JP4456527B2 - 光情報記録媒体、並びにそれを用いた情報記録方法及び情報再生方法 - Google Patents

光情報記録媒体、並びにそれを用いた情報記録方法及び情報再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、大容量光ディスク技術に関し、特に大容量光ディスクを実現する光情報記録媒体と、それを用いた情報記録方法及び情報再生方法に関する。
現在、大容量情報記録技術として、単位面積内により多くの情報を格納することのできる高密度光記録技術の研究開発が進められている。現在製品化されている光ディスク技術では、レーザ光をディスク上にレンズで集光し、ディスク上に記録されたデータの再生及び/又は記録を行っている。データを高密度化するために、これまでは、集光したレーザスポットのサイズを小さくする技術が開発されてきた。スポットサイズは、光源波長をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、λ/NAに比例する。即ち、光源波長を小さく、レンズのNAを大きくすることによって、ディスク1枚に格納される情報量の大容量化が進められてきた。ここで光源波長、対物レンズのNA、直径12cmに格納されるデータの容量の組を、(波長, NA, 容量)と書くとすると、CDでは(780nm, 0.5, 650MB)、DVDでは(650nm, 0.6, 4.7GB)である。また、青色レーザ光源を用いた技術では2通りの組が提案されており、それらは(405nm, 0.85, 25GB)、(405nm, 0.65, 20GB)である。この記録容量で、高精細TV画像のデータを約2時間記録することができる。
しかしながら、例えば放送局などの業務用システムやセキュリティシステムへの用途としては上記の記録容量は不足であり、例えばディスク1枚で100GB以上の容量が要求されている。また、数10年から100年程度の長期保存が望まれる画像データなどは、その大量のデータ格納媒体の保管場所の関係上、なるべく多くのデータを1枚のディスクに記録することが望まれる。その要求される容量は数100GBから1TB以上である。
しかしながら、上記の方法による更なる大容量化は困難であると思われる。まず、光源の短波長化は、光源である半導体レーザの開発が非常に困難であり、また半導体レーザが開発されたとしても、その光源は紫外光であるため、ディスク基板や保護膜が光を吸収するようになり、良好な記録再生品質を確保することが困難であると予想される。対物レンズのNAを大きくする研究は現在進められており、例えばJapanese Journal of Applied Physics第42巻1101-1104頁において、NAを1.8とした場合の技術が報告されている。しかしこのシステムでは、記録再生に用いる光が通常の伝播光ではなく、近接場光と呼ばれる、レンズに局在する光であるため、レンズをディスク表面に非常に接近させ、かつその両者の距離を保ったまま、レンズがディスク上を移動する機構を有する必要がある。このようなシステムは磁気記録のハードディスクに類似しており、光ディスクの利点であるディスクの交換が困難となる。
上記の背景から、ディスクに何らかの機構を設けることによって、実効的に光学分解能を向上させる方法が提案されている。これをここでは、超解像技術と呼ぶことにする。
Japanese Journal of Applied Physics第32巻5210-5213頁には、相変化記録膜を用いた超解像技術が報告されている。通常、相変化記録膜はCD-RW、DVD-RAM、DVD±RW、Blu-ray Discなどの書換え型ディスクの記録膜に用いられるが、ここではこの記録材料を記録膜として用いるのではなく、上記の光磁気ディスクにおける再生層と同様、光学分解能を実効的に向上させる層として用いる。このような層(膜)をここでは超解像層(膜)と呼ぶ。この方法では、再生専用(ROM)ディスクに相変化記録膜をスパッタによって製膜し、再生時に相変化記録膜の一部を融解する。ディスクの反射率が、融解した部分の方が十分に高ければ、再生信号のうち、融解した部分から得られる信号が支配的になる。即ち、相変化膜が融解した部分が実効的な再生光スポットとなる。融解部分の面積は光スポットよりも小さいので、再生光スポットが縮小したことになり、光学分解能が向上する。
記録型の超解像技術も提案されている。例えばJapanese Journal of Applied Physics第43巻L8-L10頁には、酸化白金と相変化記録膜の両方を有するディスクに、通常の記録可能な光ディスクにマークを記録するのと同様の方法でレーザパルスを照射してマークを記録し、超解像再生をすることによって記録密度を向上させる方法が報告されている。この方法では、記録レーザパワーを入射することにより、酸化白金が局所的に膨張し、相変化膜の膜厚がマークに対応して変調される。再生時には、相変化膜の膜厚の薄い部分のみを融解することにより、超解像効果を得る。このことにより、一度だけ書き込みが可能な追記型超解像光ディスクが実現される。
また、Japanese Journal of Applied Physics 第32巻5210-5213頁に記載された、相変化膜を超解像膜として用いる方法を応用し、書換え型ディスクを実現する方法が、Japanese Journal of Applied Physics第37巻L516-L518頁に報告されている。この方法では、超解像膜と記録膜に2種類の異なる相変化膜を用い、かつその膜厚によってそれぞれの相変化膜における光の吸収率を調整することにより、再生時に超解像膜を融解しながら、記録膜に記録された相変化マークを消去せずに再生する。この方法では、記録膜として用いる相変化材料の結晶化速度を、超解像膜のそれよりも遅くなるように材料を選択する。このことにより、再生時に記録マークが消去されにくくなり、再生耐力が確保される。
特開平7-244870号公報 特開平5-282674号公報 特開平5-159357号公報 Japanese Journal of Applied Physics42, 1101-1104 Japanese Journal of Applied Physics 32, 5210-5213 Japanese Journal of Applied Physics43, L8-L10 Japanese Journal of Applied Physics 37, L516-L518
通常の超解像光ディスクは、データ再生時に超解像効果を利用することにより、記録データの高密度化を図るが、記録時には通常の熱記録であるため、微小マークを再現性良く記録することが困難であった。
本発明は、高密度記録再生が可能な光ディスク媒体、それを用いた情報記録方法、及び情報再生方法を提供することを目的とする。
本発明では、記録時にも超解像効果を示すような光ディスクを作製することによって上記目的を達成する。光ディスク上に、相変化材料からなるピットとそれとは異なる記録膜を設ける。相変化ピットは単一周波数のパターンを有する。記録時に単一の相変化ピットを融解し、その領域の記録膜の光吸収や温度を制御することにより、相変化ピットと同程度のサイズのマークを記録膜に形成することができる。再生時にも単一の相変化ピットを融解させる。その融解領域の光学特性が他の領域の光学特性と異なることにより、超解像効果により、融解領域のデータのみを再生することができる。
本発明による光情報記録媒体は、記録光照射及び再生光照射によって融解する複数のピットが規則的に配置されたピットパターン膜と、溶解したピットを介した記録光照射によって記録マークが形成される記録膜とを有するものである。
本発明による情報記録方法は、複数のピットが規則的に配置されたピットパターン膜と記録膜とを有する光情報記録媒体へ情報を記録する情報記録方法であり、情報記録媒体の情報記録位置に記録光の光スポットを位置付ける工程と、光スポットによって照射されているピットパターン膜の複数のピットのうちの1つのピットを融解する工程と、融解したピットを介して記録膜の光学特性を変化させ、その融解したピットに対応する記録膜の領域に記録マークを記録する工程とを有する。
本発明による情報再生方法は、複数のピットが規則的に配置されたピットパターン膜と記録膜とを有する光情報記録媒体に記録された情報を再生する情報再生方法であり、再生光の光スポットを複数のピットに順次位置付け、光スポットによって照射されている複数のピットのうちの1つのピットを融解する工程と、反射光強度を検出する工程とを有する。
本発明によると、記録型の高密度光ディスク、すなわち追記型、或いは書き換え型の超解像光ディスクが得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による光ディスクの一例を示す説明図であり、図1(a)は断面摸式図、図1(b)は平面摸式図である。本例の光ディスクは、基板101上に保護膜102、保護膜104、記録膜105、保護膜106を積層した構造を有する。保護膜104中にはGeSbTeやAgInSbTeなどの相変化材料からなるパターンピット103が設けられている。全てのパターンピット103はほぼ同じサイズを有する。
記録及び再生時には、対物レンズ107で入射光108を収束してできた光スポット110によってパターンピット103の形成されている保護膜104を照射し、光スポット110によって照射されているパターンピット103のうち、最も光強度の強い部分に存在するパターンピット109のみを融解する。このことによって、光スポット内に存在する複数のパターンピットのうち、融解したパターンピット109の部分のみの光学条件が他の光学条件と異なるため、融解した部分のみでのデータの記録及び再生が可能となる。このことを、以下に具体的に説明する。
まず、記録原理について説明する。図1に示した光ディスクに対して、図2(a)に示すような3つの領域を定義する。
領域1:ピットが存在しないスペース部分
領域2:固体ピット部分
領域3:入射光強度の強い部分で単一のピットが融解した部分(融解ピット部分)
記録膜105に微小マークを記録するに当たっては、融解ピット領域3にのみマークを記録する。そのために、光スポットの中心がピットの中心付近に来たタイミングで、レーザパルスを与える。そのレーザパルスの強度は、単一のパターンピットが融解する程度にする。この時、領域3における記録膜105の光吸収率が、他の2領域に比較して大きければ、領域3に対応する記録膜の部分が局所的に吸光し、その部分のみに微小なマークを記録することができる。即ち、領域nでの記録膜での光吸収率をAnと書くと、A3>A1及びA3>A2とすればよい。これは光ディスクを構成する材料とピットの固体状態及び融解状態の屈折率を考慮して光ディスクを作製することによって可能となる。この場合の記録メカニズムは、加熱による物理変化、結晶構造変化、化学変化でもよいし、また、光子の吸収によって誘発される化学変化でもよい。
上記の記録方法では、記録パルスを与える時の光スポットの位置とパターンピットの位置を合わせる必要がある。このことは、次のいずれかの方法で実現される。第1の方法は、記録時にパターンピットを読み取り、その信号とドライブのクロック信号の位相をPLL(phase-locked loop)回路を用いて合わせる方法である。そのために、記録時に全てのパターンピットを融解する。第2の方法は、光ディスクのトラック上に規則的に、PLL用パターンピットを予め作製しておく方法である。この場合、このPLL用パターンピットは、光スポットの光学分解能以上であり、通常の再生方式で信号が得られる程度に大きなサイズを有することが望ましい。また、PLLによって合わせた位相は、時間と共にずれを生ずるので、PLL用パターンピットは、ある程度規則的に現れることが必要である。
次に再生原理について説明する。再生時には単一ピットを融解することにより、融解ピット部分とその他の部分の光学条件の差を用いることにより、光スポットよりも小さなマークを再生する。再生の場合は、図2(b)に示すように5つの領域を考慮する。領域1〜3は、図2(a)と同じである。
領域4:記録膜内に記録マーク201が存在し、パターンピットが固体である部分
領域5:記録膜内に記録マーク201が存在し、パターンピットが融解している部分
ここで、再生信号の振幅は領域3と領域5の光学特性の差で決定される。即ち、従来の光ディスクと同じように反射光を検出する方法では、領域3の反射率R3と領域5の反射率R5の差|R3−R5| で決まる。しかし、例えば領域2と領域4の反射率差|R2−R4| が大きいと、再生信号のノイズの要因となるので、|R2−R4| を小さくする必要がある。
即ち、記録と再生の両方の特性を確保する為には、以下の指針で光ディスク構造を設計すればよい;(1) A3>A1、(2)A3>A2、(3) |R3−R5| をなるべく大きくする、(4) |R2−R4| をなるべく小さくする。
ここで、|R3−R5| と |R2−R4 |の望ましい値を見積もる。再生信号の品質を決める大きな要因はSNRであるが、ここでは信号Sは|R3−R5| 、ノイズNは|R2−R4 | で決まると仮定する。ドライブの光源波長を405nm、対物レンズのNAを0.85、最短マーク長を50nm、トラックピッチを240nm、マーク幅を120nmと仮定する。信号Sは、ピットが融解することによって得られる。ここで媒体ノイズは、融解していないピットから得られる光強度であると仮定する。ここでピットが光ディスク上で占める面積を1/4と仮定し、光強度を1とすると、融解していないピットから得られる光強度、即ちノイズNはα|R2−R4| /4と書ける。ここでαは定数である。一方、光スポットの中心が最短マークの中心上にある場合には、光強度の約3.2%がマークに照射されるので、融解ピットから得られる光強度は0.032α|R3−R5| となる。よってSNRは0.128|R3−R5| /|R2−R4| と書ける。
必要とされるSNRは、信号再生系に強く依存するが、ここでは仮に17dBであると仮定すると、|R3−R5| /|R2−R4| ≧55.2であれば十分なSNRが確保されることがわかる。再生信号系に信号処理システムを組み込むことにより、これよりも低いSNRでも実用に十分に耐え得る程度に低いエラー率でデータを再生することができる。
上記の方法では、記録時、再生時両方でパターンピットを融解する。パターンピットが相変化光ディスクの記録膜に使用されるGeSbTeやAgInSbTeなどである場合、その融点は典型的には550〜650℃である。パターンピット109内で生じた熱は拡散し、保護膜104内を通過して、記録膜105へ到達する。この熱で記録膜105が反応すると、再生光によってマークが記録されたり、既に記録されているマークの形状を乱す原因となる。このことを避けるためには、記録膜のマーク形成のための温度がある程度以上大きくなければならない。パターンピットで発生した熱がどの程度記録膜の温度に影響するかは、保護膜105の膜厚や熱伝導率などに依存するが、今仮に、記録膜の温度はパターンピットの温度とほぼ同じと仮定する。通常の相変化光ディスクにマークを記録する場合、記録膜内の最高到達温度は800℃〜900℃に達する。このことから、本発明におけるパターンピットを融解しながら再生する場合も、記録膜内の温度は高い部分では900℃前後になっていると思われる。よって、記録膜の反応閾温度が低いと、再生光によってマークが書かれたり、既に記録されているマークの形状に影響を及ぼす。このことから、記録膜の反応閾温度は1000℃以上であるとことが望ましい。また、反応閾温度があまりにも高すぎると、近接している保護膜がマーク記録時に剥離・変形を生じる可能性がある。それを回避するために、記録膜の反応閾温度は1500℃以下であることが望ましい。即ち、反応閾温度が1000℃以上1500℃以下である記録メカニズムと記録膜材料を選択することが必要である。
上記の条件を満たす記録メカニズムは、例えば2つの材料を融解して混合する方法などが挙げられる。即ち、材料Aと材料Bからなる膜を隣りあわせで製膜する。その膜に光を入射することによって膜の温度が上昇し、材料AとBの両方が融解し、その結果、融解した領域ではAとBが混合する。AとBが別々に存在する場合と混合した場合との反射率の差を用いれば、記録マークの再生が可能となる。この場合、反応は不可逆であるので、この光ディスクは追記型光ディスクとなる。
上記のメカニズムを利用し、かつ反応閾温度を1000℃以上1500℃以下とするためには、材料A、材料Bの各々の融点が1000℃以上1500℃以下であればよい。そのような材料としては、Si,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Y,Zr,Nb,Pd,Gd,Hf,Pt,Auがある。この中のいずれかの少なくとも1種類ずつを用いて2つの膜を作製すれば、上記の要求を満たすことができる。
Japanese Journal of Applied Physics 37, L516-L518の方法を本発明に応用することにより、本発明を用いた書換え型光ディスクの製造も可能である。ここでは、パターンピットと記録膜の両者の膜厚、及び両者間の距離を十分に保つことにより、再生時に記録膜内のマークを消去せずに再生し、かつパターンピットを用いて微小相変化マークを記録することができる。
また、記録膜は透明物質でもよい。パターンピットにおいて発生した熱がその透明物質へ伝導し、そのことにより透明物質の屈折率が変化したり、或いは変形が起こることによってマークを記録することができる。記録膜として用いることのできる透明物質は、例えば酸化物や窒化物で、高温で酸素や窒素を乖離し、着色する物質である。その例としては、例えばTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,W,Pt,Auの酸化物が利用可能である。また、UV硬化樹脂も利用可能である。UV硬化樹脂のガラス転移点は一般的に150〜250℃であり、それ以上の温度で変形する。パターンピットにおいて局所的に発生した熱で、UV硬化樹脂を局所的に変形させることができる。記録膜を透明物質で形成すれば、光ディスクの透過率が向上し、Japanese Journal of Applied Physics 43, L8-L10に記載してあるように、多層光ディスクを作製することができる。
次に、パターンピットの作製方法について述べる。パターンピットは、相変化記録膜の結晶部分とアモルファス部分の、アルカリ溶液に対する溶解度を利用して凹凸パターンを加工する相変化エッチング法を用いて作製することができる。何らかの方法でパターンピットに対応する相変化マークを形成し、その後、アルカリ溶液でエッチングすることによって、パターンピットが作製される。
図3は、本発明の光ディスク作製のプロセス説明図である。後にパターンピットとなるアモルファスマークを記録する前に、図3(a)に示すように膜を積層する。すなわち、下部基板301上に、下部保護膜302、相変化膜(アモルファス)303、上部保護膜304、反射膜305、上部基板306を積層する。相変化記録膜303はスパッタによって製膜した場合はアモルファス状態であるので、図3(b)のように結晶化して結晶化した相変化膜307とする。結晶化は、図3(a)の試料をベークしてもいいし、レーザ光を照射し、その際に記録膜に光が吸収されることによって発生する熱で行っても構わない。次に、図3(c)に示すように、試料にレーザ光を照射してアモルファスマーク308を記録し、その後、図3(d)に示すように上部保護膜304を剥離する。上部保護膜304が例えばSiO2などの場合、相変化膜との接着性が低いため、比較的容易に剥離する。例えばそのSiO2の一部が相変化膜上に残っていたとしても、次のエッチングの過程で容易に剥離する。
次に、図3(e)に示すように、試料をアルカリ溶液に浸して結晶部分を溶解して凹凸ピット(パターンピット309)を作製し、それに保護膜、記録膜を製膜して基板をUV樹脂などで接着して図3(f)のような光ディスクを作製すれば、図1(a)のような光ディスクになる。図3(f)の状態でも光ディスクとして機能するが、この状態だと凹凸は反射膜まで残っており、この点が図1(a)に示した光ディスクと異なる。
図1(a)に示した構造にするには、図3(e)の工程の次に、まず保護膜のみを製膜する。この時に、相変化膜のピットを結晶化しておく。この試料をアルカリ溶液に短時間浸すと、相変化膜の部分の表面が溶解し、相変化膜のピット部分の上にある保護膜のみがリフトオフされ、図3(h)のように平坦になる。或いは保護膜がSiO2であった場合、ピット部分が溶解する前に液体に浸しただけで剥離する。この場合、液体はアルカリ溶液である必要はなく、例えば水でも構わない。図3(h)の試料に反射膜を製膜し、基板を接着すれば、図3(i)に示すように図1(a)と同じ構造の光ディスクを得ることができる。
図3に示した方法は、1枚の光ディスクを作製するのに、マークを一つ一つ記録する必要があり、時間を要する。一方、通常のROMディスクの作製には、原盤を作製する際はマークを一つ一つ記録して凹凸を作製するが、その原盤からスタンパを作製し、スタンパに溶解したポリカーボネートを流し込み、凹凸パターンの複製を作製する。これを射出成型と呼ぶ。この方法だと、原盤を作製するには時間を要するが、スタンパを作製した後は、光ディスク1枚あたりの生産時間は非常に短くなる。
上記の生産時間の問題を解決する方法の一つとして、図4に示す方法がある。まず、図3に示した方法を用い、パターンピットに対応する凹凸を有するスタンパを作製しておく。このことは、図3(e)の試料をスタンパにすることによって可能となる。一方、図4(a)に示すように、基板401上に保護膜402、アモルファス状態の相変化膜403を製膜する。ここに、図4(b)に示すように、上記のように作製したスタンパ404を押し付ける。この状態で、スタンパの凹凸の凸部分のみが相変化膜403に接している。ここでスタンパ404と相変化膜の間に電圧パルスを印加する。このことにより相変化膜内を電流が流れ、ジュール熱が発生するが、電流密度はスタンパ404と相変化膜403の接触面で最も大きいため、その部分で最も熱が発生する。このことにより、図4(c)に示すように、結晶マーク405が形成され、スタンパ404の凹凸パターンが相変化膜403中に結晶及びアモルファスのパターンとして転写される。この試料をエッチングすることにより、図4(d)に示すように、パターンピットが形成される。図4(d)の状態は図3(e)の状態と同じであり、この後のプロセスは図3(e)以降のそれと同じである。
電流による相変化は、ナノ秒からマイクロ秒の時間で起こるため、図4のプロセスは時間を要しない。エッチングは数10分から1時間程度の時間を要する場合があるが、アルカリ溶液に浸すだけなので、数100枚から1000枚のディスクを同時にエッチングすることが可能である。よって図4のプロセスによって、現在の射出成型と遜色ない生産時間を実現することが可能となる。
次に、パターンピットの形状について述べる。今、ピットのトラック方向の長さをLm、トラックに垂直な方向の長さ、即ち幅をWmと書く。通常のROMディスクの場合、Lm≧Wmである。今、LmとWmの大小関係を、長いマークから順に見ると、Lm=Wmとなった後、Lm=Wmを保ったまま、Wmが小さくなる。このことは、ROMディスクの記録マークが、感光するレジストにどれだけフォトンが吸収されたかで決定される、いわゆるフォトンモードで記録されていることに起因する。この場合、短いマークの場合には円形となるので、ここではこれを円形マークと呼ぶ。一方、一部の相変化光ディスクには、短いマークがLm≦Wmの関係を有するような光ディスクがある。このことは相変化記録膜の結晶化メカニズムに起因することが、Japanese Journal of Applied Physics第41巻631-635頁に報告されている。このようなマークはシェブロンマークと呼ばれる。シェブロンマークの利点は、短いマークでも幅が広いためにマーク面積が大きく、大きな再生信号が得られることである。よってパターンピットをシェブロンマークで形成しておけば、非常に小さなマークでも十分な信号振幅を得ることができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
[第1形態]
本発明を、AgとFeを記録膜として用いて実現した場合について述べる。
図5(a)に示す構造の光ディスクを作製した。薄膜は全てスパッタによって製膜した。ガラス基板508上に、膜厚200nmのAg膜507、膜厚5nmのSiO2膜506、膜厚5nmのアモルファス状態のGe2Sb2Te5膜505、膜厚5nmのCr2O3膜504、膜厚110nmのSiO2膜503、膜厚5nmのCr2O3膜502、及び膜厚0.1mmのポリカーボネートシートを積層した。次に、図5(b)に示すように、アモルファスに近い状態である相変化膜505をレーザ照射によって結晶化し結晶化した相変化膜509とする。次に、この光ディスクにレーザ光を照射し、記録膜を局所的に融解することによって、図5(c)のようにアモルファスマーク510を記録する。
その記録装置の構成例を図6に示す。この装置はマーク再生機能も兼ね備えており、その構成は通常の光ディスクドライブとほぼ同じである。
光ディスク607はスピンドル615によって回転駆動される。半導体レーザ601から出射された直線偏光である光は、レンズ602によって平行光となる。偏光ビームスプリッタ603を、上記の直線偏光を透過するように設定しておけば、その直線偏光の殆ど全ての光量が透過する。λ/4板604で、直線偏光から円偏光に変換された光は、ミラー605、対物レンズ606を通って光ディスク607上に集光スポットを作る。光ディスクからの反射光は対物レンズ606、ミラー605を通り、λ/4板604によって再び円偏光から直線偏光に変換される。この直線偏光の偏光面は、半導体レーザ601から出射された直線偏光の偏光面とは垂直になっている。このため、偏光ビームスプリッタ603において、その殆ど全ての光量の経路が90°変更し、ハーフミラー608とミラー609に入射される。それらの光の一方は、オートフォーカスサーボ信号用の検出器610に、他方は再生信号及びトラッキング信号用検出器611に入射される。これらの検出器で検出された信号は、信号処理・制御システム612に入力される。信号処理・制御システム612の機能は、アクチュエータ613を制御することによる対物レンズ606の位置調整、記録に必要なレーザ光の波形を作成すること、再生光パワーの調整、再生信号の演算などである。
本装置は、光ディスクとヘッドの位置関係を測定するためのレーザ干渉計614を有する。この信号は信号処理・制御システム612へ送られ、光ディスクにトラックやトラッキングサーボ用のマークがない場合でも、ほぼ一定のトラックピッチを有するマークパターンを光ディスクに記録することができる。
ここでは、図6の装置の光源波長を405nm、対物レンズ606の開口数(numerical aperture; NA)を0.85とした。
図6の装置を用い、図5(c)のように、パターンピットの元となるアモルファスマーク510を記録した。ここでは光ディスクを、スポットとの相対速度が5m/sになる速度で回転した。また、トラックピッチは240nmとした。記録するためのレーザの出射波形を図7に示す。この条件により、図8に示すように、ピット長さとスペース長さが共に50nmの円形のアモルファスパターンが形成された。ただし、アモルファスマーク1000個を1組とし、組と組の間に、ピット長さとスペース長さが共に150nmであるパターンを50個挿入した。このパターンは、記録の際にパターンピットとレーザパルスのタイミングを調節するために用いられる。これをここでは、VFOパターンと呼ぶ。この詳細は後述する。
図5(c)の光ディスクのシート501を剥がすと、図5(d)のようになる。この理由は、相変化膜505とSiO2 506の接着性が低く、この両者の界面で膜が剥がれるからである。この試料を、pH13のNaOHに1時間浸すことにより、相変化膜505の結晶部分が溶解され、図5(e)のようにパターンピット511が形成される。この試料に、図5(f)のように、膜厚5nmのCr2O3膜512、膜厚30nmのAg膜513、膜厚30nmのFe膜514、膜厚20nmのSiO2膜515、膜厚100nmのAg膜516をスパッタで製膜した。
この光ディスクにデータを記録する際には、Ag膜513とFe膜514を融解し、AgとFeの合金状態をマークとする。AgとFeの単体の薄膜と、AgとFeの合金では反射率が異なるため、通常の光ディスクドライブのように、反射光量によって記録マークを読み出すことができる。
図5(f)の光ディスクの反射率を表1に示す。本発明の光ディスクの反射率は、パターンピットの状態、及び記録膜におけるマークの有無に依存するので、各場合について記載してある。
Figure 0004456527
前述のように、本発明の信号雑音比(Signal-to-noise ratio;SN比)を確保するためには、以下の4つの指針が必要である;(1) A3>A1、(2) A3>A2、(3) |R3−R5| をなるべく大きくする、(4) |R2−R4| をなるべく小さくする。ここで、Rnは領域nにおける反射率、Anは領域nの記録膜の吸収率である。
表1において、条件(1)(2)は満たされており、かつ、A3−A1、A3−A2は十分に大きいため、パターンピットが融解した領域のみを、十分なマージンを確保しながら記録することができる。
また、表1では、|R3−R5|=7.1%である。この値は、例えば現在製品化されている記録型2層光ディスクのマークとスペースの反射率差の典型的な値である5%よりも大きく、十分な信号振幅が得られる。また、|R2−R4|≒0であるため、パターンピットが融解しない限りは、記録膜におけるマークの有無の差は検出されない。このため、他のマークからの外乱が信号に含まれないため、高いSN比を得ることができる。
図6に示した装置で、この光ディスクにレーザパルスを照射することによってマークを記録し、かつそのマークを図6の装置で読み出した。
記録の際には、線速度5m/sで図7と同様の記録波形を用いた。ただし、記録パワーは5mWとした。Ag、Fe、及びその合金の融点はそれぞれ、約1000℃、1500℃、1000℃である。この記録条件によって、パターンピットが融解した領域の記録膜における温度が1500℃程度に達することにより、AgとFeの単体が混ざり合い、合金から成るマークが形成された。
変調符号は、Blu-ray Discと同様の1-7変調を用いた。この変調では、ウィンドウ幅をTwと書くとすると、最短マーク長は2Tw、最長マーク長が8Twである。ここでは、パターンピット1個を1Twとし、nTwの長さのマークは、n個の連続したパターンピットの領域の記録膜にマークを記録した。このことにより、この光ディスクのデータ容量は約50GBとなる。
記録の際、レーザパルスとパターンピットの位置を合わせるために、上記のVFOパターンを用いた。VFOパターンを読み出した信号と、ドライブの内部クロックの位相を、ドライブ内にある位相ロックループ回路によって合わせることにより、ドライブのクロック信号から、パターンピットの位置を知ることができるため、クロック信号を用いてレーザパルスのタイミングを調節することができる。
線速度5m/sでDCパワーを照射して再生した際の、再生光パワーPrとデータエラー率の関係を図9に示す。ここでは、Pr=1.8mWでエラー率約1.2×10-5が得られた。これは、実用化に必要とされる1×10-4のエラー率よりも十分に小さい。この再生条件により、約110MHzのデータ転送レートが可能となった。
次に、再生の際にパルス光を入射した。ここでは、長さ1nsのパルスを10nsに一回照射した。パルスのタイミングは、上記の記録の場合と同様、VFOパターンを用いて位相を合わせることにより、調節した。光ディスク線速度は5m/sとした。このことにより、パターンピット上に1nsのパルスが照射される。この条件で再生した信号のパルスパワーPrとデータエラー率の関係を図10に示す。DCパワーによる再生の時よりもエラー率が低くなった理由は、パルス照射によってパターンピット間の熱干渉が抑制されたことであると推測される。即ち、原理的には記録再生時に単一ピットを融解するが、光ディスクの欠陥などによる熱伝導の揺らぎや、光スポットのフォーカス位置やトラック中心からのずれなどにより、複数ピットを同時に融解することがある。パルス照射では、パターンピットの中心に光を照射し、スポットが次のピット上に来るまでは微弱な光を照射するため、スポットがピット間を移動する間に、ピットにおいて発生した熱が十分に拡散する。このことにより、複数ピットが同時に融解される確率が減り、エラー率が低減される。
[第2形態]
ここでは、シェブロン型のパターンピットを形成した場合について説明する。
第1形態と同じ、図5(a)に示した構造の光ディスクの相変化膜に、図6の装置でアモルファスマークを記録した。ただし、ここでは相変化膜としてGe2Sb2Te5ではなく、Ge5Sb70Te25を用いた。この相変化膜は、Japanese Journal of Applied Physics第41巻631-635頁に記載しているような、シェブロンマークの形成を可能とする。記録条件は、ディスク線速度2m/s、トラックピッチ240nm、記録波形は図11に示すものを用いた。このことにより、マーク長20nm、スペース長20nmのシェブロン型のアモルファスマークを記録することができた。
この光ディスクを図5(d)(e)に示すように剥離、エッチングし、パターンピットを形成した。この光ディスクを、ガラス基板上にUV樹脂を塗布した試料に接触させることにより、UV樹脂内にパターンピットの型を取った。この試料にNiをメッキすることにより、図4(b)のスタンパ404を作製した。このスタンパを用い、図4の方法で光ディスクを作製した。図4(b)でスタンパのパターンをディスクに転写する際に、両者の間に10V、10nsの電圧パルスを印加した。作製した光ディスクの構造は、図5(f)に示したものである。
この光ディスクに、第1形態と同じ条件でマークを記録した。データ再生時には、第1形態で述べたパルス光を照射し、パルスパワーを2.8mWとした。再生信号のエラー率は、1.4×10-6であった。マーク長が第1形態よりも小さいにも関わらず、エラー率が低い理由は、パターンピットがシェブロン型であるからであると推測される。シェブロンマークは横幅が広いため、マーク長が小さくてもマーク面積が大きいため、再生信号振幅が極端に小さくならない。このことは相変化記録の利点であるが、本発明ではシェブロン型のピットが融解した部分にマークを記録するため、AgとFeのマークもシェブロン型になる。そのため、再生信号振幅を確保することができた。
このことにより、データ容量が約250GBの光ディスクを、約270MHzのデータ転送レートで記録再生することができた。
[第3形態]
記録膜としてSiとCrを用いた場合について説明する。
第2形態に示した方法でスタンパを作製した。スタンパのパターンを、スパッタにより作製した次の構造の光ディスクに、第2形態の方法と同様に転写した;0.1mm厚ポリカーボネートシート / SiO2(50nm) / Cr2O3 (5nm) / Ge5Sb70Te25(5nm)。 転写後、第1形態と同じ条件でエッチングし、図4(d)の状態とした。この試料上に以下のように製膜した;Cr2O3(5nm) / SiO2(20nm) / Si(10nm) / Cr(10nm) / SiO2 (110nm) / Ag(30nm) 。このディスクのAg膜の上に、UV硬化樹脂を用いて膜厚1.1mmのポリカーボネート基板を貼り合わせ、光ディスクを作製した。この光ディスクの光学特性を表2に示す。
Figure 0004456527
この光ディスクに、第2形態と同様の条件でマークを記録した。ディスク線速度を5m/sとし、図7に示した記録波形を用い、記録パワーは8mWとした。記録したデータを、第1形態で述べたパルス照射によって再生したところ、エラー率7.8×10-6であった。
[第4形態]
本発明を書換え型光ディスクに応用した場合について説明する。
第3形態の方法と同様に、図4(d)の状態の試料を作製した。パターンを転写した試料の構造は、以下の通りである;0.1mm厚ポリカーボネートシート / SiO2(73nm) / Cr2O3 (5nm) / Ge5Sb70Te25(5nm)。
この試料にスパッタによって以下のように製膜した;Cr2O3(5nm) / ZnS-SiO2(100nm) / Cr2O3(5nm) / Ge2Sb2Te5 (10nm) / ZnS-SiO2 (40nm) / SiO2 (10nm) / Ag(200nm)。この光ディスクの光学特性を表3に示す。
Figure 0004456527
この光ディスクに、線速度5m/sで相変化マークを記録した。ここでは、図12に示す記録波形を用いた。再生時には、線速度5m/s、パワー1.9mWで、第1形態で述べたパルス再生を行ったところ、エラー率は5.4×10-5であった。
[第5形態]
本発明の記録膜に透明酸化膜を用い、2層光ディスクを作製した場合について説明する。
第3形態と同様に、図4(d)のような試料を作製した。ここでは、2種類の異なる構造の試料にパターンを転写した。
構造1:0.1mm厚ポリカーボネートシート / SiO2(40nm) / Cr2O3 (5nm) / Ge5Sb70Te25(5nm)。
構造2:1.1mm厚ポリカーボネートシート / Ag(100nm) / SiO2 (15nm) / ZnS-SiO2 (55nm) / Ge5Sb70Te25(5nm)。
上記の2つの試料をエッチングし、図4(d)の状態とした。構造1、構造2の試料に更にスパッタによって次に記す構造の膜を製膜することにより、それぞれ構造1’及び2’とした。
構造1’: Cr2O3(5nm) / SiO2(80nm) / Ag2O (10nm) / SiO2 (40nm)
構造2’: Cr2O3(5nm) / SiO2(100nm) / Ag2O (13nm) / SiO2 (70nm) / Ag(100nm)
構造1’と構造2’をUV硬化樹脂で貼り合わせ、2層光ディスクを作製した。UV硬化樹脂の厚さは20μmとした。ここで、構造1’を光入射側とし、構造2’を奥側とした。ここでは、構造1’を第1層、構造2’を第2層と呼ぶこととする。
第1層及び第2層の光学特性を表4に示す。ここで第2層の反射率は、第2層の構造を有する単層光ディスクの反射率を示している。Ag2Oが透明であるため、第1層の未記録部分の透過率は高い。
Figure 0004456527
第1層の平均透過率を見積もる。第2層を記録再生する場合、第1層のパターンピットは融解しないため、領域1、2、4の平均を求めればよい。通常の光ディスクでは、マーク面積はディスク面積の1/3〜1/4である。ここではディスク面積の1/3がパターンピットであり、その1/2がマークであると仮定すると、第1層目の透過率T1は、第1層目の領域1、2、4の透過率T1 1、T1 2、T1 4を用いて、以下のように書ける。
Figure 0004456527
上式より、T1は約83.2%と算出される。
この光ディスクに、線速度5m/sで、図11の記録波形でマークを記録した。ただし記録パワーは、第1層目の記録には10mW、第2層目の記録には15mWとした。データの再生時には、第1形態と同様にパルス照射をした。ここで入射したパルスパワーは、第1層目には2.8mW、第2層目には3.9mWとした。第1層目、第2層目のエラー率は、それぞれ8.8×10-5、5.9×10-5であった。
本発明による光ディスクの一例を示す説明図であり、(a)は断面摸式図、(b)は平面摸式図。 本発明の記録再生時の動作の説明図であり、(a)は記録時の動作の説明図、(b)は再生時の動作の説明図。 本発明の光ディスク作製のプロセス説明図。 本発明の光ディスク作製におけるパターンピット転写方法の説明図。 本発明の第1形態の光ディスク作製の説明図。 記録再生装置の構成例を示す図。 第1形態で用いた記録波形を示す図。 第1形態で作製したパターンピットの概略図。 第1形態の光ディスクをDC光で再生した場合の、再生光パワーとデータエラー率の関係を示す図。 第1形態の光ディスクをパルス光で再生した場合の、再生光パワーとデータエラー率の関係を示す図。 第2形態で用いた記録波形を示す図。 第4形態で用いた記録波形を示す図。
符号の説明
101:基板、102:保護膜、103:パターンピット、104:保護膜、105:記録膜、106:保護膜、107:対物レンズ、108:入射光、109:融解したパターンピット、110:光スポット、
301:下部基板、302:下部保護膜、303:アモルファス状態の相変化膜、304:上部保護膜、305:反射膜、306:上部基板、307:結晶化した相変化膜、308:アモルファスマーク、309:パターンピット、401:基板、402:保護膜、403:アモルファス状態の相変化膜、404:スタンパ、405:結晶マーク、501:ポリカーボネートシート、502:Cr2O3、503:SiO2、504:Cr2O3、505:アモルファス状態のGe2Sb2Te5、506:SiO2、507:Ag、508:ガラス基板、509:結晶化したGe2Sb2Te5、510:アモルファスマーク、511:パターンピット、512:Cr2O3、513:Ag、514:Fe、515:SiO2、516:Ag、601:半導体レーザ、602:コリメートレンズ、603:偏光ビームスプリッタ、604:λ/4板、605:ミラー、606:対物レンズ、607:光ディスク、608:ハーフミラー、609:ミラー、610:フォーカスサーボ信号検出器、611:再生信号・トラッキング信号検出器、612:信号処理・制御システム、613:アクチュエータ、614:レーザ干渉計、615:スピンドル。

Claims (8)

  1. 光を入射することによって情報を記録又は再生する光情報記録媒体において、
    基板と、
    前記基板上に形成され、記録光照射及び再生光照射によって融解する複数のピットが規則的に配置されたピットパターン膜と、
    前記融解したピットを介した記録光照射によって記録マークが形成される記録膜とを有し、
    前記記録膜に記録マークが記録されていないとき、前記ピットが融解した領域における前記記録膜の光吸収率は、前記ピットが融解していない領域における前記記録膜の光吸収率及びピット間の領域における前記記録膜の光吸収率より大きいことを特徴とする超解像光情報記録媒体。
  2. 請求項1記載の超解像光情報記録媒体において、前記複数のピットはトラックに沿って単一周波数のパターンとして形成されていることを特徴とする超解像光情報記録媒体。
  3. 請求項1記載の超解像光情報記録媒体において、前記複数のピットはほぼ同じ大きさを有することを特徴とする超解像光情報記録媒体。
  4. 請求項1記載の超解像光情報記録媒体において、前記ピットを構成する材料がGe,Sb,Te,Ag,Inの少なくとも一つを含むことを特徴とする超解像光情報記録媒体。
  5. 請求項記載の超解像光情報記録媒体において、前記ピットが融解し前記記録膜に記録マークが記録されていない領域の反射率R3と前記ピットが融解し前記記録膜に記録マークが記録されている領域の反射率R5の差|R3-R5|は、前記ピットが融解しておらず前記記録膜に記録マークが記録されていない領域の反射率R2と前記ピットが融解しておらず前記記録膜に記録マークが記録されている領域の反射率R4の差|R2-R4|より大きいことを特徴とする超解像光情報記録媒体。
  6. 複数のピットが規則的に配置されたピットパターン膜と記録膜とを有し、前記記録膜に記録マークが記録されていないとき、前記ピットが融解した領域における前記記録膜の光吸収率は、前記ピットが融解していない領域における前記記録膜の光吸収率及びピット間の領域における前記記録膜の光吸収率より大きい光情報記録媒体へ情報を記録する情報記録方法であって、
    前記情報記録媒体の情報記録位置に記録光の光スポットを位置付ける工程と、
    前記ピットパターン膜の前記光スポットによって照射されている複数のピットのうちの1つのピットを融解する工程と、
    前記融解したピットを介して前記記録膜の光学特性を変化させ、前記融解したピットに対応する前記記録膜の領域に記録マークを記録する工程と
    を有することを特徴とする情報記録方法。
  7. 複数のピットが規則的に配置されたピットパターン膜と記録膜とを有する光情報記録媒体に記録された情報を再生する情報再生方法であって、
    再生光の光スポットを前記複数のピットに順次位置付け、前記光スポットによって照射されている複数のピットのうちの1つのピットを融解し、前記ピットが融解した領域の反射率をピットが融解していない領域の反射率から変化させる工程と、
    反射光強度を検出する工程と
    を有することを特徴とする情報再生方法。
  8. 請求項記載の情報再生方法において、前記ピットが融解し前記記録膜に記録マークが記録されていない領域の反射率R3と前記ピットが融解し前記記録膜に記録マークが記録されている領域の反射率R5の差|R3-R5|は、前記ピットが融解しておらず前記記録膜に記録マークが記録されていない領域の反射率R2と前記ピットが融解しておらず前記記録膜に記録マークが記録されている領域の反射率R4の差|R2-R4|より大きいことを特徴とする情報再生方法。
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