JP4607139B2 - 追記型情報記録媒体及びマスター基板 - Google Patents

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Description

本発明は、追記型(WORM:Write Once Read Many)情報記録媒体(以下「追記型光記録媒体」と称することがある。)、及び読み取り専用媒体(ROM:Read Only Memory)用やナノインプリント用のマスター基板に関する。
レーザ光の照射により不可逆な記録マークが形成され、書換不能である追記型情報記録媒体は、セキュリティに優れるという利点がある。次世代の追記型光情報記録媒体としては、より高密度記録が可能であり、より低コストで製造可能なものが望まれている。
ところで、前記高密度記録は、記録マークの微小化、記録マーク間距離の狭ピッチ化によって実現できる。数百ギガバイト、テラバイトの大容量が要求される次世代の光情報記録媒体においては、数十ナノメートルのサイズの微小な記録マークが必要となってくる。高密度記録を可能とする追記型情報記録媒体を低コストで製造するには、マスター基板の低コスト化、該追記型情報記録媒体自体の低コスト化が必要となってくる。
しかしながら、情報記録媒体用として、あるいはナノインプリント用としてのマスター基板(元型、モールド)は、微細な構造体を作製する必要から、近年では、半導体微細加工における電子線描画装置を用いた光リソグラフィが利用されてきたが、電子線描画による微細加工では真空を要することから電子線描画装置自体が高価となり、またそのメンテナンスにもコストがかかる上、作製される前記微細な構造体の大きさが前記電子線描画装置等の性能に依存してしまうという問題がある。
また、追記型光情報記録媒体においては、記録層に相変化材料や色素材料が用いられているが、一般にこれらの材料は比較的高価であり、これらの材料を用いた場合、追記型情報記録媒体自体のコストが高くなるという問題がある。更に、特に最もよく知られている色素材料は書込みによる記録マークが鮮明でなく、高密度記録に不向きであるという問題もある。
もし仮に、前記マスター基板をより低コストに作製できれば、前記追記型情報記録媒体の低コスト化を図ることができることになる。
前記マスター基板を低コストに製造可能にする技術として、熱リソグラフィが注目されている。前記熱リソグラフィとは、発熱層に光を介して熱を与え、熱を与えられた箇所の特性(光透過率、屈折率、電気伝導度、化学耐食性など)が変化することを利用した技術である。光が照射された領域の温度分布は、ガウス分布となり、その中心となる高温部の領域はスポット径と比較して10分の1程度であり、その箇所のみ特性が変化するため、数十ナノメートルオーダーの微小パターンの形成が可能となるのである。
近時、このような熱リソグラフィの技術を応用してレーザ光のスポットよりも小さいピットを形成して光ディスクに応用することが、いくつか提案されてきており、そこで用いる吸熱材料として、例えば、硫化亜鉛と酸化珪素との混合物(特許文献1参照)、樹脂(特許文献2及び3参照)などが提案されている。
しかしながら、従来における熱リソグラフィの技術では、一般に光反応層と熱反応層との両方を個々に設け、前記熱反応層に微小構造体を形成しているが、前記光反応層の除去を要する用途が多いことが問題となっていた。例えば、酸化テルル(TeOx)をベースとした吸熱材料を用いたマスター基板の作製では、アルカリ液によるエッチングが必要となり、製造工程が煩雑となり、低コスト化できないという問題があった。また、酸化白金を吸熱材料として用いたマスター基板の作製では、レーザ光の照射による微細穴加工が必要となるが、該レーザ光の照射によって体積変化が容易に生じないことから、局所的に端部の形状がきれいな空隙(空洞、穴)を作製することができないという問題があった(非特許文献1参照)。また、前記吸熱材料として樹脂を用いた場合には、記録マークが鮮明でなく、高密度記録に適さず、また、発熱量が十分でないという問題があった。
したがって、低コストで製造可能なマスター基板(読み取り専用媒体用、ナノインプリント用)及びそれを用いて低コストに製造され、高密度記録が可能な追記型情報記録媒体は、未だ提供されていないのが現状である。
特開2005−158191号公報 特開2005−71564号公報 特開2005−100602号公報 K. Kurihara, et al., Journal of Optics A, Pure and Applied Optics, vol.8(2006), pp.S139-S143
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、低コストで製造でき、微細な記録マークを形成可能で高密度記録が可能な追記型情報記録媒体、及び、微細な凹凸パターンを有し、低コストで製造可能なマスター基板(読み取り専用媒体用、ナノインプリント用)を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明者が鋭意検討を行った結果、以下の知見を得た。即ち、上述の熱リソグラフィの技術に用いる吸熱材料として、ZnS・SiOが注目されてきている。このZnS・SiOという材料は、硫化亜鉛(ZnS)と二酸化珪素(SiO)との混合材料であるが、数十nmの厚みではほぼ100%に近い高い透過率を有することから、光記録媒体の分野では相変化材料の保護層の材料として既知である。この材料を使用した保護層は、ZnS、SiOの粒子を一定割合で混合し、焼結して得たスパッタリングターゲットを用いてRFスパッタリング法により形成される。従来においては、このZnS・SiOは、主として相変化材料の保護層の材料としてしか利用されておらず、このZnS・SiO自体を、記録層の材料として利用しようとする研究乃至開発されていなかった。また、マスター基板におけるパターン形成層の材料としても研究乃至開発されていなかった。しかしながら、本発明者が鋭意検討を行った結果、このZnS・SiOに所定の添加物を加えると、該材料の光吸収能を高めることができ、レーザ光の照射により体積変化(膨張乃至空隙)を生じさせることができ、低コストで、追記型情報記録媒体の記録層における記録マークの形成乃至マスター基板のパターン形成層における凹凸パターンの形成が可能であるという画期的な知見を得た。本発明は、この画期的な前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、
<1> 混合無機材料で形成された記録層を基板上に有してなり、
前記混合無機材料が、(A)硫黄化合物と、(B)酸化珪素と、(C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料(ただし、前記(A)硫黄化合物及び前記(B)酸化珪素とは異なる)とを含み、
前記記録層における、少なくとも任意の一波長の光に対する光吸収能が、前記(C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料を除いてなる同厚の記録層よりも高いことを特徴とする追記型情報記録媒体である。
該<1>の追記型情報記録媒体では、前記記録層が特定の前記混合無機材料で形成されているので、ある程度の光吸収能を有し、その結果、レーザ光が該記録層に照射された際、その照射部において局所的に高温となり、局所的な体積変化が容易に生ずる(膨張乃至空隙の発生する)。その結果、レーザ光の照射部において、膨張(微小な空隙を含む)乃至空隙(窪み、空洞、穴など)としての記録マークが容易にかつ効率的に形成される。該記録マークは記録する情報に対応したものであり、前記<1>の追記型情報記録媒体では、微細な記録マークを形成可能であるため、高密度化記録に適しており、また、比較的低コストに製造可能である。
<2> 更に誘電体層及び反射層を基板上に有してなる前記<1>に記載の追記型情報記録媒体である。
該<2>の追加型情報記録媒体では、前記誘電体層及び前記反射層を有するため、これらの層がない場合に比し、信頼性が高く、しかも低コストで製造可能である。
<3> (C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料が、(A)硫黄化合物及び(B)酸化珪素を構成する元素を含む前記<1>から<2>のいずれかに記載の追記型情報記録媒体である。
該<3>の追記型情報記録媒体では、前記記録層中の前記C成分が前記A成分及び/又は前記B成分の構成元素と同一元素を含むことにより、レーザ光が照射される前記記録層の箇所において、明瞭な体積変化が生じ(膨張乃至空隙が発生し)、記録する情報に対応した記録マークを滑らかに形成でき、信号品質を向上させることができる。
<4> (C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料が、Al、Ag、Au、Cu、Zn、Pt、Sb、Te、Ge、Si、Bi、Mn、W、Nb、Co、Sr、Fe、In、Sn、Ni、Mo、Mg、Ca、Pb及びBaから選択される元素を少なくとも1種含む前記<1>から<3>のいずれかに記載の追記型情報記録媒体である。
該<4>の追記型情報記録記録媒体では、前記記録層がレーザ光の照射を受けると、該レーザ光を効率的に吸収し、該レーザ光の照射箇所において効率的に体積変化が生じ(膨張乃至空隙が発生し)、効率的に微細な記録マークを形成可能であり、その結果、高密度記録が可能であり、しかも低コストで製造可能である。
<5> 混合無機材料で形成されたパターン形成層を基板上に有してなり、
前記混合無機材料が、(A)硫黄化合物と、(B)酸化珪素と、(C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料(ただし、前記(A)硫黄化合物及び前記(B)酸化珪素とは異なる)とを含み、
前記パターン形成層における、少なくとも任意の一波長の光に対する光吸収能が、前記(C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料を除いてなる同厚のパターン形成層よりも高く、
前記パターン形成層が凹状パターンを有してなることを特徴とするマスター基板である。
該<5>のマスター基板は、前記パターン形成層が特定の前記混合無機材料で形成されているので、ある程度の光吸収能を有し、その結果、レーザ光が該パターン形成層に照射された際、その照射部において局所的に高温となり、体積変化が容易に生じ、凹状パターン(窪み、穴等によるパターン)が容易にかつ効率的に形成される。該凹状パターンは微細であるため、該マスター基板は、読取り専用媒体(ROM)やナノインプリントのマスターとして好適であり、しかも比較的低コストに製造可能である。
<6> 基板が、石英基板又はシリコン基板である前記<5>に記載のマスター基板である。
該<6>のマスター基板は、その基板として、石英基板又はシリコン基板を使用するので、炭化珪素(SiC)基板やチタニア基板よりもエッチングされ難く、低コストである。
<7> (C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料が、(A)硫黄化合物及び(B)酸化珪素を構成する元素を含む前記<5>から<6>のいずれかに記載のマスター基板である。
該<7>のマスター基板では、前記パターン形成層中の前記C成分が前記A成分及び/又は前記B成分の構成元素と同一元素を含むことにより、レーザ光が照射される前記パターン形成層の箇所において、容易に穴乃至窪みが形成され、その結果、凹凸パターンが形成され、マスター基板として機能するためのパターンを滑らかに形成でき、パターン精度を向上させることができる。
<8> (C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料が、Al、Ag、Au、Cu、Zn、Pt、Sb、Te、Ge、Si、Bi、Mn、W、Nb、Co、Sr、Fe、In、Sn、Ni、Mo、Mg、Ca、Pb及びBaから選択される元素を少なくとも1種含む前記<5>から<7>のいずれかに記載のマスター基板である。
このため、該<8>のマスター基板は、前記パターン形成層がレーザ光の照射を受けると、該レーザ光を効率的に吸収し、該レーザ光の照射箇所において効率的に穴乃至窪みが形成され、その結果、前記凹凸パターンが効率的に形成でき、低コストで高精度のマスター基板が製造可能である。
<9> (A)硫黄化合物と、(B)酸化珪素と、(C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料との組成比が、40〜85:10〜30:5〜40である前記<1>から<4>のいずれかに記載の追記型情報記録媒体である。
このため、該<9>の追記型情報記録媒体は、前記記録層にレーザ光を照射すると、該レーザ光の照射箇所において効率的に体積変化が生じ(膨張乃至空隙が発生し)、該レーザ光の照射箇所に、記録する情報に対応した記録マークが効率よくかつ微細に形成される。
<10> (A)硫黄化合物と、(B)酸化珪素と、(C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料との組成比が、40〜85:10〜30:5〜40である前記<5>から<8>のいずれかに記載のマスター基板である。
このため、該<10>のマスター基板は、前記パターン形成層にレーザ光を照射すると、該レーザ光の照射箇所において穴乃至窪みが形成され、その結果、凹凸パターンが効率よくかつ微細に形成される。
本発明によると、従来における前記問題を解決することができ、低コストで製造でき、微細な記録マークを形成可能で高密度記録が可能な追記型情報記録媒体、及び微細な凹凸パターンを有し、低コストで製造可能なマスター基板(読み取り専用媒体用、ナノインプリント用)を提供することができる。
(追記型情報記録媒体及びマスター基板)
本発明の追記型情報記録媒体は、基板上に、記録層を少なくとも有してなり、必要に応じて適宜選択したその他の層、例えば、誘電体層(例えば、下部誘電体層、上部誘電体層など)、反射層、保護層、などを有してなる。
なお、本発明の追記型情報記録媒体は、特に前記記録層に特徴があり、該記録層以外の基板、前記その他の層などの構成としては、公知のものの中から適宜選択することができる。前記構成としては、前記基板上に、反射層、下部誘電体層、記録層、上部誘電体層、保護層をこの順に積層してなる構成などが挙げられ、例えば、特開2006−294214号公報などに記載を参考にすることができる。
前記記録層、前記反射層、前記誘電体層などの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング法、抵抗線加熱法、電子ビーム蒸着法、CVD法などが挙げられる。
前記保護層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法等の塗布法などが挙げられる。また、前記保護層は、予め用意したシート状のものを貼付することにより形成してもよい。
また、本発明のマスター基板は、基板上に、パターン形成層を有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の層を有してなる。
前記パターン形成層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタリング法、抵抗線加熱法、電子ビーム蒸着法、CVD法などが挙げられる。
なお、本発明のマスター基板は、特に、凹凸パターンが形成される前記パターン形成層に特徴があり、該パターン形成層以外のその他の層などの構成としては、公知のものの中から適宜選択することができる。前記構成としては、例えば、特開2006−294214号公報などに記載を参考にすることができる。
<記録層及びパターン形成層>
前記記録層及び前記パターン形成層としては、混合無機材料で形成されていること以外は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記記録層、パターン形成層における、少なくとも任意の一波長の光に対する光吸収能が、前記(C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料を除いてなる同厚の記録層、パターン形成層よりも、それぞれ高いことが必要である。この場合、該記録層を有する追記型情報記録媒体、該パターン形成層を有するマスター基板が、ある程度の光吸収能を有するので、レーザ光等の光が照射された箇所において、効率的に発熱を生じ、その熱により、体積変化(膨張乃至空隙の発生)や、穴乃至窪みが容易に生じ、前記記録層において、記録する情報に対応した微細な記録マークが効率的にかつ容易に形成可能であり、また、前記パターン形成層において、マスター基板として機能し得る微細な凹凸パターンが効率的にかつ容易に形成可能である点で有利である。
−混合無機材料−
前記混合無機材料としては、(A)硫黄化合物と、(B)酸化珪素と、(C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料(ただし、前記(A)硫黄化合物及び前記(B)酸化珪素とは異なる)とを含むことが必要である。
−−(A)硫黄化合物−−
前記(A)硫黄化合物(以下、単に「A成分」と称することがある。)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ZnS、MnS、SrS、CaS、BaS、CdS、KS、AgS、SSi、GeS、GeS、CoS、Bi、PbS、NaS、CuS、CuS、FeS、Al、Sb、SmS、PbS、Na2S、LiS、SiS、SiSなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、安価でスパッタリングターゲットを入手でき、酸化珪素と混合させることで安定したZnSが好ましい。
前記A成分と、以下のB成分とのモル比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、60:40〜90:10であるのが好ましく、80:20〜85:15であるのが特に好ましい。
前記A成分と前記B成分とのモル比が、前記数値範囲内にあると、前記A成分(例えばZnS粒子)と前記B成分(例えばSiO粒子)との各々の粒径が小さく、加工形状の滑らかさ及び鮮明さの点で有利である。前記A成分(例えばZnS)のモル比が、ある程度大きい方が体積変化も大きいが、体積変化を生じる最低限の割合は60mol%である。また、前記A成分(例えばZnS)の割合が90mol%より大きいと、成膜状態にて既に結晶としての性質が強いため、体積変化は充分大きくない上に、端部を滑らかに形成できないことがある。また、前記A成分と前記B成分とのモル比が前記特に好ましい範囲内であると、滑らかに穴乃至窪みの形成が可能である点で有利である。
−−(B)酸化珪素−−
前記(B)酸化珪素(以下、単に「B成分」と称することがある。)は、二酸化珪素(SiO)、一酸化珪素(SiO)を指すが、本発明においては、二酸化珪素(SiO)が主に含まれる形で成膜等して、その結果、酸素欠損により多少の一酸化珪素が含まれてもよい。
−−(C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料−−
前記(C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料(以下、単に「C成分」と称することがある。)としては、前記A成分及び前記B成分とは異なるものであれば特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、Al、Ag、Au、Cu、Zn、Pt、Sb、Te、Ge、Si、Bi、Mn、W、Nb、Co、Sr、Fe、In、Sn、Ni、Mo、Mg、Ca、Pb、Ba、これらの合金材料などが挙げられる。具体的な化合物としては、例えば、ZnMgTe、CsZnTe、ZnMgSSe、SbZn、ZnCrO、ZnZrO、ZnWO、ZnTiO、Zn、ZnF、ZnSnO、ZnMoOなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記C成分は、前記A成分及び前記B成分に添加された際、光吸収を生ずるものが好ましく、光吸収による発熱を効率的に生ずるものが好ましい。本発明においては、これらの中でも、前記A成分及び前記B成分を構成するいずれかの元素を少なくとも含むものが好ましく、この場合、前記A成分と前記B成分とによる組織化が効果的に促進され、効率よくピット(前記記録層における記録マークや、前記パターン形成層における凹状パターン(穴乃至窪み))が形成可能である点で有利である。
前記記録層又は前記パターン形成層を前記混合無機材料で形成する場合、該記録層又は該パターン形成層が前記C成分を含むことにより、該記録層又は該パターン形成層が光吸収性を有するようになる。この場合、該記録層又は該パターン形成層は、光反応層、熱反応層としての両方の機能を有する。また、前記C成分が上述の無機材料であると、前記A成分及び前記B成分に樹脂等の有機材料を添加させた場合に比べて、十分な熱が発生し、該C成分を含む前記無機混合材料を用いて形成した前記記録層又は前記パターン形成層においては、前記A成分と前記B成分とによる組織化が効果的に促進され、効率よくピット(前記記録層における記録マークや、前記パターン形成層における凹状パターン(穴乃至窪み))が形成される。
前記C成分は、前記A成分とは異なる材料でありながら、光吸収能を高めることが可能な前記A成分(例えばZnS)を構成する元素(例えばZn)と同一の元素(例えばZn)を含んでいること(このようなC成分としては例えばZnTe)が特に好ましい。前記C成分がこのような元素を含んでいると、前記記録層又は前記パターン形成層における、体積変化(膨張乃至空隙)が生じた箇所や、凹状パターン(穴乃至窪み)が形成された箇所、即ちピット部、の形状を滑らかにすることができ、微細な記録マークを効率的にかつ容易に形成可能で低コストで製造可能な高品質の追記型情報記録媒体、あるいは、微細な凹凸パターンを効率的にかつ容易に形成可能で低コストで製造可能な高品質のマスター基板を提供することができる。また、このとき、前記C成分の含有量を変化させることにより、前記混合無機材料乃至該混合無機材料で形成された前記記録層又は前記パターン形成層における屈折率を容易に変化乃至調整することができ、該記録層又は該パターン形成層における光照射時の発熱量を変化乃至調整することができる。
−記録層又はパターン形成層における光吸収能−
以上のように、前記C成分である前記無機材料を前記混合無機材料中に添加することにより、前記A成分と前記B成分とのみを含む材料で形成した記録層又はパターン形成層よりも、該A成分及び該B成分に加えて前記C成分を更に含む前記混合無機材料で形成した前記記録層又は前記パターン形成層の方が、同厚乃至同体積で比較した場合に、より高い光吸収能を有する。このため、前記A成分と前記B成分とのみを含む層乃至膜では、特にZnS・SiOやSrS・SiOなどの場合には、可視光領域において光学的に透明であるが、前記A成分及び前記B成分に対し、更に前記C成分を添加混合させた前記混合無機材料で形成した前記記録層又は前記パターン形成層は、可視光領域において光吸収能を有するようになる。その結果、前記C成分をも含む前記記録層又は前記パターン形成層は、レーザ光を照射すると、該レーザ光を吸収することにより、該レーザ光の照射箇所が発熱し、体積変化(膨張乃至空隙)や凹状パターン(穴乃至窪み)が形成される。本発明の追記型情報記録媒体及びマスター基板においては、前記記録層又は前記パターン形成層にレーザ光を照射すると、該レーザ光の照射箇所において、体積変化(膨張乃至空隙)や凹状パターン(穴乃至窪み)が生ずる特性を利用したものである。
前記記録層又は前記パターン形成層が光吸収能を有することは、例えば、分光エリプソメータを用いて屈折率、消衰係数を測定することにより測定することができる。
なお、前記体積変化は、一般に、前記レーザ光の強度が弱い場合には、曲面を有する膨張(内部に空隙が存在)として生じ、前記レーザ光の強度が強い場合には、該レーザ光のスポット中心に空隙(穴乃至窪み)として生ずる。本発明においては、前記空隙(穴乃至窪み)を「凹状パターン」と称することがある。該凹状パターン(ピット)が形成されている場合、該凹状パターンに対し、該凹状パターンが形成されていない箇所は凸状パターンになっていることになり、全体としては凹凸パターンが形成されていることにもなる。なお、追記型情報記録媒体における前記記録層には、前記凹状パターンが記録マークとして形成されていてもよいし、あるいは膨張(内部に空隙が存在)部が記録マークとして形成されていてもよい。一方、マスター基板における前記パターン形成層には、前記凹状パターンが形成されており、全体としては凹凸パターンが形成されている。なお、本発明においては、前記パターン形成層はパターンが形成された層を意味するが、説明の都合上、該パターンが形成される前の層もパターン形成層と称することがある。
本発明においては、前記曲面を有する膨張(内部に空隙が存在)、前記空隙(穴乃至窪み)などのピットの大きさを、50〜90nm程度(図2(b)では直径約80nm)程度にすることも可能であり、大容量化に好適である点で好ましい。そして、該ピットを電子線や深紫外の波長と比較して長い波長である青色(405nm)のレーザなどを用いて小さなサイズのピットを形成できることが特徴である。この場合、電子線描画のように真空装置を要することもなく、加工装置も低コストであり、メンテナンスも容易かつ低コストである。その結果、前記追記型情報記録媒体、前記マスター基板を比較的低コストに安定して製造することができる。
前記記録層又は前記パターン形成層の光吸収能には、消衰係数kが関係する。光吸収のある物質は、光を反射すると同時に光のエネルギーも吸収する。また、吸収される光エネルギーは、光が物質に深く侵入する量に依存する。光の吸収量は、消衰係数kによって求められ、吸収の度合いは以下のベールの法則により関係づけられる。
I=Iexp(−αz) α=4πk/λ
ここで、Iは、物質を透過後の光強度を表し、Iは、透過前の光強度を表し、αは、吸収係数を表し、zは、侵入深さを表し、λは、光の波長を表す。即ち、前記記録層又は前記パターン形成層の厚みが厚くなればなどほど、光が吸収される距離が長くなり、該記録層又は該パターン形成層が光をより多く吸収し、該記録層又は該パターン形成層から出る光の強度がより小さくなる。本発明では、同じ侵入深さz(同厚)で比較した場合に、消衰係数kがより大きいときを光吸収能がより高いものと定義する。
前記消衰係数kの波長依存性は、通常、材料の種類によって異なり、例えば、可視光領域では前記消衰係数kが小さくても、紫外光領域では前記消衰係数kが大きい材料などもある。そのようなことも考慮して、レーザ光の波長も適宜選択される。
前記消衰係数kは、例えば、屈折率とともに分光エリプソメータを用いて測定することができる。例えば、前記A成分と前記B成分とからなる、ZnS・SiO(モル比80:20)で形成した膜の前記消衰係数kは、波長405nmのレーザ光を照射した場合にほぼ1×10−3である。これに対し、前記A成分及び前記B成分のみならず更に前記C成分を添加した前記混合無機材料で形成された前記記録層又は前記パターン形成層の前記消衰係数kは、波長405nmのレーザ光を照射した場合に1×10−1程度である。即ち、前記A成分及び前記B成分に前記C成分を添加することにより、前記消衰係数kを1×10−1程度とすることができ、青色半導体レーザ光の吸収を容易にさせることができる。なお、前記C成分として前記無機材料ではなく有機材料を用いた場合には、前記記録層又は前記パターン形成層において、前記消衰係数kの値が大きくすることができず、熱の発生が不十分である点で好ましくない。
前記消衰係数kの基準値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、市販の赤色半導体レーザ光、青色半導体レーザ光で記録を行うという点からは、1×10−1程度であれば充分である。
−レーザ光−
本発明においては、前記記録層又は前記パターン形成層に照射される光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レーザ光が好適に挙げられる。
前記レーザ光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、可視光レーザ、深紫外レーザ、青色レーザ、赤外レーザ、フェムト秒レーザ、Fレーザ、ArFレーザ、KrFレーザなどが挙げられる。これらの中でも、多数のパルス光照射を行う安価なレーザという点では、赤色半導体レーザ、青色半導体レーザなどが好ましい。なお、レーザ光の波長に応じて、消衰係数(吸収係数)kの値が異なるため、それに応じた材料設計が必要となる。
前記レーザ光の照射は、熱リソグラフィを行う一方法として採用されるが、本発明においては、前記熱リソグラフィを行う方法として、ほかに、局所的に熱を加える方法、などを採用してもよい。これらの方法の中でも、レーザ光を照射する方法は、指向性、安定性の点で優れ、作製精度の点で好ましい。
−記録層及びパターン形成層の形成−
前記記録層及び前記パターン層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、上述の通り、例えば、スパッタリング法などにより好適に形成することができる。
前記スパッタリング法による前記記録層又は前記パターン形成層の形成法としては、例えば、前記A成分、前記B成分、及び前記C成分の各ターゲットを用意して、目的の混合比になるように同時にスパッタリングを行うコスパッタリング、前記A成分及び前記B成分を両方含有するターゲットと、前記C成分のターゲットとを用意して、目的の混合比になるように同時にスパッタリングを行うコスパッタリング、前記A成分、前記B成分及び前記C成分を同時に含む混合ターゲットを用意して、これをスパッタリングする方法、などが好適に挙げられる。
前記混合ターゲットは、前記A成分の硫黄化合物、前記B成分の酸化珪素、前記C成分の各々の粉末を混合させて、焼結させることにより、容易に製造することができる。
−記録層及びパターン形成層の厚み−
前記追記型情報記録媒体における前記記録層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5〜30nmが好ましく、5〜20nmがより好ましい。
前記記録層の厚みが、5nm未満であると、データエラー率が大きくなることがあり、30nmを超えると、高いレーザ出力を必要とし、記録が不十分になることがある。
前記マスター基板における前記パターン形成層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、20〜60nmが好ましく、30〜40nmがより好ましい。
前記パターン形成層の厚みが、20nm未満であると、パターンのサイズにばらつきが生じることがあり、60nmを超えると、パターンに残渣(パターン以外の箇所に残る残膜)が生じることがある。
−基板−
前記追記型情報記録媒体における前記基板としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透明樹脂で形成された基板などが好適に挙げられる。ここで、前記透明樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、非晶質ポリオレフィンなどが好適に挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネートが特に好ましい。なお、前記基板上には、特定の案内溝(ランド/グルーブ)が形成されている。
前記マスター基板における前記基板としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、石英基板、シリコン基板、強化ガラス基板などが好適に挙げられる。前記基板が、石英基板、シリコン基板であると、炭化珪素(SiC)基板やチタニア基板よりもエッチングされ難く、低コストである点で有利である。なお、前記基板の種類に応じて、レーザ光の照射条件などを適宜選択することができる。
−利用乃至用途−
本発明の追記型情報記録媒体は、主にCD−RやDVD−R、HD DVD(High-Definition Digital Versatile Disc)、BD−R(Blu-ray Disc-Recordable)の追記型記録媒体として利用可能である。また、本発明の情報記録媒体は、1枚の光記録媒体中に記録層を複数形成して記録容量を増加させる多層ディスクにも利用可能である。また、本発明の追記型情報記録媒体は、単層記録層内で狭トラックピッチ化などによる記録容量の増加させた単層ディスクにも利用可能である。
本発明のマスター基板は、光情報記録媒体用マスター円盤のほか、光学素子を製造するためのナノインプリント用マスター基板(元型、モールド)など、幅広い領域にて製造のマスター(マザー)となり、幅広い分野で好適に利用することができる。
前記マスター基板を実際に利用する方法としては、主に3種類ある。即ち、一つ目は、マスター基板そのもの、若しくはマスター基板に更に成膜を施すなどした後に、光学素子などに利用する方法である。二つ目は、マスター基板にニッケル(Ni)電気鋳造を行って、反転パターンを作製し、それから射出成型やエンボス加工、熱ナノインプリントなどの何らかの方法により大量生産を行う方法である。三つ目は、周期ピットをもつ混合材料薄膜をレジストとしてマスター基板までエッチングをした後、前記混合無機材料による層を除去して石英基板上にパターンを形成し、それを元型に光ナノインプリント若しくは2P(Photo-Polymerization)転写法により転写することも可能である。光ナノインプリントを行う場合には、紫外線照射を行うため、基板が透明である必要がある。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1の追記型光記録媒体の構造を図1に示す。図1は、本発明の追記型情報記録媒体(追記型光記録媒体)の一例を表す断面概略図であり、図1(a)は、レーザ光の照射による記録前の状態を表し、図1(b)は、レーザ光の照射による記録後の状態を表す。なお、図1は、あくまでも簡易的な模式図であり、実際の厚み等とは対応しない。
実施例1の追記型光記録媒体においては、トラックピッチが0.32μmであり、記録マーク周期300nmにてCNR(Carrier to Noise Ratio)が45dBであった。基板1は、トラックピッチ0.32μmのランドとグルーブの繰り返し凹凸をもつポリカーボネート製の基板である。その上に、反射層2としてAgを厚みが40nmとなるように、下部誘電体層3としてZnS・SiO(組成モル比80:20)を厚みが50nmとなるように、記録層4としてZnS・SiO・ZnTe記録層(組成モル比70:20:10)を厚みが15nmとなるように、上部誘電体層5としてZnS・SiO(組成比モル80:20)を厚みが40nmとなるように、光透過性の保護層6としてアクリル樹脂を厚みが100μmとなるように、この順に積層されている。
実施例1の追記型光記録媒体に対し、光ピックアップを用いてレーザ光を記録層4に対して照射すると、図1(b)に示すような、記録層4に空隙からなる記録マーク7を形成することができ、情報を記録することができる。
実施例1の追記型光記録媒体は、以下のようにして製造した。即ち、まず、トラックピッチ0.32μmのランドとグルーブとの繰返し凹凸を有するポリカーボネート製の基板1を、スタンパを用いて射出成型法により作製した。その後、基板1上に、スパッタリング装置(装置:芝浦メカトロニクス製、CFS−8EP)を用いて、反射層2(Ag、厚み40nm)、下部誘電体層3(ZnS・SiO、組成モル比80:20、厚み50nm)、記録層4(ZnS・SiO・ZnTe、組成モル比70:20:10、厚み15nm)層、上部誘電体層5(ZnS・SiO、組成モル比80:20、厚み40nm)をスパッタリングにより、この順に形成(積層)した。その後、誘電体層5上に、アクリル樹脂をスピンコートし、紫外線照射による硬化を行い、保護膜6(光透過性、厚み100μm)を形成した。
実施例1の追記型情報記録媒体への記録と再生とを以下のようにして行った。即ち、図4(b)に示すように、光ピックアップを有するレーザ光照射装置により、対物レンズ12(レンズNA:0.85)により集光された青色波長レーザ光(波長:405nm)を記録層4の表面に、保護層6側からフォーカスし、設定した記録ストラテジ(記録時のレーザ光の発光波形制御)に沿ってマルチパルスによりレーザ光を変調し、ランダムデータを記録した。
また、同様に前記光ピックアップを用いて、レーザ光(波長:405nm)を連続照射して再生を行い、信号を観測することにより、実施例1の追記型光記録媒体の記録層4に記録された、前記ランダムデータに基づく情報を再生し、実施例1の追記型光記録媒体の機能乃至性能を確認した。
記録後の追記型光記録媒体の記録層4に形成された前記記録マークを、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて表面形状を調べたところ、前記記録マークが形成された箇所においては、空隙と膨張とが存在していることが観測された。前記膨張の場合、内部に微小な空隙が生じていた。これらの空隙乃至膨張は、いずれも記録層4にレーザ光を照射して行った記録後に生じたものであり、これらの空隙乃至膨張の有無によって、記録層4の反射率が記録前後で変化し、記録層4に上記ランダムデータに基づく情報が記録されていること、そして、この情報は再生可能であることが確認された。
ここで、実施例1の追記型光記録媒体の記録層4に形成された記録マーク中に存在する前記空隙乃至前記膨張について観察するために、以下の実験を行った。
即ち、観察を行う試料として、ポリカーボネート製の基板1上に、記録層4としてのZnS・SiO・ZnTe(組成モル比70:20:10、厚み40nm)を、スパッタリング装置(装置:芝浦メカトロニクス製、CFS−8EP)を用いてスパッタリングにより形成したものを用意した。そして、この試料における記録層4に対し、レーザ光をパルス照射(レーザ光の波長405nm、対物レンズNA:0.85)を行った。前記パルス照射は、400nm間隔で、線速は4.5m/secである。このときの前記試料の表面(記録層4)に形成された前記記録マークの走査型電子顕微鏡(SEM)写真が図2である。追記型光記録媒体の状態では、記録層4上に保護層6などが積層されており、この状態では、記録層4の表面状態の観察が難しいため、ここでは上記試料を作製して記録層4に形成された記録マークの観察を行ったものである。図2(a)は、レーザ光の照射強度を6mWとした場合のSEM写真であり、図2(b)は、レーザ光の照射強度を7mWとした場合のSEM写真である。図2(b)においては、ほぼすべてのレーザ光の照射位置に直径80nmほどの穴9が形成されていた。図2(a)においては、レーザ照射部8は膨張状態であり、その内部には空隙が形成されていた。これらの状態は、AFM測定や透過電子顕微鏡(TEM)でも同様に確認された。このような膨張(状態)や空隙が、本発明の追記型情報記録媒体における、反射率変化に寄与しているものと推測された。なお、レーザ光のスポット径は400nm程度であるが、本発明の追記型情報記録媒体では、それよりも充分小さな直径80nmの穴を形成できる点が利点である。
実施例1の追記型情報記録媒体における記録層4を構成する前記混合無機材料は、前記A成分の硫黄化合物としてZnS(硫化亜鉛)を含み、前記B成分の酸化珪素としてSiO(二酸化珪素)を含み、前記C成分としてZnTe(テルル化亜鉛)を含む。
ここで、実施例1の追記型情報記録媒体における記録層4の厚みと同じ厚みである15nmのZnS・SiO(組成モル比50:50〜90:10)の光透過率は、ほぼ100%である。即ち、このZnS・SiOは、記録層4を構成する前記混合無機材料から前記C成分であるZnTeを除いたものに等しい。このZnS・SiOの可視光領域における光透過率は、前記C成分であるZnTeを添加することにより低下することがわかった。具体的には、可視光領域における光透過率は、ZnS・SiO(A成分・B成分のみ)で形成した層と、ZnS・SiO・ZnTe(混合無機材料:A成分・B成分・C成分)で形成された層とについて、同一の厚みの場合に比較したところ、ZnTeの割合が高くなるほど、全体の透過率が低下した一方(100%から60%に低下)、光吸収能が高くなっていることがわかった(消衰係数kが10−1台〜10−3台に向上)。なお、前記光吸収能は、分光エリプソメータを用いて測定した。
なお、前記ZnS・SiO(モル比80:20)の消衰係数kは、波長405nmにて、ほぼ1×10−3である。一方、前記混合無機材料で形成された記録層4の消衰係数kは、波長405nmにて1×10−1程度である。よって、実施例1では、前記記録層に前記C成分を添加した結果、消衰係数kを1×10−1程度にすることができ、青色半導体レーザ光の吸収を容易にさせることが可能となったことがわかった。消衰係数kは、エリプソメータ(ジェー・エー・ウーラムジャパン製、VASE)を用いて測定した。
(実施例2)
図1に示す実施例1の追記型情報記録媒体では、記録層4が下部誘電体層3及び上部誘電体層5で挟まれた構成であるのに対し、図3に示す実施例2の追記型情報記録媒体では、下部誘電体層3及び上部誘電体層5が存在せず、記録層4が基板1上に形成され、記録層4上に保護層6が直接形成されている。また、記録層4の厚みが、実施例1では15nmでったのが、実施例2では40nmに変更されている。図3(a)は、実施例2の追記型情報記録媒体の概略平面図であり、図3(b)は、実施例2の追記型情報記録媒体の断面概略図である。
実施例1の追記型情報記録媒体の方が、実施例2の追記型情報記録媒体に比べて、記録層4が下部誘電体層3及び上部誘電体層5に挟まれている構造を有し、信頼性に優れるが、実施例2の追記型情報記録媒体でも、実施例1の追記型情報記録媒体と同様にして、記録層4に前記ランダムデータに基づく情報を記録及び再生が可能であるかを確認したところ、実施例1の追記型情報記録媒体と同様に記録・再生が可能であることが確認できた。
(実施例3)
実施例3では、光情報記録媒体用のマスター基板(円盤)を作製した。図4(a)には、実施例3で作製したマスター基板の平面図を示した。図4(a)に示すように、薄膜10上に記録ピット11が形成されている。トラックピッチは0.32μmであり、最短ピットサイズは150nmである。基板は石英基板を用いた。実施例3で得られた石英製のマスター基板を用いれば、光ディスク射出成型用スタンパ、さらには光情報記録媒体を大量生産できる。以下に、図4(a)のマスター基板の作製方法を、図4(b)を参照しながら説明する。図4(b)は、垂直方向から模式的に示した図である。対物レンズ12でフォーカスされたレーザ光13が石英基板14上に形成した前記パターン形成層である薄膜10に照射されることで記録ピット11(凹状パターン(穴乃至窪み))が形成される。
ここで、マスター基板の作製方法を示す。まず、表面精度の高い石英基板を用意した。その後、スパッタリング装置(装置:芝浦メカトロニクス製、CFS−8EP)を用いてZnS・SiO・Zn(混合無機材料、A成分:B成分:C成分(組成モル比)=54:13:33)で形成したパターン形成層をRFスパッタリングにより40nmの厚みに形成した。この層が微細なパターンが形成される前のパターン形成層である。
次に、図4(b)のように、レーザ光照射装置(シバソク製、LA330)により、対物レンズ12(レンズNA:0.85)により集光された青色波長レーザ光13(波長:405nm)を前記パターン形成層にフォーカスし、マルチパルスによりレーザ光を変調し、ランダムデータを記録した。この工程により、前記パターン形成層のレーザ光の照射箇所に、穴状のピット(凹状パターン)が形成できた。原子間力顕微鏡(AFM)及び走査電子顕微鏡(SEM)により、前記ピットの形成を確認し、その深さは約40nmであることが確認された。これは、前記混合無機材料で形成された前記パターン形成層の厚みに対応していた。エリプソメータ(ジェー・エー・ウーラムジャパン製、VASE)による測定では、前記混合無機材料で形成されたパターン形成層の消衰係数kは、1×10−1程度であった。
前記パターン形成層に前記ピットが形成された石英基板は、光ディスク射出成型用スタンパのマスター基板として利用できる。次に、実際に実施例3のマスター基板を元に、Ni電気鋳造を行い、Niスタンパを作製した。その後、Niスタンパを用いて射出成型若しくは2P転写(Photo-Polymerization)によりBD−ROM基板を作製した。なお、ここでは、Ni電気鋳造を行ったが、RIE(Reactive Ion Etching)装置に設置し、CFガスによるエッチングを行い、石英基板上に形状を反映させてからNi電気鋳造を行ってもよい。図5に、石英表面に記録ピット15が形成された石英基板14の断面模式図を示す。記録ピット15は、ZnS・SiO・Zn(混合無機材料、A成分・B成分・C成分)で形成された前記パターン形成層に形成されていた。図5の石英基板14は、このパターン形成層をRIEエッチング及びフッ化水素酸により除去(SiOがフッ化水素酸によりエッチングされる)し、アルゴンガスを用いて更に残留物の除去することにより、作製することができた。
(実施例4)
光情報記録媒体用のマスター基板を作製した。図4(a)に、マスター基板の表面模式図を示す。図4(a)に示すように、薄膜10上に記録ピット11が形成されている。トラックピッチは0.32μmであり、最短ピットサイズは150nmである。基板材質は石英である。石英製のマスター基板を元に、光ディスク射出成型用スタンパ、さらには光情報記録媒体を作製できる。
図4(a)のマスター基板の作製方法を、図4(b)を参照しながら説明する。図4(b)は、断面概略図である。対物レンズ12でフォーカスされたレーザ光13が石英基板14上の薄膜10(パターン形成層)に照射されることで記録ピット11が形成される。まず、表面精度の高い石英基板を用意した。その後、スパッタリング装置(装置:芝浦メカトロニクス製、CFS−8EP)を用いてZnS・SiO・AgInSbTe(混合無機材料、A成分・B成分・C成分(組成モル比)=54:13:33)で形成したパターン形成層をRFスパッタリングにより、石英基板上に、40nmの厚みにて形成した。この層を前記パターン形成層とした。ここで、AgInSbTeの組成比は6:0.7:25.1:68.2である(Ag6In0.7Sb25.1Te68.2)。以下、簡略のためAgInSbTeとする。組成比は必ずしもこの値以外でも構わない。
次に、図4(b)のようにレーザ光照射装置により、対物レンズ12(レンズNA:0.85)により集光された青色波長レーザ光13(波長:405nm)を前記パターン形成層にフォーカスし、マルチパルスによりレーザ光を変調し、ランダムデータを記録した。この工程により、前記パターン形成層のレーザ光の照射箇所に穴状のピット(凹状パターン)が形成された。原子間力顕微鏡(AFM)及び走査電子顕微鏡(SEM)により該ピット(凹状パターン)の形成を確認し、その深さは約40nmであり前記パターン形成層の厚みに対応していた。前記混合無機材料で形成された前記パターン形成層の消衰係数kは、1×10−1程度であった。
このようにピットが形成された石英基板は、光ディスク射出成型用スタンパのマスター基板として利用できる。実際に本発明によるマスター基板を元にニッケル(Ni)電気鋳造を行い、Niスタンパを作製した。その後、Niスタンパを用いて射出成型若しくは2P転写(Photo-Polymerization)により読み取り専用媒体(ROM)を作製した。
この実施例では、前記A成分の(ZnS)及び前記B成分の(SiO)に添加混合する、前記C成分として、AgInSbTeを用いた。前記AgInSbTeは、四元系混合無機材料であり、このような前記C成分によっても、前記パターン形成層に穴(ピット)が形成可能であり、マスター基板を作製できたことは、光吸収能を付加するような材料(金属・半金属若しくは半導体の無機材料)を前記C成分とし、前記混合無機材料における光吸収能に対応するレーザ光の照射条件を適宜選択すれば、マスター基板の作製が可能であることを意味する。
(実施例5)
ここでは、光学無反射膜(反射防止膜)用のマスター基板を作製した。図6に光学無反射膜用のマスター基板の模式図を示す。図6(a)は、上面図であり、模式的にパターンを示しており、円形のピット17の周期構造からなる。図6(b)は、断面図である。周期は300nm、空隙直径は約80nm、膜厚は約20nmである。基板は石英基板であり、前記混合無機材料によるパターン形成層16が形成されている。石英基板18上に形成された前期パターン形成層の周期構造の材質(混合無機材料)は、ZnS・SiO・Zn(68:17:15)である。周期構造による周期性構造物が存在しない、同厚みの石英基板のみの場合と比較して、波長400〜600nm近傍の波長の光透過率を上昇させ、100%に近づけるための光学無反射膜を形成するマスター基板となる。これは、微小構造体による周期性構造がモスアイ構造となり、反射を抑制し、光を透過させるためである。マスター基板そのものを光学無反射膜として利用することも可能であるが、それを元型としてNi電気鋳造等を通して多数複製した方が量産化には適している。光学無反射膜は、透過投影スクリーン、プロジェクターディスプレイなどの偏光板、太陽電池などに利用される。
以下に作製方法を示す。まず、石英基板18に、ZnS・SiO・Zn(組成モル比68:17:15)の薄膜16(パターン形成層)を形成した後、XYステージに設置し、対物レンズ(N.A.:0.85)でフォーカスした青色レーザ光(波長:405nm)を前記薄膜16(パターン形成層)に照射した。同パルス光を一定間隔(周期300nm)で照射すること(レーザパワー11mW)により、周期ピットを形成した。ウェハーで作製した後は、ダイシングによる数mm角への分割、及び不純物除去のための洗浄を経て、素子とした。
図7は、周期ピットが形成されたパターン形成層を有する石英基板を用いて、石英基板までエッチングを行った石英基板18の断面模式図である。石英基板18上にパターン19が形成されている。混合無機材料による膜が形成されたままでも光学無反射膜として利用できるが、基板と薄膜の材質が異なると、光学無反射膜としての効果が薄れることや、後のダイシング工程で剥離が生じて歩留まりが低くなる点から、石英基板18までエッチングし、ピット(パターン)を該石英基板に転写にして複製を行った。石英基板18の表面に形成されるパターン19(ピット)の形状は、基本的にマスク(レジスト)となるZnS・SiO・Zn(組成モル比68:17:15)の構造体の形状にかなり近い形状となった。なお、この場合、CFに対して、ZnS・SiO・Zn(組成モル比68:17:15)の構造体のエッチングレートは充分遅いため、高アスペクト比(横の長さと比較して縦の長さが大きい)の形状も作製することができるという利点がある。
(実施例6)
図8は、ZnS・SiO・Ag(組成モル比72:18:10)からなる混合ターゲットを用いて、ポリカーボネート製の基板上に、厚み40nmの薄膜20をスパッタリング成膜した後に、レーザ光(波長:405nm、NA:0.85)の照射を行った試料の表面SEM写真である。図8(a)は、レーザパワー8mWの場合である。薄膜20中に、膨張箇所21が生じていた。図8(b)は、レーザパワー9mWの場合である。直径80nm程度の穴22が生じていた。混合ターゲットを形成できる材料であれば、本発明で容易に利用可能であり、多くの金属・半金属、半導体にて混合ターゲットを作製することができるので、有利である。
また、ここで、前記C成分として、Agに代えて、ZnOのように青色レーザに対する透過率が他の元素と比較して大きい材料を用い、具体的にはZnTe・ZnOを用い、ZnS・SiO・ZnTe・ZnO(64:18:10:8)として上述同様にレーザ光を照射した場合、端部がきれいな穴を形成することができた。更に、前記C成分として、Agに代えて、InSb、AgInSbTe、GeSbTeを用いて、上述同様にレーザ光を照射した場合にも、ピットが形成できたことを確認した。
本発明の追記型情報記録媒体は、主にCD−RやDVD−R、HD DVD(High-Definition Digital Versatile Disc)、BD−R(Blu-ray Disc-Recordable)の追記型記録媒体として利用可能である。また、本発明の情報記録媒体は、1枚の光記録媒体中に記録層を複数形成して記録容量を増加させる多層ディスクにも利用可能である。また、本発明の追記型情報記録媒体は、単層記録層内で狭トラックピッチ化などによる記録容量の増加させた単層ディスクにも利用可能である。
本発明のマスター基板は、読取り専用媒体(ROM:Read Only Memory)用やナノインプリント用のマスター基板として、低コストで情報記録媒体を製造するのに好適に利用可能である。
図1は、光情報記録媒体(実施例1)の概略図であり、図1(a)は、記録前の垂直断面図であり、図1(b)は、記録後の垂直断面図である。 図2は、記録層にレーザ光の照射を行った試料の上面から走査型電子顕微鏡写真であり、図2(a)は、レーザ光の照射パワーが6mWの場合であり、図2(b)は、レーザ光の照射パワーが7mWの場合である。 図3は、記録層に保護層を有しない光情報記録媒体の概略図であり、図3(a)は、その上面模式図であり、図3(b)は、その垂直断面模式図である。 図4は、マスター基板の概略とその作製工程を示す図であり、図4(a)は、マスター基板の上面模式図であり、図4(b)は、レーザ照射を垂直方向に模式的に見た図である。 図5は、石英からなるマスター基板の概略図である。 図6は、光学無反射膜の模式図であり、図6(a)は、その上面図であり、図6(b)は、その断面図である。 図7は、石英からなる光学無反射膜の概略図である。 図8は、混合無機材料で形成した層にレーザ光の照射を行った試料の上面から走査型電子顕微鏡写真であり、図8(a)は、レーザ光の照射パワーが8mWの場合であり、図8(b)は、レーザ光の照射パワーが9mWの場合である。
符号の説明
1 基板(ポリカーボネート製)
2 反射層
3 下部誘電体層
4 記録層
5 上部誘電体層
6 保護層
7 記録マーク
8 膨張
9 穴
10 基板(石英製)上の薄膜
11 基板(石英製)上の記録ピット
12 対物レンズ
13 レーザ光
14 基板(石英製)
15 基板(石英製)上の記録ピット
16 混合無機材料による薄膜
17 周期ピット
18 基板(石英製)
19 基板(石英製)上の周期ピット
20 混合無機材料による膜
21 膨張
22 穴

Claims (8)

  1. 混合無機材料で形成された記録層を基板上に有してなり、
    前記混合無機材料が、(A)硫黄化合物と、(B)酸化珪素と、(C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料(ただし、前記(A)硫黄化合物及び前記(B)酸化珪素とは異なる)とを含み、
    前記記録層における、少なくとも任意の一波長の光に対する光吸収能が、前記(C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料を除いてなる同厚の記録層よりも高いことを特徴とし、かつ、レーザ照射により記録層に空隙からなる記録マークを形成することを特徴とする追記型情報記録媒体。
  2. 更に誘電体層及び反射層を基板上に有してなる請求項1に記載の追記型情報記録媒体。
  3. (C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料が、(A)硫黄化合物及び(B)酸化珪素を構成する元素を含む請求項1から2のいずれかに記載の追記型情報記録媒体。
  4. (C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料が、Al、Ag、Au、Cu、Zn、Pt、Sb、Te、Ge、Si、Bi、Mn、W、Nb、Co、Sr、Fe、In、Sn、Ni、Mo、Mg、Ca、Pb及びBaから選択される元素を少なくとも1種含む請求項1から3のいずれかに記載の追記型情報記録媒体。
  5. 混合無機材料で形成されたパターン形成層を基板上に有してなり、
    前記混合無機材料が、(A)硫黄化合物と、(B)酸化珪素と、(C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料(ただし、前記(A)硫黄化合物及び前記(B)酸化珪素とは異なる)とを含み、
    前記パターン形成層における、少なくとも任意の一波長の光に対する光吸収能が、前記(C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料を除いてなる同厚の記録層よりも高く、
    前記パターン形成層が凹状パターンを有してなることを特徴とするマスター基板。
  6. 基板が、石英基板又はシリコン基板である請求項5に記載のマスター基板。
  7. (C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料が、(A)硫黄化合物及び(B)酸化珪素を構成する元素を含む請求項5から6のいずれかに記載のマスター基板。
  8. (C)金属、半金属又は半導体から選択される無機材料が、Al、Ag、Au、Cu、Zn、Pt、Sb、Te、Ge、Si、Bi、Mn、W、Nb、Co、Sr、Fe、In、Sn、Ni、Mo、Mg、Ca、Pb及びBaから選択される元素を少なくとも1種含む請求項5から7のいずれかに記載のマスター基板。
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