JP2006031936A - 光学的情報記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 書き換え可能な複数の情報記録層を有する光学的情報記録媒体に、情報信号を良好に記録する。
【解決手段】 記録すべき情報信号に対応した記録パルスの波形を定めた複数種類の記録パルス制御規則を、光ディスク1に予め記録しておく。光ディスク1への記録時には、光の入射側から最も遠い第1の情報記録層21よりも、光の入射側に近い第2の情報記録層23の方が、光ビームの集光による記録層の温度変化が時間的により急冷になるような記録パルスを用いて情報を記録する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、情報記録層を複数有する光学的情報記録媒体と、これに情報を記録するための光学的情報記録方法および光学的情報記録再生装置に関する。
近年、映像もしくは音声信号などの情報信号を記録再生できる光ディスクの開発が盛んである。なかでも情報記録層を2層積層して記録容量を2倍にした光ディスクは、DVD(Digital Versatile Disc)として再生専用のものが既に商品化されている。このような複数の情報記録層を有する光ディスクでは、例えば特開昭54−130902号公報(特許文献1)に記載されているように、入射光源側からみて遠い方にある記録層に十分な光量を到達させるため、手前の記録層を半透明にしている。
一方、高密度な記録が可能な光ディスク媒体の一つに相変化型光ディスクがある。相変化型光ディスクへのデータの記録は、レーザ光を直径1μm以下のビームスポットに絞って回転するディスクに照射し、記録膜を加熱融解させることで行う。その記録レーザ光の強弱により記録膜の到達温度及び冷却過程が異なり、結晶状態とアモルファス状態の間で記録膜の相変化が起こる。
レーザ光が強い時は(これをピークパワーレベルと呼ぶ)、記録膜が融点以上に熱せられて溶融してから急速に冷却するのでアモルファス化する。レーザ光が中程度の強さの時は(これをバイアスパワーレベルと呼ぶ)、記録膜が結晶化温度よりも高く融点よりも低い状態に保たれるので結晶化する。アモルファス化した部分をマークと呼び、結晶化した部分をスペースと呼ぶことにする。このマークとスペースの長さに情報を持たせてデータを記録する方法をマークエッジ記録方式と呼ぶ。相変化光ディスクは、記録膜がアモルファス状態であっても結晶状態であっても、ピークパワーレベルで溶融させてマークを形成することができるので、一つのビームスポットで古いデータの消去と新しいデータの記録を同時に行うこと、即ちダイレクトオーバライトが可能である。
再生は、記録膜が相変化を起こさない程度に弱いレーザ光を照射し、その反射光の強さをフォトディテクタで検出する。記録膜の材料や保護層との構成により、アモルファス化したマーク部分の反射率を結晶化したスペース部分の反射率と大きく変えることができ、これにより、マーク部分とスペース部分の反射光量の違いを検出して記録データの再生信号を得ることができる。
このような相変化光ディスクを前述の2層光ディスクに適用するため様々な提案がなされている。例えば、特開2000−311346号公報(特許文献2)においては、各記録層によって記録層が異なるためレーザ光の記録パワーを各層毎に最適化することが提案されている。また、特開2000−260060号公報(特許文献3)においては、結晶化促進膜および光学的なエンハンス膜を適用することにより、手前の記録層に反射膜を利用しなくても安定して非晶質・結晶間の変化を生じさせ情報を記録することを可能にする技術が提案されている。
特開昭54−130902号公報 特開2000−311346号公報 特開2000−260060号公報
しかし、特開昭54−130902号公報(特許文献1)においては再生専用の検討が主で、光透過、吸収、反射率が実用上十分な値となる書き換え可能な媒体の検討は十分でなかった。特開2000−311346号公報(特許文献2)に開示された技術においては、同一パターンの記録パルスを複数の記録層に対して用い、ピークパワーを層毎に最適化しているに過ぎなかった。また、特開2000−260060号公報(特許文献3)に開示された技術では、光ディスクの構成が複雑化するので生産工程が増えるという課題がある。
本発明は以上の点を考慮してなされたものであって、複数の書き換え可能な情報記録層を有し、情報信号を良好に記録することのできる光学的情報記録媒体と、光学的情報記録媒体に情報信号を良好に記録するための方法および装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するため、本発明に係る光学的情報記録方法は、光ビームの集光による局所的な温度変化によって物理的な状態の変化を生じる記録層を有する情報記録層をN層(Nは2以上の整数)備えた光学的情報記録媒体に情報信号を記録する光学的情報記録方法であって、記録パルスの波形を定めた複数の記録パルス制御規則から、記録しようとする情報記録層に応じた記録パルス制御規則を選択するステップと、選択された記録パルス制御規則で定められた記録パルスに応じて前記光ビームの強度を変調することにより、前記記録層に情報信号を記録するステップとを含み、前記N層の情報記録層のうち、入射側から最も遠い層を第1の情報記録層とし、入射側に近い方へ順に第2、…第Nの情報記録層とすると、前記第2、…Nの情報記録層への記録時に選択される記録パルス制御規則は、第1の情報記録層と同一の熱特性を有する情報記録層への記録に適用した場合に、前記第1の情報記録層への記録時に選択される記録パルス制御規則に比べて、記録層の温度変化を冷却時により急峻とする記録パルス波形に対応することを特徴とする。
本発明に係る光学的情報記録再生装置は、光ビームの集光による局所的な温度変化によって物理的な状態の変化を生じる記録層を有する情報記録層をN層(Nは2以上の整数)備えた光学的情報記録媒体に情報信号を記録する光学的情報記録再生装置であって、記録パルスの波形を定めた複数の記録パルス制御規則から、記録しようとする情報記録層に応じた記録パルス制御規則を選択する規則選択部と、選択された記録パルス制御規則で定められた記録パルスに応じて強度を変調した光ビームを照射することにより、前記記録層に情報信号を記録する光学記録部とを備え、前記N層の情報記録層のうち、入射側から最も遠い層を第1の情報記録層とし、入射側に近い方へ順に第2、…第Nの情報記録層とすると、前記第2、…Nの情報記録層への記録時には、前記規則選択部が、第1の情報記録層と同一の熱特性を有する情報記録層への記録に適用した場合に、前記第1の情報記録層への記録時に選択される記録パルス制御規則に比べて、前記光ビームの集光による記録層の温度変化を冷却時により急峻とする記録パルス制御規則を選択することを特徴とする。
本発明に係る光学的情報記録媒体は、光ビームの集光による局所的な温度変化によって物理的な状態の変化を生じる記録層を有する情報記録層をN層(Nは2以上の整数)備え、光ビームの強度の変調により情報信号が記録される光学的情報記録媒体であって、前記光ビームを変調させる記録パルスの波形を定めた記録パルス制御規則情報があらかじめ格納されるコントロールデータ領域を備え、前記N層の情報記録層のうち、入射側から最も遠い層を第1の情報記録層とし、入射側に近い方へ順に第2、…第Nの情報記録層とすると、前記第2、…Nの情報記録層に用いる記録パルス制御規則は、第1の情報記録層と同一の熱特性を有する情報記録層に用いた場合に、前記第1の情報記録層に用いる記録パルス制御規則に比べて、前記光ビームの集光による記録層の温度変化を冷却時により急峻とすることを特徴とする。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。尚、以下の実施の形態においては、光学的情報記録媒体として、実反射率の変化によって記録を行う相変化型の記録材料を用い、2つの情報記録層を有する光ディスクを例に挙げて説明する。
図1に、本発明の一実施形態にかかる光ディスク装置の構成を示す。この光ディスク装置19は、光ディスク1を用いて情報の記録再生を行う。光ディスク1は、第1の情報記録層21及び第2の情報記録層23を有し、各情報記録層には情報トラックが形成されている。光ヘッド4によるレーザの照射によりデータの記録及び再生が行われる。
光ディスク装置19は、光ヘッド4、再生アンプ5、再生信号処理回路6、フォーカス制御回路7、トラッキング制御回路8、システムコントローラ9、記録信号処理回路10、パルス設定回路11およびレーザ駆動回路12を備えている。
光ヘッド4は、図示しない半導体レーザおよび対物レンズによって、光ディスク1の第1もしくは第2の情報記録層上に再生強度のレーザ光を照射する。光ヘッド4は、また、光ディスク1から反射してきたレーザ光を受光する。
再生アンプ5は、光ヘッド4から出力される光検出信号を増幅して再生信号として出力する。再生信号処理回路6は、再生アンプ5から与えられる再生信号に対し、波形等化、2値化、同期、復調、デコード等を行い、映像、音響もしくはコンピュータデータ等のディジタルデータとして外部のホストコンピュータ14へ出力するか、もしくは図示しないDAコンバータを介してアナログ映像音声信号として外部に出力する。
フォーカス制御回路7は、光ヘッド4から照射されたレーザースポットを、第1の情報記録層21もしくは第2の情報記録層23上に位置制御し、トラッキング制御回路8はスポットを情報トラック上に位置制御する。
記録信号処理回路10は、ホストコンピュータ14からの映像、音響またはコンピュータデータ等の記録データを受け取り、エンコードおよび変調を施し、2値化データとして出力する。パルス設定回路11は2値化データを所望の変換規則に応じて記録パルスに変換して出力する。レーザ駆動回路12は、受け取った記録パルスに応じて、光ヘッド4の半導体レーザに駆動電流を出力し、光ヘッド4から記録強度のレーザ光を照射させる。
システムコントローラ9は、再生信号処理回路が出力する再生データから、レーザースポットの現在位置を表すアドレス情報を得ると共に、所望の情報記録層の情報トラックにレーザースポットが位置するよう、フォーカス制御回路7およびトラッキング制御回路8に制御信号を出力する。また、光ヘッド4が再生用または記録用の光強度でレーザ光を照射するよう、レーザ駆動回路12に制御信号を出力する。さらに、情報記録層の種類に応じて異なる変換規則を選択するよう、パルス設定回路11に制御信号を出力する。
ホストコンピュータ14は、光ディスク装置19の外部にあって、ディジタル映像音響データやコンピュータデータなどの情報信号及び制御データの入出力を行う。
図2は、本発明の実施の形態において使用される光ディスク1の積層構成の概略を示す半径方向の断面図である。この光ディスクには、2つの情報記録層が備えられる。同図に示すように、光ディスクにおいて、支持基板20上に、第1の情報記録層21、光学分離層22、第2の情報記録層23および光透過層24が順次積層される。光学分離層22を介在して設けられる2つの情報記録層21、23は、それぞれ複数の光学薄膜からなり、情報はこれらの情報記録層に記録される。
第1の情報記録層21は、第1の反射層25、保護層26、界面層27、第1の記録層28、界面層29、保護層30が順次積層されたものである。また、第2の情報記録層23は、第2の反射層31、保護層32、界面層33、第2の記録層34、界面層35および保護層36が順次積層されたものである。記録及び再生を行うレーザ光は光透過層24の側から入射させる。
支持基板20は、ポリカーボネート、PMMAなどの樹脂板、紫外線硬化樹脂、ガラス板、または無機材料などからなり、基板の表面は、スパイラルまたは同心円状の連続溝(案内溝,トラック)で覆われている。支持基板20の上に第1の情報記録層21を成膜した後、表面がスパイラルまたは同心円状の連続溝(案内溝,トラック)で覆われた光学分離層22を2P法で形成し、さらにその上に第2の情報記録層23を成膜する。その後、光透過層24がスピンコート法もしくは樹脂シート等で形成される。
保護層26、30、32、36の材料は、物理的・化学的に安定であること、即ち、第1の記録層28や第2の記録層34に適用した材料よりも、融点及び軟化温度が高く、かつ記録層材料と固溶体を作らないことが望ましい。例えば、Al2O3、SiOx、Ta2O5、MoO3、WO3、ZrO2、ZnS、AlNx、BN、SiNx、TiN、ZrN、PbF2、MgF2などの誘電体またはこれらの適当な組み合わせからなる。また、保護層26、30及び保護層32、36を異なる材料で形成すると、熱的及び光学的なディスク設計の自由度が大きくなる利点がある。もちろん同一材料で形成してもよい。
界面層27、29、33、35は、その両隣の層を構成する元素の相互拡散を抑制するために設けられた窒化物または炭化物の薄膜であり、例えば一般式X−NやX−O−Nで表される材料である。但し、XはGe、Cr、Si、Al、Teのうち少なくとも1つの元素を含む材料が好ましいが、必須ではない。この界面層を設けることにより、第1及び/または第2の記録層28、34を構成する元素と、保護層26、30、32、36の誘電体層を構成する元素との相互拡散が抑制され、記録消去の繰り返し特性が向上する。界面層の効果に関しては、例えば特開平4−52188号公報などに詳細な記載がなされている。
第1の記録層28と第2の記録層34の材料は、結晶状態と非晶質状態との間で構造変化をおこす物質であればよく、例えばTe、InまたはSeなどを主成分とする相変化材料である。よく知られた相変化材料の主成分としては、Te−Sb−Ge、Te−Ge、Te−Ge−Sn、Te−Ge−Sn−Au、Sb−Se、Sb−Te、Sb−Se−Te、In−Te、In−Se、In−Se−Te、In−Sb、In−Sb−Se、In−Se−Teなどが挙げられる。これらの第1及び第2の記録層28及び34は通常非晶質状態で成膜され、レーザ光などのエネルギーを吸収して結晶化し、光学定数(屈折率n、消衰係数k)が変化する。
光学分離層22は、第1の情報記録層21と第2の情報記録層23の間に配置される中間層であり、第1の情報記録層と第2の情報記録層とをそれぞれ再生する場合に、他の情報記録層からの再生信号の影響が無視しうるほど小さくなるようにするために設けられる。光学分離層22の厚さは、通常10μm以上50μm以下、望ましくは20μm以上40μm以下である。光学分離層22に供する材料は、第1の情報記録層21に信号を記録・再生するために照射するレーザ光の波長に対して透明な材料であればよい。材料は、例えばエポキシ系の紫外線硬化樹脂などや、光ディスク貼り合わせ用のシート状両面テープなどである。
第1の反射層25および第2の反射層31は、Au、Al、Ni、Fe、Cr、Agなどの金属元素またはこれらの合金からなる。第1の反射層25は、第1の記録層28への光吸収効率を高める働きをするため、備えることが好ましい。第2の反射層31は、第2の情報記録層23の再生信号用の光量を確保するために備えることが望ましいが、第1の情報記録層21へ記録再生を可能にするため、レーザ光が一部透過することが必須である。この第2の反射層31は無くても良いが、その場合、十分な反射光が第2の情報記録層23から得られるよう、残りの層の材料や厚みを選択する必要がある。
上述の第1の記録層28、第2の記録層34、保護層26、30、32、36、界面層27、29、33、35、第1の反射層25、第2の反射層31などの各層の形成としては、通常、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法、レーザスパッタリング法などが適用される。
次に、上記のように構成された光ディスク装置19の動作について、図1に戻って説明する。
まず光ディスク1が装着されると、ホストコンピュータ14は、再生モードを示すコマンドをシステムコントローラ9に送る。システムコントローラ9は、再生モードを示すコマンドに対応して制御信号を図示しないスピンドルモータ、フォーカス制御回路7,トラッキング制御回路8およびレーザ駆動回路12に出力する。スピンドルモータが光ディスク1を回転させ始めた後、レーザ駆動回路12は再生モードとなり、光ヘッド4から一定の再生パワーレベルのレーザ光を照射させる。システムコントローラ9はまた、図示しない移送モータに制御信号を送り、ビームスポットが光ディスク1のコントロールデータ領域上に来るよう、光ヘッド4をディスク半径方向に移動させる。
次にビームスポットの焦点方向(フォーカス方向)の位置制御が行われる。即ちシステムコントローラ9からの制御信号に応じてフォーカス制御回路7が第1もしくは第2の情報記録層を選択し、その上にビームスポットが移動される。その後、トラッキング制御回路8によって、ディスク半径方向(トラッキング方向)の位置制御が行われる。ビームスポットのフォーカス方向の位置制御は、非点収差法等の一般的なフォーカス制御によって実現され、トラッキング方向の位置制御はプッシュプル法などの一般的なトラッキング制御法によって実現されるので、各々の説明は省略する。これらの位置制御により、情報トラックをビームスポットが追従可能となる。
コントロールデータ領域には、各々の情報記録層に最適な記録パルス波形に関する記録パルス制御規則の情報が、凹凸ピット、案内溝の蛇行、又はアモルファス記録マークの状態で予め格納されており、これらによって変調されたレーザ光は光ヘッド4に戻る。記録パルス制御規則とは、記録されるべき2値化データのビット1またはビット0の続く区間の長さに対応して、所定の長さの記録マークを情報トラックに書き込むために、記録パルスの個数、高さ、幅もしくは出力タイミングを定めたもので、記録ストラテジとも呼ばれる。各情報記録層のコントロールデータ領域に格納されている記録パルス制御規則情報は、当該情報記録層に適した記録パルス制御規則そのものであっても良いし、当該情報記録層に適した記録パルス制御規則を特定するための番号などであっても良い。後者の場合は、光ディスク装置19に、番号を付けた記録パルス制御規則を予め格納しておき、記録時に、記録しようとする情報記録層のコントロールデータ領域から読み出した記録パルス制御規則情報に対応する記録パルス制御規則を、光ディスク装置19に格納されている記録パルス制御規則の中から選択することとなる。また、各情報記録層のコントロールデータ領域には、当該情報記録層への記録に適した少なくとも1つの記録パルス制御規則の情報を格納しておけば良い。
光ヘッド4へ戻ったレーザ光は、光ヘッド4の光検出器で受光されて電気信号に変換され、同信号は再生アンプ5で増幅された後、再生信号として再生信号処理回路6へ出力する。再生信号処理回路6はアナログの再生信号を波形等化、2値化、同期、復調、デコード等を行い、コントロールデータを抽出してシステムコントローラ9へ出力する。システムコントローラ9は得られたコントロールデータを基に、前述の記録パルス制御規則を光ディスク装置19の半導体メモリなどから読み出し、パルス設定回路11へ記録パルス制御規則を送出する。
ここで、本実施の形態における記録パルス制御規則について、図3を参照しながら説明する。同図において、(a)はパルス設定回路11に入力される記録データを2値で示した波形図であり、HiレベルとLoレベルの2値になっている。後述するが、ディスク上ではHiレベルの区間をマークで、Loレベルの区間をスペースで表すようにする。(b)はパルス設定回路11が出力する記録パルスの波形図で、一つの記録マークに対して単一または複数の短パルス列が対応している。スペースの区間は強度Pb(バイアスパワーと呼ぶ)に対応したレベルに保持される。次に、各マークに対応したパルス列の中で、最初の強度Pp(ピークパワーと呼ぶ)のパルスをファーストパルス、残りの櫛状のパルス(強度Pp)をサブパルス、最後のサブパルスの後に続く強度Pc(クーリングパワーと呼ぶ)のパルスを冷却パルスと呼ぶ。サブパルス間は強度Pbo(ボトムパワーレベルと呼ぶ)に保たれるがここではバイアスパワーPbに等しいものとする。(c)は記録層に形成された記録マークを真上から見た模式図である。
また、同図において左側は第1の情報記録層21に情報信号を記録する場合であり、右側は第2の情報記録層23に情報信号を記録する場合である。同一の2値化データに対する記録パルス制御規則は両者で異なっており、後者の方が前者に比べて、記録時において記録層の材料がレーザ光によって加熱高温になった後、急激に温度が下降するような記録パルス波形になっている。即ち同図の(b)において、左側の波形(記録波形A)では、発光強度がバイアスパワー(Pb)とPbより高いピークパワー(Pp)との間で切り替わって変化しているのに対し、右側(記録波形B)ではPbよりも更に低いクーリングパワー(Pc)で発光する区間が、最初のパルスまたは短パルス列の最後に追加されている。これを冷却パルスと呼ぶ。これにより、照射パワーが強度Ppの直後に強度Pcまで低下するため、強度Pbまでしか下がらない左側の波形に比べて、高温状態からの温度低下が急激になるようになっている。
記録パルス制御規則がこのように異なっている理由は以下の通りである。複数の情報記録層を有する光ディスクにおいては、レーザ光の入射側から見て奥の情報記録層に光を到達させるために、手前の情報記録層は半透明にすることが必須である。そのためには、通常、手前の情報記録層の反射層や記録層を薄くしたり、或いは削除する必要がある。ところが、反射層はレーザ光を反射するだけでなく、ヒートシンクとして高温化した記録層を急激に常温へ戻す役割も持っている。従って、反射層を薄くした或いは取り除いた状態では、情報記録層全体の放熱特性が低下する。一方、奥の情報記録層は半透明にする必要がないので、反射層を厚くでき、放熱効果を十分大きくできる。
このため本実施の形態では、第1の情報記録層21と第2の情報記録層23とで記録パルス制御規則を異なるものとし、かつ、前者より後者における記録パルスの方が、強度Ppのパルスの直後に発光強度を大きく減少させるようになっている。従って、第2の情報記録層23自体の低い放熱特性が補償され、両者の記録時の冷却速度が実質的に同等になり、同一の記録層材料や層構成を用いても、両方の情報記録層において同じような記録マークを形成できる。発光強度Pcは記録マークの形成に必要な冷却速度と第2の情報記録層23の熱特性を勘案して予め決められる。
ここで、光ディスク装置19が光ディスク1へ情報を記録する際の動作を説明する。システムコントローラ9は、ビームスポットが、光ディスク1において記録しようとする情報記録層に設けられた記録学習領域のトラックに来るよう、光ヘッド4を移動させる。次に、記録信号処理回路10及びパルス設定回路11に記録学習用のテストパターンデータを出力するよう制御信号を送る。レーザ駆動回路12からの駆動パルスに基づいて、光ヘッド4は各パワーレベルの間で変調されたレーザ光を放射し、記録層上にテストパターンに対応したマークが記録される。テストパターンの記録が終わると、システムコントローラ9は再生モードに移り、制御信号をレーザ駆動回路12に送り、光ヘッド4が照射するレーザ光の強度を再生パワーレベルまで下げる。その後、光ヘッド4のアクチュエータを制御して、ビームスポットを、記録層に記録されたテストパターンの位置まで戻す。記録されたテストパターンへ照射されたレーザ光は、テストパターンによって変調されたあと光ヘッド4へ戻り、光検出器に受光されて再生信号として出力される。再生信号処理回路6は、再生アンプ5で増幅された再生信号に対し、波形等化、2値化、同期、復調、デコード等を行う。同時に再生信号処理回路6は、再生信号の変調度、誤り率、同期ジッター或いはエッジシフト等を測定する。以上のテストパターンの記録と再生を発光強度Pp或いはPbを変えながら繰り返し、変調度、誤り率或いはジッターが所望のしきい値以下になると、システムコントローラ9は記録学習工程を終了させる。
この時、パルス設定回路11は、各情報記録層毎の学習工程において最初の試し書きを行うとき、その情報記録層のコントロールデータ領域から読み出した記録パルス制御規則情報に基づいて選択した記録パルス制御規則を用いる。第2の情報記録層23において学習する時は、第1の情報記録層21よりも記録層における温度変化がより急冷になるような記録パルス制御規則を用いる。また、第2の情報記録層23における記録学習の結果、変調度、誤り率やジッター等の測定対象が許容範囲に収まらなかった場合は、複数ある記録パルス制御規則のなかからもっと急冷な記録パルス制御規則を選択して記録学習を再実行しても良いし、最初から最も急冷な記録パルス制御規則から順に学習を繰り返しても良い。また、光ビームの照射パワーだけでなく、各記録パルスのエッジ位置を目標とするマークの長さに応じて微調整するなど、記録パルス波形の時間軸方向の学習を行えば(すなわちTp、Ts等のパラメータについても学習を行えば)、更に記録信号の品質が向上する。また、イコライザー等の再生信号処理回路の周波数特性の最適化を行っても良い。
このようにして記録のレーザ光強度が決まった後、情報信号の記録モードに移行する。システムコントローラ9は、記録信号処理回路10、パルス設定回路11及びレーザ駆動回路12に情報信号の記録モードであることを知らせると共に、記録しようとする情報記録層の情報信号領域までビームスポットを移動させる。ビームスポットの位置制御が終了すると、ホストコンピュータ14から出力された記録すべき情報、例えば、ディジタル化された映像音声データもしくはコンピュータデータなどの情報信号は、記録信号処理回路10、パルス設定回路11を経て、マルチパルス化された変調データとしてレーザ駆動回路12に送られる。レーザ駆動回路12は、光ヘッド4からレーザ光を発光させ、光ディスク1上に適切な長さの記録マークが形成される。
一方、情報信号の再生は、次のように行われる。光ディスク1に照射されたレーザ光は、記録マークによって変調を受け、光ヘッド4に戻り、再生アンプ5を経て再生信号処理回路6に送られる。再生信号処理回路6は、波形等化、2値化、同期、復調、誤り訂正を施し、再生データとしてホストコンピュータ14に出力する。
次に、実際に図1の装置を用いて図2の光ディスクに情報信号を記録し、これを再生した。記録と再生に用いたレーザ光は波長400nmのGaN系半導体レーザであり、光ヘッド4の対物レンズのNAは0.85とした。情報信号は8−16,RLL(2,10)の変調方式で変調して記録した。ジッタは、再生信号を2値化した後に、再生PLLのクロック信号との差を測定し、基準クロック周期Tとの比をパーセント表示した。ジッタの測定には横河電機(株)のTA520を使用した。ジッタの許容値については、例えばDVD規格においては9%以下となっており、本実施の形態でもこの値を許容できるジッタ値の目安にする。基準クロック周期Tは13.6nsec、記録及び再生の線速度は5.0m/s、最短の記録マークピッチは0.20μmとした。光ディスク1の作製は以下のようにした。支持基板20として、直径120mm、厚さ1.1mmのポリカーボネート板を用い、表面にスパイラル状の幅0.22um、ピッチ0.32um、深さ22nmの溝を形成した。第1の情報記録層21はこの支持基板20の表面上に、AgPdCuからなる第1の反射層25を100nm、ZnS−SiO2からなる保護層26を15nm、GeNからなる界面層27を5nm、GeSbTeからなる第1の記録層28を12nm、GeNからなる界面層29を5nm、ZnS−SiO2からなる保護層30を60nm、順番に成膜することにより形成した。次に、第1の記録層28を、レーザ光の照射によりアモルファス状態から結晶状態に変化させて初期化した後、支持基板20と同様の溝形状を転写した光学分離層22を形成した。さらに、第2の情報記録層23としてAgPdCuからなる第2の反射層31を6nm、ZnS−SiO2からなる保護層32を12nm、GeNからなる界面層33を5nm、GeSbTeからなる第2の記録層34を6nm、GeNからなる界面層35を5nm、ZnS−SiO2からなる保護層36を45nm、順番に成膜した。成膜後、第2の記録層34をレーザ光の照射によりアモルファス状態から結晶状態に変化させて初期化した。最後にポリカーボネートからなる光透過層24を紫外線硬化樹脂により接着した。接着部と光透過層24の厚みは合わせて85μm、光学分離層22の厚みは30μmとした。本実施の形態の光ディスク1では、Pp、Pb、Pcは第1及び第2の情報記録層に対してそれぞれ、約10、4、4mW及び8、4、0.6mWで信号を書き換えすることができ、再生パワーは約0.6mWであった。上述した構成のディスクで、第1の情報記録層21の反射率は約20%、第2の情報記録層23の反射率と透過率はそれぞれ約6%と約50%と良好であった。よって、第2の情報記録層23を通して得られた第1の情報記録層21の実効反射率は、約5%であった。
(表1)は以上の条件で情報信号を記録後再生した時の各情報記録層の再生信号ジッタの測定値である。第2の情報記録層23では、図3に示した記録波形Aを用いても9%以下のジッタが得られないのに対し、記録波形Bを用いた場合9%以下の良好なジッタ値が得られている。これに対し第1の情報記録層21では、記録波形Aを用いると9%以下のジッタが得られるが、記録波形Bを用いるとそれより高いジッタ値を示している。
Figure 2006031936
図4及び図5は本発明の実施の形態における記録パルス波形の他の例を表す波形図である。同図において、(a)は最も短い記録マークに対応した記録パルス、(b)は比較的長い記録マークに対応した記録パルスを示している。CからIの列はそれぞれ異なった記録パルス制御規則に基づいた場合の記録パルスである。これらの記録パルスは、全て図3に示した記録パルスAより、第2の情報記録層23に対して用いた場合に、より急冷になるよう設計されている。
まず、波形Cは図3の記録パルス波形Bのサブパルス間をバイアスパワーレベルPbよりも低いPcまで落としたことによって、波形Bよりもより急冷にしたものである。ここで、先頭パルス及び冷却パルスの長さ(時間)をそれぞれTp及びTc、サブパルス及びサブパルス間の長さ(時間)をそれぞれTs及びTbとする。レーザの照射強度即ちパルス高は、先頭パルス及びサブパルスにおいてはPp1、冷却パルス及びサブパルス間においてはPc、その他の区間ではPbである。波形Dは、Tp及びTsが図3の記録パルス波形Aに比べて短く、かつ、それらのパルス高Pp2が波形AのピークパワーレベルPp1より高い。Tbは波形Aに比べて長くなり、冷却効果も助長されている。波形C及び波形Dは波形Aに比べてより記録膜の溶融後の温度低下が急激になるよう考慮されているので、第2の情報記録層23にこれらの波形を、第1の情報記録層21に波形Aをそれぞれ適用することにより、どちらの層に対しても情報信号を良好に記録することができる。
次に図4の波形Eは波形Cに比べてTcが長くなっている。また、波形Fは冷却パルス高Pc及びボトムパルス高Pboが波形Cに比べて低くなっている。さらに図5において波形Gは、波形Cに比べて先頭パルスが細くなっている。波形Hは、先頭パルスの直後のボトムパルスの長さが長くなっている以外は波形Gと同じである。波形Iは、波形Dのサブパルス間をPcまで落としかつ冷却パルスを追加している。以上の波形E、F、G、H及びIは全て波形Cに比べて、より急速に記録膜が冷却されるような波形になっている。従って、第1の情報記録層21に波形Cを適用し、第2の情報記録層23に波形E、F、G、HまたはIを適用してもよい。さらに、これらの波形の中から冷却効果の異なる波形を選択し、より急速に冷却可能なパルスを第2の情報記録層23に使っても良い。この場合、第1の情報記録層21にも比較的熱伝導効率の低い記録材料もしくは層構成を適用できるので、光ディスク1の設計自由度が増す。
表2に光ディスク1のコントロールデータ領域に格納されるべき記録パルス制御規則情報の一例を示す。同表では、第1および第2の情報記録層21,23においてそれぞれ使用されるべき記録パルスの具体的なパラメータを示している。同表において、Pp、Pb,Pc、Tp,Ts,Tb及びTcは、図3から図5で示した記号と同じ物である。Pp、Pb及びPcの列の数字は記録パルスの高さで、mWを単位としたレーザ光のパワーであり、Tp,Ts,Tb及びTcは記録パルスの幅で、nsecを単位としている。同表では、第1の情報記録層に対しては表中のパラメータで表される記録パルス波形、即ち波形Aを用い、第2の情報記録層に対しては表中のパラメータで表される記録パルス波形、即ち波形Bを使用することを示している。表3は記録パルス制御規則情報の他の例である。同表では、第1の情報記録層に対しては表中のパラメータで表される記録パルス波形、即ち波形Gを用い、第2の情報記録層に対しては表中のパラメータで表される記録パルス波形、即ち波形Iを使用することを示している。なお、Tp,Ts,Tb及びTcはパルス幅の絶対値で表すだけでなく、基準クロック周期の倍数の形式(例えば、1Tや0.5T等)で表しても良い。
また、表2のように記録パルスの各種パラメータそのものを記録パルス制御規則情報として光ディスク1のコントロールデータ領域に格納しておく代わりに、記録パルス波形毎に特有の番号をつけておき、その番号にどのような波形が対応するかを光ディスク装置19のメモリに記憶しておけば、コントロールデータ領域には波形番号のみ格納しておけばよい。
Figure 2006031936
Figure 2006031936
以上のように、本実施形態では、2つの情報記録層に対してレーザの発光パルスを切り替え、放熱性の低い第2の情報記録層の記録膜に対してより急冷になるよう発光パルスを選択しているので、2つの情報記録層を有する光ディスクに対して記録マークを良好に形成することができる。よって、2層光ディスクの記録品質が向上する。
なお、本実施の形態では光ディスクの構成について図2に示したように反射層の厚みを第1と第2の情報記録層とで異なったものにした場合について説明したが、これに限定されるものではないことはもちろんである。例えば、第2の情報記録層23での透過率を向上させるために、第2の反射層31自体を削除した構成でも良いし、厚みは同じで第2の反射層31の材料を変えて半透明にしたものでも良い。
また、記録パルス制御規則も図3〜図5に示したものに限定されるわけでなく、2種類の記録パルス制御規則があって、かつ、片方が他方よりも記録層内の温度が溶融温度に上昇した後急激に下降するような記録パルス波形になれば良い。
また、上述の実施形態では、各情報記録層のコントロールデータ領域に、それぞれの層の記録パルス制御規則情報が格納されている例を示したが、一つの情報記録層のコントロールデータ領域に、全ての情報記録層の記録パルス制御規則情報を格納しても良い。この場合は、1回のアクセスで全ての情報記録層に対する記録パルス制御規則情報を得ることができるという効果がある。
さらに、本実施の形態は2つの情報記録層を備えた光ディスクの場合について説明したが、3つ以上の情報記録層を有する場合においても、基本的な考えは前者と同様である。即ち、3つ以上の情報記録層があった場合、レーザ光の入射側に最も遠い層以外は透過率を大きくする必要がある。従って、前述したように反射層を薄くする必要があるので、結果的に放熱特性が低下する。よって、レーザ入射側から最も遠い情報記録層に用いる記録パルスに比べて、それ以外の層に用いる記録パルスの方がより急冷になる様に、記録パルス波形を選択すれば、全ての情報記録層に対して良好に情報信号を記録することが可能となる。
図6にその一例として、4つの情報記録層を有する光ディスクを示す。図6において、支持基板20上に、第1の情報記録層21、第1の光学分離層39、第2の情報記録層23、第2の光学分離層40、第3の情報記録層41,第3の光学分離層42,第4の情報記録層43および光透過層24が順次積層される。光学分離層39、40及び42を介在して設けられる4つの情報記録層21、23、41及び43は、それぞれ複数の光学薄膜からなり、第1の情報記録層21は、第1の反射層25、保護層26、界面層27、第1の記録層28、界面層29、保護層30が順次積層されたものである。また、第2の情報記録層23は、第2の反射層31、保護層32、界面層33、第2の記録層34、界面層35および保護層36が順次積層されたものである。さらに、第3の情報記録層41は、第3の反射層44、保護層45、界面層46、第3の記録層47、界面層48および保護層49が順次積層されたものである。また、第4の情報記録層43は、第4の反射層50、保護層51、界面層52、第4の記録層53、界面層54および保護層55が順次積層されたものである。記録及び再生を行うレーザ光は光透過層24の側から入射させる。
同図に示したような4層構成では、入射側から見て最も奥の情報記録層21は3つの情報記録層42,40,39を通してレーザ光を入射させなければならないので、情報記録層の透過率を手前になるほどより大きくしなければならない。また、各情報記録層からの反射光を実質的に等しくすることが好ましい。このためには奥の情報記録層ほど反射率を高める必要がある。図2の構成では、第2の反射層31及び第2の記録層34の厚みをどちらも6nmとしたが、図6の構成では、第3の情報記録層41では第3の反射層44及び第3の記録層47のどちらかをそれよりも薄く、例えば第3の記録層47を3nmにして透過率を高める、といった構成が考えられる。また、冷却特性は犠牲になるが、第3もしくは第4の反射層を削除して透過率を高めるという構成も考えられる。このように、反射層や記録層の厚みを奥に行くほど厚く、手前に行くほど薄くすることが好ましい。従って、手前の層ほど放熱特性が低下するので、より急峻な記録パルスを用いると良い。一例としては、波形Iにおいて、パルス幅TpやTsを手前の層ほど細くしたり、または、ピークパワーPp2を手前の層ほど高くすると良い。これにより、記録時の光強度変化が急峻となり、手前の層でも記録層において十分な冷却速度を得ることが出来るので、十分な大きさの記録マークを形成することができる。
なお、他の情報記録層に比べて熱特性が他と大きく異なるのは第1の情報記録層であり、第2、第3及び第4の情報記録層の熱特性が互いに大差ない場合は、第1の情報記録層に用いる記録パルスよりも、レーザ光強度変化がより急峻な記録パルスを用いる限りにおいて、後者3つの情報記録層で用いる記録パルスは実質的に同一であってもかまわない。
(発明の効果)
本発明によれば、情報記録層に応じて記録パルス制御規則を選択し、放熱性の低い情報記録層に対してより急冷になるよう記録パルスを選択しているので、複数の情報記録層を有する光情報記録媒体に対して情報信号を良好に記録することができる。
本発明の実施の形態による光学的情報記録再生方法を適用した光ディスク装置の構成を表すブロック図 本発明の実施の形態において使用される光ディスクの積層構成の概略を示す半径方向の断面図 本発明の実施の形態における記録パルス制御規則についての説明図 本発明の形態における記録パルス波形の他の例を表す波形図 本発明の実施の形態における記録パルス波形の他の例を表す波形図 本発明の実施の形態において使用される光ディスクの積層構成の概略を示す半径方向の断面図
符号の説明
1 光ディスク
21 第1の情報記録層
23 第2の情報記録層
4 光ヘッド
5 再生アンプ
6 再生信号処理回路
7 フォーカス制御回路
8 トラッキング制御回路
9 システムコントローラ
10 記録信号処理回路
11 記録パルス設定回路
12 レーザー駆動回路
14 ホストコンピュータ入出力回路
19 光ディスク装置
28 第1の記録層
34 第2の記録層

Claims (14)

  1. 光ビームの集光による局所的な温度変化によって物理的な状態の変化を生じる記録層を有する情報記録層をN層(Nは2以上の整数)備えた光学的情報記録媒体に情報信号を記録する光学的情報記録方法であって、
    記録パルスの波形を定めた複数の記録パルス制御規則から、記録しようとする情報記録層に応じた記録パルス制御規則を選択するステップと、
    選択された記録パルス制御規則で定められた記録パルスに応じて前記光ビームの強度を変調することにより、前記記録層に情報信号を記録するステップとを含み、
    前記N層の情報記録層のうち、入射側から最も遠い層を第1の情報記録層とし、入射側に近い方へ順に第2、…第Nの情報記録層とすると、前記第2、…Nの情報記録層への記録時に選択される記録パルス制御規則は、第1の情報記録層と同一の熱特性を有する情報記録層への記録に適用した場合に、前記第1の情報記録層への記録時に選択される記録パルス制御規則に比べて、記録層の温度変化を冷却時により急峻とする記録パルス波形に対応することを特徴とする光学的情報記録方法。
  2. 情報信号が、前記記録層上でマーク区間及びスペース区間の長さで表され、
    前記記録パルス制御規則は、所定の長さのマークを記録するための、記録パルスの個数、高さ、幅もしくは出力タイミングを定めたものである、請求項1記載の光学的情報記録方法。
  3. 同一の情報信号に対応するマークが、各情報記録層において略等しい形状で記録される、請求項2記載の光学的情報記録方法。
  4. 前記光学的情報記録媒体として、記録層がアモルファスと結晶間で状態変化を起こす相変化型材料で形成された媒体を用いる、請求項1記載の光学的情報記録方法。
  5. 前記光学的情報記録媒体として、前記第2、・・・Nの情報記録層が光ビームを部分的に透過する媒体を用いる、請求項1記載の光学的情報記録方法。
  6. 前記複数の記録パルス制御規則の少なくとも一つは、記録層を溶融するに足るピークパワーレベル、記録層を結晶化するに足るバイアスパワーレベル、および、前記2つのパワーレベルよりも低いクーリングパワーレベルの間で、マーク区間における光ビームの強度を変調する記録パルス波形に対応し、
    前記クーリングパワーレベルに対応するパルスが、少なくとも前記ピークパワーレベルおよびバイアスパワーレベルのパルス列の直後に配置される、請求項4記載の光学的情報記録方法。
  7. 前記複数の記録パルス制御規則の少なくとも一つは、前記ピークパワーレベル、バイアスパワーレベル、クーリングパワーレベル、およびボトムパワーレベルの間で、マーク区間における光ビームの強度を変調する記録パルス波形であって、マーク区間の少なくとも一部において、光ビームの強度を前記ピークパワーレベルと前記ボトムパワーレベルの間で交互に切り替える記録パルス波形に対応する、請求項6記載の光学的情報記録方法。
  8. 第2、・・・Nの情報記録層への記録時に選択される記録パルス制御規則の少なくとも一つは、第1の情報記録層に用いる記録パルス波形のクーリングパワーレベルの区間よりも長いクーリングパワーレベル区間を有する記録パルス波形に対応する、請求項6または7記載の光学的情報記録方法。
  9. 第2、・・・Nの情報記録層への記録時に選択される記録パルス制御規則の少なくとも一つは、第1の情報記録層に用いる記録パルス波形のクーリングパワーレベルよりも低いクーリングパワーレベルを有する記録パルス波形に対応する、請求項6ないし8のいずれか一項に記載の光学的情報記録方法。
  10. 第2、・・・Nの情報記録層への記録時に選択される記録パルス制御規則の少なくとも一つは、ボトムパワーレベルの区間の長さの総和が、第1の情報記録層に用いる記録パルス波形のボトムパワーレベル区間の長さの総和よりも長い記録パルス波形に対応する、請求項7記載の光学的情報記録方法。
  11. 第2、・・・Nの情報記録層への記録時に選択される記録パルス制御規則の少なくとも一つは、第1の情報記録層に用いる記録パルス波形におけるボトムパワーレベルよりも低いボトムパワーレベルを有する記録パルス波形に対応する、請求項7または10に記載の光学的情報記録方法。
  12. 第2、・・・Nの情報記録層への記録時に選択される記録パルス制御規則の少なくとも一つは、第1の情報記録層に用いる記録パルス波形におけるピークパワーレベル区間よりも短いピークパワーレベル区間を有する記録パルス波形に対応する、請求項6または7に記載の光学的情報記録方法。
  13. 第2、・・・Nの情報記録層への記録時に選択される記録パルス制御規則の少なくとも一つは、所定のマークに対してボトムパワーレベル区間を複数有する記録パルス波形であって、マーク区間における最初のボトムパワーレベル区間が、第1の情報記録層への前記所定のマークの記録時に用いる記録パルスにおける最初のボトムパワーレベル区間よりも長い記録パルス波形に対応する、請求項7に記載の光学的情報記録方法。
  14. 情報信号を記録するための光ビームの最適な強度を決定する学習ステップをさらに含み、
    第2、・・・Nの情報記録層への記録時には、前記学習ステップにおいて、記録層における温度変化が冷却時により急峻である記録パルス制御規則を、複数の記録パルス制御規則から優先的に選択し、選択した記録パルス制御規則に応じて試し書きを行う、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の光学的情報記録方法。
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