JP4608898B2 - 記録装置 - Google Patents

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    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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Description

本発明は記録装置に関し、特に、駆動回路が実装され、記録手段と中継基板とを接続する接続手段としてのフレキシブル基板の一部に汎用のフレキシブル基板を使用して、その接続手段の部品コストを抑制することができる記録装置に関するものである。
従来、記録媒体に対して画像を記録するプリンタ(記録装置)、例えば、インクジェットプリンタでは、ノズルからの噴射の際に生じるインクミスト等の余剰インクによる汚染を回避するために、記録ヘッドの駆動回路基板は、記録ヘッドのノズルから離れた位置に配置され、これら記録ヘッドと駆動回路基板とは、フレキシブル基板により電気的に接続されていた(特許文献1)。
特開平11−165408号公報(図2など)
ところで、近年では、記録ヘッドに接続されるフレキシブル基板上に駆動回路としてのICチップを実装した所謂COF(チップ・オン・フィルム)やTAB(テープ・オートメイテッド・ボンディング)を使用してヘッドユニットを構成することで、その構成の簡素化が図られている。なお、COF等におけるICチップの入力側配線は、ヘッドユニットに搭載された中継基板に接続されており、制御回路から出力される記録データは、その中継基板を介して、ICチップへ入力される。
しかしながら、近年、印字の高速化や高精細化の要求が一層厳しくなっており、そのため、記録ヘッドは、そのノズル数が増加される一方でノズルピッチが減少され、これに伴って、記録ヘッドの端子ピッチやICチップのバンプピッチが狭くなっている。その結果、COF等の配線密度が狭くなり、加工コストが嵩むことに起因して、もともと高価な部品であるCOF等の製品コストが更に嵩むという問題点があった。
また、中継基板は、インクによる汚染を回避するべく、記録ヘッドから離れて配置されるため、それら中継基板と記録ヘッドとを接続するCOF等の配線長(製品長さ)が長くなり、その分、製品コストが極めて嵩むという問題点があった。なお、COF等の製品コストは、その全長に比例するため、配線密度がより広くなるICチップの入力側配線部の長さを延長した場合でも、配線密度がより狭くなる出力側配線部を延長した場合と同様の製品コストとなる。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、駆動回路が実装され記録ヘッドと中継基板とを互いに接続する接続手段としてのフレキシブル基板の一部に汎用フレキシブル基板を使用して、その接続手段の部品コストを抑制することができる記録装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の記録装置は、記録媒体に対して記録を行う
記録手段と、その記録手段を駆動する駆動回路と、制御手段から出力された記録データを
前記駆動回路へ中継する中継基板と、それら記録手段、駆動回路および中継基板を電気的
に接続する接続手段とを備えた記録装置において、前記接続手段は、前記駆動回路が実装
され、前記記録手段に接続される前記駆動回路の出力側配線、及びその駆動回路の入力側
配線を形成した第1のフレキシブル基板と、その第1のフレキシブル基板の前記入力側配
線に接続される端部と、その端部とは反対側において前記中継基板に接続される他方の端
部とを有する平行な配線パターンを形成した第2のフレキシブル基板とから構成され、前
記駆動回路は、前記第1のフレキシブル基板において、前記第2のフレキシブル基板が接
続される前記入力側配線の端部である入力側端子部と、前記記録手段に接続される前記出
力側配線の端部との間であって、前記入力側端子部側に偏倚して実装され、前記中継基板
は、前記複数の記録手段と間隔を置いて配置され、前記第2のフレキシブル基板が前記中
継基板の前記記録手段側とは反対側の面に接続され、前記複数の記録手段は、2群設けら
れ、その各群毎に前記駆動回路が実装される前記第1のフレキシブル基板とその第1のフ
レキシブル基板に接続される第2のフレキシブル基板とが設けられ、前記各群の第2のフ
レキシブル基板は、前記中継基板の対向する両側縁に沿って設けられた2つのコネクタ装
置にそれぞれ接続されるものであり、前記2つのコネクタ装置の一方は、前記第2のフレ
キシブル基板の他端側配線の先端部を電気的に接続した状態で保持可能で、かつ、前記他
端側配線の先端部を挿抜可能に構成されるものであり、前記2つのコネクタ装置の他方は
、揺動操作可能なレバー部材を備え、そのレバー部材を一の方向へ揺動操作した場合には
受け入れ部が開放されると共に、前記レバー部材を他の方向へ揺動操作した場合には受け
入れ部に受け入れた前記他端側配線の先端部を電気的に接続した状態で保持可能に構成さ
れるものである

請求項2記載の記録装置は、請求項1記載の記録装置において、前記第2のフレキシブル基板は、前記中継基板に接続される配線の他端に補強板が添設されており、その他端が前記中継基板に設けられたコネクタ装置に着脱可能に接続されるものである。
請求項3記載の記録装置は、請求項1又は2に記載の記録装置において、前記第1のフレキシブル基板の複数の入力側配線と前記第2のフレキシブル基板の複数の配線とは、その接続側端部において、それらの配線の配列方向の中心に対して左右対称に形成され、前記第1のフレキシブル基板の入力側配線の前記第2のフレキシブル基板との接続側端部は、その配線を前記第1のフレキシブル基板の一面側に露出さ、前記第2のフレキシブル基板の配線の前記第1のフレキシブル基板との接続側端部は、その配線を前記第2のフレキシブル基板の表裏両面に露出さ、その両露出した端部は重ね合わされて接続されている。
請求項記載の記録装置は、請求項1から3のいずれかに記載の記録装置において、前
記記録手段は、インクを吐出する複数のノズルと、その各ノズル内のインクに対して選択
的に吐出圧力を付与する圧力発生手段とを備えるインクジェットヘッドであり、さらに、
前記各ノズルにインクを供給するインクタンクを備え、そのインクタンクは、前記インク
の吐出側と反対側となる前記圧力発生手段の上部に配設され、更に、前記中継基板は、前
記インクタンクの上部に配設されており、前記第2のフレキシブル基板と前記中継基板と
は、前記インクタンクと反対側の面となる前記中継基板の上面側で互いに接続されている


請求項記載の記録装置は、請求項1からのいずれかに記載の記録装置において、前
記第1のフレキシブル基板の長さは、前記第2のフレキシブル基板の長さよりも短く構成
されている。

請求項記載の記録装置は、記録媒体に対して記録を行う2つの記録手段と、制御手段
から出力された記録データを前記記録手段へ中継する中継基板と、前記記録手段を各記録
手段毎に前記中継基板に電気的に接続する2つの接続手段とを備えたものであり、前記各
接続手段は、前記記録手段に接続される、その記録手段に対応した出力側端部、及び入力
側端部を有する配線パターンを形成した第1のフレキシブル基板と、その第1のフレキシ
ブル基板の前記入力側端部に接続される端部と、その端部とは反対側において前記中継基
板に接続される他方の端部とを有する平行な配線パターンを形成した第2のフレキシブル
基板とから構成され、前記第1のフレキシブル基板の入力側端部とそれに接続される前記
第2のフレキシブル基板の前記端部とは、それらの端部の配列方向の中心に対して左右対
称に形成され、前記第1のフレキシブル基板の入力側端部は、その第1のフレキシブル基
板の一面側に露出され、前記第2のフレキシブル基板の前記第1のフレキシブル基板と接
続される前記端部は、その第2のフレキシブル基板の表裏両面に露出され、その両露出し
た端部は重ね合わされて接続され、前記第2のフレキシブル基板は、前記中継基板に接続
される端部の一方の面に補強板が添設され、前記中継基板には、異なる側縁に沿って2つ
のコネクタが設けられ、その一つの側縁に沿って設けられたコネクタは、前記第2のフレ
キシブル基板の前記中継基板に接続される端部を挿抜可能に構成され、他の側縁に沿って
設けられたコネクタは、前記第2のフレキシブル基板の前記中継基板に接続される端部を
揺動可能なレバー部材で挟持可能に構成され、前者のコネクタと後者のコネクタとは、前
記第2のフレキシブル基板の前記端部と接触する接点を、そのフレキシブル基板の面に対
して互いに逆の側に有している。

請求項記載の記録装置は、請求項記載の記録装置において、前記第1のフレキシブ
ル基板には、前記記録手段を駆動するための駆動回路が実装されている。

請求項記載の記録装置は、請求項又はに記載の記録装置において、前記記録手段
は、インクを吐出する複数のノズルと、その各ノズル内のインクに対して選択的に吐出圧
力を付与する圧力発生手段とを備えるインクジェットヘッドであり、さらに、前記各ノズ
ルにインクを供給するインクタンクとを備え、前記中継基板は、前記インクタンクを挟ん
で前記インクジェットヘッドとは反対側に配置されている。

請求項記載の記録装置は、請求項1から及びのいずれかに記載の記録装置におい
て、前記駆動回路は、前記制御手段からシリアルに出力された記録データを、前記記録手
段の複数に対応したパラレル信号に変換し、前記記録手段を駆動するための電圧にして出
力するものである。

請求項1記載の記録装置によれば、駆動回路が実装された第1のフレキシブル基板は、
駆動回路の出力側配線を記録手段に接続する一方、駆動回路の入力側配線を、平行な配線
パターンを形成した第2のフレキシブル基板を介して、中継基板に接続する。即ち、駆動
回路が実装され記録手段に対応した専用の配線パターンが形成された第1のフレキシブル
基板に対して、平行な配線パターンが形成された第2のフレキシブル基板の方がより安価
に構成されるところ、その第2のフレキシブル基板の使用量の分だけ、より高価な第1の
フレキシブル基板の使用量を減らすことができるので、その分、記録装置全体としての製
品コストの低減を図ることができるという効果がある。
また、中継基板は、複数の記録手段と間隔を置いて配設されると共に、第2のフレキシ
ブル基板は、中継基板の記録手段側とは反対側の面に接続されている。よって、中継基板
と第2のフレキシブル基板との接続部がインクミスト等の余剰インクにより汚染されるこ
とを未然に回避することができるという効果があり、また、中継基板と第2のフレキシブ
ル基板との接続部の上方に作業空間を確保して、その接続作業や故障時の修理作業などの
作業効率の向上を図ることができるという効果がある。
さらにまた、2群の記録手段からそれぞれ延びる第1のフレキシブル基板及び第2のフ
レキシブル基板は中継基板の対向する両側縁に沿って設けられた2つのコネクタ装置にそ
れぞれ接続されるものであるところ、一方のコネクタ装置は、第2のフレキシブル基板の
他端側配線の先端部を挿入するだけで、その先端部を電気的に接続した状態で保持可能に
構成されるものであり、また、他方のコネクタ装置は、レバー部材の揺動操作によって開
放され第2のフレキシブル基板を保持可能に構成されるものであるので、まず中継基板の
前記一方のコネクタ装置を一方の第2のフレキシブル基板の端部に近づけてその両者の接
続をし、その後、中継基板の前記他方のコネクタ装置を他方の第2のフレキシブル基板の
端部に近づけてレバー部材によって接続をすることで、第1及び第2のフレキシブル基板
を、2群の記録手段と中継基板の両側とをそれぞれ結ぶほぼ最小限の長さとしても容易に
接続作業を行うことができる。それによって、第1及び第2のフレキシブル基板を、記録
手段と中継基板との間で、接続作業のためにたるみを持たせておく量を最小限とすること
が可能になり、記録手段及び中継基板からなる部分を小型化することができる。

請求項2記載の記録装置によれば、請求項1記載の記録装置の奏する効果に加え、第2のフレキシブル基板は、中継基板に接続される配線の他端に補強板が添設され、その他端を中継基板に設けられたコネクタ装置に接続する。よって、平行な配線パターンからなる第2のフレキシブル基板を、中継基板のコネクタに容易に着脱可能に接続することができ、記録手段及び駆動回路と、中継基板とが初期不良や故障等により交換が必要になったとき、その着脱作業を容易に行うことができる。また、第2のフレキシブル基板に対して、特別なコネクタを装着する必要がないから、コストを低減することができる。
請求項3記載の記録装置によれば、請求項1又は2に記載の記録装置の奏する効果に加え、第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板との接続側端部においては、第1のフレキシブル基板の配線がその第1のフレキシブル基板の一面側に露出される一方、第2のフレキシブル基板の配線がその第2のフレキシブル基板の表裏両面に露出され、更に、両フレキシブル基板の接続側端部の配線が、その配線の配列方向の中心に対して左右対称に形成されている。
よって、第1のフレキシブル基板の配線の露出面に対して、第2のフレキシブル基板の配線の表裏いずれの露出面を向けた場合であっても、これら両フレキシブル基板の露出された端部を互いに重ね合わせて接続することができるという効果がある。特に、第2のフレキシブル基板の中継基板側の配線の他端に補強板を添設したものでは、その中継基板上のコネクタがその接点を補強板に対して上下のいずれの側に設けたものであっても第2のフレキシブル基板を共用することができ、その結果、記録装置全体としての製品コストの低減を図ることができるという効果がある。
また、第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板との接続側端部は、各配線の露出した端部同士を重ね合わせて接続されるため、例えば、この接続部がはんだ付けにより接続される場合には、隣接端子間ショートや端子オープン等が発生しても、接続部のはんだを再熔解することで、各フレキシブル基板を接続状態から外し再利用が可能となるので、記録装置の製造に際して、その歩留まりの向上を図ることができるという効果がある。
請求項記載の記録装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の記録装置の奏す
る効果に加え、中継基板は、インクの吐出側と反対側に配設されるインクタンクの更に上
部に配設されており、その中継基板と第2のフレキシブル基板とは、インクタンクと反対
側、即ち、インクの吐出方向と反対側の面となる中継基板の上面側で互いに接続されてい
る。よって、中継基板と第2のフレキシブル基板との接続部がインクミスト等の余剰イン
クにより汚染されることを未然に回避することができるという効果があり、また、中継基
板と第2のフレキシブル基板との接続部の上方に作業空間を確保して、その接続作業や故
障時の修理作業などの作業効率の向上を図ることができるという効果がある。

請求項記載の記録装置によれば、請求項1からのいずれかに記載の記録装置の奏す
る効果に加え、駆動回路が実装された第1のフレキシブル基板に対して、平行な配線パタ
ーンが形成された第2のフレキシブル基板の方がより安価に構成されるところ、第1のフ
レキシブル基板の長さは第2のフレキシブル基板の長さよりも短くされている、即ち、第
1及び第2の両フレキシブル基板全体で必要な全長は、第2のフレキシブル基板の使用割
合を相対的に大きくすることで確保され、その分、より高価な第1のフレキシブル基板の
使用量を減らすことができるので、記録装置全体としての製品コストの低減を図ることが
できるという効果がある。

請求項記載の記録装置によれば、2つの記録手段と、中継基板の異なる側縁に沿って
設けられた2つのコネクタとが、各記録手段に接続された第1のフレキシブル基板とその
第1のフレキシブル基板に接続された第2のフレキシブル基板とでそれぞれ接続されると
ころ、一つの側縁に沿って設けられたコネクタは、第2のフレキシブル基板の端部を挿抜
可能に構成され、他の側縁に沿って設けられたコネクタは、第2のフレキシブル基板の端
部を揺動可能なレバー部材で挟持可能に構成されているので、まず中継基板の前記一つの
コネクタを一つの第2のフレキシブル基板の端部に近づけてその両者の接続をし、その後
、中継基板の他のコネクタを他の第2のフレキシブル基板の端部に近づけてレバー部材に
よって接続をすることで、第1及び第2のフレキシブル基板を、各記録手段と中継基板の
側縁とをそれぞれ結ぶほぼ最小限の長さとしても容易に接続作業を行うことができる。そ
れによって、第1及び第2のフレキシブル基板を、記録手段と中継基板との間で、接続作
業のためにたるみを持たせておく量を最小限とすることが可能になり、記録手段及び中継
基板からなる部分を小型化することができる。

また、第1のフレキシブル基板の入力側端部とそれに接続される第2のフレキシブル基板の端部とは、それらの端部の配列方向の中心に対して左右対称に形成され、第1のフレキシブル基板の入力側端部は、その第1のフレキシブル配線基板の一面側に露出され、第2のフレキシブル基板の第1のフレキシブル基板と接続される端部は、その第2のフレキシブル基板の表裏両面に露出され、その両露出した端部は重ね合わされて接続され、第2のフレキシブル基板は、中継基板に接続される端部の一方の面に補強板が添設され、上記各コネクタは、第2のフレキシブル基板の端部と接触する接点を、そのフレキシブル配線基板の面に対して互いに逆の側に有している。
よって、第1のフレキシブル基板の配線の露出面に対して、第2のフレキシブル基板の配線の表裏いずれの露出面を向けた場合であっても、これら両フレキシブル基板の露出された端部を互いに重ね合わせて接続することができるので、各記録手段と中継基板の側縁とを接続する2つの接続箇所において、ほぼ同じように製作した第2のフレキシブル基板を使用することができる。さらに、記録手段に対応した専用の配線パターンが形成される第1のフレキシブル基板に対して、汎用の平行配線パターンでよい第2のフレキシブル基板の方がより安価に構成されるため、この第2のフレキシブル基板の使用量の分だけ、第1のフレキシブル基板の使用量を減らすことができることと相俟って、記録装置全体としての製品コストの低減を図ることができるという効果がある。
また、第1のフレキシブル基板と第2のフレキシブル基板との接続側端部は、各配線の露出した端部同士を重ね合わせて接続されるため、例えば、この接続部がはんだ付けにより接続される場合には、隣接端子間ショートや端子オープン等が発生しても、接続部のはんだを再熔解することで、各フレキシブル基板の再利用が可能となるので、記録装置の製造に際して、その歩留まりの向上を図ることができるという効果がある。
請求項記載の記録装置によれば、請求項記載の記録装置の奏する効果に加え、記録
手段を駆動するための駆動回路は、第1のフレキシブル基板に実装されているので、その
記録手段、駆動回路、中継基板及び接続手段から構成されるユニットの構成を簡素化する
ことができるという効果がある。

請求項記載の記録装置によれば、請求項又はに記載の記録装置の奏する効果に加
え、中継基板は、インクタンクを挟んで、インクジェットヘッドとは反対側に配置されて
いる。よって、中継基板またはその中継基板と第2のフレキシブル基板との接続部がイン
クミスト等の余剰インクにより汚染されることを未然に回避することができるという効果
があり、また、中継基板の上方(インクタンクと反対側)に作業空間を確保して、第2の
フレキシブル基板との接続作業や故障時の修理作業などの作業効率の向上を図ることがで
きるという効果がある。

請求項記載の記録装置によれば、請求項1から及びのいずれかに記載の記録装置
の奏する効果に加え、駆動回路は、制御回路からシリアルに出力された記録データを、各
記録手段に対応したパラレル信号に変換し、記録手段を駆動するための電圧にして出力す
るものであるので、第1のフレキシブル基板に形成される入力側配線の配線数を少なくし
て、その入力側配線に接続される第2のフレキシブル基板の構成を簡素化することができ
るので、第2のフレキシブル基板の製品コストの低減を図ることができるという効果があ
る。

以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施例におけるインクジェット記録装置1を模式的に示した概略図である。
インクジェット記録装置1は、インクカートリッジ2を着脱可能に装着する装着部3と、インクカートリッジ2からインク供給チューブ4を介して供給されるインクを貯留するインクバッファタンク5と、そのインクバッファタンク5に貯留されたインクを記録用紙6に向けて吐出する記録ヘッド7と、インクバッファタンク5と記録ヘッド7とを主に備える記録ヘッドユニット8が搭載され直線方向に往復動作するキャリッジ9と、そのキャリッジ9が往復移動する際のガイドとなるキャリッジ軸10と、記録用紙6を搬送する搬送機構11と、パージ装置12とを備えている。
インクカートリッジ2は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の複数色のカラーインク毎に設けられ、インクジェット記録装置1に装着されてカラー印刷が可能に構成されている。なお、インクカートリッジ2は、図1の矢印X方向へ押し込むことにより、装着部3に装着される。
装着部3は、ベース部3aと、そのベース部3aの両側から立設するガイド部3bとを備え、ガイド部3bに挟まれたベース部3aからは、インクカートリッジ2内に貯留されたインクを抽出する中空状のインク抽出管13と、インクカートリッジ2内に外気を導入する中空状の外気導入管14とが突出して配設されている。
このインク抽出管13の一端側には、インク供給チューブ4が連結され、インク抽出管13は、インク供給チューブ4を介してインクバッファタンク5と連通されている。外気導入管14の一端側には、外気導入チューブ15が連結され、外気導入管14は、外気導入チューブ15を介して外気と連通されている。
パージ装置12は、記録範囲外であって記録ヘッド7に対向するように配置されており、記録ヘッド7のノズル16y,16m,16k,16c(図5参照)形成面を覆うパージキャップ12aと、パージキャップ12aと連通する廃インクチューブ12bと、廃インクチューブ12bを介してノズル16y,16m,16k,16cからインクを吸引するポンプ12cとを備えている。
次に、図2から図5を参照して、記録ヘッドユニット8の構造を説明する。図2は、記録ヘッドユニット8の分解斜視図であり、図3及び図4は、記録ヘッドユニット8の断面図であり、図5は、記録ヘッドユニット8の下面図である。
記録ヘッドユニット8は、上述したように、インクバッファタンク5と記録ヘッド7とを備えて構成されており、また、図2に示すように、樹脂材料から略箱形に形成されるヘッドホルダ20と、放熱性に優れる金属材料(例えば、アルミニウム)から形成されるヒートシンク30と、正面視略矩形の平板状に形成され露出口40aが開口された補強フレーム40と、インクジェット記録装置1の本体側に静置された制御回路(図示せず)にフレキシブルケーブル(図示せず)を介して接続される中継基板50とを更に備えて構成されている。
ヘッドホルダ20は、図2に示すように、互いに対向する一対の側壁20a及び側壁2
0bと、それら各側壁20a,20bに囲まれて形成されたヘッドホルダ20の内部空間
を上下に区画(図3及び図4参照)する底壁20cとを備えて構成されている。なお、以
下においては、底壁20cにより区画された内部空間のうち、底壁20cより上側(図2
上側)の空間を上方空間と称し、底壁20cよりも下側(図2下側)の空間を下方空間と
称す。

この記録ヘッドユニット8が図2に示す分解状態から組み立てられると、図3から図5に示すように、ヘッドホルダ20内の下方空間(図3及び図4下側)には、記録ヘッド7が補強フレーム40を介して支持されると共に、ヘッドホルダ20内の上方空間には、インクバッファタンク5及びヒートシンク30が配置され、また、ヘッドホルダ20の上面側(図3及び図4)には、中継基板50が支持される。
補強フレーム40は、ヘッドホルダ20内の下方空間において、底壁20cの下面側(図3及び図4下側)に接着剤により固着されており、記録ヘッド7は、補強フレーム40の下面側に固着されている。また、記録ヘッド7の後述する圧電アクチュエータプレート7bは、補強フレーム40に開口された露出口40aから底壁20c側に露出して配設されている。
記録ヘッド7の下面側(記録用紙6(図1参照)と対向する側)の面には、図5に示すように、イエローインク用のノズル16y、マゼンタインク用のノズル16m、ブラックインク用のノズル16k及びシアンインク用のノズル16cがそれぞれ列状に形成されている。なお、これら各ノズル列の方向と略直交する方向(図5左右方向)がキャリッジ9(図1参照)の移動方向とされる。
インクバッファタンク5は、その内部を、イエローインク用のインクタンク、マゼンタインク用のインクタンク、ブラックインク用のインクタンク及びシアンインク用のインクタンク(いずれも図示せず)に区画して構成されており、これら各インクタンクの下面側(図2又は図4下側)には、図2又は図4に示すように、管5y,5m,5k,5cが記録ヘッド7へ向けて延設されている。これら各管5y,5m,5k,5cは、補強フレーム40のインク供給経路40y,40m,40k,40cを介して、記録ヘッド7の後述するインク供給口17y,17m,17k,17cに接続される。
ここで、図6を参照して、記録ヘッド7の詳細構成について説明する。図6は、記録ヘッド7及びフレキシブル配線ケーブル60の分解斜視図である。なお、図6では、フレキシブル配線ケーブル60の一部が省略して図示されている。
記録ヘッド7は、複数のプレートを積層して形成されるキャビティプレート7aと、プレート型の圧電アクチュエータプレート7bとを備えて構成されている。キャビティプレート7aは、特開2002−240306号公報に記載された公知のものと同様に、上面にインク供給口17y,17m,17k,17cを有し、その各インク供給口17y〜17cから延びるマニホールド流路を介して複数の圧力室にインクが分配され、各圧力室から対応する各ノズル16y,16m,16k,16cに至る構成である。
圧電アクチュエータプレート7bは、上記の各圧力室に対応する複数の圧力発生手段、即ち、圧電変形部を有し、その上面に各圧電変形部に接続された電極18y,18m,18k,18cを有する。電極18y,18m,18k,18cの配設数は、ノズル16y,16m,16k,16cの数に対応する。
圧電アクチュエータプレート7bの上面(図6上側面)には、図6に示すように、可撓性を有するフレキシブル配線ケーブル60が積層され、各電極18y,18m,18k,18cには、フレキシブル配線ケーブル60に実装され駆動回路を内装するICチップ61から延びる配線パターン(図示せず)が接続される。
ICチップ61から圧電アクチュエータプレート7bの各圧電変形部に駆動パルスが供給されると、上記の圧力室内のインクに圧力が付与され、各ノズル16y,16m,16k,16cからインクを下向き(図6下方向)に吐出することができる。
フレキシブル配線ケーブル60は、図6に示すように、各電極18y,18m,18k,18cの列方向、即ち、ノズル16y,16m,16k,16c(図5参照)の列方向に幅を有し、そのノズル列の方向に略直交する方向に延びて構成されている。
図2から図5に戻って説明する。フレキシブル配線ケーブル60は、図3に示すように、ヘッドホルダ20の底壁20cに形成される連通路20c1を通過して、ヘッドホルダ20内の下方空間から上方空間へ入り、その上方空間内を底壁20cと略平行に側壁20aまで延びた後、その側壁20aと略平行にヘッドホルダ20の上方(図3上方向)へ向けて延びて配設されている。そして、フレキシブル配線ケーブル60の先端の後述するコネクタ側端子部63b(図7(a)参照)は、ヘッドホルダ20の上面側(図3及び図4上側)に配設された剛性体の中継基板50のコネクタ51に接続される。
このように、中継基板50は、図3に示すように、記録ヘッド7のインクの吐出側(図3下側)と反対側に配設されたインクバッファタンク5の更に上部(図3上側)に配設されており、その中継基板50のコネクタ51とフレキシブル配線ケーブル60の先端の後述するコネクタ側端子部63b(図7(a)参照)とは、インクの吐出方向と反対側の面となる中継基板50の上面側において互いに接続されている。
よって、コネクタ51と後述するコネクタ側端子部63b(図7(a)参照)との接続部がインクミスト等の余剰インクによって汚染されることを未然に回避することができると共に、コネクタ51とコネクタ側端子部63bとの接続部の上方(図3上側)に作業空間を確保して、その接続作業や故障時の修理作業などの作業効率の向上を図ることができる。
中継基板50は、図示しないフレキシブルな配線部材を介して、記録装置本体側に静置された制御回路と接続される。ヒートシンク30は、フレキシブル配線ケーブル60に実装されたICチップ61の発する熱を外部へ放熱するためのものであり、図2から図4に示すように、平坦面を有して形成される座面部30aと、側面視略U字状に曲折されて形成される本体部30bとを備えて構成されている。また、本体部30bの湾曲部には、貫通口30b1が貫通形成されている。
ヒートシンク30は、その座面部30aに形成された2つの取り付け穴30a1(図2参照)を、ヘッドホルダ20の底壁20cから突設された取り付けボス20c2に固着して、ヘッドホルダ20内の上方空間に取り付けられている。
ヒートシンク30の本体部30bは、図3に示すように、ヘッドホルダ20の側壁20aの裏表両面と所定間隔を隔てつつ対向して配設されており、フレキシブル配線ケーブル60は、本体部30aと側壁20aとの対向面間を通り、本体部30bの貫通口30a1から中継基板50側へ延びて配設されている。
なお、ヒートシンク30がヘッドホルダ20に取り付けられた状態においては、図3に
示すように、ヘッドホルダ20の底壁20cに固着されたゴム状弾性部材19によってI
Cチップ61がヒートシンク30の座面30aに熱伝導可能に接触するように押圧され
ている。

次に、図7を参照して、フレキシブル配線ケーブル60の詳細構成について説明する。
フレキシブル配線ケーブル60は、ICチップ61が実装された第1のフレキシブル基板としてのCOF(チップ・オン・フィルム)62と、第2のフレキシブル基板としてのFFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)63とから構成されている。COF62は、ICチップ61の入力側、出力側にそれぞれ接続される入力側配線および出力側配線を、公知のように電気絶縁フィルムの上に印刷形成して備える。出力側配線の端部は、図6のアクチュエータプレート7上の電極18k、18y、18c、18mにそれぞれ接続される。
ICチップ61に内装される駆動回路は、記録装置本体側の制御回路から中継基板50を介してシリアルに出力された記録データを、記録ヘッド7の圧力発生手段数に対応したパラレル信号に変換し、圧力発生手段を駆動するための電圧にして出力するものである。
そのため、COF62の出力側配線パターンは、少なくともノズル16y,16m,16k,16c(図5参照)数以上の線数が必要となり、配線密度が高くなる。これに対し、COF62の入力側配線パターン(即ち、FFC63の配線パターン)は、信号電源線や駆動電源線、グランド線などの信号線に加えて、記録データ信号線、転送クロック信号線およびラッチ信号線をインク色ごとに設けられたシリアル/パラレル変換器分だけ設ければ良く、極めて少ない線数で構成することができる。
FFC63は、COF62の入力側配線数と対応する配線数を有する平行な配線パターンが形成された汎用のケーブルであって、一方の端子部63aがCOF62の入力側配線の端部(入力側端子部62a)に接続され、他方の端子部63bが中継基板50に接続される。したがって、COF62が当該記録ヘッド7に専用に製作されるのに対して、汎用のFFC63がより安価に構成されるところ、上述のように、COF62は、入力側配線を、汎用のFFC63を介して、プリント基板51に接続するので、FFC63の使用量の分だけ、より高価なCOF62の使用量を減らすことができ、その分、インクジェット記録装置1全体としての製品コストの低減を図ることができる。
FFC63とCOF62との接続部においては、図7(a)及び図7(c)に示すように、COF62の入力側端子部62aは、その配線の片側面(図7(c)上側面)がCOF62の面方向に沿って露出される一方、それに対応するFFC63の端子部63aは、その裏表両面(図7(c)上側面及び下側面)の電気絶縁被覆がFFC63の面方向に沿って除去されて配線が裏表両面に露出され、更に、これら端子部62a,63aの配線は、その配線の配列方向(図7(a)上下方向)の中心を通り、FFC63及びCOF62の長手方向(図7(a)左右方向)に延びる仮想線に対して対称に配設されている。
両端子部62a、63aは、露出した各配線を一対一で対応させて重ね合わせ、加熱することでその一方の表面に形成された導電性ろう材(はんだ)を熔融させて接続される。さらに、その接続部の、配線が露出している側を覆って電気絶縁テープ65(図6)が貼着される。
また、FFC63の中継基板50側端子部63bは、その配線の片側面(図7(b)上側面)の電気絶縁被覆がFFCの面方向に沿って除去されて配線が露出され、その露出側と反対側(図7(b)下側面)に補強板64が添設されている。補強板64は、FFC63よりも剛性が高く、後述するコネクタ51に着脱する際に取り扱い易い剛性を有している電気絶縁性のフィルム材であり、FFC63に熱熔着、接着等されている。
中継基板50は、剛性を有する電気絶縁基板に配線パターンが印刷形成されたもので、FFC63の端子部63bが着脱可能に接続されるコネクタ51を上面に有する。コネクタ51としては、後述する図9の、端子部63bを挿抜するタイプ、レバー部材で端子部63bを挟むタイプのものなど、各種のものが使用される。
第1実施例のインクジェット記録装置は、上記のように、COF62とFFC63とを接続する端子部62a、63aが幅方向の中心に対して対称に配設され、FFC63の端子部63aが裏表両面に露出しているため、FFC63を裏表いずれでもCOF62に接続することができ、中継基板50上のコネクタ51が後述する図9のように接点を上下いずれの側に有するタイプに対しても、FFC63を使用することができ、インクジェット記録装置1全体としての製品コストの低減を図ることができる。
また、その両端子部62a,63aとは、露出した配線同士を重ね合わせはんだ付けにより接続するものであるので、例えば、かかる接続部に隣接端子間ショートや端子オープン等が発生しても、接続部のはんだを再熔解することで、FFC63及びCOF62を接続状態から外し再利用を可能とすることができ、その結果、インクジェット記録装置1の製造に際しては、その歩留まりの向上を図ることができる。
さらに、FFC63の端子部63bは、中継基板50のコネクタ51に着脱可能に接続されるので、記録ヘッド7、ICチップ61、中継基板50を初期不良や故障等により交換することが必要になったときには、かかる交換作業を容易に行うことができる。
次に、図8を参照して第2実施例について説明する。図8は、記録ヘッドユニット108の断面図である。
第1実施例のインクジェット記録装置1では、ヘッドユニット8が記録ヘッド7を1つだけ備えて構成されていたのに対し、第2実施例のインクジェット記録装置100では、ヘッドユニット108が記録ヘッド7を2つ備えて構成されている。なお、前記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
ヘッドホルダ120は、第1実施例の場合と同様に、互いに対向する一対の側壁120a及び側壁120bにより内部空間が形成され、その内部空間は、底壁120cによって、下方空間と上方空間とに区画されている。図8に示すように、下方空間には、2つの記録ヘッド7が補強フレーム140に支持されつつ左右対称に配置され、上方空間には、インクバッファタンク105及びヒートシンク30が配置され、また、ヘッドホルダ120の上面側(図8上側)には、中継基板150が支持される。
記録ヘッド7は、第1実施例で説明したものと同様に構成されるものであり、上述の通り2つがヘッドホルダ120内の下方空間に支持されている。これら両記録ヘッド7は、図5のノズル列が各インク色に対して2列ずつ使用され、両記録ヘッドのノズル列が互いに略平行となるように、そのノズル列方向(図8紙面垂直方向)と略直交する方向(図8左右方向)に並んで配設されている。
インクバッファタンク105は、各インク色のノズル列に対応してイエローインク用のインクタンク、マゼンタインク用のインクタンク、ブラックインク用のインクタンク及びシアンインク用のインクタンク(いずれも図示せず)に区画され、各タンクは、記録ヘッド7のそれぞれ2個のインク供給口1に接続される(図2参照)。
フレキシブル配線ケーブル60,160は、各記録ヘッド7から互いに反対方向であっ
て、かつ、ノズル列の方向に略直交する方向(図8左右方向)に延びて配設されている。
各フレキシブル配線ケーブル60,160は、第1実施例の場合と同様に、底壁120c
に形成される連通路20c1を通過して、ヘッドホルダ120内の上部空間に入ると共に
、側壁120aと略平行に上方へ向けて延びて、中継基板150の対向する両側縁に設け
られたコネクタ51,152にそれぞれ接続されている。
これらフレキシブル配線ケーブル60,160は、第1実施例で説明したものと同様に、記録ヘッド7側に接続されたCOF62と、そのCOFを中継基板50へ接続するFFC63とから構成され、両者は同じ長さで構成されている。2個の記録ヘッド7のノズル配列が、その両記録ヘッド間の中心点に関して点対称にあるとき、圧電アクチュエータプレートの電極18y〜18cの配列も点対称になり、両記録ヘッド7に共通のCOF62が使用できる。また、その両COF62の共通化にかかわりなく、入力側端子部62aの配線ピッチを同じにすることで、両COF62に対して同じFFC63を共通に使用できる。ただし、各COF62に対して2つのフレキシブル配線ケーブル60,160において、補強板64を有する端子部63bが後述するコネクタ51,151の接点の向きに合うように、両FFC63は各COF62に対して裏表逆にして端子部62a,63aを重ね合わせて接合される。
ここで、図9を参照して、中継基板150のコネクタ51,152の詳細構成について説明する。図9(a)は、コネクタ51の側面図であり、図9(b)は、コネクタ152の側面図である。コネクタ51は、図9(a)に示すように、コネクタ側端子部63bを挿抜可能に保持する保持凹部51aと、その保持凹部51a内に挿入された端子部63bと電気的に接続される接点51bとを備えている。
一方、コネクタ152は、図9(b)に示すように、揺動操作可能なレバー部材152aと、端子部63bと電気的に接続される接点152bとを備え、レバー部材152aを上方(図9(b)上方)へ揺動することにより、接点152b上面の受け入れ部152cを開放することができると共に、レバー部材152aを下方(図9(b)下方)へ押し下げることにより、受け入れ部152cに受け入れられた端子部63bを接点152bと電気的に接続した状態で挟持可能に構成されるものである。
上記2つのフレキシブル配線ケーブル60,160を中継基板150に接続するとき、図8に二点差線で示すように、まず中継基板の一方のコネクタ51を一方のフレキシブル配線ケーブル60の端子部63bに近づけ、その端子部63bをコネクタ51の凹部51aに挿入して電気的に接続する。その後、他方のコネクタ152を他方のフレキシブル配線ケーブル160の先端に近づけて、中継基板150をヘッドホルダ120に対するほぼ固定位置に設置する。この状態で、開放された受け入れ部152cに、フレキシブル配線ケーブルの先端を曲げて入れ、その先端の端子部63bを接点152上に重ねてレバー部材152aで挟持する。
仮に、中継基板150両側のコネクタが、挿抜タイプのコネクタ51のみであると、中継基板150の少なくとも一方の側に、端子部63bを挿抜するための空間を確保しなければならず、さらに、フレキシブル配線ケーブルも余裕を持った長さにする必要がある。しかし上記構成によれば、フレキシブル配線ケーブルの長さに必要以上の余裕を持たせる必要がなくなり、その分、記録ヘッドユニット8を小型にすることができる。
なお、一方のコネクタ51の接点51bは、図9(a)に示すように、保持凹部51aの上側面において下方(図9(a)下方)を向いて設けられているので、フレキシブル配線ケーブル60のFFC63(図7参照)は、記録ヘッドユニット108の組み立て状態(図8参照)において、コネクタ側端子部63bの配線パターンが上側(図9(a)上側)を向くようにCOF62に接続される。
他方のコネクタ152の接点152bは、図9(b)に示すように、レバー部材152aと対向するように上方(図9(b)上方)を向いて設けられているので、フレキシブル配線ケーブル160のFFC63(図7参照)は、記録ヘッドユニット108の組み立て状態(図8参照)において、コネクタ側端子部63bの配線パターンが下側(図9(b)下側)を向くようにCOF62に接続される(図7参照)。
即ち、フレキシブル配線ケーブル60,160に使用されるFFC63は、上述した通り両者同じものであるが、一方のFFC63は、そのコネクタ側端子部63bの接点方向を反転させるべく、他方と表裏が逆向きとなるように裏返された状態でCOF62に接続されている。
このように、2つのコネクタ51,152の接点方向が異なるため、コネクタ側端子部63bの接点方向が異なる2種類のフレキシブル配線ケーブル60,160を必要とする場合であっても、FFC63を裏返して使用することにより、これら2種類のフレキシブル配線ケーブル60,160においてFFC63及びCOF62を共用することができるので、部品を統一化して、その分、インクジェット記録装置100全体としての製品コストの低減を図ることができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
本発明の第1実施例におけるインクジェット記録装置を模式的に示した図である。 記録ヘッドユニットの分解斜視図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 記録ヘッドユニットの下面図である。 記録ヘッド及びフレキシブル配線ケーブルの分解斜視図である。 (a)はフレキシブル配線ケーブルの上面図であり、(b)(c)はそれぞれそのケーブルの端子部の側面図である。 第2実施例における記録ヘッドユニットの断面図である。 (a),(b)共にコネクタの一部を断面にした側面図である。
符号の説明
1,100 インクジェット記録装置(記録装置)
5,105 インクバッファタンク
6 記録用紙(記録媒体)
7 記録ヘッド(記録手段、インクジェットヘッド)
7b 圧電アクチュエータプレート(圧力発生手段)
16y,16m,16k,16c ノズル
50,150 中継基板
51,152 コネクタ(コネクタ装置)
51b,152b 接点
152a レバー部材
60,160 フレキシブル配線ケーブル(接続手段)
61 ICチップ(駆動回路)
62 COF(第1のフレキシブル基板)
62a 入力側端子部(駆動回路の入力側配線の一部)
63 FFC(第2のフレキシブル基板)
63a ICチップ側端子部(第1のフレキシブル基板の入力側配線に接続される端部)
63b コネクタ側端子部(中継基板に接続される端部)
64 補強板

Claims (9)

  1. 記録媒体に対して記録を行う記録手段と、その記録手段を駆動する駆動回路と、制御手
    段から出力された記録データを前記駆動回路へ中継する中継基板と、それら記録手段、駆
    動回路および中継基板を電気的に接続する接続手段とを備えた記録装置において、
    前記接続手段は、
    前記駆動回路が実装され、前記記録手段に接続される前記駆動回路の出力側配線、及び
    その駆動回路の入力側配線を形成した第1のフレキシブル基板と、
    その第1のフレキシブル基板の前記入力側配線に接続される端部と、その端部とは反対
    側において前記中継基板に接続される他方の端部とを有する平行な配線パターンを形成し
    た第2のフレキシブル基板とから構成され、
    前記駆動回路は、前記第1のフレキシブル基板において、前記第2のフレキシブル基板
    が接続される前記入力側配線の端部である入力側端子部と、前記記録手段に接続される前
    記出力側配線の端部との間であって、前記入力側端子部側に偏倚して実装され
    前記中継基板は、前記複数の記録手段と間隔を置いて配置され、前記第2のフレキシブ
    ル基板が前記中継基板の前記記録手段側とは反対側の面に接続され、
    前記複数の記録手段は、2群設けられ、その各群毎に前記駆動回路が実装される前記第
    1のフレキシブル基板とその第1のフレキシブル基板に接続される第2のフレキシブル基
    板とが設けられ、
    前記各群の第2のフレキシブル基板は、前記中継基板の対向する両側縁に沿って設けら
    れた2つのコネクタ装置にそれぞれ接続されるものであり、
    前記2つのコネクタ装置の一方は、前記第2のフレキシブル基板の他端側配線の先端部
    を電気的に接続した状態で保持可能で、かつ、前記他端側配線の先端部を挿抜可能に構成
    されるものであり、
    前記2つのコネクタ装置の他方は、揺動操作可能なレバー部材を備え、そのレバー部材
    を一の方向へ揺動操作した場合には受け入れ部が開放されると共に、前記レバー部材を他
    の方向へ揺動操作した場合には受け入れ部に受け入れた前記他端側配線の先端部を電気的
    に接続した状態で保持可能に構成されるものであることを特徴とする記録装置。
  2. 前記第2のフレキシブル基板は、前記中継基板に接続される配線の他端に補強板が添設
    されており、その他端が前記中継基板に設けられたコネクタ装置に着脱可能に接続される
    ものであることを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  3. 前記第1のフレキシブル基板の複数の入力側配線と前記第2のフレキシブル基板の複数
    の配線とは、その接続側端部において、それらの配線の配列方向の中心に対して左右対称
    に形成され、
    前記第1のフレキシブル基板の入力側配線の前記第2のフレキシブル基板との接続側端
    部は、その配線を前記第1のフレキシブル基板の一面側に露出させ、
    前記第2のフレキシブル基板の配線の前記第1のフレキシブル基板との接続側端部は、
    その配線を前記第2のフレキシブル基板の表裏両面に露出させ、
    その両露出した端部は重ね合わされて接続されていることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の記録装置。
  4. 前記記録手段は、インクを吐出する複数のノズルと、その各ノズル内のインクに対して
    選択的に吐出圧力を付与する圧力発生手段とを備えるインクジェットヘッドであり、さら
    に、前記各ノズルにインクを供給するインクタンクを備え、
    そのインクタンクは、前記インクの吐出側と反対側となる前記圧力発生手段の上部に配
    設され、更に、前記中継基板は、前記インクタンクの上部に配設されており、
    前記第2のフレキシブル基板と前記中継基板とは、前記インクタンクと反対側の面とな
    る前記中継基板の上面側で互いに接続されていることを特徴とする請求項1から3のいず
    れかに記載の記録装置。
  5. 前記第1のフレキシブル基板の長さは、前記第2のフレキシブル基板の長さよりも短く
    構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の記録装置。
  6. 記録媒体に対して記録を行う2つの記録手段と、制御手段から出力された記録データを
    前記記録手段へ中継する中継基板と、前記記録手段を各記録手段毎に前記中継基板に電気
    的に接続する2つの接続手段とを備えた記録装置において、
    前記各接続手段は、
    前記記録手段に接続される、その記録手段に対応した出力側端部、及び入力側端部を有
    する配線パターンを形成した第1のフレキシブル基板と、
    その第1のフレキシブル基板の前記入力側端部に接続される端部と、その端部とは反対
    側において前記中継基板に接続される他方の端部とを有する平行な配線パターンを形成し
    た第2のフレキシブル基板とから構成され、
    前記第1のフレキシブル基板の入力側端部とそれに接続される前記第2のフレキシブル
    基板の前記端部とは、それらの端部の配列方向の中心に対して左右対称に形成され、前記
    第1のフレキシブル基板の入力側端部は、その第1のフレキシブル基板の一面側に露出さ
    れ、前記第2のフレキシブル基板の前記第1のフレキシブル基板と接続される前記端部は
    、その第2のフレキシブル基板の表裏両面に露出され、その両露出した端部は重ね合わさ
    れて接続され、
    前記第2のフレキシブル基板は、前記中継基板に接続される端部の一方の面に補強板が
    添設され、
    前記中継基板には、異なる側縁に沿って2つのコネクタが設けられ、その一つの側縁に
    沿って設けられたコネクタは、前記第2のフレキシブル基板の前記中継基板に接続される
    端部を挿抜可能に構成され、他の側縁に沿って設けられたコネクタは、前記第2のフレキ
    シブル基板の前記中継基板に接続される端部を揺動可能なレバー部材で挟持可能に構成さ
    れ、前者のコネクタと後者のコネクタとは、前記第2のフレキシブル基板の前記端部と接
    触する接点を、そのフレキシブル基板の面に対して互いに逆の側に有していることを特徴
    とする記録装置。
  7. 前記第1のフレキシブル基板には、前記記録手段を駆動するための駆動回路が実装され
    ていることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  8. 前記記録手段は、インクを吐出する複数のノズルと、その各ノズル内のインクに対して
    選択的に吐出圧力を付与する圧力発生手段とを備えるインクジェットヘッドであり、さら
    に、前記各ノズルにインクを供給するインクタンクとを備え、
    前記中継基板は、前記インクタンクを挟んで前記インクジェットヘッドとは反対側に配
    置されていることを特徴とする請求項またはに記載の記録装置。
  9. 前記駆動回路は、前記制御手段からシリアルに出力された記録データを、前記記録手段
    の複数に対応したパラレル信号に変換し、前記記録手段を駆動するための電圧にして出力
    するものであることを特徴とする請求項1から及びのいずれかに記載の記録装置。
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