JP4606727B2 - 体液成分診断用チップ - Google Patents
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例えば、血液の粘性度が食生活、ストレス、血球の老化等が関与していること、赤血球の変形能が、血糖等による膜の変質に関係していること、血小板の凝集能が過度のアルコールや糖分を摂り過ぎに関係していること、白血球の粘着性がストレス、紫外線、喫煙で白血球が出す活性酸素に起因していること、赤血球の膜の硬さがコレステロール等に関係していること、等が示される。
疾病との関連性が指摘される血液のどろどろ、さらさらといった状態は、下記の先行技術で示される様な特定の形状、状態を有する格子を通過する血球の状態をモニターで直接観察することができる。
特にモニターに映し出される血液の状態が、どろどろ、さらさらをわかりやすく示すことから、専門家ではない、一般の人たちでも理解できるようになってきているのである。
本発明における体液成分とは、血液、尿、汗、精液、唾液、その他の浸出液であって、その中の、白血球、赤血球、血小板等の粒子を含むものである。又、本発明において、用いられる体液成分は、希釈されたもの、全血、特定の成分を分離したもの等が例示される。
負荷をかけるための流路とは、入力側と出力側の口径を異なるような流路にしたり、いわゆる吸着カラム用ビーズを配置したり、突起等の傷害物を配置したりする場合を例示するが、この様な、負荷物を流路上に配置する場合や、血流速度を測定して、基準値との比較を行う様な、外部加圧、移動機能などを流体本来に与えても良い。
又、口径を、より小さくすること、ボトルネックを形成すること、等も、負荷に含まれるものとする。
負荷によって生じる血液成分の変化を観察する観察手段とは、例えば、カメラ、目視、顕微鏡、吸光度計測器、血流計、血流量計、比色計、等が例示され、少なくとも、流路内の体液成分の応答情報が観察できる手段であれば良い。
即ち、実際の血管に見立てた流路を、内部の状態を同じくしたまま、複数本、その径、長さを変えたものを用意する。径等の変化は、予め設定されたものであり、設定値は、容易に知られるような状態、例えばバーコード等を付する。
診断項目については、全ページを表にしたり、前ページ表にしたりする場合もある。 この複数の流路にそれぞれ、血液成分を流し、どの径の流路で、より血液成分の流れが悪いかを測定したり、どの径で溶血したりするかを測定するものであっても良い。
溶血した流路の径が大きいほど、血液成分は、硬直劣化しておりコレステロールが高く、動脈硬化になりやすいことが容易に理解される。
又、粘性を調整するような特定の希釈液を加えた、異なるサンプルを複数用意して、同一の負荷付き流路に流して、どのレベルの希釈で、流れが鈍くなるかを測定し、べたべた、ねばねば度を測定しても良い。
又、目視に限らず、光学的電気的な測定を行った後、コンピュータで処理可能なデータ化を行い、当該データに基づいて自動診断を行って、モニターにその診断結果を表示したり、当該データを、携帯電話等の移動処理送信端末に取り込み、これをセンターに送信して、正確な診断や、健康管理アドバイスを提供するものであっても良い。
図1は、本発明の血球に対し検査項目に応じ物理的負荷を有する流路を備えた1実施例を示す図である。図1(b)は、図1(a)の矢印ALから見た図である。
図1は、一枚の基板10に溝を形成して流路と入出力口を形成したものである。
11は、入力部であり、血液成分を供給する部分である。
血液成分とは、全血、希釈血液、及び血球含有溶液、その他測定対象成分含有溶液を含む。
12は、分配流路であり、それぞれ負荷流路15a〜15jへ血液を分配する為のものである
13は出力口であり、分配後の余分な血液を取り出すか、又は貯留する部分である。
14a〜14jは取出口であり、空気穴などと連結している。これらの取出口は、負荷計測後の溶液を回収する為のものであるほか、負荷後の血液成分の状態を観察するための部分である。
15a〜15jは、負荷流路であり、測定対象によって様々な形状構成を有する。更に、流路途中には、外部から状態を観察可能な、窓部が設けられている場合もある。 16は被覆板であり、基板10に貼着して使用される。被覆板16は、少なくとも基板10との貼着能力を有するものであればよいが、例えば、基板10との接触面に、シリコーンによる膜17を形成した要部が透明PETよりなる支持板18が示される。
シリコーン膜17は、それのみで、保形性を有するものであれば、支持板18がなくとも担体で使用可能である。
本実施例は、主に、外部から、光学的な測定により計測が行われるため、透明な材質が好適に利用されるが、その他、特定の波長を通過できるのであれば、透明でない場合もあり得る。
本発明における、基板と、被覆板との結合は、何れか一方又は両方の貼着力によって行われる場合の他、互いの静電気的結合を利用しても良い場合もある。
即ち、帯電性の高いプラスチックフィルムと、基板とを当接しても良い場合もある。
この様に毛管力を利用した場合は、外部駆動源を要せず、滴下のみで、血液成分の負荷的試験を行うことができるのである。
尚、負荷流路には、定量部を設けても良い場合もある。その際は、定量後の溶液を、進行させるための空気圧による駆動源を別途追加する場合もある。
図2において、21は、定量部であり、分配流路12を毛管力などで移動してきた血液成分液が、そのまま移動して充填されることで流路容積に対応した量を定量する部分である。
22は、ネック部であり、定量部21の血液を定量するために一度留め置く部分である。
23は、血液成分液移動部であり、その径が血球などの粒子が影響を受ける程度(3μm〜10μm)のものとする。
24は、取出口であり、流路を通過した血液が一時的に貯留する部分である。
図2では、分配流路12の血液成分液が、定量部21に自動的に充填され、定量化された後、分配流路に、所定の空気圧を加える。この空気圧によりネック部22を血液成分液は通過し、血液成分液移動部23を進行する。血液成分液移動部23の径は内部の粒子、赤血球の移動に対し抵抗を与える程度の径であって、健常人の血球を予めこの血液成分液移動部23を通過させてその速度を記録しこれを基準として、試料の速度を比較し、遅い場合は、より硬化した状態の赤血球である等の粒子の状態を測定する。
速度の測定は、目視による方法、速度計、ドップラー計測法などが好適に利用される。
31は、放射状に開口した第1流路であり、32は、粒子粘着部であり、例えば、白血球を捕捉する場合は、活性酸素が増加すると粘着しやすくなる白血球の性質を利用し過酸化状態に活性化した透明な樹脂板等を設置することで構成される。
33は、第2の流路であり、取出口34へ、通過してきた血液成分液を出力する為の部分である。
本実施例では、粒子粘着部32で捕捉した粒子を、外部からの光透過によりその検量線を検出し、粘着力によって捕捉されている粒子の粘着性を測定する。
44は、赤血球分離部であり、出口部に赤血球の通過を阻止するための3μm×3μmのフィルターを設置する。、45は、第3流路であり、41、43と同様の構成を有する
。尚、十分な分離ができない場合は、白血球だけ分けて、後は染色法で色分けして計数しても良い。
46は、血小板分離部であり、47は第4流路であり、進行方向が収束する様な形状を有する。
これら分離部において、分離された血球の数量は光透過度で計測し、形状は、顕微鏡下で、拡大観察する。取出口48に到達したものの成分、粘度を分析して状態を測定するものであってもよい。
複数の種類の粒子を分離することで、一度の試行により複数の粒子の状態を測定し、複合的な判断を行うことを可能とする。
各血球のサイズで分ける場合のフィルタの孔径を以下に示す。
白血球<好中球:直径12〜15μm、好酸球:直径13〜18μm、好塩基球:直径12〜16.2μm、単球:直径15〜20μm、リンパ球:直径6.5〜16.8μm>、赤血球:直径7.82士0.62 厚さ2.58士0.27μm、血小板:2〜4μm。
血液中に含まれる血液細胞の数量は、赤血球(450〜500万個/μl)、白血球(4千〜9千個/μl)、赤血球(15〜40万個/μl)であり、その全てを分離抽出する場合や、一部分離抽出する場合がある。即ち、血液細胞の強度を測定できれば良く、そのための量を抽出できればよいのである。
分離抽出を、手作業等で行う場合やその存在を確認する場合など各部屋に特定の細胞を染色する染色剤を設置しておく方法もある。多種の色調が得られる(ロマノウスキー効果)普通染色法(ロマノウスキー染色法)で各種細胞を染め分け、その色調から画像解析する。ここでのポイントは、細胞が重ならないように薄くしておくことで、現行法の薄層塗抹標本作製法は苦労している。メチレンアズール・エオシン染色法の例:メチレンアズール(塩基性色素)は青色の陽イオンで、エオシン(酸性色素)は赤橙色の陰イオンなので、赤血球のヘモグロビンは、エオシンで赤橙色に染まり、白血球の核や血小板はメチレンアズールで青系統に染まる。この色調差で各血液細胞を解析・計数しても良い
51は、流路であり、進行方向に対して先細りの形状を有するものであって、一定の間隔に、突起を設け、血球などの粒子の通過時間を測定したり、溶血度をチェックしたりする。
場合によっては、この突起52の形状は、鋭角的であって、粒子への刺激を与える形状を有する。この突起52に衝突する粒子は、柔軟性があれば溶血等の破壊は生じないが、硬化した状態であれば、破壊され、溶血する。取出口53に出力される粒子が、溶血など破壊されている場合等、血液成分の劣化がわかる。
測定室62は、例えば、ヘモグロビン濃度測定室とし、シアンメトヘモグロビン法、非シアン界面活性剤法(SLS法)の為の試薬等を配置したものであって、測定室62で、ヘモグロビンの変化量を特定波長(570nm)で外部照射光により測定する。64は、取出口である。
その他、測定室62に免疫系細胞と反応し凝集させる抗体を結合させたラテックスビーズ等を配置し、凝集に関連する各種反応を加速的に生じさせ、この測定室62を光学的に測定して、免疫系細胞の定量等を測定する。
赤血球負担部72は、化学的又は物理的に赤血球膜を破壊可能とする鋭利な構成を設け、溶血量を取出口73で、目視、画像、分光により測定する。
先細りの流路71は、血液成分液の流れを加速させ、粒子を負荷部72に勢いよく衝突させる。
5μmのビーズを詰めて、赤血球を微細な圧力をかけて押し込むだけで溶血が経験的に示されること、赤血球は、理論的には3μ×3μの隙間は通り抜けられないことがしめされる。
90は、基板であり、図1で示したものと同様の材質を採用し得る。又、図1で示した被覆板16との貼着状態により結合した状態で使用されてもよい。
基板90に溝、凹部を設けて、各種流路、入出力口が形成される。材質は、透光性を備えることが好ましいが、取出口95a〜95dで、判定するのであれば、特に透光性に限
るものではない。
91は入力口であり、92は分配流路である。93は、出力口であり、分配流路92は、好ましくは、毛管現象による自走可能な大きさが採用される。
94a〜94dは、負荷流路であり、何れも互いに異なる所定量の口径を有する流路が形成されている。
負荷流路94a〜94dは、その何れもが、図5、図7で示す障害物を同一の配置構成で持っている。
即ち、内部構造が同じで流路の口径が互いに異なる流路が配列されている。
95a〜95dは、取出口であり、それぞれ、負荷流路94a〜94dに対応して連結され、負荷流路において、負荷をかけられた血液成分を取り出して、必要に応じて成分測定を行う。
96a〜96dは、識別ラベルであり、当該チップを、自動的に計測する場合に好適に使用される。当該識別ラベルには、口径の大きさ、長さなどの情報が記載されており、図8では、バーコードで表現されている。
入力口91から血液成分溶液を滴下するなどして入力する。分配流路92の毛管力により、血液成分溶液を各負荷流路へ分配する様に自走させる。
各負荷流路へ到達した血液成分溶液は、毛管力により、各取出口95に到達しようとす
るが、血液成分の状態により、移動が困難になると共に、流路内の障害物の存在により、柔軟性の無い成分、例えば赤血球は、溶血し、取出口95に現れる。
赤血球が溶血して現れた取出口95が、広いほど、血中コレステロール等の、疾病原因が高い状態となることが、目視により理解できる。
この流路の大きさと溶血の状態から、だれにでも、血液の状態を観察することができる。
即ち、当該チップを撮影し、インターネット網、携帯電話網などを利用して送信する。
受信した専門機関は、溶血の程度等から、動脈硬化の可能性、等より専門的な診断を行い、利用者に同一又は、異なる連絡網を用いて送信する。
又、専門的な機関の中間等には、データの記録管理を行う機関、更に、血液状態から健康管理指導をおこなう機関が介在しても良い。
11 入力部
12 分配流路
13 出入口
14a〜14j 取出口
15a〜15j 負荷流路
16 被覆板
Claims (3)
- 体液成分を供給する入力部(11)を有する分配流路(12)、前記分配流路(12)とそれぞれ接続する複数の負荷流路(15a〜15j)よりなり、 前記負荷流路は、定量部(21)及びネック部(22)及び流路ごとに異なる負荷及び前記負荷を通過する体液成分を観察測定する窓部を備えてなり、前記分配流路(12)の体液成分が前記負荷流路の定量部(21)を充填した後、前記分配流路(12)に空気圧を加えることで、定量部(21)の体液成分がネック部(22)を通過し、負荷流路内を進行させる体液成分診断用チップ。
- 健常人の血球を予め負荷流路内の障害物を通過させて基準となる速度を記録し、試料となる血液を前記負荷流路を通過させた際の速度と比較して血球の状態を比較することを特徴とする請求項1の体液成分診断用チップ。
- 前記負荷流路付近には、当該負荷流路を識別する識別ラベル(96a〜96d)が付されている請求項1に記載の体液成分診断用チップ。
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