JP4606645B2 - 劣化度の判定可能な防食被覆層を有する床およびそれを形成する工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、劣化度の判定可能な防食被覆層を有する床およびそれを形成する工法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
コンクリート層などに塗装された防食塗膜の経時劣化の度合は、防食被覆層の膨れ、亀裂などの外観変化により判定するのが一般的であるが、外観変化が発生している段階では、すでに劣化は基体のコンクリート層などまでおよんでしまっている。
【0003】
前記コンクリート層などの劣化は、たとえば硫酸などの強酸を使用する工場、研究所などでは、使用する強酸の漏洩などによりまず防食被覆層が劣化し、コンクリート層に到達する。コンクリート層に到達すると、コンクリート層の劣化が急激に進行する。
【0004】
しかし、防食被覆層の劣化がおこっても、初期は外観に大きな変化はなく、単に硫酸などの遮断性が低下するだけである。そのため、防食被覆層の膨れ、亀裂などがおこるまで放置されてしまう。この結果、防食被覆層の劣化のみならず、基体のコンクリート層などまで劣化が進行してしまい、補修にかかる時間は長く、費用は莫大になる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記防食被覆層の劣化のみならず、コンクリート層などまで劣化が進行してしまい、補修にかかる時間が長く、費用が莫大になる問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するにいたった。
【0006】
すなわち、本発明は、
コンクリート、樹脂モルタル、アスファルトまたはポリマーセメントから形成された基体のうえに設けられた、pH指示薬を含有するアンダーコート層とその変色を判定することができる防食被覆上塗層との少なくとも2層を有し、防食被覆上塗層が、エポキシ樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料またはビニルエステル樹脂系塗料から形成されている、劣化度の判定可能な防食被覆層を有する床、
コンクリート、樹脂モルタル、アスファルトまたはポリマーセメントから形成された基体のうえに設けられた、アンダーコート層とpH指示薬を含有する中間層とその変色を判定することができる防食被覆上塗層との少なくとも3層を有し、防食被覆上塗層が、エポキシ樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料またはビニルエステル樹脂系塗料から形成されている、劣化度の判定可能な防食被覆層を有する床、
コンクリート、樹脂モルタル、アスファルトまたはポリマーセメントから形成された基体のうえに、pH指示薬を含有するアンダーコート層を設けたのち、少なくとも変色を判定することができる防食被覆上塗層を設けることを特徴とし、防食被覆上塗層が、エポキシ樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料またはビニルエステル樹脂系塗料から形成されている、劣化度の判定可能な防食被覆層を有する床を形成する工法、および
コンクリート、樹脂モルタル、アスファルトまたはポリマーセメントから形成された基体のうえに、アンダーコート層、ついでpH指示薬を含有する中間層を設けたのち、その変色を判定することができる防食被覆上塗層を設けることを特徴とし、防食被覆上塗層が、エポキシ樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料またはビニルエステル樹脂系塗料から形成されている、少なくとも3層を有する劣化度の判定可能な防食被覆層を有する床を形成する工法、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の劣化度の判定可能な防食被覆層を有する床は、基体のうえに設けられた、強酸で変色する指示薬を含有するアンダーコート層とその変色を判定することができる防食被覆上塗層との少なくとも2層を有する床(本発明1の床)または基体のうえに設けられた、アンダーコート層と強酸で変色する指示薬を含有する中間層とその変色を判定することができる防食被覆上塗層との少なくとも3層を有する劣化度の判定可能な防食被覆層を有する床(本発明2の床)である。本発明1の床の場合、必要により、アンダーコート層および防食被覆上塗層のあいだに、防食被覆層の厚さを得るために強酸で変色する指示薬を含有しない中間層を設けてもよく、防食被覆上塗層のうえに、防食性能の向上のためにトップコート層を設けるなどしてもよい。また、本発明2の床の場合、必要により、防食被覆上塗層のうえに、防食性能の向上のためにトップコート層を設けるなどしてもよい。
【0008】
前記基体としては、たとえばコンクリート、樹脂モルタル、アスファルト、ポリマーセメントなどから形成される各種薬品類を使用する工場や研究所などの床があげられる。
【0009】
前記変色を判定することができる防食被覆上塗層は、基体である床の防食性をあげるために使用される層であり、通常、エポキシ樹脂系塗料、ビニルエステル樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料、シリコーン樹脂系塗料などから形成されるが、これらに限定されるものではない。なお、変色を判定することができる点から、クリアー塗料であるのが好ましい。
【0010】
前記エポキシ樹脂系塗料としては、床に被覆塗膜を形成するために使用されているエポキシ樹脂系塗料であれば使用することができ、特別な限定はない。前記エポキシ系樹脂塗料の具体例としては、たとえばエポキシ樹脂100重量部(以下、部という)に対して、硬化剤30〜70部、さらには40〜60部からなる塗料などがあげられる。
【0011】
前記エポキシ樹脂としては、従来から床用防食塗料として使用されている各種のもの、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ジアリールスルホン型エポキシ樹脂、ヒドロキノン型エポキシ樹脂およびそれらの変性物などがあげられる。また、粘度の調整などのために、反応性希釈剤を使用することもできる。これらのうちでは、多官能エポキシ樹脂が架橋密度をあげ、耐薬品性が向上する点から好ましいが、粘度の調整および耐磨耗性などの機械的強度のバランスの点から2官能エポキシ樹脂がさらに好ましい。
【0012】
前記硬化剤としては、従来から使用されている各種のもの、たとえばアミン系硬化剤(たとえば脂肪族アミン系硬化剤、芳香族アミン系硬化剤、環状アミン系硬化剤、複素環アミン系硬化剤など)、ポリメルカプタン系硬化剤などがあげられる。これらのうちでは、アミン系硬化剤のうちの芳香族アミン系硬化剤、環状アミン系硬化剤が、耐薬品性、耐水性がよい点から好ましい。
【0013】
前記アミン系硬化剤のうちの脂肪族アミン系硬化剤の具体例としては、たとえばトリエチレンテトラミン(TETA)、ジエチレントリアミン(DETA)、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、ジエチルアミノプロピルアミン(DEAPA)、トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMD)、これらの変性物などがあげられる。
【0014】
前記アミン系硬化剤のうちの芳香族アミン系硬化剤の具体例としては、たとえばメタフェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)、これらの変性物、たとえばこれらと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのエポキシ化合物とを反応させたエポキシアダクト変性物などがあげられる。これらのうちでは、前記エポキシアダクト変性芳香族アミン系硬化剤が、形成される塗膜の接着性と耐硫酸性とを併せもつ点から好ましい。
【0015】
前記アミン系硬化剤のうちの環状アミン系硬化剤の具体例としては、たとえばメンセンジアミン(MDA)、イソホロンジアミン(IPDA)、m−キシレンジアミン(MXDA)、これらの変性物などがあげられる。これらのうちでは、m−キシレンジアミン(MXDA)や、m−キシレンジアミンと、ホルマリン(ホルムアルデヒド)などのアルデヒド類やケトン類とを反応させたマンニッヒ変性物が、コンクリート湿潤面での接着性と耐硫酸性とを併せもった防食塗膜を形成することができる点から好ましい。
【0016】
前記ウレタン樹脂系塗料としては、床に被覆塗膜を形成するために使用されているウレタン樹脂系塗料であれば使用することができ、特別な限定はない。前記ウレタン樹脂系塗料の具体例としては、たとえばエポキシ化合物から合成されたポリオールとイソシアネートとの硬化システムを用いた高硬度の塗膜を与えるウレタン樹脂塗料などがあげられる。
【0017】
前記ビニルエステル樹脂系塗料としては、床に被覆塗膜を形成するために使用されているビニルエステル樹脂系塗料であれば使用することができ、特別な限定はない。前記ビニルエステル樹脂系塗料の具体例としては、たとえば不飽和ポリエステル樹脂組成物と類似の硬化性樹脂組成物であり、基本的にはエポキシアクリレート(樹脂主鎖の末端に高反応性のアクリル2重結合を有する)が共重合性単量体(通常、スチレン、アクリル酸エステル、その他の反応性モノマー)で希釈されたラジカル重合性の組成物であり、耐食FRP用組成物や高強度FRP用組成物として用いられているもの、低収縮性ビニルエステル樹脂系塗料として用いられているものなどがあげられる。
【0018】
前記防食被覆上塗層の形成に用いられるエポキシ樹脂系塗料などは、エポキシ樹脂系塗料などをそのまま使用してもよいが、さらに耐劣化性を向上させるために、フェノール変性炭化水素低重合体などを含有させてもよい。
【0019】
前記エポキシ樹脂系塗料などに含有せしめられるフェノール変性炭化水素低重合体は、エポキシ樹脂系塗料などから形成される塗膜を疎水性(撥水性)にし、硫酸などが浸透するのを抑制するために使用される成分であり、たとえば非反応型液状希釈剤として使用することもできる。エポキシ樹脂系塗料から形成される塗膜に硫酸などが浸透するのを抑制することができるため、基体が硫酸などにより腐食するのを抑制することができる。
【0020】
前記フェノール変性炭化水素低重合体は、たとえばフェノール共重合物とC8〜C10芳香族炭化水素留分重合物との混合物であり、通常、市販品には、さらにC4〜C5炭化水素留分やC8〜C10芳香族炭化水素留分などが含有されている。
【0021】
前記フェノール変性炭化水素低重合体(市販品)の一般特性としては、たとえば粘度(B型回転粘度計)が1〜10P(25℃)、2〜14P(20℃)、比重(20℃)が0.92〜0.94、酸価が2mgKOH/g未満、揮発分(100℃、2時間、1gサンプル/16cm2)が5〜10%、引火点(クリーブランド開放式)が120〜160℃、エポキシ樹脂(たとえばエピコート815、828、834、872−X−75、1001、1004、1007、1009)/フェノール変性炭化水素低重合体=3/1〜1/3(重量比)での相溶性は非常に良好、硬化剤(たとえばエピキュアー103、H−3、DX−124、Varsamid 115、125)/フェノール変性炭化水素低重合体=3/1〜1/3(重量比)での相溶性も非常に良好、溶剤(トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンジルアルコール、酢酸ブチル)/フェノール変性炭化水素低重合体=3/1〜1/3(重量比)では相溶性するが、脂肪族アルコール(エタノール、ブタノール)/フェノール変性炭化水素低重合体=3/1〜1/3(重量比)の場合には相溶しない場合もあるなどである。
【0022】
前記フェノール変性炭化水素低重合物(市販品)の具体例としては、たとえば東邦化学工業(株)製のTRE100(粘度(B型回転粘度計)2P(25℃)、3P(20℃)、比重(20℃)0.93、酸価2mgKOH/g未満、揮発分(100℃、2時間、1gサンプル/16cm2)5%、引火点(クリーブランド開放式)150℃)、TRE200(粘度(B型回転粘度計)7P(25℃)、12P(20℃)、比重(20℃)0.92、酸価2mgKOH/g未満、揮発分(100℃、2時間、1gサンプル/16cm2)5%、引火点(クリーブランド開放式)152℃)、TRE300(粘度(B型回転粘度計)7P(25℃)、12P(20℃)、比重(20℃)0.94、酸価2mgKOH/g未満、揮発分(100℃、2時間、1gサンプル/16cm2)10%、引火点(クリーブランド開放式)134℃)などがあげられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、TRE200が低粘度、低揮発性の点から好ましい。
【0023】
前記フェノール変性炭化水素低重合体のエポキシ樹脂系塗料などへの配合量としては、エポキシ樹脂系塗料など(有効成分)100部に対して、フェノール変性炭化水素低重合体(不揮発分)5〜100部、さらには10〜60部が好ましい。フェノール変性炭化水素低重合体の配合量が少なすぎる場合には、形成される塗膜の疎水性が低下するとともに、希釈効果が低下し、防食被覆上塗塗料が充分低粘度化しない傾向が生じ、多すぎる場合には、塗膜の機械強度が低下する傾向が生じる。
【0024】
前記防食被覆上塗層としては、厚さが0.1〜3mm、さらには0.2〜0.5mmで、クリアーな塗膜が、防食被覆性が良好で、指示薬による判定を行ないやすいなどの点から好ましい。
【0025】
本発明1におけるアンダーコート層は、本来は前記防食被覆上塗層と基体との密着性をあげる、基体面の湿潤面での接着性およびピンホール防止などのために使用される層であり、一般に、プライマー層、下塗層、素地調整層などとよばれている層であるが、本発明1においては、さらにこの層に、pH指示薬などの強酸で変色する指示薬が含有せしめられる。その結果、防食被覆上塗層の防食被覆性能が低下し、たとえば硫酸がアンダーコート層までしみ込んだ場合、指示薬が働き、基体に対して好ましくない状態になってきていることを知らせる。この時点で防食被覆層の補修を行なえば、基体をいためる前に防食被覆性能が低下した防食被覆層の補修だけですませることができる。強酸で変色する指示薬としてpH指示薬を使用し、たとえば硫酸が基体側までしみ込んだ場合に変色するようにしておけば、肉眼で見るだけで防食被覆層の劣化度を確認することができる。
【0026】
前記アンダーコート層としては、一般に使用されているものであれば使用することができる。たとえば、アンダーコート層がプライマー層の場合の具体例としては、エポキシ樹脂系(水系)、エポキシ樹脂系(溶剤系)、エポキシ樹脂系(無溶剤系)、ウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系(ビニルエステル樹脂を含む)、ポリウレア樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系などからのプライマー層、下塗層の場合の具体例としては、エポキシ樹脂系(水系)、エポキシ樹脂系(溶剤系)、エポキシ樹脂系(無溶剤系)、ウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系(ビニルエステル樹脂を含む)、ポリウレア樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系などからの下塗層があげられる。これらのうちでは、エポキシ樹脂系(水系)またはエポキシ樹脂系(無溶剤系)が、基体の床、上塗層との密着性および安全衛生面などの点から好ましい。
【0027】
前記pH指示薬の具体例としては、たとえばメチルレッド、ブロモチモールブルー、メタニルエロー、チモールブルー、トロペオリン00、2,6−ジニトロフェノール、メチルエロー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、コンゴーレッド、アリザリンS、ブロモクレゾールグリーン、2,5−ジニトロフェノール、ラクモイド、p−ニトロフェノール、クロロフェノールレッド、ブロモクレゾールパープル、フェノールレッド、ロゾール酸、ニュートラルレッド、クレゾールレッド、フェノールフタレイン、o−クレゾールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンエローGG、トロペオリンO、ニトラミン、1,3,5−トリニトロベンゼンなどがあげられる。これらのうちでは、メタニルエローおよびチモルブルーが変色範囲(pH1.2〜2.8)などの点から好ましい。
【0028】
前記pH指示薬は、そのままアンダーコート層に加えてもよいが、官能基を有するpH指示薬の場合、官能基を有するアンダーコート剤に不溶性の担体に共有結合により固定化させた固定化pH指示薬として加えてもよい。固定化pH指示薬として加えることにより、pH指示薬のアンダーコート層からの拡散などがおこりにくくなり、経日による指示性能の低下などがおこりにくくなる。pH指示薬が防食被覆上塗層中まで拡散した場合、pH指示薬が拡散した防食被覆上塗層の部分まで硫酸などが侵入すると、硫酸などがアンダーコート層まで到達していなくてもpH指示薬の変色が始まる、また、硫酸などがアンダーコート層まで侵入しても、pH指示薬の変色による色調のちがいが鮮やかでなくなり、判定しにくくなる。
【0029】
前記官能基を有するpH指示薬の具体例としては、たとえばメチルレッド、コンゴーレッド、ニュートラルレッド、メチルオレンジ、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールパープル、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、フェノールフタレイン、クレゾールレッドなどがあげられる。なかでも官能基としてアミノ基を有するコンゴーレッドやニュートラルレッド、カルボキシル基を有するメチルレッドが、アンダーコート剤に不溶性の担体への固定化が容易で、固定化してもpH指示薬としての変色作用が阻害されない点から好ましい。
【0030】
前記官能基を有するアンダーコート剤に不溶性の担体としては、たとえば固定化酵素の分野において種々の素材、たとえば樹脂やガラスからなるものが知られており、使用することができる。アンダーコート層に加えるものであるため、該担体の大きさは、アンダーコート層の厚さの1/2以下であるのが好ましく、形状は粒子状であるのが好ましい。
【0031】
前記固定化pH指示薬におけるpH指示薬と官能基を有するアンダーコート剤に不溶性の担体との使用割合としては、担体の表面がpH指示薬で覆われる程度であるのが好ましい。担体の表面積はその粒子径によりかわるため、一概に限定することはできないが、pH指示薬はそのままでも使用可能なため、pH指示薬が多めになるように使用するのが好ましい。
【0032】
前記固定化pH指示薬の製法などについては、特開平1−272965号公報に記載されている。
【0033】
前記pH指示薬の使用量としては、アンダーコート層中に0.005〜5.0重量%(以下、%という)、さらには0.01〜0.1%(有効成分量)になるように使用するのが、変色の判定および樹脂特性への影響が少ない点から好ましい。また、pH指示薬の分散性を向上させるために、事前にpH指示薬をメタノールなどの溶剤で溶解分散させたのちに使用するのが好ましい。
【0034】
前記固定化pH指示薬の使用量としては、アンダーコート層中に0.005〜5.0%、さらには0.01〜0.1%になるように使用するのが、樹脂特性への影響が少ない点から好ましい。
【0035】
前記アンダーコート層および防食被覆上塗層の塗布量、塗布方法などは、指示薬を加えない場合と同様でよい。具体的には、アンダーコート層がプライマー層で、そのうえに防食被覆上塗層を塗布する場合、プライマー層の塗布量として0.1〜0.4kg/m2、防食被覆上塗層の塗布量として1.0〜3.0kg/m2を採用し、たとえばプライマー層をローラ塗り法、ハケ塗り法などで塗布したのち、防食被覆上塗層を機械吹き付け(ハイブリッドガン、カップガン)法などで塗布するのが好ましい。
【0036】
本発明1の好ましい実施態様としては、たとえばプライマー組成物、好ましくはエポキシ系プライマー組成物100部(固形分)に対して、pH指示薬(好ましくはメタニルエロー)0.01〜0.10部を添加したプライマー組成物を基体上に0.1〜0.4kg/m2塗布したのち、防食被覆上塗層、好ましくはエポキシ系防食被覆上塗層を1.0〜3.0kg/m2塗布し、経年によるpH指示薬の変色状態を判定することにより、防食被覆層の劣化状態を判定することにより、基体が劣化するまえに補修することができる。
【0037】
前記プライマー層としてエポキシ樹脂系(水系)のものを使用する場合には、防食被覆上塗層としてエポキシ樹脂系(無溶剤系)のものを使用するのが作業環境および安全衛生の点から好ましい。
【0038】
また、エポキシ系防食被覆上塗層が、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂100部に対して、マンニッヒ変性メタキシレンジアミン硬化剤40〜60部を配合したエポキシ樹脂系塗料100部およびフェノール変性炭化水素低重合体20〜60部からなる塗料が1.0〜3.0kg/m2塗布して形成されている場合、とくに防食被覆性が良好になる。
【0039】
本発明1におけるアンダーコート層および防食被覆上塗層のあいだに、必要により、防食被覆層の厚さを得るために強酸で変色する指示薬を含有しない中間層を設けてもよく、防食被覆上塗層のうえに、防食性能の向上のためにトップコート層を設けるなどしてもよい。
【0040】
前記中間層としては、たとえばエポキシ樹脂系(無溶剤)、ウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系(ビニルエステル樹脂系を含む)、アクリル樹脂系など、好ましくはエポキシ樹脂系(無溶剤)の組成物から形成された、厚さ0.1〜1.0mmの層があげられる。
【0041】
前記中間層は、アンダーコート層に含有される強酸で変色する指示薬の変色を判定することができることが必要であるから、クリアーな層であるのが好ましい。
【0042】
また、前記中間層は、アンダーコート層および防食被覆上塗層のあいだに設けられる層であるから、これらとの相性(接着性、耐薬品性、コンクリートひび割れ追随性など)がよいことが好ましく、たとえばアンダーコート層がエポキシ樹脂系(無溶剤)で、防食被覆上塗層がエポキシ樹脂系(無溶剤)の場合、接着性、耐薬品性の点から、エポキシ樹脂系(無溶剤)であるのが好ましい。
【0043】
また、前記トップコート層としては、たとえばエポキシ樹脂系(無溶剤)、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系(ビニルエステル樹脂系を含む)などから形成された、厚さ0.1〜1.0mmの層があげられる。この層も、アンダーコート層に含有される強酸で変色する指示薬の変色を判定することができることが必要であるから、クリアーな層であるのが好ましい。
【0044】
本発明2においては、本発明1におけるアンダーコート層のかわりに、中間層に強酸で変色する指示薬が含有せしめられる。それゆえ、指示薬を含有しない中間層が設けられた、指示薬を含有するアンダーコート層が強酸で変色する場合よりも早く変色するが、変色したのち強酸が基体に到達するまでの期間は、中間層を浸透する期間の分長くなり、防食被覆層の修理までの期間を長く取ることができる。この結果、防食被覆層の修理を都合のよい時期にあわせて行ないやすくなる。また、中間層の変色を判定することができればよいから、たとえばクリアーでないアンダーコート層にすることもできる。
【0045】
本発明2における基体、防食被覆上塗層、必要により使用されるトップコート層は、本発明1の場合と同じでよい。また、アンダーコート層も、強酸で変色する指示薬を含有せず、着色剤などを含有していてもよいこと以外、本発明1の場合と同じでよい。さらに、中間層も、強酸で変色する指示薬を含有し、着色剤などを含有していてもよいこと以外、本発明1の場合と同じでよい。
【0046】
本発明2の好ましい実施態様としては、たとえばプライマー組成物、好ましくはエポキシ系プライマー組成物を基体上に0.1〜0.4kg/m2塗布したのち、タックフリー状まで養生し、好ましくは中間層100部(固形分)に対して、pH指示薬(好ましくはメタニルエロー)0.01〜0.1部を添加した中間層をプライマー層上に0.5〜3.0kg/m2塗布し、ついで防食被覆上塗層、好ましくはエポキシ系防食被覆上塗層を1.0〜3.0kg/m2塗布し、経年によるpH指示薬の変色状態を判定することにより、防食被覆層の劣化状態を判定することにより、基体が劣化するまえに補修することができる。
【0047】
前記プライマー層としてエポキシ樹脂系(水系)のものを使用する場合には、中間層としてエポキシ樹脂系(無溶剤)のものを使用し、防食被覆上塗層としてエポキシ樹脂系(無溶剤系)のものを使用するのが作業環境および安全衛生の点から好ましい。
【0048】
また、エポキシ系防食被覆上塗層が、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂100部に対して、マンニッヒ変性メタキシレンジアミン硬化剤40〜60部を配合したエポキシ樹脂系塗料100部およびフェノール変性炭化水素低重合体20〜60部からなる塗料が1.0〜3.0kg/m2塗布して形成されている場合、とくに防食被覆性が良好になる。
【0049】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0050】
実施例1
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(基材)80部、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル(希釈剤)20部、エポキシシラン(改質剤、日本ユニカー(株)製のSL−A187)1部、メタニルエロー(pH指示薬)0.05部の混合物からなる主剤101.05部と、マンニッヒ変性メタキシレンジアミン(ビィ・ティ・アール・ジャパン(株)製のDS−4)からなる硬化剤50部とから、無溶剤エポキシ系プライマーを調製した。
【0051】
また、標準のエポキシ系防食被覆上塗塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂80部、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル20部、マンニッヒ変性環状アミン系硬化剤(ビィ・ティ・アール・ジャパン(株)製のアンカミンMCA)50部からなる塗料を調製した。
【0052】
コンクリート基体上に、前記無溶剤エポキシ系プライマー(指示薬を含有する主剤・硬化剤の混合物)を0.2kg/m2塗布し、タックフリー状態になるまで養生したのち、前記エポキシ系防食被覆上塗塗料を厚さ0.05〜0.1mm、0.1〜0.3mm、0.5〜1.0mmおよび1.0〜1.2mmになるように塗布し、20℃で7日間、恒温槽に置いて硬化させた。
【0053】
形成させた塗膜のうえに、50%硫酸液を2滴滴下(約φ15mm)して、40℃の雰囲気で1週間放置したのちの変退色の具合を観察した。
【0054】
結果を表1に示す。
【0055】
実施例2
実施例1で使用した標準のエポキシ系防食被覆上塗塗料のかわりに、耐硫酸性を向上させたエポキシ系防食被覆上塗塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂80部、耐硫酸性を向上させるためのフェノール変性炭化水素低重合体(東邦化学工業(株)製のTRE200、不揮発分約95%)20部、マンニッヒ変性環状アミン系硬化剤(ビィ・ティ・アール・ジャパン(株)製のアンカミンMCA)40部からなる塗料を用いた他は、実施例1と同様にして、50%硫酸液による変退色の具合を観察した。
【0056】
結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
表1の結果から、プライマー層にpH指示薬を含ませることにより、硫酸が防食被覆上塗層を透過してプライマー層に到達しているか否かの判定をすることができることがわかる。また、実施例1の防食被覆上塗層よりも実施例2の防食被覆上塗層の方が、硫酸が透過しにくいことがわかる。
【0059】
実施例3
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(基材)80部、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル(希釈剤)20部、エポキシシラン(改質剤、日本ユニカー(株)製のSL−A187)1部、チモールブルー(pH指示薬)0.05部の混合物からなる主剤101.05部と、マンニッヒ変性メタキシレンジアミン(ビィ・ティ・アール・ジャパン(株)製のDS−4)からなる硬化剤50部とから、無溶剤エポキシ系プライマーを調製した。
【0060】
また、標準のエポキシ系防食被覆上塗塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂80部、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル20部、エポキシ変性メタキシレンジアミン系硬化剤(富士化成工業(株)製のフジキュアーFXK898B)50部からなる塗料を調製した。
【0061】
コンクリート基体上に、前記無溶剤エポキシ系プライマー(指示薬を含有する主剤・硬化剤の混合物)を0.2kg/m2塗布し、タックフリー状態まで養生したのち、前記エポキシ系防食被覆上塗塗料を厚さ0.05〜0.1mm、0.1〜0.3mm、0.5〜1.0mmおよび1.0〜1.2mmに塗布し、実施例1の場合と同様にして硬化させたのち、形成させた塗膜の上に50%硫酸液を2滴滴下(約φ15mm)して、40℃の雰囲気で1カ月間放置したのちの変退色の具合を観察した。
【0062】
結果を表2に示す。
【0063】
実施例4
実施例3で使用した標準のエポキシ系防食被覆上塗塗料のかわりに、耐硫酸性を向上させたエポキシ系防食被覆上塗塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂70部、フェノール変性炭化水素低重合体(東邦化学工業(株)製のTRE200、不揮発分約95%)30部、マンニッヒ変性環状アミン系硬化剤(ビィ・ティ・アール・ジャパン(株)製のアンカミンMCA)35部からなる塗料を用いた他は、実施例3と同様にして、50%硫酸液による変退色の具合を観察した。
【0064】
結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
表2の結果から、プライマー層にpH指示薬を含ませることにより、硫酸が防食被覆上塗層を透過してプライマー層に到達しているか否かの判定をすることができることがわかる。また、実施例3の防食被覆上塗層よりも実施例4の防食被覆上塗層の方が、硫酸が透過しにくいことがわかる。
【0067】
実施例5
無溶剤エポキシ系プライマーとして、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(基材)80部、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル(希釈剤)20部、エポキシシラン(改質剤、日本ユニカー(株)製のSL−A187)0.5部からなる主剤100.5部と、マンニッヒ変性メタキシレンジアミン(ビー・ティ・アール・ジャパン(株)製のDS−4、硬化剤)50部とからなる組成物を調製した。
【0068】
また、無溶剤エポキシ系中間層用塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(基材)80部、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル(希釈剤)20部、メタニルエロー(pH指示薬)0.05部からなる主剤100.05部と、マンニッヒ変性メタキシレンジアミン(ビー・ティ・アール・ジャパン(株)製のDS−4、硬化剤)50部とからなる組成物を調製した。
【0069】
さらに、標準のエポキシ系防食被覆上塗塗料として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(基材)80部、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル(希釈剤)20部からなる主剤100部と、マンニッヒ変性環状アミン系硬化剤(ビー・ティ・アール・ジャパン(株)製のアンカミンMCA)50部とからなるクリアーな無溶剤防食塗料を調製した。
【0070】
コンクリート基体上に、前記無溶剤エポキシ系プライマーを0.2kg/m2塗布し、タックフリー状態まで養生したのち、前記無溶剤エポキシ系中間層用塗料を0.5mm厚に塗布し、タックフリー状態まで養生した。ついで、前記標準のエポキシ系防食被覆上塗塗料を、標準厚さとして0.5mm厚、薄めとして0.05mm厚、さらに厚めとして1.3mm厚の3種の厚さに塗布して、20℃/7日の条件で養生した。
【0071】
形成された塗膜のうえに、50%硫酸液を2滴滴下(約φ15mm)して、40℃の雰囲気で1週間および1ヵ月放置したのちの変退色の具合を観察した。
【0072】
結果を表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】
実施例6
実施例5で使用した無溶剤エポキシ系プライマー、無溶剤エポキシ系中間層用塗料および標準のエポキシ系防食被覆上塗塗料を使用した。
【0075】
コンクリート基体上に、前記無溶剤エポキシ系プライマーを0.2kg/m2塗布し、タックフリー状態まで養生したのち、前記無溶剤エポキシ系中間層用塗料を0.5mm厚に塗布し、タックフリー状態まで養生した。ついで、前記標準のエポキシ系防食被覆上塗塗料を、標準厚さの0.5mm厚に塗布した。防食被覆上塗層にピンホールやひび割れが生じた場合を想定して、約φ0.1mmのピンホールおよび幅0.1mmのひび割れを入れた試験片を作成した。
【0076】
形成された塗膜のピンホールおよびひび割れ部分に、50%硫酸液をそれぞれ2滴滴下(約φ15mm)して、40℃の雰囲気で1週間および1ヵ月放置したのちの変退色の具合を観察した。
【0077】
結果を表4に示す。
【0078】
【表4】
【0079】
表4の結果から、防食被覆上塗層にピンホールやひび割れがある場合には、中間層が変色するため、防食被覆上塗層に欠陥があるか否かの評価を行なうことができる。また、変色後の持続も確認された。
【0080】
【発明の効果】
本発明によると、基体のうえに設けた防食被覆層が劣化しているか否かを判定することができ、適切な時期に補修をすることができる。
Claims (10)
- コンクリート、樹脂モルタル、アスファルトまたはポリマーセメントから形成された基体のうえに設けられた、pH指示薬を含有するアンダーコート層とその変色を判定することができる防食被覆上塗層との少なくとも2層を有し、
防食被覆上塗層が、エポキシ樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料またはビニルエステル樹脂系塗料から形成されている、劣化度の判定可能な防食被覆層を有する床。 - コンクリート、樹脂モルタル、アスファルトまたはポリマーセメントから形成された基体のうえに設けられた、アンダーコート層とpH指示薬を含有する中間層とその変色を判定することができる防食被覆上塗層との少なくとも3層を有し、
防食被覆上塗層が、エポキシ樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料またはビニルエステル樹脂系塗料から形成されている、劣化度の判定可能な防食被覆層を有する床。 - 中間層が、pH指示薬を含有するエポキシ樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料またはビニルエステル樹脂系塗料から形成された防食被覆中間層である請求項2記載の防食被覆層を有する床。
- 防食被覆上塗層が、エポキシ樹脂系塗料にフェノール変性炭化水素低重合体を含有させた塗料から形成されている請求項1、2または3記載の防食被覆層を有する床。
- フェノール変性炭化水素低重合体のエポキシ樹脂系塗料への配合量が、エポキシ樹脂系塗料の有効成分100重量部に対して、フェノール変性炭化水素低重合体の不揮発分として5〜100重量部である請求項4記載の防食被覆層を有する床。
- コンクリート、樹脂モルタル、アスファルトまたはポリマーセメントから形成された基体のうえに、pH指示薬を含有するアンダーコート層を設けたのち、少なくとも変色を判定することができる防食被覆上塗層を設けることを特徴とし、
防食被覆上塗層が、エポキシ樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料またはビニルエステル樹脂系塗料から形成されている、劣化度の判定可能な防食被覆層を有する床を形成する工法。 - コンクリート、樹脂モルタル、アスファルトまたはポリマーセメントから形成された基体のうえに、アンダーコート層、ついでpH指示薬を含有する中間層を設けたのち、その変色を判定することができる防食被覆上塗層を設けることを特徴とし、
防食被覆上塗層が、エポキシ樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料またはビニルエステル樹脂系塗料から形成されている、少なくとも3層を有する劣化度の判定可能な防食被覆層を有する床を形成する工法。 - 中間層が、pH指示薬を含有するエポキシ樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料またはビニルエステル樹脂系塗料から形成された防食被覆中間層である請求項7記載の工法。
- 防食被覆上塗層が、エポキシ樹脂系塗料にフェノール変性炭化水素低重合体を含有させた塗料から形成されている請求項6、7または8記載の工法。
- フェノール変性炭化水素低重合体のエポキシ樹脂系塗料への配合量が、エポキシ樹脂系塗料の有効成分100重量部に対して、フェノール変性炭化水素低重合体の不揮発分として5〜100重量部である請求項9記載の防食被覆層を有する床。
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