JP2007225103A - 遊星歯車とフルードカップリングの自動無段変速装置 - Google Patents

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徳明 中島
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Abstract

【課題】構造が簡単で電子制御を必要とせず、なおかつ、原動力の大きさにみあった出力調整を可能とする自動無段変速装置を提供する。
【解決手段】遊星歯車とフルードカップリングを融合させ、出力軸(10)の負荷が大きい時は、負荷の小さい遊星歯車(2・4)を回転させLOWギア状態となり、出力軸(10)の負荷が小さくなってくると、徐々にフルードカップリング(8)内のフィン(3・9)からの回転力が加算されてHIGHギア状態となる。電子制御などの外部からの力を受けずに自動的に無段変速をおこなう。
また、フルードカップリング内のフィンA(4),フィンB(9)の間隔を変えることにより、原動力の大きさにみあった出力調整を可能にしたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、遊星歯車と、フルードカップリングを融合させ自動無段変速を行ない、なおかつ、原動力の大きさにみあった出力の設定ができる自動無段変速装置に関するものである。
従来、無段変速装置は、多数で複雑な構造の歯車と、大きな設置スペース、又、電子制御や油圧制御を必要としており、開発コスト、生産コストとも多大なものであった。
これらの欠点を解決するため、次の項目を課題とした。
・歯車の数を少なくし、構造、形状を簡素化する
・電子制御、油圧制御を使用しない
・原動軸の負荷を調整可能にする
・力のロスを抑える
(請求項1)原動軸(1)の軸上に歯車A(2)を固定しその先にフィンA(3)を固定する。歯車A(2)の回転を伝達させるように、その外側に歯車B(4)を設ける。歯車B(4)を囲むような形で歯車C(5)を設け、その外側には歯車C(5)を原動軸(1)と反対に回転させないための、逆転防止ストッパー(6)を設ける。歯車B(4)の中心軸上に従動軸(7)を設け、その一端をフルードカップリング(8)に固定させる。フルードカップリング(8)内には、フィンB(9)をフィンA(3)に向き合う形で固定させる、また、フルードカップリング(8)内には、オイルを満たし、フィンA(3)の回転に追従してフィンB(9)が回転するものとする。フルードカップリング(8)の中心軸上に出力軸(10)を固定させ、最終的な出力の伝達先とする。
前途の通りフィンA(3)は原動軸(1)に固定されているが、原動軸(1)を軸線方向に移動させることにより、同時にフィンA(3)も移動し、フィンB(9)との間隔を調整できる構造とする。
フィンA(3)、B(9)の形状については一例であり、これを一般的なトルクコンバータの形状とすることもできる。(フルードカップリングの一種としてトルクコンバータも含まれる)
本発明は以上の構成よりなる自動無段変速装置である。(図1)
(請求項2)請求項1の構造を自転車用に応用した構造である。
原動軸(1)を延長させその軸上に入力ペダル(12)を設ける。フルードカップリング(8)の外周に歯車D(13)を固定させる。歯車D(13)の回転を伝達させる手段としてチェーン(14)を設け、後輪歯車(15)及び出力軸(10)に伝達させ、最終的な出力の伝達先とする。
本発明は以上の構成よりなる(自転車用)自動無段変速装置である。(図4)
原動軸からフィンA(3)に伝わった力は、フルードカップリング(8)内オイルを介してフィンB(9)を回転させようとするが、出力軸(10)の負荷が大きすぎると回転させることが出来ない。その場合は、歯車A(2)が負荷の小さい歯車B(4)を回転させる。歯車B(4)は歯車C(5)を回転させようとするが逆転防止ストッパー(6)があるため従動軸(7)を+方向に回転させる。よってそれに固定されている出力軸(10)が回転する。これがLOWギアとなる。
一方、主軸の回転速度が速くなってくるとフィンA(3)の回転の回転速度も上がってくるが、それに追従してフィンB(9)を回転させようとする力も強くなる、そしてフィンB(9)が回転し初め、ある時点で、従動軸(7)からの回転速度を上回ると、歯車C(5)は+方向に空回りし、これまでの従動軸(7)からの回転速度にフィンB(9)からの回転力が加算されて出力軸(10)を回転させることになる。これが中速域となる。
そして、さらに速度が増してフィンA(3)とフィンB(9)が同じ回転速度になったときがHIGH(TOP)ギアとなる。
また、原動軸からの力の大きさを調整する手段として、原動軸(1)を軸方向に移動させれば、それに固定されているフィンA(3)も移動し、フィンB(9)との隙間が変わり作用が変化する。フィンB(9)に対する作用を変化させることにより、LOWからHIGHに切り替わるポイントを変化させる。フィンA(3)をフィンB(9)に近づければ作用が大きくなり、遠ざければ作用が小さくなる。この特性を利用して原動軸(1)の負荷を調整可能にしている。
以上の構造から、LOWギア時は歯車Bからの回転により出力軸を回転させ、HIGHギア時は、歯車Bからの回転にフィンBからの回転も加算される、すでに回転しているものに回転をあたえる(歯車Bはフルードカップリングが作用してなくても常に回転している)のでロスが少ない。また、原動力の大小による調整も可能なので、この効果は幅広く応用できる。電子制御等を必要とせずに、自転車、自動車、農耕機、工作機(リュータ等)、玩具(ラジコンカー等)、電気モーター等の自動無段変速を可能にしている。
例として、自動車に組み込んだ場合、図3のような形体になる。クラッチ(11)は原動軸の力をON、OFFさせ、また、急激な力の伝達を防ぐためのものである。発進時や登坂時の出力軸の負荷が大きい時は従動軸からのLOWギア状態となり、平坦道や高速走行時の負荷が少なくなると、徐々にフィンBからの回転力が加算されていきHIGHギア状態となる。中低速時のトルクがさらに必要なときは、フルードカップリングをトルクコンバータ形式に変えることも可能である。(図3)
次に、自転車に組み込む場合は、形状をいくらか変えなければならないが、図4のような形体になる。発進時や登坂時は従動軸からのLOWギア状態となり、平坦道や高速走行時は自動的にフィンBからのHIGHギア状態へと変化する。さらに、原動軸を軸方向に移動させることにより負荷を調整できるので、子供やお年寄りなど非力な人から強力な人まで対応が可能である。また、後輪ハブ内に組み込んで内装変速としても利用可能である。(図4)
次に、ラジコンカーに組み込む場合は、電気モーターに取り付けるか、電気モーター自体に組み込むことになるが、これも同様の効果があり、平坦面では早く、登坂時ではゆっくりになるが、力強く、どんな坂でも登れるラジコンカーができる。
本発明の簡単な斜視図である。(フルードカップリング内はカットモデル) 本発明の簡単な断面図である。 自動車に組み込む場合の斜視図である。(フルードカップリング内はカットモデル) 自転車に組み込む場合の斜視図である。(フルードカップリング内はカットモデル)
符号の説明
1.原動軸
2.歯車A(太陽ギア)
3.フィンA
4.歯車B(遊星ギア)
5.歯車C(リンクギア)
6.逆転防止ストッパー
7.従動軸
8.フルードカップリング
9.フィンB
10.出力軸
11.クラッチ(自動車の例)
12.ペダル(自転車の例)
13.歯車D(自転車の例)
14.チェーン(自転車の例)
15.後輪歯車(自転車の例)

Claims (2)

  1. 原動軸(1)の軸上に歯車A(2)を固定しその先にフィンA(3)を固定する。歯車A(2)の回転を伝達させるように、その外側に歯車B(4)を設ける。歯車B(4)を囲むような形で歯車C(5)を設け、その外側には歯車C(5)を原動軸(1)と反対に回転させないための、逆転防止ストッパー(6)を設ける。歯車B(4)の中心軸上に従動軸(7)を設け、その一端をフルードカップリング(8)に固定させる。フルードカップリング(8)内には、フィンB(9)をフィンA(3)に向き合う形で固定させる、また、フルードカップリング(8)内には、オイルを満たし、フィンA(3)の回転に追従してフィンB(9)が回転するものとする。フルードカップリング(8)の中心軸上に出力軸(10)を固定させ、最終的な出力の伝達先とする。
    前途の通りフィンA(3)は原動軸(1)に固定されているが、原動軸(1)を軸線方向に移動させることにより、同時にフィンA(3)も移動し、フィンB(9)との間隔を調整できる構造とする。
    フィンA(3)、B(9)の形状については一例であり、これを一般的なトルクコンバータの形状とすることもできる。(フルードカップリングの一種としてトルクコンバータも含まれる)
    以上の構成の自動無段変速装置。(図1)
  2. 請求項1の構造を自転車用に応用した構造である。
    原動軸(1)を延長させその軸上に入力ペダル(12)を設ける。フルードカップリング(8)の外周に歯車D(13)を固定させる。歯車D(13)の回転を伝達させる手段としてチェーン(14)を設け、後輪歯車(15)及び出力軸(10)に伝達させ、最終的な出力の伝達先とする。
    以上の構成の(自転車用)自動無段変速装置。(図4)
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