JP4609313B2 - 車両のエンジンルーム構造 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、車両のルーフ上に外気取入口を設け、この外気取入口から流入した外気をエンジンルーム内に配置されたターボチャージャのインタークーラに導く空気導入路を車両のリア側のピラー内に形成する技術が開示されている。
また、特許文献2には、バスの後方にエンジンルームを設け、このエンジンルーム内にエンジンを搭載した際に、エンジンルームの上部側方に空気取り入れ口を設けるとともに、エンジンルームの上部後方即ち、バス最後尾に排風口を設ける技術が開示されている。
例えば、エンジンルームの上方に客室や荷物室を配置するような車両では、特許文献1の技術のようにルーフ上部の外気取入口及び外気取入口とエンジンルームとを接続する空気導入路を形成することは困難である。また、エンジンルームの後方側にマフラ等の排気装置を配置し、限られた車内スペースを有効利用する車両(例えば小型車)では、車両の最後尾にエンジンルーム内の空気を排出する排風口を設けるためのスペースを確保することは困難であり、上述の特許文献2を適用することは難しい。
また、請求項3記載の本発明の車両のエンジンルーム構造は、請求項1または2のものにおいて、該送風機には、該一側開口部を通じて取り入れた空気の一部を該エンジンルームの上部に向けて送出させる送風ガイドが備えられることを特徴としている。
また、請求項2記載の本発明の車両のエンジンルーム構造によれば、請求項1の効果に加え、非常に高温となるターボ過給機をも効果的に冷却することで、エンジンルーム内の昇温を抑制することができるとともに、このターボ過給機によってエンジンに供給される吸気の密度を高めることもできる。
また、請求項4記載の本発明の車両のエンジンルーム構造によれば、請求項1〜3のいずれか1項の効果に加え、エンジンルーム内のスペースを有効に活用しながら効率良く熱気を排出することができる。
図1〜図7は本発明の一実施形態に係る、車両のエンジンルーム構造を説明するためのものであって、図1は車両の後部を示す斜視図、図2はエンジンルームを模式的に示す上面図、図3は図2における模式的なY矢視図、図4は図2における模式的なX矢視図、図5は図4中マフラ装置を除いた模式的な後面図、図6は図2に対して送風機による空気の流れ方向を示した図、図7は図5に対して送風機による空気の流れ方向を示した図である。
フロアパネル3は、図1に示すように、平面状の鋼板をプレス成形した部材である。
後部座席フロア部3Aは略水平に延在し、いずれも図示しない客室の後部座席の床面を形成している。
荷物室フロア部3Cは、略水平に延在し、エンジンルーム2の上面を覆い、図示しない荷物室の床面を形成している。また、この荷物室フロア部3Cには開口が設けられており、エンジンルームカバー3Dがこの開口に対して開閉可能に設けられている。
また、エンジンルーム2の左右側面は、リアサイドメンバ4及びホイールハウスパネル5A,5Bによって形成されている。
続いて、エンジンルーム2の内部の構成について説明する。
図2に示すように、エンジンルーム2の内部にはエンジン7,マフラ8,ターボチャージャ(過給器)9,エンジンルームファン(送風機)10,トランスミッション11及びターボ用インタークーラ12が配設されている。なお、このエンジンルーム2にはこれらの機器以外も設けられているが、本実施形態の説明においてはその説明を省略する。
また、このエンジン7の前方側には吸気マニホールド21が設けられ、後方側には排気マニホールド22が設けられている。
接続管13は、ターボチャージャ9から右方向へ延在し、その後、後方向に略直角に屈曲したL字型のターボ側接続管13Aと、マフラ8から右方向へ延在し、その後、前方向に略直角に屈曲したL字型のマフラ側接続管13Bと、これらのターボ側接続管13A及びマフラ側接続管13Bを相互に接続するジョイント部13Cとによって構成されている。
また、このマフラ8は、図3に示すように、側面視で車両上下方向に縦長の扁平な形状をしており、扁平な面を車両1の前後方向に向けてターボチャージャ9の後方で、且つ、リアエンドパネル6の直前方に配設されている。また、このマフラ8は、後面視では図4に示すように、車幅方向に長い横長の矩形形状をなしてエンジンルーム2後面を広く覆うように設けられ、エンジンルーム2内の限られたスペースを活用できるようになっている。
図5に示すように、エンジンルームファン10には、電動モータ31と、この電動モータの駆動によって回転するように接続された羽根車32とが備えられ、固定用部材33を介してリアサイドメンバ4から下方に延設されたラテラルロッドブラケット15(図3参照)に固定されている。
円筒部材35は、羽根車32の外周を囲む円筒状に形成されており、固定用部材33にネジで固定されている。
エンジン7が運転を開始すると、エンジン7から排出された高温の排気ガスが排気マニホールド22,ターボチャージャ9,接続管13およびマフラ8を経由して車両1の外部に排出される。つまり、これらの排気マニホールド22,ターボチャージャ9,接続管13およびマフラ8は、高温の排気ガスの通過に伴って高温となるため、エンジンルーム2内部の発熱源となる。
一方、上述したようにエンジンルーム2の上方は、荷物室フロア部3C及びエンジンルームカバー3Dにより荷物室と仕切られているため閉塞されている。このため、高温の空気はエンジンルーム2の上方からはエンジンルーム2外部へ排出されず、エンジンルーム2の上方に滞留する。
なお、エンジンルーム2の左右両側には、上述のように左側開口部G5A及び右側開口部G5Bが設けられている。このため、これら左側開口部G5A及び右側開口部G5Bを通じて空気が自然に出入りするが、この流入出量はエンジンルーム2内部の昇温を抑制するために十分ではない。
次に、エンジンルームファン10による作用について説明する。なお、エンジンルームファン10から空気が送出される側(車両1の右側)を表側といい、エンジンルームファン10へ空気が供給される側(車両1の左側)を裏側という。
すると、図6に示すように、エンジンルームファン10の裏側で、羽根車32によってエンジンルームファン10の表側に空気が強制的に送り出されるため空気圧が低下する。この空気圧の低下により、図6中矢印で示すように左側開口部G5Aを通じて外部の空気がエンジンルーム2の内部に強制的に取り入れられる。
いう。なお、エンジンルームファン10は、マフラ8、ターボチャージャ9及び接続管13と略同じ高さに設けられているので、エンジンルームファン10から送出された水平流A2は確実にマフラ8,ターボチャージャ9および接続管13に沿って流れてこれらのマフラ8,ターボチャージャ9および接続管13から熱を奪い、右側開口部G5Bから車両1の外部へと排出される。
そして、マフラ8,ターボチャージャ9および接続管13等の発熱源の上方に滞留する高温の空気はこの上方流A3により押し出されて、右側のホイールハウスパネル5に沿って下降した後、右側開口部G5Bから車両1の外部へと排出される。
また、エンジンルームファン10のガイドプレート36によって、上方流A3を発生されることによって、エンジンルーム2の上方に滞留する高温の空気をエンジンルーム2から外部へ排出することができる。
例えば、実施形態の車両1では、過給器としてターボチャージャ9が備えられているが、必ずしもこのようなターボチャージャ9を備えなくともよい。また、過給器としてターボチャージャ9の替わりにスーパーチャージャなど種々の過給器を用いるようにしてもよい。
2 エンジンルーム
5A,5B ホイールハウスパネル
7 エンジン
8 マフラ(排気装置)
9 ターボチャージャ(過給器)
10 エンジンルームファン(送風機)
36 ガイドプレート(送風ガイド)
G5A 左側開口部(一側開口部)
G5B 右側開口部(他側開口部)
Claims (4)
- エンジンが後方に搭載された車両のエンジンルームの構造であって、
該エンジンルームに配設された該エンジンと、
該エンジンルームにおいて該エンジンよりも後方に設けられ、車幅方向に配置された排
気装置と、
該エンジンルームの一側部に形成された一側開口部と、
該エンジンルームの他側部に形成された他側開口部と、
該エンジンルームに配設され、該一側開口部を通じて該エンジンルーム内に取り入れた空気を該他側開口部を通じて該エンジンルーム外へ強制的に排出するように該エンジンルームの他側部に向かって送風する送風機と、
該一側開口部と該他側開口部との間に配設され該エンジンと該排気装置とを接続する接続部とを備え、
該送風機は、該排気装置よりも車両前側であってエンジンルームの一側部側に、該接続部と同じ高さで配設され、送風方向が該接続部と該排気装置との間に向かうように該車幅方向に対して車両後方へ傾いて配設されている
ことを特徴とする、車両のエンジンルーム構造。 - 該接続部には過給器が備えられる
ことを特徴とする、請求項1記載の車両のエンジンルーム構造。 - 該送風機には、該一側開口部を通じて取り入れた空気の一部を該エンジンルームの上部に向けて送出させる送風ガイドが備えられる
ことを特徴とする、請求項1または2記載の車両のエンジンルーム構造。 - 該排気装置は、断面形状が縦長の扁平形状に形成される
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の車両のエンジンルーム構造。
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2005
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