JP6625450B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数個のクランク式の伝達ユニットを軸方向に並設した車両用動力伝達装置において、外周に複数の偏心カムを所定間隔で備える入力軸を複数の部材を軸方向に連結して構成し、各偏心カムの外周面に偏心ディスク軸方向一端側を1個のベアリングを介して片持ち支持したものに関する。
かかる車両用動力伝達装置は、下記特許文献1により公知である。
特開2015−21559号公報
ところで、偏心カムを含む入力軸を複数の部材に軸方向に分割して構成した上記従来の車両用動力伝達装置において、隣接する二つの部材どうしをボルトで軸方向に順番に締結して入力軸を組み立てる場合、できるだけ太いボルトを使用することで入力軸の組立強度が向上する。この場合、ボルトの頭部が突出して邪魔にならないように、部材に形成した座繰り孔の内部にボルトの頭部を収納する必要があるが、太いボルトは頭部の直径も大きいために大径の座繰り孔を形成するスペースが確保できず、そのために使用可能なボルトの太さが制限されてしまう問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、車両用動力伝達装置の分割式の入力軸を構成する複数の部材を結合するボルトの大径化を可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する複数の伝達ユニットを軸方向に並置し、前記伝達ユニットの各々は、前記入力軸と一体に回転する偏心カムと、前記偏心カムの外周に相対回転自在に嵌合するリングギヤが形成された偏心部材と、前記入力軸と同軸に配置されて変速アクチュエータにより回転する変速軸と、前記変速軸に設けられて前記リングギヤに噛合するピニオンと、前記出力軸に設けたワンウェイクラッチと、前記偏心部材および前記ワンウェイクラッチのアウター部材に接続されて往復運動するコネクティングロッドとを備え、前記変速アクチュエータで前記変速軸を前記入力軸に対して相対回転させて前記偏心カムに対する前記偏心部材の位相を変化させることで、前記入力軸の軸線からの前記偏心部材の偏心量を変化させて変速比を変更する車両用動力伝達装置であって、前記偏心部材は、内周にベアリングを支持する第1環状部と、内周に前記リングギヤが形成された第2環状部とが軸方向に連設され、前記偏心カムは、外周に前記ベアリングを支持するベアリング支持面が形成されたカム部と、前記ベアリング支持面よりも小径であって前記リングギヤの一部をガイドするガイド部とが軸方向に連設され、軸方向に隣接する二つの前記偏心カムのうちの一方の前記偏心カムの前記カム部に形成した座繰り孔に頭部を嵌合したボルトの軸部を他方の前記偏心カムの前記ガイド部に形成したボルト孔に螺合することで、軸方向に隣接する前記二つの偏心カムを締結し、一方の前記偏心カムの少なくとも一つの前記座繰り孔は、該一方の前記偏心カムの前記ガイド部を切り欠いた切欠きで形成され、かつ前記二つの偏心カムを軸方向に見たとき、一方の前記偏心カムの少なくとも一つの前記座繰り孔は他方の前記偏心カムの前記カム部にオーバーラップすることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
なお、実施の形態の主ガイド部18eは本発明のガイド部に対応し、実施の形態の偏心ディスク19は本発明の偏心部材に対応し、実施の形態のニードルベアリング20は本発明のベアリングに対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
請求項1の構成によれば、偏心部材が入力軸と一体に偏心回転すると、偏心部材に一端を接続されたコネクティングロッドが往復運動し、コネクティングロッドの他端が接続されたアウター部材が往復揺動する。アウター部材が一方向に揺動したときにワンウェイクラッチが係合し、アウター部材が他方向に揺動したときにワンウェイクラッチが係合解除することで、入力軸の回転が変速されて出力軸に伝達される。変速アクチュエータで偏心部材の偏心量を変化させると、コネクティングロッドの往復ストロークが変化して動力伝達装置の変速比が変更される。
偏心部材は、内周にベアリングを支持する第1環状部と、内周にリングギヤが形成された第2環状部とが軸方向に連設され、偏心カムは、外周にベアリングを支持するベアリング支持面が形成されたカム部と、ベアリング支持面よりも小径であってリングギヤの一部をガイドするガイド部とが軸方向に連設され、軸方向に隣接する二つの偏心カムのうちの一方の偏心カムのカム部に形成した座繰り孔に頭部を嵌合したボルトの軸部を他方の偏心カムのガイド部に形成したボルト孔に螺合するので、ボルトの挿入方向を逆にし、ガイド部側に形成した座繰り孔から挿入したボルトをカム部側に形成したボルト孔に螺合する場合に比べて座繰り孔の直径を拡大することができ、その分だけ太いボルトを使用して二つの偏心カムを強固に締結することができる。
た、一方の偏心カムの少なくとも一つの座繰り孔は該一方の偏心カムのガイド部を切り欠いて形成されるので、座繰り孔に嵌合するボルトの頭部の直径を拡大してもガイド部との干渉を回避することができる。また二つの偏心カムを軸方向に見たとき、一方の偏心カムの少なくとも一つ座繰り孔は他方の偏心カムのカム部にオーバーラップするが、一方の偏心カムの座繰り孔にボルトを挿入して他方の偏心カムのボルト孔に締結するときに、該一方の偏心カムのボルト孔にボルトを挿入して締結する該一方の偏心カムよりも更に手前側の偏心カムは未だ組み付けられていないため、その他方の偏心カムのカム部がボルトの挿入の妨げになることがない。
車両用動力伝達装置の縦断面図。 図1の2−2線断面図。 偏心ディスクの正面図および断面図。 偏心ディスクの偏心量と変速比との関係を示す図。 図1の5部拡大図。 隣接する二つの中間部材の結合関係を示す図。 図5に対応する比較例を示す図。
以下、図1〜図7に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1および図2に示すように、自動車用のクランク式の無段変速機Tのミッションケース11の一対の側壁11a,11bに入力軸12および出力軸13が相互に平行に支持されており、エンジンEに接続された入力軸12の回転が6個の伝達ユニット14…、出力軸13および図示せぬディファレンシャルギヤを介して図示せぬ駆動輪に伝達される。中空に形成された入力軸12の内部に、その入力軸12と軸線Lを共有する変速軸15が7個のニードルベアリング16…を介して相対回転可能に嵌合する。
6個の伝達ユニット14…の構造は実質的に同一構造であるため、以下、一つの伝達ユニット14を代表として構造を説明する。
伝達ユニット14は変速軸15の外周面に設けられたピニオン17を備えており、このピニオン17は入力軸12に形成した開口12a(図2参照)から露出する。入力軸12の外周に6個の円板状の偏心カム18…が一体に形成されており、これらの偏心カム18…の中心O1は入力軸12の軸線Lに対して距離dだけ偏心している。また6個の伝達ユニット14…の6個の偏心カム18…は、その偏心方向の位相が相互に60°ずつずれている。
図1、図5および図6から明らかなように、入力軸12は組立式のもので、軸線L方向一端に位置する第1軸端部材12Aと、軸線L方向他端に位置する第2軸端部材12Bと、第1軸端部材12Aおよび第2軸端部材12B間に挟まれた同一形状の5個の中間部材12C…とを、各3本のボルト43…で一体に結合して構成される。5個の中間部材12C…は互換可能な同一部材であり、各々が軸線Lに対して相互に異なる位相で偏心する偏心カム18を備える。
中間部材12C…の偏心カム18は、繭型の板状に形成されたフランジ部18aと、フランジ部18aの軸方向一側(図5において図中左側、図6において紙面の裏側)に連設され、外周にニードルベアリング20を支持するベアリング支持面18bが形成された円形のカム部18cと、カム部18cの軸方向一側に突設された円弧状の副ガイド部18dと、カム部18cの軸方向他側(図5において図中右側、図6において紙面の表側)に突設された円弧状の主ガイド部18eと、フランジ部18a側からカム部18cの厚さ方向中間部まで加工した3個の座繰り孔18f…と、座繰り孔18f…と同軸に加工されてカム部18cおよび副ガイド部18dを貫通する3個のボルト孔18g…と、前記3個の座繰り孔18f…および前記3個のボルト孔18g…に対して異なる位相で前記主ガイド部18eに形成された3個のボルト孔18h…とを備える。カム部18cおよび副ガイド部18dを貫通する3個のボルト孔18g…には雌ねじが形成されず、主ガイド部18eに形成された3個のボルト孔18h…には前記3本のボルト43…が螺合可能な雌ねじが形成される。なお、図6における符号18i,18iは、図示せぬノックピンが嵌合するノック孔である。
各中間部材12C…は同一部材であるため、それらの座繰り孔18f…、ボルト孔18g…およびボルト孔18h…は同じ位置に形成されるが、二つの中間部材12C,12Cを入力軸12の軸線Lまわりに所定角度回転させると、一方の中間部材12Cの座繰り孔18f…およびボルト孔18g…は、他方の中間部材12Cのボルト孔18h…に同軸に重なり合う。三つの座繰り孔18f…のうちの一つは、中間部材12Cの同じ面の主ガイド部18eの縁にオーバーラップして切欠き18jを形成する(図6参照)。また中間部材12Cを軸方向に見たとき、中間部材12C…の三つの座繰り孔18f…の一つ(図6の手前側の座繰り孔18fのうちの最も左側のもの)は、その側の中間部材12Cのカム部18c(図6に線で示す円)にオーバーラップしている(図6の手前側の中間部材12Cの座繰り孔18fのうちの最も左側のものは、奥側の中間部材12Cの最も左側のボルト孔18hに対応しており、この奥側の中間部材12Cの最も左側のボルト孔18hはカム部18cにオーバーラップしているから、図6の手前側の中間部材12Cの座繰り孔18fのうちの最も左側のものも、奥側の中間部材12Cのカム部18cにオーバーラップしている。)
そして、手前側の中間部材12Cの座繰り孔18f…に頭部43a…が嵌合して軸部43b…がボルト孔18g…を貫通する3本のボルト43…を、奥側の中間部材12Cのボルト孔18h…に螺合することで、二つの中間部材12C,12Cを一体に結合することができる。このようにして、第1軸端部材12A、第2軸端部材12Bおよび5個の中間部材12C…を軸方向に順番に結合することで、6個の偏心カム18を一体に有する入力軸12が組み立てられる。
各偏心カム18の円形のカム部18cの外周には、偏心ディスク19に形成した第1環状部19aが1個のニードルベアリング20を介して回転自在に支持される。また偏心ディスク19の軸線L方向の一端側には、前記第1環状部19aと同心の第2環状部19bが連設されており、この第2環状部19bの内周に形成したリングギヤ19cの周方向の一部が、隣接する二つの偏心カム18の相互に突き合わされた副ガイド部18dおよび主ガイド部18eの外周面に摺動自在に案内される。
中間部材12Cを貫通する変速軸15に設けられたピニオン17は、一体に結合された主ガイド部18eおよび副ガイド部18dの切れ目である入力軸12の開口部12a(図2参照)において、主ガイド部18eおよび副ガイド部18dの外周面に案内される偏心ディスク19のリングギヤ19cに歯合しており、入力軸12および変速軸15が相対回転すると、ピニオン17にリングギヤ19cを駆動された偏心ディスク19が偏心カム18まわりに回転する。
図3および図4に示すように、偏心ディスク19の中心O2に対して第1環状部19aの中心O1(つまり偏心カム18の中心O1)は距離dだけずれている。すなわち、入力軸12の軸線Lおよび偏心カム18の中心O1間の距離dと、偏心カム18の中心O1および偏心ディスク19の中心O2間の距離dとは同一である。
図1に戻り、入力軸12の右端側はボールベアリング21を介してミッションケース11の右側の側壁11aに直接支持される。また入力軸12の左端側に位置する第2軸端部材12Bに一体に設けた筒状部18kが、ボールベアリング22を介してミッションケース11の左側の側壁11bに支持されており、その偏心カム18の内周にスプライン結合された入力軸12の左端側はミッションケース11に間接的に支持される。
入力軸12に対して変速軸15を相対回転させて無段変速機Tの変速比を変更する変速アクチュエータ23は、モータ軸24aが軸線Lと同軸になるようにミッションケース11に支持された電動モータ24と、電動モータ24に接続された遊星歯車機構25とを備える。遊星歯車機構25は、電動モータ24にニードルベアリング26を介して回転自在に支持されたキャリヤ27と、モータ軸24aに固定されたサンギヤ28と、キャリヤ27に回転自在に支持された複数の2連ピニオン29…と、中空の入力軸12の軸端(厳密には、第2軸端部材12Bの筒状部18k)にスプライン結合された第1リングギヤ30と、変速軸15の軸端にスプライン結合された第2リングギヤ31とを備える。各2連ピニオン29は大径の第1ピニオン29aと小径の第2ピニオン29bとを備えており、第1ピニオン29aはサンギヤ28および第1リングギヤ30に噛合し、第2ピニオン29bは第2リングギヤ31に噛合する。
コネクティングロッド33は、大端部33a、ロッド部33bおよび小端部33cを備えるもので、大端部33aがボールベアリング32を介して偏心ディスク19の外周に支持される。
出力軸13はミッションケース11の一対の側壁11a,11bに一対のボールベアリング34,35で支持されており、その外周にワンウェイクラッチ36が設けられる。ワンウェイクラッチ36は、コネクティングロッド33の小端部33cにピン37を介して枢支された揺動リンク42と、揺動リンク42の内周に固定されたリング状のアウター部材38と、アウター部材38の内部に配置されて出力軸13に固定されたリング状のインナー部材39と、アウター部材38の内周面とインナー部材39の外周面との間に形成された楔状の空間に配置されて複数個のスプリング40…で付勢された複数個のローラ41…とを備える。
次に、無段変速機Tの一つの伝達ユニット14の作用を説明する。
図2および図4(A)〜図4(D)から明らかなように、入力軸12の軸線Lに対して偏心ディスク19の中心O2が偏心しているとき、エンジンEによって入力軸12が回転するとコネクティングロッド33の大端部33aが軸線Lまわりに偏心回転することで、コネクティングロッド33が往復運動する。
その結果、コネクティングロッド33が往復運動する過程で図中右側に押されると、揺動リンク42と共にアウター部材38が図2において反時計方向に揺動し、スプリング40…に付勢されたローラ41…がアウター部材38およびインナー部材39間の楔状の空間に噛み込み、アウター部材38およびインナー部材39がローラ41…を介して結合されることで、ワンウェイクラッチ36が係合してコネクティングロッド33の動きが出力軸13に伝達される。逆にコネクティングロッド33が往復運動する過程で図中左側に引かれると、揺動リンク42と共にアウター部材38が図2において時計方向に揺動し、ローラ41…がスプリング40…を圧縮しながらアウター部材38およびインナー部材39間の楔状の空間から押し出され、アウター部材38およびインナー部材39が相互にスリップすることで、ワンウェイクラッチ36が係合解除してコネクティングロッド33の動きが出力軸13に伝達されなくなる。
このようにして、入力軸12が1回転する間に、入力軸12の回転が所定時間だけ出力軸13に伝達されるため、入力軸12が連続回転すると出力軸13は間欠回転する。6個の伝達ユニット14…の偏心ディスク19…の偏心量εは全て同一であるが、偏心方向の位相が相互に60°ずつずれているため、6個の伝達ユニット14…が入力軸12の回転を交互に出力軸13に伝達することで、出力軸13は連続的に回転する。
このとき、偏心ディスク19の偏心量εが大きいほど、コネクティングロッド33の往復ストロークが大きくなって出力軸13の1回の回転角が増加し、無段変速機Tの変速比が小さくなる。逆に、偏心ディスク19の偏心量εが小さいほど、コネクティングロッド33の往復ストロークが小さくなって出力軸13の1回の回転角が減少し、無段変速機Tの変速比が大きくなる。そして偏心ディスク19の偏心量εがゼロになると、入力軸12が回転してもコネクティングロッド33が移動を停止するために出力軸13は回転せず、無段変速機Tの変速比が最大(無限大)になる。
入力軸12に対して変速軸15が相対回転しないとき、つまり入力軸12および変速軸15が同一速度で回転するとき、無段変速機Tの変速比は一定に維持される。入力軸12および変速軸15を同一速度で回転させるには、入力軸12と同速度で電動モータ24を回転駆動すれば良い。その理由は、遊星歯車機構25の第1リングギヤ30は入力軸12に接続されて該入力軸12と同一速度で回転するが、それと同一速度で電動モータ24を駆動するとサンギヤ28および第1リングギヤ30が同一速度で回転するため、遊星歯車機構25はロック状態になって全体が一体に回転する。その結果、一体に回転する第1リングギヤ30および第2リングギヤ31に接続された入力軸12および変速軸15は一体化され、相対回転することなく同速度で回転するからである。
入力軸12の回転数に対して電動モータ24の回転数を増速あるいは減速すると、入力軸12に結合された第1リングギヤ30と電動モータ24に接続されたサンギヤ28とが相対回転するため、キャリヤ27が第1リングギヤ30に対して相対回転する。このとき、相互に噛合する第1リングギヤ30および第1ピニオン29aの歯数比と、相互に噛合する第2リングギヤ31および第2ピニオン29bの歯数比とが僅かに異なるため、第1リングギヤ30に接続された入力軸12と第2リングギヤ31に接続された変速軸15とが相対回転する。
このようにして入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、各伝達ユニット14のピニオン17にリングギヤ19cを噛合させた偏心ディスク19の第1環状部19aが、入力軸12と一体の偏心カム18のカム部18cにニードルベアリング20を介して案内されて回転し、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εが変化する。
図4(A)は変速比が最小の状態(変速比:TD)を示すもので、このとき入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは、入力軸12の軸線Lから偏心カム18の中心O1までの距離dと、偏心カム18の中心O1から偏心ディスク19の中心O2までの距離dとの和である2dに等しい最大値になる。入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム18に対して偏心ディスク19が相対回転することで、図4(B)および図4(C)に示すように、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは最大値の2dから次第に減少して変速比が増加する。入力軸12に対して変速軸15が更に相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム18に対して偏心ディスク19が更に相対回転することで、図4(D)に示すように、ついには入力軸12の軸線Lに偏心ディスク19の中心O2が重なり合って偏心量εがゼロになり、変速比が最大(無限大)の状態(変速比:UD)になって出力軸13に対する動力伝達が遮断される。
さて、図5および図6において、分割式の入力軸12を組み立てるべく、隣接する二つの中間部材12C,12Cを3本のボルト43…で結合するには、手前側の中間部材12Cのフランジ部18aに開口する座繰り孔18f…から挿入したボルト43…の軸部43b…をカム部18cのボルト孔18g…を貫通させ、奥側の中間部材12Cの主ガイド部18eに形成したボルト孔18h…に螺合すれば良い。この締結状態において、ボルト43…の頭部43a…は外部に突出することなく、手前側の中間部材12Cの座繰り孔18f…の内部に収納される。
図7は、本実施の形態の作用効果を説明するための比較例であり、本実施の形態との相違点は、ボルト43…の挿入方向が逆方向である点である。すなわち、比較例の中間部材12Cは、フランジ部18aに開口する座繰り孔18f…が主ガイド部18eを貫通するボルト孔18g…に連続し、この座繰り孔18f…およびボルト孔18g…を貫通するボルト43…が、隣接する中間部材12Cのカム部18cに形成したボルト孔18h…に螺合することで、隣接する二つの中間部材12C,12Cが一体に結合される、
この比較例は、ボルト43の頭部43aを収納する座繰り孔18fが主ガイド部18eに形成されており、主ガイド部18eの円弧状の外周面の外径はカム部18cの外周のベアリング支持面18bの外径よりも小さいため、カム部18cに座繰り孔18fを形成する本実施の形態(図5参照)に比べて、座繰り孔18fの直径D2が制限されてしまい、その分だけボルト43の直径が細くなってしまう。一方、本実施の形態では、カム部18cの外周のベアリング支持面18bの外径が主ガイド部18eの外周面の外径よりも大きいため、主ガイド部18eに座繰り孔18fを形成する比較例に比べて、座繰り孔18fの直径D1を大きく確保することができ、その分だけボルト43の直径を太くして締結強度を高めることができる。
3本のボルト43…のうちの1本を挿入するとき、その頭部43aが主ガイド部18eと干渉するが、主ガイド部18eに切欠き18j(図6参照)を形成したことにより、ボルト43の頭部43aと主ガイド部18eとが干渉するのを回避することができる。
また図6における鎖線の円は、手前側の中間部材12Cの更に手前側の中間部材12C(不図示)のカム部18cを示しており、この鎖線で示すカム部18cは手前側の3個の座繰り孔18f…のうちの一つと干渉している。しかしながら手前側(一方)の中間部材12Cを3本のボルト43…で奥側(他方)の中間部材12Cに締結するとき、更に手前側の中間部材12Cは未だ組みつけられていないため、その中間部材12Cの鎖線で示すカム部18cがボルト43の挿入の妨げになることはない。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態の中間部材12Cは、その軸方向両面に副ガイド部18dおよび主ガイド部18eを備えており、隣接する二つの中間部材12C,12Cの一方の主ガイド部18eと他方の副ガイド部18dとが協働して偏心ディスク19のリングギヤ19cを案内するようになっているが、副ガイド部18dは必ずしも必要ではなく、主ガイド部18eの軸方向厚さを増加させれば、副ガイド部18dを省略することも可能である。
また隣接する二つの中間部材12C,12Cどうしを締結するボルト43の本数は3本に限定されるものではない。
12 入力軸
13 出力軸
14 伝達ユニット
15 変速軸
17 ピニオン
18 偏心カム
18b ベアリング支持面
18c カム部
18e 主ガイド部(ガイド部)
18f 座繰り孔
18h ボルト孔
19 偏心ディスク(偏心部材)
19a 第1環状部
19b 第2環状部
19c リングギヤ
20 ニードルベアリング(ベアリング)
23 変速アクチュエータ
33 コネクティングロッド
36 ワンウェイクラッチ
38 アウター部材
43 ボルト
43a 頭部
43b 軸部
E エンジン(駆動源)
L 入力軸の軸線
ε 偏心部材の偏心量

Claims (1)

  1. 駆動源(E)に接続された入力軸(12)の回転を変速して出力軸(13)に伝達する複数の伝達ユニット(14)を軸方向に並置し、
    前記伝達ユニット(14)の各々は、
    前記入力軸(12)と一体に回転する偏心カム(18)と、
    前記偏心カム(18)の外周に相対回転自在に嵌合するリングギヤ(19c)が形成された偏心部材(19)と、
    前記入力軸(12)と同軸に配置されて変速アクチュエータ(23)により回転する変速軸(15)と、
    前記変速軸(15)に設けられて前記リングギヤ(19c)に噛合するピニオン(17)と、
    前記出力軸(13)に設けたワンウェイクラッチ(36)と、
    前記偏心部材(19)および前記ワンウェイクラッチ(36)のアウター部材(38)に接続されて往復運動するコネクティングロッド(33)とを備え、
    前記変速アクチュエータ(23)で前記変速軸(15)を前記入力軸(12)に対して相対回転させて前記偏心カム(18)に対する前記偏心部材(19)の位相を変化させることで、前記入力軸(12)の軸線(L)からの前記偏心部材(19)の偏心量(ε)を変化させて変速比を変更する車両用動力伝達装置であって、
    前記偏心部材(19)は、内周にベアリング(20)を支持する第1環状部(19a)と、内周に前記リングギヤ(19c)が形成された第2環状部(19b)とが軸方向に連設され、前記偏心カム(18)は、外周に前記ベアリング(20)を支持するベアリング支持面(18b)が形成されたカム部(18c)と、前記ベアリング支持面(18b)よりも小径であって前記リングギヤ(19c)の一部をガイドするガイド部(18e)とが軸方向に連設され、軸方向に隣接する二つの前記偏心カム(18)のうちの一方の前記偏心カム(18)の前記カム部(18c)に形成した座繰り孔(18f)に頭部(43a)を嵌合したボルト(43)の軸部(43b)を他方の前記偏心カム(18)の前記ガイド部(18e)に形成したボルト孔(18h)に螺合することで、軸方向に隣接する前記二つの偏心カム(18)を締結し、
    一方の前記偏心カム(18)の少なくとも一つの前記座繰り孔(18f)は、該一方の前記偏心カム(18)の前記ガイド部(18e)を切り欠いた切欠き(18j)で形成され、かつ前記二つの偏心カム(18)を軸方向に見たとき、一方の前記偏心カム(18)の少なくとも一つの前記座繰り孔(18f)は他方の前記偏心カム(18)の前記カム部(18c)にオーバーラップすることを特徴とする車両用動力伝達装置。
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