JP4606109B2 - 穴開け工具 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばコンクリート壁等に穴開け作業を遂行する際に発生する粉塵を集塵することが可能な集塵装置付き穴開け工具に関する。
従来の集塵装置付き穴開け工具として、例えば実公平6−44613号公報(特許文献1)に集塵ハンマドリルが開示されている。特許文献1に開示された集塵ハンマドリルでは、集塵ユニットが、駆動モータを収容したモータハウジングと、当該駆動モータの回転出力をドリルビットに打撃動作および回転動作として伝達する作動機構を収容したギアハウジングとの間に介在されている。集塵ユニットは、集塵ファンと当該集塵ファンを収容したファンケーシングとを主体にして構成されている。
集塵装置付き穴開け工具の場合、必要に応じてあるいは定期的に集塵ユニットのファンケーシングを取り外して集塵ファンの交換あるいは保守点検を行うが、特許文献1に開示された集塵ハンマドリルにおいては、集塵ファンの交換作業あるいは保守点検作業について特別の考慮がなされておらず、この点でなお改良の余地がある。
実公平6−44613号公報
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、穴開け工具における集塵ファンの交換あるいは保守点検を行う際の作業性の向上に資する技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、各請求項に記載の発明が構成される。
請求項1に記載の発明に係る穴開け工具は、モータを収容した第1のハウジングと、モータによって駆動される作動機構を収容した第2のハウジングと、当該第2のハウジングの先端領域に配置されるとともに作動機構によって少なくとも回転駆動されることで穴開け作業を遂行する工具ビットとを有する。そして第1および第2のハウジングは、集塵ファン収容部を介して互いに接合された構成とされる。本発明における「少なくとも回転駆動」とは、工具ビットを回転駆動することで穴開け作業を遂行する態様のほか、工具ビットを回転駆動することに加えて長軸方向に直線往復運動させることで、回転動作と打撃動作とによる穴開け作業を遂行する態様を包含する。
本発明における穴開け工具によれば、集塵ファン収容部は、モータによって回転駆動される集塵ファンを収容するとともにモータの軸方向において互いに対向状に配置された第1および第2のファン収容部構成部材から構成される。そして当該第1および第2のファン収容部構成部材は、互いに着脱自在に接合されるとともに当該接合の解除時には集塵ファンが露出される構成とされる。本発明における「接合」の態様としては、典型的には、ネジによる固定、例えばネジ孔にネジを締めこむ方式あるいはボルトとナットによる固定がこれに該当する。本発明によれば、第1および第2のファン収容部構成部材を着脱自在に接合するとともに当該接合の解除時には集塵ファンが露出される構成としている。すなわち、第1および第2のファン収容部構成部材の接合を外したとき、第1のファン収容部構成部材と第2のファン収容部構成部材が互いに分離され、これによって集塵ファンが露出する。このように本発明によれば、第1のファン収容部構成部材と第2のファン収容部構成部材を分離するだけで、集塵ファンの交換および保守点検作業が可能となり、当該作業を容易に行うことができ、作業性の向上を図る上で有効とされる。
また、本発明の穴開け工具は、集塵ファンが着脱自在に取付けられるとともに、軸方向の一端がモータの出力軸に分離可能に接続されたファンシャフトを有し、第1のファン収容部構成部材は、軸受を収容する軸受収納部を有する。そして、モータの出力軸とファンシャフトとは、それぞれが軸受によって回転自在に支持されるとともに、ファンシャフトが軸受に引き抜き可能に嵌め込まれている。
(請求項2に記載の発明)
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の穴開け工具における第1のファン収容部構成部材は、第2のファン収容部構成部材との接合とは別の手段によって第1のハウジングに接合された構成とされる。なお「別の手段によって第1のハウジングに接合」とは、第1のファン収容部構成部材それ自体が単体で第1のハウジングに接合される態様であり、第1および第2のファン収容部構成部材を互いに分離しても、第1のハウジングに対する第1のファン収容部構成部材の接合状態が維持される態様をいう。本発明によれば、モータのアマチュアと集塵ファンとの間で出力軸を軸受によって支持することが可能となり、このことによってモータと集塵ファンとの両部材を安定的に保持することができる。そして軸受を、第1のハウジングに接合される第1のファン収容部構成部材に設けた軸受収納部に収納する構成のため、当該第1のファン収容部構成部材と第1のハウジングにつき互いに正確な位置決めと確実な固定をすることで、両者間の芯ずれを回避することが可能となり、芯ずれによる振動の発生を抑えて耐久性の低下を防止できる。
本発明によれば、穴開け工具における集塵ファンの交換あるいは保守点検を行う際の作業性の向上に資する技術が提供されることとなった。
以下、本発明の実施の形態につき、図1〜図4を参照しつつ詳細に説明する。本発明の実施の形態では、集塵装置付き穴開け工具の一例として電動式の集塵ハンマドリルを用いて説明する。図1および図2はそれぞれ本実施の形態に係る集塵ハンマドリルの全体構成を概略的に示す側断面図である。なお図2には集塵ハンマドリルが軸方向において2分割された状態を示している。図1および図2に示すように、本実施の形態に係る集塵ハンマドリル101は、概括的に見て、ハンマドリル101の外郭を形成する本体部103、当該本体部103の先端領域にツールホルダ137を介して着脱自在に取付けられたドリルビット119、本体部103の後端側(ドリルビット119の反対側)に連接されたハンドグリップ109を主体として構成されており、本体部103の軸方向の概ね中央部に集塵装置201が組み付けられる。ドリルビット119は、ツールホルダ137に対し軸方向には相対移動可能とされ、周方向には一体回転するように装着される。このドリルビット119は、本発明における「工具ビット」に対応する。なお説明の便宜上、ドリルビット119側を前、ハンドグリップ109側を後という。
本体部103は、駆動モータ111を収容したモータハウジング105と、運動変換機構113、動力伝達機構114および打撃要素115を収容したギアハウジング107とによって構成され、モータハウジング105とギアハウジング107は、相互間に集塵装置201の集塵ユニット203を介在した状態で接合される。上記のモータハウジング105は、本発明における「第1のハウジング」に対応し、ギアハウジング107は、本発明における「第2のハウジング」に対応する。
駆動モータ111の回転出力は、運動変換機構113によって直線運動に適宜変換された上で打撃要素115に伝達され、当該打撃要素115を介してドリルビット119の軸方向(図4における左右方向)への衝撃力を発生する。また駆動モータ111の回転出力は、動力伝達機構114によって適宜減速された上でドリルビット119に回転力として伝達され、当該ドリルビット119が周方向に回転動作される。上記の動力伝達機構114は、本発明における「作動機構」に対応する。なお駆動モータ111は、ハンドグリップ109に配置されたトリガ117の引き操作によって通電駆動される。
図3には、運動変換機構113の構成が詳細に示されている。運動変換機構113は、駆動モータ111により鉛直面内にて回転駆動される駆動ギア121、当該駆動ギア121に噛み合い係合する被動ギア123、当該被動ギア123と被動軸125を介して一体回転する回転体127、回転体127の回転によってドリルビット119の軸方向に揺動される揺動リング129、揺動リング129の揺動によって直線状に往復移動するシリンダ141を主体として構成される。被動軸125はドリルビット119の軸方向に平行(水平)に配置され、当該被動軸125に取り付けられた回転体127の外周面が被動軸125の軸線に対し所定の傾斜角度で傾斜状に形成されている。揺動リング129は、回転体127の傾斜外周面にボールベアリング126を介して相対回転可能に取り付けられ、当該回転体127の回転動作に伴ってドリルビット119の軸方向に揺動される。また揺動リング129は、上方(放射方向)に一体に突設された揺動ロッド128を有し、当該揺動ロッド128がシリンダ141の後端部に設けた係合部材124に遊嵌状に係合されている。上記の回転体127、揺動リング129、シリンダ141によって揺動機構が構成されている。
動力伝達機構114は、図1および図2に示すように、駆動モータ111から駆動ギア121および被動軸125を介して鉛直面内にて回転駆動される第1伝達ギア131、当該第1伝達ギア131に噛み合い係合する第2伝達ギア133、当該第2伝達ギア133とともに回転されるスリーブ135、当該スリーブ135とともに鉛直面内にて回転されるツールホルダ137を主体として構成される。
打撃要素115は、図1および図2に示すように、シリンダ141のボア内壁に摺動自在に配置されたストライカ143と、ツールホルダ137に摺動自在に配置されるとともに、ストライカ143の運動エネルギをドリルビット119に伝達するインパクトボルト145を主体として構成される。
上記のように構成されるハンマドリル101の作用について説明する。駆動モータ111が通電駆動されると、その回転出力により、駆動ギア121が鉛直面内にて回動動作する。すると、駆動ギア121に噛み合い係合される被動ギア123、被動軸125を介して回転体127が鉛直面内にて回転動作され、これによって揺動リング129および揺動ロッド128がドリルビット119の軸方向に揺動する。揺動ロッド128の揺動によってシリンダ141が直線状に摺動動作され、それに伴うシリンダ141内の空気バネの作用により、ストライカ143はシリンダ141内を直線運動する。ストライカ143は、インパクトボルト145に衝突することで、その運動エネルギをドリルビット119に伝達する。
一方、被動軸125とともに第1伝達ギア131が回転されると、第1伝達ギア131に噛み合い係合される第2伝達ギア133を介してスリーブ135が鉛直面内にて回転され、更にスリーブ135とともにツールホルダ137およびこのツールホルダ137にて保持されるドリルビット119が一体状に回転される。かくして、ドリルビット119が軸方向のハンマ動作と周方向のドリル動作を行い、被加工材(コンクリート)に穴開け作業を遂行する。
次にハンマドリル101の穴開け作業時に発生する粉塵を集塵するべく備えられた集塵装置201につき図1〜図4を参照して説明する。図1には集塵装置201の全体構成が示されている。集塵装置201は、集塵ユニット203、吸引アッセンブリ205およびダストバック207を主体にして構成されている。集塵ユニット203は、駆動モータ111によって回転駆動される集塵ファン211と、当該集塵ファン211を収容する集塵ファンケーシング213から構成される。集塵ファンケーシング213は、本発明における「集塵ファン収容部」に対応する。吸引アッセンブリ205は、吸込み口241を備えた集塵カバー243、集塵カバー243に接続された集塵パイプ245、集塵パイプ245に連接された集塵ホース247等からなり、ドリルビット119による穴開け時に発生する粉塵を吸込み口241から吸込んで集塵ファンケーシング213に取付けられたダストバック207に集塵する構成とされる。
なお吸引アッセンブリ205の具体的な構成については、従来公知の技術ゆえ詳細な説明は省略する。また図示の便宜上、集塵ホース247が集塵ファンケーシング213から離れた状態で示されているが、実際には接続されている。また吸引アッセンブリ205自体もホルダを介して本体部103によって支持され、あるいは本体部103に取り付けられたサイドハンドルによって支持される。
図3および図4に集塵ユニット203の詳細な構成が示される。集塵ユニット203における集塵ファン211は、ファンシャフト217に対して着脱可能にかつ当該ファンシャフト217と一体回転するように取付けられている。ファンシャフト217は、軸方向の一端(後端)がモータ111の出力軸(アマチュアシャフト)112と分離可能に接続され、他端側が軸受219によって回転自在に支持されている。ファンシャフト217の後端部には軸方向に所定深さの角孔217aが形成され、この角孔217aに出力軸112の先端に設けた角軸部112aが差し込まれることによって、ファンシャフト217が出力軸112と一体回転可能にかつ分離可能に接続されている。ファンシャフト217を支持する軸受219は、ギアハウジング107に固定されたインナハウジング107aに設けた軸受収納部218に収納保持されており、この軸受219の内輪にファンシャフト217が後側から引き抜き可能に差し込まれている。なおファンシャフト217の先端(前端)に、前述した駆動ギア121が一体に設けられている。
集塵ユニット203の集塵ファンケーシング213は、駆動モータ111の軸線と平行な複数のネジ233によって外周縁部を互いに分離可能に接合された第1ファンケーシング213aおよび第2ファンケーシング213bからなり、これら両ファンハウジング213a,213bと、ファンシャフト217に取付けられたリング214とにより集塵室215が形成されている。第1ファンケーシング213aの周縁部は、集塵ファン211の外周部を取り囲むように第2ファンケーシング213bに向かって駆動モータ111の軸方向に延出されており、当該延出端面が第2ファンケーシング213bの周縁部の軸方向端面に対しインロー式の嵌め合い部221を介して突合せ状に嵌合されるとともに、その状態で外周縁部の複数箇所が当該第2ファンケーシング213bの外側から第1ファンケーシング213aのネジ孔233aにねじ込まれるネジ233によって接合されている。このように第1ファンケーシング213aは、周縁部に軸方向に延出するフランジを有する構成であって、当該フランジ部側にネジ孔233aを設ける構成としたときは、当該ネジ孔233aの有効長を長くでき、接合強度を高める上で有効となる。第1ファンケーシング213aは、本発明における「第1のファン収容部構成部材」に対応し、第2ファンケーシング213bは、本発明における「第2のファン収容部構成部材」に対応する。なお第2ファンケーシング213bは、第1ファンケーシング213aとの対向面側の周縁部にフランジ部を有しない構成である。
第1ファンケーシング213aは、径方向における中央領域に軸受収納部223を有し、この軸受収納部223に収納保持された軸受225によってモータ111の出力軸112の先端(前端)およびファンシャフト217の後端がそれぞれ回転自在に支持される構成としている。すなわち、軸受225の内輪における軸方向の後側領域には出力軸112の先端部がリング112bを介して嵌め込まれ、前側領域にはファンシャフト217の後端部が引き抜き可能に嵌め込まれている。なおモータ111の出力軸112の後端部は、図1に示すように、モータハウジング105の後端部に設けた軸受227によって回転自在に支持されている。かくして、駆動モータ111の出力軸112は、軸方向の両端を支持されて安定した状態で回転される。なお出力軸112上には、駆動モータ111を冷却する冷却ファン147が設けられている。
第1ファンケーシング213aは、モータハウジング105の前側の軸方向端面に対し図示省略のインロー式の嵌め合い部を介して突合せ状に嵌合され、その状態で周縁部の複数箇所が第1ファンケーシング213aの内面側(集塵室側)からモータハウジング105のネジ孔235aにねじ込まれる駆動モータ111の軸線と平行なネジ235によって接合されている。なお第1ファンケーシング231aの外周部には、粉塵の排出口229aを有するダストバッグ207のバッグ取付部229が設けられている。
第2ファンケーシング213bは、ギアハウジング107の後側の軸方向端面に対しインロー式の嵌め合い部231を介して突合せ状に嵌合され、その状態で周縁部の複数箇所がギアハウジング107の内側から第2ファンケーシング213bのネジ孔237aにねじ込まれる駆動モータ111の軸線と平行なネジ237によって接合されている。
第2ファンケーシング213bの内面には、当該第2ファンケーシング213bを形成する際に、製作上の都合でケーシング内面に形成された凹部によりエアポケットが生ずるのを防止するべくダストカバープレート239が設けられている。これにより第2ファンケーシング213b内の凹部が塞がれて平坦化されるため、集塵室215内における乱流が抑えられ、集塵効率を向上できるとともに、騒音の発生を防止できる。このダストカバープレート239は、ネジ239aによって第2ファンケーシング231bに固定されている。また、図示はしないが第2ファンケーシング231bの径方向における中心部寄りに前記集塵ホース247が接続される粉塵吸入口が設けられている。
また集塵ファンケーシング213には、ダストバッグ207に帯電した静電気を導電性材料からなる、例えばアルミ製のインナハウジング107aに逃すためのアース線251が設けられている。アース線251は、第1ファンケーシング213aに設けられた第1アース線251aと、第2ファンケーシング213bに設けられた第2アース線251bからなる。第1アース線251aは、第1ファンケーシング213aのバッグ取付部229の外面であって、第2ファンケーシング213bの周縁端面と対向する部位に配線されており、ダストバッグ207がバッグ取付部229に取付けられたとき、一端が当該ダストバッグ207の嵌め込み口に設けられた導電部材としての、例えば導電樹脂製の導電リング253に接触可能とされる。一方、第2アース線251bは、第2ファンケーシング213bとギアハウジング107が接合されたとき、一端がインナハウジング107aに接触し、第1ファンケーシング213aと第2ファンケーシング213bが接合されたとき、他端が第1アース線251aの他端と接触するように配線されている。
すなわち、アース線251は、第1ファンケーシング213aと第2ファンケーシング213bに分けて配線され、両ファンケーシング213a,213bが互いに接合されたときに、相互に接触することによってダストバッグ207とインナハウジング107aとを電気的に接続する構成とされている。これにより、ダストバッグ207に帯電した静電気をインナハウジング107aに逃すことができる。
本実施の形態に係る集塵装置201は、上記のように構成したものであり、ハンマドリル101による穴開け作業時には、駆動モータ111によって集塵ファン211が回転駆動されることで、ドリルビット119による穴開け作業時に発生する粉塵を吸込み口241から吸込み、集塵パイプ245、集塵ホース247、集塵室215を経てダストバッグ207に集塵することができる。
本実施の形態では、集塵ユニット203における集塵ファンケーシング213を、第1ファンケーシング213aと第2ファンケーシング213bから形成している。そして第1ファンケーシング213aをモータハウジング105にネジ235によって接合する一方、第2ファンケーシング213bをギアハウジング107にネジ237によって接合する構成とし、更に両ファンケーシング213a,213bをネジ233によって互いに着脱自在に接合する構成としている。このため、ネジ233を取り外して第1ファンケーシング213aと第2ファンケーシング213bを分離することにより、図4に示すように、ハンマドリル101を軸方向に2分割することができるとともに、集塵ファン211を露出することができる。このため、集塵ファン211の交換あるいは保守点検、あるいは集塵室215内の掃除を容易に行うことができ、作業性が向上する。
この場合、本実施の形態では、ファンシャフト217は、駆動モータ111の出力軸112から分離可能とされるとともに、モータ側およびギア側の各軸受225,219からそれぞれ引き抜き可能とされている。このため、ファンシャフト217を集塵ファンケーシング213から取り外した状態で、当該ファンシャフト217に対する集塵ファン211の着脱作業を行うことが可能となり、当該着脱作業の作業性がより向上できる。
本実施の形態では、第1ファンケーシング213aに軸受収納部223を設け、当該軸受収納部223に収納保持された軸受225によって出力軸112を支持する構成としている。これによって駆動モータ111と集塵ファン211との間に軸受225が配置されることになり、両者を安定に保持することが可能となる。そして軸受収納部223を有する第1ファンケーシング213aを、第2ファンケーシング213bから独立した形態でモータハウジング105に対し単体で接合する構成としている。このため、例えばモータハウジング105とギアハウジング107との間に第1および第2ファンケーシング213a,213bを挟み込んで共通の通しボルト(ネジ)によって接合する構成に比べると、モータハウジング105に対して第1ファンケーシング213aを接合する際、両者を正確に位置決めし、かつ確実に固定することが可能となる。その結果、軸受225と出力軸122間の芯ずれを回避し、芯ずれに起因する振動の発生を抑えて耐久性を高めることができる。
また本実施の形態では、ダストバッグ207と本体部103側の導電部材とを接続するアース線251を第1ファンケーシング213a側と第2ファンケーシング213b側とに分割可能としている。これにより、第1ファンケーシング213aと第2ファンケーシング213bとを分離する際の、当該両ケーシング213a,213bの分離作業を支障しない。
なお上述した実施の形態は、自己集塵機能を有しない仕様への変更が容易に実現可能である。すなわち、本実施の形態では、モータハウジング105とギアハウジング107との間に配置される集塵ユニット203は、ネジ235,237を取り外して当該モータハウジング105とギアハウジング107から第1および第2ファンケーシング213a,213bを分離後、ファンシャフト217を出力軸112から取り外すことができる構成である。したがって、上記のようにして集塵ユニット203を取り外した後、出力軸112を現状の角軸部112a付きのものから駆動ギア121が形成されたものに取り替えるとともに、モータハウジング105とギアハウジング107とを直接に接合することによって、自己集塵機能を持たない仕様への変更が可能とされる。なお両ハウジング105,107の接合は、外周縁部に接合用部位を予め設定しておくことで対応できる。
なお上述した実施の形態では、ハンマドリル101を例にとって説明しているが、ハンマドリル101に限らず、穴開け工具であれば適用可能である。また本実施の形態では、出力軸112とファンシャフト217が分離可能とされた構成の場合で説明したが、出力軸112とファンシャフト217が一体であっても差し支えない。
上記発明の趣旨に鑑み、以下の態様を構成することが可能とされる。
(態様1)
「請求項1または2に記載の穴開け工具であって、
前記第1のファン収容部構成部材が前記第1のハウジングに接合され、前記第2のファン収容部構成部材が前記第2のハウジングに接合されており、当該第1および第2のファン収容部構成部材の相互の接合を解除したとき、穴開け工具が前記第1のハウジング側と前記第2のハウジング側とに2分割されることを特徴とする穴開け工具。」
態様1に記載の発明によれば、第1のファン収容部構成部材と第2のファン収容部構成部材との接合を解除するだけで、穴開け工具を第1のハウジング側と第2のハウジング側とに2分割できるため、集塵ファンの交換、あるいは保守点検作業の作業性がより向上されることとなる。
(態様2)
「請求項1または2あるいは態様1に記載の穴開け工具であって、
前記集塵ファンを支持するファンシャフトは、一端が前記モータの出力軸に分離可能に接続されるともに他端が前記第2のファン収容部構成部材側に配置された軸受に引き抜き可能に挿入されており、前記第1のファン収容部構成部材と第2のファン収容部構成部材との接合が解除された状態では、当該第1および第2のファン収容部構成部材からの分離が許容される構成としたことを特徴とする穴開け工具。」
態様2に記載の発明によれば、第1のファン収容部構成部材と第2のファン収容部構成部材との接合を解除後、ファンシャフトを第1および第2のファン収容部構成部材からそれぞれ取り外した状態で当該ファンシャフトに対する集塵ファンの着脱作業を行うことが可能となり、作業し易くなる。
(態様3)
「請求項1、2、態様1、2のいずれか1つに記載の穴開け工具であって、
前記第1および第2のファン収容部構成部材のいずれか一方は、周縁部が軸方向に延出されており、当該延出部によって集塵ファンの外周縁を覆う構成としたことを特徴とする穴開け工具。」
態様3に記載の発明によれば、第1および第2のファン収容部構成部材のいずれか一方の周縁部が軸方向に延出されることで、当該周縁部の軸方向長さを大きくできるため、例えばネジを用いて第1および第2のファン収容部構成部材を相互に接合する構造において、延出部が設定された側のファン収容部構成部材にネジ孔を設定することによって、当該ネジ孔の有効長を長くでき、接合強度を向上できる。
なお第1および第2のファン収容部構成部材のいずれか一方は、周縁部に軸方向に延出する延出部(フランジ部)を有する構成とし、他方は周縁部に延出部を有しない構成としてもよく、その場合、延出部を有しないファン収容部構成部材は、第2のハウジングに接合されるファン収容部構成部材であることが好ましい。
本発明の実施形態に係る集塵ハンマドリルの全体構成を示す側断面図である。 集塵ハンマドリルの全体構成を示す断面図であり、集塵ユニットの分解状態を示す。 集塵ユニットを示す断面図である。 集塵ユニットを示す断面図であり、分解状態を示す。
101 ハンマドリル(穴開け工具)
103 本体部
105 モータハウジング(第1のハウジング)
107 ギアハウジング(第2のハウジング)
107a インナハウジング
109 ハンドグリップ
111 駆動モータ
112 出力軸
112a 角軸部
112b リング
113 運動変換機構
114 動力伝達機構(作動機構)
115 打撃要素
117 トリガ
119 ドリルビット(工具ビット)
121 駆動ギア
123 被動ギア
124 係合部材
125 被動軸
126 ボールベアリング
127 回転体
128 揺動ロッド
129 揺動リング
131 第1伝達ギア
133 第2伝達ギア
135 スリーブ
137 ツールホルダ
141 シリンダ
143 ストライカ(打撃子)
145 インパクトボルト
201 集塵装置
203 集塵ユニット
205 吸引アッセンブリ
207 ダストバック
211 集塵ファン
213 集塵ファンケーシング
213a 第1ファンケーシング(第1のファン収容部構成部材)
213b 第2ファンケーシング(第2のファン収容部構成部材)
214 リング
215 集塵室
217 ファンシャフト
217a 角孔
218 軸受収納部
219 軸受
221 嵌め合い部
223 軸受収納部
225 軸受
227 軸受
229 バッグ取付部
229a 排出口
231 嵌め合い部
233 ネジ
233a ネジ孔
235 ネジ
235a ネジ孔
237 ネジ
237a ネジ孔
239 ダストカバープレート
241 吸込み口
243 集塵カバー
245 集塵パイプ
247 集塵ホース
251 アース線
251a 第1アース線
251b 第2アース線
253 導電リング

Claims (2)

  1. モータを収容した第1のハウジングと、
    前記モータによって駆動される作動機構を収容した第2のハウジングと、
    前記第2のハウジングの先端領域に配置されるとともに前記作動機構によって少なくとも回転駆動されることで穴開け作業を遂行する工具ビットと、を有し、
    前記第1および第2のハウジングは、集塵ファン収容部を介して互いに接合されている穴開け工具であって、
    前記集塵ファン収容部は、前記モータによって回転駆動される集塵ファンを収容するとともに前記モータの軸方向において互いに対向する第1および第2のファン収容部構成部材から構成されており、当該第1および第2のファン収容部構成部材は、互いに着脱自在に接合されるとともに当該接合の解除時には前記集塵ファンが露出される構成とされ、
    前記集塵ファンが着脱自在に取付けられるとともに、軸方向の一端が前記モータの出力軸に分離可能に接続されたファンシャフトを有し、
    前記第1のファン収容部構成部材は、軸受を収容する軸受収納部を有し、
    前記モータの出力軸と前記ファンシャフトとは、それぞれが前記軸受によって回転自在に支持されるとともに、前記ファンシャフトが前記軸受に引き抜き可能に嵌め込まれていることを特徴とする穴開け工具。
  2. 請求項1に記載の穴開け工具であって、
    前記第1のファン収容部構成部材は、前記第2のファン収容部構成部材との接合とは別の手段によって前記第1のハウジングに接合されていることを特徴とする穴開け工具。
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