JP2016130306A - 樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

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JP2016130306A JP2015253076A JP2015253076A JP2016130306A JP 2016130306 A JP2016130306 A JP 2016130306A JP 2015253076 A JP2015253076 A JP 2015253076A JP 2015253076 A JP2015253076 A JP 2015253076A JP 2016130306 A JP2016130306 A JP 2016130306A
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金子 尚史
Hisafumi Kaneko
尚史 金子
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Abstract

【課題】樹脂粒子を析出させる工程で凝集が起こらず、分散性に優れた樹脂粒子の製造方法の提供。
【解決手段】分散質(A)と圧縮性流体とを有する温度(U)の混合物を温度(V)にする工程を含む製造方法。温度(U)[℃]:(A)が融点(Tm)のみを有する場合は、[{(Tm)−15}〜(Tm)未満]、軟化点(Tn)のみを有する場合は、[{(Tn)−15}〜(Tn)未満]。(A)が融点及び軟化点を有する場合は、[{(これらのいずれか高い方の温度)−10}〜(これらのいずれか高い方の温度未満)]。温度(V)[℃]:(A)が融点(Tm)のみを有する場合は、[{(Tm)−100}〜{(Tm)−20]]、)が軟化点(Tn)のみを有する場合は、[{(Tn)−100}〜{(Tn)−20}]、融点及び軟化点を有する場合は、[{(これらのいずれか高い方の温度)−100}〜{(これらのいずれか高い方の温度)−20]。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂粒子の製造方法及び樹脂粒子を含んでなる分散体に関する。
塗料、インキ、化粧品、食品、医薬品その他の各種の製造工程において、固体粒子等の材料を微細化し、この微粒子を水、有機溶剤等の分散溶剤に分散させて分散液体を作製する工程が含まれているが、従来の方法、装置では固体粒子等の微粒子を溶剤に分散するために長い時間と多くの動力を必要とした。
また、上述のような方法を改良するものとして、分散質と溶剤を混合した混合物を超臨界容器に供給し超臨界状態とした後、超臨界状態の混合物を大気中に解放し、衝突部に衝突させることにより分散質を溶剤中に微粒子化して分散する方法や(例えば特許文献1参照)、晶析により分散質を微粒子化する方法として、分散質が溶解した超臨界流体をノズルより噴出させて分散質を析出させる超臨界急速膨張法、又は分散質を溶解した溶液を、超臨界流体中にノズルより噴出、或いは超臨界流体を、溶質を溶解した溶液中にノズルより噴出させ、溶質を析出させる超臨界貧溶剤法等も提案されているが(例えば特許文献2参照)、分散質の溶剤への分散性が不十分であるという問題があった。
特開平10−192670号公報 特開2006−181553号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、樹脂粒子を析出させる工程で凝集が起こらず、分散性に優れた樹脂粒子の製造方法を提供する。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、以下のことを見出した。すなわち、本発明は、分散質(A)と圧縮性流体(F)とを含有する下記温度(U)[℃]の混合物(X)を下記温度(V)[℃]にする工程を含む分散質(A)を含む樹脂粒子(B)の製造方法である。
温度(U)[℃]:(A)が融点(Tm)のみを有する場合は、[{(Tm)−15}〜(Tm)未満]。(A)が軟化点(Tn)のみを有する場合は、[{(Tn)−15}〜(Tn)未満]。(A)が融点及び軟化点を有する場合は、[{(これらのいずれか高い方の温度)−10}〜(これらのいずれか高い方の温度未満)]。単位は℃。
温度(V)[℃]:(A)が融点(Tm)のみを有する場合は、[{(Tm)−100}〜{(Tm)−20]]。(A)が軟化点(Tn)のみを有する場合は、[{(Tn)−100}〜{(Tn)−20}]。(A)が融点及び軟化点を有する場合は、[{(これらのいずれか高い方の温度)−100}〜{(これらのいずれか高い方の温度)−20]。単位は℃。
本発明の製造方法により得られた樹脂粒子は、樹脂粒子を析出させる工程で凝集が起こらず、樹脂粒子を分散溶剤中に分散した場合は、微細に分散され、かつ分散体中に粗大粒子が少なく分散安定性に優れている、という効果を奏する。
本発明における、ラインブレンドによる混合方法での表面改質された樹脂粒子(B)の作成に用いる実験装置のフローチャートである。
本発明の樹脂粒子(B)の製造方法は、分散質(A)と圧縮性流体(F)とを含有する下記温度(U)の混合物(X)を下記温度(V)にする工程を含む樹脂粒子の製造方法である。
本発明における(A)としては、ワックス、結晶性樹脂及び非晶性樹脂等が挙げられる。これらのうち、微粒子化の観点から、好ましくはワックス及び結晶性樹脂である。(A)は、2種類以上を併用しても良い。
ワックスとしては、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸、炭素数30〜50の脂肪酸エステル及びこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン及びこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるもの及び熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素及び/又はオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸及びその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル及びマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸等]及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル及びマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、及びサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス及びライスワックス等が挙げられる。
炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸エステルとしては、例えばステアリン酸ステアリルが挙げられる。
本発明に用いる分散質(A)は、融点又は軟化点を有することが好ましい。分散性の観点から分散質(A)の融点又は軟化点は好ましくは30〜120℃であり、より好ましくは40〜110℃であり、更に好ましくは50℃〜100℃であり、特に好ましくは55℃〜90℃であり、最も好ましくは60〜80℃である。
本発明における分散質(A)の融点は、分散質(A)が結晶性材料である場合に用い、示差走査熱量測定(以下、DSCと記載する)における吸熱ピークより求めたものである。
本発明の樹脂粒子(B)の製造方法における軟化点は、分散質(A)が非晶質材料である場合に用い、降下式フローテスターを用いて測定され、求めたものである。
本発明の樹脂粒子(B)の製造方法において、非晶質とは、以下の結晶の特徴をしめさないもののことであり、以下に結晶性の定義をする。「結晶性」とは示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指し、かつそのピーク温度と軟化温度との絶対温度比(軟化温度/吸熱ピーク温度)が0.93〜1.07であることを示す。
また、本発明の分散質(A)の軟化点は降下式フローテスター{例えば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて測定され、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点とする。
結晶性樹脂としては、特に組成は限定されないが、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びビニル樹脂等の結晶性樹脂並びにそれらの複合樹脂等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、アルコール(ジオール)成分と酸(ジカルボン酸)成分とから合成される重縮合ポリエステル樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアルコール(3価以上のポリオール)成分や酸(3価以上のポリカルボン酸)成分を用いてもよい。
ポリウレタン樹脂としては、アルコール(ジオール)成分とイソシアネート(ジイソシアネート)成分とから合成されるポリウレタン樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアルコール(3価以上のポリオール)成分やイソシアネート(3価以上のポリイソシアネート)成分を用いてもよい。
ポリアミド樹脂としては、アミン(ジアミン)成分と酸(ジカルボン酸)成分とから合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアミン(3価以上のポリアミン)成分や酸(3価以上のポリカルボン酸)成分を用いてもよい。
ポリウレア樹脂としては、アミン(ジアミン)成分とイソシアネート(ジイソシアネート)成分とから合成されるポリウレア樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアミン(3価以上のポリアミン)成分やイソシアネート(3価以上のポリイソシアネート)成分を用いてもよい。
ポリエステル樹脂としては、重縮合ポリエステル樹脂以外に、ラクトン開環重合物及びポリヒドロキシカルボン酸も同様に好ましい。
ポリカーボネート樹脂としては、ジオール成分とホスゲンやジメチルカーボネートとから合成されるポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
結晶性重縮合ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリウレア樹脂に用いられる(1)ジオール成分、(2)3価以上のポリオール成分、(3)ジカルボン酸成分及び3価以上のポリカルボン酸成分、(4)ジイソシアネート成分、(5)ジアミン成分及び3価以上のポリアミン成分について説明する。
(1)ジオール成分
ジオール成分としては、炭素数が2〜36の範囲である脂肪族ジオールが好ましい。具体的には、直鎖型脂肪族ジオール等である。
脂肪族ジオールが分岐型では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下するため、例えば、得られる分散体(L)の耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び、低温定着性が悪化してしまう場合がある。また、炭素数が36を超えると、実用上の材料の入手が困難な場合がある。
ジオール成分は、直鎖型脂肪族ジオールの含有量が使用ジオール成分の好ましくは80モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上である。必要に応じてその他の成分が含まれてもよい。
直鎖型脂肪族ジオールの含有量が80モル%以上では、ポリエステル樹脂の結晶性が向上するため、小粒子化が容易になる。
直鎖型脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール及び1,20−エイコサンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらのうち、入手容易性を考慮するとエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール及び1,10−デカンジオールが好ましい。
その他必要に応じて使用されるジオールとしては、炭素数2〜36の上記以外の脂肪族ジオール(1,2−プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数4〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記する)〔エチレンオキサイド(以下EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下BOと略記する)等〕付加物(付加モル数1〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30);ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオール等);及びポリブタジエンジオール等が挙げられる。
更にその他必要に応じて使用されるジオールとしては、上記のヒドロキシル基以外の官能基を有しないジオール以外に、他の官能基を有するジオールを用いてもよい。ヒドロキシル基以外の官能基を有するジオールとしては、カルボキシル基を有するジオール、スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオール、及びこれらの塩等が挙げられる。
カルボキシル基を有するジオールとしては、ジアルキロールアルカン酸[炭素数6〜24のもの、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等]が挙げられる。
スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオールとしては、スルファミン酸ジオール[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基が炭素数1〜6)又はそのAO付加物(AOとしてはEO又はPO等、AOの付加モル数1〜6):例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物等];ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェート等が挙げられる。
これらのヒドロキシル基以外の官能基を有するジオールの塩としては、該官能基と、例えば前記炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミン等)及び/又はアルカリ金属(ナトリウム等)との塩が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、及びこれらの併用である。
(2)3価以上のポリオール
3価以上のポリオールとして、3〜8価又はそれ以上の価数のポリオール等が挙げられる。3〜8価又はそれ以上の価数のポリオールとしては、炭素数3〜36の3〜8価又はそれ以上の価数の多価脂肪族アルコール(アルカンポリオール及びその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、及びポリグリセリン;糖類及びその誘導体、例えばショ糖、及びメチルグルコシド);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)のAO付加物(付加モル数2〜30);アクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマーの共重合物等];等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、3〜8価又はそれ以上の価数の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物であり、更に好ましいものはノボラック樹脂のAO付加物である。
(3)ジカルボン酸及び3価以上のポリカルボン酸成分
ジカルボン酸成分としては、種々のジカルボン酸が挙げられるが、脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸が好ましく、脂肪族ジカルボン酸は直鎖型のカルボン酸がより好ましい。3価以上のポリカルボン酸成分としては、3〜6価又はそれ以上の価数のポリカルボン酸等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸等);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔ダイマー酸(2量化リノール酸)等〕、炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等)等が挙げられる。
なお、ジカルボン酸又は3〜6価又はそれ以上の価数のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
これらジカルボン酸の中では、脂肪族ジカルボン酸(特に直鎖型のカルボン酸)を単独で用いるのが特に好ましいが、脂肪族ジカルボン酸と共に芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、及び、これらの低級アルキルエステル類が好ましい)を共重合したものも同様に好ましい。芳香族ジカルボン酸の共重合量としては20モル%以下が好ましい。
ジカルボン酸成分としては、主には上記のカルボン酸等が挙げられるが、この限りではない。これらのうち、結晶性や入手容易性を考慮すると、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、及びイソフタル酸が好ましい。
(4)ジイソシアネート及び3価以上のポリイソシアネート成分
ジイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ジイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート及びこれらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。また、必要により、3価以上のポリイソシアネートを併用してもよい。
上記炭素数6〜20の芳香族ジイソシアネート及び3価以上の芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
上記炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート及び3価以上の脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
上記炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
上記炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)が挙げられる。
また、上記ジイソシアネート及び3価以上のポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等が挙げられる。
具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI等のジイソシアネートの変性物及びこれらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで炭素数6〜15の芳香族ジイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ジイソシアネート、及び炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネートが好ましい。例えば、TDI、MDI、HDI、水添MDI及びIPDIである。
(5)ジアミン及び3価以上のポリアミン成分
ジアミン及び3価以上のポリアミンとして、炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類及び3価以上の脂肪族ポリアミン類、炭素数6〜20の芳香族ジアミン類及び3価以上の芳香族ポリアミン類等が挙げられる。
上記脂肪族ジアミン類及び3価以上の脂肪族ポリアミン類(炭素数2〜18)としては、〔1〕脂肪族ジアミン及び3価以上の脂肪族ポリアミン{炭素数2〜6のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、ポリアルキレン(炭素数2〜6)ジアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等〕};〔2〕これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体〔ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等〕;〔3〕脂環又は複素環含有脂肪族ジアミン及び3価以上の脂環又は複素環含有脂肪族ポリアミン{脂環式ジアミン(炭素数4〜15)〔1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等〕、複素環式ジアミン(炭素数4〜15)〔ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等〕;〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(炭素数8〜15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン等)等が挙げられる。
芳香族ジアミン類及び3価以上の芳香族ポリアミン類(炭素数6〜20)としては、〔1〕非置換芳香族ジアミン及び3価以上の非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンジアミン、2,4´−又は4,4´−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミン、ナフチレンジアミン等〕;〔2〕核置換アルキル基(メチル、エチル、n−又はi−プロピル、ブチル等の炭素数1〜4アルキル基)を有する芳香族ジアミン及び3価以上の芳香族ポリアミン、例えば2,4−又は2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,4´−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3´,5,5´−テトラメチルベンジジン、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジエチル−2,2´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルスルホン等、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物;〔3〕核置換電子吸引基(Cl,Br,I,F等のハロゲン;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族ジアミン及び3価以上の芳香族ポリアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチル−5,5´−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3´−ジクロロベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフィド、4,4´−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等〕;〔4〕2級アミノ基を有する芳香族ジアミン及び3価以上の芳香族ポリアミン〔上記〔1〕〜〔3〕の芳香族ジアミン及び3価以上の芳香族ポリアミンの−NHの一部又は全部が−NH−R´(R´はアルキル基例えばメチル、エチル等の低級アルキル基)で置き換ったもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等〕等が挙げられる。
ジアミン又は3価以上のポリアミン成分としては、これらの他、ポリアミドポリアミン〔ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン等〕、ポリエーテルポリアミン〔ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等〕等が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂のうち、ラクトン開環重合物は、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の炭素数3〜12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)等のラクトン類を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合させることにより得ることができる。これらのうち、結晶性の観点からε−カプロラクトンが好ましい。
開始剤として、グリコールを用いると、末端にヒドロキシル基を有するラクトン開環重合物が得られる。このようなラクトン開環重合物は、例えば、上記ラクトン類とエチレングリコール、ジエチレングリコール等の前記ジオール成分を触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。触媒としては、有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ハロゲン化スズ化合物等が一般的であり、反応溶液中に0.1〜5000ppm程度の割合で添加して、100〜230℃で、好ましくは不活性雰囲気下に重合させることによって、ラクトン開環重合物を得ることができる。ラクトン開環重合物は、その末端を例えばカルボキシル基になるように変性したものであってもよい。ラクトン開環重合物は、結晶性の高い熱可塑性脂肪族ポリエステル樹脂である。ラクトン開環重合物は、市販品を用いてもよく、例えば、ダイセル株式会社製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7(いずれも、融点=約60℃、Tg=約−60℃の高結晶性ポリカプロラクトン)が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂のうち、ポリヒドロキシカルボン酸は、グリコール酸、乳酸(L体、D体、ラセミ体)等のヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合することで得られるが、グリコリド、ラクチド(L体、D体、ラセミ体)等のヒドロキシカルボン酸の2分子間もしくは3分子間脱水縮合物に相当する炭素数4〜12の環状エステル(環中のエステル基数2〜3個)を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合する方が分子量の調整の観点から好ましい。これらのうち、環状エステルは、結晶性の観点からL−ラクチド、及びD−ラクチドが好ましい。
開始剤として、グリコールを用いると、末端にヒドロキシル基を有するポリヒドロキシカルボン酸骨格が得られる。このような末端にヒドロキシル基を有するポリヒドロキシカルボン酸骨格を有する化合物は、例えば、上記環状エステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール等の前記ジオール成分を触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。触媒としては、有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ハロゲン化スズ化合物等が一般的であり、反応溶液中に0.1〜5000ppm程度の割合で添加して、100〜230℃で、好ましくは不活性雰囲気下に重合させることによって、ポリヒドロキシカルボン酸を得ることができる。ポリヒドロキシカルボン酸は、その末端を例えばカルボキシル基になるように変性したものであってもよい。
ポリエーテル樹脂としては、結晶性ポリオキシアルキレンポリオール等が挙げられる。
結晶性ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法としては特に限定されず、従来より公知のいずれの方法でもよい。
例えば、キラル体のAOを、通常AOの重合で使用される触媒で開環重合させる方法(例えば、Journal of the American Chemical Society、1956年、第78巻、第18号、p.4787−4792 に記載)や、安価なラセミ体のAOを立体的に嵩高い特殊な化学構造の錯体を触媒として用いて、開環重合させる方法が知られている。
特殊な錯体を用いる方法としては、ランタノイド錯体と有機アルミニウムを接触させた化合物を触媒として用いる方法(例えば、特開平11−12353号公報に記載)やバイメタルμ−オキソアルコキサイドとヒドロキシル化合物をあらかじめ反応させる方法(例えば、特表2001−521957号公報に記載)等が知られている。
また、非常にアイソタクティシティの高いポリオキシアルキレンポリオールを得る方法として、サレン錯体を触媒として用いる方法(例えば、Journal of the American Chemical Society、2005年、第127巻、第33号、p.11566−11567 に記載)が知られている。
例えば、キラル体のAOを用い、その開環重合時に、開始剤として、グリコール又は水を用いると、末端にヒドロキシル基を有するアイソタクティシティが50%以上であるポリオキシアルキレングリコールが得られる。アイソタクティシティが50%以上であるポリオキシアルキレングリコールは、その末端を例えば、カルボキシル基になるように変性したものであってもよい。なお、アイソタクティシティが50%以上であると、通常結晶性となる。
上記グリコールとしては、前記ジオール成分等が、カルボキシ変性するのに用いるカルボン酸としては、前記ジカルボン酸成分等が挙げられる。
結晶性ポリオキシアルキレンポリオールの製造に用いるAOとしては、炭素数3〜9のものが挙げられ、例えば炭素数3のAO[PO、1−クロロオキセタン、2−クロロオキセタン、1,2−ジクロロオキセタン、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン];炭素数4のAO[1,2−BO、メチルグリシジルエーテル];炭素数5のAO[1,2−ペンチレンオキサイド、2,3−ペンチレンオキサイド、3−メチル−1,2−ブチレンオキサイド];炭素数6のAO[シクロヘキセンオキサイド、1,2−へキシレンオキサイド、3−メチル−1,2−ペンチレンオキサイド、2,3−ヘキシレンオキサイド、4−メチル−2,3−ペンチレンオキサイド、アリルグリシジルエーテル];炭素数7のAO[1,2−へプチレンオキサイド];炭素数8のAO[スチレンオキサイド];炭素数9のAO[フェニルグリシジルエーテル]である。
これらのAOのうち、PO、1,2−BO、スチレンオキサイド及びシクロへキセンオキサイドが好ましく、PO、1,2−BO及びシクロへキセンオキサイドが更に好ましく、重合速度の観点から、POが最も好ましい。
これらのAOは、単独で、又は、2種類以上を使用することができる。
結晶性ポリオキシアルキレンポリオールのアイソタクティシティは、得られる結晶性ポリエーテル樹脂の高結晶化度の観点から好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、特に好ましくは95%以上である。
アイソタクティシティは、Macromolecules、vol.35、No.6、2389−2392頁(2002年)に記載の方法で算出することができ、以下のようにして求める。
測定試料約30mgを直径5mmの13C−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶剤を加えて溶解させ、分析用試料とする。ここで重水素化溶剤は、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶剤を適宜選択する。
13C−NMRの3種類のメチン基由来の信号は、それぞれシンジオタクチック値(S)75.1ppm付近とヘテロタクチック値(H)75.3ppm付近とアイソタクチック値(I)75.5ppm付近に観測される。アイソタクティシティを次の計算式(1)により算出する。
アイソタクティシティ(%)=[I/(I+S+H)]×100 (1)
但し、式中、Iはアイソタクチック信号の積分値;Sはシンジオタクチック信号の積分値;Hはヘテロタクチック信号の積分値である。
結晶性ビニル樹脂としては、結晶性基を有するビニルモノマー(m)と、必要により後述する結晶性基を有しないビニルモノマーを構成単位として有するものが好ましい。
ビニルモノマー(m)としては、アルキル基の炭素数が12〜50の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(m1)(炭素数12〜50の直鎖アルキル基が結晶性基である)、及び前記結晶性部(b)の単位を有するビニルモノマー(m2)等が挙げられる。
結晶性ビニル樹脂としては、ビニルモノマー(m)として、アルキル基の炭素数が12〜50(好ましくは16〜30)の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(m1)を含有するものが更に好ましい。
上記アルキル基の炭素数が12〜50の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(m1)としては、各アルキル基がいずれも直鎖状の、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、及びベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本発明において、アルキル(メタ)アクリレートとは、アルキルアクリレート及び/又はアルキルメタアクリレートを意味し、以下同様の記載法を用いる。
単位を有するビニルモノマー(m2)において、結晶性部(b)の単位をビニルモノマーに導入する方法は、それぞれの末端官能基の反応性を考慮して、結合剤(カップリング剤)を使用するかしないかを選択し、また使用する場合は、末端官能基にあった結合剤を選択し、結晶性部(b)とビニルモノマーを結合させ、結晶性部(b)の単位を有するビニルモノマー(m2)とすることができる。
結晶性部(b)の単位を有するビニルモノマー(m2)の作製時に結合剤を使わない場合、必要により加熱減圧しつつ、結晶性部(b)の末端官能基とビニルモノマーの末端官能基の反応を進める。特に末端の官能基がカルボキシル基と水酸基との反応や、カルボキシル基とアミノ基との反応の場合、片方の樹脂の酸価が高く、もう一方の樹脂の水酸基価やアミン価が高い場合、反応がスムーズに進行する。反応温度は180℃〜230℃で行うことが好ましい。
結合剤を使う場合は、末端の官能基の種類に合わせて、種々の結合剤が使用できる。
結合剤の具体例、及び結合剤を用いたビニルモノマー(m2)の作製方法としては、前記のブロックポリマーの製法と同様の方法が挙げられる。
本発明における結晶性樹脂は、上記結晶性樹脂を結晶性部(b)とし、該結晶性部(b)と、これから述べる非晶質部(c)とを用いたブロックポリマーでもよい。非晶質部(c)の形成に用いられる樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂(ポリスチレン、スチレンアクリル系ポリマー等)、ポリエポキシ等の非晶質樹脂等が挙げられるが、その限りではない。
ただし、上記結晶性部(b)の形成に用いられる樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂であることが好ましいので、加熱時に相溶することを考慮すると、非晶質部(c)の形成に用いられる樹脂もポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂及びそれらの複合樹脂であることが好ましく、ポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂がさらに好ましい。
−非晶質樹脂の製法−
非晶質部(c)として用いられる非晶質樹脂としては、前記結晶性部(b)と同様に、ポリエステル樹脂は、アルコール(ジオール)成分と酸(ジカルボン酸)成分とから合成される重縮合ポリエステル樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアルコール(3価以上のポリオール)成分や酸(3価以上のポリカルボン酸)成分を用いてもよい。
また、ポリウレタン樹脂としては、アルコール(ジオール)成分とイソシアネート(ジイソシアネート)成分とから合成されるポリウレタン樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアルコール(3価以上のポリオール)成分やイソシアネート(3価以上のポリイソシアネート)成分を用いてもよい。
ポリウレア樹脂としては、アミン(ジアミン)成分とイソシアネート(ジイソシアネート)成分とから合成されるポリウレア樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアミン(3価以上のポリアミン)成分やイソシアネート(3価以上のポリイソシアネート)成分を用いてもよい。
ポリアミド樹脂としては、アミン(ジアミン)成分と酸(ジカルボン酸)成分とから合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。ただし、必要に応じて3官能以上のアミン(3価以上のポリアミン)成分や酸(3価以上のポリカルボン酸)成分を用いてもよい。
ポリエーテル樹脂としては、アルコール(ジオール)成分にAOを付加して得られるポリオキシアルキレンポリオール等が挙げられる。
これら非晶質ポリエステル樹脂、非晶質ポリウレタン樹脂、非晶質ポリアミド樹脂、非晶質ポリウレア樹脂、及び非晶質ポリエーテル樹脂に用いられるモノマーは、前記ジオール成分、前記3価以上のポリオール成分、前記ジカルボン酸成分、前記3価以上のポリカルボン酸成分、前記ジイソシアネート成分、前記3価以上のポリイソシアネート成分、前記ジアミン成分、前記3価以上のポリアミン成分及び前記AOが具体例として挙げられ、非晶質樹脂となるものであれば、いかなる組合せでも構わない。
−ブロックポリマーの製法−
結晶性部(b)と非晶質部(c)とで構成されるブロックポリマーは、それぞれの末端官能基の反応性を考慮して結合剤の使用、非使用を選択し、また使用の際は末端官能基にあった結合剤種を選択し、結晶性部(b)と非晶質部(c)を結合させ、ブロックポリマーとすることが出来る。
結合剤を使わない場合、必要により加熱減圧しつつ、結晶性部(b)を形成する樹脂の末端官能基と非晶質部(c)を形成する樹脂の末端官能基の反応を進める。特に酸とアルコールとの反応や酸とアミンとの反応の場合、片方の樹脂の酸価が高く、もう一方の樹脂の水酸基価やアミン価が高い場合、反応がスムーズに進行する。反応温度は180℃〜230℃で行うのが好ましい。
結合剤を使う場合は、種々の結合剤が使用できる。結合剤として、多価カルボン酸、多価アルコール、多価イソシアネート、多官能エポキシ、酸無水物等を用いて、脱水反応や、付加反応を行うことでブロックポリマーである結晶性樹脂が得られる。
多価カルボン酸及び酸無水物としては、前記ジカルボン酸成分及び3価以上のポリカルボン酸成分と同様のものが挙げられる。多価アルコールとしては、前記ジオール成分及び3価以上のポリオール成分と同様のものが挙げられる。多価イソシアネートとしては、前記ジイソシアネート成分及び3価以上のポリイソシアネート成分と同様のものが挙げられる。多官能エポキシとしては、ビスフェノールA型及びF型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールA又はFのAO付加体のジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAのAO付加体のジグリシジルエーテル、ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等)の各ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジ又はトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリ又はテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘプタ又はヘキサグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン・フェノール付加型グリシジルエーテル、メチレンビス(2,7−ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、1,6−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
結晶性部(b)と非晶質部(c)を結合させる方法のうち、脱水反応の例としては、結晶性部(b)、非晶質部(c)とも両末端アルコール樹脂で、これらを結合剤(例えば多価カルボン酸)で結合する反応が挙げられる。この場合、例えば、無溶剤下、反応温度180℃〜230℃で反応し、結晶性樹脂が得られる。
付加反応の例としては、結晶性部(b)、非晶質部(c)とも末端に水酸基を有する樹脂であり、これらを結合剤(例えば多価イソシアネート)で結合する反応や、また結晶性部(b)、非晶質部(c)の片方が末端に水酸基を有する樹脂で、もう一方が末端にイソシアネート基を有する樹脂の場合、結合剤を用いずにこれらを結合する反応が挙げられる。この場合、例えば、結晶性部(b)、非晶質部(c)ともに溶解可能な溶剤に溶解させ、これに必要であるなら結合剤を投入し、反応温度80℃〜150℃で反応し、結晶性樹脂が得られる。
非晶質樹脂としては、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、及びポリカーボネート樹脂等の非晶質樹脂並びにそれらの複合樹脂等が挙げられる。
非晶質樹脂として用いられるビニル樹脂は、結晶性基を有しないビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーであることが好ましい。ビニルモノマーとしては、下記(1)〜(10)が挙げられる。
(1)ビニル炭化水素:
(1−1)脂肪族ビニル炭化水素:
アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
(1−2)脂環式ビニル炭化水素:
モノ−もしくはジ−シクロアルケン及びアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、例えばピネン、リモネン等。
(1−3)芳香族ビニル炭化水素:
スチレン及びそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン等;インデン及びビニルナフタレン。
(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその金属塩:
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物及びそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマー;及びこれらの金属塩。
(3)スルホン基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩:
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸;及びその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル、及び下記一般式(1−1)〜(1−3)で示される硫酸エステルもしくはスルホン酸基含有モノマー;ならびそれらの塩等。
(式中、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜15のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数の場合、(AO)は同一でも異なっていてもよく、異なる場合はランダムでもブロックでもよい。Arはベンゼン環を示し、m及びnはそれぞれ独立して1〜50の整数を示し、R’はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基を示す。)
(4)燐酸基含有ビニルモノマー及びその塩:
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸;及びこれらの塩。
なお、上記(2)〜(4)の塩(有機酸の塩)としては、金属塩、アンモニウム塩、及びアミン塩(4級アンモニウム塩を含む)が挙げられる。金属塩を形成する金属としては、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Zn、Ba、Zr、Ca、Mg、Na、及びK等が挙げられる。これらの内、好ましくはアルカリ金属塩、及びアミン塩であり、更に好ましくは、ナトリウム塩及び炭素数3〜20の3級モノアミンの塩である。
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー:
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
(6)含窒素ビニルモノマー:
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー:
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、これらの塩等。
(6−2)アミド基含有ビニルモノマー:
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチルN−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等。
(6−3)ニトリル基含有ビニルモノマー:
(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等。
(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー:
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)。
(6−5)ニトロ基含有ビニルモノマー:
ニトロスチレン等。
(7)エポキシ基含有ビニルモノマー:
グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(8)ハロゲン元素含有ビニルモノマー:
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等。
(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン類:
(9−1)ビニルエステル、例えば、酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜11のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールEO10モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等。
(9−2)ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン等。
(9−3)ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン。
(9−4)ビニルスルホン、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルフォン、ジビニルスルフォン、ジビニルスルフォキサイド等。
(10)その他のビニルモノマー:
(10−1)イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
(10−2)ジメチルシロキサン基を有するモノマー:
メタクリル変性シリコーンが好ましく、次式に示す構造を持つものが挙げられる。
(CHSiO((CHSiO)Si(CHR(但しaは、平均値で15〜45であり、Rはメタクリル基を含む有機変性基である。)
Rの例としては、COCOC(CH)=CHが挙げられる。
(10−3)フッ素を含有するモノマー:
テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)等のパーフルオロオレフィン;パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PFAVE)、パーフルオロ(1,3−ジオキソール)、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)(PFDD)、パーフルオロ−(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)(MMD)、パーフルオロブテニルビニルエーテル(PFBVE)等のパーフルオロビニルエーテル;ビニリデンフルオライド(VdF)、トリフルオロエチレン、1,2−ジフルオロエチレン、フッ化ビニル、トリフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン、パーフルオロ(ブチル)エチレン(PFBE)等の水素原子含有フルオロオレフィン;1,1−ジヒドロパーフルオロオクチルアクリレート(DPFOA)、1,1−ジヒドロパーフルオロオクチルメタクリレート(DPFOMA)、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート(PFOEA)、2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート(PFOEMA)、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート(PFHEMA)、2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート(PFBEMA)等のポリフルオロアルキル(メタ)アクリレート;α−フルオロスチレン、β−フルオロスチレン、α,β−ジフルオロスチレン、β,β−ジフルオロスチレン、α,β,β−トリフルオロスチレン、α−トリフルオロメチルスチレン、2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)スチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−α−メチルスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−β−メチルスチレン等のフルオロスチレン等が挙げられる。
ビニルモノマーとして有機酸の塩を含有するビニル樹脂を用いる場合、この樹脂は、例えば、ビニルモノマーの少なくとも一部として、上記モノマー(2)〜(4)の塩のうち、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Zn、Ba、及びZrから選ばれる金属の塩を、1種以上用いることにより得られる。これらの有機酸の塩の、重合に用いる全モノマー中の使用量は、好ましくは5〜60重量%である。更に好ましくは10〜50重量%である。
ビニルモノマーの共重合体としては、上記(1)〜(10)の任意のモノマー同士を、2元又はそれ以上の個数で、任意の割合で共重合したポリマーが挙げられるが、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、及びこれらの共重合体の塩等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、ポリオールと、ポリカルボン酸又はその酸無水物又はその低級アルキルエステルとの重縮合物、及びこれらの重縮合物の金属塩等が挙げられる。ポリオールとしてはジオール(11)及び3〜8価又はそれ以上の価数のポリオール(12)が、ポリカルボン酸又はその酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、ジカルボン酸(13)及び3〜6価又はそれ以上の価数のポリカルボン酸(14)及びこれらの酸無水物又は低級アルキルエステル等が挙げられる。
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/5であり、更に好ましくは1.5/1〜1/4であり、特に好ましくは1/1.3〜1/3である。
カルボキシル基の含有量を前記の好ましい範囲内とするために、水酸基が過剰なポリエステルをポリカルボン酸で処理してもよい。
ジオール(11)としては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数4〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);上記アルキレングリコール又は脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(AO)〔EO、PO、BO等〕付加物(付加モル数1〜120);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30);ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオール等);及びポリブタジエンジオール等が挙げられる。
ジオール(11)としては、上記のヒドロキシル基以外の官能基を有しないジオール以外に、他の官能基を有するジオール(11a)を用いてもよい。ヒドロキシル基以外の官能基を有するジオール(11a)としては、カルボキシル基を有するジオール、スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオール、及びこれらの塩等が挙げられる。
カルボキシル基を有するジオールとしては、ジアルキロールアルカン酸[炭素数6〜24のもの、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等]等が挙げられる。
スルホン酸基もしくはスルファミン酸基を有するジオールとしては、スルファミン酸ジオール[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基の炭素数1〜6)又はそのAO付加物(AOとしてはEO又はPO等、AOの付加モル数1〜6):例えばN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物等];ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェート等が挙げられる。
これらのヒドロキシル基以外の官能基を有するジオールの塩としては、該官能基と、例えば前記炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミン等)及び/又はアルカリ金属(ナトリウム等)との塩が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、及びこれらの併用である。
3〜8価又はそれ以上の価数のポリオール(12)としては、炭素数3〜36の3〜8価又はそれ以上の価数の多価脂肪族アルコール(アルカンポリオール及びその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、及びポリグリセリン;糖類及びその誘導体、例えばショ糖、及びメチルグルコシド);多価脂肪族アルコールのAO付加物(付加モル数2〜120);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)のAO付加物(付加モル数2〜30);アクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマーの共重合物等];等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、3〜8価又はそれ以上の価数の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物であり、ノボラック樹脂のAO付加物が更に好ましい。
ジカルボン酸(13)としては、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸等)及びアルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸等);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔ダイマー酸(2量化リノール酸)等〕、炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸、及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3〜6価又はそれ以上の価数のポリカルボン酸(14)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)等が挙げられる。
なお、ジカルボン酸(13)又は3〜6価又はそれ以上の価数のポリカルボン酸(14)としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
有機酸の塩の構成単位を含有するポリエステル樹脂を用いる場合、この樹脂は、例えば、COOHの残基を有するポリエステル(酸価が好ましくは1〜100、更に好ましくは5〜50)を合成し、その少なくとも1部のCOOH基を、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Zn、Ba、及びZrから選ばれる少なくとも1種の金属の塩とすることにより得られる。
金属塩とする方法としては、例えば、COOH基を有するポリエステルと該当する金属の水酸化物とを反応することにより得られる。
ポリウレタン樹脂としては、ポリイソシアネート(15)と活性水素含有化合物{水、ポリオール[前記ジオール(11)〔ヒドロキシル基以外の官能基を有するジオール(11a)を含む〕、及び3〜8価又はそれ以上の価数のポリオール(12)]、ポリカルボン酸[ジカルボン酸(13)、及び3〜6価又はそれ以上の価数のポリカルボン酸(14)]、ポリオールとポリカルボン酸の重縮合により得られるポリエステルポリオール、炭素数6〜12のラクトンの開環重合体、ポリアミン(16)、ポリチオール(17)、及びこれらの併用等}の重付加物、並びにポリイソシアネート(15)と活性水素含有化合物を反応させてなる末端イソシアネート基プレポリマーと、該プレポリマーのイソシアネート基に対して等量の1級及び/又は2級モノアミン(18)とを反応させて得られる、アミノ基含有ポリウレタン樹脂が挙げられる。
ポリウレタン樹脂中のカルボキシル基の含有量は、0.1〜10重量%が好ましい。
ポリイソシアネート(15)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートである。
上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族ポリイソシアネートである。
上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、例えば、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)である。
また、上記ポリイソシアネートの変性物には、例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性である。
具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI等のポリイソシアネートの変性物及びこれらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート、及び炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートである。具体的には、TDI、MDI、HDI、水添MDI及びIPDIである。
ポリアミン(16)として、脂肪族ポリアミン類(炭素数2〜18):〔1〕脂肪族ポリアミン{炭素数2〜6アルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、ポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等〕};〔2〕これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体〔ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等〕;〔3〕脂環又は複素環含有脂肪族ポリアミン〔3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等〕;〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(炭素数8〜15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン等)、脂環式ポリアミン(炭素数4〜15):1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等、
複素環式ポリアミン(炭素数4〜15):ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等、
芳香族ポリアミン類(炭素数6〜20):〔1〕非置換芳香族ポリアミン1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンジアミン、2,4´−又は4,4´−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミン、ナフチレンジアミン等;〔2〕核置換アルキル基(メチル、エチル、n−又はi−プロピル、ブチル等の炭素数1〜4アルキル基)を有する芳香族ポリアミン、例えば2,4−又は2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,4´−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3´,5,5´−テトラメチルベンジジン、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジエチル−2,2´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルスルホン等、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物;〔3〕核置換電子吸引基(Cl、Br、I、F等のハロゲン;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族ポリアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチル−5,5´−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3´−ジクロロベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフィド、4,4´−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等〕;〔4〕2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン〔上記〔1〕〜〔3〕の芳香族ポリアミンの−NHの一部又は全部が−NH−R´(R´はアルキル基例えばメチル,エチル等の低級アルキル基)で置き換ったもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等〕、ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン等、ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等が挙げられる。
ポリチオール(17)としては、炭素数2〜36のアルカンジチオール(エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール等)等が挙げられる。
1級及び/又は2級モノアミン(18)としては、炭素数2〜24のアルキルアミン(エチルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン等)等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ポリエポキシド(19)の開環重合物、ポリエポキシド(19)と活性水素基含有化合物(T){水、ポリオール[前記ジオール(11)及び3価以上のポリオール(12)]、ジカルボン酸(13)、3価以上のポリカルボン酸(14)、ポリアミン(16)、ポリチオール(17)等}との重付加物、又はポリエポキシド(19)とジカルボン酸(13)又は3価以上のポリカルボン酸(14)の酸無水物との硬化物等が挙げられる。
本発明に用いるポリエポキシド(19)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有していれば、特に限定されない。ポリエポキシド(19)として好ましいものは、硬化物の機械的性質の観点から分子中にエポキシ基を2〜6個有するものである。ポリエポキシド(19)のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、通常65〜1000であり、好ましいのは90〜500である。エポキシ当量が1000を超えると、架橋構造がルーズになり硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等の物性が悪くなり、一方、エポキシ当量が65未満のものを合成するのは困難である。
ポリエポキシド(19)として、芳香族系ポリエポキシ化合物、複素環系ポリエポキシ化合物、脂環族系ポリエポキシ化合物あるいは脂肪族系ポリエポキシ化合物が挙げられる。芳香族系ポリエポキシ化合物としては、多価フェノール類のグリシジルエーテル体及びグリシジルエステル体、グリシジル芳香族ポリアミン、並びに、アミノフェノールのグリシジル化物等が挙げられる。多価フェノールのグリシジルエーテル体としては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグリシジルエーテル、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、p−グリシジルフェニルジメチルトリールビスフェノールAグリシジルエーテル、トリスメチル−tret−ブチル−ブチルヒドロキシメタントリグリシジルエーテル、9,9’−ビス(4−ヒドキシフェニル)フロオレンジグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)テトラクレゾールグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)フェニルグリシジルエーテル、ビス(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、フェノール又はクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、リモネンフェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル体、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル体、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド、又はホルムアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体、及びレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル体等が挙げられる。多価フェノールのグリシジルエステル体としては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。更に、本発明において前記芳香族系として、p−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル、トリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、前記2反応物にポリオールも反応させて得られるグリシジル基含有ポリウレタン(プレ)ポリマー及びビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシド又はプロピレンオキシド)付加物のジグリシジルエーテル体も含む。複素環系ポリエポキシ化合物としては、トリスグリシジルメラミンが挙げられる。脂環族系ポリエポキシ化合物としては、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、及びビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン、ダイマー酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。また、脂環族系ポリエポキシ化合物としては、前記芳香族系ポリエポキシド化合物の核水添化物も含む。脂肪族系ポリエポキシ化合物としては、多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体、多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体、及びグリシジル脂肪族アミンが挙げられる。多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル及びポリグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体としては、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレート等が挙げられる。グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。また、本発明において脂肪族系ポリエポキシ化合物としては、ジグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含む。これらのうち、脂肪族系ポリエポキシ化合物及び芳香族系ポリエポキシ化合物が好ましい。本発明のポリエポキシドは、2種以上併用しても差し支えない。
本発明の樹脂粒子(B)の製造方法において、混合物(X)が溶剤(S)を含む物であってもよい。
溶剤(S)としては、ケトン溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル溶剤(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、環状エーテル等)、エステル溶剤(酢酸エステル、ピルビン酸エステル、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル、乳酸エステル等)、アミド溶剤(ジメチルホルムアミド等)、アルコール溶剤(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、フッ素含有アルコール等)、芳香族炭化水素溶剤(トルエン、キシレン等)、及び脂肪族炭化水素溶剤(オクタン、デカン等)、重合性溶剤(アクリル酸、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等)水、及びこれらの混合物、並びに低分子化合物溶解液、及び高分子化合物溶解液等が挙げられる。
これらのうち、圧縮性流体(F)との相溶性及び凝固点の低さの観点から、好ましくは、凝固点が‐20℃以下であることが好ましく、特に好ましくはアセトン、酢酸エチル、メタノールである。
結晶性樹脂及び非晶質樹脂の製造方法は特に限定されず、上述したモノマーの種類及び量等を適宜設定することにより、融点又は軟化点を有する所望の樹脂を製造することができる。
分散質(A)が融点又は軟化点を有している場合、分散質(A)が析出量、析出して形成された樹脂粒子(B)の安定性及び(B)の粒径の観点から、分散質(A)と圧縮性流体(F)の混合する工程において、以下の条件1を満たすことが好ましい。
条件1
T3<T1<T2<T0
T0:分散質(A)の融点又は軟化点のいずれか高い温度[℃]。
T1:混合物(X)を示差走査熱量計で測定した際の、分散質(A)由来の吸熱ピーク温度[℃]。{T1:−20℃から200℃まで、昇温速度20℃/分で昇温して吸発熱変化を測定したときの吸熱ピーク[℃]}
T2:前記温度(U)[℃]。
T3:前記温度(V)[℃]。
「T1」は、得られた分散体を以下の条件で示差走査熱量計(以下、DSCと略記)測定した際の、分散体に含まれる分散質(結晶性樹脂等の結晶性材料)由来の吸熱ピーク温度から算出することができる。
DSC測定条件
示差走査熱量計{例えば、セイコー電子工業社製、DSC210}を用いて、測定試料を−20℃から200℃まで昇温速度20℃/分で昇温して吸発熱変化を測定した。
更に、温度T2における混合物(X)において、分散質(A)が圧縮性流体(F)と必要に応じて溶剤(S)に溶解していることが好ましい。
また、他に分散剤や物性値(粘度、拡散係数、誘電率、溶解度、界面張力等)を調整するために後述する不活性気体等を併用してもよい。
圧縮性流体(F)として二酸化炭素が用いられる際は、分散質(A)にフッ素、シリコーン基、エーテル基、カルボニル基及び炭化水素鎖からなる群より選択される少なくとも1種が含有されることが好ましい。
本発明に用いられる圧縮性流体(F)は、常温で常圧以上の圧力により圧縮されている流体であることが好ましい。圧縮性流体(F)の圧力は好ましく1MPa以上であり、より好ましくは2MPa以上であり、さらに好ましくは3MPa以上であり、特に好ましくは4MPa以上である。
本発明において、圧縮性流体(F)は、メタン、エチレン、代替フロン等でもよいが、安全性や取り扱いの容易さ等の点から、好ましくは二酸化炭素であり、更に好ましくは液体二酸化炭素、亜臨界二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素である。
本発明において、液体二酸化炭素とは、二酸化炭素の温度軸と圧力軸とで表す相図上において、二酸化炭素の三重点(温度=−57℃、圧力0.5MPa)と二酸化炭素の臨界点(温度=31℃、圧力=7.4MPa)を通る気液境界線、臨界温度の等温線、及び固液境界線に囲まれた部分の温度・圧力条件である二酸化炭素を表し、超臨界二酸化炭素とは、臨界温度以上の温度・圧力条件である二酸化炭素を表す(ただし、圧力は、2成分以上の混合ガスの場合、全圧を表す)。
本発明の樹脂粒子(B)の製造方法において、分散質(A)と圧縮性流体(F)と必要に応じて溶剤(S)とを含む混合物(X)であってもよい。
混合物(X)において、前記T3とT1が、以下の条件2を満たすことが、好ましい。
条件2
T3+10<T1
上記測定は、以下の条件で行う。
示差走査熱量計{例えば、セイコー電子工業社製、DSC210}を用いて、測定試料を300℃まで昇温してから、降温速度10℃/分で0℃まで冷却して行う。T1は、この際に現れる分散質(A)由来の吸熱の最大ピーク温度である。
温度(U)[℃]未満の混合物(X)を下記温度(V)[℃]にする方法については、いかなる方法でもよい。例えば、40〜−50℃に冷却した原料を混合物(X)に投入する方法及び反応混合物が入った反応容器を冷媒等で冷却する方法等が挙げられる。
混合物(X)に含まれる分散質(A)が非晶質材料である場合、混合物(X)においては、分散質(A)の軟化点以下の温度で分散質(A)が圧縮性流体(F)と必要に応じて溶剤(S)に溶解していることが好ましい。本発明においては、混合物(X)を冷却する前の分散質(A)の状態が上記の状態であればよく、他に分散剤や物性値(粘度、拡散係数、誘電率、溶解度、界面張力等)を調整するために不活性気体等を併用してもよい。
混合物(X)には、分散剤が含まれていてもよく、分散剤としては、特に限定はなく、公知のものを使用することができ、分散質(A)との相溶性の高いユニットと、溶剤(S)との相性の高いユニットがブロック体として存在するポリマーやオリゴマー等が挙げられる。
分散質(A)がワックスのように炭化水素比率が高い場合、炭化水素との相溶性の高いユニットと樹脂との相溶性の高いユニットのうち一方に他方がグラフトしているポリマーもしくはオリゴマー〔例えば、ワックスの存在下、ビニルモノマーを重合させて得られるもの〕、不飽和炭化水素(エチレン、プロピレン、ブテン、スチレン、及びα−メチルスチレン等)と、α,β−不飽和カルボン酸又はそのエステルもしくはその無水物(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、これらのエステル及び無水イタコン酸等)との共重合体、ビニル樹脂とポリエステル樹脂とのブロックもしくはグラフト共重合体等が挙げられる。
不活性気体としては、窒素、ヘリウム、アルゴン、空気等の不活性気体等が挙げられる。圧縮性流体(F)として二酸化炭素を用いる場合、二酸化炭素と他の不活性気体の合計中の二酸化炭素の重量分率は、好ましくは70重量%以上であり、更に好ましくは80重量%以上であり、特に好ましくは90重量%以上である。
本発明の製造方法において、樹脂粒子(B)は、分散質(A)を含む粒子である。
本発明において得られる樹脂粒子(B)のメジアン径は、好ましくは10.0μm以下であり、更に好ましくは0.07μm〜7μmであり、特に好ましくは0.08μm〜6μmである。一方メジアン径が10.0μmより大きい場合、例えば分散体(L)を塗料に配合して塗布したときのコート面の平滑性が損なわれる問題が発生することや、また粒子中に粒子(C)を含有した樹脂粒子を製造する場合、樹脂粒子の粒度分布の悪化が発生する。メジアン径とは、体積分布に基づくメジアン径である。メジアン径はレーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)によって測定される。なお、粗大粒子量も同じ装置を用いて測定できる。
本発明の分散体の製造方法に用いる耐圧容器は、例えば圧縮性流体(F)として二酸化炭素等を用いる場合には、0.5MPa以上の最大圧力に耐え得るものが好ましく、容器内で必要により溶剤等を含む(A)の組成物と圧縮性流体(F)を攪拌混合及び冷却できる設備を備え付けたもの、容器下部に必要により溶剤等を含んだ(A)を取り出すためのノズルを備えているものが更に好ましい。ノズルは液状物質が通ることが出来るものであるならいかなるノズルでもかまわず、例えば口径0.1〜5.0mm程度のニードルバルブ又はボールバルブを開くことにより、圧縮性流体(F)と必要により溶剤等を含む(A)の組成物との混合物(X)を高圧状態から大気中に一気に噴出させることができる。
圧縮性流体(F)の導入後、しばらく攪拌することで圧縮性流体(F)を充分(A)含有組成物に浸透させることができる。攪拌時間は、(A)の組成物が圧縮性流体(F)全体に充分混合され、冷却できる最低限度の時間でよい。冷却させる直前の混合物(X)の温度T2としては好ましくは46℃以上260℃以下であり、更に好ましくは46℃以上200℃以下であり、特に好ましくは46℃以上150℃以下である。混合物(X)を冷却した直後の分散質(A)の温度T3としては、好ましくは45℃以下であり、更に好ましくは0℃以上45℃以下であり、特に好ましくは10℃以上45℃以下である。
(A)の組成物と圧縮性流体(F)の混合は、上記の耐圧容器内で行う方法以外に、ラインブレンド(インライン混合)方法により連続的に行うことが、生産性の向上、品質の一定化、製造スペースの縮小化等の面から好ましい。ラインブレンド方法に用いる装置の具体例として、スタティックミキサー、インラインミキサー、ラモンドスーパーミキサー、スルザーミキサーのような静止型インライン混合機や、バイブミキサー、ターボミキサーのような撹拌型インライン混合機等が挙げられる。装置のミキサー部分の長さ及び配管径、ミキシング装置(エレメント)数に何ら限定はないが、例えば圧縮性流体(F)として二酸化炭素を用いる場合等には、0.5MPa以上の最大圧力に耐え得るものでなければならない。
ラインブレンド方法に用いる装置の出口には、耐圧容器と同様の、組成物取り出し用のノズルを備えているのが好ましい。
(A)含有組成物と圧縮性流体(F)の混合方法としては、まず、圧縮性流体(F)をラインブレンドを行う装置内に導入して圧力が0.5MPa以上となるよう調整し、次いで(A)含有組成物を圧縮性流体(F)に導入するのが好ましい。上記圧縮性流体(F)の圧力は、耐圧容器内で行う方法と同様の圧力が好ましい。
ラインブレンドを行う温度は、前記の耐圧容器を用いて混合する場合と同様である。また、装置内の滞留時間は、混合が充分行われるのであれば特に限定されないが、0.1〜1800秒が好ましい。
ラインブレンド後の組成物を大気圧まで減圧膨張させ、圧縮性流体(F)を気化させて除くことで、分散質(A)を含む樹脂粒子(B)が得られる。
また、本発明の樹脂粒子(B)の製造方法は、分散質(A)と圧縮性流体(F)をラインブレンドにより混合する工程を含む方法であることが好ましい。
本発明の樹脂粒子(B)の製造方法は、分散質(A)と圧縮性流体(F)とを分離する工程を含むことが好ましい。
分離の方法は特に限定されず、公知の分離方法等が挙げられる。
本発明の樹脂粒子(B)を溶剤(S)及び/又は分散質(A)以外の樹脂に含ませた分散体(L)として使用することができる。
本発明の分散体の用途は特に限定されず、分散質(A)及び溶剤の種類等に応じて種々の用途に使用することができるものである。例えば、塗料、インキ、トナー、化粧品、食品、医薬品、その他の各種の用途に好適に使用することができる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定するものではない。
<製造例1>[分散質(A−1)の作製]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、1,6−ヘキサンジオール16重量部、セバシン酸16重量部、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.05重量部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで225℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下に反応させ、Mwが6000になった時点で取り出し、結晶性樹脂である分散質(A−1)(T0(融点):65℃)を得た。(A−1)の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定、以下Mwと略記する。GPCの測定条件を、以下に示す。以降の製造例についても同様に測定した。
(GPC測定条件)
装置(一例) :東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例):TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 :100μL
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLY STYRENE)12点(分子量 500、1050、2800、9100、18100、37900、96400、190000、355000、1090000、2890000)
<製造例2>[分散質(A−2)の作製]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、にキシレン500部、低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール660P)5部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で185℃まで昇温した。スチレン948部、n−ブチルアクリレート45部、アクリル酸7部、ジ−t−ブチルパーオキサイド25部、およびキシレン180部の混合溶液を、内温度を185℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合させ、次いで脱溶剤を行い、重量平均分子量は10000の非晶性樹脂である分散質(A−2)(T0(軟化点):100℃)を得た。(A−2)のMwは10,000であった。
<製造例3>[分散質(A−3)の作製]
分散質(A−1)とピグメントイエロー185(BASF社製)を2軸混練機で80℃3時間混練し、分散質(A−3)(T0(融点):65℃)を作成した。
<実施例1>
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、分散質(A−1)100部を、耐圧反応容器の容積の40%まで仕込んだ混合物(X)(T1(吸熱ピーク):55℃)を密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度60℃(T2)まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し8MPaにして10分間攪拌した後、8MPaのまま系内温度を40℃(T3)まで降温し、二酸化炭素を除去して、分散質(A−1)を含む樹脂粒子(B−1)を得た。
<実施例2>
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、分散質(A−3)100部を、耐圧反応容器の容積の40%まで仕込んだ混合物(X)(T1(吸熱ピーク):50℃)を、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度60℃(T2)まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し8MPaにして10分間攪拌した後、8MPaのまま系内温度を35℃(T3)まで降温し、二酸化炭素を除去して、分散質(A−3)を含む樹脂粒子(B−2)を得た。
<実施例3>
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、分散質(A−3)100重量部、アセトン10重量部を、耐圧反応容器の容積の40%まで仕込んだ混合物(X)(T1(吸熱ピーク):30℃)を、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度50℃(T2)まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し8MPaにして10分間攪拌した後、8MPaのまま系内温度を15℃(T3)まで降温し、二酸化炭素とアセトンを除去して、分散質(A−3)を含む樹脂粒子(B−3)を得た。
<実施例4>
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置〔ラインブレンド装置としては、スタティックミキサーM1(ノリタケカンパニーリミテド製;内径3.4mm、エレメント数27)を使用した〕において、まず溶解槽(タンク)T1に分散質(A−3)100重量部、アセトン 10重量部を仕込み密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度50℃まで昇温し、分散質(A−3)の溶液を作製した。ボンベB1、ポンプP2より二酸化炭素を0.4L/hの流量で導入し、バルブV1を調整し、8MPaとした。次いで、溶解槽(タンク)T1、ポンプP1より分散質(A−3)の溶液を0.5L/hの流量で導入した混合物(X)(T1(吸熱ピーク):30℃)を、8MPa、50℃(T2)を維持しながら、M1でラインブレンドされた混合液(X)を15℃(T3)まで降温し、ノズルから分散体受け槽T2内(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素とアセトンを気化させ除去して、樹脂粒子(B−4)を得た。
<実施例5>
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置〔ラインブレンド装置としては、スタティックミキサーM1(ノリタケカンパニーリミテド製;内径3.4mm、エレメント数27)を使用した〕において、まず溶解槽(タンク)T1に分散質(A−3)100重量部、酢酸エチル 10重量部を仕込み密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度50℃まで昇温し、分散質(A−3)の溶液を作製した。ボンベB1、ポンプP2より二酸化炭素を0.4L/hの流量で導入し、バルブV1を調整し、8MPaとした。次いで、溶解槽(タンク)T1、ポンプP1より樹脂3の溶液を0.5L/hの流量で導入した混合物(X)(T1(吸熱ピーク):55℃)を、8MPa、50℃(T2)を維持しながら、M1でラインブレンドされた混合液を15℃(T3)まで降温し、ノズルから分散体受け槽T2内(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素と酢酸エチルを気化させ除去して、樹脂粒子(B−5)を得た。
<実施例6>
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置〔ラインブレンド装置としては、スタティックミキサーM1(ノリタケカンパニーリミテド製;内径3.4mm、エレメント数27)を使用した〕において、まず溶解槽(タンク)T1に分散質(A−2)100重量部を仕込み密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度100℃まで昇温し、樹脂2の溶融液を作成した。ボンベB1、ポンプP2より二酸化炭素を0.4L/hの流量で導入し、バルブV1を調整し、8MPaとした。次いで、溶解槽(タンク)T1、ポンプP1より分散質(A−2)の溶液を0.5L/hの流量で導入した混合物(X)(T1(吸熱ピーク):85℃)を、8MPa、90℃(T2)を維持しながら、M1でラインブレンドされた混合液(X)を70℃(T3)まで降温し、ノズルから分散体受け槽T2内(0.1MPa)に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、樹脂粒子(B−6)を得た
<比較例1>
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、分散質(A−1)100重量部、アセトン10重量部を、耐圧反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度60℃まで昇温した。昇温後イソプロピルアルコール 100重量部を混合し、混合物(X)(T1(吸熱ピーク):65℃)とし、系内温度60℃(T2)とした。その後系内温度を40℃(T3)まで降温し、アセトン及びイソプロピルアルコールを除去して、分散質(A−1)を含む樹脂粒子(B’−1)を得た。
<比較例2>
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、分散質(A−3)100重量部を、耐圧反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度60℃まで昇温した。昇温後イソプロピルアルコール 100重量部を混合し、混合物(X)(T1(吸熱ピーク):65℃)とし、系内温度60℃(T2)とした。その後系内温度を40℃(T3)まで降温し、イソプロピルアルコールを除去して、分散質(A−3)を含む樹脂粒子(B’−2)を得た。
<比較例3>
攪拌棒及び温度計を備えた耐圧反応容器に、分散質(A−3)100重量部、アセトン10重量部を、耐圧反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度50℃まで昇温した。昇温後イソプロピルアルコール 100重量部を混合し、混合物(X)(T1(吸熱ピーク):65℃)とし、系内温度50℃(T2)とした。その後系内温度を20℃(T3)まで降温し、アセトン及びイソプロピルアルコールを除去して、分散質(A−3)を含む樹脂粒子(B’−3)を得た。
<樹脂粒子の分散体の作製>
得られた樹脂粒子(B−1)〜(B−6)、(B’−1)〜(B’−3)をイソプロピルアルコール中にホモディスパーを用いて攪拌することにより分散させて分散体(L−1)〜(L−6)、(L’−1)〜(L’−3)を作成した。
<樹脂粒子径の測定方法>
メジアン径はレーザー式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)によって測定した。なお、粗大粒子量も同じ装置を用いて測定した。
<樹脂粒子の分散体(L)の安定性の評価>
樹脂粒子の分散安定性の評価は、分散体を10℃下で24時間静置し、静置前後でのメジアン径及び粗大粒子量を下記の方法で測定し、(1)メジアン径の変化率及び(2)粗大粒子の増加量を算出した。
(1)メジアン径の変化率は以下の通りの計算で求める。
計算式1 A/B×100−100=メジアン径の変化率(%)
測定値A:10℃、24時間静置した分散体のメジアン径
測定値B:製造後1時間以内の分散体中のメジアン径
メジアン径の変化率としては、好ましくは50%以下であり、より好ましくは25%以下であり、特に好ましくは10%以下である。変化率が100%を超える場合、粒子中に樹脂粒子(B)を含有した樹脂粒子を製造する場合、製造が不安定となり、粒度分布の悪化が発生する。
(2)粗大粒子量の増加率は以下の通りの計算で求める。
計算式2 C−D=粗大粒子量の増加率(%)
測定値C:10℃、24時間静置した分散体中の粗大粒子量
測定値D:製造後1時間以内の分散体中の粗大粒子量
なお粗大粒子とは(メジアン径×3)μm以上の粒子のことである。ただし(メジアン径×3)≦1.0の場合は1.0μm以上の粒子を粗大粒子とする。
粗大粒子増加量が少ないほど、保管中における分散体が安定であり、増加量が0.5体積%を超える場合、粒子中に樹脂粒子(B)を含有した樹脂粒子の製造する場合、樹脂粒子の製造が不安定となり、粒度分布の悪化が発生する。
表1に示したように、実施例に記載の本発明の分散体中の樹脂粒子は、比較例の分散体中の樹脂粒子と比べて、経時で樹脂粒子のメジアン径の変化が無く、粗大粒子量の増加がないことが明らかである。
本発明の樹脂粒子の製造方法により、微細化された粒子の分散体を迅速に得ることができる。本発明の製造方法により製造される分散体は、塗料、インキ、トナー、化粧品、食品、医薬品その他の各種の用途に好適である。
T1:溶解槽(最高使用圧力20MPa、最高使用温度200℃、攪拌機つき)
T2:耐圧受け槽
B1:二酸化炭素ボンベ
P1:溶液ポンプ
P2:二酸化炭素ポンプ
M1:スタティックミキサー(反応用耐圧容器)
V1:バルブ

Claims (6)

  1. 分散質(A)と圧縮性流体(F)とを含有する下記温度(U)[℃]の混合物(X)を下記温度(V)[℃]にする工程を含む分散質(A)を含む樹脂粒子(B)の製造方法。
    温度(U)[℃]:(A)が融点(Tm)のみを有する場合は、[{(Tm)−15}〜(Tm)未満]。(A)が軟化点(Tn)のみを有する場合は、[{(Tn)−15}〜(Tn)未満]。(A)が融点及び軟化点を有する場合は、[{(これらのいずれか高い方の温度)−10}〜(これらのいずれか高い方の温度未満)]。単位は℃。
    温度(V)[℃]:(A)が融点(Tm)のみを有する場合は、[{(Tm)−100}〜{(Tm)−20]]。(A)が軟化点(Tn)のみを有する場合は、[{(Tn)−100}〜{(Tn)−20}]。(A)が融点及び軟化点を有する場合は、[{(これらのいずれか高い方の温度)−100}〜{(これらのいずれか高い方の温度)−20]。単位は℃。
  2. 分散質(A)が融点又は軟化点を有し、以下の条件1を満たす請求項1に記載の樹脂粒子(B)の製造方法。
    条件1
    T3<T1<T2<T0
    T0:分散質(A)の融点又は軟化点のいずれか高い温度[℃]。
    T1:混合物(X)を示差走査熱量計で測定した際の、分散質(A)由来の吸熱ピーク温度[℃]。{T1:−20℃から200℃まで、昇温速度20℃/分で昇温して吸発熱変化を測定したときの吸熱ピーク[℃]}
    T2:前記温度(U)[℃]。
    T3:前記温度(V)[℃]。
  3. 前記T3とT1が、以下の条件2を満たす請求項2に記載の樹脂粒子(B)の製造方法。
    条件2
    T3+10<T1
  4. 圧縮性流体(F)が、超臨界二酸化炭素、亜臨界二酸化炭素又は液体二酸化炭素である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂粒子(B)の製造方法。
  5. さらに、混合物(X)が溶剤(S)を含む請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂粒子(B)の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られる樹脂粒子(B)を含んでなる分散体(L)の製造方法。
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