JP4604414B2 - 強誘電体型不揮発性半導体メモリ及びその製造方法 - Google Patents

強誘電体型不揮発性半導体メモリ及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電体型不揮発性半導体メモリ(所謂FERAM)、及び、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大容量の強誘電体型不揮発性半導体メモリに関する研究が盛んに行われている。強誘電体型不揮発性半導体メモリ(以下、不揮発性メモリと略称する場合がある)は、高速アクセスが可能で、しかも、不揮発性であり、また、小型で低消費電力であり、更には、衝撃にも強く、例えば、ファイルのストレージやレジューム機能を有する各種電子機器、例えば、携帯用コンピュータや携帯電話、ゲーム機の主記憶装置としての利用、あるいは、音声や映像を記録するための記録メディアとしての利用が期待されている。
【0003】
この不揮発性メモリは、強誘電体薄膜の高速分極反転とその残留分極を利用し、強誘電体層を有するキャパシタ部の蓄積電荷量の変化を検出する方式の、高速書き換えが可能な不揮発性メモリであり、基本的には、メモリセル(キャパシタ部)と選択用トランジスタ(スイッチング用トランジスタ)とから構成されている。メモリセル(キャパシタ部)は、例えば、下部電極、上部電極、及び、これらの電極間に挟まれた強誘電体層から構成されている。この不揮発性メモリにおけるデータの書き込みや読み出しは、図14に示す強誘電体のP−Eヒステリシスループを応用して行われる。即ち、強誘電体層に外部電界を加えた後、外部電界を除いたとき、強誘電体層は自発分極を示す。そして、強誘電体層の残留分極は、プラス方向の外部電界が印加されたとき+Pr、マイナス方向の外部電界が印加されたとき−Prとなる。ここで、残留分極が+Prの状態(図14の「D」参照)の場合を「0」とし、残留分極が−Prの状態(図14の「A」参照)の場合を「1」とする。
【0004】
「1」あるいは「0」の状態を判別するために、強誘電体層に例えばプラス方向の外部電界を印加する。これによって、強誘電体層の分極は図14の「C」の状態となる。このとき、データが「0」であれば、強誘電体層の分極状態は、「D」から「C」の状態に変化する。一方、データが「1」であれば、強誘電体層の分極状態は、「A」から「B」を経由して「C」の状態に変化する。データが「0」の場合には、強誘電体層の分極反転は生じない。一方、データが「1」の場合には、強誘電体層に分極反転が生じる。その結果、メモリセル(キャパシタ部)の蓄積電荷量に差が生じる。選択された不揮発性メモリの選択用トランジスタをオンにすることで、この蓄積電荷を信号電流として検出する。データの読み出し後、外部電界を0にすると、データが「0」のときでも「1」のときでも、強誘電体層の分極状態は図14の「D」の状態となってしまう。即ち、読み出し時、データ「1」は、一旦、破壊されてしまう。それ故、データが「1」の場合、マイナス方向の外部電界を印加して、「D」、「E」という経路で「A」の状態とし、データ「1」を再度書き込む。
【0005】
現在主流となっている不揮発性メモリの構造及びその動作は、米国特許第4873664号において、S.Sheffiledらが提案したものである。この不揮発性メモリは、図15に回路図を示すように、2つの不揮発性メモリセルから構成されている。尚、図15において、1つの不揮発性メモリを点線で囲った。各不揮発性メモリは、例えば、選択用トランジスタTR11,TR12、メモリセル(キャパシタ部)FC11,FC12から構成されている。
【0006】
尚、2桁の添字、例えば添字「11」は、本来、添字「1,1」と表示すべき添字であるが、表示の簡素化のため、2桁の添字で表示する。また、添字「M」を、例えば複数のメモリセルやプレート線を総括的に表示する場合に使用し、添字「m」を、例えば複数のメモリセルやプレート線を個々に表示する場合に使用し、添字「n」を、例えば選択用トランジスタやメモリユニットを個々に表示する場合に使用する。
【0007】
そして、それぞれのメモリセルに相補的なデータを書き込むことにより、1ビットを記憶する。図15において、符号「WL」はワード線を示し、符号「BL」はビット線を示し、符号「PL」はプレート線を意味する。1つの不揮発性メモリに着目すると、ワード線WL1は、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。また、ビット線BL1,BL2は、センスアンプSAに接続されている。更には、プレート線PL1は、プレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。
【0008】
このような構造を有する不揮発性メモリにおいて、記憶されたデータを読み出す場合、ワード線WL1を選択し、更には、プレート線PL1を駆動すると、相補的なデータが、対となったメモリセル(キャパシタ部)FC11,FC12から選択用トランジスタTR11,TR12を介して対となったビット線BL1,BL2に電圧(ビット線電位)として現れる。かかる対となったビット線BL1,BL2の電圧(ビット線電位)を、センスアンプSAで検出する。
【0009】
1つの不揮発性メモリは、ワード線WL1、及び、対となったビット線BL1,BL2によって囲まれた領域を占めている。従って、仮に、ワード線及びビット線が最短ピッチで配置されるとすると、1つの不揮発性メモリの最小面積は、加工最小寸法をFとしたとき、8F2である。従って、このような構造を有する不揮発性メモリの最小面積は8F2である。
【0010】
このような構造の不揮発性メモリを大容量化しようとした場合、その実現は加工寸法の微細化に依存するしかない。また、1つの不揮発性メモリを構成するために2つの選択用トランジスタ及び2つのメモリセル(キャパシタ部)が必要とされる。更には、ワード線と同じピッチでプレート線を配設する必要がある。それ故、不揮発性メモリを最小ピッチで配置することは殆ど不可能であり、現実には、1つの不揮発性メモリの占める面積は、8F2よりも大幅に増加してしまう。
【0011】
しかも、不揮発性メモリと同等のピッチで、ワード線デコーダ/ドライバWD及びプレート線デコーダ/ドライバPDを配設する必要がある。言い換えれば、1つのロー・アドレスを選択するために2つのデコーダ/ドライバが必要とされる。従って、周辺回路のレイアウトが困難となり、しかも、周辺回路の占有面積も大きなものとなる。
【0012】
不揮発性メモリの面積を縮小する手段の1つが、特開平9−121032号公報から公知である。図2に等価回路を示すように、この特許公開公報に開示された不揮発性メモリは、1つの選択用トランジスタTR1の一端に並列にそれぞれの一端が接続された複数のメモリセルMC1M(例えば、M=4)から構成され、かかるメモリセルと対となったメモリセルも、1つの選択用トランジスタTR2の一端に並列にそれぞれの一端が接続された複数のメモリセルMC2Mから構成されている。選択用トランジスタTR1,TR2の他端は、それぞれ、ビット線BL1,BL2に接続されている。対となったビット線BL1,BL2は、センスアンプSAに接続されている。また、メモリセルMC1m,MC2m(m=1,2・・・M)の他端はプレート線PLmに接続されており、プレート線PLmはプレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。更には、ワード線WLは、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。
【0013】
そして、対となったメモリセルMC1m,MC2m(m=1,2・・・M)に相補的なデータが記憶される。例えば、メモリセルMC1m,MC2m(ここで、mは1,2,3,4のいずれか)に記憶されたデータを読み出す場合、ワード線WLを選択し、プレート線PLk(m≠k)には(1/2)Vccの電圧を印加した状態で、プレート線PLmを駆動する。ここで、Vccは、例えば、電源電圧である。これによって、相補的なデータが、対となったメモリセルMC1m,MC2mから選択用トランジスタTR1,TR2を介して対となったビット線BL1,BL2に電圧(ビット線電位)として現れる。そして、かかる対となったビット線BL1,BL2の電圧(ビット線電位)を、センスアンプSAで検出する。
【0014】
対となった不揮発性メモリにおける一対の選択用トランジスタTR1及びTR2は、ワード線WL、及び、対となったビット線BL1,BL2によって囲まれた領域を占めている。従って、仮に、ワード線及びビット線が最短ピッチで配置されるとすると、対となった不揮発性メモリにおける一対の選択用トランジスタTR1及びTR2の最小面積は、8F2である。しかしながら、一対の選択用トランジスタTR1,TR2を、M組の対となったメモリセルMC1m,MC2m(m=1,2・・・M)で共有するが故に、1ビット当たりの選択用トランジスタTR1,TR2の数が少なくて済み、また、ワード線WLの配置も緩やかなので、不揮発性メモリの縮小化を図り易い。しかも、周辺回路についても、1本のワード線デコーダ/ドライバWDとM本のプレート線デコーダ/ドライバPDでMビットを選択することができる。従って、このような構成を採用することで、セル面積が8F2に近いレイアウトを実現可能であり、DRAM並のチップサイズを実現することができる。
【0015】
特開平9−121032号公報に開示された不揮発性メモリにおいては、例えば、対となったメモリセルMC11,MC21において、メモリセルMC11にデータ「1」を書き込む場合、プレート線PL1をグランドレベル(0ボルト)とし、ビット線BL1をVccとすることによって、強誘電体層を分極させるが、このとき、メモリセルMC21にデータ「0」を保持しておくために、ビット線BL2をグランドレベル(0ボルト)とする必要がある。
【0016】
一方、非選択のプレート線PLk(k=2,3,4)に接続されたメモリセルMC1k,MC2k(k=2,3,4)に記憶されたデータの破壊を防止するために、非選択のプレート線PLk(k=2,3,4)を、例えば、ビット線BL1,BL2の中間の電圧である(1/2)Vccに固定し、非選択のメモリセルMC1k,MC2kを構成する強誘電体層に加わる電界を緩和する。即ち、非選択のメモリセルMC1k,MC2kには、(1/2)Vccのディスターブが加わる。ここで、ディスターブとは、非選択のメモリセルを構成する強誘電体層に対して、分極が反転する方向に、即ち、保存されていたデータが劣化若しくは破壊される方向に、電界が加わる現象を指す。
【0017】
ところで、強誘電体層を構成する強誘電体材料は、本質的な物性として、反転電圧が負の温度特性を有する。そして、ビスマス(Bi)を含む層状構造を有する強誘電体材料の自発分極Pr、抗電界Ecの温度依存性は、ランダウの現象論に従うことが知られている。即ち、以下の式(1)及び式(2)の関係が成り立つ。ここで、a、bは定数であり、Tは不揮発性メモリの動作温度であり、Tcは強誘電体−常誘電体相転移温度(以下、相転移温度と呼ぶ)である。
【0018】
[数1]
r 2 =a(T−Tc) (1)
c 2/3=b(T−Tc) (2)
【0019】
不揮発性メモリの動作信頼性の向上を図るためには、強誘電体材料の特性の温度安定性の確保が不可欠である。即ち、不揮発性メモリを高温まで安定して動作させるためには、抗電界Ecの温度依存性が限りなくゼロに近いことが望ましい。抗電界Ecの温度依存性が大きい場合、非選択のメモリセルにディスターブが加わったとき、非選択のメモリセルに記憶されていたデータが破壊される虞がある。
【0020】
通常のメモリ素子の設計基準に照らし、例えば、80゜Cでの抗電界Ecの値が、20゜Cでの抗電界Ecの値の90%となるような強誘電体材料の相転移温度Tcの値は800゜Cである。即ち、
r(80゜C)/Pr(25゜C)
=[(80−800)/(25−800)]1/2
≒0.96
であり、
c(80゜C)/Ec(25゜C)
=[(80−800)/(25−800)]3/2
≒0.90
となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
層状構造を有する強誘電体材料であって、相転移温度Tcの値が800゜C以上のものとして、Bi3TiNbO9(BTNと呼ぶ。Tcは1213Kである)や、Bi3TiTaO9(BTTと呼ぶ。Tcは1143Kである)が知られている。
【0022】
しかしながら、これらの材料は、c軸方向には自発分極が構造的に発生しない。実際に、BTN薄膜やBTT薄膜を、前駆体物質から熱処理によって結晶を析出させるといった過程を経て下部電極上に形成すると、前駆体物質中のBiの割合が高いが故に、下部電極の殆どの部分にc軸に配向したBTN結晶やBTT結晶が析出する。その結果、BTN薄膜やBTT薄膜が有する強誘電特性を具現化することができず、このことが、BTN薄膜やBTT薄膜を用いた不揮発性メモリの実現の上で大きな障害となっている。
【0023】
従って、本発明の目的は、高い温度安定性を有する強誘電体材料から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリ、及び、その製造方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
(A)ビット線と、
(B)選択用トランジスタと、
(C)メモリセルと、
(D)プレート線、
から成り、
メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
第2の電極は、プレート線に接続されており、
メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dCaX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9結晶粒(但し、0<X<0.45,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成されていることを特徴とする。
【0025】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
(A)ビット線と、
(B)選択用トランジスタと、
(C)M個(但し、M≧2)のメモリセルから構成されたメモリユニットと、
(D)M本のプレート線、
から成り、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、該共通の第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
メモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、第m番目のプレート線に接続されており、
各メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dCaX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9結晶粒(但し、0<X<0.45,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成されていることを特徴とする。
【0026】
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにあっては、Z=1(即ち、Bi3-X+dCaX-dTi1-XNb1+X9)である構成とすることができ、あるいは又、Z=0(即ち、Bi3-X+dCaX-dTi1-XTa1+X9)であり、且つ、0<X<0.25を満足する構成とすることができる。
【0027】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
(A)ビット線と、
(B)選択用トランジスタと、
(C)メモリセルと、
(D)M本のプレート線、
から成り、
メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
第2の電極は、プレート線に接続されており、
メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dSrX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9結晶粒(但し、0<X<0.3,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成されていることを特徴とする。
【0028】
上記の目的を達成するための本発明の第4の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリは、
(A)ビット線と、
(B)選択用トランジスタと、
(C)M個(但し、M≧2)のメモリセルから構成されたメモリユニットと、
(D)M本のプレート線、
から成り、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、該共通の第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
メモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、第m番目のプレート線に接続されており、
各メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dSrX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9結晶粒(但し、0<X<0.3,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成されていることを特徴とする。
【0029】
本発明の第3の態様若しくは第4の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリにあっては、Z=1(即ち、Bi3-X+dSrX-dTi1-XNb1+X9)である構成とすることができ、あるいは又、Z=0(即ち、Bi3-X+dSrX-dTi1-XTa1+X9)であり、且つ、0<X<0.15を満足する構成とすることができる。
【0030】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法は、
(A)ビット線と、
(B)選択用トランジスタと、
(C)メモリセルと、
(D)プレート線、
から成り、
メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
第2の電極は、プレート線に接続されており、
メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dCaX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9結晶粒(但し、0<X<0.45,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法であって、
(a)少なくともBi−Ca−(Nb,Ta)−Oを組成として有する種結晶層を形成する工程と、
(b)該種結晶層上に、Bi−Ti−(Nb,Ta)−Oを組成として有する前駆体層を形成する工程と、
(c)該種結晶層及び該前駆体層に熱処理を施し、強誘電体層を得る工程、
を具備することを特徴とする。
【0031】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法は、
(A)ビット線と、
(B)選択用トランジスタと、
(C)M個(但し、M≧2)のメモリセルから構成されたメモリユニットと、
(D)M本のプレート線、
から成り、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、該共通の第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
メモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、第m番目のプレート線に接続されており、
各メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dCaX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9結晶粒(但し、0<X<0.45,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法であって、
(a)少なくともBi−Ca−(Nb,Ta)−Oを組成として有する種結晶層を形成する工程と、
(b)該種結晶層上に、Bi−Ti−(Nb,Ta)−Oを組成として有する前駆体層を形成する工程と、
(c)該種結晶層及び該前駆体層に熱処理を施し、強誘電体層を得る工程、
を具備することを特徴とする。
【0032】
尚、本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法において、0<Z<1の場合、種結晶層の組成は、化学量論的組成の場合、Bi2Ca(NbZ,Ta1-Z29であり、Bi過剰Ca欠損の組成の場合、Bi2+YCa1-Y(NbZ,Ta1-Z29であり、Bi過剰Ca欠損Ti添加の組成の場合、Bi2+YCa1-YTiu(NbZ,Ta1-Z2-u9である。
【0033】
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法にあっては、Z=1(即ち、Bi3-X+dCaX-dTi1-XNb1+X9)であり、前記工程(a)においては、少なくともBi−Ca−Nb−Oを組成として有する種結晶層を形成し、前記工程(b)においては、Bi−Ti−Nb−Oを組成として有する前駆体層を形成する構成とすることができる。尚、この場合、種結晶層の組成は、化学量論的組成の場合、Bi2CaNb29であり、Bi過剰Ca欠損の組成の場合、Bi2+YCa1-YNb29であり、Bi過剰Ca欠損Ti添加の組成の場合、Bi2+YCa1-YTiuNb2-u9である。更には、前駆体層の組成は、Bi3TiNbO9である。あるいは又、Z=0(即ち、Bi3-X+dCaX-dTi1-XTa1+X9)であり、0<X<0.25を満足し、前記工程(a)においては、少なくともBi−Ca−Ta−Oを組成として有する種結晶層を形成し、前記工程(b)においては、Bi−Ti−Ta−Oを組成として有する前駆体層を形成する構成とすることができる。尚、この場合、種結晶層の組成は、化学量論的組成の場合、Bi2CaTa29であり、Bi過剰Ca欠損の組成の場合、Bi2+YCa1-YTa29であり、Bi過剰Ca欠損Ti添加の組成の場合、Bi2+YCa1-YTiYTa2-Y9である。更には、前駆体層の組成は、Bi3TiTaO9である。
【0034】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法は、
(A)ビット線と、
(B)選択用トランジスタと、
(C)メモリセルと、
(D)プレート線、
から成り、
メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
第2の電極は、プレート線に接続されており、
メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dSrX-dTi1-X(Nb,Ta)1+X9結晶粒(但し、0<X<0.3,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法であって、
(a)少なくともBi−Sr−(Nb,Ta)−Oを組成として有する種結晶層を形成する工程と、
(b)該種結晶層上に、Bi−Ti−(Nb,Ta)−Oを組成として有する前駆体層を形成する工程と、
(c)該種結晶層及び該前駆体層に熱処理を施し、強誘電体層を得る工程、
を具備することを特徴とする。
【0035】
上記の目的を達成するための本発明の第4の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法は、
(A)ビット線と、
(B)選択用トランジスタと、
(C)M個(但し、M≧2)のメモリセルから構成されたメモリユニットと、
(D)M本のプレート線、
から成り、
各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、該共通の第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
メモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、第m番目のプレート線に接続されており、
各メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dSrX-dTi1-X(Nb,Ta)1+X9結晶粒(但し、0<X<0.3,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法であって、
(a)少なくともBi−Sr−(Nb,Ta)−Oを組成として有する種結晶層を形成する工程と、
(b)該種結晶層上に、Bi−Ti−(Nb,Ta)−Oを組成として有する前駆体層を形成する工程と、
(c)該種結晶層及び該前駆体層に熱処理を施し、強誘電体層を得る工程、
を具備することを特徴とする。
【0036】
尚、本発明の第3の態様若しくは第4の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法において、0<Z<1の場合、種結晶層の組成は、化学量論的組成の場合、Bi2Sr(NbZ,Ta1-Z29であり、Bi過剰Sr欠損の組成の場合、Bi2+YSr1-Y(NbZ,Ta1-Z29であり、Bi過剰Sr欠損Ti添加の組成の場合、Bi2+YSr1-YTiY(NbZ,Ta1-Z2-Y9である。
【0037】
本発明の第3の態様若しくは第4の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法にあっては、Z=1(即ち、Bi3-X+dSrX-dTi1-XNb1+X9)であり、前記工程(a)においては、少なくともBi−Sr−Nb−Oを組成として有する種結晶層を形成し、前記工程(b)においては、Bi−Ti−Nb−Oを組成として有する前駆体層を形成する構成とすることができる。尚、この場合、種結晶層の組成は、化学量論的組成の場合、Bi2SrNb29であり、Bi過剰Sr欠損の組成の場合、Bi2+YSr1-YNb29であり、Bi過剰Sr欠損Ti添加の組成の場合、Bi2+YSr1-YTiYNb2-Y9である。更には、前駆体層の組成は、Bi3TiNbO9である。あるいは又、Z=0(即ち、Bi3-X+dSrX-dTi1-XTa1+X9)であり、0<X<0.15を満足し、前記工程(a)においては、少なくともBi−Sr−Ta−Oを組成として有する種結晶層を形成し、前記工程(b)においては、Bi−Ti−Ta−Oを組成として有する前駆体層を形成する構成とすることができる。尚、この場合、種結晶層の組成は、化学量論的組成の場合、Bi2SrTa29であり、Bi過剰Sr欠損の組成の場合、Bi2+YSr1-YTa29であり、Bi過剰Sr欠損Ti添加の組成の場合、Bi2+YSr1-YTiuTa2-u9である。更には、前駆体層の組成は、Bi3TiTaO9である。
【0038】
本発明の第1の態様〜第4の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリあるいはその製造方法(以下、これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)においては、これらに規定された結晶粒の他に、強誘電体型不揮発性半導体メモリの特性上、問題とはならない程度の他の組成(例えば、Biの酸化物、TaやNbの酸化物、Bi、TaやNbの複合酸化物等)が含まれていてもよく、例えば、これらに規定された結晶粒を主たる結晶粒として95%以上含んでいることが好ましい。
【0039】
本発明における強誘電体層の組成(平均元素組成)は、最終的な強誘電体層の膜厚、種結晶層の組成、膜厚、前駆体層の組成、膜厚によって制御することができる。
【0040】
即ち、本発明において、「X」の値は、種結晶層の膜厚と前駆体層の膜厚から予め予想できる値である。厳密には、質量比からモル比を求めて計算することで求めることができるが、実際には、例えば、蛍光X線分析によって強誘電体層の組成を分析すればよい。また、「d」の値は、BiとCaあるいはBiとSrの置換量を示す値である。「d」の値は、近似的には、種結晶層の組成、種結晶層の膜厚と前駆体層の膜厚の比に基づき予想することができる。即ち、前駆体層の膜厚/種結晶層の膜厚の値を(1−X)/Xとすれば、d=X・Yとなる。
【0041】
本発明においては、強誘電体層の下に第1の電極を形成し、強誘電体層の上に第2の電極を形成する構成(即ち、第1の電極は、種結晶層形成のための下地層に相当し、且つ、下部電極に相当し、第2の電極は上部電極に相当する)とすることもできるし、強誘電体層の上に第1の電極を形成し、強誘電体層の下に第2の電極を形成する構成(即ち、第1の電極は上部電極に相当し、第2の電極は、種結晶層形成のための下地層に相当し、且つ、下部電極に相当する)とすることもできる。プレート線は、第2の電極から延在している構成とすることもできるし、第2の電極とは別途に形成され、第2の電極と接続された構成とすることもできる。後者の場合、プレート線を構成する配線材料として、例えばアルミニウムやアルミニウム系合金を例示することができる。
【0042】
第1の電極が共通である構造として、例えば、第1の電極が下部電極に相当する場合、具体的には、ストライプ状の第1の電極を形成し、かかるストライプ状の第1の電極の全面を覆うように強誘電体層を形成する構成を挙げることができる。尚、このような構造においては、第1の電極と強誘電体層と第2の電極の重複領域がメモリセルに相当する。第1の電極が共通である構造として、その他、第1の電極の所定の領域に、それぞれの強誘電体層が形成され、強誘電体層上に第2の電極が形成された構造、あるいは又、配線層の所定の表面領域に、それぞれの第1の電極が形成され、かかるそれぞれの第1の電極上に強誘電体層が形成され、強誘電体層上に第2の電極が形成された構造を挙げることができるが、これらの構成に限定するものではない。
【0043】
強誘電体層を得るためには、強誘電体薄膜(熱処理を施された種結晶層及び前駆体層)を形成した後の工程において、強誘電体薄膜をパターニングすればよい。場合によっては、強誘電体薄膜のパターニングは不要である。強誘電体薄膜の形成は、例えば、ゾル−ゲル法、MOCVD法、パルスレーザアブレーション法、スパッタ法といった強誘電体薄膜を構成する材料に適宜適した方法にて行うことができる。また、強誘電体薄膜のパターニングは、例えば異方性イオンエッチング(RIE)法にて行うことができる。
【0044】
本発明において、第1の電極及び第2の電極を構成する材料として、例えば、Ir、IrO2-x、IrO2-x/Ir、Ir/IrO2-x、SrIrO3、Ru、RuO2-x、SrRuO3、Pt、Pt/IrO2-x、Pt/RuO2-x、Pd、Pt/Tiの積層構造、Pt/Taの積層構造、Pt/Ti/Taの積層構造、La0.5Sr0.5CoO3(LSCO)、Pt/LSCOの積層構造、YBa2Cu37を挙げることができる。ここで、xの値は、0≦x<2である。尚、積層構造においては、「/」の前に記載された材料が上層を構成し、「/」の後ろに記載された材料が下層を構成する。第1の電極と第2の電極は、同じ材料から構成されていてもよいし、同種の材料から構成されていてもよいし、異種の材料から構成されていてもよい。第1の電極あるいは第2の電極を形成するためには、第1の電極材料層あるいは第2の電極材料層を形成した後の工程において、第1の電極材料層あるいは第2の電極材料層をパターニングすればよい。第1の電極材料層あるいは第2の電極材料層の形成は、例えばスパッタ法、反応性スパッタ法、電子ビーム蒸着法、MOCVD法、あるいはパルスレーザアブレーション法といった第1の電極材料層や第2の電極材料層を構成する材料に適宜適した方法にて行うことができる。また、第1の電極材料層や第2の電極材料層のパターニングは、例えばイオンミーリング法やRIE法にて行うことができる。
【0045】
本発明においては、半導体基板あるいは半導体層に形成された選択用トランジスタの例えば上方に絶縁層を介してメモリセルあるいはメモリユニットが形成されている。ここで、絶縁層を構成する材料として、酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、SiON、SOG、NSG、BPSG、PSG、BSGあるいはLTOを例示することができる。
【0046】
選択用トランジスタ(スイッチング用トランジスタ)や後述する各種のトランジスタは、例えば、周知のMIS型FETやMOS型FETから構成することができる。ビット線を構成する材料として、不純物がドーピングされたポリシリコンや高融点金属材料を挙げることができる。第1の電極と選択用トランジスタとの電気的な接続は、第1の電極と選択用トランジスタとの間に形成された絶縁層に設けられた接続孔(コンタクトホール)を介して、あるいは又、かかる絶縁層に設けられた接続孔(コンタクトホール)及び絶縁層上に形成された配線層を介して行うことができる。
【0047】
前駆体層の結晶化によって強誘電体層を形成する場合、形成された強誘電体層の特性は、例えば下地層に相当する第1の電極と前駆体層との間に形成される種結晶層の性質に強く影響される。本発明の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法にあっては、所定の種結晶層を形成するが、この種結晶層のBi含有率を低下させているが故に、強誘電体結晶の微細な粒(結晶核)を、無配向に、あるいは、c軸からずれた配向[(115)配向や(103)配向等]に分散した状態で種結晶層中に析出させることができる。従って、所定の前駆体層を種結晶層上に形成した後、これらの種結晶層及び前駆体層に熱処理を施し、強誘電体層を得たとき、強誘電体層を構成する結晶はc軸からずれた配向状態となり、あるいは又、ランダムに配向された状態となり、強誘電特性を具現化することができる。
【0048】
しかも、本発明の強誘電体型不揮発性半導体メモリにあっては、強誘電体層の組成を規定することによって、相転移温度Tcの値を800゜C以上とすることができる結果、高い温度安定性を得ることができる。尚、Bi3TiNbO9、Bi3TiTaO9、Bi2CaNb29、Bi2CaTa29、Bi2SrNb29、Bi2SrTa29のそれぞれの相転移温度Tcの値(出典は、N. Jona and G. Shirane, "Ferroelectric Crystals", Pergamon, London (1962), pp241)、並びに、Bi3-XCaXTi1-XNb1+X9、Bi3-XSrXTi1-XNb1+X9、Bi3-XCaXTi1-XTa1+X9及びBi3-XSrXTi1-XTa1+X9の相転移温度Tcの値を直線で近似した値のグラフを、図13に示す。
【0049】
【実施例】
以下、図面を参照して、好ましい実施例に基づき本発明を説明する。
【0050】
(実施例1)
実施例1は、本発明の第1の態様及び第2の態様に係る強誘電体型不揮発性半導体メモリ(以下、不揮発性メモリと略称する)、及び、その製造方法に関する。この不揮発性メモリの模式的な一部断面図を図1に示し、回路図を図2に示す。尚、図2の回路図においては、2つの不揮発性メモリMn(n=1,2)を示すが、これらの不揮発性メモリは同じ回路、同じ構造を有しており、図1の紙面垂直方向に並んで設けられている。以下の説明においては、不揮発性メモリM1についての説明を行う。尚、図1においては、選択用トランジスタTR1及びメモリセルMC1mと、ビット線BL1の延在する方向に隣接する選択用トランジスタTR’1及びメモリセルMC’1mの一部分を併せて図示した。ビット線BL1の延在する方向に隣接するメモリセルMC1m,MC’1m・・・におけるビット線BL1は共通化されている。ここで、実施例1の不揮発性メモリは、強誘電体層の構成を除き、実質的に、特開平9−121032号公報に開示された不揮発性メモリの回路と同じ構成を有する。
【0051】
この不揮発性メモリは、ビット線BLと、選択用トランジスタTRと、メモリセルMCと、プレート線PLから成り、メモリセルMCは、第1の電極21と強誘電体層22と第2の電極23とから成り、第1の電極21は選択用トランジスタTRを介してビット線BLに接続され、第2の電極23はプレート線PLに接続されている。
【0052】
あるいは又、
(A)ビット線BLn(n=1,2)と、
(B)選択用トランジスタTRnと、
(C)M個(但し、M≧2)のメモリセルMCnMから構成されたメモリユニットMUnと、
(D)M本のプレート線PLM
から成り、
各メモリセルMCnm(m=1,2・・・M)は、第1の電極21と強誘電体層22と第2の電極23とから成り、
メモリユニットMUnにおいて、メモリセルMCnmの第1の電極21は共通であり、該共通の第1の電極21(共通ノードCNnと呼ぶ)は、選択用トランジスタTRnを介してビット線BLnに接続され、
メモリユニットMUnにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルMCnmの第2の電極23は、第m番目のプレート線PLmに接続されている。
【0053】
そして、ビット線BLnは、センスアンプSAに接続されている。また、プレート線PLmはプレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。更には、ワード線WLは、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。ワード線WLは、図1の紙面垂直方向に延びている。また、不揮発性メモリM1を構成するメモリセルMC1mの第2の電極23は、図1の紙面垂直方向に隣接する不揮発性メモリM2を構成するメモリセルMC2mの第2の電極と共通であり、プレート線PLmを兼ねている。更には、ワード線WLは、不揮発性メモリM1を構成する選択用トランジスタTR1と、図1の紙面垂直方向に隣接する不揮発性メモリM2を構成する選択用トランジスタTR2とで共通である。
【0054】
メモリセルMCnm(あるいはMC)を構成する強誘電体層22は、Bi3-X+dCaX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9結晶粒(但し、0<X<0.45,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成されている。具体的には、実施例1において、Xの値は0.12であり、dの値は0であり、Zの値は1である。即ち、Bi3-XCaXTi1-XNb1+X9(但し、X=0.12)である。
【0055】
対となったメモリセルMC1m,MC2m(m=1,2・・・M)に相補的なデータが記憶される。例えば、メモリセルMC1m,MC2m(ここで、mは1,2,3,4のいずれか)に記憶されたデータを読み出す場合、ワード線WLを選択し、プレート線PLk(m≠k)には(1/2)Vccの電圧を印加した状態で、プレート線PLmを駆動する。ここで、Vccは、例えば、電源電圧である。これによって、相補的なデータが、対となったメモリセルMC1m,MC2mから選択用トランジスタTR1,TR2を介して対となったビット線BL1,BL2に電圧(ビット線電位)として現れる。そして、かかる対となったビット線BL1,BL2の電圧(ビット線電位)を、センスアンプSAで検出する。尚、かかる対となったビット線BL1,BL2の一方に参照電圧を印加することによって、メモリセルMC1m,MC2mのそれぞれからデータを読み出すこともできる。このような構成を採用する場合の回路図は、図5を参照のこと。即ち、各メモリセルMC1m,MC2m(m=1,2,3,4)のそれぞれに1ビットがデータとして記憶され、あるいは又、対となったメモリセルMC1m,MC2mに相補的なデータが1ビットとして記憶される。実際の不揮発性メモリにおいては、この8ビットあるいは4ビットを記憶するメモリユニットの集合がアクセス単位ユニットとしてアレイ状に配設されている。尚、Mの値は4に限定されない。Mの値は、M≧2を満足すればよく、実際的なMの値として、例えば、2のべき数(2,4,8,16・・・)を挙げることができる。
【0056】
以下、実施例1の不揮発性メモリの製造方法を説明する。
【0057】
尚、以下の各種の実施例においては、有機金属分解塗布材料を用いるが、ビスマス(Bi)のソースとして、BiO1.5に換算したときのモル濃度が0.5モル/リッターの材料(この材料を、Bi原料と呼ぶ)を使用し、カルシウム(Ca)のソースとして、CaO1.5に換算したときのモル濃度が0.5モル/リッターの材料(この材料を、Ca原料と呼ぶ)を使用し、ストロンチウム(Sr)のソースとして、SrO1.5に換算したときのモル濃度が0.5モル/リッターの材料(この材料を、Sr原料と呼ぶ)を使用し、チタン(Ti)のソースとして、TiO2に換算したときのモル濃度が0.5モル/リッターの材料(この材料を、Ti原料と呼ぶ)を使用し、ニオブ(Nb)のソースとして、NbO2.5に換算したときのモル濃度が0.5モル/リッターの材料(この材料を、Nb原料と呼ぶ)を使用し、タンタル(Ta)のソースとして、TaO2.5に換算したときのモル濃度が0.5モル/リッターの材料(この材料を、Ta原料と呼ぶ)を使用した。
【0058】
[工程−100]
先ず、不揮発性メモリにおける選択用トランジスタとして機能するMOS型トランジスタを半導体基板10に形成する。そのために、例えばLOCOS構造を有する素子分離領域11を公知の方法に基づき形成する。尚、素子分離領域は、トレンチ構造を有していてもよいし、LOCOS構造とトレンチ構造の組合せとしてもよい。その後、半導体基板10の表面を例えばパイロジェニック法により酸化し、ゲート絶縁膜12を形成する。次いで、不純物がドーピングされたポリシリコン層をCVD法にて全面に形成した後、ポリシリコン層をパターニングし、ゲート電極13を形成する。このゲート電極13はワード線を兼ねている。尚、ゲート電極13をポリシリコン層から構成する代わりに、ポリサイドや金属シリサイドから構成することもできる。次に、半導体基板10にイオン注入を行い、LDD構造を形成する。その後、全面にCVD法にてSiO2層を形成した後、このSiO2層をエッチバックすることによって、ゲート電極13の側面にゲートサイドウオール(図示せず)を形成する。次いで、半導体基板10にイオン注入を施した後、イオン注入された不純物の活性化アニール処理を行うことによって、ソース/ドレイン領域14を形成する。
【0059】
[工程−110]
次いで、SiO2から成る下層絶縁層をCVD法にて形成した後、一方のソース/ドレイン領域14の上方の下層絶縁層に開口部をRIE法にて形成する。そして、かかる開口部内を含む下層絶縁層上に不純物がドーピングされたポリシリコン層をCVD法にて形成する。これによって、コンタクトプラグ15が形成される。次に、下層絶縁層上のポリシリコン層をパターニングすることによって、ビット線BLを形成する。その後、BPSGから成る上層絶縁層をCVD法にて全面に形成する。尚、BPSGから成る上層絶縁層の形成後、窒素ガス雰囲気中で例えば900゜C×20分間、上層絶縁層をリフローさせることが好ましい。更には、必要に応じて、例えば化学的機械的研磨法(CMP法)にて上層絶縁層の頂面を化学的及び機械的に研磨し、上層絶縁層を平坦化することが望ましい。尚、下層絶縁層と上層絶縁層を纏めて、絶縁層16と呼ぶ。
【0060】
[工程−120]
次に、他方のソース/ドレイン領域14の上方の絶縁層16に開口部17をRIE法にて形成した後、かかる開口部17内を、不純物をドーピングしたポリシリコンで埋め込み、接続孔(コンタクトプラグ)18を完成させる。ビット線BLは、下層絶縁層上を、図の左右方向に接続孔18と接触しないように延びている。
【0061】
尚、接続孔18は、絶縁層16に形成された開口部17内に、例えば、タングステン、Ti、Pt、Pd、Cu、TiW、TiNW、WSi2、MoSi2等の高融点金属や金属シリサイドから成る金属配線材料を埋め込むことによって形成することもできる。接続孔18の頂面は絶縁層16の表面と略同じ平面に存在していてもよいし、接続孔18の頂部が絶縁層16の表面に延在していてもよい。タングステンにて開口部17を埋め込み、接続孔18を形成する条件を、以下の表1に例示する。尚、タングステンにて開口部17を埋め込む前に、Ti層及びTiN層を順に例えばマグネトロンスパッタ法にて開口部17内を含む絶縁層16の上に形成することが好ましい。ここで、Ti層及びTiN層を形成する理由は、オーミックな低コンタクト抵抗を得ること、ブランケットタングステンCVD法における半導体基板10の損傷発生の防止、タングステンの密着性向上のためである。
【0062】
[表1]
Ti層(厚さ:20nm)のスパッタ条件
プロセスガス:Ar=35sccm
圧力 :0.52Pa
RFパワー :2kW
基板の加熱 :無し
TiN層(厚さ:100nm)のスパッタ条件
プロセスガス:N2/Ar=100/35sccm
圧力 :1.0Pa
RFパワー :6kW
基板の加熱 :無し
タングステンのCVD形成条件
使用ガス:WF6/H2/Ar=40/400/2250sccm
圧力 :10.7kPa
形成温度:450゜C
タングステン層及びTiN層、Ti層のエッチング条件
第1段階のエッチング:タングステン層のエッチング
使用ガス :SF6/Ar/He=110:90:5sccm
圧力 :46Pa
RFパワー:275W
第2段階のエッチング:TiN層/Ti層のエッチング
使用ガス :Ar/Cl2=75/5sccm
圧力 :6.5Pa
RFパワー:250W
【0063】
[工程−130]
次に、絶縁層16上に、窒化チタン(TiN)から成る密着層20を形成することが望ましい。そして、密着層20上にIrO2/Irから成る第1の電極(下部電極)21を構成する第1の電極材料層を、例えばスパッタ法にて形成し、第1の電極材料層及び密着層20をフォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきパターニングすることによって、ストライプ状の第1の電極21を得ることができる。第1の電極21は、下からIr、IrO2の積層構造を有する。その後、全面に、CVD法にてSiO2膜あるいはSiO2/TiO2膜(図示せず)を形成し、CMP法にてこの膜を平坦化して、第1の電極21の間がこの膜によって埋め込まれた状態(所謂ダマシン構造)を得ることができる。CMP法においては、アルミナを含むスラリーを研磨剤として用いればよい。
【0064】
尚、絶縁層16上に例えばSiN膜を形成し、次いで、第1の電極を形成すべき部分のSiN膜を選択的に除去した後、SiN膜及び露出した絶縁層16上に密着層、第1の電極材料層を形成し、その後、CMP法にてSiN膜上の第1の電極材料層及び密着層を除去することによって、所謂ダマシン構造を有する第1の電極を形成することもできる。
【0065】
[工程−140]
次に、Bi−Ca−Nb−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Ca原料/Nb原料/溶媒(トルエン)を表5に示す割合で混合した溶液を調製しておき、以下の表2に例示するスピン・オン法にて、全面に種結晶層を形成する。
【0066】
[表2]
スピン・オン:500rpmで10秒、次いで、2000rpmで20秒
乾燥 :120゜C、30分
仮焼成 :酸素ガス雰囲気中、300゜C、30分
【0067】
その後、酸素気流中でのRTA(Rapid Thermal Annealing)処理を施し、微小な結晶粒から成る種結晶層(厚さ:約40nm)を形成する。結晶粒は、主に、層状構造を有するBi2CaNb29から成る。RTA処理における昇温速度を充分に早くすれば(例えば100゜C/秒以上)、結晶粒は特定の配向を示さない。RTA処理の条件を以下の表3に例示する。
【0068】
[表3]
予備加熱温度:225゜C
昇温速度 :140゜C/秒
保持温度 :700゜C
保持時間 :30秒
酸素流量 :3リッター/分
【0069】
[工程−150]
次いで、種結晶層上に、Bi−Ti−Nb−Oを組成として有する前駆体層(具体的には、Bi3TiNbO9)を形成する。具体的には、Bi原料/Ti原料/Nb原料/溶媒(トルエン)を表7に示す割合で混合した溶液を調製しておき、以下の表4に例示するスピン・オン法を3回繰り返し、全面に合計厚さ約150nmの前駆体層を形成する。RTO処理における昇温速度を充分に早くし、温度を650゜C以上とすれば、結晶粒は特定の配向を示さない。
【0070】
[表4]
スピン・オン:500rpmで10秒、次いで、2000rpmで20秒
乾燥 :120゜C、30分
仮焼成 :酸素ガス雰囲気中、400゜C、30分
RTO処理 :酸素ガス雰囲気中、650〜700゜C、30秒
【0071】
[工程−160]
その後、種結晶層及び前駆体層に、酸素気流中で650〜700゜C、1時間の熱処理を施し、結晶化、均質化を促し、結晶グレインの成長を促進して、強誘電体層22を得る。尚、場合によっては、[工程−150]におけるRTO処理にて、強誘電体層22を得ることもできる。
【0072】
[工程−170]
次に、不要な強誘電体層22の部分をRIE法にて除去し、第2の電極23を形成する。第2の電極23は、例えば、Ir、あるいは、下からIrO2、Irの積層構造を有する。第2の電極23は、例えば、RFスパッタ法及びRIE法にて形成することができる。尚、エッチングによって、強誘電体層22にダメージが加わる場合には、ダメージ回復に必要とされる温度にて、ダメージ回復アニール処理を行えばよい。その後、絶縁膜26Aの形成を行う。
【0073】
尚、各第2の電極23はプレート線を兼ねていなくともよい。この場合には、絶縁膜26Aの形成完了後、第2の電極23を接続孔によって接続し、併せて、絶縁膜26A上に、かかる接続孔と接続したプレート線を形成すればよい。
【0074】
(実施例2)
実施例2は実施例1の変形である。実施例1においては、種結晶層の組成を、化学量論的組成、即ち、Bi2CaNb29とした。一方、実施例2においては、種結晶層の組成を、Bi過剰Ca欠損の組成、即ち、Bi2+YCa1-YNb29(但し、Y=0.2)とした。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dCaX-dTi1-XNb1+X9(但し、X=0.21、d=0.042)である。
【0075】
実施例2の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Ca−Nb−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Ca原料/Nb原料/溶媒(トルエン)を表5に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約40nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Nb原料/溶媒(トルエン)を表7に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を3回繰り返し、全面に合計厚さ約150nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0076】
(実施例3)
実施例3も実施例1の変形である。実施例3においては、種結晶層の組成を、Bi過剰Ca欠損Ti添加の組成、即ちBi2+YCa1-YTiYNb2-Y9(但し、Y=0.2)とした。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dCaX-dTi1-XNb1+X9(但し、X=0.24、d=0)である。尚、種結晶層の組成をBi過剰Ca欠損Ti添加の組成とすることによって、種結晶層の厚さの選択幅を広げることが可能となり、しかも、種結晶層の形成時、一層配向性の無い結晶粒の分布を得ることができる。但し、「Y」の値が高すぎると、c軸配向の結晶粒の割合が増すことになり、注意が必要である。「Y」の値の上限は、0.4程度とすることが望ましい。
【0077】
実施例3の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Ca−Ti−Nb−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Ca原料/Ti原料/Nb原料/溶媒(トルエン)を表5に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約60nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Nb原料/溶媒(トルエン)を表7に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を2回繰り返し、全面に合計厚さ約140nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0078】
(実施例4)
実施例4も実施例1の変形である。実施例4においては、種結晶層の組成を、化学量論的組成であるBi2CaTa29とした。更には、前駆体層の組成は、Bi3TiTaO9である。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dCaX-dTi1-XTa1+X9(但し、X=0.21、d=0)である。
【0079】
実施例4の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Ca−Ta−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Ca原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表5に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約40nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表7に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を3回繰り返し、全面に合計厚さ約150nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0080】
(実施例5)
実施例5は実施例4の変形である。実施例4においては、種結晶層の組成を、化学量論的組成、即ち、Bi2CaTa29とした。一方、実施例5においては、種結晶層の組成を、Bi過剰Ca欠損の組成、即ち、Bi2+YCa1-YTa29(但し、Y=0.2)とした。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dCaX-dTi1-XTa1+X9(但し、X=0.21、d=0.042)である。
【0081】
実施例5の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Ca−Ta−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Ca原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表5に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約40nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表7に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を3回繰り返し、全面に合計厚さ約150nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0082】
(実施例6)
実施例6も実施例3の変形である。実施例6においては、種結晶層の組成を、Bi過剰Ca欠損Ti添加の組成、即ちBi2+YCa1-YTiYTa2-Y9(但し、Y=0.2)とした。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dCaX-dTi1-XTa1+X9(但し、X=0.24、d=0)である。尚、種結晶層の組成をBi過剰Ca欠損Ti添加の組成とすることによって、種結晶層の厚さの選択幅を広げることが可能となり、しかも、種結晶層の形成時、一層配向性の無い結晶粒の分布を得ることができる。但し、「Y」の値が高すぎると、c軸配向の結晶粒の割合が増すことになり、注意が必要である。「Y」の値の上限は、0.4程度とすることが望ましい。
【0083】
実施例6の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Ca−Ti−Ta−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Ca原料/Ti原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表5に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約60nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表7に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を2回繰り返し、全面に合計厚さ約140nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0084】
(実施例7)
実施例7も実施例1の変形である。実施例7においては、種結晶層の組成を、化学量論的組成であるBi2Ca(NbZ,Ta1-Z29(但し、Z=0.25)とした。更には、前駆体層の組成は、Bi3Ti(NbZ,Ta1-Z)O9である。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dCaX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9(但し、X=0.21、d=0、Z=0.25)である。
【0085】
実施例7の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Ca−Nb−Ta−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Ca原料/Nb原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表5に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約40nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Nb原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表7に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を3回繰り返し、全面に合計厚さ約150nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0086】
(実施例8)
実施例8は実施例7の変形である。実施例7においては、種結晶層の組成を、化学量論的組成、即ち、Bi2Ca(NbZ,Ta1-Z29とした。一方、実施例8においては、種結晶層の組成を、Bi過剰Ca欠損の組成、即ち、Bi2+YCa1-Y(NbZ,Ta1-Z29(但し、Y=0.2、Z=0.25)とした。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dCaX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9(但し、X=0.21、d=0.042、Z=0.25)である。
【0087】
実施例8の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Ca−Nb−Ta−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Ca原料/Nb原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表5に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約40nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Nb原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表7に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を3回繰り返し、全面に合計厚さ約150nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0088】
(実施例9)
実施例9も実施例7の変形である。実施例9においては、種結晶層の組成を、Bi過剰Ca欠損Ti添加の組成、即ちBi2+YCa1-YTiY(NbZ,Ta1-Z2-Y9(但し、Y=0.2、Z=0.25)とした。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dCaX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9(但し、X=0.21、d=0.06、Z=0.25)である。尚、種結晶層の組成をBi過剰Ca欠損Ti添加の組成とすることによって、種結晶層の厚さの選択幅を広げることが可能となり、しかも、種結晶層の形成時、一層配向性の無い結晶粒の分布を得ることができる。但し、「Y」の値が高すぎると、c軸配向の結晶粒の割合が増すことになり、注意が必要である。「Y」の値の上限は、0.4程度とすることが望ましい。
【0089】
実施例9の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Ca−Ti−Nb−Ta−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Ca原料/Ti原料/Nb原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表5に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約60nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Nb原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表7に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を2回繰り返し、全面に合計厚さ約140nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0090】
(実施例10)
実施例10は、本発明の第3の態様及び第4の態様に係る不揮発性メモリ、及び、その製造方法に関する。尚、実施例10の不揮発性メモリの構成は、強誘電体層の組成が異なる点を除き、実施例1の不揮発性メモリの構成と同様とすることができるし、その製造方法も、種結晶層及び前駆体層の組成が異なる点を除き、実施例1の不揮発性メモリの製造方法と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0091】
実施例10においては、種結晶層の組成を、化学量論的組成であるBi2SrNb29とした。更には、前駆体層の組成は、Bi3TiNbO9である。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dSrX-dTi1-XNb1+X9(但し、X=0.21、d=0)である。
【0092】
実施例10の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Sr−Nb−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Sr原料/Nb原料/溶媒(トルエン)を表6に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約40nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Nb原料/溶媒(トルエン)を表8に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を3回繰り返し、全面に合計厚さ約150nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0093】
(実施例11)
実施例11は実施例10の変形である。実施例10においては、種結晶層の組成を、化学量論的組成、即ち、Bi2SrNb29とした。一方、実施例11においては、種結晶層の組成を、Bi過剰Sr欠損の組成、即ち、Bi2+YSr1-YNb29(但し、Y=0.2)とした。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dSrX-dTi1-XNb1+X9(但し、X=0.21、d=0.042)である。
【0094】
実施例11の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Sr−Nb−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Sr原料/Nb原料/溶媒(トルエン)を表6に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約40nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Nb原料/溶媒(トルエン)を表8に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を3回繰り返し、全面に合計厚さ約150nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0095】
(実施例12)
実施例12も実施例10の変形である。実施例12においては、種結晶層の組成を、Bi過剰Sr欠損Ti添加の組成、即ちBi2+YSr1-YTiYNb2-Y9(但し、Y=0.2)とした。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dSrX-dTi1-XNb1+X9(但し、X=0.21、d=0.042)である。尚、種結晶層の組成をBi過剰Sr欠損Ti添加の組成とすることによって、種結晶層の厚さの選択幅を広げることが可能となり、しかも、種結晶層の形成時、一層配向性の無い結晶粒の分布を得ることができる。但し、「Y」の値が高すぎると、c軸配向の結晶粒の割合が増すことになり、注意が必要である。「Y」の値の上限は、0.4程度とすることが望ましい。
【0096】
実施例12の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Sr−Ti−Nb−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Sr原料/Ti原料/Nb原料/溶媒(トルエン)を表6に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約40nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Nb原料/溶媒(トルエン)を表8に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を3回繰り返し、全面に合計厚さ約150nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0097】
(実施例13)
実施例13も実施例10の変形である。実施例13においては、種結晶層の組成を、化学量論的組成であるBi2SrTa29とした。更には、前駆体層の組成は、Bi3TiTaO9である。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dSrX-dTi1-XTa1+X9(但し、X=0.21、d=0)である。
【0098】
実施例13の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Sr−Ta−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Sr原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表6に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約40nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表8に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を2回繰り返し、全面に合計厚さ約150nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0099】
(実施例14)
実施例14は実施例13の変形である。実施例13においては、種結晶層の組成を、化学量論的組成、即ち、Bi2SrTa29とした。一方、実施例14においては、種結晶層の組成を、Bi過剰Sr欠損の組成、即ち、Bi2+YSr1-YTa29(但し、Y=0.2)とした。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dSrX-dTi1-XTa1+X9(但し、X=0.21、d=0.042)である。
【0100】
実施例14の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Sr−Ta−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Sr原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表6に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約40nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表8に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を3回繰り返し、全面に合計厚さ約150nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0101】
(実施例15)
実施例15も実施例13の変形である。実施例15においては、種結晶層の組成を、Bi過剰Sr欠損Ti添加の組成、即ちBi2+YSr1-YTiYTa2-Y9(但し、Y=0.2)とした。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dSrX-dTi1-XTa1+X9(但し、X=0.24、d=0)である。尚、種結晶層の組成をBi過剰Sr欠損Ti添加の組成とすることによって、種結晶層の厚さの選択幅を広げることが可能となり、しかも、種結晶層の形成時、一層配向性の無い結晶粒の分布を得ることができる。但し、「Y」の値が高すぎると、c軸配向の結晶粒の割合が増すことになり、注意が必要である。「Y」の値の上限は、0.4程度とすることが望ましい。
【0102】
実施例15の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Sr−Ti−Ta−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Sr原料/Ti原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表6に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約60nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表8に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を2回繰り返し、全面に合計厚さ約140nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0103】
(実施例16)
実施例16も実施例10の変形である。実施例16においては、種結晶層の組成を、化学量論的組成であるBi2Sr(NbZ,Ta1-Z29(但し、Z=0.25)とした。更には、前駆体層の組成は、Bi3Ti(NbZ,Ta1-Z)O9である。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dSrX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9(但し、X=0.21、d=0、Z=0.25)である。
【0104】
実施例16の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Sr−Nb−Ta−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Sr原料/Nb原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表6に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約40nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Nb原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表8に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を3回繰り返し、全面に合計厚さ約150nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0105】
(実施例17)
実施例17は実施例16の変形である。実施例16においては、種結晶層の組成を、化学量論的組成、即ち、Bi2Sr(NbZ,Ta1-Z29(但し、Z=0.25)とした。一方、実施例17においては、種結晶層の組成を、Bi過剰Sr欠損の組成、即ち、Bi2+YSr1-Y(NbZ,Ta1-Z29(但し、Y=0.2)とした。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dSrX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9(但し、X=0.21、d=0.042、Z=0.25)である。
【0106】
実施例17の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Sr−Nb−Ta−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Sr原料/Nb原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表6に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約40nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Nb原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表8に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を3回繰り返し、全面に合計厚さ約150nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0107】
(実施例18)
実施例18も実施例16の変形である。実施例18においては、種結晶層の組成を、Bi過剰Sr欠損Ti添加の組成、即ちBi2+YSr1-YTiY(NbZ,Ta1-Z2-Y9(但し、Y=0.2、Z=0.25)とした。尚、これによって得られる強誘電体層の組成は、Bi3-X+dSrX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9(但し、X=0.24、d=0、Z=0.25)である。尚、種結晶層の組成をBi過剰Sr欠損Ti添加の組成とすることによって、種結晶層の厚さの選択幅を広げることが可能となり、しかも、種結晶層の形成時、一層配向性の無い結晶粒の分布を得ることができる。但し、「Y」の値が高すぎると、c軸配向の結晶粒の割合が増すことになり、注意が必要である。「Y」の値の上限は、0.4程度とすることが望ましい。
【0108】
実施例18の不揮発性メモリにあっては、実施例1の[工程−140]における種結晶層の形成において、Bi−Sr−Ti−Nb−Ta−Oを組成として有する種結晶層を、下地層に相当する第1の電極21上に形成する。具体的には、Bi原料/Sr原料/Ti原料/Nb原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表6に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表2に例示したスピン・オン法にて、全面に種結晶層(厚さ:約60nm)を形成する点、[工程−150]において、Bi原料/Ti原料/Nb原料/Ta原料/溶媒(トルエン)を表8に示す割合で混合した溶液を調製しておき、表4に例示したスピン・オン法を2回繰り返し、全面に合計厚さ約140nmの前駆体層を形成する点を除き、実施例1の方法と同様の製造方法にて製造することができるので、詳細な説明は省略する。
【0109】
[表5]
Figure 0004604414
【0110】
[表6]
Figure 0004604414
【0111】
[表7]
Figure 0004604414
【0112】
[表8]
Figure 0004604414
【0113】
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例にて説明した不揮発性メモリの構造は例示であり、適宜、変更することができる。
【0114】
強誘電体層を構成する結晶粒の組成における酸素原子の数は、厳密に「9」でなくともよく、9±0.2程度のばらつきがあっても問題ない。
【0115】
例えば、メモリユニットMU1を構成するメモリセルMC1Mを2以上の複数のグループに分け、各グループを層間絶縁層を介して積層してもよい。これによって、半導体記憶装置の一層の高集積化を図ることができる。このような構造の例(2層構造の例)を図3に示す。不揮発性メモリM1を構成するメモリユニットMU1の内のメモリセルMC11、MC12、MC13、MC14は絶縁層16の上に形成され、これらのメモリセルの上に層間絶縁層26が形成され、層間絶縁層26の上にメモリセルMC15、MC16、MC17、MC18が形成されている。メモリセルMC15、MC16、MC17、MC18は絶縁膜36Aによって覆われている。メモリセルMC11、MC12、MC13、MC14は、第1の電極21と強誘電体層22と第2の電極23とから構成されている。第1の電極21と絶縁層16との間には密着層20が形成されている。選択用トランジスタTR1の他方のソース/ドレイン領域14は、絶縁層16に形成された開口部17中に設けられた接続孔(コンタクトプラグ)18を介して共通ノードである第1の電極21に接続されている。一方、メモリセルMC15、MC16、MC17、MC18は、第1の電極31と強誘電体層32と第2の電極33とから構成されている。第1の電極31と層間絶縁層26との間には密着層30が形成されている。また、選択用トランジスタTR1の他方のソース/ドレイン領域14は、接続孔18、層間絶縁層26に形成された開口部27中に設けられた接続孔(コンタクトプラグ)28を介して共通ノードである第1の電極31に接続されている。
【0116】
あるいは又、不揮発性メモリM1を構成するメモリユニットMU1と不揮発性メモリM2を構成するメモリユニットMU2とを、層間絶縁層を介して積層してもよい。2つの不揮発性メモリが積層された構造の模式的な一部断面図を図4に示す。尚、参照番号25は接続用パッドである。図4においては、密着層の図示を省略した。
【0117】
また、選択用トランジスタTR1をワード線WL1によって制御し、選択用トランジスタTR2をワード線WL2によって制御する構造としてもよく、このような構造の回路図を図5に示す。このような構成を採用し、対となったビット線BL1,BL2の一方に参照電圧を印加することによって、メモリセルMC1m,MC2mのそれぞれからデータを読み出すことができる。即ち、各メモリセルMC1m,MC2m(m=1,2,3,4)のそれぞれに1ビットがデータとして記憶される。
【0118】
更には、図6に示す構造のように変形することもできる。図6に示す構造の2つの不揮発性メモリにおいては、第2の電極23が共通化されている。即ち、不揮発性メモリM1を構成するメモリユニットMU1の各メモリセルMC1mは、第1の電極21Aと強誘電体層22Aと第2の電極23とから成り、不揮発性メモリM2を構成するメモリユニットMU2の各メモリセルMC2mは、第1の電極21Bと強誘電体層22Bと第2の電極23とから成る。そして、不揮発性メモリMnにおいて、メモリセルの第1の電極21A,21Bは共通である。この共通の第1の電極21A,21Bを、便宜上、共通ノードCN1,CN2と呼ぶ。
【0119】
ここで、不揮発性メモリM1における共通の第1の電極21A(第1の共通ノードCN1)は、選択用トランジスタTR1を介してビット線BL1に接続されている。また、不揮発性メモリM2における共通の第1の電極21B(第2の共通ノードCN2)は、選択用トランジスタ(図示せず)を介してビット線BL2(図示せず)に接続されている。更には、不揮発性メモリM1を構成するメモリセルMC1mと、不揮発性メモリM2を構成するメモリセルMC2mは、第2の電極23を共有しており、この共有された第m番目の第2の電極23はプレート線PLmに接続されている。
【0120】
また、不揮発性メモリを、所謂ゲインセル型とすることもできる。このような不揮発性メモリの回路図を図7に示し、不揮発性メモリを構成する各種のトランジスタの模式的なレイアウトを図8に示し、不揮発性メモリの模式的な一部断面図を図9及び図10に示す。尚、図8において、各種のトランジスタの領域を点線で囲み、活性領域及び配線を実線で示し、ゲート電極あるいはワード線を一点鎖線で示した。また、図9に示す不揮発性メモリの模式的な一部断面図は、図8の線A−Aに沿った模式的な一部断面図であり、図10に示す不揮発性メモリの模式的な一部断面図は、図8の線B−Bに沿った模式的な一部断面図である。
【0121】
この不揮発性メモリは、ビット線BLと、書込用トランジスタ(本発明の第2の態様あるいは第4の態様に係る不揮発性メモリにおける選択用トランジスタである)TRWと、M個(但し、M≧2であり、例えば、M=8)のメモリセルMCMから構成されたメモリユニットMUと、M本のプレート線PLMから成るメモリユニットMUから構成されている。そして、各メモリセルMCMは、第1の電極21と強誘電体層22と第2の電極23とから成り、メモリユニットMUを構成するメモリセルMCMの第1の電極21は、メモリユニットMUにおいて共通であり、この共通の第1の電極(共通ノードCN)は、書込用トランジスタTRWを介してビット線BLに接続され、各メモリセルMCmを構成する第2の電極23はプレート線PLmに接続されている。メモリセルMCMは絶縁膜26Aによって被覆されている。尚、不揮発性メモリのメモリユニットMUを構成するメモリセルの数(M)は8個に限定されず、一般には、M≧2を満足すればよく、2のべき数(M=2,4,8,16・・・)とすることが好ましい。
【0122】
更には、共通の第1の電極の電位変化を検出し、該検出結果をビット線に電流又は電圧として伝達する信号検出回路を備えている。言い換えれば、検出用トランジスタTRS、及び、読出用トランジスタTRRを備えている。信号検出回路は、検出用トランジスタTRS及び読出用トランジスタTRRから構成されている。そして、検出用トランジスタTRSの一端は所定の電位Vccを有する配線(例えば、不純物層から構成された電源線)に接続され、他端は読出用トランジスタTRRを介してビット線BLに接続され、各メモリセルMCmに記憶されたデータの読み出し時、読出用トランジスタTRRが導通状態とされ、各メモリセルMCmに記憶されたデータに基づき共通の第1の電極(共通ノードCN)に生じた電位により、検出用トランジスタTRSの動作が制御される。
【0123】
具体的には、各種のトランジスタはMOS型FETから構成されており、書込用トランジスタ(選択用トランジスタ)TRWの一方のソース/ドレイン領域は絶縁層16に形成されたコンタクトホール15を介してビット線BLに接続され、他方のソース/ドレイン領域は、絶縁層16に形成された開口部17中に設けられた接続孔18を介して共通の第1の電極(共通ノードCN)に接続されている。また、検出用トランジスタTRSの一方のソース/ドレイン領域は、所定の電位Vccを有する配線に接続され、他方のソース/ドレイン領域は、読出用トランジスタTRRの一方のソース/ドレイン領域に接続されている。より具体的には、検出用トランジスタTRSの他方のソース/ドレイン領域と読出用トランジスタTRRの一方のソース/ドレイン領域とは、1つのソース/ドレイン領域を占めている。更には、読出用トランジスタTRRの他方のソース/ドレイン領域はコンタクトホール15を介してビット線BLに接続され、更に、共通の第1の電極(共通ノードCN、あるいは、書込用トランジスタTRWの他方のソース/ドレイン領域)は、開口部17A中に設けられた接続孔18A、ワード線WLSを介して検出用トランジスタTRSのゲート電極に接続されている。また、書込用トランジスタTRWのゲート電極に接続されたワード線WLW及び読出用トランジスタTRRのゲート電極に接続されたワード線WLRは、ワード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。一方、各プレート線PLmは、プレート線デコーダ/ドライバPDに接続されている。更には、ビット線BLはセンスアンプSAに接続されている。
【0124】
この不揮発性メモリからのデータを読み出し時、選択プレート線PL1にVccを印加する。このとき、選択メモリセルMC1にデータ「1」が記憶されていれば、強誘電体層に分極反転が生じ、蓄積電荷量が増加し、共通ノードCNの電位が上昇する。一方、選択メモリセルMC1にデータ「0」が記憶されていれば、強誘電体層に分極反転が生ぜず、共通ノードCNの電位は殆ど上昇しない。即ち、共通ノードCNは、非選択メモリセルの強誘電体層を介して複数の非選択プレート線PLkにカップリングされているので、共通ノードCNの電位は0ボルトに比較的近いレベルに保たれる。このようにして、選択メモリセルMC1に記憶されたデータに依存して共通ノードCNの電位に変化が生じる。従って、選択メモリセルの強誘電体層には、分極反転に十分な電界を与えることができる。そしてビット線BLを浮遊状態とし、読出用トランジスタTRRをオン状態とする。一方、選択メモリセルMC1に記憶されたデータに基づき共通の第1の電極(共通ノードCN)に生じた電位により、検出用トランジスタTRSの動作が制御される。具体的には、選択メモリセルMC1に記憶されたデータに基づき共通の第1の電極(共通ノードCN)に高い電位が生じれば、検出用トランジスタTRSは導通状態となり、検出用トランジスタTRSの一方のソース/ドレイン領域は所定の電位Vccを有する配線に接続されているので、かかる配線から、検出用トランジスタTRS及び読出用トランジスタTRRを介してビット線BLに電流が流れ、ビット線BLの電位が上昇する。即ち、信号検出回路によって共通の第1の電極(共通ノードCN)の電位変化が検出され、この検出結果がビット線BLに電圧(電位)として伝達される。ここで、検出用トランジスタTRSの閾値をVth、検出用トランジスタTRSのゲート電極の電位(即ち、共通ノードCNの電位)をVgとすれば、ビット線BLの電位は概ね(Vg−Vth)となる。尚、検出用トランジスタTRSをディプレッション型のNMOSFETとすれば、閾値Vthは負の値をとる。これにより、ビット線BLの負荷の大小に拘わらず、安定したセンス信号量を確保できる。尚、検出用トランジスタTRSをPMOSFETから構成することもできる。
【0125】
尚、検出用トランジスタの一端が接続された配線の所定の電位はVccに限定されず、例えば、接地されていてもよい。即ち、検出用トランジスタの一端が接続された配線の所定の電位を0ボルトとしてもよい。但し、この場合には、選択メモリセルにおけるデータの読み出し時に電位(Vcc)がビット線に現れた場合、再書き込み時には、ビット線の電位を0ボルトとし、選択メモリセルにおけるデータの読み出し時に0ボルトがビット線に現れた場合、再書き込み時には、ビット線の電位をVccとする必要がある。そのためには、図11に例示するような、トランジスタTRIV-1,TRIV-2,TRIV-3,TRIV-4から構成された一種のスイッチ回路(反転回路)をビット線間に配設し、データの読み出し時には、トランジスタTRIV-2,TRIV-4をオン状態とし,データの再書き込み時には、トランジスタTRIV-1,TRIV-3をオン状態とすればよい。
【0126】
更には、図15に回路図を示した米国特許第4873664号に開示された不揮発性メモリの模式的な一部断面図を図12に示すが、かかる不揮発性メモリにも本発明を適用することができる。このような構造の不揮発性メモリは、本発明の第1の態様若しくは第3の態様に係る不揮発性メモリに該当し、実質的に、実施例1にて説明した方法で製造することができる。図12中、参照番号24はプレート線である。尚、不揮発性メモリの構造は、スタック型に限定されるものではなく、プレーナ型とすることもできる。
【0127】
また、実施例においては、種結晶層及び前駆体層をゾル−ゲル法にて形成したが、種結晶層及び前駆体層の形成はゾル−ゲル法に限定されない。例えば、種結晶層の形成をMOCVD法にて行うこともできる。Bi2SrTa29から成る種結晶層の形成条件を以下の表9に例示する。尚、表9中、「thd」は、テトラメチルヘプタンジオネートの略である。また、表9に示したソース原料はテトラヒドロフラン(THF)を主成分とする溶媒中に溶解されている。
【0128】
[表9]
MOCVD法による形成
Figure 0004604414
【0129】
あるいは又、Bi2SrTa29から成る種結晶層をパルスレーザアブレーション法、あるいはRFスパッタ法にて全面に形成することもできる。これらの場合の形成条件を以下に例示する。
【0130】
[表10]
パルスレーザアブレーション法による形成
ターゲット:Bi2SrTa29
使用レーザ:KrFエキシマレーザ(波長248nm、パルス幅25n秒、5Hz)
形成温度 :400〜750゜C
酸素濃度 :3Pa
【0131】
[表11]
RFスパッタ法による形成
ターゲット:Bi2SrTa29セラミックターゲット
RFパワー:1.2W〜2.0W/ターゲット1cm2
雰囲気圧力:0.2〜1.3Pa
形成温度 :室温〜600゜C
プロセスガス:Ar/O2の流量比=2/1〜9/1
【0132】
本発明の不揮発性メモリのキャパシタ構造を、強誘電体層を用いた不揮発性メモリ(所謂FERAM)のみならず、DRAMに適用することもできる。この場合には、強誘電体層の常誘電的な電界応答(強誘電双極子の反転を伴わない応答)のみを利用する。
【0133】
【発明の効果】
本発明においては、相転移温度Tcが充分に高い強誘電体材料から強誘電体層が構成されているが故に、抗電界Ecや反転分極電荷量の温度依存性を通常のメモリ素子設計裕度の範囲内の収めることが可能となり、安定した、信頼性の高い不揮発性メモリを得ることができるし、不揮発性メモリの回路設計に余裕を持たせることができる。
【0134】
また、例えば下地層に相当する第1の電極と前駆体層との間に形成される種結晶層のBi含有率を低下させているが故に、強誘電体結晶の微細な粒(結晶核)を、ランダムに配向した状態で、あるいは、c軸からずれた配向[(115)配向や(103)配向等]に分散した状態で、種結晶層中に析出させることができる。その結果、強誘電体層を構成する結晶はc軸からずれた配向状態となり、強誘電特性を確実に具現化することができる。このことは、強誘電体材料の本来有する優れた特性と相まって、安定した、信頼性の高い動作をする不揮発性メモリを、歩留良く生産することに寄与する。
【0135】
本発明における強誘電体層を構成する強誘電体材料における分極反転疲労特性は、チタン(Ti)を含まないBi系層状強誘電体材料と比較して、若干劣ると考えられ、データ書き換え耐性も1011回程度と予想されるが、実用上、問題とはならない値である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図2】実施例1の強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図3】実施例1の強誘電体型不揮発性半導体メモリの変形例の模式的な一部断面図である。
【図4】実施例1の強誘電体型不揮発性半導体メモリの別の変形例の模式的な一部断面図である。
【図5】実施例1の強誘電体型不揮発性半導体メモリの更に別の変形例の回路図である。
【図6】実施例1の強誘電体型不揮発性半導体メモリの更に別の変形例の模式的な一部断面図である。
【図7】ゲインセル型の強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【図8】図7に示したの強誘電体型不揮発性半導体メモリにおけるレイアウト図である。
【図9】図7に示した強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図10】図7に示した強誘電体型不揮発性半導体メモリの、図9とは異なる断面で見たときの模式的な一部断面図である。
【図11】検出用トランジスタの一端が接続された配線の所定の電位を0ボルトとした場合の、ビット線間に配設された一種のスイッチ回路を示す回路図である。
【図12】図15に示した強誘電体型不揮発性半導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図13】各種の強誘電体材料相転移温度Tcの値を示すグラフである。
【図14】強誘電体のP−Eヒステリシスループ図である。
【図15】米国特許第4873664号に開示された強誘電体型不揮発性半導体メモリの回路図である。
【符号の説明】
M・・・不揮発性メモリ、MU・・・メモリユニット、TR・・・選択用トランジスタ、MU・・・メモリユニット、MC・・・メモリセル、BL・・・ビット線、WL・・・ワード線、PL・・・プレート線、WD・・・ワード線デコーダ/ドライバ、PD・・・プレート線デコーダ/ドライバ、SA・・・センスアンプ、TRS・・・検出用トランジスタ、TRR・・・読出用トランジスタ、TRW・・・書込用トランジスタ(選択用トランジスタ)、10・・・半導体基板、11・・・素子分離領域、12・・・ゲート絶縁膜、13・・・ゲート電極、14・・・ソース/ドレイン領域、15・・・コンタクトプラグ、16・・・絶縁層、17,17A,27・・・開口部、18,18A,28・・・接続孔(コンタクトプラグ)、20,30・・・密着層、21,21A,21B,31・・・第1の電極、22,22A,22B,32・・・強誘電体層、23,33・・・第2の電極、24・・・プレート線、25・・・接続用パッド、26・・・層間絶縁層、26A,36A・・・絶縁膜

Claims (16)

  1. (A)ビット線と、
    (B)選択用トランジスタと、
    (C)メモリセルと、
    (D)プレート線、
    から成り、
    メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
    第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
    第2の電極は、プレート線に接続されており、
    メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dCaX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9結晶粒(但し、0<X<0.45,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成されていることを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  2. (A)ビット線と、
    (B)選択用トランジスタと、
    (C)M個(但し、M≧2)のメモリセルから構成されたメモリユニットと、
    (D)M本のプレート線、
    から成り、
    各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
    メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、該共通の第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
    メモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、第m番目のプレート線に接続されており、
    各メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dCaX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9結晶粒(但し、0<X<0.45,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成されていることを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  3. Z=1であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  4. Z=0であり、0<X<0.25を満足することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  5. (A)ビット線と、
    (B)選択用トランジスタと、
    (C)メモリセルと、
    (D)プレート線
    から成り、
    メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
    第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
    第2の電極は、プレート線に接続されており、
    メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dSrX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9結晶粒(但し、0<X<0.3,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成されていることを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  6. (A)ビット線と、
    (B)選択用トランジスタと、
    (C)M個(但し、M≧2)のメモリセルから構成されたメモリユニットと、
    (D)M本のプレート線、
    から成り、
    各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
    メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、該共通の第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
    メモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、第m番目のプレート線に接続されており、
    各メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dSrX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9結晶粒(但し、0<X<0.3,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成されていることを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  7. Z=1であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  8. Z=0であり、0<X<0.15を満足することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリ。
  9. (A)ビット線と、
    (B)選択用トランジスタと、
    (C)メモリセルと、
    (D)プレート線、
    から成り、
    メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
    第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
    第2の電極は、プレート線に接続されており、
    メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dCaX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9結晶粒(但し、0<X<0.45,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法であって、
    (a)少なくともBi−Ca−(Nb,Ta)−Oを組成として有する種結晶層を形成する工程と、
    (b)該種結晶層上に、Bi−Ti−(Nb,Ta)−Oを組成として有する前駆体層を形成する工程と、
    (c)該種結晶層及び該前駆体層に熱処理を施し、該種結晶層と該前駆体層とが分離した状態で形成され、全体として前記Bi 3-X+d Ca X-d Ti 1-X (Nb Z ,Ta 1-Z 1+X 9 結晶粒から構成された強誘電体層を得る工程、
    を具備することを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  10. (A)ビット線と、
    (B)選択用トランジスタと、
    (C)M個(但し、M≧2)のメモリセルから構成されたメモリユニットと、
    (D)M本のプレート線、
    から成り、
    各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
    メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、該共通の第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
    メモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、第m番目のプレート線に接続されており、
    各メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dCaX-dTi1-X(NbZ,Ta1-Z1+X9結晶粒(但し、0<X<0.45,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法であって、
    (a)少なくともBi−Ca−(Nb,Ta)−Oを組成として有する種結晶層を形成する工程と、
    (b)該種結晶層上に、Bi−Ti−(Nb,Ta)−Oを組成として有する前駆体層を形成する工程と、
    (c)該種結晶層及び該前駆体層に熱処理を施し、該種結晶層と該前駆体層とが分離した状態で形成され、全体として前記Bi 3-X+d Ca X-d Ti 1-X (Nb Z ,Ta 1-Z 1+X 9 結晶粒から構成された強誘電体層を得る工程、
    を具備することを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  11. Z=1であり、
    前記工程(a)においては、少なくともBi−Ca−Nb−Oを組成として有する種結晶層を形成し、
    前記工程(b)においては、Bi−Ti−Nb−Oを組成として有する前駆体層を形成することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  12. Z=0であり、0<X<0.25を満足し、
    前記工程(a)においては、少なくともBi−Ca−Ta−Oを組成として有する種結晶層を形成し、
    前記工程(b)においては、Bi−Ti−Ta−Oを組成として有する前駆体層を形成することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  13. (A)ビット線と、
    (B)選択用トランジスタと、
    (C)メモリセルと、
    (D)プレート線、
    から成り、
    メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
    第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
    第2の電極は、プレート線に接続されており、
    メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dSrX-dTi1-X(Nb,Ta)1+X9結晶粒(但し、0<X<0.3,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法であって、
    (a)少なくともBi−Sr−(Nb,Ta)−Oを組成として有する種結晶層を形成する工程と、
    (b)該種結晶層上に、Bi−Ti−(Nb,Ta)−Oを組成として有する前駆体層を形成する工程と、
    (c)該種結晶層及び該前駆体層に熱処理を施し、該種結晶層と該前駆体層とが分離した状態で形成され、全体として前記Bi 3-X+d Ca X-d Ti 1-X (Nb Z ,Ta 1-Z 1+X 9 結晶粒から構成された強誘電体層を得る工程、
    を具備することを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  14. (A)ビット線と、
    (B)選択用トランジスタと、
    (C)M個(但し、M≧2)のメモリセルから構成されたメモリユニットと、
    (D)M本のプレート線、
    から成り、
    各メモリセルは、第1の電極と強誘電体層と第2の電極とから成り、
    メモリユニットにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、該共通の第1の電極は、選択用トランジスタを介してビット線に接続され、
    メモリユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・M)のメモリセルの第2の電極は、第m番目のプレート線に接続されており、
    各メモリセルを構成する強誘電体層は、Bi3-X+dSrX-dTi1-X(Nb,Ta)1+X9結晶粒(但し、0<X<0.3,0≦d<0.1,X−d>0,0≦Z≦1)から構成された強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法であって、
    (a)少なくともBi−Sr−(Nb,Ta)−Oを組成として有する種結晶層を形成する工程と、
    (b)該種結晶層上に、Bi−Ti−(Nb,Ta)−Oを組成として有する前駆体層を形成する工程と、
    (c)該種結晶層及び該前駆体層に熱処理を施し、該種結晶層と該前駆体層とが分離した状態で形成され、全体として前記Bi 3-X+d Ca X-d Ti 1-X (Nb Z ,Ta 1-Z 1+X 9 結晶粒から構成された強誘電体層を得る工程、
    を具備することを特徴とする強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  15. Z=1であり、
    前記工程(a)においては、少なくともBi−Sr−Nb−Oを組成として有する種結晶層を形成し、
    前記工程(b)においては、Bi−Ti−Nb−Oを組成として有する前駆体層を形成することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  16. Z=0であり、0<X<0.15を満足し、
    前記工程(a)においては、少なくともBi−Sr−Ta−Oを組成として有する種結晶層を形成し、
    前記工程(b)においては、Bi−Ti−Ta−Oを組成として有する前駆体層を形成することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
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