JP5955185B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入力軸に設けられた偏心部材と、出力軸に設けられたワンウェイクラッチのアウター部材とを往復運動するコネクティングロッドで接続し、偏心部材の偏心量を変化させることで変速比を変更する車両用動力伝達装置に関する。
かかる車両用動力伝達装置は下記特許文献1により公知である。この車両用動力伝達装置は軸方向に並置した複数の伝達ユニットを備えており、各々の伝達ユニットは、入力軸および出力軸を往復運動するコネクティングロッドおよびワンウェイクラッチを介して接続したもので、コネクティングロッドが一方向に移動したときにワンウェイクラッチが係合し、コネクティングロッドが他方向に移動したときにワンウェイクラッチが係合解除することで入力軸の回転を出力軸に間欠的に伝達し、複数の伝達ユニットが位相差をもって交互に駆動力を伝達するようになっている。
特表2003−530519号公報
ところで、かかる車両用動力伝達装置では、一端側が入力軸の偏心部材に接続されたコネクティングロッドの他端側とワンウェイクラッチのアウター部材とを連結する連結ピンの位置をできるだけ径方向内側に移動させ、出力軸の軸線に接近させることが望ましい。その理由は、コネクティングロッドが所定のストロークで往復運動するとき、コネクティングロッドにワンウェイクラッチを介して接続された出力軸の1ストローク当りの回転角は、連結ピンと出力軸の軸線との距離が小さいときほど大きくなる。コネクティングロッドの1ストローク当りの出力軸の回転角が小さいと、必要なレシオ幅を確保するために入力軸の偏心部材の偏心量を増加させる必要があり、その結果として無段変速機全体が大型化してしまう問題がある。よって無段変速機を小型化するには、コネクティングロッドとワンウェイクラッチのアウター部材とを連結する連結ピンの位置をできるだけ径方向内側に移動させ、入力軸の偏心部材の偏心量の増加を抑制する必要があるからである。
しかしながら、上記特許文献1に記載されたものは、本明細書の[発明を実施するための形態]の欄で図11に基づいて詳述するように、コネクティングロッドの他端側に形成した孔に連結ピンを固定しているため、連結ピンを出力軸の軸線に充分に接近させることが難しいという問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、コネクティングロッドとワンウェイクラッチのアウター部材とを連結する連結ピンの位置を出力軸の軸線にできるだけ接近させることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する無段変速機が、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する偏心部材と、前記偏心量を変化させる変速アクチュエータと、一端側が前記偏心部材を接続されて往復運動するコネクティングロッドと、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、前記コネクティングロッドの他端側に固定されて該コネクティングロッドのアウター部材に設けたピン孔に係合する連結ピンと、前記連結ピンを貫通する締結部材とを備える車両用動力伝達装置であって、前記コネクティングロッドは前記アウター部材を押圧するときに駆動力を伝達するものであり、前記締結部材の締結方向は前記コネクティングロッドの他端側から一端側に向かう方向であり、前記連結ピンは、前記コネクティングロッドの他端側に形成した締結面に当接した状態で、前記締結部材により前記締結面に固定され、前記締結面の連結ピン軸に直交する方向の高さは、前記連結ピンの直径よりも小さいことを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記ピン孔は前記アウター部材から径方向外側に突出して前記コネクティングロッドを挟む一対のアーム部に設けられており、前記連結ピンの他端側に臨む前記ピン孔の他端側内周面の連結ピン軸方向の幅は、前記連結ピンの一端側に臨む前記ピン孔の一端側内周面の連結ピン軸方向の幅よりも大きいことを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記コネクティングロッドの他端側から一端側に見たとき、前記ピン孔の前記他端側内周面は前記コネクティングロッドの前記締結面とオーバーラップすることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記コネクティングロッドは前記アウター部材を牽引するときに駆動力を伝達するものであり、前記締結部材の締結方向は前記コネクティングロッドの他端側から一端側に向かう方向であり、前記ピン孔は前記アウター部材から径方向外側に突出して前記コネクティングロッドを挟む一対のアーム部に設けられており、前記連結ピンの一端側に臨む前記ピン孔の一端側内周面の連結ピン軸方向の幅は、前記連結ピンの他端側に臨む前記ピン孔の他端側内周面の連結ピン軸方向の幅よりも大きいことを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、前記コネクティングロッドの他端側から一端側に見たとき、前記締結部材が前記連結ピンに接触する当接面は前記ピン孔の前記一端側内周面とオーバーラップすることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
尚、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応し、実施の形態の偏心ディスク19は本発明の偏心部材に対応し、実施の形態のボルト42は本発明の締結部材に対応する。
請求項1の構成によれば、駆動源に接続された入力軸が回転すると偏心部材が偏心回転し、偏心部材に一端側を接続されたコネクティングロッドが往復運動することで、コネクティングロッドの他端側に接続されたワンウェイクラッチを介して出力軸が間欠回転する。変速アクチュエータにより入力軸に対する偏心部材の偏心量を変化させるとコネクティングロッドの往復ストロークが変化し、出力軸の間欠回転角が変化して変速比が変更される。
コネクティングロッドに設けられてワンウェイクラッチのアウター部材のピン孔に係合する連結ピンは、コネクティングロッドの他端側に形成した締結面に当接した状態で、連結ピンを貫通する締結部材により締結面に固定されるが、締結面の連結ピン軸に直交する方向の高さは連結ピンの直径よりも小さいので、コネクティングロッドがアウター部材と干渉するのを回避しながら連結ピンの位置を出力軸の軸線にできるだけ接近させることが可能となり、偏心部材の偏心量を小さくして無段変速機の大型化を回避しながら必要なレシオ幅を確保することができる。
しかもコネクティングロッドはアウター部材を押圧するときに駆動力を伝達し、かつ締結部材の締結方向はコネクティングロッドの他端側から一端側に向かう方向であるので、コネクティングロッドの押圧力を締結部材で支持することなく締結面で支持することが可能となり、締結部材を小型化することができる。
また請求項2の構成によれば、ピン孔がアウター部材から径方向外側に突出してコネクティングロッドを挟む一対のアーム部に設けられており、連結ピンの他端側に臨むピン孔の他端側内周面の連結ピン軸方向の幅は、連結ピンの一端側に臨むピン孔の一端側内周面の連結ピン軸方向の幅よりも大きいので、コネクティングロッドの押圧力による大きい荷重を大面積の他端側内周面で受けて耐久性を確保しながら、小さい荷重しか加わらない一端側内周面の大きさを必要最小限に抑え、ワンウェイクラッチのアウター部材の連結ピン軸方向の厚さを減少させて無段変速機の小型化を図ることができる。
また請求項3の構成によれば、コネクティングロッドの他端側から一端側に見たとき、ピン孔の他端側内周面はコネクティングロッドの締結面とオーバーラップするので、ワンウェイクラッチのアウター部材の連結ピン軸方向の厚さを更に減少させることが可能になるだけでなく、他端側内周面からの荷重より連結ピンに作用する曲げモーメントを低減することができる。
また請求項4の構成によれば、コネクティングロッドはアウター部材を牽引するときに駆動力を伝達し、かつ締結部材の締結方向はコネクティングロッドの他端側から一端側に向かう方向であるものにおいて、ピン孔がアウター部材から径方向外側に突出してコネクティングロッドを挟む一対のアーム部に設けられており、連結ピンの一端側に臨むピン孔の一端側内周面の連結ピン軸方向の幅は、連結ピンの他端側に臨むピン孔の他端側内周面の連結ピン軸方向の幅よりも大きいので、コネクティングロッドの牽引力による大きい荷重を大面積の一端側内周面で受けて耐久性を確保しながら、小さい荷重しか加わらない他端側内周面の大きさを必要最小限に抑え、ワンウェイクラッチのアウター部材の連結ピン軸方向の厚さを減少させて無段変速機の小型化を図ることができる。しかもピン孔の他端側内周面の幅を減少させた分だけ、締結部材が当接する連結ピンの当接面の連結ピン軸方向の幅を増加させることで、締結部材から当接面に加わるコネクティングロッドの牽引力により連結ピンに作用する曲げモーメントを低減することができる。
また請求項5の構成によれば、コネクティングロッドの他端側から一端側に見たとき、締結部材が連結ピンに接触する当接面はピン孔の一端側内周面とオーバーラップするので、締結部材からの荷重より連結ピンに作用する曲げモーメントを一層低減することができる。
無段変速機の全体視図。(第1の実施の形態) 無段変速機の要部の一部破断斜視図。(第1の実施の形態) 図1の3−3線断面図。(第1の実施の形態) 図3の4部拡大図。(第1の実施の形態) 図3の5−5線断面図。(第1の実施の形態) 偏心ディスクの形状を示す図。(第1の実施の形態) 偏心ディスクの偏心量と変速比との関係を示す図。(第1の実施の形態) TD変速比およびUD変速比における偏心ディスクの状態を示す図。(第1の実施の形態) 図5の9−9線断面図。(第1の実施の形態) コネクティングロッドおよびアウター部材の連結部の分解斜視図。(第1の実施の形態) 作用効果の説明図。(第1の実施の形態) 図9に対応する図。(第2の実施の形態)
第1の実施の形態
以下、図1〜図11に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。尚、本明細書において、コネクティングロッド33の入力軸12側を一端側と定義し、コネクティングロッド33の出力軸13側を他端側と定義する。
図1〜図5に示すように、自動車用の無段変速機Tのミッションケース11の一対の側壁11a,11bに入力軸12および出力軸13が相互に平行に支持されており、エンジンEに接続された入力軸12の回転が6個の伝達ユニット14…、出力軸13およびディファレンシャルギヤDを介して駆動輪に伝達される。中空に形成された入力軸12の内部に、その入力軸12と軸線Lを共有する変速軸15が7個のニードルベアリング16…を介して相対回転可能に嵌合する。6個の伝達ユニット14…の構造は実質的に同一構造であるため、以下、一つの伝達ユニット14を代表として構造を説明する。
伝達ユニット14は変速軸15の外周面に設けられたピニオン17を備えており、このピニオン17は入力軸12に形成した開口12aから露出する。ピニオン17を挟むように、入力軸12の外周に軸線L方向に2分割された円板状の偏心カム18がスプライン結合される。偏心カム18の中心O1は入力軸12の軸線Lに対して距離dだけ偏心している。また6個の伝達ユニット14…の6個の偏心カム18…は、その偏心方向の位相が相互に60°ずつずれている。
偏心カム18の外周面には、円板状の偏心ディスク19の軸線L方向両端面に形成した一対の偏心凹部19a,19aが、一対のニードルベアリング20,20を介して回転自在に支持される。偏心ディスク19の中心O2に対して偏心凹部19a,19aの中心O1(つまり偏心カム18の中心O1)は距離dだけずれている。即ち、入力軸12の軸線Lおよび偏心カム18の中心O1間の距離dと、偏心カム18の中心O1および偏心ディスク19の中心O2間の距離dとは同一である。
軸線L方向に2分割された偏心カム18の割り面には、その偏心カム18の中心O1と同軸に一対の三日月状のガイド部18a,18aが設けられており、偏心ディスク19の一対の偏心凹部19a,19aの底部間を連通させるように形成されたリングギヤ19bの歯先が、偏心カム18のガイド部18a,18aの外周面に摺動可能に当接する。そして変速軸15のピニオン17が、入力軸12の開口12aを通して偏心ディスク19のリングギヤ19bに噛合する。
入力軸12の一端側はボールベアリング21を介してミッションケース11の一方の側壁11aに直接支持される。また入力軸12の他端側に位置する1個の偏心カム18に一体に設けた筒状部18bが、ボールベアリング22を介してミッションケース11の他端側の側壁11bに支持されており、その偏心カム18の内周にスプライン結合された入力軸12の他端側は、ミッションケース11に間接的に支持される。
入力軸12に対して変速軸15を相対回転させて無段変速機Tの変速比を変更する変速アクチュエータ23は、モータ軸24aが軸線Lと同軸になるようにミッションケース11に支持された電動モータ24と、電動モータ24に接続された遊星歯車機構25とを備える。遊星歯車機構25は、電動モータ24にニードルベアリング26を介して回転自在に支持されたキャリヤ27と、モータ軸24aに固定されたサンギヤ28と、キャリヤ27に回転自在に支持された複数の2連ピニオン29…と、中空の入力軸12の軸端(厳密には、前記1個の偏心カム18の筒状部18bにスプライン結合された第1リングギヤ30と、変速軸15の軸端にスプライン結合された第2リングギヤ31とを備える。各2連ピニオン29は大径の第1ピニオン29aと小径の第2ピニオン29bとを備えており、第1ピニオン29aはサンギヤ28および第1リングギヤ30に噛合し、第2ピニオン29bは第2リングギヤ31に噛合する。
偏心ディスク19の外周には、ローラベアリング32を介してコネクティングロッド33の一端側の環状部33aが相対回転自在に支持される。
出力軸13はミッションケース11の一対の側壁11a,11bに一対のボールベアリング34,35で支持されており、その外周にはワンウェイクラッチ36が設けられる。ワンウェイクラッチ36は、コネクティングロッド33のロッド部33bの先端に連結ピン37を介して枢支されたリング状のアウター部材38と、アウター部材38の内部に配置されて出力軸13に固定されたインナー部材39と、アウター部材38の内周の円弧面とインナー部材39の外周の平面との間に形成された楔状の空間に配置されて複数個のスプリング40…で付勢された複数個のローラ41…とを備える。
図9および図10に示すように、コネクティングロッド33の他端部に半円弧状に湾曲する締結面P1が形成されており、この締結面P1に当接する円柱状の連結ピン37が、コネクティングロッド33の他端側から一端側に向けて挿入されたボルト42により締結される。このとき、ボルト42の頭部42aが連結ピン37に形成した平坦な当接面P2に当接し、ボルト42の頭部42aとコネクティングロッド33の半円弧状に湾曲する締結面P1との間に連結ピン37が挟まれて強固に固定される。連結ピン37がコネクティングロッド33に固定された状態で、連結ピン37の連結ピン軸Lp方向両端部はコネクティングロッド33の両側面から均等に突出しており、かつ連結ピン軸Lpに直交する方向の締結面P1の高さHは連結ピン37の直径Dよりも小さくなっている(図11参照)。
一方、ワンウェイクラッチ36のアウター部材38の外周から一対のアーム部38a,38aがコネクティングロッド33を挟むように径方向外向きに突出しており、これらのアーム部38a,38aに連結ピン37の両端部が嵌合する一対のピン孔38b,35bが形成される。一対のアーム部38a,38aの相互に対向する対向面にはコネクティングロッド33との干渉を回避するための切欠き38c,38cが形成される。ピン孔38b,38bの内周面のうち、コネクティングロッド33の一端側寄りに位置する一端側内周面P3,P3と、コネクティングロッド33の他端側寄りに位置する他端側内周面P4,P4とを比較すると、一端側内周面P3,P3の連結ピン軸Lp方向の幅W1は他端側内周面P4,P4の連結ピン軸Lp方向の幅W2よりも切欠き38c,38cの分だけ小さくなっている。
従って、コネクティングロッド33の他端側から一端側に見たとき、ピン孔38bの他端側内周面P4,P4はコネクティングロッド33の締結面P1と距離αだけオーバーラップしている。
図6および図8に示すように、偏心ディスク19の中心O2に対して偏心凹部19a,19aの中心O1(つまり偏心カム18の中心O1)は距離dだけずれているため、偏心ディスク19の外周と偏心凹部19a,19aの内周との間隔は円周方向に不均一になっており、その間隔が大きい部分に三日月状の肉抜き凹部19c,19cが形成される。
次に、無段変速機Tの一つの伝達ユニット14の作用を説明する。
図5および図7(A)〜図7(D)から明らかなように、入力軸12の軸線Lに対して偏心ディスク19の中心O2が偏心しているとき、エンジンEによって入力軸12が回転するとコネクティングロッド33の環状部33aが軸線Lまわりに偏心回転することで、コネクティングロッド33のロッド部33bが往復運動する。
その結果、図5において、コネクティングロッド33が往復運動する過程で図中右側に押されると、スプリング40…に付勢されたローラ41…がアウター部材38およびインナー部材39間の楔状の空間に噛み込み、アウター部材38およびインナー部材39がローラ41…を介して結合されることで、ワンウェイクラッチ36が係合してコネクティングロッド33の動きが出力軸13に伝達される。逆にコネクティングロッド33が往復動する過程で図中左側に引かれると、ローラ41…がスプリング40…を圧縮しながらアウター部材38およびインナー部材39間の楔状の空間から押し出され、アウター部材38およびインナー部材39が相互にスリップすることで、ワンウェイクラッチ36が係合解除してコネクティングロッド33の動きが出力軸13に伝達されなくなる。
このようにして、入力軸12が1回転する間に、入力軸12の回転が所定時間だけ出力軸13に伝達されるため、入力軸12が連続回転すると出力軸13は間欠回転する。6個の伝達ユニット14…の偏心ディスク19…の偏心方向の位相が相互に60°ずつずれているため、6個の伝達ユニット14…が入力軸12の回転を交互に出力軸13に伝達することで、出力軸13は連続的に回転する。
このとき、偏心ディスク19の偏心量εが大きいほど、コネクティングロッド33の往復ストロークが大きくなって出力軸13の1回の回転角が増加し、無段変速機Tの変速比が小さくなる。逆に、偏心ディスク19の偏心量εが小さいほど、コネクティングロッド33の往復ストロークが小さくなって出力軸13の1回の回転角が減少し、無段変速機Tの変速比が大きくなる。そして偏心ディスク19の偏心量εがゼロになると、入力軸12が回転してもコネクティングロッド33が移動を停止するために出力軸13は回転せず、無段変速機Tの変速比が最大(無限大)になる。
入力軸12に対して変速軸15が相対回転しないとき、つまり入力軸12および変速軸15が同一速度で回転するとき、無段変速機Tの変速比は一定に維持される。入力軸12および変速軸15を同一速度で回転させるには、入力軸12と同速度で電動モータ24を回転駆動すれば良い。その理由は、遊星歯車機構25の第1リングギヤ30は入力軸12に接続されて該入力軸12と同一速度で回転するが、それと同一速度で電動モータ24を駆動するとサンギヤ28および第1リングギヤ30が同一速度で回転するため、遊星歯車機構25はロック状態になって全体が一体に回転する。その結果、一体に回転する第1リングギヤ30および第2リングギヤ31に接続された入力軸12および変速軸15は一体化され、相対回転することなく同速度で回転するからである。
入力軸12の回転数に対して電動モータ24の回転数を増速あるいは減速すると、入力軸12に結合された第1リングギヤ30と電動モータ24に接続されたサンギヤ28とが相対回転するため、キャリヤ27が第1リングギヤ30に対して相対回転する。このとき、相互に噛合する第1リングギヤ30および第1ピニオン29aの歯数比と、相互に噛合する第2リングギヤ31および第2ピニオン29bの歯数比とが僅かに異なるため、第1リングギヤ30に接続された入力軸12と第2リングギヤ31に接続された変速軸15とが相対回転する。
このようにして入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、各伝達ユニット14のピニオン17にリングギヤ19bを噛合させた偏心ディスク19の偏心凹部19a,19aが、入力軸12と一体の偏心カム18のガイド部18a,18aに案内されて回転し、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εが変化する。
図7(A)は変速比が最小の状態(変速比:TD)を示すもので、このとき入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは、入力軸12の軸線Lから偏心カム18の中心O1までの距離dと、偏心カム18の中心O1から偏心ディスク19の中心O2までの距離dとの和である2dに等しい最大値になる。入力軸12に対して変速軸15が相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム18に対して偏心ディスク19が相対回転することで、図7(B)および図7(C)に示すように、入力軸12の軸線Lに対する偏心ディスク19の中心O2の偏心量εは最大値の2dから次第に減少して変速比が増加する。入力軸12に対して変速軸15が更に相対回転すると、入力軸12と一体の偏心カム18に対して偏心ディスク19が更に相対回転することで、図7(D)に示すように、ついには入力軸12の軸線Lに偏心ディスク19の中心O2が重なり合って偏心量εがゼロになり、変速比が最大(無限大)の状態(変速比:UD)になって出力軸13に対する動力伝達が遮断される。
図11(A)は、コネクティングロッド33の他端部とワンウェイクラッチ36のアウター部材38との連結部の従来の構造を示すもので、コネクティングロッド33の他端部にボス部33c,33cを形成し、このボス部33c,33cに形成した連結ピン支持孔33d,33dに連結ピン37が挿入される。この従来例では、連結ピン37の外周をコネクティングロッド33の厚さtのボス部33c,33cが覆うため、連結ピン37の位置を出力軸13の軸線に接近させようとすると、ボス部33c,33cがアウター部材38の外周面と干渉してしまう問題がある。
一方、図11(B)に示す本実施の形態では、連結ピン37がコネクティングロッド33の他端部にボス部を介さずにボルト42で固定されており、かつ連結ピン軸Lpに直交する方向の締結面P1の高さHは連結ピン37の直径Dよりも小さいため、連結ピン37の外周面をワンウェイクラッチ36のアウター部材38の外周面に直接対峙させることができる。これにより、従来例のボス部33c,33cの厚さt分だけ、連結ピン37の位置を出力軸13の軸線に接近させることができ、入力軸12側の偏心ディスク19の偏心量の増加を抑制して無段変速機Tの小型化を図りながら、必要なレシオ幅を確保することができる。
また本実施の形態では、コネクティングロッド33がワンウェイクラッチ36のアウター部材38を押圧するときに駆動力を伝達する仕様であるため、コネクティングロッド33の押圧力はボルト42に作用することなく締結面P1で支持されることになり、ボルト42を小型化することができる。
コネクティングロッド33からワンウェイクラッチ36に押圧力が伝達されるとき、アウター部材38のピン孔38b,35bの他端側内周面P4,P4に大きい荷重が作用し、一端側内周面P3,P3に作用する荷重はそれよりも小さくなる。この事象に鑑み、ピン孔38b,35bの他端側内周面P4,P4の幅W2を一端側内周面P3,P3の幅W1よりも大きくし、コネクティングロッド33の他端側から一端側に見たとき、ピン孔38bの他端側内周面P4,P4をコネクティングロッド33の締結面P1に対して距離αだけオーバーラップさせたことで、コネクティングロッド33の押圧力による大きい荷重を大面積の他端側内周面P4,P4で受けて耐久性を確保しながら、小さい荷重しか加わらない一端側内周面P3,P3の大きさを必要最小限に抑え、ワンウェイクラッチ36のアウター部材38の連結ピン軸Lp方向の厚さを減少させて無段変速機Tの小型化を図ることができ、しかもピン孔38b,35bの他端側内周面P4,P4からの荷重より連結ピン37に作用する曲げモーメントを低減することができる。
第2の実施の形態
次に、図12に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態は、コネクティングロッド33がワンウェイクラッチ36のアウター部材38を押圧するときに駆動力を伝達するものであるが、第2の実施の形態は、コネクティングロッド33がワンウェイクラッチ36のアウター部材38を牽引するときに駆動力を伝達するものである。従って、第2の実施の形態では、図5に示す第1の実施の形態に対し、そのワンウェイクラッチ36の係合方向が逆になる。
コネクティングロッド33がワンウェイクラッチ36のアウター部材38を牽引して駆動力を伝達する場合、アウター部材38のアーム部38a,38aのピン孔38b,35bの一端側内周面P3,P3の大きい荷重が加わり、他端側内周面P4,P4に加わる荷重が小さくなるため、一対のアーム部38a,38aの他端側に切欠き38c,38cを形成することで、他端側内周面P4,P4の連結ピン軸Lp方向の幅W2は一端側内周面P3,P3の連結ピン軸Lp方向の幅W1よりも切欠き38c,38cの分だけ小さくなる。これにより、コネクティングロッド33の他端側から一端側に見たとき、ボルト42の頭部42aが当接する連結ピン37の当接面P2がピン孔38b,38bの一端側内周面P3,P3と距離βだけオーバーラップする。
本実施の形態によれば、コネクティングロッド33の牽引力による大きい荷重を大面積の一端側内周面P3,P3で受けて耐久性を確保しながら、小さい荷重しか加わらない他端側内周面P4,P4の幅W2を減少させ、ワンウェイクラッチ36のアウター部材38の連結ピン軸Lp方向の厚さを減少させて無段変速機Tの小型化を図ることができる。そして他端側内周面P4,P4の幅W2を減少させた分だけ、ボルト42の頭部42aが当接する連結ピン37の当接面P2の連結ピン軸Lp方向の長さを増加させることで、ボルト42の頭部から当接面P2にコネクティングロッド33の牽引力が加わったときに、その牽引力による曲げモーメントを減少させて連結ピン37の撓みを最小限に抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の駆動源は実施の形態のエンジンEに限定されず、電動モータ等の他の駆動源であっても良い。
また実施の形態の無段変速機Tは6個の伝達ユニット14…を備えているが、伝達ユニット14の数は6個に限定されるものではない。
12 入力軸
13 出力軸
19 偏心ディスク(入力部材)
23 変速アクチュエータ
33 コネクティングロッド
36 ワンウェイクラッチ
37 連結ピン
38 アウター部材
38a アーム部
38b ピン孔
42 ボルト(締結部材)
P1 締結面
P2 当接面
P3 ピン孔の一端側内周面
P4 ピン孔の他端側内周面
D 連結ピンの直径
E エンジン(駆動源)
H 締結面の連結ピン軸に直交する方向の高さ
L 入力軸の軸線
Lp 連結ピン軸
T 無段変速機
W1 一端側内周面の連結ピン軸方向の幅
W2 他端側内周面の連結ピン軸方向の幅
ε 偏心量

Claims (5)

  1. 駆動源(E)に接続された入力軸(12)の回転を変速して出力軸(13)に伝達する無段変速機(T)が、
    前記入力軸(12)の軸線(L)からの偏心量(ε)が可変であって該入力軸(12)と共に回転する偏心部材(19)と、
    前記偏心量(ε)を変化させる変速アクチュエータ(23)と、
    一端側が前記偏心部材(19)を接続されて往復運動するコネクティングロッド(33)と、
    前記出力軸(13)に接続されたワンウェイクラッチ(36)と、
    前記コネクティングロッド(33)の他端側に固定されて該コネクティングロッド(33)のアウター部材(38)に設けたピン孔(38b)に係合する連結ピン(37)と 前記連結ピン(37)を貫通する締結部材(42)とを備える車両用動力伝達装置であって、
    前記コネクティングロッド(33)は前記アウター部材(38)を押圧するときに駆動力を伝達するものであり、
    前記締結部材(42)の締結方向は前記コネクティングロッド(33)の他端側から一端側に向かう方向であり、
    前記連結ピン(37)は、前記コネクティングロッド(33)の他端側に形成した締結面(P1)に当接した状態で、前記締結部材(42)により前記締結面(P1)に固定され、前記締結面(P1)の連結ピン軸(Lp)に直交する方向の高さ(H)は、前記連結ピン(37)の直径(D)よりも小さいことを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記ピン孔(38b)は前記アウター部材(38)から径方向外側に突出して前記コネクティングロッド(33)を挟む一対のアーム部(38a)に設けられており、前記連結ピン(37)の他端側に臨む前記ピン孔(38b)の他端側内周面(P4)の連結ピン軸(Lp)方向の幅(W2)は、前記連結ピン(37)の一端側に臨む前記ピン孔(38b)の一端側内周面(P3)の連結ピン軸(Lp)方向の幅(W1)よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  3. 前記コネクティングロッド(33)の他端側から一端側に見たとき、前記ピン孔(38b)の前記他端側内周面(P4)は前記コネクティングロッド(33)の前記締結面(P1)とオーバーラップすることを特徴とする、請求項2に記載の車両用動力伝達装置。
  4. 前記コネクティングロッド(33)は前記アウター部材(38)を牽引するときに駆動力を伝達するものであり、
    前記締結部材(42)の締結方向は前記コネクティングロッド(33)の他端側から一端側に向かう方向であり、
    前記ピン孔(38b)は前記アウター部材(38)から径方向外側に突出して前記コネクティングロッド(33)を挟む一対のアーム部(38a)に設けられており、前記連結ピン(37)の一端側に臨む前記ピン孔(38b)の一端側内周面(P3)の連結ピン軸(Lp)方向の幅(W1)は、前記連結ピン(37)の他端側に臨む前記ピン孔(38b)の他端側内周面(P4)の連結ピン軸(Lp)方向の幅(W2)よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
  5. 前記コネクティングロッド(33)の他端側から一端側に見たとき、前記締結部材(42)が前記連結ピン(37)に接触する当接面(P2)は前記ピン孔(38b)の前記一端側内周面(P3)とオーバーラップすることを特徴とする、請求項4に記載の車両用動力伝達装置。
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