JP4607469B2 - ウレタン樹脂及びその粉体の製造方法 - Google Patents
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また、該ウレタン樹脂粉体を得る方法として、多量の有機溶剤や水を使用しない方法として、溶融ウレタン樹脂を圧縮性流体に接触させた後、得られた混合物を減圧膨張させウレタン樹脂粉体を得る方法が知られている。(例えば、特許文献2参照)
本発明の課題は、スラッシュ成形時の溶融性がよいウレタン樹脂、及びそのウレタン樹脂粉体を多量の有機溶剤や水を使用せずに製造し、かつ該粉体が粉体流動性に優れ、それ故に充分に外観の優れた成形体が得られるウレタン樹脂粉体の製造方法を見出すことである。
すなわち本発明は、2級アミノ基を2個有するか、又は2級アミノ基及び1級アミノ基を有するジアミン(a)を鎖伸長剤(a0)の構成成分として全鎖伸長剤(a0)重量に対して1〜100重量%含有してなり、ジアミン(a)がN−イソプロピル−1,2−プロピレンジアミン及び/又はN−イソプロピル−1,3−プロピレンジアミンであるウレタン樹脂(B)である。
また本発明は、前記ウレタン樹脂(B)を、該樹脂中の2級アミノ基とイソシアネート基からなるウレア結合を解離させる温度(以下、ウレア結合解離温度と略記する。)又はそれ以上の温度で溶融させるとともに、該樹脂中に圧縮性流体(D)を接触させた後、得られた混合物(E)を減圧膨張させることを特徴とするウレタン樹脂粉体の製造方法でもある。以下本発明について詳述する。
また、粉体の形状は球状であるために流動性が高く、スラッシュ成形等での成形性が良好であり、充分に外観の優れた成形体が得られる。
また、本発明の製造法によれば、多量の有機溶剤や水を使用せずに樹脂粉体を製造でき、粉体製造時に水を使用しないために造粒工程が簡略化できる。
1級アミノ基を2個有するジアミンとしては、例えば、
(1)脂肪族ジアミン(C2 〜C18):たとえば アルキレンジアミン〔エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンなど〕;
(2)芳香環含有脂肪族アミン(C8 〜C15)、たとえばキシリレンジアミン,テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど;
(3)脂環式ジアミン(C4 〜C15)、たとえば1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など;
(4)芳香族ジアミン(C6 〜C20):非置換芳香族ジアミン、たとえば1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミン、2,4´−および4,4´−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン[ポリフェニルポリメチレンポリアミン]、ジアミノジフェニルスルホン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジンなど;
(5)核置換アルキル基(たとえばメチル,エチル,n−およびi−プロピル,ブチルなどのC1〜C4アルキル基)を有する芳香族ジアミン、たとえば2,4−および2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,4´−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2
,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3´,5,5´−テトラメチルベンジジン、3,3´,5,5´−テトライソプロピルベンジジン、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラブチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタン、3
,5−ジイソプロピル−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジエチル−2,2´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、これらの異性体の種々の割合の混合物;
(6)核置換電子吸引基(たとえばCl,Br,I,Fなどのハロゲン;メトキシ,エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ジアミン、たとえばメチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチル−5,5´−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3´−ジクロロベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4´−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン;
(7)ポリアミドジアミン[たとえばジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り1モルを越えるモル数の)ジアミン類(上記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドジアミン];
(8)ポリエーテルジアミン[ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物];
(9)およびこれら(1)〜(8)の2種以上の混合物などが挙げられる。
該(a0)は、ジアミン(a)以外のジアミン(a1)、低分子ジオール(b3)を含んでいてもよい。(a1)としては、上記に例示した1級アミノ基を2個有するジアミン(a10)が挙げられる。
即ち、ジイソシアネート(b1)、高分子ジオール(b2)及び鎖伸長剤(a0)、必要により、停止剤(b4)からなるウレタン樹脂が好ましい。
上記ウレタン変性ジイソシアネート[過剰のポリイソシアネート(TDI、MDIなど)とジオールとを反応させて得られる遊離イソシアネート含有プレポリマー]の製造に用いるジオールとしては、当量が30〜200のジオールたとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコールおよびこれらのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド)付加物が挙げられる。
上記変性ポリイソシアネートおよびプレポリマーの遊離イソシアネート基含量は通常1〜30%のものである。
該ウレタン変性ポリイソシアネート[過剰のポリイソシアネート(TDI、MDIなど)とポリオールとを反応させて得られる遊離イソシアネート含有プレポリマー]の製造に用いるポリオールとしては、当量が30〜200のポリオールたとえばトリメチロールプロパン、グリセリンなどのトリオール;ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの高官能ポリオール;およびこれらのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド)付加物が挙げられる。上記変性ポリイソシアネートおよびプレポリマーの遊離イソシアネート基含量は通常1〜30%のものである。
上記(2)におけるアルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートが挙げられる。
上記(2)におけるジカルボン酸無水物としては、例えば、無水コハク酸及び無水フタル酸が挙げられる。
上記AOとしては、例えば、上に挙げたものが挙げられる。
なお、ここでいう数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、溶媒にはジメチルフォルムアミド(以下DMFと略記する)を用い、ポリスチレン等の分子量標準サンプルから得た検量線を基に算出できる。以下、数平均分子量は本方法で測定する。
該(b3)中に低分子ポリオール(3官能以上)が1重量%以下含有されていてもよい。低分子量ポリオール(3官能以上)は、例えば上記に記載したものである。
上記脂肪族モノアミンとしては、例えば、モノアルキルアミン[メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等];ジアルキルアミン[ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等];モノ−及びジ−アルカノールアミン[モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等]及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記低分子モノオールとしては、例えば、脂肪族アルコール[メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール等];脂肪芳香族アルコール[ベンジルアルコール等]が挙げられる。
これらのうち好ましいものは脂肪族アルコール及び脂肪族モノアミンであり、さらに好ましいものは1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ジプロピルアミン及びジブチルアミンである。
(1)過剰のジイソシアネート(b1)、高分子ジオール(b2)、及び必要により低分子ジオール(b3)とから誘導されるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(b)と、鎖伸長剤(a0)[ジアミン(a)及び必要により1級アミノ基を2個有するジアミン(a10)]及び必要により停止剤(b4)とを反応させる方法、
(2)過剰のジイソシアネート(b1)、高分子ジオール(b2)とから誘導されるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(b)と、鎖伸長剤であるジアミン(a)、必要により低分子ジオール(b3)、必要により停止剤(b4)とを反応させる方法、
(3)ジイソシアネート(b1)、高分子ジオール(b2)、ジアミン(a)、及び必要により低分子ジオール(b3)、必要により停止剤(b4)を一括して仕込み反応させる方法が挙げられる。
(1)上記方法で製造されたブロック状またはペレット状の(B)を冷凍粉砕法、氷結粉砕法等の方法で粉砕し、(B1)を得る方法。
(2)上記方法で製造された(B)を溶解しない有機溶剤(n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等)中で(B)の非水分散体を形成させ、該非水分散体から(B)を分離乾燥し、(B1)を得る方法(例えば特開平04−255755号公報明細書に記載の方法)。
(3)分散剤を含有した水中で上記方法で製造された(B)の水分散体を形成させ、該水分散体から(B)を分離乾燥し、(B1)を得る方法(例えば、特開平07−133423号及び特開平08−120041号各公報明細書に記載の方法等)。
(4)(B)を、ウレア結合解離温度又はそれ以上の温度で溶融させるとともに、該樹脂(B)中に圧縮性流体(D)を接触させた後、好ましくは該樹脂(B)中に圧縮性流体(D)を加え(B)と(D)を混合させた後、得られた混合物(E)を減圧膨張させ、ウレタン樹脂粉体を得ることを特徴とする方法。
これらのうちでは、多量の有機溶剤や水を使用せずしかも球状の粉体が容易に得られる点で(4)の方法が好ましい。
なお、(B)中にウレア結合解離温度が異なる2種以上のウレア結合が存在する場合、上記ウレア結合解離温度は一番低いウレア結合解離温度を指すものとする。
可塑剤としては、エステル系可塑剤[ジブチルフタレート,ジオクチルフタレート,ジオクチルアジペート,ポリエチレングリコール(分子量:200)ジアジペート等];タール系可塑剤[タール,アスファルトなど];石油樹脂系可塑剤が挙げられる。可塑剤の配合量は前記ウレタン樹脂(B)の質量に基づいて、通常80重量%以下、好ましくは40重量%以下である。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤[イルガノックス1010(チバガイギー社製)など],ヒンダードアミン系酸化防止剤[サノールLS770(チバガイギー社製)など];紫外線吸収剤としては、トリアゾール系紫外線吸収剤[チヌビン320(チバガイギー社製)など],ベンゾフェノン系紫外線吸収剤[サイアソーブUV9(サイアナミド社製)など]が挙げられる。
これらの安定剤の配合量は前記ウレタン樹脂(B)の質量に基づいて通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
ウレア結合解離温度は、DSC(示差走査熱量計)で測定し、吸熱ピークから決定する。測定には熱補償型のDSC(例えばRDC−220、セイコーインストロメンツ(株)製)を用い、−100℃〜180℃まで10℃/分で昇温して吸熱ピークを観察する。吸熱ピークはブロードとなるため、サンプル量を変えて吸熱終了温度を記録し、サンプル量を零に外挿して解離温度を算出する。
ウレタン樹脂(B)は、上記ウレア結合を解離させる温度範囲で、分子量が低下し、溶融粘度が低下する。(B)のウレア結合が解離したものの200℃におけるメルトインデックスは、好ましくは100〜1000g/10分であり、さらに好ましくは200〜800g/10分である。メルトインデックスの測定方法はJIS−K7210による。
(B)は溶融状態では粘度が低いために、粒子を形成する際、球状の粒子を生成する。ここで得られる球状の粒子とは、長径と短径の比が好ましくは1.0〜1.5、さらに好ましくは1.0〜1.2、最も好ましくは1.0〜1.1のものである。
得られる粒子の長径と短径の比が上記範囲であると、粉体の流動性が向上し、スラッシュ成形時の溶融性がよく、充分に外観の優れた成形体が得られる。
熱軟化温度はTMA(株式会社リガク製熱分析装置 THERMOFLEX TMA8140)を使用して針侵入法熱軟化点測定法で測定を行う。測定条件は荷重5g、昇温速度5℃/minで行う。(B)の熱軟化温度は好ましくは110℃以上200℃以下、更に好ましくは120℃以上180℃以下である。
前記ウレタン粒子の溶融性は例えば、メルトインデックスで評価される。
前記ウレタン粒子の200℃におけるメルトインデックス(荷重2.16Kg)は熱溶融開始時は100〜1000g/10分、好ましくは200〜800である。
熱溶融開始時のメルトインデックスが上記範囲内とすることで、加熱時に高い溶融性を確保できる。
ブロッキング防止剤としては例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、炭酸カルシウム等の無機微粒子ブロッキング防止剤やポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、セルロースパウダー等の有機微粒子ブロッキング防止剤があり、体積平均粒径は0.01〜10μmの範囲が好ましい。溶融した樹脂が減圧膨張され、粒子化される槽の中に該ブロッキング防止剤(G)を攪拌して浮遊させておく。
以下、製造例、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
なお実施例中での略記号の意味および評価試験方法は下記のとおりである。
(略記号)
PC:ポリカーボネートジオール[数平均分子量=1000、品名=ニッポランN−981、日本ポリウレタン工業(株)製]
PBA:ポリブチレンアジペート[数平均分子量=1000、品名=サンエスター4610、三洋化成工業(株)製]
PTMG:ポリオキシテトラメチレングリコール[数平均分子量=1000、品名=PTMG−1000、三洋化成工業(株)製]
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
IPDA:イソホロンジアミン
IPA(1):N−イソプロピル−1,2−プロピレンジアミン(2級アミノ基の窒素原子に結合したすべての炭素原子の数に対する、該炭素原子が3級及び4級炭素原子である割合:50%)
IPA(2):N−イソプロピル−1,3−プロピレンジアミン(2級アミノ基の窒素原子に結合したすべての炭素原子の数に対する、該炭素原子が3級及び4級炭素原子である割合:50%)
DBA:ジnブチルアミン
BD :1,4−ブタンジオール
4ッ口コルベンにPBA69.2部とIPDI24.6部を秤量し120℃で5時間反応しNCO含量3.7%のウレタンプレポリマーを得た。次いでトルエン80部イソプロピルアルコール20部を加え均一に溶解し50℃まで冷却した。その溶液に、あらかじめIPDA3.4部、IPA(1)2.3部、DBA0.5部をトルエン20部に溶解した溶液を攪拌下滴下し1時間反応した後、50℃7Torrで減圧してトルエンおよびイソプロピルアルコールを留去することにより、数平均分子量34,000、熱軟化温度137℃、ウレア結合解離温度134℃のウレタン樹脂(B−1)を得た。
PC76.1部、IPDI16.9部から、実施例1と同様にして、NCO含量3.7%のウレタンプレポリマーを得た。その後は実施例1と同様にして数平均分子量37,000、熱軟化温度138℃、ウレア結合解離温度135℃のウレタン樹脂(B−2)を得た。
PTMG67.2部、MDI26.9部からNCO含量3.6%のウレタンプレポリマーを得た。ついで、、IPA(1)2.3部の代わりにIPA(2)2.3部、DBA0.5部の代わりにDBA0.3部を用いる他は実施例1と同様にして数平均分子量50、000、熱軟化温度146℃、ウレア結合解離温度142℃のウレタン樹脂(B−3)を得た。
PBA69.2部、IPDI24.6部、からNCO含量3.7%のウレタンプレポリマーを得た。ついで、実施例1と同様にして溶媒を使用し、IPDA6.7部、DBA0.5部を反応することで、数平均分子量34,000、熱軟化温度171℃のウレタン樹脂(B’−1)を得た。
PTMG67.2部、MDI26.9部からNCO含量3.6%のウレタンプレポリマーを得た。ついで、実施例1と同様にして溶媒を使用し、BD3.5部、DBA0.5部を反応することで、数平均分子量35,000、熱軟化温度170℃のウレタン樹脂(B’−2)を得た。
樹脂評価方法
樹脂溶融性:メルトインデックス(MIと略記する):メルトインデクサー(テスター産業(株)社製自動メルトインデクサー)を使用して、温度200℃、2.16Kg荷重で測定する。
溶融性が良いもの(評価○):MI100g/10分以上
溶融性が悪いもの(評価×):MI100g/10分未満
撹拌装置及び測温装置を有し、槽内圧力30MPa、槽内温度290℃まで設定可能な樹脂溶解槽500mlを150℃まで昇温後、上記で得られたウレタン樹脂(B−1)50gを投入して溶融させた。次いで内径5mm30エレメントのスタティックミキサー中に溶融樹脂と液化二酸化炭素10gを昇圧ポンプを使用して注入して、スタティックミキサー内圧力を8.0MPaに設定した。スタティックミキサー先端部に装着した穴径0.5mmのノズルより二酸化炭素と樹脂の混合物を常圧、ブロッキング防止剤として乾式シリカ(アエロジル200日本アエロジル(株)製)が1vol%浮遊する20℃の雰囲気下に排出した。微粒子受器に放出された無色透明の体積平均粒径160μmの球状の樹脂粉体(Q−1)45gが得られた。粒子の長径/短径比は1.0であった。
実施例4と同様の方法により、上記で得られたウレタン樹脂(B−2)50gを微粒子化し、無色透明の球状の樹脂粉体(長径/短径比1.1、体積平均粒径150μm)(Q−2)44gが得られた。
実施例1と同様の方法により、上記で得られたウレタン樹脂(B−3)50gを微粒子化し、無色透明の球状の樹脂粉体(長径/短径比1.1、体積平均粒径160μm)(Q−3)45gが得られた。
樹脂溶解槽の温度を180℃とした以外は実施例4と同様の方法により、上記で得られたウレタン樹脂(B’−1)50gを微粒子化し、無色透明の不定形粒子(長径/短径比8、体積平均粒径300μm)(Q’−1)42gが得られた。
樹脂溶解槽の温度を180℃とした以外は実施例4と同様の方法により、上記で得られたウレタン樹脂(B’−2)50gを微粒子化し、無色透明の不定形粒子(長径/短径比5、体積平均粒径420μm)(Q’−2)45gが得られた。
樹脂評価方法
樹脂溶融性:上記に同じ。
・粉体流動性:パウダーテスター(ホソカワミクロン製)を使用し、スパチュラ角を測定する。
粉体流動性が良い物(評価○):45°以下
粉体流動性が悪い物(評価×):45°以上
・樹脂粉体の粒径:レーザー回析式粒径測定機マイクロトラック(日機装(株)製)を使用し、水を溶媒として測定する。
・スラッシュ成形時の溶融性:小型卓上型スラッシュ成形機(株式会社羽賀製)
を使用して金型表面温度230℃で2回転成形した後の成形シート表面のピンホールとシート裏面の鏡面/ざらつき面の面積比で評価する。
溶融性が良い物(評価○):成形シート表面にピンホールが見られず、シート裏面の鏡面部面積が80%以上。
溶融性が悪い物(評価×):成形シート表面にピンホールが見られるか、シート裏面の鏡面部面積が80%以下。
Claims (11)
- 2級アミノ基を2個有するか、又は2級アミノ基及び1級アミノ基を有するジアミン(a)を鎖伸長剤(a0)の構成成分として全鎖伸長剤(a0)重量に対して1〜100重量%含有してなり、ジアミン(a)がN−イソプロピル−1,2−プロピレンジアミン及び/又はN−イソプロピル−1,3−プロピレンジアミンであるウレタン樹脂(B)。
- 前記ウレタン樹脂(B)の熱軟化温度が、110℃以上200℃以下である請求項1記載のウレタン樹脂。
- 前記ウレタン樹脂(B)を、該樹脂中の2級アミノ基とイソシアネート基からなるウレア結合を解離させる温度又はそれ以上の温度で溶融させるとともに、該樹脂中に圧縮性流体(D)を接触させた後、得られた混合物(E)を減圧膨張させることを特徴とする請求項1又は2記載のウレタン樹脂の粉体の製造方法。
- 前記ウレタン樹脂(B)を、該樹脂中の2級アミノ基とイソシアネート基からなるウレア結合を解離させる温度又はそれ以上の温度で溶融させるとともに、該樹脂(B)中に圧縮性流体(D)を加え(B)と(D)を混合させた後、得られた混合物(E)を減圧膨張させることを特徴とする請求項3記載のウレタン樹脂の粉体の製造方法。
- 上記ウレア結合を解離させる温度が、示差走査熱量計で測定し、吸熱ピークから決定されるものである請求項3又は4記載のウレタン樹脂の粉体の製造方法。
- 前記ウレタン樹脂(B)中に前記圧縮性流体(D)を接触させる工程において、静止型混合機を使用し(B)と(D)を混合することを特徴とする請求項3〜5いずれか記載のウレタン樹脂の粉体の製造方法。
- 前記混合物(E)を減圧膨張させ、前記ウレタン樹脂(B)自体の温度をその熱軟化温度以下に冷却することを特徴とする請求項3〜6いずれか記載のウレタン樹脂の粉体の製造方法。
- 前記混合物(E)をブロッキング防止剤(G)の存在する雰囲気下に減圧膨張させることを特徴とする請求項3〜7いずれか記載のウレタン樹脂の粉体の製造方法。
- 前記圧縮性流体(D)が二酸化炭素である請求項3〜8いずれか記載のウレタン樹脂の粉体の製造方法。
- 前記二酸化炭素が超臨界状態である請求項9記載のウレタン樹脂の粉体の製造方法。
- 前記ウレタン樹脂(B)の粉体の長径と短径の比が1.0〜1.5である請求項3〜10いずれか記載のウレタン樹脂の粉体の製造方法。
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