JP7126925B2 - パターン描画方法、フォトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法 - Google Patents

パターン描画方法、フォトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

電子デバイスを製造するためのフォトマスクであって、特に、液晶表示パネル(LCD)や、有機ELディスプレイ(OLED)などに代表される、表示装置を製造するためのフォトマスクに、有用に適用可能なフォトマスクの製造方法、及び、該製造方法において用いるパターン描画方法に関する。
特許文献1(以降、文献1)には、フォトマスク製造時に、現像段階で生じるパターン線幅変化を補正して露光する方法が記載されている。これによると、所定の線幅を有するテストパターンによりフォトマスク基板上に測定パターンを形成する段階と、フォトマスク基板上の領域をメッシュに分割し、各メッシュに対して前記測定パターンの線幅を測定し、前記測定された線幅と前記テストパターンの線幅との差であるパターン線幅変化量ΔCDを決定する段階と、任意に定められた基準メッシュからの距離がrであるメッシュでの前記測定されたパターン線幅変化量ΔCD(r)の前記距離rに対する分布を示すグラフを作成する段階と、前記基準メッシュからの距離がxであるフォトマスク基板上の任意の地点でのパターン線幅変化量ΔCD(x)を前記グラフから予測する段階と、前記フォトマスク基板上の各地点に対し、前記予測されたパターン線幅変化量ΔCD(x)が負である領域のパターン線幅は広がり、前記予測されたパターン線幅変化量ΔCD(x)が正である領域のパターン線幅は狭まるべくパターン線幅データを補正する段階と、前記フォトマスク基板上の各地点に対して補正されたパターン線幅データを露光装備に適用する段階とを含む。
特開2003-107665号公報
文献1によると、半導体装置製造用のフォトマスクを製造する際、現像段階で生じる線幅変化を補償して均一度を向上させることができるとしている。
但し、発明者の検討によると、フォトマスク製造時に現像段階で生じるパターンの線幅変化以外にも、パターン線幅(すなわちCD)を変動させる要因がある。例えば、フォトマスク製造の過程で、描画装置に起因して生じるCDエラーもあり、又は、フォトマスクを用いて、被転写体上にパターンを露光する段階や、露光後のパターンの現像など、様々な段階で、CD変化が生じる要因がある。このため、文献1の方法のみでは、フォトマスクの露光によって、優れたデバイス(表示装置等)を得ることは容易でない。
そこで、本発明は、最終製品である電子デバイス(例えば表示装置)を製造する際に、パターンCDの変動を低減し、安定した歩留や生産効率を得ることを課題として、本発明を完成した。
(第1の態様)
本発明の第1の態様は、
所定の設計パターンデータにもとづき、フォトマスク基板上に描画を行うことによって、ホール/ドットパターンを含む転写用パターンを備えたフォトマスクとするための、パターン描画方法であって、
前記フォトマスクを露光することによって被転写体上に得られるホール/ドットパターンのCDが目標値となるように、予め求めた補正値に従って、前記設計パターンデータを補正して、補正パターンデータを得る補正工程と、
前記補正パターンデータを適用し、描画装置を用いて描画を行う描画工程と、を含み、
前記描画装置は、前記フォトマスク基板面と平行な面内において、X方向、及び前記X方向に垂直なY方向に対して、CD制御精度が異なる駆動方式によるものであり、
前記補正工程では、設計パターンデータに対し、前記ホール/ドットパターンのCDについて、X方向及びY方向のうち、CD制御精度の高い方向のCDを変更する補正を施すことによって、補正パターンデータを得ることを特徴とする、パターン描画方法である。
(第2の態様)
本発明の第2の態様は、
前記補正工程では、被転写体上に得られるホール/ドットパターンのCDが目標値に等しくなる、前記転写用パターンのホール/ドットパターンの目標面積を求め、
前記転写用パターンのホール/ドットパターンの目標面積に基づき、前記設計パターンデータに対し、前記ホール/ドットパターンのCDについて、X方向及びY方向のうち、CD制御精度の高い方向のCDを変更する補正を施すことによって、補正パターンデータを得ることを特徴とする、上記第1の態様に記載のパターン描画方法である。
(第3の態様)
本発明の第3の態様は、
所定の設計パターンデータにもとづき、フォトマスク基板上に描画を行うことによって、ホール/ドットパターンを含む転写用パターンを備えたフォトマスクとするための、パターン描画方法であって、
前記フォトマスクを露光することによって被転写体上に得られるホール/ドットパターンの面積が目標値に等しくなるように、予め求めた補正値に従って、前記設計パターンデータを補正して、補正パターンデータを得る補正工程と、
前記補正パターンデータを適用し、描画装置を用いて描画を行う描画工程と、を含み、
前記描画装置は、前記フォトマスク基板面と平行な面内において、X方向、及び前記X方向に垂直なY方向に対して、CD制御精度が異なる駆動方式によるものであり、
前記補正工程では、設計パターンデータに対し、前記ホール/ドットパターンのCDについて、X方向及びY方向のうち、CD制御精度の高い方向のCDを変更する補正を施すことによって、補正パターンデータを得ることを特徴とする、パターン描画方法である。
(第4の態様)
本発明の第4の態様は、
前記補正工程は、前記被転写体上のホール/ドットパターンの目標面積を求め、
前記被転写体上のホール/ドットパターンの目標面積に基づいて、前記転写用パターンのホール/ドットパターンの目標面積を求め、
前記転写用パターンのホール/ドットパターンの目標面積に基づき、前記設計パターンデータに対し、前記ホール/ドットパターンのCDについて、X方向及びY方向のうち、CD制御精度の高い方向のCDを変更する補正を施すことによって、補正パターンデータを得ることを特徴とする、上記第3の態様に記載のパターン描画方法である。
(第5の態様)
本発明の第5の態様は、
前記描画装置は、レーザビームを用いて描画を行なう、レーザ描画装置であることを特徴とする、上記第1~第4のいずれかの態様に記載の描画方法である。
(第6の態様)
本発明の第6の態様は、
前記転写用パターンにおけるホール/ドットパターンのX-CD及びY-CDは、前記フォトマスクを露光する露光装置の解像限界寸法未満であることを特徴とする、上記第1~第5のいずれかの態様に記載のパターン描画方法である。
(第7の態様)
本発明の第7の態様は、
前記転写用パターンにおけるホール/ドットパターンのX-CD及びY-CDは、3μm未満であることを特徴とする、上記第1~第5のいずれかの態様に記載のパターン描画方法である。
(第8の態様)
本発明の第8の態様は、
前記描画装置は、レーザビームが、X方向に一定の送り幅で送り出し動作をした後、Y方向に一定幅の照射動作を行い、これらの動作を交互に繰り返すことによって、フォトマスク基板上に描画を行なうことを特徴とする、上記第1~第7のいずれかの態様に記載のパターン描画方法である。
(第9の態様)
本発明の第9の態様は、
前記補正工程は、前記設計パターンデータに含まれる、ホール/ドットパターンの面積と、前記フォトマスク基板上のホール/ドットパターンの面積が等しくなるように求めたCD補正値を、前記設計パターンデータのCDに置換して、補正パターンデータを得ることを特徴とする、上記第1~第8のいずれかの態様に記載のパターン描画方法である。
(第10の態様)
本発明の第10の態様は、
前記補正工程に先立ち、前記描画装置を用いてパターン描画を行った予備マスクを得る工程と、
前記予備マスクのX-CD及びY-CDにより、前記補正値を把握する、補正値把握工程を有する、上記第1~第9のいずれかの態様に記載のパターン描画方法である。
(第11の態様)
本発明の第11の態様は、上記第1~第10のいずれかの態様に記載の描画方法を含む、フォトマスクの製造方法である。
(第12の態様)
本発明の第12の態様は、
複数のホール/ドットパターンを含む転写用パターンを備えたフォトマスクであって、
前記転写用パターンにおける複数のホール/ドットパターンは、X-CD及びY-CDが、3μm未満であり、
前記転写用パターンにおける複数のホール/ドットパターンは、互いにX-CDが異なり、かつ、互いに面積の等しい四角形状をもつ、ホール/ドットパターン群を含むことを特徴とする、フォトマスクである。
(第13の態様)
本発明の第13の態様は、
第12の態様に記載の製造方法によるフォトマスクを用意する工程と、
光学系のNAが0.08~0.20の露光装置を用いて、前記転写用パターンを被転写体上に転写することを含む、表示装置の製造方法である。
(第14の態様)
本発明の第14の態様は、
所定の設計パターンデータにもとづいて形成されたフォトマスクを露光することにより、フォトマスクの転写用パターンを被転写体上に転写することを含む、表示装置の製造方法において、
前記フォトマスクを露光することによって被転写体上に得られるホール/ドットパターンのCDが目標値となるように、予め求めた補正値に従って、前記設計パターンデータを補正して、補正パターンデータを得る補正工程と、
前記補正パターンデータを適用し、フォトマスク基板に対して描画装置を用いて描画を行う描画工程と、
前記フォトマスク基板に現像及びエッチングを施して、前記転写用パターンを備えたフォトマスクを形成する工程と、
前記フォトマスクを露光装置により露光して、被転写体上にホール/ドットパターンを形成する工程を含み、
前記転写用パターンにおけるホール/ドットパターンのX-CD及びY-CDは、3μm未満であり、
前記補正工程では、前記設計パターンデータにおける、前記ホール/ドットパターンのCDについて、X方向及びY方向のうち、前記描画装置のCD制御精度の高い方向のCDを変更する補正を施すことによって、補正パターンデータを得ることを特徴とする、表示装置の製造方法である。
(第15の態様)
本発明の第15の態様は、
前記補正工程に先立ち、前記描画装置を用いて描画を行った予備転写用パターンを備える予備マスクを得る工程と、
前記予備マスクを用いて、前記露光装置により露光して、被転写体上に形成された前記ホール/ドットパターンのCDにより、前記補正値を把握する、補正値把握工程を有する、第14の態様に記載の表示装置の製造方法である。
(第16の態様)
本発明の第16の態様は、
所定の設計パターンデータにもとづいて形成されたフォトマスクを露光することにより、フォトマスクの転写用パターンを被転写体上に転写することを含む、表示装置の製造方法において、
前記フォトマスクを露光することによって被転写体上に得られるホール/ドットパターンの面積が目標値に等しくなるように、予め求めた補正値に従って、前記設計パターンデータを補正して、補正パターンデータを得る補正工程と、
前記補正パターンデータを適用し、フォトマスク基板に対して描画装置を用いて描画を行う描画工程と、
前記フォトマスク基板に現像及びエッチングを施して、前記転写用パターンを備えたフォトマスクを形成する工程と、
前記フォトマスクを露光装置により露光して、被転写体上にホール/ドットパターンを形成する工程を含み、
前記転写用パターンにおけるホール/ドットパターンのX-CD及びY-CDは、3μm未満であり、
前記補正工程では、前記設計パターンデータにおける、前記ホール/ドットパターンのCDについて、X方向及びY方向のうち、前記描画装置のCD制御精度の高い方向のCDを変更する補正を施すことによって、補正パターンデータを得ることを特徴とする、表示装置の製造方法である。
本発明を適用することにより、フォトマスクの描画に用いる、設計パターンデータの補正が的確に行なわれ、補正されたフォトマスクを露光することによって、被転写体(すなわちデバイスを製造するための被加工体)上に得られる転写像のCD精度が向上する。
図1(a)は、ホールパターンを有するバイナリマスクの平面概略図であり、図1(b)及び(c)は、正方形のホールパターンの設計寸法に対する、マスク上のCDエラーを、X方向、及びそれと垂直なY方向のCDについて測定し、プロットしたものを示す図である。 図2は、レーザ描画装置のビームの送り動作を模式的に示す図である。 図3は、Y方向におけるパターンのCD制御の様子を示す図である。 図4は、X方向におけるパターンのCD制御の様子を示す図である。 図5は、シミュレーションの対象とした、マスクパターンを示す図である。 図6は、図5に示すマスクパターンを露光したとき、被転写体上に形成される空間像であって、図5の各パターンに示す破線に対応する位置で仮想的に切断した、被転写体上の空間像である。 図7は、各サイズのホールパターンに対し、X-CD、Y-CDを変化させた際の、転写像におけるX-CDの変動量を示す図である。 図8は、光学シミュレーションの結果を示す図である。
現在、表示装置の分野においては、画素の微細化、高集積化の要望が強く、また、より明るく、かつ省電力であるとともに、高速表示、広視野角といった表示性能の向上が望まれている。
例えば、上記表示装置に用いられる薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、「TFT」)で言えば、TFTを構成する複数のパターンのうち、層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールが、確実に上層及び下層のパターンを接続させる作用をもたなければ正しい動作が保証されない。その一方、例えば液晶表示装置の開口率を極力大きくして、明るく、省電力の表示装置とするためには、コンタクトホールの径(CD)が十分に小さいことが求められるなど、表示装置の高密度化の要求に伴い、ホールパターンの径も微細化(例えば3μm未満)が望まれている。例えば、径が0.8μm以上3μm未満の微細なホールパターンが必要となり、これを安定して効率よく形成する技術が求められている。
ところで、表示装置に比べて、集積度が高く、パターンの微細化が顕著に進んだ半導体装置(LSI)製造用フォトマスクの分野では、高い解像性を得るために、露光装置には高い開口数NA(例えば0.2超)の光学系を適用し、露光光の短波長化がすすめられた経緯がある。その結果、この分野では、KrFやArFのエキシマレーザー(それぞれ、248nm、193nmの単一波長)を使用するようになった。フォトマスク製造のための描画装置にも、EB(電子ビーム)描画装置が採用されるようになった。
その一方、表示装置製造用のリソグラフィ分野では、解像性向上のために、上記のような手法が適用されることは、一般的ではなかった。例えばこの分野で用いられる露光装置がもつ光学系のNA(開口数)は、0.08~0.2程度である。また、露光光源もi線、h線、又はg線が多用され、主にこれらを含んだブロード波長光源を使用することで、大面積(例えば、一辺が300~2000mmの四角形)のフォトマスクを照射するための光量を得て、生産効率やコストを重視する傾向が強い。
この状況下、表示装置の製造においても、上記のようにパターンの微細化要請が高くなっている。ここで、半導体装置製造用の技術を、表示装置の製造にそのまま適用することには、いくつかの問題がある。例えば、高NA(開口数)をもつ高解像度の露光装置への転換には、技術的な困難があり、また大きな投資が必要になる。また、露光波長の変更(例えば半導体装置製造におけるように、ArFエキシマレーザーのような短波長を、単一波長で用いる)については、大面積をもつ表示装置に適用すれば、生産効率が低下するほか、やはり相当の投資を必要とする点で不都合である。つまり、従来にないパターンの微細化を追求する一方、既存のメリットであるコストや効率を失うことはできないという点が、表示装置製造用フォトマスクの問題点となっている。
表示装置製造用の露光装置は、解像可能なパターン(例えばホールパターン)の限界寸法が、3μm程度である場合が多いが、表示装置製造用のフォトマスクとしては、これに近い寸法、或いはこれを下回る、3μm未満のCDをもつホール/ドットパターンを要求される場合が生じている。従って、露光装置が保証しない微細CDであっても、精緻に転写する方法が求められる。
[CD補正の必要性]
表示装置を製造するに当たり、CD(Critical Dimension、以下パターン幅の意味で使う)の小さいホールパターンやドットパターンを所望のサイズで安定して形成することが強く求められる。一方、フォトマスクを露光することによって、被転写体(表示パネル基板など)上に形成されるこれらのパターンの寸法が設計どおりにならず、変動する要因はいくつか存在する。
例えば、フォトマスクの製造工程において、フォトマスクが備えるホールパターン又はドットパターンのCDが、設計値からずれる場合がある。
以下、主としてホールパターンを形成する場合を例として説明するが、本発明はホールパターンのみならずドットパターンにも適用できる。これに関連し、本願では「ホールパターン又はドットパターン」を簡略化して、「ホール/ドットパターン」とも表記する。
フォトマスクの製造においては、まず、得ようとするデバイス(表示装置等)の設計にもとづき、フォトマスクの設計を行って描画用のパターンデータを作成する(設計パターンデータ)。そして、このデータを使用して、描画装置を用い、フォトマスク基板上に描画を行なう。フォトマスク基板とは、透明基板上に、フォトマスクパターンとするための光学膜(遮光膜など)及びレジスト膜を形成した、フォトマスクブランクであってもよく、又は、積層された光学膜の一部に対してパターニングを行なった後、更なるパターニングを行なうために、光学膜やレジスト膜を形成した、フォトマスク中間体であってもよい。描画を行なったこれらのフォトマスク基板は現像工程に送られる。現像によって形成されたレジストパターンをエッチングマスクとして、光学膜のパターニングを行なうことにより、転写用パターンを備えたフォトマスクが得られる。理想的には、得られたフォトマスクのデザインは、設計パターンデータを忠実に反映したものとなるはずであり、フォトマスク上のパターンCDは、設計パターンデータに示されたとおりになるはずである。
ところが、扱うパターンの微細化に伴い、得られたフォトマスクのCDを測定すると、設計パターンデータによるCDとのずれが生じることがある。この原因としては、例えば、描画装置が備える、レーザ発振機から分割された複数のレーザビームに出力の個体差がある場合、或いは、レーザヘッドの駆動に生じるわずかな変動など、種々の原因があるが、この中には、再現性をもって同じ傾向で生じるCDエラーが含まれる。
こうした場合、予備的に、所定の設計データを使用して描画を行い、予備マスクを作成して、形成された転写用パターンのCD測定を行うことで、CDエラー傾向を把握し、これを反映して、実際に得ようとするフォトマスクの設計パターンデータを補正すれば、設計どおりのフォトマスクが得られると考えられる(ケース1:マスクCD不調の場合)。
更に、フォトマスクを用いて、露光装置を用い、被転写体(ディスプレイパネル基板など)上にパターン転写を行なった場合に、得られた転写像に、目標とするCDからのエラーが生じる場合がある。このようなケースは、使用したフォトマスクの備える転写用パターンにおいて、CDエラーが生じていない場合にも、発生する場合がある(ケース2:パネルCD不調の場合)。
ケース2の原因として、例えば、露光前に、被転写体上に形成するレジスト膜の膜厚に面内分布が生じている場合や、現像の過程で現像液の供給に面内ばらつきが生じる場合などには、被転写体上の位置によって、同一であるはずのCDにばらつきが生じる場合がある。特に、表示装置用の基板(マザーガラス等)は、サイズが大きく(一辺が1000mm~3000mm超など)、レジスト塗布装置や現像装置の構造やウェット処理の液流などによって、面内の処理条件が不均一になることが、完全には避けられない。
更に、フォトマスクを露光する際に使用する露光装置にも、装置構成上の原因によって、面内の光量分布が生じる場合がある。
上記のような処理条件、露光条件の面内不均一においても、同じ装置を使用する限り、再現性をもって現れるCDエラーに対しては、この傾向を把握し、これを低減するための方策をとることにより、影響を低減することが可能と考えられる。具体的には、これらの面内不均一要因によって生じてしまう、転写像のCD不均一化を、予め、フォトマスクのパターンデータに反映させ、これらの不均一によって生じるCDの増加、減少の傾向を相殺する補正を行なうことが有効であることが推測できる。
[CD補正の困難性について]
そこで、例えば、フォトマスク製造過程で、その描画装置に起因するCDエラーを考える。予備的に形成したフォトマスクのCD測定を行ない、このCDが、設計パターンデータによるCDと異なる場合、予め、そのCDエラーを相殺するため、設計パターンデータのCDを補正することができるはずである。例えば、フォトマスクのCD測定による結果に基づき、フォトマスク上のホールパターンのX-CD(X方向のCD)が大きすぎれば、設計パターンデータにおいて、対応するホールパターンのX-CDを減少させる補正を行ない、或いは、Y-CD(Y方向のCD)が小さすぎれば、設計パターンデータにおける、対応するY-CDを、増加させる補正を行なえばよいと考えられる。しかしながら、発明者の検討によると、こうした設計パターンデータの補正は、必ずしも満足な結果が得られない場合を生じさせた。
[描画によるX-CD、Y-CDの制御性の差異]
以下、ホールパターンを転写用パターンとしてもつフォトマスクを例として説明する。フォトマスクのもつホールパターン(ここではマスクホールパターンともいう)は、例えば、被転写体上にコンタクトホールを形成するための転写用パターンとして有用に用いられる。そして、このパターンには、昨今の高精細な表示装置のため、微細化の傾向が著しい。
一方、微細なCDとしては、例えばフォトマスクの露光に用いる露光装置の解像限界寸法未満の寸法をもつパターンが挙げられる。こうした微細なパターンをもつ表示デバイスが生産されるケースが少なくない現状である。このようなCDをもつパターンになると、フォトマスク製造上にも困難が生じ、フォトマスク上に、設計どおりの正確な寸法をもつパターンを形成しにくい。
尚、露光装置の解像限界寸法Rは、以下の式によって定義される。
R=k×(λ/NA)
係数kは、定数であり、ここでは、0.61とする。また、λは、露光に用いる光の波長である。例えば、i線、h線、g線など、複数の波長を含む光(ブロード波長光ともいう)を用いる場合には、平均値(含まれる波長の光強度を勘案した加重平均)を用いる。又は、λは、簡易的には代表波長(例えばi線)とすることができる。また、NAは、露光装置の投影光学系のマスク側の開口数である。
このように、フォトマスク製造の過程で、設計どおりの転写用パターン形成しにくい背景としては、パターン微細化の傾向に伴い、パターンを描画する際に使用する描画装置にとっても、CD精度に余裕がなくなってきていることが関係する。
そこで、フォトマスクのもつCD精度につき、検証した。ここでは、被転写体上にホールパターンを形成するため、フォトマスクに、正方形のホールパターン(抜きパターン)を形成しようとする場合、そのCD制御性について、検討した。
透明材料からなる基板上に、Cr系の遮光膜を成膜し、更にその表面にポジ型フォトレジスト膜を形成したフォトマスクブランクを用意した。そして、レーザ描画装置を用い、一辺が、設計寸法W1(μm)の正方形のホールパターンを複数描画した。ここでW1は、5.5μmから徐々に小さくし、約1.0μmまで変化させた。
描画後、レジストを現像してレジストパターンを形成し、更に、このレジストパターンをマスクとして、遮光膜をウェットエッチングすることにより、フォトマスク基板上に、ホールパターンを有するバイナリマスク(図1(a))を作製した。
次に、形成されたバイナリマスクのホールパターンのサイズを測定した。すなわち、正方形のホールパターンの設計寸法に対する、マスク上のCDエラーを、X方向、及びそれと垂直なY方向のCD(それぞれ、X-CD及びY-CDという)について測定し、プロットしたものが、図1(b)及び(c)である。
図1(b)(c)ともに、設計寸法としてのCDが5.5μmから小さくなるに従い、バイナリマスクのX-CD及びY-CDのエラーはマイナス側に変化し、更に、設計CDが3μmを下回った辺りから、バイナリマスクのCDエラー量の絶対値が急激に大きくなる。
一方、上記挙動は、X-CDとY-CDの間で相違する。Y-CDのエラー量の変化が滑らかな曲線を描いているのに対し、X-CDのエラー量の変化には、不規則な凹凸が見られる。Y-CDと比較すると、X-CDのエラー量の変化は不安定であり、予測が難しいことがわかる。
このとき用いた描画装置は、レーザ描画装置であり、レーザビームが、X方向に一定の送り幅で送り出し動作をした後、Y方向に一定幅の照射動作を行い、これらの動作を交互に繰り返すことによって、フォトマスク基板上に描画を行なうものである。すなわち、フォトマスク上に形成されるパターンのCD精度は、描画装置の駆動メカニズムに応じ、X方向とY方向のCD制御性に差が生じていることがわかった。
図2は、上記描画装置のビームの送り動作を模式的に示すものである。ここでは、所定のビーム径(ここではシングルビーム描画機の場合を示す)のレーザビームを、所定の送り幅でX方向に送り出し、その後、Y方向に所定の幅でスキャンする動作を繰返しつつ、描画領域全体に描画を行なっていく様子を示す。尚、これらの動作は、レーザビームを出射するヘッドのみの動きによってもよく、また、フォトマスク基板を載置したステージの動きとの相対位置の移動によって、上記動作を実現することもできる。
X,Yそれぞれの方向におけるパターンのCD制御の様子を図3、4に示す。パターンのY-CDは、ビームの電源のON/OFFによって制御することができる(図3)。一方、X-CDは、ビームの配列幅(及び必要に応じて、端部のビームのパワー調整)によって制御する(図4)。すなわち、X-CDとY-CDとの制御方法が異なるため、制御精度にも差が生じる。図1の(b)(c)の結果とあわせて考察すると、この描画装置では、X-CDの制御に比べ、Y-CDの制御の精度が高く、パターンデータ上でCD補正を行なった場合、再現性よく、狙い通りの補正値が描画に反映され、所定の効果が得られることが推定できる。
また、上記においては、レーザビームが、X方向に一定の送り幅で送り出し動作をした後、Y方向に一定幅のスキャンをしながらレーザ照射し、これらの動作を交互に繰り返すことによって、描画する描画装置について説明したが、必ずしもこの方式に限定されない。たとえば、照射動作は、Y方向にのびる一定幅の領域に対して、スキャンしながら照射をON/OFFする動作(スキャン照射)のほか、該一定幅の領域に対して、パワー調整を伴なう一括照射する動作(ショット照射)でもよい。また、レーザに限定されず、他のエネルギービーム(例えばLEDなど)でも本発明の効果が奏される限り、後述の本発明が適用できる。
更に、上記においては、シングルビームについて説明したが、複数(マルチ)ビームを動作させて描画を行なう描画装置においても、X方向とY方向にそのCD制御精度が異なることが生じる場合があり、その場合にも本発明がもちろん適用可能である。
[フォトマスク上のCDと被転写体上のCDの相関]
ところで、被転写体上に形成されるパターンCDが、面内で不均一なCDエラーを示す場合、CDエラーを生じているパターンごとに、フォトマスクを製造するためのパターンデータにおいて適切なCD補正を行い、この不都合を解消する方法が採用し得る。そこで、フォトマスクのX-CD、Y-CDを所定量変化させた場合に、被転写体上に形成される空間像(光強度分布)がどのようになるか、そして、被転写体上に転写されたパターンのCDがどのような変化を生じるかにつき、光学シミュレーションを行なって検討した。
図5には、シミュレーションの対象とした、マスクパターンを示す。一般に、被転写体上に、コンタクトホールなどのホールパターンを形成するに際し、マスクホールパターンの形状は、正方形とする。ここでは、被転写体上のレジストをポジ型とし、正方形の抜きパターン(A)をもつフォトマスクを用意し、その径(1辺の長さ)は、10.0μm(参考例1)、及び2.0μm(参考例2)とした。
(B)は、上記2つの正方形パターン(A)に対して、X-CDを0.025μm増加したものである(それぞれ、参考例3,4)。
(C)は、上記2つの正方形パターン(A)に対して、Y-CDを0.025μm増加したものである(それぞれ、参考例5,6)。
図5において、X及びYはフォトマスク面内で互いに垂直な方向を示す意味であり、図1、図2で説明した描画装置の駆動方式に関するX、Yの方向とは関係しない。
適用したシミュレーション条件は、以下のとおりである。
露光装置の光学系:NA=0.08,コヒレントファクタσ=0.7
露光波長は、g線、h線、i線を含むブロード波長光とし、その強度比は、g:h:I=1:1:1である。
図5に示すマスクパターンを露光したときに被転写体上に形成される空間像を図6に示す。尚、この空間像は、図5の各パターンに示す破線に対応する位置で仮想的に切断した、被転写体上の空間像である。
図6により、以下の点が明らかになった。CDが、比較的大きいとき(図6(a)(b))には、マスク上のCDの変化は、被転写体上の空間像に、比較的忠実に反映される。ここでは、マスクのX-CDの増加は、空間像(光強度分布)におけるX方向のCDの増加となって現れている。マスク上のY-CDの増加は、空間像のX方向のCDには影響していない。
一方、ホールCDの絶対値が小さくなり、露光装置の解像限界寸法未満になると(図6(c)(d))、マスク上でX-CDを増加してもY-CDを増加しても、現れる空間像において、X方向のCDがほぼ同じように増加している。この場合、被転写体上の空間像は、マスク上のホールパターンが有するX-CD、Y-CDの寸法よりも、該ホールパターンの面積に相関していると見られる。つまり、面積が同一のホールパターンは、ほぼ同一の空間像を描くと予測され、これによって、被転写体上に得られるホール/ドットパターンのCDも、フォトマスク以外の要因が加わらない限り、ほぼ同一となることが予測できる。
このとき、被転写体上に形成される転写像は、光の回折の影響が無視できない程度に生じるため、マスク上では四角形のパターンであっても、角が丸みをおび、円形に近づく。従って、このレベルの微細なCDでは、転写されたホールパターンのCDは、X-CD、Y-CDの区別を行なう意味が薄れ、近似される円の直径に近くなる。この場合被転写体上に形成されたホール/ドットパターンのX-CD、Y-CDの平均値を、単にCDとよぶことがある。
図7によると、この現象が更に明らかに理解できる。ここでは、正方形(X-CD=Y-CD)のホールパターンであって、一辺が1.5~10μmの6種類のホールパターンをもつフォトマスクに対して、それぞれX-CDのみ(棒グラフ左側)、又はY-CDのみ(棒グラフ右側)に0.025μmを加える補正を行なった場合、被転写体上に形成されるホールパターンのX-CD変動量を示すものである。ここでは、X-CD、Y-CDが小さくなるに従い、それに応じた露光光の照射光量を上げることにより、被転写体上に目標CD(ここではフォトマスク上と同様、1.5~10μmの各CD)のホールパターンを形成している。
尚、図7において、X及びYは、フォトマスク面内、及び被転写体の面内で互いに垂直な方向を示す意味であり、図1、図2で説明した描画装置の駆動方式に関するX、Yの方向とは関係しない。
これによると、CDが比較的大きい場合には、マスク上のX-CDの補正が、被転写体上のX-CDに反映される一方、CDが微細化するにしたがい、マスク上のX-CDのみへの補正、Y-CDのみへの補正が、いずれも、被転写体上のX-CDを変化させる要因となる。特に、3μmを下回るCDをもつ場合に、この傾向が顕著になり、2μm以下になるとマスク上のX-CDの補正も、Y-CDへの補正も、被転写体上の転写像のX-CDに対して、ほぼ同様に作用することがわかる。また、ここではX-CD補正した量(0.025μm)を越えて転写像におけるCD変化量が大きくなっている。これは、パターンが微細になるに従い、マスク上のCD差に対する、被転写体上のCD差が拡大する現象(MEEF-Mask Error Enhancement Factor-の増加)の影響を受けることを意味する。
上記により、フォトマスクの設計パターンデータを補正する場合、補正分をX-CDとY-CDに均等に配分して、補正前と同様に正方形のパターンとする必要はないことがわかる。また、図1の知見からは、むしろ、CD精度の制御性の良い方向(上記描画装置によればY-CDの方向)に補正した方が有利であることが明らかである。これは、X-CDの描画精度から判断すると、CDエラーにも再現性が低く、X-CDの補正を行なったときに、補正後に新たなCDエラーが生じるリスクがあるからである。この点を考慮し、X-CDに対しては補正を行なわず、できる限りY-CDのみの補正によって、被転写体上の転写像のCD精度を向上させることが望ましい。
この結果、補正パターンデータには、無補正の正方形のパターンのほか、描画精度の高い方向のみにCD補正を施した結果として、X-CD同士が互いに異なる(Y-CD同士は一定)、或いは、Y-CD同士が互いに異なる(X-CD同士は一定)、複数の四角形(長方形)のパターンデータが含まれることになる。
そして、この補正パターンデータを用いて描画を行い、得られたフォトマスクは、互いに形状が異なっていても互いに面積が等しいホール/ドットパターンの群を含む。つまり、互いにX-CDが異なり(従ってY-CDが異なり)、かつ面積の等しい四角形状のホール/ドットパターンの組合せが1組以上含まれ、これを同一面積のホール/ドットパターン群とも称する。
この結果から、以下のことが判明した。すなわち、フォトマスクの設計パターンに対して、CDの補正を施す際には、描画装置の構造を考慮し、X-CD、及びY-CDのうち、CDの制御精度の高い方のCDのみを補正することが有効である。この方法によって、フォトマスク上に必要面積をもつ、同一面積のホール/ドットパターン群を得ることが可能であり、該フォトマスクを露光することによって、被転写体上に、設計どおりのCDをもつホール/ドットパターンを得るための補正効果が得やすい。
ここで、CDの制御性が高い方のCDとは、描画装置による制御性の傾向を予め把握することによって決定することができる。
尚、フォトマスクの描画装置におけるCD制御は、必ずしも図3、4に記載したものに限らないが、X-CDとY-CDとの間で、その制御精度に差が生じる描画装置においては、上記と同様の考察が可能である。
CD制御性の高い方向のより定量的な判断方法としては、図1の(b)及び(c)に示されたカーブにおいて、CDエラー量のマイナス方向への落ち込みが見られない2.5μm以上の設計寸法においてCDエラー量の標準偏差をそれぞれ算出し、標準偏差が小さい方を制御性高い方向とすることができる。図1においては、明らかにY方向(図1(c))の標準偏差が小さい。
また、それぞれの設計寸法におけるCDエラー量に対して、近似曲線を用いて最小二乗フィッティングを行い、近似曲線とCDエラー量の差の標準偏差をそれぞれ算出し、標準偏差が小さい方を制御性が高い方向としてもよい。
このような補正の方法は、マスクパターンのX-CD又はY-CD(好ましくはX-CD及びY-CD)が、露光装置の解像限界寸法Rに近づく微細パターンに対して適用することが、特に有効である。表示装置製造用のプロジェクション露光装置においては、一般に、解像限界寸法Rが以下のとおりである。
R=k*λ/NA
ここでは、k値に、0.061を適用することができる。また、NAの値は、0.08以上(より具体的には、0.08~0.2)とすることができることから、3.0μm程度を解像限界寸法と考え、概略的には、3.0μm未満を、解像限界未満と扱うことができる。将来、NAの値が向上すると(例えば0.1~0.2程度になる場合など)、Rの値も変化するため、本発明を適用する対象となるホール/ドットパターンのCDは変化しうるが、本発明の手法は同様に適用できる。
例えば、上記の例では、描画装置のY-CDの制御精度がX-CDのそれより高かったので、マスクパターンのY-CDのみを補正することによって、必要な面積のホール/ドットパターンをもつフォトマスクとすることが好ましい。ここで必要な面積とは、被転写体上に所望のCDをもつホール/ドットパターンを形成するために、フォトマスク上のホール/ドットパターンとして必要な面積である。
また、上記必要な面積を得るために、Y-CDのみを補正すると、Y-CDの値が上記R(例えば3.0μm)を超えてしまう場合には、Y-CDをR未満とし、上記必要な面積を充足するためのCDの不足分のみを、X-CDの補正によって補ってもよい。
具体的には、表示装置製造用のフォトマスクであって、フォトマスク上に形成する転写用パターンのX-CD及びY-CDが、上記R未満の場合に本発明を適用することが好ましく、また、この転写用パターンは、ホール/ドットパターンをもつ場合に、本発明が有利に適用できる。具体的な例としては、X-CD及びY-CDが3μm未満の場合に、効果が顕著である。また、X-CD及びY-CDは、0.8μm以上であることが好ましい。より好ましくは、X-CD及びY-CDが、1.0~2.5μm、更に好ましくは1.5μm~2.5μmである。
このような転写用パターンを用い、被転写体上には、CD(X-CD及びY-CD)が、1.0~4.0μm程度の転写像を得ることができる。換言すれば、被転写体上に得ようとするホール/ドットパターンのCDが、1.0~4.0μmのとき、本発明を好適に適用することができる。
また、X-CD又はY-CDを補正する場合の補正幅(増減量)の好ましい範囲は、±(0.01~0.15)μm程度である。補正幅が過度に大きいと、フォトマスク上のパターン面積と、被転写体上の空間像の相関精度が低減する不都合があり、過度に小さいと、補正のメリットが十分に得られない。上記範囲であれば、マスクの寸法補正がより精緻に行なわれるとともに、被転写体上に得られるパターン精度をより所望値に近づけられる。補正幅のより好ましくは、±(0.01~0.10μm)である。
(実施例1)
図8に、光学シミュレーションの結果を示す。
図8(c)は、被転写体(パネル)上に、X-CD、Y-CDがいずれも2.5μmのホールパターンを形成するため、正方形のホールパターンをもつフォトマスクを露光する場合を想定する。ここでは、描画するための設計パターンデータは、X-CD、Y-CDがいずれも2.5μmである。そして、同一寸法のホールパターンを、フォトマスク上に形成することを想定する。
但し、描画装置の精度に起因して、得られたフォトマスク(予備マスクとする)のホールパターンにおいて、X-CDが2.4~2.6μmの範囲で変動したとする。このとき、この予備マスクを露光して、被転写体上に形成される光学像のX-CDとY-CDをプロットしたのが、図8(c)である。なお、予備マスクは、描画装置を用いて描画を行った予備転写用パターンを備える。
図8の各グラフにおいて、横軸は、フォトマスク上のX-CD変動量、縦軸は、被転写体上に形成される光学像におけるX-CD(破線)、Y-CD(実線)の変動量を表わす。
図8(c)において、予備マスク上変動しているのはX-CDのみであるにもかかわらず、被転写体上に形成される光学像のX-CDとY-CDは、予備マスク上のX-CDの変動に伴なって、ほぼ同様に、約2.35~約2.6μmの間で変動している。
次に、設計パターンデータに補正を施す。具体的には、ホール設計値の2.5μmの正方形の面積(2.5×2.5=6.25μm)を算出し、かつ、設計パターンデータのX-CDを変更せず(設計値X-CD=2.5μmのままで)に、かつ、予備マスクに実際に形成されたホールパターンのX-CDによって、上記面積となるようなY-CDを求め、設計パターンデータのY-CDを補正して補正パターンデータを得る(補正工程)。そして、こうして得られた補正パターンデータを用いて、フォトマスクを形成する。
例えば、予備マスク上に、X-CDが2.400μm、Y-CDが2.500μmのホールパターンが形成されたとき、この面積は、6.000μmである。しかしながら、フォトマスク上に、面積6.25μmをもつホールパターンを得ることが望まれる。そこで、この予備マスク上の、このホールパターンに対応する、設計パターンデータのX-CD(=2.50μm)は変更せず、一方、設計パターンデータのY-CDを、2.604μmに補正する。そして、上記描画装置によって、描画を行なう(描画工程)。
得られたフォトマスクは、設計パターンデータどおりであって、無補正の正方形(X-CD=Y-CD=2.5μm)のホールパターンのほか、X-CDの変動に応じてY-CDが補正された、長方形のホールパターンを有することになる。そして、これらのホールパターンは、設計パターンデータにおけるX-CD、Y-CDとは異なるが、面積が等しい。また、設計パターンデータに同一のX-CD、Y-CDをもつホール/ドットパターン同士は、フォトマスク上においても、面積が等しい。つまりここでは、フォトマスク上に形成された転写用パターンにおいて面積が等しくなるように求めたCD補正値を、設計パターンデータのCDに置換して、補正パターンデータを得る。
また、このフォトマスクを露光し、その転写用パターンを被転写体上に転写すると、その光学像においては、X-CDとY-CDがほぼ一定のCD(2.5μm±0.05μm)のホールパターンが得られる(図8(d))。この方法を用いれば、被転写体上に、目標寸法をもつ、一定のCDをもつホールパターンが、安定して形成できることがわかる。被転写体に得ようとする目標CDに対し、±0.1μm以内(より好ましくは±0.05μm)であれば許容範囲であるからである。
尚、被転写体に形成しようとするホール/ドットパターンの目標CDと、フォトマスク上のX-CD、Y-CDとは必ずしも等しくなくても良い。本願で、設計パターンデータは、フォトマスク上の寸法を示すものである。必要に応じて、被転写体上に形成するパターンの目標CDに対して、所定のバイアス値を加え(又は減じて)、フォトマスクの設計パターンデータを形成し、これを、上記設計パターンデータのX-CD、Y-CDとしてもよい。
一方、図8(a)、(b)は、X-CD、Y-CDがいずれも4.0μmの正方形のホールパターンを設計パターンデータとした場合(参考例7)を想定し、上記と同様の操作を行った場合を示す。フォトマスク上のX-CDが3.9~4.1μmの幅で変動し、Y-CDが設計値のままとしたときに、被転写体上に形成される光学像のX-CD及びY-CDを、図8(a)に示す。
また、ホール設計値の4.0μmの正方形の面積を算出し、かつ、設計パターンデータのX-CDを変更せず(設計値X-CD=4.0μmのままで)に、かつ、予備マスクに実際に形成されたホールパターンのX-CDによって、上記面積となるようなY-CDを求め、設計パターンデータのY-CDを補正する。そして、こうして得られた補正パターンデータを用いて、フォトマスクを形成する。このフォトマスクを用いて得られた、被転写体上の光学像のX-CD、Y-CDを、図8(b)に示す。
但し、このサイズ(露光装置の解像限界寸法より大きい)では、フォトマスクを露光して被転写体上に形成した光学像のX-CD、Y-CDは、上記実施例1と比較して、設計値4.0μmからの変動が大きい。
上記から、露光装置の解像限界寸法未満のCDをもつフォトマスクにおいて、フォトマスク上に得られるホール/ドットパターンを補正する場合(上記のケース1に対応)の補正パターンデータを求める方法を考察する。
フォトマスクの設計パターンデータにおける、X-CDをXm(des)、Y-CDを、Ym(des)、面積をSm(des)とし、
形成した予備マスクにおける実際のX-CDをXm(act)、Y-CDをYm(act)、面積をSm(act)とし、
補正パターンデータにおけるX-CDをXm(cor)、Y-CDをYm(cor)、面積をSm(cor)とするとき、
Ym(cor)={Sm(des)/Sm(act)}*Ym(act) ・・・ (1)
とすることができる。ここで、Xm(cor)=Xm(des)である。
つまり、マスクCDの不調を補正する場合には、設計パターンデータにおけるホール/ドットパターンの面積を維持するようにしてCD制御性の高い方向のCD(ここではY-CD)を補正し、補正パターンデータを形成する。結果として得られる転写像がほぼ設計パターンデータで目標としたものと同一になる。
補正値を把握する工程では、予備マスクを得るために用いた予備マスク用設計パターンデータに含まれるホール/ドットパターンと、予備マスク上に形成されたホール/ドットパターンの、相互の面積の相関を把握することによって、CD(ここではY-CD)の補正量を決定することができる。もちろん、ホール/ドットパターンの面積と、X-CD、Y-CDの各数値は相関しているので、結果として(1)式の値を得ることを行なうために、補正値を算定する段階ではいずれの値を如何なる順で用いて算定してもよい。
(実施例2)
被転写体上に得ようとするパターンの設計にもとづいて、フォトマスクの設計パターンデータを形成し、これをもとに、転写用パターンをもつフォトマスクを形成し、露光装置を用いてこれを転写した場合に、被転写体上に得られたCDが、目標値とずれてしまう場合(ケース2の場合)を想定する。この場合も、転写用パターンにおけるX-CD、Y-CDが、露光装置の解像限界寸法未満である。
この場合も、被転写体上に形成される転写像のCDが、目標値と一致するように、フォトマスク製造工程にこのずれをフィードバックし、補正パターンデータを用いて、新たに補正されたフォトマスクを用意すれば良い。そして、CDの目標値からのずれは、フォトマスクのCDのずれに起因するものであっても、露光の過程に起因するものであっても、その両方によるものであってもよい。
そして、この場合においても、補正パターンデータの作成において、CDの補正は、X-CD、Y-CDの値を均等に変化させるのではなく、CD制御精度の高い方(ここでは、Y-CD)の値を、変更することによって、補正パターンデータを得る。
まず、予備マスクを用意する。この予備マスクは、予備設計パターンデータを用いた描画工程により、製造されたものでる。
ここで、フォトマスクの設計パターンデータにおける、X-CDをXm(des)、Y-CDを、Ym(des)、面積をSm(des)とし、
被転写体上に得ようとするパターンの目標とするX-CDをXp(tar)、Y-CDをYp(tar)、面積をSp(tar)とし、
形成した予備マスクにおける実際のX-CDをXm(act)、Y-CDをYm(act)、面積をSm(act)とし、
露光装置によって予備マスクを露光し、被転写体上に得られる転写像のX-CDをXp(act)、Y-CDをYp(act)、面積をSp(act)とし、
補正パターンデータにおけるX-CDをXm(cor)、Y-CDをYm(cor)、面積をSm(cor)とする。
ここで、Sp(tar)は、予め、Xp(tar)とYp(tar)、及びパターン形状(円又は楕円など)から求めておくことが好ましい。
このとき、以下の関係式により、Sm(cor)を求める。
Sm(cor)=Sm(act)*{Sp(tar)/Sp(act)}
次に、このSm(cor)を満足させるための、補正パターンデータを求める。すなわち、マスク上のパターンは四角形であるので、
Ym(cor)=Sm(cor)/Xm(act)
ここでもXm(cor)は、Xm(des)のままとする。
すなわち、被転写体に形成されるパターンのCDに目標値からのずれがある場合は、被転写体上の目標CDから得られる目標面積を得るために必要な、マスク上の必要面積を求め、これを元に、CD制御性の高い方向のCD(ここではY-CD)を補正し、補正パターンデータを形成する。
また、パターンが微細化するに伴い、MEEFの影響が無視できない場合には、MEEFの値による係数を、上記で求めた補正量にかけてもよい。
上記説明では、被転写体上にホールパターンを形成する場合を例としたが、ドットパターンに対して同様の方法を適用してもよいことはいうまでもない。
実際の設計パターンデータには、被転写体(パネル)上で、同一のホール/ドットパターンとなる複数のホール/ドットパターンが配置されている。本発明の補正パターンデータを得るためには、上記の算定を、個々のホール/ドットパターンごとに、行なうことが好ましい。CDずれの原因は、フォトマスク面内の位置などによって、個々に異なる場合があるためである。
尚、上記の実施例2においても、実施例1におけると同様に、計算の順序は同一でなくても、同じ結果が得られれば良い。
本発明は、上記した実施例1、実施例2に限定されない。
また、上記描画方法を適用した、フォトマスクの製造方法を含む。
また、このようにして製造したフォトマスクを用い、転写用パターンを被転写体上に転写することを含む、表示装置の製造方法を含む。ここで表示装置とは、最終製品としての表示装置に組み込む為の、表示装置用デバイスを含む。
露光装置としては、開口数NAが0.08~0.20、コヒレントファクタσが0.2~0.7程度の光学系を有する、プロジェクション方式の等倍露光装置を用いることが有用である。主にFPD用露光装置として知られるものが適用できる。露光波長は、i線、h線、g線のいずれかを用いることが好適であり、これらをすべて含むブロード波長光を用いてもよい。
転写用パターンを、被転写体上ポジレジストに転写してもよく、ネガレジストを用いても良い。また、被転写体上のレジストをエッチングマスクとしてのレジストパターンとしてもよく、又は、立体的な構造物を形成するための感光性樹脂に転写してもよい。
本発明を適用して製造するフォトマスクの用途に特に制限は無い。
例えば、表示装置製造用のフォトマスクとして、コンタクトホールを形成するためのフォトマスクに好適である。特に、いわゆる孤立ホールパターンの形成に利用できる。更には、カラーフィルターのフォトスペーサ等の構造物を形成してもよい。
いわゆるバイナリマスクであってもよく、又は、被転写体上に、複数の残膜量をもつ立体的なレジストパターンを形成するための多階調フォトマスクであってもよい。又は、位相シフト膜を用いてコントラスト等を向上可能な位相シフトマスクであってもよい。
また、本発明は、上記製造方法によって得られたフォトマスクを含む。
フォトマスクが有する転写用パターンは、複数の長方形のホールパターンを含み、長方形の長辺の寸法をX-CDとするとき、前記複数のホールパターンは、互いのX-CDが互いに異なり、面積が同一である形状を有する。短辺の寸法をY-CDとするとき、X-CD及びY-CDが3μm以下であることが好ましい。
又は、フォトマスクが有する転写用パターンは、複数の長方形のドットパターンを含み、長方形の長辺の寸法をX-CDとするとき、前記複数のドットパターンは、互いのX-CDが互いに異なり、面積が同一である形状を有する。短辺の寸法をY-CDとするとき、X-CD及びY-CDが3μm未満であることが好ましい。
又は、前記転写用パターンは、更に、上記長方形のホール/ドットパターンと同一面積の、正方形のホール/ドットパターンを有する。
ここで複数の面積をもつパターンは、得ようとするデバイスの設計に基いた、設計パターンデータ(すなわち補正を施す前のパターンデータ)において、同一のCD(X-CD及びY-CD)をもつパターンであり従って、最終的な製品において、同じ機能を奏するためのパターンであることができる。
本発明による、描画方法、それを用いたフォトマスクの製造方法を適用すれば被転写体の、面内全域にわたって、CDエラー量を、許容範囲以下に抑えることができ、歩留や生産効率に寄与する。
尚、本発明を適用するフォトマスクの用途には特に限定は無い。液晶や有機ELを含む、表示装置製造用のフォトマスクを用いて、これらの表示装置の各種レイヤを製造する場合に、好適に適用できる。
また、フォトマスクは、いわゆるバイナリマスクであってもよく、又は、所定の透過率をもつ機能性膜パターンを有するもの(多階調フォトマスク、位相シフトフォトマスクなど)であってもよい。

Claims (14)

  1. 所定の設計パターンデータにもとづき、フォトマスク基板上に描画を行うことによって、ホール/ドットパターンを含む転写用パターンを備えたフォトマスクとするための、パターン描画方法であって、
    前記フォトマスクを露光することによって被転写体上に得られるホール/ドットパターンのCDが目標値となるように、予め求めた補正値に従って、前記設計パターンデータを補正して、補正パターンデータを得る補正工程と、
    前記補正パターンデータを適用し、描画装置を用いて描画を行う描画工程と、を含み、
    前記描画装置は、前記フォトマスク基板面と平行な面内において、X方向、及び前記X方向に垂直なY方向に対して、CD制御精度が異なる駆動方式によるものであり、
    前記補正工程では、前記設計パターンデータに対し、前記ホール/ドットパターンのCDについて、X方向及びY方向のうち、CD制御精度の高い方向のCDを変更する補正を施すことによって、補正パターンデータを得ることを特徴とする、パターン描画方法。
  2. 前記補正工程では、被転写体上に得られるホール/ドットパターンのCDが目標値に等しくなる、前記転写用パターンのホール/ドットパターンの目標面積を求め、
    前記転写用パターンのホール/ドットパターンの目標面積に基づき、前記設計パターンデータに対し、前記ホール/ドットパターンのCDについて、X方向及びY方向のうち、CD制御精度の高い方向のCDを変更する補正を施すことによって、補正パターンデータを得ることを特徴とする、請求項1に記載のパターン描画方法。
  3. 所定の設計パターンデータにもとづき、フォトマスク基板上に描画を行うことによって、ホール/ドットパターンを含む転写用パターンを備えたフォトマスクとするための、パターン描画方法であって、
    前記フォトマスクを露光することによって被転写体上に得られるホール/ドットパターンの面積が目標値に等しくなるように、予め求めた補正値に従って、前記設計パターンデータを補正して、補正パターンデータを得る補正工程と、
    前記補正パターンデータを適用し、描画装置を用いて描画を行う描画工程と、を含み、
    前記描画装置は、前記フォトマスク基板面と平行な面内において、X方向、及び前記X方向に垂直なY方向に対して、CD制御精度が異なる駆動方式によるものであり、
    前記補正工程では、前記設計パターンデータに対し、前記ホール/ドットパターンのCDについて、X方向及びY方向のうち、CD制御精度の高い方向のCDを変更する補正を施すことによって、補正パターンデータを得ることを特徴とする、パターン描画方法。
  4. 前記補正工程は、前記被転写体上のホール/ドットパターンの目標面積を求め、
    前記被転写体上のホール/ドットパターンの目標面積に基づいて、前記転写用パターンのホール/ドットパターンの目標面積を求め、
    前記転写用パターンのホール/ドットパターンの目標面積に基づき、前記設計パターンデータに対し、前記ホール/ドットパターンのCDについて、X方向及びY方向のうち、CD制御精度の高い方向のCDを変更する補正を施すことによって、補正パターンデータを得ることを特徴とする、請求項3に記載のパターン描画方法。
  5. 前記描画装置は、レーザビームを用いて描画を行なう、レーザ描画装置であることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載のパターン描画方法。
  6. 前記転写用パターンにおけるホール/ドットパターンのX-CD及びY-CDは、前記フォトマスクを露光する露光装置の解像限界寸法未満であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のパターン描画方法。
  7. 前記転写用パターンにおけるホール/ドットパターンのX-CD及びY-CDは、3μm未満であることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載のパターン描画方法。
  8. 前記描画装置は、レーザビームが、X方向に一定の送り幅で送り出し動作をした後、Y方向に一定幅の照射動作を行い、これらの動作を交互に繰り返すことによって、フォトマスク基板上に描画を行なうことを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載のパターン描画方法。
  9. 前記補正工程は、前記設計パターンデータに含まれる、ホール/ドットパターンの面積と、前記フォトマスク基板上のホール/ドットパターンの面積が等しくなるように求めたCD補正値を、前記設計パターンデータのCDに置換して、補正パターンデータを得ることを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載のパターン描画方法。
  10. 前記補正工程に先立ち、前記描画装置を用いてパターン描画を行った予備マスクを得る工程と、
    前記予備マスクのX-CD及びY-CDにより、前記補正値を把握する、補正値把握工程を有する、請求項1~9のいずれかに記載のパターン描画方法。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載の描画方法を含む、フォトマスクの製造方法。
  12. 所定の設計パターンデータにもとづいて形成されたフォトマスクを露光することにより、フォトマスクの転写用パターンを被転写体上に転写することを含む、表示装置の製造方法において、
    前記フォトマスクを露光することによって被転写体上に得られるホール/ドットパターンのCDが目標値となるように、予め求めた補正値に従って、前記設計パターンデータを補正して、補正パターンデータを得る補正工程と、
    前記補正パターンデータを適用し、フォトマスク基板に対して描画装置を用いて描画を行う描画工程と、
    前記フォトマスク基板に現像及びエッチングを施して、前記転写用パターンを備えたフォトマスクを形成する工程と、
    前記フォトマスクを露光装置により露光して、被転写体上にホール/ドットパターンを形成する工程を含み、
    前記転写用パターンにおけるホール/ドットパターンのX-CD及びY-CDは、3μm未満であり、
    前記補正工程では、前記設計パターンデータにおける、前記ホール/ドットパターンのCDについて、X方向及びY方向のうち、前記描画装置のCD制御精度の高い方向のCDを変更する補正を施すことによって、補正パターンデータを得ることを特徴とする、表示装置の製造方法。
  13. 前記補正工程に先立ち、前記描画装置を用いて描画を行った予備転写用パターンを備える予備マスクを得る工程と、
    前記予備マスクを用いて、前記露光装置により露光して、被転写体上に形成された前記ホール/ドットパターンのCDにより、前記補正値を把握する、補正値把握工程を有する、請求項1に記載の表示装置の製造方法。
  14. 所定の設計パターンデータにもとづいて形成されたフォトマスクを露光することにより、フォトマスクの転写用パターンを被転写体上に転写することを含む、表示装置の製造方法において、
    前記フォトマスクを露光することによって被転写体上に得られるホール/ドットパターンの面積が目標値に等しくなるように、予め求めた補正値に従って、前記設計パターンデータを補正して、補正パターンデータを得る補正工程と、
    前記補正パターンデータを適用し、フォトマスク基板に対して描画装置を用いて描画を行う描画工程と、
    前記フォトマスク基板に現像及びエッチングを施して、前記転写用パターンを備えたフォトマスクを形成する工程と、
    前記フォトマスクを露光装置により露光して、被転写体上にホール/ドットパターンを形成する工程を含み、
    前記転写用パターンにおけるホール/ドットパターンのX-CD及びY-CDは、3μm未満であり、
    前記補正工程では、前記設計パターンデータにおける、前記ホール/ドットパターンのCDについて、X方向及びY方向のうち、前記描画装置のCD制御精度の高い方向のCDを変更する補正を施すことによって、補正パターンデータを得ることを特徴とする、表示装置の製造方法。
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