JP4608943B2 - 非水電解質リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、安全性が改善された充放電可能な非水電解質リチウム二次電池に関し、特に過充電保護回路の故障時における素電池の安全性を確保し、サイクル及び保存特性が向上した電池構造に関する。
非水電解質リチウム二次電池は、通常使用する電圧以上に充電すると正極からは過剰なリチウムが抽出され、負極にはリチウムの過剰な挿入または金属リチウムの析出が起こるため電池全体としての耐熱性が低下する。さらに過充電が進むと充電できない余剰エネルギーのため電池温度が上昇し、電池が熱暴走を起こす恐れがある。
このため非水電解質リチウム二次電池は、一般に過充電を防止する機能を有した充放電制御回路を備えている。しかし、電気回路の故障などに対処するため個々の電池の中にも安全素子を組み込んでいる。たとえば、過充電状態になった場合に電解液の酸化に伴う分解ガスの発生を利用し、電池の内圧が上昇した場合に電流を遮断する機構である。
さらには、PTCや温度ヒューズを併用することにより電池の温度を検知して回路の電流を遮断する安全機構も一般的に使用されている。
しかし、電池の内圧を検知する電流遮断の機構は、電池内部の空間体積が僅かしかないため作動圧力の設定に余裕が無く誤作動を起こしやすい。また、温度を検知して回路を遮断する場合も、様々な放熱環境を想定すると精度を求めるのはかなり困難である。
これに対し、電池内部での安全機構としてセパレータのシャットダウン機能が採用されている。セパレータのシャットダウンは135℃前後で作動するが、温度上昇速度が遅い場合や、電気特性の良い空孔率の大きなセパレータを用いた場合は、シャットダウンが不完全となり、電流が流れつづけ、発熱が止らないと非常に危険な状態になる。
現在最も過充電に対し有効と考えられるものは、電圧感応型の試薬を電解液に添加することで電池が過充電されたときに反応を開始して電池を安全化するものである。これには、ガス発生により電流遮断機構を精度よく作動させるタイプ、また、重合したポリマーがイオンの移動を阻害して電池の内部抵抗を上げて充電を停止させるタイプ、さらには重合したポリマーが電子伝導性を有し正極と負極の間で充電電流のバイパス回路を形成するタイプ等様々な機構の過充電添加剤が存在する。(例えば特許文献1参照)
しかしこれら過充電添加剤は、その機能を発揮するためにはある一定以上の濃度で電解液中に存在する必要がある。すなわち高濃度で電解液中に存在することでより効果的に機能を発揮することが出来る。しかしこの反面、高温保存やサイクル特性において過充電添加剤が電池の劣化を促進する。このため過充電での保護機能とサイクル、保存特性とはトレードオフの関係となり、サイクル、保存特性をある程度犠牲にしながら限定された充電レートでの過充電保護機能を確保しているのが現状である。
特開平10−321258号公報
一般に過充電添加剤は、電解液にある一定濃度を溶解させて使用している。このため過充電添加剤は、全ての正極表面に作用し効果を発揮することになるが、これは同様に保存やサイクルにおいても正極全体を劣化させることになる。従来、様々な過充電添加剤が提
案されているが、過充電に対する高い安全性を達成しつつ、高いサイクルや保存特性を確保出来るものが存在しない。
本発明は、このような安全性と電池特性のトレードオフの関係を克服するための革新的な技術が盛り込まれた非水電解質リチウム二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の非水電解質リチウム二次電池は、正極板の合剤表面の一部に、リチウム電極基準で4.2V以上の電位が印加されたときに反応する添加剤を含有する多孔質フィルムを有するものである。
または、集電体箔と合剤層とからなる正極板と負極板とを有する非水電解質リチウム二次電池において、前記正極板は合剤層によって覆われていない集電体表面を有し、前記集電体表面の一部に、リチウム電極基準で4.2V以上の電位が印加されたときに反応する添加剤を含有する多孔質フィルムを有するものである。
つまり本発明は、多孔質フィルムに過充電添加剤を含浸させ、正極板の一部に接触させることを特徴とする。従来のように電解液に添加した場合、過充電添加剤は常に正極粒子の表面に接触しているため保存やサイクル試験などで反応した添加剤が特性劣化を引き起こしていた。しかし本発明では、添加剤はフィルム中に固定されており正極粒子表面を劣化させることが無いが、確実に電池電圧に反応することができる。これにより過充電添加剤を過充電領域で確実に作動させると同時に、過充電添加剤と接触していない正極表面を確保することで保存やサイクル特性を良好に維持することが可能となった。
過充電添加剤は、セパレータや負極合剤中では効果を発揮できないが電解液中の濃度を確保するために余分に添加する必要がある。それに対し本発明では、正極板上に添加剤を固定化するため必要最少量の添加で機能を発揮することが出来る。また、添加剤と接触していない正極表面を少なくとも3/4以上確保することで劣化を抑制し、多孔質フィルムに固定することで十分な濃度の過充電添加剤を正極表面に接触させることが可能となった。
以上述べたとおり、本発明は、従来の技術では、限定された充電レートでしか過充電の安全性を確保できなかったものが、殆どの充電レートにおいて安全を確保すると同時に、サイクルや保存特性の低下を抑制することが可能となる画期的な技術である。
本発明の正極板では、正極板の合剤もしくは芯材表面に、リチウム電極基準で4.2V以上の電位が印加されたときに反応を開始するモノマーを含有する多孔質フィルムを有する。
前記の多孔質フィルムは、空孔率10%以上、80%以下でありポリエチレン、ポリプロピレンよりなる樹脂、又は、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体を主体とした高分子ポリマー、又は、アルミナまたはシリカの微粉末を主体とした多孔性のフィルムである。なお、これらの多孔質フィルムは、導電性材料との混合体であることが好ましい。
前記の導電性材料は、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、もしくは黒鉛構造を有すカーボン等が好ましい。
また別の実施の形態として、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、活性炭、もしくは黒鉛構造を有す結晶性カーボン微粉末を主体とした多孔性の導電性フィルムに、リチウム電極基準で4.2V以上の電位が印加されたときに重合又は分解してガスを発生する添加剤を含有し、多孔質フィルムは、正極板の合剤表面または、集電体箔と合剤層とからなる正極板において、当該正極板は合剤層によって覆われていない集電体表面に存在している。
以上述べた添加剤とは、ビフェニル、ターフェニル、ジフェニルエーテル、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族系モノマー、もしくはシュウ酸リチウムなどが好ましい。
また、以上述べた多孔質フィルム又は、導電性カーボンフィルムの面積は、正極極板上の合剤面積の0.1%以上かつ25%未満が好ましい。
以下実施例に沿って発明の効果について詳細に説明する。
(正極板1製造)
LiCoO2とアセチレンブラック(AB)と、PVDFが溶解したノルマルメチルピロリデン(NMP)溶液(クレハ社製 1320)とをLiCoO2:AB:PVDF=100:4:4(重量比)となる様に配合し、ビーカー中でガラス棒にて混合し正極合剤ペーストとした。作成した正極合剤ペーストを厚さが15μmのアルミ箔の両面にコーティングし乾燥したものをロールプレスにて3.45g/ccの密度に圧延した。この極板を長さ600mm、幅56mmの寸法に切り出し、アルミリードを付け正極板1とした。
(樹脂フィルム付き正極板の作成)
熱硬化性モノマー20重量%と熱重合開始剤1重量%と非水電解液49重量%を含む液体に、過充電添加剤30重量%を混合した溶液を作成し、空孔率75%、厚み0.2mm、長さ56mm、幅56mmの寸法に切り出したポリプロピレンフィルムに0.56gを含浸させた。このポリプロピレンフィルムを前記正極板表面に貼り付け、極板を80℃で4時間加熱処理することにより前記モノマーが重合硬化及び溶媒成分が揮発して、過充電添加剤を含有した多孔性樹脂フィルムを有する図1に示すような正極板1−1が得られる。
図1において、合剤部2上のリード1とは反対の端に樹脂フィルム3aが形成されている。
ここでは、熱硬化性モノマーにポリエチレングリコールジアクリレート、熱重合開始剤にアゾビスイソブチロニトリル、非水電解液にはエチレンカーボネート(以下ECと称す)とメチルエチルカーボネート(以下MECと称す)が3:1(体積比)の混合溶媒にLiPF6を1モル/リットル溶解した溶液を使用した。過充電添加剤には、シクロヘキセルベンゼン(以下CHBと称す)を使用した。
(負極極板製造)
カーボンとPVDFが溶解したNMP溶液(クレハ社製 1320)を75:40(重量比)となるように配合し、ビーカー中においてガラス棒にて混練、負極合剤ペーストとした。作成した負極合剤ペーストを厚さが20μmの銅箔の両面上にコーティングし乾燥したものをロールプレスにて1.45g/ccの密度に圧延した。この極板を長さ660mm、幅58mmの寸法に切り出し、ニッケルリードをつけ負極板1とした。
上記した樹脂フィルム付き正極板と負極板とセパレータとを介して組み合わせ巻回する
ことにより図2に示すような直径18mm、高さ65mmの円筒形電池を作成した。設計容量は2000mAhである。
図2において、極板巻回群6が電池ケース7内に収納され、封口板4で密閉されている。極板巻回群6と封口板4はアルミリード5で接続され、極板巻回群6と電池ケース7はニッケルリード8で接続されている。
電池を作成するに際して用いた電解液は、ECとMECが3:1(体積比)の混合溶媒にLiPF6を1モル/リットル溶解した溶液を用いこれを電解液1として、1セルあたり5.6g注液した。この様にして作成した電池を実施例1とした。
実施例1で用いたポリプロピレンフィルム(PP)をポリエチレンフィルム(PE)にして正極板1−2を作成した以外は、実施例1と同様の方法で作成した電池を実施例2とした。
ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体(HFPの共重合比率;12重量%)とをNMPとともに混合したものを準備しておき、この混合液70重量%に対し過充電添加剤を30重量%添加し混合溶液1とした。この混合溶液0.56gを正極板1の片面の一部(長さ56mm、幅56mmの面積)に図3に示すように塗布、乾燥することにより過充電添加剤を含むフィルム3bを有した正極板1−3を作成した。
図3において、合剤部2上のリード1とは反対の端にフィルム3bが形成されている。以下の図で、同じ符号のものは、同じ名称、作用および効果を持つものである。
この正極板1−3を使用した以外は実施例1と同様の方法で作成した電池を実施例3とした。
前記した混合溶液1が70重量%に対し人造黒鉛(KS−6 ティムカル社製)30重量%を混合し導電性ペースト1を作成した。導電性ペースト1の0.8gを正極板1の片面の一部(長さ56mm、幅56mmの面積)に図3に示すように塗布、乾燥することにより過充電添加剤を含む導電性フィルム3bを有した正極板1−4を作成した。この正極板1−4を使用した以外は実施例1と同様の方法で作成した電池を実施例4とした。
人造黒鉛の代わりにアセチレンブラック(AB)を用いて導電性ペーストを作成した以外は実施例4と同様の方法で作成した正極板1−5を用いた電池を実施例5とした。
人造黒鉛の代わりにケッチェンブラック(KB)を用いて導電性ペーストを作成した以外は実施例4と同様の方法で作成した正極板1−6を用いた電池を実施例6とした。
人造黒鉛の代わりに活性炭を用いて導電性ペーストを作成した以外は実施例4と同様の方法で作成した正極板1−7を用いた電池を実施例7とした。
前記、導電性ペースト1を50重量%とシリカ粉末50重量%とを混合し、この混合溶液1.6gを正極板1の片面の一部(長さ56mm、幅56mmの面積)に図3に示すように塗布、乾燥することにより過充電添加剤を含むフィルムを有した正極板1−8を作成した。この正極板1−8を使用した以外は実施例1と同様の方法で作成した電池を実施例8とした。
前記、導電性ペースト1を50重量%とアルミナ粉末50重量%とを混合し、この混合
溶液1.6gを正極板1の片面の一部(長さ56mm、幅56mmの面積)に図3に示すように塗布、乾燥することにより過充電添加剤を含むフィルムを有した正極板1−9を作成した。この正極板1−9を使用した以外は実施例1と同様の方法で作成した電池を実施例9とした。
前記した導電性ペースト1において、使用した過充電添加剤をビフェニル(BP)とした以外は、実施例4と同様の方法で作成した正極板1−10を用いた電池を実施例10とした。
前記した導電性ペースト1において、使用した過充電添加剤をo−ターフェニル(OTP)とした以外は、実施例4と同様の方法で作成した正極板1−11を用いた電池を実施例11とした。
前記した導電性ペースト1において、使用した過充電添加剤をジフェニルエーテル(DPE)とした以外は、実施例4と同様の方法で作成した正極板1−12を用いた電池を実施例12とした。
前記した導電性ペースト1の0.8gを正極板1の片面の一部(長さ14mm、幅56mmの面積)に図4に示すように塗布、乾燥することにより過充電添加剤を含むフィルム3bを有した正極板1−13を作成した。この正極板1−13を使用した以外は実施例4と同様の方法で作成した正極板1−13を用いた電池を実施例13とした。
前記した導電性ペースト1の0.8gを正極板1の片面の一部(長さ11mm、幅56mmの面積)に図5に示すように塗布、乾燥することにより過充電添加剤を含むフィルム3bを有した正極板1−14を作成した。この正極板4を使用した以外は実施例4と同様の方法で作成した正極板1−14を用いた電池を実施例14とした。
前記した混合溶液1の0.8gを正極板1の片面の一部(長さ112mm、幅56mmの面積)に図6に示すように塗布、乾燥することにより過充電添加剤を含むフィルム3bを有した正極板1−15を作成した。この正極板1−15を使用した以外は実施例4と同様の方法で作成した電池を実施例15とした。
(正極極板2製造)
LiCoO2とABと、PVDFが重量比で8%溶解したNMP溶液(クレハ社製 1320)とLiCoO2:AB:PVDF=100:4:4(重量比)となる様に配合し、ビーカー中でガラス棒にて混合し正極合剤ペーストとした。作成した正極合剤ペーストを厚さが15μmのアルミ箔の両面にコーティングし乾燥したものをロールプレスにて3.45g/ccの密度に圧延した。この極板を長さ660mm、幅56mmの寸法に切り出し、極板の片端にアルミリードを付けた。さらに、アルミリードと反対側の片端部の合剤を端から60mmまで両面とも剥離して正極板2を作成した。
前記した導電性ペースト1において、使用した過充電添加剤をシュウ酸リチウムとした以外は、同様の方法で導電性ペーストを作成し導電性ペースト2とした。
前記、導電性ペースト2を50重量%とシリカ粉末50重量%とを混合し、この混合溶液1.6gを正極板2の正極合剤を剥離したアルミ箔上の片面の一部(長さ56mm、幅56mmの面積)に図7に示すように塗布、乾燥することにより過充電添加剤を含むフィルム3bを有した正極板2−1を作成した。図7において、合剤部2上のリード1とは反対の端の集電体であるアルミ箔9に導電性フィルム3cが形成されている。この正極板2−1を使用した以外は実施例1と同様の方法で作成した電池を実施例16とした。
電解液1を97重量%に対して過充電添加剤のCHBを3重量%添加した溶液を電解液2とした。正極板1、負極板1、電解液2を用いた以外は、実施例1と同様の方法で電池を作成し、比較例1とした。
正極板1、負極板1、電解液1を用いた以外は、実施例1と同様の方法で電池を作成し、比較例2とした。
前記した導電性ペースト1の0.8gを正極板1の片面の一部(長さ280mm、幅56mmの面積)に図7に示すように塗布、乾燥することにより過充電添加剤を含むフィルムを有した正極板1−16を作成した。この正極板1−16を使用した以外は実施例4と同様の方法で作成した電池を比較例3とした。
上記した電池を用いて、過充電試験および、過充電添加剤の影響による特性の低下が懸念される保存試験を実施した。
この時の過充電試験は、1.9Aの電流で3.0Vまで放電した電池を最大電流3.8A、最大電圧12Vの定電流定電圧充電で連続的に充電を行なう試験を実施し、最高温度を測定した。
また、保存試験は、最大電流1.33A、最大電圧4.2Vで0.1Aまで電流が減衰した時点で充電を終了する定電流定電圧充電を行った後、放電電流1.9A、放電終了電圧3.0Vの条件で放電を行い電池の放電容量を確認する。さらに同様の条件で充電した電池を80℃、4日間高温で保存し、同様の条件で放電を行った時の保存後の放電容量をもって、保存前の容量に対する容量維持率とした。
以上の結果を、表1にまとめて示す。
Figure 0004608943
比較例1では、従来の方法で過充電添加剤を電解液に添加しているため、過充電試験での電池最大温度は96℃であったが、保存試験での容量維持率は60%しかなかった。これに対し、比較例2では、過充電添加剤を用いないため保存試験での容量維持率が93%と良好であるが、過充電試験において122℃まで電池温度が上昇してしまった。
実施例1、2、3では、多孔質フィルムの材質にかかわらず過充電での温度上昇は100℃以内であり、且つ保存試験での容量維持率は80%程度を維持し良好である。
実施例4,5,6,7で多孔質フィルムに導電性を持たせた場合は、保存試験の容量維持率は大きな変化は無く良好であるが、過充電試験における最高温度が低下し、過充電添加剤の効果がより顕著になっていることが確認できる。導電剤の存在によって、過充電添加剤に電位が確実にかかり反応を促進したためと考えられる。
さらに、実施例8,9では、導電性多孔質フィルムにフィラーを入れることにより過充電試験での効果を維持しながらも、保存特性が5%程度向上する傾向が見られた。これは、フィラーの存在により、フィルムの多孔度が増加しリチウムイオンの移動抵抗が低下したためと予想される。
実施例10、11、12において、他の過充電添加剤(BP,OTP,DPE)においても同様に効果を有することが確認できた。
また、実施例4、13、14、15、比較例3において、フィルムの面積は、極板面積の1/200から1/20まで効果を有し、1/4になると保存試験における特性が低下することが確認できた。
実施例16では、保存特性が過充電添加剤を使用しない比較例2と同様に非常に良好な結果を得られている上に、過充電時の温度上昇が最も低く安全であることがわかった。この様に、充放電に寄与しない正極板上に過充電添加剤を導入することは電気特性と過充電時の安全性を同時に確保することができ非常に有効であることが確認できた。
また実施例16では、シュウ酸リチウムを用いているがアルカリ金属の蓚酸化合物は、(COONa)2、(COOK)2、(COORb)2、(COOCs)2、(COOFr)2などにおいても同様の効果が得られることを確認している。
本発明にかかる非水電解質リチウム二次電池は優れた安全性と電気特性を有し、携帯電子機器等の電源として有用である。
本発明の実施例で用いた第1の極板構造模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図 本発明の実施例で用いた二次電池の縦断面図 本発明の実施例で用いた第2の極板構造模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図 本発明の実施例で用いた第3の極板構造模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図 本発明の実施例で用いた第4の極板構造模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図 本発明の実施例で用いた第5の極板構造模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図 本発明の実施例で用いた第6の極板構造模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図 本発明の実施例で用いた第7の極板構造模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図
符号の説明
1 リード
2 合剤部
3a 樹脂フィルム
3b 導電性フィルム
3c 導電性フィルム
4 封口板
5 アルミリード
6 極板巻回群
7 電池ケース
8 ニッケルリード
9 アルミ箔






Claims (3)

  1. 正極板と負極板とを有する非水電解質リチウム二次電池において、前記正極板の合剤表面の一部に、極板面積の1/20までの面積で、リチウム電極基準で4.2V以上の電位が印加されたときに反応する過充電添加剤を含有する多孔質フィルムを有することを特徴とする非水電解質リチウム二次電池。
  2. 集電体箔と合剤層とからなる正極板と負極板とを有する非水電解質リチウム二次電池において、前記正極板は合剤層によって覆われていない集電体表面を有し、前記集電体表面の一部に、リチウム電極基準で4.2V以上の電位が印加されたときに反応する過充電添加剤を含有する多孔質フィルムを有することを特徴とする非水電解質リチウム二次電池。
  3. 前記多孔質フィルムは、導電性を有するフィルムであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の非水電解質リチウム二次電池
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