JP6948282B2 - 複合粒子及び複合粒子を含んでなる分散液の製造方法 - Google Patents
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Description
上記の問題を改良するものとして、粒子表面に高分子を付着させて硬化することで、マイクロカプセル型にする方法が利用されるが、吸着させるための官能基等によって、粒子の分散状態の低下が発生する。そこで、不純物遠心分離及びフィルターろ過で複数回精製する等の精製方法が提案されているが(例えば特許文献1参照)、顔料表面に多量の官能基が付与されており、粒子の分散状態は十分とは言えなかった。
粒子(B)が、その投影形状のうち少なくとも一方向からの投影形状が繊維状の投影像又は針状の投影像である粒子であり、
被覆物質(A)がワックス、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びポリエーテル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
被覆物質(A)が融点又は軟化点を有し、(A)が融点を有するときには融点以下の温度で、(A)が軟化点のみを有するときには軟化点以下の温度で混合物(X)を体積膨張させることを特徴とする複合粒子の製造方法である。
粒子(B)が、その投影形状のうち少なくとも一方向からの投影形状が繊維状の投影像又は針状の投影像である粒子であり、
被覆物質(A)が融点又は軟化点を有し、(A)が融点を有するときには融点以下の温度で、(A)が軟化点のみを有するときには軟化点以下の温度で混合物(X)を体積膨張させることを特徴とする複合粒子の製造方法である。
(A)が融点だけを有する場合及び(A)が融点と軟化点の両方を有する場合には融点以上の温度で(A)が流動性を示し、(A)が軟化点だけを有する場合には軟化点以上で(A)が流動性を示すが、融点又は軟化点以上の温度で(A)と圧縮性流体(F)と混合したり、溶剤を少量添加することにより、混合物(X)中での(A)は、(A)の融点又は軟化点以下の温度でも流動性を示す。(A)が流動性を示す温度で混合物(X)を体積膨張させると、圧縮性流体(F)の気化とともに(A)が粒子(B)の表面に移動して連続層を形成することで(B)の表面を被覆することできる。
<被覆物質(A)の融点>
本発明における被覆物質(A)の融点は、示差走査熱量計[セイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580]を用いて、−20℃から昇温速度20℃/分で200℃まで、昇温したときの吸熱ピーク[℃]を測定して、求めたものである。
<被覆物質(A)の軟化点>
また、本発明の被覆物質(A)の軟化点は降下式フローテスター{例えば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて測定され、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)である。
ここで結晶性材料における「結晶性」とは示差走査熱量測定(DSC)において、極大を有する吸熱ピークを有することを指す。一方、非晶性材料における「非晶性」とは、結晶性の特徴をしめさないもののことである。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン及びこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるもの及び熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素及び/又はオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸、無水マレイン酸及びそのエステル化物(マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル及びマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸等]及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル及びマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、及びサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えば脂肪酸エステルワックス(カルナバワックス及びライスワックス等)、パラフィンワックス及び炭素数28の長鎖脂肪酸(モンタンワックスともいう)等が挙げられる。
炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸エステルとしては、例えばステアリン酸ステアリルが挙げられる。
結晶性ポリウレタン樹脂としては、アルコール(ジオール)成分とイソシアネート(ジイソシアネート)成分とから合成されるポリウレタン樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアルコール(3価以上のポリオール)成分やイソシアネート(3価以上のポリイソシアネート)成分を用いてもよい。
結晶性ポリアミド樹脂としては、アミン(ジアミン)成分と酸(ジカルボン酸)成分とから合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアミン(3価以上のポリアミン)成分や酸(3価以上のポリカルボン酸)成分を用いてもよい。
結晶性ポリウレア樹脂としては、アミン(ジアミン)成分とイソシアネート(ジイソシアネート)成分とから合成されるポリウレア樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアミン(3価以上のポリアミン)成分やイソシアネート(3価以上のポリイソシアネート)成分を用いてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂としては、重縮合ポリエステル樹脂以外に、ラクトン開環重合物及びポリヒドロキシカルボン酸も同様に好ましい。
結晶性ポリカーボネート樹脂としては、ジオール成分とホスゲンやジメチルカーボネートとから合成されるポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
(1)ジオール成分
ジオール成分としては、炭素数が2〜36の範囲である脂肪族ジオールが好ましい。具体的には、直鎖型脂肪族ジオール等である。
脂肪族ジオールが直鎖型である場合は、ポリエステル樹脂の結晶性及び融点が十分であるため、例えば、本発明の製造方法で得られる複合粒子をインクジェット用インク及び電子写真印刷用トナーに適用した場合、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び低温定着性が良好となる。
直鎖型脂肪族ジオールの含有量が80モル%以上では、ポリエステル樹脂の結晶性が向上するため、小粒子化が容易になる。
これらのうち、入手容易性を考慮するとエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
カルボキシル基を有するジオールとしては、ジアルキロールアルカン酸[炭素数6〜24のもの、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等]が挙げられる。
スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオールとしては、スルファミン酸ジオール[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基が炭素数1〜6)又はそのAO付加物(AOとしてはEO又はPO等、AOの付加モル数1〜6):例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物等];ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェート等が挙げられる。
これらのヒドロキシル基以外の官能基を有するジオールの塩としては、該官能基と、例えば前記炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミン等)及び/又はアルカリ金属(ナトリウム等)との塩が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、及びこれらの併用である。
3価以上のポリオールとして、3〜8価又はそれ以上の価数のポリオール等が挙げられる。3〜8価又はそれ以上の価数のポリオールとしては、炭素数3〜36の3〜8価又はそれ以上の価数の多価脂肪族アルコール(アルカンポリオール及びその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、及びポリグリセリン;糖類及びそのエステル化物、例えばショ糖、及びメチルグルコシド);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)のAO付加物(付加モル数2〜30);アクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマーの共重合物等];等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、3〜8価又はそれ以上の価数の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物であり、更に好ましいものはノボラック樹脂のAO付加物である。
ジカルボン酸成分としては、種々のジカルボン酸が挙げられるが、脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸が好ましく、脂肪族ジカルボン酸は直鎖型のカルボン酸がより好ましい。3価以上のポリカルボン酸成分としては、3〜6価又はそれ以上の価数のポリカルボン酸等が挙げられる。
なお、ジカルボン酸又は3〜6価又はそれ以上の価数のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
これらジカルボン酸の中では、脂肪族ジカルボン酸(特に直鎖型のカルボン酸)を単独で用いるのが特に好ましいが、脂肪族ジカルボン酸と共に芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、及び、これらの低級アルキルエステル類が好ましい)を共重合したものも同様に好ましい。芳香族ジカルボン酸の共重合量としては20モル%以下が好ましい。
ジカルボン酸成分としては、主には上記のカルボン酸等が挙げられるが、この限りではない。これらのうち、結晶性や入手容易性を考慮すると、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、及びイソフタル酸が好ましい。
ジイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ジイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート及びこれらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。また、必要により、3価以上のポリイソシアネートを併用してもよい。
上記炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート及び3価以上の脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
上記炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
上記炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)が挙げられる。
また、上記ジイソシアネート及び3価以上のポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等が挙げられる。
具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI等のジイソシアネートの変性物及びこれらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで炭素数6〜15の芳香族ジイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ジイソシアネート、及び炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネートが好ましい。例えば、TDI、MDI、HDI、水添MDI及びIPDIである。
ジアミン及び3価以上のポリアミンとして、炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類及び3価以上の脂肪族ポリアミン類、炭素数6〜20の芳香族ジアミン類及び3価以上の芳香族ポリアミン類等が挙げられる。
上記脂肪族ジアミン類及び3価以上の脂肪族ポリアミン類(炭素数2〜18)としては、〔1〕脂肪族ジアミン及び3価以上の脂肪族ポリアミン{炭素数2〜6のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、ポリアルキレン(炭素数2〜6)ジアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等〕};〔2〕これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体〔ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等〕;〔3〕脂環又は複素環含有脂肪族ジアミン及び3価以上の脂環又は複素環含有脂肪族ポリアミン{脂環式ジアミン(炭素数4〜15)〔1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等〕、複素環式ジアミン(炭素数4〜15)〔ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等〕;〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(炭素数8〜15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン等)等が挙げられる。
開始剤として、グリコールを用いると、末端にヒドロキシル基を有するラクトン開環重合物が得られる。このようなラクトン開環重合物は、例えば、上記ラクトン類とエチレングリコール、ジエチレングリコール等の前記ジオール成分を触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。触媒としては、有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ハロゲン化スズ化合物等が一般的であり、反応溶液中に0.1〜5000ppm程度の割合で添加して、100〜230℃で、好ましくは不活性雰囲気下に重合させることによって、ラクトン開環重合物を得ることができる。ラクトン開環重合物は、その末端を例えばカルボキシル基になるように変性したものであってもよい。ラクトン開環重合物は、結晶性の高い熱可塑性脂肪族ポリエステル樹脂である。ラクトン開環重合物は、市販品を用いてもよく、例えば、ダイセル株式会社製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7(いずれも、融点=約60℃、Tg=約−60℃の高結晶性ポリカプロラクトン)が挙げられる。
開始剤として、グリコールを用いると、末端にヒドロキシル基を有するポリヒドロキシカルボン酸骨格が得られる。このような末端にヒドロキシル基を有するポリヒドロキシカルボン酸骨格を有する化合物は、例えば、上記環状エステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール等の前記ジオール成分を触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。触媒としては、有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ハロゲン化スズ化合物等が一般的であり、反応溶液中に0.1〜5000ppm程度の割合で添加して、100〜230℃で、好ましくは不活性雰囲気下に重合させることによって、ポリヒドロキシカルボン酸を得ることができる。ポリヒドロキシカルボン酸は、その末端を例えばカルボキシル基になるように変性したものであってもよい。
結晶性ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法としては特に限定されず、公知の方法で製造される。
例えば、キラル体のAOを、公知のAOの重合で使用される触媒で開環重合させる方法(例えば、Journal of the American Chemical Society、1956年、第78巻、第18号、p.4787−4792 に記載)や、安価なラセミ体のAOを立体的に嵩高い特殊な化学構造の錯体を触媒として用いて、開環重合させる方法が知られている。
特殊な錯体を用いる方法としては、ランタノイド錯体と有機アルミニウムを接触させた化合物を触媒として用いる方法(例えば、特開平11−12353号公報に記載)やバイメタルμ−オキソアルコキサイドとヒドロキシル化合物をあらかじめ反応させる方法(例えば、特表2001−521957号公報に記載)等が知られている。
また、非常にアイソタクティシティの高いポリオキシアルキレンポリオールを得る方法として、サレン錯体を触媒として用いる方法(例えば、Journal of the American Chemical Society、2005年、第127巻、第33号、p.11566−11567 に記載)が知られている。
上記グリコールとしては、前記ジオール成分等が、カルボキシ変性するのに用いるカルボン酸としては、前記ジカルボン酸成分等が挙げられる。
これらのAOは、単独で、又は、2種類以上を使用することができる。
測定試料約30mgを直径5mmの13C−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加えて溶解させ、分析用試料とする。ここで重水素化溶媒は、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
アイソタクティシティ(%)=[I/(I+S+H)]×100 (1)
但し、式中、Iはアイソタクチック信号の積分値;Sはシンジオタクチック信号の積分値;Hはヘテロタクチック信号の積分値である。
結晶性ビニル樹脂としては、ビニルモノマー(m)として、アルキル基の炭素数が12〜50(好ましくは16〜30)の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(m1)を含有するものが更に好ましい。
上記アルキル基の炭素数が12〜50の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(m1)としては、各アルキル基がいずれも直鎖状の、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、及びベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本発明において、アルキル(メタ)アクリレートとは、アルキルアクリレート及び/又はアルキルメタアクリレートを意味し、以下同様の記載法を用いる。
また、非晶性ポリウレタン樹脂としては、アルコール(ジオール)成分とイソシアネート(ジイソシアネート)成分とから合成されるポリウレタン樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアルコール(3価以上のポリオール)成分やイソシアネート(3価以上のポリイソシアネート)成分を用いてもよい。
非晶性ポリウレア樹脂としては、アミン(ジアミン)成分とイソシアネート(ジイソシアネート)成分とから合成されるポリウレア樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアミン(3価以上のポリアミン)成分やイソシアネート(3価以上のポリイソシアネート)成分を用いてもよい。
非晶性ポリアミド樹脂としては、アミン(ジアミン)成分と酸(ジカルボン酸)成分とから合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアミン(3価以上のポリアミン)成分や酸(3価以上のポリカルボン酸)成分を用いてもよい。
非晶性ポリエーテル樹脂としては、アルコール(ジオール)成分にAOを付加して得られるポリオキシアルキレンポリオール等が挙げられる。
これら非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリウレタン樹脂、非晶性ポリアミド樹脂、非晶性ポリウレア樹脂、及び非晶性ポリエーテル樹脂に用いられるモノマーは、前記ジオール成分、前記3価以上のポリオール成分、前記ジカルボン酸成分、前記3価以上のポリカルボン酸成分、前記ジイソシアネート成分、前記3価以上のポリイソシアネート成分、前記ジアミン成分、前記3価以上のポリアミン成分及び前記AOが具体例として挙げられ、非晶性樹脂となるものであれば、いかなる組合せでも構わない。
(1)ビニル炭化水素:
(1−1)脂肪族ビニル炭化水素:
アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
(1−2)脂環式ビニル炭化水素:
モノ−もしくはジ−シクロアルケン及びアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、例えばピネン、リモネン等。
(1−3)芳香族ビニル炭化水素:
スチレン及びそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン等;インデン及びビニルナフタレン。
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物及びそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマー;及びこれらの金属塩。
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸;及びその炭素数2〜24のアルキル化物、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル、及び下記一般式(1−1)〜(1−3)で示される硫酸エステルもしくはスルホン酸基含有モノマー;ならびそれらの塩等。
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸;及びこれらの塩。
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー:
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、これらの塩等。
(6−2)アミド基含有ビニルモノマー:
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチルN−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等。
(6−3)ニトリル基含有ビニルモノマー:
(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等。
(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー:
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)。
(6−5)ニトロ基含有ビニルモノマー:
ニトロスチレン等。
グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等。
(9−1)ビニルエステル、例えば、酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜11のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールEO10モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等。
(9−2)ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン等。
(9−3)ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン。
(9−4)ビニルスルホン、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルフォン、ジビニルスルフォン、ジビニルスルフォキサイド等。
(10−1)イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
(10−2)ジメチルシロキサン基を有するモノマー:
メタクリル変性シリコーンが好ましく、次式に表す構造を持つものが挙げられる。
(CH3)3SiO((CH3)2SiO)aSi(CH3)2R(但しaは、平均値で15〜45であり、Rはメタクリル基を含む有機変性基である。)
Rの例としては、C3H6OCOC(CH3)=CH2が挙げられる。
テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)等のパーフルオロオレフィン;パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PFAVE)、パーフルオロ(1,3−ジオキソール)、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)(PFDD)、パーフルオロ−(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)(MMD)、パーフルオロブテニルビニルエーテル(PFBVE)等のパーフルオロビニルエーテル;ビニリデンフルオライド(VdF)、トリフルオロエチレン、1,2−ジフルオロエチレン、フッ化ビニル、トリフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン、パーフルオロ(ブチル)エチレン(PFBE)等の水素原子含有フルオロオレフィン;1,1−ジヒドロパーフルオロオクチルアクリレート(DPFOA)、1,1−ジヒドロパーフルオロオクチルメタクリレート(DPFOMA)、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート(PFOEA)、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート(PFOEMA)、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート(PFHEMA)、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート(PFBEMA)等のポリフルオロアルキル(メタ)アクリレート;α−フルオロスチレン、β−フルオロスチレン、α,β−ジフルオロスチレン、β,β−ジフルオロスチレン、α,β,β−トリフルオロスチレン、α−トリフルオロメチルスチレン、2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)スチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−α−メチルスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−β−メチルスチレン等のフルオロスチレン等が挙げられる。
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/5であり、更に好ましくは1.5/1〜1/4であり、特に好ましくは1.3/1〜1/3である。
カルボキシル基の含有量を前記の好ましい範囲内とするために、水酸基が過剰なポリエステルをポリカルボン酸で処理してもよい。
カルボキシル基を有するジオールとしては、ジアルキロールアルカン酸[炭素数6〜24のもの、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等]等が挙げられる。
スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオールとしては、スルファミン酸ジオール[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基の炭素数1〜6)又はそのAO付加物(AOとしてはEO又はPO等、AOの付加モル数1〜6):例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物等];ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェート等が挙げられる。
これらのヒドロキシル基以外の官能基を有するジオールの塩としては、該官能基と、例えば前記炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミン等)及び/又はアルカリ金属(ナトリウム等)との塩が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、及びこれらの併用である。
これらのうち好ましいものは、3〜8価又はそれ以上の価数の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物であり、ノボラック樹脂のAO付加物が更に好ましい。
3〜6価又はそれ以上の価数のポリカルボン酸(14)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)等が挙げられる。
なお、ジカルボン酸(13)又は3〜6価又はそれ以上の価数のポリカルボン酸(14)としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
金属塩とする方法としては、例えば、COOH基を有するポリエステルと該当する金属の水酸化物とを反応することにより得られる。
ポリウレタン樹脂中のカルボキシル基の含有量は、0.1〜10重量%が好ましい。
上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族ポリイソシアネートである。
上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)である。
また、上記ポリイソシアネートの変性物には、例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性である。
具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI等のポリイソシアネートの変性物及びこれらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート、及び炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートである。具体的には、TDI、MDI、HDI、水添MDI及びIPDIである。
複素環式ポリアミン(炭素数4〜15):ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等、
芳香族ポリアミン類(炭素数6〜20):〔1〕非置換芳香族ポリアミン1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンジアミン、2,4´−又は4,4´−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミン、ナフチレンジアミン等;〔2〕核置換アルキル基(メチル、エチル、n−又はi−プロピル、ブチル等の炭素数1〜4アルキル基)を有する芳香族ポリアミン、例えば2,4−又は2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,4´−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3´,5,5´−テトラメチルベンジジン、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジエチル−2,2´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルスルホン等、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物;〔3〕核置換電子吸引基(Cl、Br、I、F等のハロゲン;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族ポリアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチル−5,5´−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3´−ジクロロベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフィド、4,4´−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等〕;〔4〕2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン〔上記〔1〕〜〔3〕の芳香族ポリアミンの−NH2の一部又は全部が−NH−R´(R´はアルキル基例えばメチル,エチル等の低級アルキル基)で置き換ったもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等〕、ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン等、ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等が挙げられる。
本発明に用いるポリエポキシド(19)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有していれば、特に限定されない。ポリエポキシド(19)として好ましいものは、硬化物の機械的性質の観点から分子中にエポキシ基を2〜6個有するものである。ポリエポキシド(19)のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、65〜1000であることが好ましく、更に好ましいのは90〜500である。エポキシ当量が1000を超えると、架橋構造がルーズになり硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等の物性が悪くなり、一方、エポキシ当量が65未満のものを合成するのは困難である。
粒子(B)は、なかでもその投影形状のうち少なくとも一方向からの投影形状におけるアスペクト比が3以上であることが好ましい。なお、アスペクト比とは粒子の投影像において、最大フェレー径の直交するフェレー径に対する最大フェレー径の比を意味し、フェレー径とは投影された粒子の像を2本の平行線で挟んだ場合の間隔を意味し、そのうちの最大値を最大フェレー径とする。
粒子の投影像とそこから得るフェレー径は、JISZ28827−1 粒子径解析−画像解析法−第1部:静的画像解析法に記載された方法に準じて電子顕微鏡又は光学顕微鏡を用いて粒子像を観察し、その画像を用いて測定することができる。
粒子(B)の最大フェレー径の直交するフェレー径は3μm以下が好ましく、3μm以下であると本製造方法でえられる複合粒子の分散性向上の効果が堅調になり好ましい。
粒子(B)のアスペクト比は、10以上であることが更に好ましい。3以上であると各種用途で複合粒子を使用する際、機能発現に必要な量を少なくすることができ好ましい。アスペクト比は、特に好ましくは10以上10000以下であり、とりわけ好ましくは20以上5000以下であり、最も好ましくは50以上1000以下である。
なお、前記の粒子(B)のうち、繊維状とは投影形状におけるアスペクト比3以上であり、最大フェレー径の直交するフェレー径が3μm以下の形状を意味する。
また、前記で例示した粒子(B)のうち、高分子結晶粒子、液晶ポリマー粒子及び有機単結晶粒子は針状の結晶を形成するため、その結晶粒子の投影形状は針状である。
本発明において、圧縮性流体(F)は、メタン、エチレン、代替フロン等でもよいが、安全性や取り扱いの容易さ等の点から、好ましくは二酸化炭素であり、更に好ましくは液体二酸化炭素、亜臨界二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素である。
本発明において、液体二酸化炭素とは、二酸化炭素の温度軸と圧力軸とで表す相図上において、二酸化炭素の三重点(温度=−57℃、圧力0.5MPa)と二酸化炭素の臨界点(温度=31℃、圧力=7.4MPa)を通る気液境界線、臨界温度の等温線、及び固液境界線に囲まれた部分の温度・圧力条件である二酸化炭素を表し、超臨界二酸化炭素とは、臨界温度以上の温度・圧力条件である二酸化炭素を表す(ただし、圧力は、2成分以上の混合ガスの場合、全圧を表す)。
複合粒子(C)に含まれる被覆物質(A)の含有量は、複合粒子径形成及び合一防止の観点から、複合粒子(C)の重量に基づいて好ましくは3重量%〜97重量%、より好ましくは3重量%〜70重量%、特に好ましくは3重量%〜50重量%である。
被覆物質(A)の溶解パラメーターと分散剤(D)の溶解パラメーターとの差の絶対値(ΔSP)は混合物(X)中での被覆物質(A)の分散安定性の観点から好ましくは3.5(cal/cm3)1/2以下であり、更に好ましくは、3(cal/cm3)1/2以下であり、特に好ましくは2.5(cal/cm3)1/2以下である。
SP=(ΔH/V)1/2
なかでも、好ましい分散剤として市場から入手可能な分散剤としては、ステアリルアミン、オレイルアミン、ビックケミー社製分散剤(ANTI−TERRA−U、DISPERBYK−101,103、106、110、161、162、164、166、167、168,170、174、182、184及び2020等)、味の素ファインテクノ社製分散剤(アジスパーPB711、PB821、PB814、PN411及びPA111等)及びLubrizol社製分散剤(ソルスパーズ5000、12000、32000、33000及び39000等)等が挙げられる。これらの分散剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
条件1
V<U<T0
T0:被覆物質(A)の融点(Tm)又は軟化点(Tn)
U:混合物(X)を体積膨張させる直前の混合物(X)の温度
V:混合物(X)を体積膨張させた直後の複合粒子の温度であり、U−50℃以下
条件2
V<T1<U<T0
T0:被覆物質(A)の融点
U:混合物(X)を体積膨張させる直前の混合物(X)の温度
T1:混合物(X)を示差走査熱量計で測定した際の、被覆物質(A)由来の吸熱ピーク温度〔T0−50℃から昇温速度1℃/分でT0+50℃まで昇温して吸熱変化を測定したときの吸熱ピーク温度〕
V:混合物(X)を体積膨張させた直後の複合粒子の温度であり、U−50℃以下
<混合物(X)のT1>
混合物(X)を、示差走査熱量計(例えば、リガク社製高圧DSC)を用いて被覆物質(A)の融点(Tm)(T0)を基準に±50℃の測定範囲について、一定圧力(体積膨張させる直前の圧力)下、昇温速度1℃/分で混合物(X)を昇温して測定した際の、被覆物質(A)由来の吸熱ピーク温度をT1とした。
条件3
V+10<T1
複合粒子(C)のメジアン径は複合粒子(C)の粒子径をレーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)によって測定して得られる体積平均径の累積分布図において累積50%となる粒子径である。なお、粗大粒子量も同じ装置を用いて測定できる。なお、複合粒子の粗大粒子とは粒子(B)の(メジアン径×3)μm以上の複合粒子のことであり、粗大粒子量とは、複合粒子(C)の体積の合計量に基づく、粒子(B)の(メジアン径×3)μm以上の複合粒子の量(体積%)である。
ラインブレンド方法に用いる装置の出口には、耐圧容器と同様の、組成物取り出し用のノズルを備えているのが好ましい。
ラインブレンドを行う温度は、前記の耐圧容器を用いて混合する場合と同様である。また、装置内の滞留時間は、混合が充分行われるのであれば特に限定されないが、0.1〜1800秒が好ましい。
ラインブレンド後の組成物を大気圧まで減圧膨張させ、圧縮性流体(F)を気化させて除くことで、被覆物質(A)と粒子(B)を含む複合粒子が得られる。
また、混合物(X)に溶媒(S)を添加した場合であっても、上記の減圧膨張による圧縮流体(F)の気化時、あるいは気化後に減圧して、溶剤(S)も気化させて除去した場合は、分散液ではない複合粒子そのものを得ることができる。
この際、用いることができる溶媒としては、ケトン溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びメチルアミルケトン等)、エステル溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル、乳酸エステル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、アルコール溶剤(メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソプロピルアルコール、sec−ブチルアルコール及びt-ブチルアルコール等)、芳香族炭化水素溶剤(トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン及びキシレン等)、脂肪族炭化水素溶剤(ヘキサン及びシクロヘキサン等)、水及びこれらの混合物等が挙げられる。
分離の方法は特に限定されず、公知の分離方法等が挙げられる。
また、本発明の分散液を含んでなるインクジェット用インクは、顔料分散液を用いた公知のインクジェット用インクの製造方法(特開2011−132386号公報に記載のインク組成物の製造方法、及び、特許第5580158号に記載のインクジェット印刷インク用組成物の製造方法等)において、顔料分散液に代えて、本発明の製造方法で得られる複合粒子を含んでなる分散液を用いることで製造できる。
また、本発明の複合粒子及び複合粒子を含んでなる分散液を使用した電子写真印刷用トナーは、顔料分散液を用いた公知の電子写真印刷用トナーの製造方法(特許第3966844号に記載の静電荷像現像用トナー製造方法等)において、顔料分散液に代えて、本発明の製造方法で得られる複合粒子を含んでなる分散液を用いることで製造できる。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物420重量部、ビスフェノールA・EO2モル付加物320重量部、テレフタル酸275重量部、および縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)4重量部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却後、無水トリメリット酸42重量部を入れ1時間撹拌後、取り出し非晶性ポリエステル樹脂(A−3)を得た。[被覆物質(A−3)]の軟化点は100℃、酸価は24mgKOH/g、重量平均分子量は6200、SP値は11.5(cal/cm3)1/2)であった。重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定、以下Mwと略記する。GPCの測定条件を、以下に示す。以降の製造例についても同様に測定した。
(GPC測定条件)
装置(一例) :東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例):TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 :100μL
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLY STYRENE)12点(分子量 500、1050、2800、9100、18100、37900、96400、190000、355000、1090000、2890000)
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール16重量部、セバシン酸16重量部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.05重量部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで225℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下に反応させ、重量平均分子量が6000になった時点で取り出し被覆物質である結晶性ポリエステル樹脂(A−5)を得た。[被覆物質(A−5)]の融点は65℃であり、酸価は2mgKOH/gであり、SP値は10(cal/cm3)1/2)であった。
2重量%TEMPO酸化セルロースナノファイバー水分散液[第一工業製薬(株)製、レオクリスタ I−2SP、走査型電子顕微鏡による拡大観察で得られた投影形状は繊維状である]10000部にpH1になるまで塩酸(5モル/L)を添加し、遠心分離機[コクサン(株)製、H−9R、]を用いて、18,000rpm×10分間、20℃の条件で遠心分離し、上澄みを除去した。
次に、9800部の酢酸エチルを加え、超音波[シャープ(株)製、UT−305HS、38kHz、出力300W]を用いて10分間処理することで再分散させた。
その後、再分散液を、上記の遠心分離と同様の操作で遠心分離し、上澄みを除去した。
次に、19756部の酢酸エチルを加え、上記の超音波処理と同様の操作で超音波処理をして再分散させ、TEMPO酸化セルロースナノファイバー(B−1)の酢酸エチル分散液(B−1’)を得た。
セルロースナノファイバー(B−1)の酢酸エチル分散液(B−1’)の固形分濃度は、1重量%であった。
被覆物質(A−5)100重量部と粒子(B−3)としてC.I.ピグメントイエロー185(BASF社製D1155、走査型電子顕微鏡による拡大観察で得られた投影形状は塊状であり繊維状でも針状でもない)100重量部を2軸混練機で80℃3時間混練し、[樹脂組成物(E−1)]を作成した。
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置〔ラインブレンド装置としては、スタティックミキサーM1(ノリタケカンパニーリミテド製;内径3.4mm、エレメント数27)を使用した〕において、まず溶解槽(タンク)Ta1に被覆物質(A−1)としてパラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9)(T0(融点):75℃、SP値9.0)100重量部と、製造例3で製造したセルロースナノファイバー(B−1)の酢酸エチル分散液(B−1’)10000重量部とを仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度70℃まで昇温し、混合及び減圧トッピングをおこない、600重量部の混合物(Y−1)を作成した。ボンベB1、ポンプP2より二酸化炭素を0.4L/hの流量で導入し、バルブV1を調整し、8MPaとした。次いで、溶解槽(タンク)Ta1、ポンプP1より混合物(Y−1)を0.35L/hの流量で導入し、8MPa、70℃(U)を維持しながら、M1でラインブレンドされた混合物(X−2)(T1:65℃)をノズルから分散液受け槽Ta2内(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去後減圧して、粒子(B−1)が被覆物質(A−1)に被覆された−5℃(V)の複合粒子(C−1)を得た。
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置〔ラインブレンド装置としては、スタティックミキサーM1(ノリタケカンパニーリミテド製;内径3.4mm、エレメント数27)を使用した〕において、まず溶解槽(タンク)Ta1に[被覆物質(A−2)]結晶性ポリカーボネート樹脂(三菱化学(株)製 NL3000B(T0(融点):65℃、酸価0.1mgKOH/g、SP値9.4(cal/cm3)1/2)100重量部と、製造例3で製造したセルロースナノファイバー(B−1)の酢酸エチル分散液(B−1’)10000重量部とを仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度70℃まで昇温し、混合及び減圧トッピングをおこない、600重量部の混合物(Y−2)を作成した。ボンベB1、ポンプP2より二酸化炭素を0.4L/hの流量で導入し、バルブV1を調整し、8MPaとした。次いで、溶解槽(タンク)Ta1、ポンプP1より混合物(Y−2)を0.4L/hの流量で導入し、8MPa、60℃(U)を維持しながら、M1でラインブレンドされた混合物(X−2)(T1:55℃)をノズルから分散液受け槽Ta2内(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去後減圧して、粒子(B−1)が被覆物質(A−2)に被覆された−5℃(V)の複合粒子(C−2)を得た。
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置〔ラインブレンド装置としては、スタティックミキサーM1(ノリタケカンパニーリミテド製;内径3.4mm、エレメント数27)を使用した〕において、まず溶解槽(タンク)Ta1に被覆物質(A−3)として製造例1で作成した非晶性ポリエステル樹脂(軟化点:100℃)100重量部と、製造例3で製造したセルロースナノファイバー(B−1)の酢酸エチル分散液(B−1’)10000重量部とを仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度75℃まで昇温し、混合及び減圧トッピングをおこない、210重量部の混合物(Y−3)を作成した。ボンベB1、ポンプP2より二酸化炭素を0.4L/hの流量で導入し、バルブV1を調整し、8MPaとした。次いで、溶解槽(タンク)Ta1、ポンプP1より混合物(Y−3)を0.15L/hの流量で導入し、8MPa、75℃(U)を維持しながら、M1でラインブレンドされた混合物(X−3)をノズルから分散液受け槽Ta2内(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素及び酢酸エチルを気化させ除去して、粒子(B−1)が被覆物質(A−3)に被覆された−5℃(V)の複合粒子(C−3)を得た。
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置〔ラインブレンド装置としては、スタティックミキサーM1(ノリタケカンパニーリミテド製;内径3.4mm、エレメント数27)を使用した〕において、まず溶解槽(タンク)Ta1に被覆物質(A−4)として結晶性ポリエーテル(三洋化成工業社製PEG−10000)(T0(融点):73℃、SP値9.4)100重量部と、製造例3で製造したセルロースナノファイバー(B−1)の酢酸エチル分散液(B−1’)10000重量部とを仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度75℃まで昇温し、混合及び減圧トッピングをおこない、600重量部の混合物(Y−4)を作成した。ボンベB1、ポンプP2より二酸化炭素を0.4L/hの流量で導入し、バルブV1を調整し、8MPaとした。次いで、溶解槽(タンク)Ta1、ポンプP1より混合物(Y−4)を0.4L/hの流量で導入し、8MPa、65℃(U)を維持しながら、M1でラインブレンドされた混合物(X−4)(T1:60℃)をノズルから分散液受け槽Ta2内(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、粒子(B−1)が被覆物質(A−4)に被覆された−5℃(V)の複合粒子(C−4)を得た。
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置〔ラインブレンド装置としては、スタティックミキサーM1(ノリタケカンパニーリミテド製;内径3.4mm、エレメント数27)を使用した〕において、まず溶解槽(タンク)Ta1に製造例2で作成した結晶性ポリエステル(A−5)(T0(融点):65℃)100重量部と、粒子(B−2)として有機変性モンモリロナイト(ホージュン社製、エスベン、厚さ約5nmの鱗片状粒子、走査型電子顕微鏡による拡大観察で得られた投影形状において針状の投影形状を有する)95重量部と、分散剤(D−1)としてステアリルアミン(SP値8.6(cal/cm3)1/2)5重量部と酢酸エチル400重量部を仕込み密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度80℃まで昇温し、600重量部の混合物(Y−5)を作成した。ボンベB1、ポンプP2より二酸化炭素を0.4L/hの流量で導入し、バルブV1を調整し、8MPaとした。次いで、溶解槽(タンク)Ta1、ポンプP1より混合物(Y−5)を0.4L/hの流量で導入し、8MPa、60℃(U)を維持しながら、M1でラインブレンドされた混合物(X−5)(T1:55℃)をノズルから分散液受け槽Ta2内(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、粒子(B−5)が被覆物質(A−5)に被覆された−5℃(V)の複合粒子(C−5)を得た。
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置〔ラインブレンド装置としては、スタティックミキサーM1(ノリタケカンパニーリミテド製;内径3.4mm、エレメント数27)を使用した〕において、まず溶解槽(タンク)Ta1に[被覆物質(A−2)]結晶性ポリカーボネート樹脂(三菱化学(株)製 NL3000B(T0(融点):65℃、酸価0.1mgKOH/g、SP値9.4(cal/cm3)1/2)100重量部と、製造例3で製造したセルロースナノファイバー(B−1)の酢酸エチル分散液(B−1’)10000重量部とを仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度70℃まで昇温し、混合及び減圧トッピングをおこない、600重量部の混合物(Y−2)を作成した。ボンベB1、ポンプP2より二酸化炭素を0.4L/hの流量で導入し、バルブV1を調整し、6MPaとした。次いで、溶解槽(タンク)Ta1、ポンプP1より混合物(Y−2)を0.6L/hの流量で導入し、6MPa、70℃(U)を維持しながら、M1でラインブレンドされた混合物(X−2)(T1:60℃)をノズルから分散液受け槽Ta2内(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去後減圧して、粒子(B−1)が被覆物質(A−2)に被覆された45℃(V)の複合粒子(C’−1)を得た。
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置〔ラインブレンド装置としては、スタティックミキサーM1(ノリタケカンパニーリミテド製;内径3.4mm、エレメント数27)を使用した〕において、まず溶解槽(タンク)Ta1に製造例4で作成した樹脂[E−1]200重量部と酢酸エチル10重量部を仕込み密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度85℃まで昇温し、210重量部の混合物(Y−6)を作成した。ボンベB1、ポンプP2より二酸化炭素を0.4L/hの流量で導入し、バルブV1を調整し、8MPaとした。次いで、溶解槽(タンク)Ta1、ポンプP1より混合物(Y−6)を0.5L/hの流量で導入し、8MPa、80℃(U)を維持しながら、M1でラインブレンドされた混合物(X−6)をノズルから分散液受け槽Ta2内(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、粒子(B−3)が被覆物質(A−5)に被覆された35℃(V)の複合粒子(C’−2)を得た。
本発明における被覆物質(A)の融点は、示差走査熱量計[セイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580]を用いて、−20℃から、昇温速度20℃/分で200℃まで昇温したときの吸熱ピーク[℃]を測定した。
被覆物質(A)の軟化点は、降下式フローテスター[(株)島津製作所製、CFT−500D]を用いて、以下の条件で測定した。
1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)である。
混合物(X)を、示差走査熱量計(例えば、リガク社製高圧DSC)を用いて被覆物質(A)の融点又は軟化点(T0)を基準に±50℃の測定範囲について、一定圧力(体積膨張させる直前の圧力)下、昇温速度1℃/分で混合物(X)を昇温して測定した際の、被覆物質(A)由来の吸熱ピーク温度をT1とした。
実施例1〜5で得られた複合粒子(C−1)〜(C−5)及び比較例1〜2で得られた(C’−1)〜(C’−2)について、各複合粒子(C)5部を、イソプロピルアルコール95部中に分散させた本発明の分散液(L−1)〜(L−5)及び比較用の分散液(L’−1)〜(L’−2)を得た。
分散液(L−1)〜(L−5)及び比較用の分散液(L’−1)〜(L’−2)を測定試料に用いて、複合粒子のメジアン径及び粗大粒子量を、レーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)によって測定した。
分散液(L−1)〜(L−5)及び比較用の分散液(L’−1)〜(L’−2)をそれぞれ製造直後から10℃で1時間静置した後、各分散液中の複合粒子のメジアン径及び粗大粒子径を測定した。次いで、10℃で24時間静置し、静置後の各分散液中の複合粒子のメジアン径及び粗大粒子量を測定した。また、下記の方法で(1)複合粒子のメジアン径の変化率、(2)粗大粒子の増加量(10℃)、及び(3)粗大粒子の増加量(25℃)を算出した。
(1)複合粒子のメジアン径の変化率は以下の通りの計算で求める。
計算式1 メジアン径の変化率(%)=(測定値B)/(測定値A)×100−100
測定値A:分散液の製造から1時間後の分散液中の複合粒子のメジアン径
測定値B:10℃、24時間静置した分散液中の複合粒子のメジアン径
メジアン径の変化率としては、50%以下が良好であり、25%以下が更に良好であり、10%以下が最も良好である。変化率が50%を超えると不良である。この場合、分散液中で、複合粒子(C)の凝集が過剰に発生していた。
(2)複合粒子の粗大粒子量の増加率(10℃)は以下の通りの計算で求める。
計算式2 粗大粒子量の増加率(体積%)=(測定値D)−(測定値C)
測定値C:分散液の製造から1時間後の分散液中の複合粒子の粗大粒子量(体積%)
測定値D:10℃、24時間静置した分散液中の複合粒子の粗大粒子量(体積%)
なお、複合粒子の粗大粒子とは粒子(B)の(メジアン径×3)μm以上の複合粒子のことであり、粗大粒子量とは、粒子(B)の(メジアン径×3)μm以上の複合粒子の量(体積%)である。
粗大粒子増加量が10体積%以下であると、保管中における分散液が安定であり、粗大粒子増加量が10体積%を超えると、分散液が不安定であることを表す。
分散液(L−1)〜(L−5)及び比較用の分散液(L’−1)〜(L’−2)をそれぞれ製造直後から10℃で1時間静置した後、各分散液中の複合粒子のメジアン径及び粗大粒子径を測定した。次いで、10℃で24時間静置し、静置後の各分散液中の複合粒子の粗大粒子量を測定した。また、下記の方法で(3)粗大粒子の増加量を算出した。
(3)複合粒子の粗大粒子量の増加率(25℃)は以下の通りの計算で求める。
計算式3 粗大粒子量の増加率(体積%)=(測定値E)−(測定値C)
測定値C:分散液の製造から1時間後の分散液中の複合粒子の粗大粒子量(体積%)
測定値E:25℃、24時間静置した分散液中の複合粒子の粗大粒子量(体積%)
なお、複合粒子の粗大粒子とは粒子(B)の(メジアン径×3)μm以上の複合粒子のことであり、粗大粒子量とは、粒子(B)の(メジアン径×3)μm以上の複合粒子の量(体積%)である。
粗大粒子増加量が10体積%以下であると、保管中における分散液が安定であり、粗大粒子増加量が10体積%を超えると、分散液が不安定であることを表す。
Ta2:耐圧受け槽
B1:二酸化炭素ボンベ
P1:溶液ポンプ
P2:二酸化炭素ポンプ
M1:スタティックミキサー(反応用耐圧容器)
V1:バルブ
Claims (6)
- 被覆物質(A)と粒子(B)と圧縮性流体(F)とを含む混合物(X)を体積膨張させる工程を含む、粒子(B)が被覆物質(A)で被覆された複合粒子の製造方法であって、
粒子(B)が、その投影形状のうち少なくとも一方向からの投影形状が繊維状の投影像又は針状の投影像である粒子であり、
被覆物質(A)がワックス、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びポリエーテル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
被覆物質(A)が融点又は軟化点を有し、(A)が融点を有するときには融点以下の温度で、(A)が軟化点のみを有するときには軟化点以下の温度で混合物(X)を体積膨張させることを特徴とする複合粒子の製造方法。 - 以下の条件1を満たす請求項1に記載の複合粒子の製造方法。
条件1
V<U<T0
T0:被覆物質(A)の融点(Tm)又は軟化点(Tn)
U:混合物(X)を体積膨張させる直前の混合物(X)の温度
V:混合物(X)を体積膨張させた直後の複合粒子の温度であり、U−50℃以下 - 圧縮性流体(F)が超臨界二酸化炭素、亜臨界二酸化炭素又は液体二酸化炭素である請求項1又は2に記載の複合粒子の製造方法。
- 混合物(X)が溶媒(S)を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の複合粒子の製造方法。
- 更に分散剤(D)を含んでなる複合粒子の製造方法であって、混合物(X)が更に分散剤(D)を含有し、被覆物質(A)の溶解パラメーターと分散剤(D)の溶解パラメーターとの差の絶対値(ΔSP)が3.5(cal/cm3)1/2以下である請求項1〜4のいずれかに記載の複合粒子の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法で得られた複合粒子を含んでなる分散液の製造方法。
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