整太陽歯車シャフト207LFに挟持する。
左側従動調整太陽歯車204LFのギア部は左側従動フランジギア205LFと噛み合い、左側従動調整太陽歯車204LFと左側従動ガイドコーン251LFはスクリューで組み立てられる。左側従動調整太陽歯車204LFが回転するとき、左側従動ガイドコーン251LFは軸方向の左右に移動する。
従動キャリアシャフト102FSは右側ケース12と左側ケース13にスプラインで固定させ、両端にサークリップ333を挟持する。
従動キャリアシャフト102FSの外径中央部には従動太陽歯車101Fと噛み合う従動第1遊星歯車103Fを組み立てる。従動キャリアシャフト102FSと従動第1遊星歯車103Fとの間にはニードルベアリング343を挿入し、従動第1遊星歯車103Fの回転を円滑にする。従動第1遊星歯車103Fの左右にはスラスト軸受329を位置させてサークリップ333を従動キャリアシャフト102FSに挟持する。
従動キャリアシャフト102FSの左側外径部には、左側従動調整太陽歯車204LFと噛み合う中孔の左側従動フランジギア205LFを組み立てる。従動キャリアシャフト102FSと左側従動フランジギア205LFとの間にはニードルベアリング342を挿入して左側従動フランジギア205LFの回転を円滑にする。左側従動フランジギア205LFの左右側にはスラスト軸受323を位置させ、右側スラスト軸受323側にはサークリップ333を従動キャリアシャフト102FSに挟持する。
従動キャリアシャフト102FSの右側外径部には、右側従動調整太陽歯車204RFと噛み合う中孔の右側従動フランジギア205RFを組み立てる。従動キャリアシャフト102FSと右側従動フランジギア205RFとの間にはニードルベアリング342を挿入して右側従動フランジギア205RFの回転を円滑にする。右側従動フランジギア205RFの左右側にはスラスト軸受323を位置させ、左側スラスト軸受323側にはサークリップ333を従動キャリアシャフト102FSに挟持する。
従動第2遊星歯車シャフト107Fは左側従動フランジギア205LFと右側従動フランジギア205RFにスプラインで一体に固定させ、両端にはサークリップ334を挟持する。
従動第2遊星歯車シャフト107Fの外径部には従動第1遊星歯車103Fと噛み合う中孔の従動第2遊星歯車104Fを組み立てる。従動第2遊星歯車シャフト107Fと従動第2遊星歯車104Fとの間にはニードルベアリング344を挿入して従動第2遊星歯車104Fが円滑に回転するようにする。従動第2遊星歯車シャフト107Fの左右側にはスラスト軸受324を組み立てさせ、サークリップ334を従動第2遊星歯車シャフト107Fに挟持する。
従動第2遊星歯車104Fの周りにはチェーン105を噛み合わせる。
ここで、従動第2遊星歯車104Fは、チェーン105から回転力が伝達され、従動第2遊星歯車シャフト107Fの外径部で自転する。さらに、右側従動フランジギア205RF、左側従動フランジギア205LFが一定の角度だけ回転するとき、従動第1遊星歯車103Fの周りを公転することになる。
このとき、従動第2遊星歯車104Fと噛み合っているチェーン105の半径が変化して従動部の変速がなされる。従動第2遊星歯車104Fは従動第1遊星歯車103Fに回転力を伝達し、従動第1遊星歯車103Fは従動太陽歯車101Fに回転力を伝達する。
チェーン105が従動第2遊星歯車104Fの周りを回転するとき、チェーン105の半径が中心で一定に維持されるようにチェーン105の両側面に右側従動ガイドコーン251RF、左側従動ガイドコーン251LFを接触させて設ける。
駆動部Dと従動部Fの中心部で、左側ケースカバー14にはニードルベアリング345を、右側ケース12にはニードルベアリング346を挿入する。前記ニードルベアリング345とニードルベアリング346の内径には調整メインシャフト203を挟持して調整メインシャフト203の回転を円滑にする。
調整メインシャフト203の右側端にはスラスト軸受328を組み立て、サークリップ335を調整メインシャフト203に挟持する。
前記調整メインシャフト203の右側にはスプラインで右側調整メインギア202Rと一体に嵌合し、右側調整メインギア202Rは右側駆動調整太陽歯車204RDと右側従動調整太陽歯車204RFに同時に噛み合う。
右側調整メインギア202Rと右側ケース12との間には、調整メインシャフト203の外径にスラスト軸受327を組み立てる。
調整メインシャフト203の左側には、スプラインで左側調整メインギア202Lと一体に嵌合し、左側調整メインギア202Lは左側駆動調整太陽歯車204LDと左側従動調整太陽歯車204LFに同時に噛み合う。
左側調整メインギア202Lと左側ケース13の間の側面にはスラスト軸受326を挿入する。
左側調整メインギア202Lの左側歯形は調整入力歯車201と噛み合っており、調整入力歯車201の軸と左側ケースカバー14との間にはボールベアリング354が挿入される。ボールベアリング354の左側にオイルシール363を左側ケースカバー14に圧入して漏油を防止させる。
調整入力歯車201と左側ケースカバー14との間にはスラスト軸受321を組み立てる。調整入力歯車201は、調整モータ301の出力軸と結合して回転力が伝達される。
右側ケース12と右側ケースカバー11はボルト311で組み立てられ、右側ケース12と左側ケース13はボルト312で組み立てられ、左側ケース13と左側ケースカバー14はボルト313で組み立てられる。調整モータ301は、左側ケースカバー14にボルト314で固定する。
ケース内部にはギアオイルを注入して各要素の摩耗を防止させる。
実施例2
図40の無段変速機システム(No.4)と同様のもので、図6の変速システムIVと図28のガイドコーンと変速調整システムP1Bを組み合わせたものである。
実施例2に対し、図76〜図84を参照しながら、実施例2の変速システム、変速調整システムを説明する。
変速システム
前記変速システムは、図6の変速システムIVを適用したもので、駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSを固定し、駆動太陽歯車101Dに動力が入力され従動太陽歯車101Fから動力が出力されるものである。さらに、前記変速システムは、図76において駆動太陽歯車101D、駆動キャリアシャフト102DS、駆動第1遊星歯車103D、駆動第2遊星歯車104D、駆動第2遊星歯車シャフト107D、チェーン105、従動第2遊星歯車104F、従動第2遊星歯車シャフト107F、従動第1遊星歯車103F、従動キャリアシャフト102FS、従動太陽歯車101Fを含む。駆動第1遊星歯車103D、駆動第2遊星歯車104D、従動第1遊星歯車103F、従動第2遊星歯車104Fがステップギアまたはロングピニオンの複数列タイプのピニオンからなり、図に示されているように噛合いが複列でなっている。
変速原理は、図77を参照しながら説明すれば、機関から動力を受けて駆動太陽歯車101Dが回転すれば、駆動太陽歯車101Dと噛み合っている第1遊星歯車103Dは固定されている駆動キャリアシャフト102DSで駆動太陽歯車101Dと逆に回転し、駆動太陽歯車101Dと噛み合っていない第1遊星歯車103Dの左側列のピニオンと噛み合っている第2遊星歯車104Dは、駆動太陽歯車101Dと同じ方向に回転する。
駆動第1遊星歯車103Dと噛み合っていない駆動第2遊星歯車104Dの左側列のピニオンの周りに、歯形部(tooth)のあるチェーン105で噛み合う。
ここで、駆動第2遊星歯車シャフト107Dを駆動キャリアシャフト102DSに関して一定の角度だけ連続して回転させると、駆動第2遊星歯車104Dは第1遊星歯車103Dと噛み合う状態で第1遊星歯車103Dの周りを公転することになる。第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っているチェーン105は従動第2遊星歯車104Fと同じ方向に回転しながら、駆動部Dのチェーン105の半径が変化する。チェーン105は駆動第2遊星歯車104Dと従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合い連結されており、駆動部Dの動力を従動部Fへ伝達する。
従動第2遊星歯車104Fはチェーン105から動力が伝達され、チェーン105の回転方向と同じ方向に回転する。チェーン105と噛み合わない従動第2遊星歯車104F部に従動第1遊星歯車103Fを噛み合わせると、従動第1遊星歯車103Fは従動第2遊星歯車104Fとは逆に回転する。
従動第2遊星歯車104Fと噛み合わない従動第1遊星歯車103Fの右側列のピニオンに従動太陽歯車101Fを噛み合わせると、従動太陽歯車101Fは駆動太陽歯車101Dと同じ方向に回転することになる。
ここで、従動第2遊星歯車シャフト107Fを従動キャリア102FSに関して一定の角度だけ連続して回転させると、従動第2遊星歯車104Fは従動第1遊星歯車103Fと噛み合う状態で従動第1遊星歯車103Fの周りを公転することになり、従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っているチェーン105の半径が変化する。
このように実施例2での変速原理は実施例1と同様であり、構成上の相違点は、駆動第2遊星歯車104Dと従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っているチェーン105は、駆動第1遊星歯車103D及び従動第1遊星歯車103Fとの干渉を避けることができるので、駆動部Dのチェーン105の半径と従動部Fのチェーン105の半径の変化を大きくすることができる。
特に、駆動部と従動部の速度比を大きくすることできる。さらに、ともに噛み合っているチェーン105と駆動第2遊星歯車104D、従動第2遊星歯車104F部分の歯形を多様に適用することができる。
変速調整システム
前記変速調整システムとは、図28のガイドコーンと変速調整システムP1Bと同様のもので、図8の変速調整システムP1と図19のガイドコーンシステムBを組み合わせたものである。
このような実施例2の変速調整システムは、実施例1の変速調整システムP1の原理と機能が同様である。
次に、実施例2のガイドコーンシステムBを説明する。
ガイドコーンシステムBとは、駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSが固定されている変速システムに適用されるものである。図78〜図80において左側駆動ガイドコーン251LD、右側駆動ガイドコーン251RD、左側従動ガイドコーン251LF、右側従動ガイドコーン251RFを示すものであり、右側駆動ガイドコーン251RDと左側従動ガイドコーン251LFは固定される。左側駆動ガイドコーン251LDは左側駆動調整太陽歯車204LDに組み立てられ、右側従動ガイドコーン251RFは左側従動調整太陽歯車204LFに組み立てられるものである。
図79及び図80を参照すれば、左側駆動ガイドコーン251LDと右側従動ガイドコーン251RFの内径は、それぞれ左巻きスクリューで加工されている。
左側駆動ガイドコーン251LD、右側駆動ガイドコーン251RD、左側従動ガイドコーン251LF、右側従動ガイドコーン251RFは、共通してチェーン105と接触する部分が一定の傾斜角をなすコーンで加工されている。左側駆動ガイドコーン251LDと左側従動ガイドコーン251LFは、それぞれ左側駆動フランジギアシャフト206LDと左側従動フランジギアシャフト206LFの軸の中心を基準に一定の角度だけ多数の円弧形の溝が形成されている。この溝の大きさは第2遊星歯車シャフト107D、107Fの軸径より大きくして第2遊星歯車シャフト107D、107Fが回転するとき邪魔されないようにする。
左側駆動ガイドコーン251LDは、駆動ガイドバー252Dに組み立てられ、回転せずに軸方向に移動するように溝が加工されている。
右側駆動ガイドコーン251RDと右側従動ガイドコーン251RFは、それぞれ駆動キャリアシャフト102DSと従動キャリアシャフト102FSの軸の中心を基準に一定の角度だけ多数の円弧形の溝が形成されている。この溝の大きさは第2遊星歯車104D、104Fの軸径より大きくして、第2遊星歯車104D、104Fがそれぞれ第1遊星歯車103D、103Fの周りで公転するとき邪魔されないようにする。
右側従動ガイドコーン251RFは、従動ガイドバー252Fに組み立てられ、回転せずに軸方向に移動するように溝が加工されている。
図78を参照すれば、右側駆動ガイドコーン251RDは、センターケース15にスプラインで固定されており、左側駆動ガイドコーン251LDは、左側駆動調整太陽歯車204LDに左巻きスクリューで組み立てられている。右側駆動ガイドコーン251RDと左側駆動ガイドコーン251LDは、駆動部Dのチェーン105の両側に設けられてチェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
左側従動ガイドコーン251LFは左側ケース13にスプラインで固定されており、右側従動ガイドコーン251RFは、左側従動調整太陽歯車204LFに左巻きスクリューで組み立てられている。右側従動ガイドコーン251RFと左側従動ガイドコーン251LFは、従動部Fのチェーン105の両側に設けられてチェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
左側調整メインギア202Lを時計方向に回転させるとき、左側駆動調整太陽歯車204LDは、反時計方向に回転する。左側駆動調整太陽歯車204LDと左巻きスクリューで組み立てられている左側駆動ガイドコーン251LDは軸方向の左側に移動することになる。右側駆動ガイドコーン251RDはセンターケース15にスプラインで固定されているので、左側駆動ガイドコーン251LDと右側駆動ガイドコーン251RDの幅は大きくなる。
したがって、駆動部Dのチェーン105の半径の変化に伴い、左側駆動ガイドコーン251LDと右側駆動ガイドコーン251RDは、自動にチェーン105の両側面で接触幅を一定に維持したままチェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
一方、左側調整メインギア202Lを時計方向に回転させるとき、左側従動調整太陽歯車204LFと左巻きスクリューで組み立てられている右側従動ガイドコーン251RFは、軸方向の左側に移動することになる。左側従動ガイドコーン251LFは左側ケース13にスプラインで固定されているので、左側従動ガイドコーン251LFと右側従動ガイドコーン251RFの幅は小さくなる。
したがって、従動部Fのチェーン105の半径の変化に伴い、左側従動ガイドコーン251LFと右側従動ガイドコーン251RFは、自動にチェーン105の両側面で接触幅を一定に維持したままチェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
次に、実施例2の構成を図81を参照しながら説明する。
駆動部Dの設置関係を検討してみる。
駆動太陽歯車101Dの外側に第1遊星歯車103Dを噛み合わせ、右側ケース12に圧入されたボールベアリング352と、右側ケースカバー11に圧入されたボールベアリング351の内径に同軸の駆動太陽歯車101Dと一体に形成された駆動太陽歯車シャフト101DSを挟持し、駆動太陽歯車シャフト101DSの回転を自在にする。駆動太陽歯車シャフト101DSと右側ケース12との間にはスラスト軸受321を組み立てる。
右側ケースカバー11のベアリング351の外部には、オイルシール361を圧入させて右側ケースカバー11と駆動太陽歯車シャフト101DSとの間での漏油を防止する。
駆動太陽歯車シャフト101DSの外径には中孔の右側駆動調整太陽歯車204RDを組み立てる。駆動太陽歯車シャフト101DSと右側駆動調整太陽歯車204RDとの間にはニードルベアリング341を挿入させて駆動太陽歯車シャフト101DSと右側駆動調整太陽歯車204RDの回転を自在にする。右側駆動調整太陽歯車204RDの左右にはスラスト軸受321を位置させ、右側スラスト軸受321にはサークリップ331を駆動太陽歯車101Dに挟持する。
右側駆動調整太陽歯車204RDは、外側で右側駆動フランジギア205RDと噛み合う。駆動キャリアシャフト102DSは、スプラインでセンターケース15に固定し、右側ケース12に挟持する。
センターケース15と右側ケース12との間の駆動キャリアシャフト102DSの外径には駆動第1遊星歯車103Dを駆動太陽歯車101Dと噛み合わせて組み立てる。駆動第1遊星歯車103Dの左右側にはスラスト軸受329を組み立て、駆動第1遊星歯車103Dと駆動キャリアシャフト102DSとの間にはニードルベアリング343を挿入して駆動第1遊星歯車103Dの回転を自在にする。
右側ケース12の右側で、駆動キャリアシャフト102DSの外径には右側駆動フランジギア205RDを組み立て、駆動キャリアシャフト102DSと駆動フランジギア205RDとの間にはニードルベアリング342を挿入する。右側駆動フランジギア205RDの左右側にはスラスト軸受323を組み立て、右側スラスト軸受323部にはサークリップ333を駆動キャリアシャフト102DSに挟持する。
駆動太陽歯車101Dの中心と一致するように左側ケース13にボールベアリング353を圧入し、ボールベアリング353の内径に左側駆動調整太陽歯車204LDを挟持する。ボールベアリング353の左右側にはスラスト軸受322を組み立て、右側スラスト軸受322側にサークリップ332を左側駆動調整太陽歯車204LDに挟持する。
左側駆動調整太陽歯車204LDの左側ギア部は、左側駆動フランジギア205LDに噛み合い、右側ギア部は、左側駆動ガイドコーン251LDとスクリューで組み立てる。ここで、左側駆動調整太陽歯車204LDが回転するとき、左側駆動ガイドコーン251LDは、軸方向の左右に移動することになる。
右側駆動ガイドコーン251RDは、駆動太陽歯車101Dの中心と一致するようにセンターケース15にスプラインで固定し、サークリップ332を右側駆動ガイドコーン251RDに挟持する。
駆動キャリアシャフト102DSの中心と一致するように左側駆動フランジギアシャフト206LDを左側ケース13に固定させる。左側駆動フランジギア205LDを左側駆動調整太陽歯車204LDに噛み合わせて、左側駆動フランジギアシャフト206LDに組み立てる。左側駆動フランジギアシャフト206LDと左側駆動フランジギア205LDとの間にはニードルベアリング342を挿入して左側駆動フランジギア205LDの回転を円滑にする。左側駆動フランジギア205LDの左右側にはスラスト軸受323を組み立て、左側スラスト軸受323側にはサークリップ333を左側駆動フランジギアシャフト206LDに挟持する。
駆動第2遊星歯車シャフト107Dの両端は、左側駆動フランジギア205LD、右側駆動フランジギア205RDにスプラインで固定してサークリップ334を挟持する。
駆動第2遊星歯車104Dの右側列のピニオンは、駆動第1遊星歯車103Dと駆動太陽歯車101Dと噛み合わない駆動第1遊星歯車103Dの左側列のピニオンと噛み合わせ、駆動第2遊星歯車シャフト107Dに組み立てる。
駆動第2遊星歯車シャフト107Dと駆動第2遊星歯車104Dの間の左右にはニードルベアリング344を挿入して駆動第2遊星歯車104Dの回転を自在にし、駆動第2遊星歯車104Dの左右側にはスラスト軸受324を組み立て、サークリップ334を駆動第2遊星歯車シャフト107Dに挟持する。
駆動第2遊星歯車104Dの左側列のピニオンの周りにチェーン105を噛み合わせる。チェーン105の右側で右側駆動ガイドコーン251RDが固定されており、左側では左側駆動ガイドコーン251LDが軸方向の左右に移動しながらチェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
左側駆動フランジギア205LD、右側駆動フランジギア205RDが一定の角度だけ回転するとき、駆動第2遊星歯車104Dと駆動第2遊星歯車シャフト107Dが一定の角度だけ回転する。駆動第2遊星歯車104Dと駆動第2遊星歯車シャフト107Dが回転するとき干渉を受けないように左側ケース13、左側駆動ガイドコーン251LD、右側駆動ガイドコーン251RD、センターケース15、右側ケース12に溝を形成する。
ここで、変速原理は、駆動太陽歯車101Dが回転力を駆動キャリアシャフト102DSで自転している駆動第1遊星歯車103Dへ伝達し、駆動第1遊星歯車103Dと噛み合っている駆動第2遊星歯車104Dは、駆動第2遊星歯車シャフト107D上で自転しながら駆動第1遊星歯車103Dの周りを公転する。
このとき、駆動第2遊星歯車104Dの周りの公転半径が変化することになるので、駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っているチェーン105の半径が変化するとともに、駆動部の速度比が連続的に変化することになる。
実施例1との相違点は、駆動第1遊星歯車103Dの右側列のピニオンと駆動太陽歯車101Dが噛み合っていない第2遊星歯車104Dの右側列のピニオンが、駆動第1遊星歯車103Dの左側列のピニオンと噛み合い、第1遊星歯車103Dの周りを公転する。駆動第2遊星歯車104Dと駆動太陽歯車101Dの干渉を避けることができるため、駆動第2遊星歯車104Dが駆動第1遊星歯車103Dの周りを公転可能な角度を大きくすることができる。公転角度が大きくなると、駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っているチェーン105の半径の変化幅を大きくする。即ち、変速範囲を大きくすることができる。さらに、チェーン105と噛み合っている駆動第2遊星歯車104Dの左側列のピニオンは、駆動第1遊星歯車103Dと噛み合わされる右側列のピニオンと互いに独立的なので、チェーン105の種類及び設計において適用範囲が多様になる。
次に、従動部Fの設置関係を検討してみる。
従動太陽歯車101Fと一体に形成された従動太陽歯車シャフト101FSを、右側ケース12に圧入されたボールベアリング352と、右側ケースカバー11に圧入されたボールベアリング351の内径に挿入して従動太陽歯車シャフト101FSが自在に回転するようにする。従動太陽歯車シャフト101FSと右側ケース12との間にはスラスト軸受321を組み立てる。従動太陽歯車シャフト101FSの外径部には中孔の右側従動調整太陽歯車204RFを組み立てる。従動太陽歯車シャフト101FSと右側従動調整太陽歯車204RFとの間にはニードルベアリング341を挿入させて従動太陽歯車シャフト101FSと右側従動調整太陽歯車204RFの回転を自在にする。右側従動調整太陽歯車204RFの左右にはスラスト軸受321を位置させ、左側のスラスト軸受321部にはサークリップ331を従動太陽歯車101Fに挟持する。
従動太陽歯車101Fの中心と一致するように左側従動ガイドコーン251LFをスプラインで左側ケース13に固定させ、ニードルベアリング341をセンターケース15に圧入する。
左側従動ガイドコーン251LFの内径にはボールベアリング354を圧入し、ボールベアリング354とニードルベアリング341の内径には左側従動調整太陽歯車204LFを挟持し、左側従動調整太陽歯車204LFの回転を円滑にする。
ボールベアリング354の左側にはスラスト軸受321、右側にはスラスト軸受322を位置させる。スラスト軸受322側にはサークリップ331を左側従動調整太陽歯車204LFに挟持する。ニードルベアリング341の左右側にはスラスト軸受322を位置させてサークリップ332を左側従動調整太陽歯車204LFに挟持する。
右側従動ガイドコーン251RFは、左側従動調整太陽歯車204LFとスクリューで組み立てられている。従動ガイドバー252Fは、左側ケース13とセンターケース15にスプラインで固定させ、両端にサークリップ334を挟持する。ここで、左側従動調整太陽歯車204LFが回転するとき、右側従動ガイドコーン251RFは、従動ガイドバー252Fにより、回転せず左右に移動することになる。
従動キャリアシャフト102FSは、スプラインでセンターケース15に固定して右側ケース12に挿入し、サークリップ333を組み立てる。
センターケース15と右側ケース12との間の従動キャリアシャフト102FSの外径には、従動第1遊星歯車103Fを従動太陽歯車101Fと噛み合わせて組み立てる。従動第1遊星歯車103Fの左右側にはスラスト軸受329を組み立て、従動第1遊星歯車103Fと従動キャリアシャフト102FSとの間にはニードルベアリング343を挿入して従動第1遊星歯車103Fの回転を自在にする。
右側ケース12の右側で従動キャリアシャフト102FSの外径には中孔の右側従動フランジギア205RFを組み立て、従動キャリアシャフト102FSと右側従動フランジギア205RFとの間にはニードルベアリング342を挿入して右側従動フランジギア205RFの回転を円滑にする。右側従動フランジギア205RFの左右側にはスラスト軸受329を組み立て、右側スラスト軸受329側にはサークリップ333を従動キャリアシャフト102FSに挟持する。
従動キャリアシャフト102FSの中心と一致するように左側従動フランジギアシャフト206LFを左側ケース13に固定させる。左側従動フランジギア205LFを左側従動調整太陽歯車204LFに噛み合わせて左側従動フランジギアシャフト206LFに組み立てる。左側従動フランジギアシャフト206LFと左側従動フランジギア205LFとの間にはニードルベアリング342を挿入して左側従動フランジギア205LFの回転を円滑にする。左側従動フランジギア205LFの左右側にはスラスト軸受329を組み立て、左側スラスト軸受323側にはサークリップ333を左側従動フランジギアシャフト206LFに挟持する。
従動第2遊星歯車シャフト107Fの両端は、左側従動フランジギア205LF、右側従動フランジギア205RFにスプラインで固定し、サークリップ334を挟持する。
従動第2遊星歯車104Fの右側列のピニオンは、従動第1遊星歯車103Fと従動太陽歯車101Fと噛み合わない従動第1遊星歯車103Fの左側列のピニオンに噛み合わせ、従動第2遊星歯車シャフト107Fに組み立てる。
従動第2遊星歯車シャフト107Fと従動第2遊星歯車104Fとの間の左右にはニードルベアリング344を挿入し、従動第2遊星歯車104Fの左右側にはスラスト軸受324を組み立てる。サークリップ334を従動第2遊星歯車シャフト107Fに挟持する。
従動第2遊星歯車104Fの左側列のピニオンの周りにチェーン105を噛み合わせる。チェーン105の左側には左側従動ガイドコーン251LFが固定されており、右側では右側従動ガイドコーン251RFが軸方向の左右に移動しながらチェーン105の半径が維持されるようにガイドする。
左側従動フランジギア205LF、右側従動フランジギア205RFが一定の角度だけ回転するとき、従動第2遊星歯車104Fと従動第2遊星歯車シャフト107Fが一定の角度だけ回転する。従動第2遊星歯車104Fと従動第2遊星歯車シャフト107Fが回転するとき干渉を受けないように、左側ケース13、左側従動ガイドコーン251LF、右側従動ガイドコーン251RF、センターケース15、右側ケース12に溝を形成する。
従動部の変速原理は、チェーン105と噛み合っている従動第2遊星歯車104Fは従動第2遊星歯車シャフト107F上で自転しながら、従動第1遊星歯車103Fと噛み合う状態で従動第1遊星歯車103Fの周りを公転する。このとき、従動第2遊星歯車104Fと噛み合うチェーン105の半径が変化することになるので、従動部の変速がなされる。
駆動部Dと従動部Fの中心部には、左側ケース13にはボールベアリング355を、右側ケース12にもボールベアリング355を圧入する。ボールベアリング355の内径に調整メインシャフト203を挿入して調整メインシャフト203の回転を円滑にする。
調整メインシャフト203の右側にはスプラインで右側調整メインギア202Rと一体に嵌合し、サークリップ335を調整メインシャフト203に挟持する。右側調整メインギア202Rは、右側駆動調整太陽歯車204RDと右側従動調整太陽歯車204RFに同時に噛み合う。
右側調整メインギア202Rと右側ケース12との間には調整メインシャフト203の外径にスラスト軸受327を組み立てる。
調整メインシャフト203の左側にはスプラインで左側調整メインギア202Lと一体に嵌合し、サークリップ335を調整メインシャフト203に挟持する。左側調整メインギア202Lは左側駆動調整太陽歯車204LDと左側従動調整太陽歯車204LFに同時に噛み合う。
左側調整メインギア202Lと左側ケース13との間の側面にはスラスト軸受326を挿入する。
左側調整メインギア202Lの左側歯形は調整入力歯車201と噛み合っており、調整入力歯車201軸の外径と左側ケースカバー14の内径との間にはニードルベアリング342を挿入する。ニードルベアリング342の左右側にはスラスト軸受321を挿入し、左側スラスト軸受321側にはサークリップ334を調整入力歯車201軸に挟持する。
調整入力歯車201は、調整モータ301の出力軸と結合して回転力が伝達される。
右側ケース12と右側ケースカバー11はボルト311で締結され、右側ケース12とセンターケース15はボルト312で締結される。左側ケース13とセンターケース15はボルト315で締結され、左側ケース13と左側ケースカバー14はボルト313で締結する。調整モータ301は左側ケースカバー14にボルト314で固定する。
ケース内部にはギアオイルを注入して各要素の摩耗を防止させる。
実施例3
前記実施例3は、図46の無段変速機システム(No.9)と同様のもので、図2の変速システムIと図30のガイドコーンと変速調整システムQ1C−1を組み合わせたものである。
このような実施例3に対し、図85〜図95を参照して説明する。
先ず、変速システムと変速調整システムを説明する。
変速システム
変速システムとは、図2の変速システムIを適用したもので、駆動太陽歯車101Dと従動太陽歯車101Fを固定し、右側駆動キャリア102RDに動力が入力され、右側従動キャリア102RFから動力が出力されるものである。図85において、駆動太陽歯車101D、駆動キャリアシャフト102DS、右側駆動キャリア102RD、左側駆動キャリア102LD、駆動第1遊星歯車103D、駆動第2遊星歯車104D、チェーン105、駆動第2遊星歯車シャフト107D、従動第2遊星歯車104F、従動第2遊星歯車シャフト107F、従動第1遊星歯車103F、左側従動キャリア102LF、右側従動キャリア102RF、従動キャリアシャフト102FS、従動太陽歯車101F、入力軸111D、出力軸111Fが示されている。
次に、変速原理を図86に基づいて説明する。
機関の動力を受けて入力軸111Dが右側駆動キャリア102RDを回転させる。駆動太陽歯車101Dが固定されており、駆動キャリアシャフト102DSで自転している駆動第1遊星歯車103Dが回転する。駆動第1遊星歯車103Dと噛み合っている駆動第2遊星歯車104Dが回転することになる。駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っているチェーン105は、従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合い連結されているので、従動部Fへ回転力を伝達する。
ここで、駆動第2遊星歯車シャフト107Dを駆動キャリアシャフト102DSに関して一定の角度だけ連続して回転させると、駆動第2遊星歯車104Dは、駆動第1遊星歯車103Dと噛み合う状態で駆動第1遊星歯車103Dの周りを公転することになり、駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っているチェーン105の半径が変化する。
チェーン105と噛み合っている従動第2遊星歯車104Fは、従動第1遊星歯車103Fと噛み合って回転し、従動太陽歯車101Fが固定されているので、右側従動キャリア102RFにより出力軸111Fへ回転力を伝達する。
ここで、従動第2遊星歯車シャフト107Fを従動キャリアシャフト102FSに関して一定の角度だけ連続して回転させると、従動第2遊星歯車104Fは従動第1遊星歯車103Fと噛み合う状態で従動第1遊星歯車103Fの周りを公転することになり、従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っているチェーン105の半径が変化する。
このように、実施例3での変速原理は実施例1及び実施例2と同様であり、構成上の相違点は、入力軸111Dが変速部のキャリア102を駆動させ、駆動部Dと従動部Fの太陽歯車101を固定させ、駆動部Dの動力をチェーンを介し従動部Fへ伝達し、従動部Fのキャリア102を介し出力軸111Fへ動力を伝達する例である。
変速調整システム
前記変速調整システムとは、図30のガイドコーンと変速システムQ1C−1と同様のもので、図11の変速調整システムQ1と図23のガイドコーンシステムCを適用したものである。
前記変速調整システムQ1とは、キャリア102が回転している変速システムに適用されるもので、図87〜図88で詳しく示したものである。
図88に基づいて変速調整方法を検討してみれば、調整モータ301から入力された回転力が左側調整メインギア202Lを回転させると、左側調整メインギア202Lと噛み合う調整スライダ233を回転させる。調整スライダ233と調整スクリュー232はスクリューで構成されている。左側調整メインギア202Lが調整スライダ233を回転させると、調整スライダ233は左右に移動することになる。
ヘリカルスライダ234は、2つの調整スラスト軸受231とともに調整スライダ233の内側で組み立てられている。
調整スライダ233が左右に移動すれば、ヘリカルスライダ234も左右に移動することになる。このとき、調整スラスト軸受231は、回転状態のヘリカルスライダ234の回転を邪魔しないために設けたものである。
ヘリカルスライダ234のキャリア102との連結部は、スプラインでスライディングさせ、調整太陽歯車204と連結された部分はヘリカルギアでなっている。ヘリカルスライダ234は、キャリア102とともに回転しながら左右に移動するとき、ヘリカルギアにより調整太陽歯車204を回転させることになり、調整太陽歯車204と噛み合っているフランジギア205は、キャリア102上で自転する。フランジギア205に一体に連結された第2遊星歯車シャフト107はキャリア102を中心に回転し、第2遊星歯車シャフト107には第2遊星歯車104が自転しているので、第2遊星歯車104に噛み合っている第1遊星歯車103の周りを公転させる。
図87において全体的な変速調整システムQ1の構成と作動方法を検討してみる。調整モータ301から入力された回転力が調整メインシャフト203に伝達され、調整メインシャフト203と一体に連結された左側調整メインギア202Lと右側調整メインギア202Rが回転する。左側調整メインギア202Lと噛み合う左側駆動調整スライダ233LD、左側従動調整スライダ233LFが回転し、右側調整メインギア202Rと噛み合う右側駆動調整スライダ233RD、右側従動調整スライダ233RFが回転する。
このとき、調整スライダ233と調整スクリュー232は、スクリューで組み立てられており、調整スライダ233は、ヘリカルスライダ234と2つの調整スラスト軸受231とともに組み立てられている。
ここで、左側調整メインギア202Lと右側調整メインギア202Rが回転すれば、左側駆動調整スライダ233LDと右側駆動調整スライダ233RDとの間は広がることになり、左側従動調整スライダ233LFと右側従動調整スライダ233RFの間は狭まる。
なお、左側駆動調整スライダ233LDと右側駆動調整スライダ233RDの内側のスクリューの方向を互いに逆にし、さらに左側従動調整スライダ233LFと、右側従動調整スライダ233RFの内側のスクリューの方向を互いに逆にする。左側駆動調整スライダ233LDと左側従動調整スライダ233LFの内側のスライダのスクリューの方向も互いに逆になるようにする。
ヘリカルスライダ234はキャリア102と回転が一体になり、軸方向にスライディングされながら調整太陽歯車204を回転させることになり、調整太陽歯車204と噛み合うフランジギア205も回転することになる。
フランジギア205が回転することになれば、フランジギア205と一体に連結された第2遊星歯車シャフト107で自転している第2遊星歯車104が第1遊星歯車103の周りに噛み合って公転することになり、第2遊星歯車104の周りに噛み合っているチェーン105の半径を変化させる。
次に、図89は実施例3のガイドコーンシステムCの組立図であり、図90はガイドコーンシステムCの部品図である。
前記ガイドコーンシステムCとは、キャリア102が回転している変速システムに適用されるガイドコーンシステムを称するもので、図89に示されているように、左側駆動ガイドコーン251LDは左側駆動調整太陽歯車204LDに左巻きスクリューで組み立てられており、右側駆動ガイドコーン251RDは右側駆動調整太陽歯車204RDに右巻きスクリューで組み立てられて駆動部Dのチェーン105の両側面に設ける。
左側従動ガイドコーン251LFは左側従動調整太陽歯車204LFに右巻きスクリューで組み立てられており、右側従動ガイドコーン251RFは右側従動調整太陽歯車204RFに左巻きスクリューで組み立てられ、従動部Fのチェーン105の両側面に設けられる。
図90に示されているように、前記全てのガイドコーンは、共通してチェーン105と接触する部分が一定の傾斜角をなすコーンで加工されている。駆動第2遊星歯車シャフト107Dまたは従動第2遊星歯車シャフト107Fが移動するとき邪魔されないように一定の角度だけ多数の円弧形の溝が形成されている。駆動キャリアシャフト102DSまたは従動キャリアシャフト102FSと組み立てられる部分はガイド溝が加工されているので、前記ガイドコーンの軸方向への往復運動を可能にする。
変速調整システムQ1により、左側駆動調整太陽歯車204LD、右側駆動調整太陽歯車204RD、左側従動調整太陽歯車204LF、右側従動調整太陽歯車204RFが同時に反時計方向に回転するとき、左側駆動フランジギア205LDと右側駆動フランジギア205RDは駆動第2遊星歯車シャフト107Dと一体に連結されて時計方向に回転することになる。駆動第2遊星歯車シャフト107D上で自転している駆動第2遊星歯車104Dの周りに噛み合っている駆動部Dのチェーン105の半径が小さくなる。左側駆動ガイドコーン251LDは軸方向の左側に、右側駆動ガイドコーン251RDは軸方向の右側に移動し、両方のコーンの間の幅が大きくなる。したがって、駆動部Dのチェーン105の半径の大きさに応じて対応し、左側駆動ガイドコーン251LDと右側駆動ガイドコーン251RDは、駆動部Dのチェーン105の両側面で接触幅を一定に維持したままチェーン105の半径が維持されるようにする。
これと同時に、左側従動フランジギア205LFと右側従動フランジギア205RFは従動第2遊星歯車シャフト107Fと一体に連結されて時計方向に回転することになる。従動第2遊星歯車シャフト107F上で自転している従動第2遊星歯車104Fの周りに噛み合っている従動部Fのチェーン105の半径が大きくなる。左側従動ガイドコーン251LFは軸方向の右側に、右側従動ガイドコーン251RFは、軸方向の左側に移動して両方のコーンの間の幅が小さくなる。したがって、従動部Fのチェーン105の半径の大きさに応じて対応し、左側従動ガイドコーン251LFと右側従動ガイドコーン251RFは、従動部Fのチェーン105の両側面で接触幅を一定に維持したままチェーン105の半径が維持されるようにする。
次に、図91及び図92を参照しながら、実施例3の構成を説明する。
先ず、駆動部Dの設置関係を図91で検討してみれば、次の通りである。
右側ケースカバー11に右側駆動調整スクリュー232RDをボルト315で固定させ、右側駆動調整スクリュー232RDと中心が一致するようにして、左側ケースカバー14に左側駆動調整スクリュー232LDをボルト315で固定する。
駆動太陽歯車101Dと一体に形成された駆動太陽歯車シャフト101DSは、スプラインで右側駆動調整スクリュー232RD、左側駆動調整スクリュー232LDに固定し、駆動太陽歯車の両端にサークリップ331を挟持する。
駆動太陽歯車シャフト101DSの右側外径には中孔の右側駆動調整太陽歯車204RDを組み立てる。駆動太陽歯車シャフト101DSと右側駆動調整太陽歯車204RDとの間の左右にはニードルベアリング341を挿入し、右側駆動調整太陽歯車204RDの左右側にはスラスト軸受321を位置させる。スラスト軸受321側にはサークリップ331を駆動太陽歯車シャフト101DSに挟持して右側駆動調整太陽歯車204RDの回転を円滑にする。
右側駆動調整太陽歯車204RDの外径部の左側端にはスクリューで右側駆動ガイドコーン251RDと組み立てられ、右側駆動調整太陽歯車204RDの外径で左右側ギア部の間には右側駆動キャリア102RDを組み立てる。右側駆動キャリア102RDの内径と右側駆動調整太陽歯車204RDの外径との間にはニードルベアリング347を挟持する。右側駆動キャリア102RDの外径にはボールベアリング356を組み立てさせ、ボールベアリング356は右側ケース12に圧入して右側駆動キャリア102RDの回転を自在にする。
駆動太陽歯車シャフト101DSの左側の外径には、中孔の左側駆動調整太陽歯車204LDを組み立てる。駆動太陽歯車シャフト101DSと左側駆動調整太陽歯車204LDとの間の左右にはニードルベアリング341を挿入し、左側駆動調整太陽歯車204LDの左右側にはスラスト軸受321を位置させる。スラスト軸受321側にはサークリップ331を駆動太陽歯車シャフト101DSに挟持して左側駆動調整太陽歯車204LDの回転を円滑にする。
左側駆動調整太陽歯車204LDの外径部の右側端にはスクリューで左側駆動ガイドコーン251LDと組み立て、左側駆動調整太陽歯車204LDの外径で左右側ギア部の間には左側駆動キャリア102LDを組み立てる。左側駆動キャリア102LDの内径と左側駆動調整太陽歯車204LDの外径との間にはニードルベアリング347を挟持する。左側駆動キャリア102LDの外径にはボールベアリング357を組み立てさせ、ボールベアリング357を左側ケース13に圧入して左側駆動キャリア102LDの回転を自在にする。
駆動キャリアシャフト102DSをスプラインで右側駆動キャリア102RDと左側駆動キャリア102LDに一体に固定させ、両端にサークリップ333を挟持する。
駆動太陽歯車101Dと噛み合う中孔の駆動第1遊星歯車103Dを駆動キャリアシャフト102DSの外径部の中央に組み立て、駆動第1遊星歯車103Dの内径と駆動キャリアシャフト102DSの外径との間にはニードルベアリング343を挿入させる。駆動第1遊星歯車103Dの左右側にはスラスト軸受323を位置させ、サークリップ333を駆動キャリアシャフト102DSに挟持して駆動第1遊星歯車103Dの回転を円滑にする。
さらに、駆動キャリアシャフト102DSの右側の外径部には中孔の右側駆動フランジギア205RDを組み立て、駆動キャリアシャフト102DSと右側駆動フランジギア205RDとの間にはニードルベアリング342を挿入して右側駆動フランジギア205RDの回転を円滑にする。右側駆動フランジギア205RDの左右にはスラスト軸受323を位置させ、左側スラスト軸受323部にサークリップ333を駆動キャリアシャフト102DSに挟持する。
さらに、駆動キャリアシャフト102DSの左側の外径部には中孔の左側駆動フランジギア205LDを組み立て、駆動キャリアシャフト102DSの外径と左側駆動フランジギア205LDの内径との間にはニードルベアリング342を挿入して左側駆動フランジギア205LDの回転を円滑にする。左側駆動フランジギア205LDの左右にはスラスト軸受323を位置させ、右側スラスト軸受323部分にサークリップ333を駆動キャリアシャフト102DSに挟持する。
駆動第2遊星歯車シャフト107Dは、左側駆動フランジギア205LDと右側駆動フランジギア205RDにスプラインで一体に固定させ、両端にはサークリップ334を挟持する。
駆動第2遊星歯車シャフト107Dの外径部には中孔の駆動第2遊星歯車104Dを組み立てさせ、駆動第2遊星歯車シャフト107Dと駆動第2遊星歯車104Dとの間にはニードルベアリング344を挿入させて駆動第2遊星歯車104Dが円滑に回転できるようにする。駆動第2遊星歯車104Dの左右側にはスラスト軸受324を組み立てさせてサークリップ334を駆動第2遊星歯車シャフト107Dに挟持する。駆動第2遊星歯車104Dは駆動第1遊星歯車103Dと噛み合い、駆動第2遊星歯車104Dの周りにはチェーン105を噛み合う。
ここで、駆動第2遊星歯車104Dは駆動第1遊星歯車103Dと噛み合い回転力が伝達され、駆動第2遊星歯車シャフト107Dの外径部で自転する。左側駆動フランジギア205LD、右側駆動フランジギア205RDが一定の角度だけ回転するとき、駆動第1遊星歯車103Dの周りを公転することになる。このとき、駆動第2遊星歯車104Dと噛み合っているチェーン105の半径が変化することになり、駆動部の変速がなされる。
チェーン105が駆動第2遊星歯車104Dの周りを回転するとき、チェーン105の半径が中心で一定に維持されるようにチェーン105の両側面に右側駆動ガイドコーン251RD、左側駆動ガイドコーン251LDを接触させて設ける。
右側駆動キャリア102RDのスプライン部と右側駆動調整太陽歯車204RDの右側ヘリカルギアに右側駆動ヘリカルスライダ234RDを同時に噛み合う。
右側駆動ヘリカルスライダ234RDの外径には右側駆動調整スライダ233RDを組み立て、右側駆動ヘリカルスライダ234RDと右側駆動調整スライダ233RDとの間に右側駆動調整スラスト軸受231RDを位置させる。右側駆動調整スライダ233RDの内径部と右側駆動調整スクリュー232RDの外径部は、スクリューで組み立てる。
右側駆動調整スライダ233RDが回転することになれば、スクリューにより右側駆動調整スライダ233RDは左右に移動することになる。右側駆動調整スライダ233RDが回転しながら左右に移動することになれば、右側駆動ヘリカルスライダ234RDが左右に移動することになる。
右側駆動キャリア102RD、右側駆動調整太陽歯車204RD、右側駆動フランジギア205RD、右側駆動ヘリカルスライダ234RDは一体に駆動太陽歯車101Dの周りを公転している状態で、駆動ヘリカルスライダ234RDが右側駆動キャリア102RDのスプライン部で軸方向の左右にスライディングするとき、右側駆動調整太陽歯車204RDはヘリカル角度だけ自転することにより右側駆動フランジギア205RDを回転させることになる。
右側ケース12にニードルベアリング345を圧入し、右側ケースカバー11にはボールベアリング351を圧入する。ニードルベアリング345とボールベアリング351の内径に入力軸111Dを組み立て、入力軸111Dは右側駆動キャリア102RDのギアと噛み合う。
入力軸111Dにスラスト軸受323を挟持し、ボールベアリング351の外側へオイルシール361を右側ケースカバー11に圧入し、入力軸111Dからの漏油を防止させる。
左側駆動キャリア102LDのスプライン部と左側駆動調整太陽歯車204LDの左側ヘリカルギアに、左側駆動ヘリカルスライダ234LDを同時に噛み合う。左側駆動ヘリカルスライダ234LDの外径には左側駆動調整スライダ233LDを組み立て、左側駆動ヘリカルスライダ234LDと左側駆動調整スライダ233LDとの間に左側駆動調整スラスト軸受231LDを位置させる。
次に、従動部Fの設置関係を図92で検討してみれば、右側ケースカバー11に右側従動調整スクリュー232RFをボルト315で固定させ、右側従動調整スクリュー232RFと中心が一致するようにして、左側ケースカバー14に左側従動調整スクリュー232LFをボルト315で固定させる。
従動太陽歯車101Fと一体に形成された従動太陽歯車シャフト101FSは、スプラインで右側従動調整スクリュー232RF、左側従動調整スクリュー232LFに固定し、両端にサークリップ331を挟持する。
従動太陽歯車シャフト101FSの右側の外径には中孔の右側従動調整太陽歯車204RFを組み立てる。従動太陽歯車シャフト101FSと右側従動調整太陽歯車204RFとの間の左右にはニードルベアリング341を挿入し、右側従動調整太陽歯車240RFの左右側にはスラスト軸受321を位置させる。スラスト軸受321側にはサークリップ331を従動太陽歯車シャフト101FSに挟持して右側従動調整太陽歯車204RFの回転を円滑にする。
右側従動調整太陽歯車204RFの外径部の左側端にはスクリューで右側従動ガイドコーン251RFと組み立て、右側従動調整太陽歯車204RFの外径で左右側ギア部の間には右側従動キャリア102RFを組み立てる。右側従動キャリア102RFの内径と右側従動調整太陽歯車204RFの外径との間にはニードルベアリング347を挟持する。右側従動キャリア102RFの外径にはボールベアリング356を組み立てさせ、ボールベアリング356は右側ケース12に圧入し、右側従動キャリア102RFの回転を自在にする。
従動太陽歯車シャフト101FSの左側の外径には中孔の左側従動調整太陽歯車204LFを組み立てる。従動太陽歯車シャフト101FSと左側従動調整太陽歯車204LFとの間の左右にはニードルベアリング341を挿入し、左側従動調整太陽歯車204LFの左右側にはスラスト軸受321を位置させる。スラスト軸受321側にはサークリップ331を従動太陽歯車シャフト101FSに挟持して左側従動調整太陽歯車204LFの回転を円滑にする。
左側従動調整太陽歯車204LFの外径部の右側端にはスクリューで左側従動ガイドコーン251LFと組み立て、左側従動調整太陽歯車204LFの外径で左右側ギア部の間には左側従動キャリア102LFを組み立てる。左側従動キャリア102LFの内径と左側従動調整太陽歯車204LFの外径との間にはニードルベアリング347を挟持する。左側従動キャリア102LFの外径にはボールベアリング357を組み立てさせ、ボールベアリング357は左側ケース13に圧入して左側従動キャリア102LFの回転を自在にする。
従動キャリアシャフト102FSをスプラインで右側従動キャリア102RFと左側従動キャリア102LFに一体に固定させ、両端にサークリップ333を挟持する。
従動太陽歯車101Fと噛み合う中孔の従動第1遊星歯車103Fを従動キャリアシャフト102FSの外径部の中央に組み立て、従動第1遊星歯車103Fの内径と従動キャリアシャフト102FSの外径との間にはニードルベアリング343を挿入させる。従動第1遊星歯車103Fの左右側にはスラスト軸受323を位置させ、サークリップ333を従動キャリアシャフト102FSに挟持して従動第1遊星歯車103Fの回転を円滑にする。
さらに、従動キャリアシャフト102FSの右側の外径部には中孔の右側従動フランジギア205RFを組み立て、従動キャリアシャフト102FSと右側従動フランジギア205RFとの間にはニードルベアリング342を挿入して右側従動フランジギア205RFの回転を円滑にする。右側従動フランジギア205RFの左右にはスラスト軸受323を位置させ、左側スラスト軸受323部にサークリップ333を従動キャリアシャフト102FSに挟持する。
さらに、従動キャリアシャフト102FSの左側の外径部には中孔の左側従動フランジギア205LFを組み立て、従動キャリアシャフト102FSの外径と左側従動フランジギア205LFの内径との間にはニードルベアリング342を挿入して左側従動フランジギア205LFの回転を円滑にする。左側従動フランジギア205LFの左右にはスラスト軸受323を位置させ、右側スラスト軸受323部にサークリップ333を従動キャリアシャフト102FSに挟持する。
従動第2遊星歯車シャフト107Fは、左側従動フランジギア205LFと右側従動フランジギア205RFにスプラインで一体に固定させ、両端にはサークリップ334を挟持する。
従動第2遊星歯車シャフト107Fの外径部には従動第1遊星歯車103Fと噛み合う中孔の従動第2遊星歯車104Fを組み立て、従動第2遊星歯車シャフト107Fと従動第2遊星歯車104Fとの間にはニードルベアリング344を挿入して従動第2遊星歯車104Fが円滑に回転するようにする。従動第2遊星歯車104Fの左右側にはスラスト軸受324を組み立てさせ、サークリップ334を従動第2遊星歯車シャフト107Fに挟持する。従動第2遊星歯車104Fは従動第1遊星歯車103Fと噛み合い、従動第2遊星歯車104Fの周りにはチェーン105を噛み合う。
ここで、従動第2遊星歯車104Fはチェーン105から回転力が伝達され、従動第2遊星歯車シャフト107Fの外径部で自転する。左側従動フランジギア205LF、右側従動フランジギア205RFが一定の角度だけ回転するとき、従動第1遊星歯車103Fの周りを公転することになる。このとき、従動第2遊星歯車104Fと噛み合っているチェーン105の半径が変化することになって従動部の変速がなされる。チェーン105の回転力は従動太陽歯車101Fが固定されているので、キャリアに伝達され右側従動キャリア102RFと噛み合っている出力軸111Fへ伝達される。
チェーン105が従動第2遊星歯車104Fの周りを回転するとき、チェーン105の半径が中心で一定に維持されるようにチェーン105の両側面に右側従動ガイドコーン251RF、左側従動ガイドコーン251LFを接触させて設ける。
右側従動キャリア102RFのスプライン部と右側従動調整太陽歯車204RFの右側ヘリカルギアに、右側従動ヘリカルスライダ234RFを同時に噛み合う。
右側従動ヘリカルスライダ234RFの外径には右側従動調整スライダ233RFを組み立て、右側従動ヘリカルスライダ234RFと右側従動調整スライダ233RFとの間に右側従動調整スラスト軸受231RFを位置させる。右側従動調整スライダ233RFの内径部と右側従動調整スクリュー232RFの外径部は、スクリューで組み立てる。
右側従動調整スライダ233RFが回転することになれば、スクリューにより右側従動調整スライダ233RFは左右に移動することになる。右側従動調整スライダ233RFが回転しながら左右に移動することになれば、右側従動ヘリカルスライダ234RFが左右に移動することになる。
右側従動キャリア102RF、右側従動調整太陽歯車204RF、右側従動フランジギア205RF、右側従動ヘリカルスライダ234RFは一体に従動太陽歯車101Fの周りを公転している状態で、右側従動ヘリカルスライダ234RFが右側従動キャリア102RFのスプライン部で軸方向の左右にスライディングするとき、右側従動調整太陽歯車204RFはヘリカル角度だけ自転することにより右側従動フランジギア205RFを回転させることになる。
右側ケース12にニードルベアリング345を圧入し、右側ケースカバー11にはボールベアリング351を圧入する。ニードルベアリング345とボールベアリング351の内径に出力軸111Fを組み立て、出力軸111Fは右側従動キャリア102RFのギアと噛み合う。
出力軸111Fと右側ケース12との間にはニードルベアリング345を挟持し、ボールベアリング351の外側へオイルシール362を右側ケースカバー11に圧入して出力軸111Fからの漏油を防止する。
左側従動キャリア102LFのスプライン部と左側従動調整太陽歯車204LFの左側ヘリカルギアに左側従動ヘリカルスライダ234LFを同時に噛み合う。
左側従動ヘリカルスライダ234LFの外径には左側従動調整スライダ233LFを組み立て、左側従動ヘリカルスライダ234LFと左側従動調整スライダ233LFとの間に左側従動調整スラスト軸受231LFを位置させる。
駆動部Dと従動部Fの中心部で、左側ケースカバー14にはニードルベアリング346を挿入し、ニードルベアリング346の内径にはブッシュ371を挿入する。
ニードルベアリング346の左右側にはスラスト軸受328を位置させ、サークリップ335を調整メインシャフト203に挟持する。
調整メインシャフト203の右側には右側調整メインギア202R、左側には左側調整メインギア202Lをスプラインで挟持して固定する。
ブッシュ371の内径とニードルベアリング346の内径には調整メインシャフト203を挟持する。右側調整メインギア202Rは右側駆動調整スライダ233RD及び右側従動調整スライダ233RFと噛み合い、左側調整メインギア202Lは左側駆動調整スライダ233LDと左側従動調整スライダ233LFと噛み合う。
右側ケースカバー11と調整メインシャフト203との間にはニードルベアリング346を挿入し、ニードルベアリング346の内径にはブッシュ371を挿入する。
ニードルベアリング346の左右側にはスラスト軸受328を位置させ、サークリップ335を調整メインシャフト203に挟持する。
調整モータ301の出力軸は、調整メインシャフト203と結合して回転力を伝達する。右側ケースカバー11と右側ケース12はボルト311で締結し、左側ケース13と右側ケース12はボルト312で締結する。左側ケースカバー14と左側ケース13は、ボルト313で締結し、前記調整モータ301はボルト314で左側ケースカバー14に締結される。
以上のように、本発明に対し記述したが、これに限定されるものではない。本発明の範囲内で多様な修正及び変更が可能である。