JP2003158247A - 強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法 - Google Patents

強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法

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JP2003158247A
JP2003158247A JP2001356008A JP2001356008A JP2003158247A JP 2003158247 A JP2003158247 A JP 2003158247A JP 2001356008 A JP2001356008 A JP 2001356008A JP 2001356008 A JP2001356008 A JP 2001356008A JP 2003158247 A JP2003158247 A JP 2003158247A
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正博 瀬戸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造プロセスにおいてメモリセルに熱が加えら
れた場合にあっても、メモリセルの特性劣化や強誘電体
層の電極からの剥離を効果的に防止し得る強誘電体型不
揮発性半導体メモリの製造方法を提供する。 【解決手段】強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方
法は、メモリセル(21,22,23)を作製する工程
と、全面に絶縁層30,31を形成する工程と、絶縁層
30,31に熱処理を施す工程と、第2の電極23の上
方の絶縁層30,31に開口部32を形成する工程と、
配線PLを形成する工程を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体型不揮発
性半導体メモリ(所謂FERAM)の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、大容量の強誘電体型不揮発性半導
体メモリに関する研究が盛んに行われている。強誘電体
型不揮発性半導体メモリ(以下、不揮発性メモリと略称
する場合がある)は、高速アクセスが可能で、しかも、
不揮発性であり、また、小型で低消費電力であり、更に
は、衝撃にも強く、例えば、ファイルのストレージやレ
ジューム機能を有する各種電子機器、例えば、携帯用コ
ンピュータや携帯電話、ゲーム機の主記憶装置としての
利用、あるいは、音声や映像を記録するための記録メデ
ィアとしての利用が期待されている。
【0003】この不揮発性メモリは、強誘電体薄膜の高
速分極反転とその残留分極を利用し、強誘電体層を有す
るメモリセル(キャパシタ部)の蓄積電荷量の変化を検
出する方式の、高速書き換えが可能な不揮発性メモリで
あり、基本的には、メモリセル(キャパシタ部)と選択
用トランジスタとから構成されている。メモリセルは、
例えば、第1の電極(下部電極)、第2の電極(上部電
極)、及び、これらの電極間に挟まれた強誘電体層から
構成されている。この不揮発性メモリにおけるデータの
書込みや読出しは、図29に示す強誘電体のP−Eヒス
テリシスループを応用して行われる。即ち、強誘電体層
に外部電界を加えた後、外部電界を除いたとき、強誘電
体層は残留分極を示す。そして、強誘電体層の残留分極
は、プラス方向の外部電界が印加されたとき+Pr、マ
イナス方向の外部電界が印加されたとき−Prとなる。
ここで、残留分極が+Prの状態(図29の「D」参
照)の場合を「0」とし、残留分極が−Prの状態(図
29の「A」参照)の場合を「1」とする。
【0004】「1」あるいは「0」の状態を判別するた
めに、強誘電体層に例えばプラス方向の外部電界を印加
する。これによって、強誘電体層の分極は図29の
「C」の状態となる。このとき、データが「0」であれ
ば、強誘電体層の分極状態は、「D」から「C」の状態
に変化する。一方、データが「1」であれば、強誘電体
層の分極状態は、「A」から「B」を経由して「C」の
状態に変化する。データが「0」の場合には、強誘電体
層の分極反転は生じない。一方、データが「1」の場合
には、強誘電体層に分極反転が生じる。その結果、メモ
リセル(キャパシタ部)の蓄積電荷量に差が生じる。選
択された不揮発性メモリの選択用トランジスタをオンに
することで、この蓄積電荷を信号電流として検出する。
データの読出し後、外部電界を0にすると、データが
「0」のときでも「1」のときでも、強誘電体層の分極
状態は図29の「D」の状態となってしまう。即ち、読
出し時、データ「1」は、一旦、破壊されてしまう。そ
れ故、データが「1」の場合、マイナス方向の外部電界
を印加して、「D」、「E」という経路で「A」の状態
とし、データ「1」を再度書き込む。
【0005】以下、従来の所謂スタック型不揮発性メモ
リの製造方法の概要を、図30及び図31を参照して説
明する。
【0006】[工程−10]先ず、不揮発性メモリセル
における選択用トランジスタとして機能するMOS型ト
ランジスタをシリコン半導体基板10に形成する。尚、
参照番号11は素子分離領域、参照番号12はゲート絶
縁膜、参照番号13はゲート電極、参照番号14はゲー
トサイドウオール、参照番号15はソース/ドレイン領
域である。次いで、SiO2から成る第1の層間絶縁層
をCVD法にて形成した後、一方のソース/ドレイン領
域15の上方の第1の層間絶縁層に開口部をリソグラフ
ィ技術及びRIE法に基づき形成する。そして、かかる
開口部内を含む第1の層間絶縁層上に不純物がドーピン
グされたポリシリコン層をCVD法にて形成する。次
に、第1の層間絶縁層上のポリシリコン層をパターニン
グすることによって、ビット線BLを形成する。ビット
線BLとソース/ドレイン領域15とは接続孔(コンタ
クトホール)16を介して接続される。その後、BPS
Gから成る第2の層間絶縁層をCVD法にて全面に形成
する。尚、BPSGから成る第2の層間絶縁層の形成
後、窒素ガス雰囲気中で例えば900゜C×20分間、
第2の層間絶縁層をリフローさせることが好ましい。更
には、必要に応じて、例えば化学的機械的研磨法(CM
P法)にて第2の層間絶縁層の頂面を化学的及び機械的
に研磨し、第2の層間絶縁層を平坦化することが望まし
い。尚、第1の層間絶縁層と第2の層間絶縁層を纏め
て、以下、単に層間絶縁層17と呼ぶ。
【0007】次に、他方のソース/ドレイン領域15の
上方の層間絶縁層17に開口部をリソグラフィ技術及び
RIE法に基づき形成した後、かかる開口部内を、不純
物をドーピングしたポリシリコンで埋め込み、接続孔
(コンタクトプラグ)18を完成させる。ここで、ビッ
ト線BLは、第1の層間絶縁層上を、図の左右方向に接
続孔18と接触しないように延びているが、かかるビッ
ト線の部分の図示は省略した。
【0008】[工程−20]次に、層間絶縁層17上
に、TiNから成る厚さ約40nmの密着層20を形成
した後、密着層20上にイリジウム(Ir)から成る厚
さ約100nmの第1電極材料層をスパッタリング法に
て形成する。
【0009】[工程−30]その後、例えば、MOCV
D法によって、Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘
電体材料から成る強誘電体薄膜を全面に形成する。次い
で、強誘電体薄膜上に、イリジウム(Ir)から成る厚
さ約100nmの第2電極材料層を形成する。そして、
フォトリソグラフィ技術及びRIE法に基づき、第2電
極材料層、強誘電体薄膜、第1電極材料層及び密着層2
0をパターニングし、第1電極材料層から成る第1の電
極(下部電極)21、第1の電極21上に形成された強
誘電体薄膜から成る強誘電体層22、及び、強誘電体層
22上に形成された第2電極材料層から成る第2の電極
(上部電極)23から構成されたメモリセルを得ること
ができる。
【0010】[工程−40]次に、スパッタリング法に
て厚さ約50nmの酸化アルミニウム(Al23)から
成る水素ガス不透過層30で全面を覆い、更に、水素ガ
ス不透過層30上にNSGから成る厚さ約250nmの
絶縁材料層31を形成する(図30の(A)参照)。
尚、酸化アルミニウムから成る水素ガス不透過層30
は、後の工程で発生し得る水素ガスを強誘電体層22ま
で到達させないために形成する。強誘電体層22は、一
般に、金属酸化物から形成されているため、水素ガスが
存在すると還元され、強誘電体層22に特性劣化が生じ
たり、電極からの剥離が生じる。
【0011】[工程−50]その後、第2の電極23上
の絶縁材料層31及び水素ガス不透過層30に、リソグ
ラフィ技術及びRIE法に基づき開口部32を形成する
(図30の(B)参照)。
【0012】[工程−60]そして、例えば、400゜
C、窒素ガス100体積%の雰囲気中で、1時間の熱処
理を行い、絶縁材料層31からの水分等の放出を行う
(図31の(A)参照)。
【0013】[工程−70]次いで、スパッタリング法
にて、アルミニウムから成る配線材料層を、開口部32
内を含む絶縁材料層31上に形成した後、配線材料層を
パターニングすることで、配線(プレート線)PLを形
成し、不揮発性メモリを完成させる(図31の(B)参
照)。
【0014】[工程−80]その後、各層全体の密着性
向上、応力緩和のために、400゜C、窒素ガス100
体積%の雰囲気中での窒素ガスシンター処理を行う。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の不揮
発性メモリの製造にあっては、[工程−70]におい
て、アルミニウムから成る配線材料層を開口部32内を
含む絶縁材料層31上にスパッタリング法にて形成する
際、半導体基板を加熱する。ところで、[工程−60]
における熱処理が十分でない場合、配線材料層の形成時
における半導体基板の加熱によって、絶縁材料層31か
ら水分や水素ガスが発生する。更には、アルミニウムと
水分との反応によっても水素ガスが発生する。
【0016】また、[工程−80]において窒素ガスシ
ンター処理を行ったとき、[工程−60]における熱処
理が十分でない場合、やはり、絶縁材料層31から水分
や水素ガスが発生する。更には、アルミニウムと水分と
の反応によっても水素ガスが発生する。
【0017】酸化アルミニウムから成る水素ガス不透過
層30が形成されているので、絶縁材料層31と第2の
電極23との間における絶縁材料層31からの水素ガス
の第2の電極23への侵入は防止できるものの、開口部
32を経由した水素ガスの第2の電極23、更には、強
誘電体層22への侵入を防止することができない。その
結果、メモリセルの特性劣化や強誘電体層22の電極か
らの剥離が生じてしまう。
【0018】従って、本発明の目的は、強誘電体型不揮
発性半導体メモリの製造プロセスにおいてメモリセルに
熱が加えられた場合にあっても、メモリセルの特性劣化
や強誘電体層の電極からの剥離を効果的に防止し得る強
誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法を提供するこ
とにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方
法は、(A)基体上に、第1の電極と強誘電体層と第2
の電極とから成るメモリセルを作製する工程と、(B)
全面に絶縁層を形成する工程と、(C)絶縁層に熱処理
を施す工程と、(D)第2の電極の上方の絶縁層に開口
部を形成する工程と、(E)開口部内を含む絶縁層上に
配線材料層を形成した後、絶縁層上の配線材料層をパタ
ーニングして配線を形成する工程、を具備することを特
徴とする。
【0020】本発明の強誘電体型不揮発性半導体メモリ
の製造方法(以下、本発明の製造方法と略称する)にお
いて、絶縁層を、下から、水素ガス不透過層及び絶縁材
料層の積層構造から構成することが好ましい。ここで、
水素ガス不透過層とは、窒素ガス95体積%、水素ガス
5体積%、400゜C、大気圧の雰囲気で、水素ガス透
過率が10%以下のものを指す。そして、水素ガス不透
過層を酸化アルミニウム(Al23)から構成し、絶縁
材料層を二酸化ケイ素系材料(例えば、NSG、SO
G、BPSG、PSG、BSG、あるいは、プラズマT
EOSやオゾンTEOSを含むLTO)から構成するこ
とが好ましい。更には、水素ガスの透過を確実に防止す
るために、酸化アルミニウムの厚さを、3×10-8m乃
至1×10 -7mとすることが望ましい。絶縁層を、下か
ら、水素ガス不透過層、絶縁材料層の積層構造から構成
する場合、水素ガス不透過層を形成した後、水素ガス不
透過層に熱処理を施し、絶縁材料層を形成した後、工程
(C)における熱処理を行ってもよい。尚、水素ガス不
透過層に施す熱処理を、工程(C)における熱処理と峻
別するために、便宜上、水素ガス不透過層熱処理と呼
ぶ。絶縁層の形成は、スパッタリング法やCVD法に基
づき行うことができる。
【0021】本発明の製造方法においては、前記工程
(C)おける熱処理、若しくは、水素ガス不透過層熱処
理を、酸素ガス雰囲気中、あるいは、窒素(N2)ガス
やアルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガスといっ
た不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。酸素ガス
雰囲気には不活性ガスが含まれていてもよいが、この場
合、不活性ガスは0体積%を越え、10体積%以下であ
ることが望ましい。酸素ガス雰囲気にて処理を行うこと
で、絶縁層や水素ガス不透過層から水素や水分を放出さ
せるのみならず、絶縁層や水素ガス不透過層がメタルリ
ッチとなることを防止することができる。また、不活性
ガス雰囲気にて処理を行うことで、絶縁層や水素ガス不
透過層から水素や水分を放出させるのみならず、雰囲気
中のガスが他の材料と反応すること、あるいは又、反応
生成物が生じることを防止できる。尚、不活性ガス雰囲
気には酸素ガスが含まれていてもよいが、この場合、酸
素ガスは0体積%を越え、10体積%以下であることが
望ましい。前記工程(C)おける熱処理、若しくは、水
素ガス不透過層熱処理における雰囲気の圧力を大気圧あ
るいは概ね大気圧とすることが望ましい。そして、前記
工程(C)おける熱処理、若しくは、水素ガス不透過層
熱処理における温度を、100゜C乃至700゜C、好
ましくは、400゜C乃至600゜Cとすることが望ま
しい。あるいは又、前記工程(C)おける熱処理、若し
くは、水素ガス不透過層熱処理における温度を、それ以
降の工程におけるプロセス温度以上とすることが望まし
い。具体的には、前記工程(C)おける熱処理、若しく
は、水素ガス不透過層熱処理における温度を、例えば、
配線を形成する際の加熱温度や、窒素ガスシンター処理
温度以上とすることが望ましい。
【0022】本発明の製造方法において、場合によって
は、工程(B)及び工程(C)を所望の回数繰り返し、
絶縁層を多層構造としてもよい。具体的には、絶縁層
を、下から、水素ガス不透過層及び絶縁材料層の積層構
造から構成する場合、水素ガス不透過層の形成、絶縁材
料層の形成、絶縁層の熱処理といった工程を所望の回数
繰り返してもよいし、水素ガス不透過層の形成、水素ガ
ス不透過層熱処理、絶縁材料層の形成、絶縁層の熱処理
といった工程を所望の回数繰り返してもよい。
【0023】場合によっては、強誘電体型不揮発性半導
体メモリを完成させた後、半導体基板に形成された各種
のトランジスタの特性回復のために、フォーミングアニ
ール処理を行ってもよい。フォーミングアニール処理の
条件として、水素ガス5体積%、窒素ガス95体積%、
温度400゜Cを例示することができる。
【0024】本発明の製造方法における強誘電体層を構
成する材料として、ビスマス層状化合物、より具体的に
は、Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘電体材料を
挙げることができる。Bi系層状構造ペロブスカイト型
の強誘電体材料は、所謂不定比化合物に属し、金属元
素、アニオン(O等)元素の両サイトにおける組成ずれ
に対する寛容性がある。また、化学量論的組成からやや
外れたところで最適な電気的特性を示すことも珍しくな
い。Bi系層状構造ペロブスカイト型の強誘電体材料
は、例えば、一般式(Bi222+(Am-1m3m+1
2-で表すことができる。ここで、「A」は、Bi、P
b、Ba、Sr、Ca、Na、K、Cd等の金属から構
成された群から選択された1種類の金属を表し、「B」
は、Ti、Nb、Ta、W、Mo、Fe、Co、Crか
ら成る群から選択された1種類、若しくは複数種の任意
の比率による組み合わせを表す。また、mは1以上の整
数である。
【0025】あるいは又、強誘電体層を構成する材料
は、 (BiX,Sr1-X2(SrY,Bi1-Y)(TaZ,Nb1-Z2d 式(1) (但し、0.9≦X≦1.0、0.7≦Y≦1.0、0
≦Z≦1.0、8.7≦d≦9.3)で表される結晶相
を主たる結晶相として含んでいることが好ましい。ある
いは又、強誘電体層を構成する材料は、 BiXSrYTa2d 式(2) (但し、X+Y=3、0.7≦Y≦1.3、8.7≦d
≦9.3)で表される結晶相を主たる結晶相として含ん
でいることが好ましい。これらの場合、式(1)若しく
は式(2)で表される結晶相を主たる結晶相として85
%以上含んでいることが一層好ましい。尚、式(1)
中、(BiX,Sr1-X)の意味は、結晶構造における本
来Biが占めるサイトをSrが占め、このときのBiと
Srの割合がX:(1−X)であることを意味する。ま
た、(SrY,Bi1-Y)の意味は、結晶構造における本
来Srが占めるサイトをBiが占め、このときのSrと
Biの割合がY:(1−Y)であることを意味する。式
(1)若しくは式(2)で表される結晶相を主たる結晶
相として含む強誘電体層を構成する材料には、Biの酸
化物、TaやNbの酸化物、Bi、TaやNbの複合酸
化物が若干含まれている場合もあり得る。
【0026】あるいは又、強誘電体層を構成する材料
は、 BiX(Sr,Ca,Ba)Y(TaZ,Nb1-Z2d 式(3) (但し、1.7≦X≦2.5、0.6≦Y≦1.2、0
≦Z≦1.0、8.0≦d≦10.0)で表される結晶
相を含んでいてもよい。尚、「(Sr,Ca,Ba)」
は、Sr、Ca及びBaから構成された群から選択され
た1種類の元素を意味する。これらの各式で表される強
誘電体層を構成する材料の組成を化学量論的組成で表せ
ば、例えば、Bi2SrTa29(タンタル酸ストロン
チウムビスマス)、Bi2SrNb29(ニオブ酸スト
ロンチウムビスマス)、Bi2BaTa29(タンタル
酸バリウムビスマス)、Bi2BaNb29(ニオブ酸
バリウムビスマス)、Bi2Sr(Ta,Nb)2
9(ニオブ酸タンタル酸ストロンチウムビスマス)等を
挙げることができる。あるいは又、強誘電体材料とし
て、Bi4SrTi415(チタン酸ストロンチウムビス
マス)、Bi3TiNbO9(ニオブ酸ビスマスチタ
ン)、Bi3TiTaO9(タンタル酸ビスマスチタ
ン)、Bi4Ti312(チタン酸ビスマス)、(Bi,
La)4Ti312(チタン酸ランタンビスマス)、Bi
2PbTa29(タンタル酸ビスマス鉛)等を例示する
ことができるが、これらの場合においても、各金属元素
の比率は、結晶構造が変化しない程度に変化させ得る。
即ち、金属元素及び酸素元素の両サイトにおける組成ず
れがあってもよい。
【0027】あるいは又、強誘電体材料として、PbT
iO3(チタン酸鉛)、BaTiO3(チタン酸バリウ
ム)、LiNbO3(ニオブ酸リチウム)、LiTaO3
(タンタル酸リチウム)、YMnO3(マンガン酸イッ
トリウム)、ペロブスカイト型構造を有するPbZrO
3とPbTiO3の固溶体であるチタン酸ジルコン酸鉛
[PZT,Pb(Zr1-y,Tiy)O3(但し、0<y
<1)]、PZTにLaを添加した金属酸化物であるP
LZT[(Pb,La)(Zr,Ti)O3(チタン酸
ジルコン酸ランタン鉛)]、あるいはPZTにNbを添
加した金属酸化物であるPNZT、PZTにストロンチ
ウム(Sr)を添加した金属酸化物であるPSZT
[(Pb,Sr)(ZrX,TiY)O3]、これらの混
合物を挙げることができる。
【0028】強誘電体層を得るための強誘電体薄膜の形
成は、例えば、MOCVD法、ビスマス−酸素結合を有
するビスマス有機金属化合物(ビスマスアルコキシド化
合物)を原料としたMOD(Metal Organic Decomposit
ion)法、LSMCD(Liquid Source Mist Chemical D
eposition)法、パルスレーザアブレーション法、スパ
ッタリング法、ゾル−ゲル法といった強誘電体薄膜を構
成する材料に適宜適した方法にて行うことができる。ま
た、強誘電体薄膜のパターニングは、例えば異方性イオ
ンエッチング(RIE)法にて行うことができる。
【0029】本発明の製造方法において、第1の電極あ
るいは第2の電極を構成する材料として、例えば、I
r、IrO2-X、IrO2-X/Ir、SrIrO3、R
u、RuO2-X、SrRuO3、Pt、Pt/Ir
2-X、Pt/RuO2-X、Pd、Pt/Tiの積層構
造、Pt/Taの積層構造、Pt/Ti/Taの積層構
造、La0. 5Sr0.5CoO3(LSCO)、Pt/LS
COの積層構造、YBa2Cu37を挙げることができ
る。ここで、Xの値は、0≦X<2である。尚、積層構
造においては、「/」の前に記載された材料が強誘電体
層と接する。第1の電極と第2の電極とは、同じ材料か
ら構成されていてもよいし、同種の材料から構成されて
いてもよいし、異種の材料から構成されていてもよい。
第1の電極あるいは第2の電極を形成するためには、第
1の電極を構成する導電材料層あるいは第2の電極を構
成する導電材料層を形成した後の工程において、導電材
料層をパターニングすればよい。導電材料層の形成は、
例えばスパッタリング法、反応性スパッタリング法、電
子ビーム蒸着法、MOCVD法、あるいはパルスレーザ
アブレーション法といった導電材料層を構成する材料に
適宜適した方法にて行うことができる。また、導電材料
層のパターニングは、例えばイオンミーリング法やRI
E法にて行うことができる。
【0030】本発明の製造方法における配線は、所謂プ
レート線として機能する。配線材料層は、アルミニウム
あるいはアルミニウム合金(例えば、Al−Si、Al
−Cu、Al−Si−Cu、Al−Ge)、銅(Cu)
から構成することができる。
【0031】本発明の製造方法において、基体として層
間絶縁層や素子分離領域(フィールド酸化膜)を挙げる
ことができる。層間絶縁層を構成する材料として、酸化
シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、Si
ON、SOG、NSG、BPSG、PSG、BSGある
いはLTOを例示することができる。
【0032】本発明の製造方法において、例えば、強誘
電体層の下に第1の電極を形成し、強誘電体層の上に第
2の電極を形成する場合、メモリセルを構成する第1の
電極を所謂ダマシン構造とすることもできる。これによ
って、強誘電体層を平坦な下地上に形成することが可能
となる。
【0033】本発明の製造方法において得られる強誘電
体型不揮発性半導体メモリの構造として、半導体基板に
選択用トランジスタが形成され、基体に相当する層間絶
縁層が全面に形成され、層間絶縁層上にメモリセルが形
成され、選択用トランジスタのソース/ドレイン領域と
メモリセルの第1の電極とが層間絶縁層に設けられた接
続孔(コンタクトホール)を介して接続された構造(所
謂スタック型強誘電体型不揮発性半導体メモリ)を挙げ
ることができる。あるいは又、所謂プレーナ型強誘電体
型不揮発性半導体メモリを挙げることもできる。更に
は、以下に説明する構造の強誘電体型不揮発性半導体メ
モリを製造することもできる。
【0034】即ち、(A)ビット線と、(B)選択用ト
ランジスタと、(C)M個(但し、M≧2)のメモリセ
ルから構成されたメモリユニットと、(D)M本のプレ
ート線(配線)、から成り、各メモリセルは、第1の電
極と強誘電体層と第2の電極とから成り、メモリユニッ
トにおいて、メモリセルの第1の電極は共通であり、該
共通の第1の電極は、選択用トランジスタを介してビッ
ト線に接続され、メモリユニットにおいて、第m番目
(但し、m=1,2・・・,M)のメモリセルの第2の
電極は、第m番目のプレート線(配線)に接続されてい
る構造を挙げることができる。尚、このような構造を、
本明細書では、第1の構造を有するクロスポイント型強
誘電体型不揮発性半導体メモリと呼ぶ。
【0035】あるいは又、(A)ビット線と、(B)N
個(但し、N≧2)の選択用トランジスタと、(C)そ
れぞれがM個(但し、M≧2)のメモリセルから構成さ
れた、N個のメモリユニットと、(D)M本のプレート
線(配線)、から成り、各メモリセルは、第1の電極と
強誘電体層と第2の電極とから成り、各メモリユニット
において、メモリセルの第1の電極は共通であり、第n
番目(但し、n=1,2・・・,N)のメモリユニット
における共通の第1の電極は、第n番目の選択用トラン
ジスタを介してビット線に接続され、第n番目のメモリ
ユニットにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・
・,M)のメモリセルの第2の電極は、メモリユニット
間で共通とされた第m番目のプレート線(配線)に接続
されている構造を挙げることができる。尚、このような
構造を、本明細書では、第2の構造を有するクロスポイ
ント型強誘電体型不揮発性半導体メモリと呼ぶ。
【0036】第1の構造若しくは第2の構造を有するク
ロスポイント型強誘電体型不揮発性半導体メモリにおい
て、第1の電極が共通である構造として、具体的には、
ストライプ状の第1の電極を形成し、かかるストライプ
状の第1の電極の全面を覆うように強誘電体層を形成す
る構成を挙げることができる。尚、このような構造にお
いては、第1の電極と強誘電体層と第2の電極の重複領
域がメモリセルに相当する。第1の電極が共通である構
造として、その他、第1の電極の所定の領域に、それぞ
れの強誘電体層が形成され、強誘電体層上に第2の電極
が形成された構造、あるいは又、配線層の所定の表面領
域に、それぞれの第1の電極が形成され、かかるそれぞ
れの第1の電極上に強誘電体層が形成され、強誘電体層
上に第2の電極が形成された構造を挙げることができる
が、これらの構成に限定するものではない。
【0037】選択用トランジスタは、例えば、周知のM
IS型FETやMOS型FETから構成することができ
る。ビット線を構成する材料として、不純物がドーピン
グされたポリシリコンや高融点金属材料を挙げることが
できる。選択用トランジスタと共通の第1の電極との接
続、選択用トランジスタとビット線との接続は、接続孔
を介して行えばよく、接続孔は、例えば、タングステン
プラグや不純物をドーピングされたポリシリコンを埋め
込むことによって得ることができる。
【0038】本発明の製造方法においては、従来の製造
方法とは逆に、第2の電極の上方の絶縁層に開口部を形
成する前に絶縁層に熱処理を施すので、即ち、全面が絶
縁層で被覆された状態において絶縁層に熱処理を施し、
脱水、脱水素化を行うので、絶縁層から放出された水分
や水素ガスによってメモリセルの特性が劣化するといっ
た現象や強誘電体層が電極から剥離するといった現象の
発生を確実に防止することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0040】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の強誘電体型不揮発性半導体メモリ(以下、不揮発性メ
モリと略称する)の製造方法に関し、所謂、スタック型
不揮発性メモリを製造する。実施の形態1においては、
絶縁層を、下から、水素ガス不透過層及び絶縁材料層の
積層構造とし、水素ガス不透過層を酸化アルミニウム
(Al23)から構成し、絶縁材料層をNSGから構成
し、基体を層間絶縁層から構成した。
【0041】以下、半導体基板等の模式的な一部端面図
である図1〜図4を参照して、実施の形態1の不揮発性
メモリの製造方法を説明する。
【0042】[工程−100]先ず、不揮発性メモリセ
ルにおける選択用トランジスタとして機能するMOS型
トランジスタをシリコン半導体基板10に形成する。そ
のために、例えばLOCOS構造を有する素子分離領域
11を公知の方法に基づき形成する。尚、素子分離領域
は、トレンチ構造を有していてもよいし、LOCOS構
造とトレンチ構造の組合せとしてもよい。その後、半導
体基板10の表面を例えばパイロジェニック法により酸
化し、ゲート絶縁膜12を形成する。次いで、不純物が
ドーピングされたポリシリコン層をCVD法にて全面に
形成した後、ポリシリコン層をパターニングし、ゲート
電極13を形成する。このゲート電極13はワード線を
兼ねている。尚、ゲート電極13をポリシリコン層から
構成する代わりに、ポリサイドや金属シリサイドから構
成することもできる。次に、半導体基板10にイオン注
入を行い、LDD構造を形成する。その後、全面にCV
D法にてSiO2層を形成した後、このSiO2層をエッ
チバックすることによって、ゲート電極13の側面にゲ
ートサイドウオール14を形成する。次いで、半導体基
板10にイオン注入を施した後、イオン注入された不純
物の活性化アニール処理を行うことによって、ソース/
ドレイン領域15を形成する。
【0043】次いで、SiO2から成る第1の層間絶縁
層をCVD法にて形成した後、一方のソース/ドレイン
領域15の上方の第1の層間絶縁層に開口部をリソグラ
フィ技術及びRIE法に基づき形成する。そして、かか
る開口部内を含む第1の層間絶縁層上に不純物がドーピ
ングされたポリシリコン層をCVD法にて形成する。次
に、第1の層間絶縁層上のポリシリコン層をパターニン
グすることによって、ビット線BLを形成する。ビット
線BLとソース/ドレイン領域15とは、第1の層間絶
縁層に形成された接続孔(コンタクトホール)16を介
して接続されている。その後、BPSGから成る第2の
層間絶縁層をCVD法にて全面に形成する。尚、BPS
Gから成る第2の層間絶縁層の形成後、窒素ガス雰囲気
中で例えば900゜C×20分間、第2の層間絶縁層を
リフローさせることが好ましい。更には、必要に応じ
て、例えば化学的機械的研磨法(CMP法)にて第2の
層間絶縁層の頂面を化学的及び機械的に研磨し、第2の
層間絶縁層を平坦化したり、レジストエッチバック法に
よって第2の層間絶縁層を平坦化することが望ましい。
尚、第1の層間絶縁層と第2の層間絶縁層を纏めて、以
下、単に層間絶縁層17と呼ぶ。層間絶縁層17が基体
に相当する。
【0044】次に、他方のソース/ドレイン領域15の
上方の層間絶縁層17に開口部をリソグラフィ技術及び
RIE法に基づき形成した後、かかる開口部内を、不純
物をドーピングしたポリシリコンで埋め込み、接続孔
(コンタクトプラグ)18を完成させる。こうして、図
1の(A)に模式的な一部断面図を示す構造を得ること
ができる。ここで、ビット線BLは、第1の層間絶縁層
上を、図の左右方向に接続孔18と接触しないように延
びているが、かかるビット線の部分の図示は省略した。
【0045】尚、接続孔(コンタクトプラグ)18は、
層間絶縁層17に形成された開口部内に、例えば、タン
グステン、Ti、Pt、Pd、Cu、TiW、TiN
W、WSi2、MoSi2等の高融点金属や金属シリサイ
ドから成る金属配線材料を埋め込むことによって形成す
ることもできる。接続孔18の頂面は層間絶縁層17の
表面と略同じ平面に存在していてもよいし、接続孔18
の頂部が層間絶縁層17の表面に延在していてもよい。
タングステンにて開口部を埋め込み、接続孔18を形成
する条件を、以下の表1に例示する。尚、タングステン
にて開口部を埋め込む前に、Ti層及びTiN層を順に
例えばマグネトロンスパッタリング法にて開口部内を含
む層間絶縁層17の上に形成することが好ましい。ここ
で、Ti層及びTiN層を形成する理由は、オーミック
な低コンタクト抵抗を得ること、ブランケットタングス
テンCVD法における半導体基板10の損傷発生の防
止、タングステンの密着性向上のためである。
【0046】[表1] Ti層(厚さ:20nm)のスパッタ条件 プロセスガス:Ar=35sccm 圧力 :0.52Pa RFパワー :2kW 基板の加熱 :無し TiN層(厚さ:100nm)のスパッタ条件 プロセスガス:N2/Ar=100/35sccm 圧力 :1.0Pa RFパワー :6kW 基板の加熱 :無し タングステンのCVD形成条件 使用ガス:WF6/H2/Ar=40/400/2250
sccm 圧力 :10.7kPa 形成温度:450゜C タングステン層及びTiN層、Ti層のエッチング条件 第1段階のエッチング:タングステン層のエッチング 使用ガス :SF6/Ar/He=110:90:5scc
m 圧力 :46Pa RFパワー:275W 第2段階のエッチング:TiN層/Ti層のエッチング 使用ガス :Ar/Cl2=75/5sccm 圧力 :6.5Pa RFパワー:250W
【0047】[工程−110]次に、層間絶縁層17及
び接続孔18上に、スパッタリング法にてTiNから成
る厚さ約40nmの密着層20を形成した後、密着層2
0上にイリジウム(Ir)から成る厚さ約100nmの
第1電極材料層21Aをスパッタリング法にて形成する
(図1の(B)参照)。
【0048】[工程−120]その後、例えば、MOD
法やMOCVD法によって、Bi系層状構造ペロブスカ
イト型の強誘電体材料から成る強誘電体薄膜22Aを全
面に形成する。例えば、Bi2SrTa29から成る強
誘電体薄膜22AのMOCVD法に基づく形成条件を以
下の表2に例示する。尚、表2中、「thd」は、テト
ラメチルヘプタンジネートの略である。また、表2に示
したソース原料はテトラヒドロフラン(THF)を主成
分とする溶媒中に溶解されている。
【0049】 [表2] MOCVD法による形成 ソース材料 :Sr(thd)2−tetraglyme Bi(C653 Ta(O−iC374(thd) 形成温度 :400〜700゜C プロセスガス:Ar/O2=1000/1000cm3 形成速度 :5〜20nm/分
【0050】あるいは又、Bi2SrTa29から成る
強誘電体薄膜をパルスレーザアブレーション法、ゾル−
ゲル法、あるいはRFスパッタリング法にて全面に形成
することもできる。これらの場合の形成条件を以下に例
示する。尚、ゾル−ゲル法によって厚い強誘電体薄膜を
形成する場合、所望の回数、スピンコート及び乾燥、あ
るいはスピンコート及び焼成(又は、アニール処理)を
繰り返せばよい。
【0051】[表3] パルスレーザアブレーション法による形成 ターゲット:Bi2SrTa29 使用レーザ:KrFエキシマレーザ(波長248nm、
パルス幅25n秒、5Hz) 形成温度 :400〜800゜C 酸素濃度 :3Pa
【0052】[表4] ゾル−ゲル法による形成 原料:Bi(CH3(CH23CH(C25)COO)3 [ビスマス・2エチルヘキサン酸,Bi(OOc)3] Sr(CH3(CH23CH(C25)COO)2 [ストロンチウム・2エチルヘキサン酸,Sr(OO
c)2] Ta(OEt)5 [タンタル・エトキシド] スピンコート条件:3000rpm×20秒 乾燥:250゜C×7分 焼成:700〜800゜C×1時間(必要に応じてRT
A処理を加える)
【0053】[表5] RFスパッタリング法による形成 ターゲット:Bi2SrTa29セラミックターゲット RFパワー:1.2W〜2.0W/ターゲット1cm2 雰囲気圧力:0.2〜1.3Pa 形成温度 :室温〜600゜C プロセスガス:Ar/O2の流量比=2/1〜9/1
【0054】強誘電体層を、PZTあるいはPLZTか
ら構成するときの、マグネトロンスパッタリング法によ
るPZTあるいはPLZTの形成条件を以下の表6に例
示する。あるいは又、PZTやPLZTを、反応性スパ
ッタリング法、電子ビーム蒸着法、ゾル−ゲル法、又
は、MOCVD法にて形成することもできる。
【0055】[表6] ターゲット :PZTあるいはPLZT プロセスガス:Ar/O2=90体積%/10体積% 圧力 :4Pa パワー :50W 形成温度 :500゜C
【0056】更には、PZTやPLZTをパルスレーザ
アブレーション法にて形成することもできる。この場合
の形成条件を以下の表7に例示する。
【0057】[表7] ターゲット:PZT又はPLZT 使用レーザ:KrFエキシマレーザ(波長248nm、
パルス幅25n秒、3Hz) 出力エネルギー:400mJ(1.1J/cm2) 形成温度 :550〜600゜C 酸素濃度 :40〜120Pa
【0058】[工程−130]その後、強誘電体薄膜2
2A上に第2電極材料層23Aを形成する。具体的に
は、強誘電体薄膜22A上に、スパッタリング法にて、
イリジウム(Ir)から成る厚さ100nmの第2電極
材料層23Aを形成する(図2の(A)参照)。次い
で、フォトリソグラフィ技術及びRIE法に基づき、第
2電極材料層23A、強誘電体薄膜22A、第1電極材
料層21A及び密着層20をパターニングする。こうし
て、基体(層間絶縁層17)上に、第1の電極21(I
r層から成る)、第1の電極21上に形成された強誘電
体層22(Bi2SrTa29から成る)、及び、強誘
電体層22上に形成された第2の電極23(Ir層から
成る)から構成されたメモリセルを得ることができる
(図2の(B)参照)。
【0059】次いで、エッチングダメージの回復のため
に、微量の酸化性ガスを含む不活性ガス雰囲気、具体的
には、酸素ガスを1体積%含む窒素ガス雰囲気(窒素ガ
ス:99体積%)中で、700゜C、1時間の熱処理を
施こしてもよい。
【0060】[工程−140]次に、全面に絶縁層を形
成する。具体的には、先ず、スパッタリング法にて厚さ
約50nmの酸化アルミニウム(Al23)から成る水
素ガス不透過層30で全面を覆い、更に、水素ガス不透
過層30上にNSGから成る厚さ約250nmの絶縁材
料層31をCVD法にて形成する(図3の(A)参
照)。尚、酸化アルミニウムから成る水素ガス不透過層
30を、後の工程で発生し得る水素ガスを強誘電体層2
2まで到達させないために形成する。強誘電体層22
は、一般に金属酸化物から形成されているため、水素ガ
スが存在すると還元され、強誘電体層22の特性に劣化
が生じる。酸化アルミニウムの水素ガス透過率は、窒素
ガス95体積%、水素ガス5体積%、400゜C、大気
圧の雰囲気で10%以下であった。
【0061】[工程−150]その後、絶縁層に熱処理
を施す(図3の(B)参照)。具体的には、400゜C
の窒素ガス100体積%の雰囲気(圧力:概ね大気圧)
中で1時間の熱処理を行う。この熱処理によって、絶縁
材料層31から水素ガスや水分が生成するが、メモリセ
ルは酸化アルミニウムから成る水素ガス不透過層30で
被覆されているが故に、水素ガスがメモリセルに達成す
ることがなく、水素ガスによってメモリセルの特性に劣
化が生じることを確実に防止することができる。尚、熱
処理を酸素ガス雰囲気(例えば、温度:400゜C、圧
力:概ね大気圧、酸素ガス:90体積%、窒素ガス:1
0体積%)にて行ってもよい。
【0062】[工程−160]次いで、リソグラフィ技
術及びRIE法に基づき、第2の電極23上の絶縁材料
層31及び水素ガス不透過層30に開口部32を形成す
る(図4の(A)参照)。
【0063】[工程−170]その後、開口部32内を
含む絶縁層(より具体的には、絶縁材料層31)上にス
パッタリング法に基づきアルミニウムから成る配線材料
層を形成した後、絶縁材料層31上の配線材料層をパタ
ーニングし、配線(プレート線)PLを形成する(図4
の(B)参照)。尚、配線材料層形成時の半導体基板の
加熱温度を150゜C及び400゜Cとする。この半導
体基板加熱温度は、[工程−150]における熱処理の
温度よりも低いか同じ温度である。こうして、不揮発性
メモリを完成させることができる。配線材料層を形成条
件を、以下の表8に例示する。尚、配線材料層の形成方
法は、かかる方法に限定するものではない。
【0064】[表8] 配線材料層のスパッタリング条件 プロセスガス : Ar=100sccm DCパワー : 20kW スパッタ圧力 : 0.4Pa 基板加熱温度 : 150゜C
【0065】[工程−180]尚、その後、各層全体の
密着性向上、応力緩和のために、400゜C、窒素ガス
雰囲気中での窒素ガスシンター処理を行うことが好まし
い。
【0066】[工程−170]が完了した時点における
メモリセルの電流−電圧特性を図5に示す。また、[工
程−180]が完了した時点におけるメモリセルの電流
−電圧特性を図6に示す。
【0067】更には、比較例として、従来の技術におい
て説明したメモリセルの製造方法の[工程−70]が完
了した時点におけるメモリセルの電流−電圧特性を図7
に示し、[工程−80]が完了した時点におけるメモリ
セルの電流−電圧特性を図8に示す。更には、従来の技
術において説明したメモリセルの製造方法(但し、[工
程−60]を省略)の[工程−70]が完了した時点に
おけるメモリセルの電流−電圧特性を図9に示し、[工
程−80]が完了した時点におけるメモリセルの電流−
電圧特性を図10に示す。
【0068】ここで、図5〜図10における横軸は、第
1の電極を接地した状態で、第2の電極に印加した電圧
(単位:ボルト)である。また、縦軸はリーク電流(単
位:アンペア/cm2)である。
【0069】図9から、従来の技術における製造方法で
製造されたメモリセル(但し、[工程−60]を省略)
にあっては、第2の電極に約−4ボルトを印加したと
き、電流リークが発生したメモリセルが存在しているこ
とが判る。また、図10から、[工程−80]において
窒素ガスシンター処理を行ったとき、絶縁材料層31か
ら水分や水素ガスが発生し、更には、アルミニウムと水
分との反応によっても水素ガスが発生する結果、第2の
電極に約−3ボルトを印加したとき、電流リークが発生
したメモリセルが存在していることが判る。即ち、窒素
ガスシンター処理を行うと、メモリセルの特性劣化が一
層生じ易くなることが判る。
【0070】図7から、従来の技術における製造方法で
製造されたメモリセル(但し、[工程−60]を実行)
にあっては、第2の電極に約−5ボルトを印加したと
き、電流リークが発生したメモリセルが存在しているこ
とが判る。また、図8から、[工程−80]において、
窒素ガスシンター処理を行うと、メモリセルの電流−電
圧特性が、窒素ガスシンター処理を行わない場合(図7
参照)よりも、電流−電圧特性が向上していることが判
る。
【0071】更には、図5から、実施の形態1の製造方
法で製造されたメモリセル([工程−170]完了時)
にあっては、第2の電極に約−6.5ボルトを印加した
とき、電流リークが発生したメモリセルが存在している
ことが判る。即ち、図7に示した比較例の製造方法より
も格段にメモリセルの電流−電圧特性が向上しているこ
とが判る。更に、窒素ガスシンター処理を行った場合、
図6からも明らかなように、メモリセルの電流−電圧特
性が一層向上している。
【0072】実施の形態1における不揮発性メモリの複
数から構成されたメモリアレイの回路図を図11に例示
する。このメモリアレイにおいては、例えば、対となっ
た2つの不揮発性メモリに相補的に1ビットを記憶す
る。尚、図11において、対となった2つの不揮発性メ
モリを点線で囲った。各不揮発性メモリは、例えば、選
択用トランジスタTR11,TR12、メモリセルMC11
MC12から構成されている。図11において、符号「W
L」はワード線を示し、符号「BL」はビット線を示
し、符号「PL」はプレート線を意味する。対となった
不揮発性メモリに着目すると、ワード線WL1は、ワー
ド線デコーダ/ドライバWDに接続されている。また、
ビット線BL1,BL2は、センスアンプSAに接続され
ている。更には、プレート線PL1は、プレート線デコ
ーダ/ドライバPDに接続されている。
【0073】このような構造を有する不揮発性メモリに
おいて、記憶されたデータを読み出す場合、ワード線W
1を選択し、更には、プレート線PL1を駆動すると、
相補的なデータが、対となったメモリセルMC11,MC
12から選択用トランジスタTR11,TR12を介して対と
なったビット線BL1,BL2に電圧(ビット線電位)と
して現れる。かかる対となったビット線BL1,BL2
電圧(ビット線電位)を、センスアンプSAで検出す
る。尚、不揮発性メモリの動作は例示であり、上記の動
作に限定されない。
【0074】(実施の形態2)実施の形態2は実施の形
態1の変形である。実施の形態2においては、実施の形
態1の[工程−140]において、スパッタリング法に
て全面を厚さ約50nmの酸化アルミニウム(Al
23)から成る水素ガス不透過層30で覆った後、水素
ガス不透過層熱処理を行い、その後、水素ガス不透過層
30上にNSGから成る厚さ約250nmの絶縁材料層
31をCVD法にて形成する。この点を除き、実施の形
態2の不揮発性メモリの製造方法は、実施の形態1にて
説明した不揮発性メモリの製造方法と同様とすることが
できるので、詳細な説明は省略する。尚、水素ガス不透
過層熱処理の条件は、例えば、400゜Cの窒素ガス1
00体積%の雰囲気中で1時間とすればよい。
【0075】(実施の形態3)実施の形態3も実施の形
態1の変形である。実施の形態3においては、所謂プレ
ーナ型の不揮発性メモリを製造する。以下、半導体基板
等の模式的な一部端面図である図12〜図14を参照し
て、実施の形態3の不揮発性メモリの製造方法を説明す
る。
【0076】[工程−300]先ず、実施の形態1の
[工程−100]と同様にして、シリコン半導体基板1
0に選択用トランジスタを形成する。
【0077】[工程−310]次に、半導体基板10上
に、BPSGから成る層間絶縁層17を、例えばCVD
法にて形成する。こうして、図12の(A)に示す構造
を得ることができる。尚、BPSGから成る層間絶縁層
17の成膜後、窒素ガス雰囲気中で例えば900゜C×
20分間、層間絶縁層17をリフローさせることが好ま
しい。更には、必要に応じて、例えば化学的機械的研磨
法(CMP法)にて層間絶縁層17の頂面を化学的及び
機械的に研磨し、層間絶縁層17を平坦化したり、レジ
ストエッチバック法によって層間絶縁層17を平坦化す
ることが望ましい。
【0078】[工程−320]その後、実施の形態1の
[工程−110]〜[工程−130]と同様にして、基
体に相当する層間絶縁層17上に、第1の電極21(I
r層から成る)、第1の電極21上に形成された強誘電
体層22(Bi2SrTa29から成る)、及び、強誘
電体層22上に形成された第2の電極23(Ir層から
成る)から構成されたメモリセルを形成する(図12の
(B)参照)。
【0079】[工程−330]次に、実施の形態1の
[工程−140]と同様にして、全面に、下から、厚さ
約50nmの酸化アルミニウム(Al23)から成る水
素ガス不透過層30、厚さ約250nmのNSGから成
る絶縁材料層31の積層構造から構成された絶縁層を形
成する(図13の(A)参照)。
【0080】[工程−340]その後、実施の形態1の
[工程−150]と同様にして、絶縁層に熱処理を施す
(図13の(B)参照)。
【0081】[工程−350]次に、第1の電極21の
上方の絶縁層の部分、及び、第2の電極23の上方の絶
縁層の部分に、リソグラフィ技術及びRIE法に基づき
開口部32A,32Bを形成し、更に、ソース/ドレイ
ン領域15の上方の層間絶縁層17及び絶縁層にも開口
部32C,32Dを形成する(図14の(A)参照)。
【0082】[工程−360]その後、実施の形態1の
[工程−170]と同様にして、開口部32A,32
B,32C,32D内を含む絶縁層(より具体的には、
絶縁材料層31)上にアルミニウムから成る配線材料層
を形成した後、絶縁材料層31上の配線材料層をパター
ニングし、配線(プレート線PL)、ビット線BL、及
び、配線層33を形成する(図14の(B)参照)。
尚、配線材料層を形成条件は、表8に例示したと同じ条
件とすることができる。
【0083】[工程−370]尚、その後、各層全体の
密着性向上、応力緩和のために、400゜C、窒素ガス
雰囲気中での窒素ガスシンター処理を行うことが好まし
い。
【0084】こうして得られた不揮発性メモリにおける
メモリセルの電流−電圧特性も、実施の形態1と同様の
傾向が得られた。
【0085】実施の形態2にて説明した不揮発性メモリ
の製造方法を、実施の形態3に適用することもできる。
【0086】(実施の形態4)実施の形態4も実施の形
態1の変形である。実施の形態4においては、第1の構
造を有するクロスポイント型不揮発性メモリを製造す
る。実施の形態4の不揮発性メモリの回路図を図15及
び図18に示し、模式的な一部断面図を図17に示す。
尚、図15及び図18には、プレート線(配線)を共有
する隣接した2つの不揮発性メモリMA,MBを示す。一
方、図17においては、不揮発性メモリM Aを構成する
選択用トランジスタTRA及びメモリセルMCAm、並び
に、ビット線BLAの延びる方向に隣接する不揮発性メ
モリを構成する選択用トランジスタTR’A及びメモリ
セルMC’Amの一部分を併せて図示した。ビット線BL
Aの延びる方向に隣接するメモリセルMCAm,MC’Am
・・・におけるビット線BLAは共通化されている。こ
れらの不揮発性メモリは同じ構造を有するが故に、以
下、不揮発性メモリMAについて説明する。
【0087】実施の形態4の不揮発性メモリMAは、
(A)ビット線BLAと、(B)選択用トランジスタT
Aと、(C)M個(但し、M≧2であり、実施の形態
4においては、M=4)のメモリセルMCAMから構成さ
れたメモリユニットMUAと、(D)M本のプレート線
(配線)PLm(m=1,2・・・M)、から構成され
ている。
【0088】そして、各メモリセルMCAm(m=1,2
・・・M)は、第1の電極21と強誘電体層22と第2
の電極23とから構成されている。また、メモリユニッ
トMUAを構成するメモリセルMCAmの第1の電極21
は、メモリユニットMUAにおいて共通であり、この共
通の第1の電極21(共通ノードCNAと呼ぶ場合があ
る)は、選択用トランジスタTRAを介してビット線B
Aに接続され、第2の電極23はプレート線(配線)
PLmに接続されている。
【0089】メモリセルMCAmは絶縁層によって覆われ
ている。絶縁層を、下から、水素ガス不透過層30及び
絶縁材料層31の積層構造とし、水素ガス不透過層30
を酸化アルミニウム(Al23)から構成し、絶縁材料
層31をNSGから構成し、基体を層間絶縁層17から
構成した。尚、密着層の図示は省略した。
【0090】そして、プレート線PLmは、プレート線
デコーダ/ドライバPDに接続されている。更には、選
択用トランジスタTRAのゲート電極はワード線WLに
接続され、ワード線WLは、ワード線デコーダ/ドライ
バWDに接続されている。また、ビット線BLAは、セ
ンスアンプSAに接続されている。センスアンプSA
は、例えば、カレントミラーセンスアンプから構成する
ことができる。
【0091】この実施の形態4の不揮発性メモリは、実
質的に、実施の形態1あるいは実施の形態2にて説明し
た製造方法にて製造することができるので、詳細な説明
は省略する。
【0092】このような構造とすることで、1つの選択
用トランジスタTRAを4つのメモリセルMCAmにて共
有するが故に、不揮発性メモリ全体としての縮小化を効
果的に図ることができる。尚、Mの値は4に限定されな
い。実際的なMの値として、例えば、2のべき数(2,
4,8,16・・・)を挙げることができる。
【0093】図15に回路図を示す実施の形態4の不揮
発性メモリにおいては、対となったメモリセルMCAm
MCBmに相補的なデータを書き込むことで1ビットを記
憶する。また、2つの選択用トランジスタTRA,TRB
と、8個のメモリセルMCAm,MCBmによって、1つの
メモリユニット(アクセス単位ユニット)が構成され、
4ビットを記憶する。実際の不揮発性メモリにおいて
は、この4ビットを記憶するメモリユニットの集合がア
クセス単位ユニットとしてアレイ状に配設されている。
【0094】次に、実施の形態4の不揮発性メモリから
データを読み出し、再書き込みする方法について、以
下、説明する。尚、一例として、対となったメモリセル
MCA1,MCB1から相補的な1ビットのデータを読み出
すものとし、メモリセルMCA1にはデータ「1」が、メ
モリセルMCB1にはデータ「0」が記憶されているとす
る。図16に動作波形を示す。尚、図16中、括弧内の
数字は、以下に説明する工程の番号と対応している。
【0095】(1)待機状態では、ビット線BLA,B
B、ワード線WL、全プレート線PL mが0ボルトとな
っている。更には、共通ノードCNA,CNBも0ボルト
で浮遊状態となっている。
【0096】(2)データ読み出し時、選択プレート線
PL1にVccを印加する。このとき、選択メモリセルM
A1にデータ「1」が記憶されているので、強誘電体層
に分極反転が生じ、蓄積電荷量が増加し、共通ノードC
Aの電位が上昇する。一方、選択メモリセルMCB1
はデータ「0」が記憶されているので、強誘電体層に分
極反転が生ぜず、共通ノードCNBの電位は殆ど上昇し
ない。即ち、共通ノードCNA,CNBは、非選択メモリ
セルの強誘電体層を介して複数の非選択プレート線PL
j(j=2,3,4)にカップリングされているので、
共通ノードCNBの電位は0ボルトに比較的近いレベル
に保たれる。このようにして、選択メモリセルMCA1
MCB1に記憶されたデータに依存して共通ノードC
A,CNBの電位に変化が生じる。従って、選択メモリ
セルMCA1の強誘電体層には、分極反転に十分な電界を
与えることができる。
【0097】(3)次に、ビット線BLA,BLBを浮遊
状態とし、ワード線WLをハイレベルとすることによっ
て、選択用トランジスタTRA,TRBをオン状態とす
る。これによって、選択メモリセルMCA1に記憶された
データに基づき共通の第1の電極(共通ノードCNA
に生じた電位により、ビット線BLAに電位が生じる。
一方、ビット線BLBの電位は僅かしか上昇しない。
【0098】(4)次いで、ワード線WLをローレベル
とすることによって、選択用トランジスタTRA,TRB
をオフ状態とする。
【0099】(5)その後、ビット線BLA,BLBの電
位をセンスアンプSAにてラッチし、センスアンプSA
を活性化してデータを増幅し、データの読み出し動作を
完了する。
【0100】以上の動作によって、選択メモリセルに記
憶されていたデータが一旦破壊されてしまうので、デー
タの再書き込み動作を行う。
【0101】(6)そのために、先ず、ビット線B
A,BLBをセンスアンプSAによって充放電させ、ビ
ット線BLAにVccを印加し、ビット線BLBに0ボルト
を印加する。一方、非選択プレート線PLj(j=2,
3,4)の電位を(1/2)Vccとする。
【0102】(7)その後、ワード線WLをハイレベル
とすることによって、選択用トランジスタTRA,TRB
をオン状態とする。これによって、共通ノードCNA
CNBの電位はビット線BLA,BLBの電位と等しくな
る。即ち、選択メモリセルMCA1に記憶されていたデー
タが「1」であるので、共通ノードCNAの電位はVcc
となる。一方、選択メモリセルMCB1に記憶されていた
データが「0」であるので、共通ノードCNBの電位は
0ボルトとなる。選択プレート線PL1の電位はVcc
ままであるが故に、また、共通ノードCNBの電位が0
ボルトであるが故に、選択メモリセルMCB1にはデータ
「0」が再書き込みされる。
【0103】(8)次に、選択プレート線PL1の電位
を0ボルトとする。これによって、選択メモリセルMC
A1に記憶されていたデータが「1」であるが故に、共通
ノードCNAの電位がVccであり、データ「1」がメモ
リセルMCA1に再書き込みされる。選択メモリセルMC
B1にデータ「0」が既に再書き込みされており、選択メ
モリセルMCB1に変化は生じない。
【0104】(9)その後、ビット線BLA,BLBを0
ボルトとする。
【0105】(10)最後に、非選択プレート線PLj
を0ボルトとし、ワード線WLをローレベルとすること
によって、選択用トランジスタTRA,TRBをオフ状態
とする。
【0106】他のメモリセルMCAj,MCBj(j=2,
3,4)からデータを読み出し、データを再書き込みす
る場合には、同様の操作を繰り返す。
【0107】図18に回路図を示すように、不揮発性メ
モリMAを構成する選択用トランジスタTRAと、不揮発
性メモリMBを構成する選択用トランジスタTRBとをワ
ード線WL1及びワード線WL2によって独立して制御す
れば、メモリセルMCAm、メモリセルMCBmのそれぞれ
に1ビットのデータを記憶することができる。以下、こ
のような構成の不揮発性メモリからデータを読み出し、
再書き込みする方法について説明する。尚、一例とし
て、メモリセルMCA1から1ビットのデータを読み出す
ものとする。図19に動作波形を示す。尚、図19中、
括弧内の数字は、以下に説明する工程の番号と対応して
いる。
【0108】(1)待機状態では、ビット線BLA,B
B、ワード線WL1,WL2、全プレート線PLmが0ボ
ルトとなっている。更には、共通ノードCNA,CNB
0ボルトで浮遊状態となっている。
【0109】(2)データ読み出しが開始されると、先
ず、選択されたメモリユニット(アクセス単位ユニッ
ト)における全プレート線PLm(m=1,2,3,
4)を(1/2)Vcc(但し、Vccは電源電圧)にプレ
チャージし、更に、ビット線BLA,BLBを(1/2)
ccにプレチャージする。その後、ワード線WL1,W
2をハイレベルとすることによって、選択用トランジ
スタTRA,TRBをオン状態とする。これによって、共
通の第1の電極21(共通ノードCNA,CNB)がビッ
ト線BLA,BLBに接続され、共通ノードCNA,CNB
の電位は(1/2)V ccとなる。
【0110】(3)次いで、非選択のワード線WL2
ローレベルとすることによって、選択用トランジスタT
Bをオフ状態とする。これによって、非選択の共通ノ
ードCNBは、電位が(1/2)Vccのまま、浮遊状態
となる。
【0111】(4)その後、選択プレート線PL1、及
び、ビット線BLA,BLBを接地線(図示せず)を介し
て0ボルトまで放電させる。このとき、ビット線BLA
に接続されている共通ノードCNAも0ボルトとなる。
ビット線BLA,BLBの放電が完了したならば、接地線
とビット線BLA,BLBとの電気的な接続を解き、ビッ
ト線BLA,BLBを浮遊状態とする。
【0112】(5)次に、ビット線BLBに、データ
「1」の読み出し電位と、データ「0」の読み出し電位
の中間の参照電位を与える。一方、選択プレート線PL
1にVccを印加する。これによって、選択メモリセルM
A1にデータ「1」が記憶されていれば、強誘電体層に
分極反転が生じ、蓄積電荷量が増加し、共通ノードCN
Aの電位が上昇する。一方、選択メモリセルMCA1にデ
ータ「0」が記憶されていれば、強誘電体層に分極反転
が生ぜず、共通ノードCNAの電位は殆ど上昇しない。
即ち、共通ノードCNAは、非選択メモリセルの強誘電
体層を介して複数の非選択プレート線PLj(j=2,
3,4)にカップリングされているので、共通ノードC
Aの電位は0ボルトに比較的近いレベルに保たれる。
このようにして、選択メモリセルMCA1に記憶されたデ
ータに依存して共通ノードCNAの電位に変化が生じ
る。従って、選択メモリセルMCA1の強誘電体層には、
分極反転に十分な電界を与えることができる。以上の結
果として、選択メモリセルMCA1に記憶されていたデー
タに基づいてビット線BLAに電位が生じる。
【0113】(6)次いで、ワード線WL1をローレベ
ルとすることによって、選択用トランジスタTRAをオ
フ状態とする。そして、かかるビット線BLA,BLB
電位をセンスアンプSAにてラッチし、センスアンプS
Aを活性化してデータを増幅し、データの読み出し動作
を完了する。
【0114】以上の動作によって、選択メモリセルに記
憶されていたデータが一旦破壊されてしまうので、デー
タの再書き込み動作を行う。
【0115】(7)そのために、先ず、ビット線BLA
をセンスアンプSAによって充放電させ、ビット線BL
AにVcc又は0ボルトを印加する。
【0116】(8)その後、ワード線WL1をハイレベ
ルとすることによって、選択用トランジスタTRAをオ
ン状態とする。これによって、共通ノードCNAの電位
はビット線BLAの電位と等しくなる。即ち、選択メモ
リセルMCA1に記憶されていたデータが「1」の場合に
は、共通ノードCNAの電位はVccとなり、選択メモリ
セルMCA1に記憶されていたデータが「0」の場合に
は、共通ノードCNAの電位は0ボルトとなる。選択プ
レート線PL1の電位はVccのままであるが故に、共通
ノードCNAの電位が0ボルトの場合、選択メモリセル
MCA1にはデータ「0」が再書き込みされる。
【0117】(9)次に、選択プレート線PL1の電位
を0ボルトとする。これによって、選択メモリセルMC
A1に記憶されていたデータが「1」の場合には、共通ノ
ードCNAの電位がVccであるが故に、データ「1」が
再書き込みされる。選択メモリセルMCA1にデータ
「0」が既に再書き込みされていた場合には、選択メモ
リセルMCA1に変化は生じない。
【0118】(10)その後、ビット線BLAを0ボル
トとする。
【0119】(11)最後に、非選択プレート線PLj
を0ボルトとし、選択用トランジスタTRAをオフ状態
とする。
【0120】他のメモリセルMCAj(j=2,3,
4),MCBm(m=1,2,3,4)からデータを読み
出し、データを再書き込みする場合には、同様の操作を
繰り返す。
【0121】(実施の形態5)実施の形態5も実施の形
態1の変形である。実施の形態5においては、第2の構
造を有するクロスポイント型不揮発性メモリを製造す
る。実施の形態5の不揮発性メモリの回路図を図20及
び図21に示し、模式的な一部断面図を図22に示す。
尚、図20及び図21には、プレート線(配線)を共有
する隣接した2つの不揮発性メモリMA,MBを示す。こ
れらの不揮発性メモリMA,MBは同じ構造を有するが故
に、以下、不揮発性メモリMAについて説明する。
【0122】実施の形態5の不揮発性メモリMAは、
(A)ビット線BLAと、(B)N個(但し、N≧2で
あり、実施の形態5においては、N=2)の選択用トラ
ンジスタTRA1,TRA2と、(C)それぞれがM個(但
し、M≧2であり、実施の形態5においては、M=4)
のメモリセルMCANMから構成された、N個のメモリユ
ニットMUANと、(D)M本のプレート線(配線)PL
M、から構成されている。
【0123】各メモリセルMCAnm(m=1,2・・・M
であり、n=1,2・・・Nであり、実施の形態5にお
いては、m=1,2,3,4、n=1,2)は、第1の
電極21と、強誘電体層22と、第2の電極23とから
成る。尚、図22においては、各メモリセルMCA1m
みを図示した。メモリセルMCA2mは、図22の紙面垂
直方向に並置されている。
【0124】そして、各メモリユニットMUAnにおい
て、メモリセルMCAnmの第1の電極21は共通であ
る。また、第n番目(但し、n=1,2・・・,N)の
メモリユニットMUAnにおける共通の第1の電極21
(共通ノードCNAnと呼ぶ場合がある)は、第n番目の
選択用トランジスタTRAnを介してビット線BLAに接
続されている。更には、第n番目のメモリユニットMU
Anにおいて、第m番目(但し、m=1,2・・・,M)
のメモリセルMCAnmの第2の電極23は、メモリユニ
ット間で共通とされた第m番目のプレート線(配線)P
mに接続されている。プレート線PLmはプレート線デ
コーダ/ドライバPDに接続されている。更には、選択
用トランジスタTRA1のゲート電極はワード線WL1
接続され、選択用トランジスタTRA2のゲート電極はワ
ード線WL2に接続され、ワード線WL1,WL2は、ワ
ード線デコーダ/ドライバWDに接続されている。ま
た、第1のビット線BLAは、センスアンプSAに接続
されている。ワード線WL1,WL2は、図22の紙面垂
直方向に延びている。また、第2の電極23は、図22
の紙面垂直方向に隣接するメモリユニットMUA2を構成
するメモリセルMCA2mと共に、プレート線PLmに接続
されている。
【0125】メモリセルMCAnmは絶縁層によって覆わ
れている。絶縁層を、下から、水素ガス不透過層30及
び絶縁材料層31の積層構造とし、水素ガス不透過層3
0を酸化アルミニウム(Al23)から構成し、絶縁材
料層31をNSGから構成し、基体を層間絶縁層17か
ら構成した。尚、密着層の図示は省略した。
【0126】この実施の形態5の不揮発性メモリは、実
質的に、実施の形態1あるいは実施の形態2にて説明し
た製造方法にて製造することができるので、詳細な説明
は省略する。
【0127】尚、不揮発性メモリのメモリユニットを構
成するメモリセルの数(M)は4個に限定されず、一般
には、2のべき数(2,4,8,16・・・)であるこ
とが好ましい。また、Nの値も2以上であればよく、例
えば、2のべき数(2,4,8,16・・・)であるこ
とが好ましい。
【0128】このような構成の不揮発性メモリから成る
メモリアレイにあっては、4つの選択用トランジスタT
A1〜TRB2と、16個のメモリセルMCAnm,MCBnm
によって、8ビット(図20の回路図参照)あるいは1
6ビット(図21の回路図参照)を記憶する。
【0129】即ち、図20に回路図を示す不揮発性メモ
リにおいては、メモリユニットMU A1,MUB1に接続さ
れた選択用トランジスタTRA1,TRB1のゲート電極の
それぞれは、ワード線WL1に接続され、メモリユニッ
トMUA2,MUB2に接続された選択用トランジスタTR
A2,TRB2のゲート電極のそれぞれは、ワード線WL 2
に接続されている。そして、図20に示す回路図から構
成された不揮発性メモリにおいては、図15及び図16
に示した実施の形態4の不揮発性メモリと同様の動作を
させればよく、対となった2つの不揮発性メモリにおけ
るプレート線を共有する2つのメモリセルにおいて相補
的な1ビットを記憶する。
【0130】一方、図21に回路図を示す不揮発性メモ
リにおいては、メモリユニットMU A1,MUA2,M
B1,MUB2に接続された選択用トランジスタTRA1
TRA2,TRB1,TRB2のゲート電極のそれぞれは、ワ
ード線WL11,WL12,WL21,WL22に接続されてい
る。そして、図21に示す回路図から構成された不揮発
性メモリにおいては、図18及び図19に示した実施の
形態4の不揮発性メモリと同様の動作をさせればよく、
対となった2つの不揮発性メモリにおけるプレート線を
共有する2つのメモリセルのそれぞれに1ビットを記憶
する。
【0131】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態にて説明した不揮発性メモリの構
造、使用した材料、各種の形成条件、回路構成、駆動方
法等は例示であり、適宜変更することができる。
【0132】また、本発明の第4の態様及び第5の態様
に係る不揮発性メモリを、所謂ゲインセル型とすること
もできる。ゲインセル型の不揮発性メモリを実施の形態
4にて説明した不揮発性メモリに適用した場合の回路図
を図23に示し、この不揮発性メモリを構成する各種の
トランジスタの模式的なレイアウトを図24に示し、こ
の不揮発性メモリの模式的な一部断面図を図25及び図
26に示す。また、ゲインセル型の不揮発性メモリを実
施の形態5にて説明した不揮発性メモリに適用した場合
の回路図を図27に示す。尚、図24において、各種の
トランジスタの領域を点線で囲み、活性領域及び配線層
を実線で示し、ゲート電極あるいはワード線を一点鎖線
で示した。また、図25に示す不揮発性メモリの模式的
な一部断面図は、図24の線A−Aに沿った模式的な一
部断面図であり、図26に示す不揮発性メモリの模式的
な一部断面図は、図24の線B−Bに沿った模式的な一
部断面図である。
【0133】この不揮発性メモリMAは、例えば、ビッ
ト線BLAと、書込用トランジスタ(実施の形態4及び
実施の形態5に係る不揮発性メモリにおける選択用トラ
ンジスタである)TRAWと、M個(但し、M≧2であ
り、例えば、M=4)のメモリセルMCAMから構成され
たメモリユニットMUAと、M本のプレート線PLMから
構成されている。そして、各メモリセルMCAMは、第1
の電極21と強誘電体層22と第2の電極23とから成
り、メモリユニットMUAを構成するメモリセルMCAM
の第1の電極21は、メモリユニットMUAにおいて共
通であり、この共通の第1の電極(共通ノードCNA
は、書込用トランジスタTRAWを介してビット線BLA
に接続され、各メモリセルMCAmを構成する第2の電極
23はプレート線(配線)PLmに接続されている。メ
モリセルMCAMは絶縁層によって被覆されている。絶縁
層を、下から、水素ガス不透過層30及び絶縁材料層3
1の積層構造とし、水素ガス不透過層30を酸化アルミ
ニウム(Al23)から構成し、絶縁材料層31をNS
Gから構成し、基体を層間絶縁層17から構成した。
尚、密着層の図示は省略した。不揮発性メモリのメモリ
ユニットMUAを構成するメモリセルの数(M)は4個
に限定されず、一般には、M≧2を満足すればよく、2
のべき数(M=2,4,8,16・・・)とすることが
好ましい。
【0134】更には、共通の第1の電極の電位変化を検
出し、この検出結果をビット線BL Aに電流又は電圧と
して伝達する信号検出回路を備えている。言い換えれ
ば、検出用トランジスタTRAS、及び、読出用トランジ
スタTRARを備えている。即ち、信号検出回路は、検出
用トランジスタTRAS及び読出用トランジスタTRAR
ら構成されている。そして、検出用トランジスタTRAS
の一端は所定の電位Vccを有する配線層(例えば、不純
物層から構成された電源線)に接続され、他端は読出用
トランジスタTRARを介してビット線BLAに接続さ
れ、各メモリセルMCAmに記憶されたデータの読み出し
時、読出用トランジスタTRARが導通状態とされ、各メ
モリセルMCAmに記憶されたデータに基づき共通の第1
の電極(共通ノードCNA)に生じた電位により、検出
用トランジスタTRASの動作が制御される。
【0135】具体的には、各種のトランジスタはMOS
型FETから構成されており、書込用トランジスタ(選
択用トランジスタ)TRAWの一方のソース/ドレイン領
域は層間絶縁層17に形成された接続孔(コンタクトホ
ール)16を介してビット線BLAに接続され、他方の
ソース/ドレイン領域は、層間絶縁層17に形成された
開口部中に設けられた接続孔18を介して共通の第1の
電極(共通ノードCN A)に接続されている。また、検
出用トランジスタTRASの一方のソース/ドレイン領域
は、所定の電位Vccを有する配線層に接続され、他方の
ソース/ドレイン領域は、読出用トランジスタTRAR
一方のソース/ドレイン領域に接続されている。より具
体的には、検出用トランジスタTRASの他方のソース/
ドレイン領域と読出用トランジスタTRARの一方のソー
ス/ドレイン領域とは、1つのソース/ドレイン領域を
占めている。更には、読出用トランジスタTRARの他方
のソース/ドレイン領域は接続孔(コンタクトホール)
16を介してビット線BL Aに接続され、更に、共通の
第1の電極(共通ノードCNA、あるいは、書込用トラ
ンジスタTRAWの他方のソース/ドレイン領域)は、開
口部中に設けられた接続孔18A、ワード線WLSを介
して検出用トランジスタTRASのゲート電極に接続され
ている。また、書込用トランジスタTRAWのゲート電極
に接続されたワード線WLW及び読出用トランジスタT
ARのゲート電極に接続されたワード線WLRは、ワー
ド線デコーダ/ドライバWDに接続されている。一方、
各プレート線PLmは、プレート線デコーダ/ドライバ
PDに接続されている。更には、ビット線BLAはセン
スアンプSAに接続されている。
【0136】この不揮発性メモリのメモリセルMCA1
らデータを読み出す場合、選択プレート線PL1にVcc
を印加する。このとき、選択メモリセルMCA1にデータ
「1」が記憶されていれば、強誘電体層に分極反転が生
じ、蓄積電荷量が増加し、共通ノードCNAの電位が上
昇する。一方、選択メモリセルMCA1にデータ「0」が
記憶されていれば、強誘電体層に分極反転が生ぜず、共
通ノードCNAの電位は殆ど上昇しない。即ち、共通ノ
ードCNAは、非選択メモリセルの強誘電体層を介して
複数の非選択プレート線PLjにカップリングされてい
るので、共通ノードCNAの電位は0ボルトに比較的近
いレベルに保たれる。このようにして、選択メモリセル
MCA1に記憶されたデータに依存して共通ノードCNA
の電位に変化が生じる。従って、選択メモリセルの強誘
電体層には、分極反転に十分な電界を与えることができ
る。そして、ビット線BLAを浮遊状態とし、読出用ト
ランジスタTRARをオン状態とする。一方、選択メモリ
セルMCA1に記憶されたデータに基づき共通の第1の電
極(共通ノードCNA)に生じた電位により、検出用ト
ランジスタTRASの動作が制御される。具体的には、選
択メモリセルMCA1に記憶されたデータに基づき共通の
第1の電極(共通ノードCNA)に高い電位が生じれ
ば、検出用トランジスタTRASは導通状態となり、検出
用トランジスタTRASの一方のソース/ドレイン領域は
所定の電位Vccを有する配線層に接続されているので、
かかる配線層から、検出用トランジスタTRAS及び読出
用トランジスタTRARを介してビット線BLAに電流が
流れ、ビット線BLAの電位が上昇する。即ち、信号検
出回路によって共通の第1の電極(共通ノードCNA
の電位変化が検出され、この検出結果がビット線BLA
に電圧(電位)として伝達される。ここで、検出用トラ
ンジスタTRASの閾値をVth、検出用トランジスタTR
ASのゲート電極の電位(即ち、共通ノードCNAの電
位)をVgとすれば、ビット線BLAの電位は概ね(Vg
−Vth)となる。尚、検出用トランジスタTRASをディ
プレッション型のNMOSFETとすれば、閾値Vth
負の値をとる。これにより、ビット線BLAの負荷の大
小に拘わらず、安定したセンス信号量を確保できる。
尚、検出用トランジスタTRASをPMOSFETから構
成することもできる。
【0137】このようなゲインセル型不揮発性メモリ
も、実質的に、実施の形態1あるいは実施の形態2にて
説明した製造方法にて製造することができるので、詳細
な説明は省略する。
【0138】尚、検出用トランジスタの一端が接続され
た配線層の所定の電位はVccに限定されず、例えば、接
地されていてもよい。即ち、検出用トランジスタの一端
が接続された配線層の所定の電位を0ボルトとしてもよ
い。但し、この場合には、選択メモリセルにおけるデー
タの読み出し時に電位(Vcc)がビット線に現れた場
合、再書き込み時には、ビット線の電位を0ボルトと
し、選択メモリセルにおけるデータの読み出し時に0ボ
ルトがビット線に現れた場合、再書き込み時には、ビッ
ト線の電位をVccとする必要がある。そのためには、図
28に例示するような、トランジスタTRIV-1,TR
IV-2,TRIV-3,TRIV-4から構成された一種のスイッ
チ回路(反転回路)をビット線間に配設し、データの読
み出し時には、トランジスタTRIV-2,TRIV-4をオン
状態とし,データの再書き込み時には、トランジスタT
IV-1,TRIV-3をオン状態とすればよい。
【0139】また、例えば、実施の形態4あるいは実施
の形態5の不揮発性メモリの変形例として、第1の電極
を上部電極とし、第2の電極を下部電極とすることもで
きる。この場合、第1の電極を形成した後、全面に絶縁
層を形成し、絶縁層に熱処理を施し、第2の電極の延在
部の上方の絶縁層に開口部を形成し、次いで、開口部内
を含む絶縁層上に配線材料層を形成した後、絶縁層上の
配線材料層をパターニングして配線(プレート線)を形
成すればよい。
【0140】また、実施の形態4あるいは実施の形態5
にて説明した不揮発性メモリにおけるメモリユニットを
絶縁層を介して積層した構造としてもよい。この場合に
は、基体上にメモリセルを作製した後、面に絶縁層を形
成する工程と絶縁層に熱処理を施す工程とを所望の回数
繰り返した後、第2の電極の上方の複数の絶縁層に開口
部を形成し、その後、配線(プレート線)を形成すれば
よい。
【0141】本発明の半導体メモリの製造方法を、強誘
電体薄膜を用いた強誘電体型不揮発性半導体メモリ(所
謂FERAM)のみならず、DRAMに適用することも
できる。この場合には、強誘電体層の分極を、分極反転
の起きない付加電圧の範囲で利用する。即ち、外部電界
による最大(飽和)分極Pmaxと外部電界が0の場合の
残留分極Prとの差(Pmax−Pr)が、電源電圧に対し
て一定の関係(ほぼ比例する関係)を有する特性を利用
する。強誘電体層の分極状態は、常に飽和分極
(Pmax)と残留分極(Pr)の間にあり、反転しない。
データはリフレッシュによって保持される。あるいは、
高誘電率を有し、ペロブスカイト構造や擬ペロブスカイ
ト構造を有する、例えばBaTiO3、SrTiO3
(Ba,Sr)TiO3から成る誘電体薄膜を用いて強
誘電体層を構成し、DRAMとすることもできる。
【0142】
【発明の効果】本発明においては、全面が絶縁層で被覆
された状態において絶縁層に熱処理を施し、脱水、脱水
素化を行うので、絶縁層から放出された水分や水素ガス
によってメモリセルの特性が劣化するといった現象や強
誘電体層が電極から剥離するといった現象の発生を確実
に防止することができる。従って、メモリセル製作後の
後工程を経てもメモリセルに電気的特性の劣化が殆ど無
く、特に耐圧に優れ、と癖の安定した強誘電体型不揮発
性半導体メモリを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1の強誘電体型不揮発性半導
体メモリの製造方法を説明するための半導体基板等の模
式的な一部端面図である。
【図2】図1に引き続き、発明の実施の形態1の強誘電
体型不揮発性半導体メモリの製造方法を説明するための
半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図3】図2に引き続き、発明の実施の形態1の強誘電
体型不揮発性半導体メモリの製造方法を説明するための
半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図4】図3に引き続き、発明の実施の形態1の強誘電
体型不揮発性半導体メモリの製造方法を説明するための
半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図5】発明の実施の形態1の[工程−170]が完了
した時点におけるメモリセルの電流−電圧特性を示す図
である。
【図6】発明の実施の形態1の[工程−180]が完了
した時点におけるメモリセルの電流−電圧特性を示す図
である。
【図7】比較例として、従来の技術において説明したメ
モリセルの製造方法における[工程−70]が完了した
時点におけるメモリセルの電流−電圧特性である。
【図8】比較例として、従来の技術において説明したメ
モリセルの製造方法における[工程−80]が完了した
時点におけるメモリセルの電流−電圧特性である。
【図9】比較例として、従来の技術において説明したメ
モリセルの製造方法(但し、[工程−60]を省略し
た)における[工程−70]が完了した時点におけるメ
モリセルの電流−電圧特性である。
【図10】比較例として、従来の技術において説明した
メモリセルの製造方法(但し、[工程−60]を省略し
た)における[工程−80]が完了した時点におけるメ
モリセルの電流−電圧特性である。
【図11】発明の実施の形態1における強誘電体型不揮
発性半導体メモリの複数から構成されたメモリアレイの
回路図である。
【図12】発明の実施の形態3の強誘電体型不揮発性半
導体メモリの製造方法を説明するための半導体基板等の
模式的な一部端面図である。
【図13】図12に引き続き、発明の実施の形態3の強
誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法を説明するた
めの半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図14】図13に引き続き、発明の実施の形態3の強
誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法を説明するた
めの半導体基板等の模式的な一部端面図である。
【図15】発明の実施の形態4の強誘電体型不揮発性半
導体メモリの回路図である。
【図16】発明の実施の形態4の強誘電体型不揮発性半
導体メモリにおける動作波形を示す図である。
【図17】発明の実施の形態4の強誘電体型不揮発性半
導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図18】発明の実施の形態4の強誘電体型不揮発性半
導体メモリの変形例の回路図である。
【図19】図18に示した発明の実施の形態4の強誘電
体型不揮発性半導体メモリの変形例における動作波形を
示す図である。
【図20】発明の実施の形態5の強誘電体型不揮発性半
導体メモリの回路図である。
【図21】発明の実施の形態5の強誘電体型不揮発性半
導体メモリの変形例の回路図である。
【図22】発明の実施の形態5の強誘電体型不揮発性半
導体メモリの模式的な一部断面図である。
【図23】ゲインセル型の強誘電体型不揮発性半導体メ
モリを発明の実施の形態4にて説明した強誘電体型不揮
発性半導体メモリに適用した場合の回路図である。
【図24】図23に示した強誘電体型不揮発性半導体メ
モリにおけるレイアウト図である。
【図25】図23に示した強誘電体型不揮発性半導体メ
モリの模式的な一部断面図である。
【図26】図23に示した強誘電体型不揮発性半導体メ
モリの、図25とは異なる断面で見たときの模式的な一
部断面図である。
【図27】ゲインセル型の強誘電体型不揮発性半導体メ
モリを発明の実施の形態5にて説明した強誘電体型不揮
発性半導体メモリに適用した場合の回路図の一例であ
る。
【図28】検出用トランジスタの一端が接続された配線
層の所定の電位を0ボルトとした場合の、ビット線間に
配設された一種のスイッチ回路を示す回路図である。
【図29】強誘電体のP−Eヒステリシスループ図であ
る。
【図30】従来の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製
造方法を説明するための半導体基板等の模式的な一部端
面図である。
【図31】図30に引き続き、従来の強誘電体型不揮発
性半導体メモリの製造方法を説明するための半導体基板
等の模式的な一部端面図である。
【符号の説明】
10・・・半導体基板、11・・・素子分離領域、12
・・・ゲート絶縁膜、13・・・ゲート電極、14・・
・ゲートサイドウオール、15・・・ソース/ドレイン
領域、16・・・接続孔(コンタクトホール)、17・
・・層間絶縁層(基体)、18・・・接続孔(コンタク
トプラグ)、20・・・密着層、21・・・第1の電
極、21A・・・第1電極材料層、22・・・強誘電体
層、22A・。・・強誘電体薄膜、23・・・第2の電
極、23A・・・第2電極材料層、30・・・水素ガス
不透過層、31・・・絶縁材料層、32・・・開口部、
33・・・配線層、BL・・・ビット線、PL・・・プ
レート線、WL・・・ワード線、MU・・・メモリユニ
ット、MC・・・メモリセル、TR・・・選択用トラン
ジスタ、CN・・・共通ノード(共通の第1の電極)、
SA・・・センスアンプ、WD・・・ワード線デコーダ
/ドライバ、PD・・・プレート線デコーダ/ドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F083 AD14 AD21 FR02 FR03 FR10 GA25 JA14 JA15 JA17 JA19 JA35 JA36 JA37 JA38 JA39 JA43 JA56 KA01 KA05 KA19 MA06 MA17 MA19 PR21 PR22 PR23 PR33

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)基体上に、第1の電極と強誘電体層
    と第2の電極とから成るメモリセルを作製する工程と、 (B)全面に絶縁層を形成する工程と、 (C)絶縁層に熱処理を施す工程と、 (D)第2の電極の上方の絶縁層に開口部を形成する工
    程と、 (E)開口部内を含む絶縁層上に配線材料層を形成した
    後、絶縁層上の配線材料層をパターニングして配線を形
    成する工程、を具備することを特徴とする強誘電体型不
    揮発性半導体メモリの製造方法。
  2. 【請求項2】絶縁層は、下から、水素ガス不透過層及び
    絶縁材料層の積層構造から成ることを特徴とする請求項
    1に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方
    法。
  3. 【請求項3】水素ガス不透過層は酸化アルミニウムから
    成り、絶縁材料層は二酸化ケイ素系材料から成ることを
    特徴とする請求項2に記載の強誘電体型不揮発性半導体
    メモリの製造方法。
  4. 【請求項4】酸化アルミニウムの厚さは、3×10-8
    乃至1×10-7mであることを特徴とする請求項3に記
    載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方法。
  5. 【請求項5】前記工程(C)おける熱処理を、酸素ガス
    雰囲気又は不活性ガス雰囲気で行うことを特徴とする請
    求項1に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造
    方法。
  6. 【請求項6】前記工程(C)おける熱処理の温度は、1
    00゜C乃至700゜Cであることを特徴とする請求項
    1に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記工程(C)おける熱処理の温度は、4
    00゜C乃至600゜Cであることを特徴とする請求項
    6に記載の強誘電体型不揮発性半導体メモリの製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記工程(C)おける熱処理の温度は、そ
    れ以降の工程におけるプロセス温度以上であることを特
    徴とする請求項1に記載の強誘電体型不揮発性半導体メ
    モリの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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