以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。尚、実施形態を説明するにあたっては、電気光学装置の例として液晶装置、具体的には反射半透過型のパッシブマトリックス方式の液晶装置、またその液晶装置を用いた電子機器について説明するがこれに限られるものではない。また、以下の図面においては各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る液晶装置の概略斜視図、図2は図1のA―A線断面図(液晶駆動用ICは、切断していない。)、図3は液晶駆動用ICが実装される前の液晶装置の張り出し部分を中心に説明する平面図、図4は図3のC―C線断面図(検査用端子の断面図)及び図5は図3の検査用端子を中心に説明する部分拡大図である。
(液晶装置の構成)
液晶装置1は、例えば図1に示すように液晶パネル2と、当該液晶パネル2に接続された回路基板3とを有する。ここで、液晶装置1には、回路基板3の他にも、バックライト等の照明装置やその他の付帯機構が必要に応じて付設される(図示しない。)。
液晶パネル2は、図1、図2及び図3に示すようにシール材4を介して貼り合わされた一対の基板である第1の基板5及び第2の基板6と、両基板の間隙に封入された電気光学材料例えばSTN(Super Twisted Nematic)型の液晶7とを有する。
第1の基板5には、例えば図2に示すようにその液晶7側表面に、第1の電極である複数のセグメント電極8が所定のパターンで形成されている。
また、そのセグメント電極8の上にはオーバーコート層9が形成されており、更にその上に配向膜10が形成されている。また、第1の基板5の外側(液晶7と反対側)には偏光板11等が配置されている。
一方第2の基板6には、例えば図2に示すようにその液晶7側表面に第2の電極である複数のコモン電極12が所定のパターンで形成されており、そのコモン電極12の上にはオーバーコート層13が形成され、更にその上に配向膜14が形成されている。また、第2の基板6の外側(液晶7と反対側)には偏光板15等が配置されている。
第1の基板5及び第2の基板6のいずれか一方の内側表面には図示しないが必要に応じて下地層、反射層、着色層及び光遮蔽層等を形成する。
ここで、第1の基板5及び第2の基板6は、図1、図2及び図3に示すように例えばガラスや合成樹脂といった光透過性材料から形成された板状部材であり、第1の基板5は他方の基板に対し外側へ突出した張り出し領域(以下「張り出し部」という。)16を有している。
セグメント電極8は、例えばITO(Indium Tin Oxide)の透明導電材料により形成されており、図1、図2及び図3に示すように一方向(図中のY軸方向)で平行になるようにストライプ形状で複数形成されている。
また、コモン電極12はセグメント電極8と同様にITO等の透明導電材料でストライプ状に複数形成されているが、図1、図2及び図3に示すようにセグメント電極8と交差するように図中のX軸方向に形成されている。これらのセグメント電極8及びコモン電極12が交差する所が像を表示する画素となる。
尚、図1及び図3ではセグメント電極8及びコモン電極12等を判り易くするために各電極等の間隔を実際より広く模式的に表しているが、実際は非常に狭い間隔で多数本形成されている。
また、オーバーコート層9,13は例えば酸化ケイ素、酸化チタンまたはこれらの混合物により形成され、配向膜10,14は例えばポリイミド系樹脂により形成される。
次に、張り出し部16は図1、図2及び図3に示すようにセグメント電極8及びコモン電極12がシール材4で囲まれる領域(以下「液晶領域」という。)から当該張り出し部16に延びている電極部分であるセグメント電極用配線17及びコモン電極用配線18、その各電極用配線に例えば液晶駆動用電流を供給する電子部品である液晶駆動用IC19等を有する。
また、張り出し部16は液晶駆動用IC19の実装面に対応する第1の基板5上の実装領域B(図3中の点線で囲まれた領域)内に設けられた第1及び第2の接続用端子群として複数のコモン接続用端子21(21a、21b、21c)及びセグメント接続用端子20と、そのコモン接続用端子21及びセグメント接続用端子20に電気的に接続された複数の検査用端子22及びその検査用端子22を平面的に挟む第1及び第2の領域23,24、更に回路基板3からの電流を液晶駆動用IC19に入力する複数の入力接続用端子25を有する。
更に張り出し部16は、回路基板3からの電流を受け取る外部接続用端子26、その外部からの電流を入力接続用端子25に供給する入力用配線27等を有する。
ここで、セグメント電極用配線17は、例えば図3に示すようにセグメント電極8に張り出し部16と液晶領域との境界付近で電気的に接続され液晶駆動用ICに向けて延設されたものであり、図3中略中央部に配線されその端部でセグメント接続用端子20に電気的に接続されている。
また、接続用配線としてのコモン電極用配線18は、液晶領域で左右に分けて引き回された複数のコモン電極12に、例えばシール材4中の導通部材(図示せず)を介して張り出し部16と液晶領域との境界付近から電気的に接続され、液晶駆動用ICに向けて延設されたものであり、図3中右側及び左側から引き回されその端部でコモン接続用端子21に電気的に接続されている。
尚、セグメント電極用配線17及びコモン電極用配線18は例えばセグメント電極8及びコモン電極12と同様ITO等の透明導電材料で形成されている。
液晶駆動用IC19は、例えば回路基板3及び入力用配線27を介して表示画像等に関わる各種の信号を受信すると、この信号に応じた駆動信号を生成するものであり、その駆動信号はセグメント電極用配線17及びコモン電極用配線18に供給される。
また、液晶駆動用IC19は、例えば図1に示すようにX軸方向に長辺が来るように略長方形の外形を有し、その張り出し部16への実装面である裏面にはセグメント接続用端子20及びコモン接続用端子21と入力接続用端子25とに電気的に接続するための第3の接続用端子群である複数のバンプ28を有する。
更に実装領域B内には、例えば図3に示すように第1の基板5上に液晶領域側で当該実装領域Bの長辺の周縁中央付近に複数のセグメント接続用端子20が、一定の間隔でX軸方向に並んで設けられている。また、例えばその複数のセグメント接続用端子20を挟むように、当該実装領域Bの長辺の左右周縁付近と左右の短辺の周縁付近とに複数のコモン接続用端子21(21a、21b、21c)が、一定の間隔でX軸方向及びY軸方向に並んで設けられている。これにより、液晶駆動用ICからの信号電流が各バンプ28を介しセグメント接続用端子20及びコモン接続用端子21に出力され、セグメント電極8及びコモン電極12に供給されることとなる。
なお、セグメント接続用端子20及びコモン接続用端子21は夫々セグメント電極用配線17及びコモン電極用配線18に電気的に接続されている。また、図3に示されたセグメント接続用端子20、コモン接続用端子21、セグメント電極用配線17及びコモン電極用配線18等はその一部を模式的に現したものであり、実際はもっと細かくかつ多数設けられている。
また、図3では省略しているが例えば図2に示すように各バンプ28とセグメント接続用端子20、コモン接続用端子21及び入力接続用端子25との間にはACF(Anisotropic Conductive Film)29を介在させ圧着させることにより電気的導通を図っている。
更に実装領域B内には、例えば図3に示すようにその略中央に複数の細い短冊状の検査用端子22が図中X軸方向に一直線上に、後述する検査用のプローブ端子を当接させる部分が位置するように同一ピッチで複数並べられている。これにより、プローブ端子の数が例えば検査用端子22の数分だけない場合でも、その一直線上にプローブ端子を平行移動させるだけで容易に全ての検査用端子22を検査できることとなる。
また、プローブ端子の位置合わせやプローブ端子の製造そのものが容易となる。勿論、全ての検査用端子のピッチを同一にしなければならないわけではなく、セグメント電極8とコモン電極12とに接続された検査用端子22で夫々異なるピッチで形成してもよい。
更に検査用端子22は、例えば図4に示すように第1の基板5の上に下地層としてタンタルによるTa層30を形成し、その上に検査用端子の本体としてクロムによるCr層31を積層し、更にその上をインジウムスズ酸化物によるITO層32で被覆する構造となっている。Ta層30を形成することによりCr層31をより安定して形成できると共に、ITO層32で覆うことにより検査用のプローブ端子の接触が良好となり、Cr層31に傷がつくことを防ぐことができる。勿論検査用端子22はこの構成に限られるものではない。
また、複数並設された検査用端子22は、中央部分にセグメント接続用端子20に引き回し配線により電気的に接続された検査用端子22が配置され、その両外側(左右)にコモン接続用端子21に引き回し配線により電気的に接続された検査用端子22が配置されている。
ここで、上述の引き回し配線について検査用端子の右側の一部をより詳細に説明する。勿論、検査用端子の左側も同様に構成されている。
まず図5に示すように検査用端子22の上方右側の点線領域を第1の領域23とし、その検査用端子22の反対側の点線領域を第2の領域24とする。この第1の領域23はコモン接続用端子のうち実装領域Bの短辺側周縁で、その短辺の中央より上方(図5のY軸方向の)に設けられたコモン接続用端子21aと検査用端子22とを電気的に接続する検査用配線としての引き回し配線が主に引き回される領域である。また、第2の領域24はコモン接続用端子のうち実装領域Bの短辺側周縁で、その短辺の中央より下方(図5のY軸方向の逆)に設けられたコモン接続用端子21bと検査用端子22とを電気的に接続する検査用配線としての引き回し配線が主に引き回される領域である。
引き回し配線はセグメント接続用端子20と検査用端子22とを電気的に接続する引き回し配線33aと、コモン接続用端子21のうち長辺側周縁に設けられたコモン接続用端子21cと検査用端子22とを接続する引き回し配線33bと、コモン接続用端子21のうち短辺側周縁に設けられたコモン接続用端子21a及び21bを検査用端子22に夫々電気的に接続する引き回し配線33c及び33dを有する。
これにより、図5に模式的に示す検査用端子22は図中一番左側(検査用端子22全体では中央寄り)から4個目までが、セグメント接続用端子20に引き回し配線33aにより電気的に接続されているが、一般には近い距離で直線的に接続されている。
これに対し、例えば図5に示すように左から5番目及び6番目の検査用端子22は元々図中右端のほうから長辺側のコモン接続用端子21cを介して検査用端子22に電気的に接続されるため図5に示すように、その6番目の検査用端子22の右隣の7番目及び8番目の検査用端子22の配線を引き回す領域、例えば第1の領域23が非常に狭くなってしまう。
このため、少しでも引き回しが容易になるように、第1の領域23を通る引き回し配線33cは、できるだけ引き回し配線33bから離れていることが望ましい。
そこで、セグメント接続用端子20と接続される検査用端子22に遠くなるように例えば図5では、右側から1番目及び2番目の検査用端子22に電気的に接続された引き回し配線33cが第1の領域23に引き回され、短辺側のコモン接続用端子21aに一定のカーブを描いて電気的に接続されている。尚、この場合の引き回し配線の接続は、一番短辺側に近い検査用端子22とコモン接続用端子21aのうち一番真ん中よりのものと電気的に接続する。そして、2番目の検査用端子22はその一つ上にあるコモン接続用端子21aに引き回し配線により電気的に接続させる。これにより、引き回し配線が検査用端子ごとで交差することがなく最も効率的に配線できる。
一方、それよりセグメント接続用端子20と電気的に接続される検査用端子22に近い図5中の右から3番及び4番目の検査用端子22に電気的に接続された引き回し配線33dは、第2の領域24に一定のカーブを描いて引き回されることによって、第1の領域に引き回す配線数を減らし、より精細な引き回しを可能としている。尚、この場合の引き回し配線の接続は、短辺側に近い3番目の検査用端子22とコモン接続用端子21bのうち一番真ん中よりのものと電気的に接続する。そして、4番目の検査用端子22はその一つ下にあるコモン接続用端子21bに引き回し配線により電気的に接続させる。これにより、引き回し配線が検査用端子ごとで交差することがなく最も効率的に配線できる。
また、第2の領域24に引き回される引き回し配線33dに電気的に接続される複数の検査用端子22は全て、第1の領域23に引き回される引き回し配線33cに電気的に接続される検査用端子22より、セグメント接続用端子20に電気的に接続された検査用端子22に近くなるように配置されていることとなる。
これにより、狭い領域でもより余裕を持って引き回し配線を引き回すことができる。すなわち、図5に示すように第1の領域に引き回すと、引き回し配線33bに近い引き回し配線となるものは第2の領域に引き回すこととできるので、より広い領域での引き回しが可能となり全体で精細な複数の検査用端子22とすることも可能である。
また、実装領域B内には、例えば図3に示すようにその回路基板3側の長辺周縁に回路基板3からの信号を液晶駆動用IC19に入力する入力接続用端子25が、複数図中X軸方向に略一直線上に、並べられている。
尚、上述の説明では模式的に説明するために引き回し配線33a、33b、33c、33dや検査用端子22の夫々の個数が極めて少なく記載し説明したが、勿論実際はもっと数が多い。
次に、回路基板3には図2に示すようにベース基材34の上に配線パターン35等が形成、実装されている。
ここで、ベース基材34は可撓性を有するフィルム状の部材であり、配線パターン35は例えば銅等から形成されていて、張り出し部16側の端に接続用端子(図示しない)
が形成されている。その接続用端子は外部接続用端子26に外部接続用ACF36を介して電気的に接続されている。
(液晶装置の製造方法及び検査方法)
次に、液晶装置1の製造方法及び検査方法を張り出し部16を中心に簡単に説明する。
図6は液晶装置の製造方法のフローチャート図、図7はプローブ端子を検査用端子に当接した状態の説明図及び図8は他の検査用のプローブ端子の説明図である。
まず、図6に示すように第1の基板5の上に(液晶側)セグメント電極8の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして図1、図2及び図3のようにY軸方向でストライプ状に、セグメント電極8を形成する。また、その上にオーバーコート層9を形成し、更にその上に配向膜10を形成し、ラビング処理を施して第1の基板側を形成する(ST101)。尚、このセグメント電極8を形成する際に張り出し部16のセグメント電極用配線17、コモン電極用配線18、セグメント接続用端子20、コモン接続用端子21、検査用端子22、入力接続用端子25、外部接続用端子26及び入力用配線27等を同様にスパッタリング法により生膜し、フォトリソグラフィ法等により形成してもよい。また、検査用端子22は図4のように張り出し部16の上にまず下地層としてタンタルによるTa層30を形成し、その上に検査用端子の本体としてクロムによるCr層31を積層し、更にその上をインジウムスズ酸化物によるITO層32で被覆して形成する。
次に第2の基板6の上に(液晶側)同様にしてコモン電極12を図1、図2及び図3のようにX軸方向にストライプ状に形成し、更にオーバーコート層13及び配向膜14を形成し第2の基板側を形成する(ST102)。
また、第2の基板6上にギャップ材37をドライ散布等により散布し、シール材4を介して第1の基板側と第2の基板側とを貼り合わせる。このとき、例えばシール材4中の導通部材(図示せず)を介してコモン電極12とコモン電極用配線18とが電気的に接続されることとなる。その後、スクライブ&ブレーク工程を経て分割された第1の基板5及び第2の基板6のシール材4の開口部から液晶7を注入し、シール材4の開口部を紫外線硬化性樹脂等の封止材によって封止する(ST103)。更に、偏光板11,15等を第1の基板5及び第2の基板6の各外面(液晶側と反対側)に貼着等の方法により取り付ける。
ここまでの工程により、セグメント電極8及びコモン電極12、セグメント電極用配線17、コモン電極用配線18、セグメント接続用端子20、コモン接続用端子21、検査用端子22等が形成されているので、例えばセグメント電極8及びコモン電極12等の点灯試験や断線及びショート検査等の電気的検査をすることができることとなる。以下の工程は実質上検査方法の工程となる。
まず、検査装置38の検査用のプローブ端子例えば検査用ピン39を張り出し部16上に制御部40の制御下、移動装置(図示しない)により移動させ、更に複数の検査用端子22に当接できるように検査用ピン39をアライメントマーク等を利用して正確に検査用端子22に位置合わせする(ST104)。
また、検査用ピン39が各検査用端子22に位置合わせできたら、例えば制御部40は検査用ピン39を検査用端子22に移動装置により降下させ図7に示すように当接させる(ST105)。
更に制御部40は、電圧印加部41により所定の電圧を検査用ピン39に印加する(ST106)。この際、例えば図7に示すように各検査用端子22に当接する検査用ピン39は、図中左端のE1の検査用ピン39とそれから3本の検査用ピン39を飛ばしてE5の検査用ピン39、同様にE9の検査用ピン39等が一つに纏められている。同様に左から2番目のE2の検査用ピン39は、E6等の検査用ピン39と一つに纏められており、3番目のE3の検査用ピン39は、E7等の検査用ピン39と一つに纏められている。同じように4番目のE4の検査用ピン39は、3本の検査用ピン39を飛ばしてE8の検査用ピン39等と一つに纏められている。
これにより、例えば少なくとも連続して隣り合う4つの検査用端子22同士のショート検査は可能であると共に通常はそれで十分であり、全検査用端子22を独立して検査する検査装置に比べ低コストに検査可能となる。勿論、4本ずつ纏めない全検査用端子22を独立して検査する検査装置としてもよいし、4本ではなく2本或は3本ずつ等纏めてもよい。
夫々一つに纏められた配線は図7に示すようにF1からF4として電圧印加部41に電気的に接続されている。ここで、F1とF2の間に所定の電圧が印加されるので、例えば検査用ピン39のE1とE2とに当接している検査用端子22間でセグメント電極8等がショートしていると、電流が流れ電圧印加部41はその情報を制御部40に伝える。制御部40はその情報等により電気的良否(この場合は、ショートの有無)を判定し(ST107)例えばランプ等(図示せず)に表示する。
以上で実質的に電気光学装置の電気的検査(検査方法の説明)は終了し、検査の結果正常な第1の基板及び第2の基板5,6に対し以下の工程により液晶装置1を完成させる。
具体的には、まずACF29を例えば図2に示すように張り出し部16のセグメント接続用端子20、コモン接続用端子21、入力接続用端子25等を覆うように配置し、その上にセグメント接続用端子20等に液晶駆動用IC19のバンプ28が対応するように液晶駆動用IC19を配置し、押圧して加熱する。これにより、バンプ28とセグメント接続用端子20等との間で単一方向の導電性を持たせ電気的に接続することができる。
更に、回路基板3に必要な電子部品を実装し、回路基板3の配線パターン35の一端に形成された接続用端子(図示せず)を例えば図2に示すように外部接続用ACF36を介して外部接続用端子26に電気的に接続させ、液晶パネル2に回路基板3を接続させる(ST108)。
最後に、その他の照明装置やケース体等を取り付けて電気光学装置である液晶装置1が完成する(ST109)。
尚、検査用のプローブ端子としては上述の検査用ピン39に限られるものではなく、例えば図8に示すようにフレキシブル基板等のフィルム42上に検査用端子22のピッチと同一のピッチに配線43を形成し、その上にプローブ端子であるプローブ端子バンプ44が形成されている。また、その一つの配線43及びプローブ端子バンプ44とその隣の配線43及びプローブ端子バンプ44との間には絶縁層45が形成された構造となっている。これを検査用端子22の上に図8に示すようにプローブ端子バンプ44を当接することによっても、電気的検査は可能である。特に、精細な検査用端子22の場合はフィルム42上にプローブ端子バンプ44を形成するほうが容易に低コストで製造できる。
このように本実施形態によれば、電子部品である液晶駆動用IC19の実装面に対応する第1の基板5上の領域内に、少なくともコモン接続用端子21に電気的に接続する配線を引き回すための第1及び第2の領域23,24を設け、その第1及び第2の領域の間に検査用端子22を並設し、更にその第1及び第2の領域23,24の少なくとも一方に引き回された配線により、少なくともコモン接続用端子21に電気的に接続することとしたので、検査用端子22の一方側だけではなく、検査用端子22を挟む両側のスペースを有効に利用して例えばコモン接続用端子21と電気的に接続するための配線を容易に引き回すことが可能となる。
具体的には、第2の領域24に引き回された配線33dによりコモン接続用端子21bに電気的に接続された検査用端子22が、第1の領域23に引き回された配線33cによりコモン接続用端子21aに電気的に接続された検査用端子22より、セグメント接続用端子20に電気的に接続された検査用端子22に近くなるように並設されているので、検査用端子22と例えばコモン接続用端子21とを電気的に接続するための配線の引き回しがより効率的にできることとなり、より精細な複数の検査用端子22を例えば横一直線上に並設することが容易となる。これによって、液晶装置1の電気的検査が低コストで容易にできるようになる。
また、液晶駆動用IC19の実装面に対応する領域内に検査用端子22を並設したので、検査用端子22を設けるスペースを特別に用意する必要もなくより小型化が図れると共に、電極に接続された配線に直接、検査用のプローブ端子、例えば検査用ピン39を当接することにより配線を傷つけることも無い。
更にプローブ端子の位置合わせやプローブ端子の製造そのものも容易となり、検査の容易化及びコストの低減化が可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る液晶装置の第2の実施形態について説明する。本実施形態においては、第1の実施形態が第1の領域に引き回された配線に電気的に接続された検査用端子と第2の領域に引き回された配線に電気的に接続された検査用端子とを夫々一つのグループとしてその配置する位置を定めたのに対し、検査用端子の一つ一つで夫々交互に配置する点が異なるので、その点を中心に説明する。尚、第1の実施形態の構成要素と共通する構成要素については、第1の実施形態の構成要素と同一の符号を付しその説明を省略する。
図9は本発明の第2の実施形態に係る液晶装置の液晶駆動用ICが実装される前の張り出し部の部分拡大図である。
(液晶装置の構成)
図9に示すように検査用端子22は、電気的に接続される引き回し配線が第1の領域23に引き回される引き回し配線33cに電気的に接続される検査用端子22と、第2の領域24に引き回される引き回し配線33dに電気的に接続される検査用端子22とが夫々一つずつ交互に並設されている。
具体的には、まず短辺側の図中上方に設けられたコモン接続用端子21aのうちで一番下側のコモン接続用端子21aから引き回された引き回し配線33cに電気的に接続された検査用端子22が図中で一番右端に配置され、次の検査用端子22はコモン接続用端子21bのうちで一番上側のコモン接続用端子21bから引き回された引き回し配線33dに電気的に接続された検査用端子22が配置されている。3番目の検査用端子22は、コモン接続用端子21aのうちで2番目に下側のコモン接続用端子21aから引き回された引き回し配線33cに電気的に接続された検査用端子22が配置され、4番目の検査用端子22は、コモン接続用端子21bのうちで2番目に上側のコモン接続用端子21bから引き回された引き回し配線33dに電気的に接続された検査用端子22が配置されている。以下同様に短辺側に設けられたコモン接続用端子21a、21bに電気的に接続する引き回し配線がすべて終了するまで繰り返されることとなる。その次の検査用端子22は、第1の実施形態と同様に引き回し配線33bに電気的に接続された検査用端子22、セグメント接続用端子20に電気的に接続された検査用端子22と順に並設されている。
(液晶装置の製造方法及び検査方法)
本実施形態に係る液晶装置の製造方法及び検査方法は、略第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
このように本実施形態によれば、検査用端子22は、第2の領域24に引き回された配線によりコモン接続用端子21bに電気的に接続された検査用端子22と、第1の領域23に引き回された配線によりコモン接続用端子21aに電気的に接続された検査用端子22とが交互に隣り合って並設されているので、検査用端子22に電気的に接続される配線が交互に第1の領域23と第2の領域24に引き回され、隣り合う検査用端子22に接続された配線が同じ領域に引き回されることがなく、配線のスペースを容易に確保することができ、より精細な検査用端子とすることが可能となる。また、引き回しの自由度が大きくなり例えば液晶駆動用IC19の実装領域内の短辺側にもコモン接続用端子21を設ける場合に、検査用端子22をその領域内に一直線上に並設することが可能となり、より容易に電気的検査ができると共に低コストで検査が可能となる。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る液晶装置の第3の実施形態について説明する。本実施形態においては、第1の実施形態の検査用端子が全て等ピッチで並設されているのに対し、コモン電極に接続された検査用端子とセグメント電極に接続された検査用端子とでピッチが異なるので、その点を中心に説明する。尚、第1の実施形態の構成要素と共通する構成要素については、第1の実施形態の構成要素と同一の符号を付しその説明を省略する。
図10は本発明の第3の実施形態に係る液晶装置の液晶駆動用ICが実装される前の張り出し部の部分拡大図である。
(液晶装置の構成)
図10に示すように検査用端子22は、セグメント接続用端子20に引き回し配線33aで電気的に接続された検査用端子22のピッチP2が、コモン接続用端子21a,21b,21cに引き回し配線33b,33c,33dで電気的に接続された検査用端子22のピッチP1の整数倍となるように並設されている。
具体的には、図10ではセグメント接続用端子20に引き回し配線33aで電気的に接続された検査用端子22の図10中で左端から2番目の検査用端子22のピッチP2が、コモン接続用端子21cに引き回し配線33bにより電気的に接続された検査用端子22で、図中で左端の検査用端子から5番目の検査用端子22のピッチP1の2倍となっていている。勿論、2倍に限られるわけではなく3倍でも4倍でも、コモン接続用端子21a,21b,21cに引き回し配線33b,33c,33dで電気的に接続された検査用端子22のピッチP1の整数倍であればよい。
(液晶装置の製造方法及び検査方法)
本実施形態に係る液晶装置の製造方法及び検査方法は、略第1の実施形態と同様であるが検査用端子のピッチがセグメント接続用端子20に引き回し配線により電気的に接続されている検査用端子のピッチとコモン接続用端子21に引き回し配線により電気的に接続されている検査用端子のピッチとが異なるので、検査用ピン39が検査用端子22に当接されるところを中心に説明する。
図11は第3の実施形態に係るプローブ端子を検査用端子に当接した状態の説明図である。
まず、検査装置38の検査用のプローブ端子例えば検査用ピン39を張り出し部16上に制御部40の制御下、移動装置(図示しない)により移動させ、更に検査用端子22に当接できるように検査用ピン39をアライメントマーク等を利用して正確に検査用端子22に位置合わせする(ST104)。例えばコモン接続用端子21に引き回し配線により電気的に接続されている検査用端子と位置合わせする。
また、検査用ピン39が各検査用端子22に位置合わせできたら、例えば制御部40は検査用ピン39を検査用端子22に移動装置により降下させ図11に示すように当接させる(ST105)。この際、図11に示すように検査用ピン39の等ピッチが、コモン接続用端子21に引き回し配線により電気的に接続されている検査用端子のピッチP1に合わせてあるので、全ての検査用端子22にいずれかの検査用ピン39が当接されることとなる。
このように本実施形態によれば、検査用端子22は、セグメント接続用端子20に引き回し配線により電気的に接続された検査用端子22のピッチP2が、コモン接続用端子21(21a,21b,21c)に電気的に接続された検査用端子22のピッチP1の整数倍となるように並設されているので、例えば検査用端子22に当接させる検査用のプローブ端子のピッチを、コモン接続用端子21aに電気的に接続された検査用端子22のピッチP1に合わせ等ピッチとしておけば、セグメント接続用端子20に引き回し配線により電気的に接続された検査用端子22にも確実にプローブ端子を当接させることができ、プローブ端子の製造がより容易となると共に共用化を図ることが可能となる。
(第4の実施形態)
次に、本発明に係る液晶装置の第4の実施形態について説明する。本実施形態においては、第1の実施形態の検査用端子が全て等ピッチで並設されているのに対し、コモン電極に電気的に接続された検査用端子とその隣のセグメント電極に電気的に接続された検査用端子との間にスペースがある点で異なるので、その点を中心に説明する。尚、第1の実施形態の構成要素と共通する構成要素については、第1の実施形態の構成要素と同一の符号を付しその説明を省略する。
図12は本発明の第4の実施形態に係る液晶装置の液晶駆動用ICが実装される前の張り出し部の部分拡大図である。
(液晶装置の構成)
図12に示すように検査用端子22は、セグメント接続用端子20に引き回し配線33aで電気的に接続された検査用端子22と、その隣の検査用端子でコモン接続用端子21cに引き回し配線33bで電気的に接続された検査用端子22との距離がコモン接続用端子21cに引き回し配線33bで電気的に接続された検査用端子22のピッチP1の整数倍となるように並設されている。
具体的には、図12ではセグメント接続用端子20に引き回し配線33aで電気的に接続された検査用端子22の図10中で左端から4番目の検査用端子22と、コモン接続用端子21cに引き回し配線33bにより電気的に接続された検査用端子22で図中の左端の検査用端子から5番目の検査用端子22との距離P3が、コモン接続用端子21cに引き回し配線33bにより電気的に接続された検査用端子22のピッチP1の3倍となるように並設されている。勿論、3倍に限られるわけではなく2倍でも4倍でも、コモン接続用端子21a,21b,21cに引き回し配線33b,33c,33dで電気的に接続された検査用端子22のピッチP1の整数倍であればよい。
(液晶装置の製造方法及び検査方法)
本実施形態に係る液晶装置の製造方法及び検査方法は、略第1の実施形態と同様であるがコモン電極に電気的に接続された検査用端子とその隣のセグメント電極に電気的に接続された検査用端子との間にスペースがある点で異なるので、検査用ピン39が検査用端子22に当接されるところを中心に説明する。
図13は第4の実施形態に係るプローブ端子を検査用端子に当接した状態の説明図である。
まず、検査装置38の検査用のプローブ端子例えば検査用ピン39を張り出し部16上に制御部40の制御下、移動装置(図示しない)により移動させ、更に検査用端子22に当接できるように検査用ピン39をアライメントマーク等を利用して正確に検査用端子22に位置合わせする(ST104)。例えばコモン接続用端子21に引き回し配線により電気的に接続されている検査用端子と位置合わせする。
また、検査用ピン39が各検査用端子22に位置合わせできたら、例えば制御部40は検査用ピン39を検査用端子22に移動装置により降下させ図13に示すように当接させる(ST105)。この際、図13に示すように距離P3がピッチP1の整数倍とされており検査用ピン39の等ピッチが、コモン接続用端子21に引き回し配線により電気的に接続されている検査用端子のピッチP1に合わせてあるので、全ての検査用端子22にいずれかの検査用ピン39が当接されることとなる。
このように本実施形態によれば、コモン接続用端子21に引き回し配線により電気的に接続された検査用端子22と、それに隣り合うセグメント接続用端子20に引き回し配線により電気的に接続された検査用端子22との距離P3が、例えばコモン接続用端子21cに引き回し配線により電気的に接続された検査用端子22のピッチP1の整数倍であるので、例えばセグメント接続用端子20に引き回し配線により電気的に接続された検査用端子22とコモン接続用端子21cに引き回し配線により電気的に接続された検査用端子22とが離れて設けられている場合も、検査用のプローブ端子を全ての検査用端子22に当接することができると共に、その検査用のプローブ端子の製造が容易となる。また、プローブ端子の共用化をより図ることが可能となる。
(第5の実施形態)
(電子機器)
次に、上述した液晶装置1を備えた本発明の第5の実施形態に係る電子機器について説明する。尚、第1の実施形態の構成要素と共通する構成要素については、第1の実施形態の構成要素と同一の符号を付しその説明を省略する。
図14は本発明の第5の実施形態に係る電子機器の表示制御系の全体構成を示す概略構成図である。
電子機器300は、表示制御系として例えば図14に示すように液晶パネル2及び表示制御回路390などを備え、その表示制御回路390は表示情報出力源391、表示情報処理回路392、電源回路393及びタイミングジェネレータ394などを有する。
また、液晶パネル2には表示領域Gを駆動する駆動回路361を有する。
表示情報出力源391は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などからなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスクなどからなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備えている。更に表示情報出力源391は、タイミングジェネレータ394によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの形で表示情報を表示情報処理回路392に供給するように構成されている。
また、表示情報処理回路392はシリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路などの周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路361へ供給する。駆動回路361は、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路393は、上述した各構成要素に夫々所定の電圧を供給する。
このように本実施形態によれば、電子機器300に用いられている液晶装置1は、第2の領域24に引き回された配線33dによりコモン接続用端子21bに電気的に接続された検査用端子22が、第1の領域23に引き回された配線33cによりコモン接続用端子21aに電気的に接続された検査用端子22より、セグメント接続用端子20に引き回し配線により電気的に接続された検査用端子22に近くなるように並設されているので、検査用端子22と例えばコモン接続用端子21(21a,21b,21c)とを電気的に接続するための配線の引き回しがより効率的にできることとなり、より精細な複数の検査用端子22を例えば横一直線上に並設することが容易となる。これによって、液晶装置1の電気的検査が低コストで容易にできるようになる。
特に携帯可能な電子機器にあっては、小型で且つ正確な機能を発揮できることが求められており、電極配線等の電気的検査を容易にかつ、低コストでできる本発明の意義は大きいといえる。
具体的な電子機器としては、携帯電話機やパーソナルコンピュータなどの他に液晶装置が搭載されたタッチパネル、プロジェクタ、液晶テレビやビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、上述した例えば液晶装置1が適用可能なのは言うまでもない。
なお、本発明の電気光学装置及び電子機器は、上述した例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上述した電気光学装置はいずれも液晶パネルを有する液晶装置であるが、無機或は有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出素子を用いた装置(Field Emission Display及びSurface‐Conduction Electron‐Emitter Display等)などの各種電気光学装置であってもよい。
以上、好ましい実施形態を上げて本発明を説明したが、本発明は上述したいずれの実施形態にも限定されず、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更して実施できる。
例えば、上述の実施形態ではパッシブマトリクス型の液晶装置について説明したがこれに限られるものではなく、例えば薄膜トランジスタ素子アクティブマトリクス型、薄膜ダイオード素子アクティブマトリクス型の液晶装置であってもよい。更には、半透過型に限らず反射型、透過型であってもよい。これにより、多種多様な液晶装置についても、電極配線等の電気的検査をより低コストでしかも容易に実施できる。
また、上述の実施形態では例えばとして張り出し部16に実装される液晶駆動用IC19の実装領域に設けられた検査用端子で説明したが、これに限られるものではなく例えば回路基板3に電子部品を実装するときについても同様に適用できる。更には電気光学装置に限らず半導体装置等にも適用可能である。これにより、より多様な電気光学装置や半導体装置等の電気的検査をより低コストでしかも容易に実施できることとなる。
1 液晶装置、 2 液晶パネル、 3 回路基板、 4 シール材、 5 第1の基板、 6 第2の基板、 7 液晶、 8 セグメント電極、 9,13 オーバーコート層、 10,14 配向膜、 11,15 偏光板、 12 コモン電極、 16 張り出し部、 17 セグメント電極用配線、 18 コモン電極用配線、 19 液晶駆動用IC、 20 セグメント接続用端子、 21 コモン接続用端子、 22 検査用端子、 23 第1の領域、 24 第2の領域、 25 入力接続用端子、 26 外部接続用端子、 27 入力用配線、 28 バンプ、 29 ACF、 30 Ta層、 31 Cr層、 32 ITO層、 33(33a,33b,33c,33d) 引き回し配線、 34 ベース基材、 35 配線パターン、 36 外部接続用ACF、 37 ギャップ材、 38 検査装置、 39 検査用ピン、 40 制御部、 41 電圧印加部、 42 フィルム、 43 配線、 44 プローブ端子バンプ、 45 絶縁層、 300 電子機器、 361 駆動回路、 390 表示制御回路