JP4602919B2 - 地中構造物の除去方法 - Google Patents

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本発明は、既存杭(既製杭、場所打杭など)や連続壁等の地中に埋設された地中構造物を除去する方法に関するものである。
近年、主に大都市周辺において、古い工場や老朽化した建物(例えば、商用ビルディングや居住用のマンションなど)を取り壊し、土地を再利用するケースが増えている。これは、我が国におけるコンクリート製建物の建築開始時からほぼ50年以上の年月が経過していることが影響しているものと考えられる。このようなケースは、今後増える一方となろう。
建築物には、それにふさわしい基礎が必要となるし、土壌汚染対策として地中に連続壁を構築する場合もある。建物を新しくするには、上物を撤去した後に、その上物に関する地中構造物をも撤去する必要がある。
特に、撤去するのがやっかいな地中構造物として、大口径の場所打拡底杭を挙げることができる。例えば、特許文献1(特開2003−34932号公報)に開示されているように、場所打杭の撤去には、ケーシングを利用するのが一般である。
次に、図15,16を参照しながら、従来技術の概要を説明する。図15に示すように、撤去されるべき地中構造物である、杭1は、直径60cm〜200cm程度の円筒状であることが多く、軸方向の長さが50mに至る大型のものもある。そして、その底部は、幅広に形成されたリブ1aとなっている。杭1は、コンクリートを主材とし、図16に示すように、その内部には、鉄筋かご3が存在する。鉄筋かご3は、複数の太い主筋3aと、主筋3a同士を接続する円筒状の横筋3bとからなる。図16に示すように、鉄筋かご3の一部は、バリ3cとなり杭1から外部へ露出していることがある。また、図15に示すように、杭1は、垂直方向に真っ直ぐ滑らかに形成されているのが望ましいが、実際には、偏芯していたり、凹凸があったり、バリがあったり、曲がっていたりというように、何らかの問題があることが多い。
ケーシング2は、もともと杭1を構築するための装置である。杭1の撤去時には、撤去しようとしている杭1よりも一回り大きなケーシング2を用い、ケーシング2の下端部に形成された歯2aにより、杭1の外周を、さらにその外周から分離(通常、「縁切り」と呼ばれる。)しながら、杭1に玉掛けされたワイヤ4を大型のクレーンで牽引し、杭1を引き抜く。また、これと同時に、ケーシング2の近傍に水を供給し、縁切りされた土を泥状にして引き抜きを容易にしようとする。
しかしながら、ケーシング2と杭1の軸方向は、必ずしも平行にはならず、ケーシング2が思うように進まないことも多い。ましてや、上述のように杭1自体に問題があれば、直ちに引き抜き工事が難航する。加えて、杭1を引き抜くための荷重は、ワイヤ4による牽引力のみであり、大型クレーンによりワイヤ4に一定の牽引力を付与しても、杭1の抵抗は変動するため、ワイヤ4は伸び縮みを繰り返し、いくら太くて強靱なワイヤ4を用いても、しばしばワイヤ4が破断してしまう。こうなると、既存のワイヤ4を取り外し、再度新たなワイヤを玉掛けする必要があるなど、工事の難航は必至である。
実際、1本の杭を引き抜くのに数ヶ月を要するのはざらであり、いくら時間をかけても引き抜けないという事態に陥る場合も多い。このため、1本の杭を引き抜く工事費用は、数百万円から場合によっては一千万円を超えることもある。
以上のような力任せのやり方では限界がある点に着目し、本発明者らは、新たな技術を提案するものである。なお、他の地中構造物の撤去についても、同様の問題点がある。
特開2003−34932号公報
そこで本発明は、迅速かつ容易に地中構造物を除去できる方法を提供することを目的とする。
第1の発明に係る除去方法は、チェーンコンベアカッタに設けられた複数のビットであって地中構造物へ臨むものを、地上を向く方向にセットし、複数のビットを地中構造物の側面に接触させ、複数のビットにより地中構造物の側面を掻き上げる。
第2の発明に係る除去方法は、複数のチェーンコンベアカッタを地中構造物を挟んで対向するように配置すると共に、複数のチェーンコンベアカッタのそれぞれに設けられた複数のビットであって地中構造物へ臨むものを、地上を向く方向にセットし、複数のビットを地中構造物の側面に接触させ、複数のビットにより地中構造物の側面を掻き上げる。
これらの構成において、複数のビットが地中構造物の側面を地上へ向けて掻き上げることにより、地中構造物は周囲の土壌から縁切りされるだけでなく、ビットによって持ち上がる方向の荷重を受ける。よって、ワイヤによる牽引力のみによる場合に比べ、遙かに容易に地中構造物を引き抜くことができる。地中構造物の多少の曲がり、凹凸、バリ等が存在したとしても、ビットによりそれらを取り除くことも可能であるし、あるいは、それらにビットを食い込ませて、掻き上げるきっかけとして利用することもできる。
複数のチェーンコンベアカッタを地中構造物を挟んで対向するように配置させると、地中構造物を両側から持ち上げることができ、さらに好ましい。
第3の発明に係る除去方法では、第1の発明に加え、チェーンコンベアカッタは、地中構造物の下部へ吐出液を吐出する。
この構成により、吐出液の圧力を地中構造物を持ち上げるために利用でき、引き抜きが容易になると共に、地中構造物が引き抜かれた結果形成される空間を、吐出液で埋めることができ、土圧が急激に変化したことによる地盤の変化を抑制できる。
第4の発明に係る除去方法では、第1の発明に加え、吐出液は、水を含む。
この構成により、縁切りされた土壌を泥状となし、引き抜きを一層容易にできる。
第5の発明に係る除去方法では、第1の発明に加え、吐出液は、固化材を含む。
この構成により、固化材を固化させれば、地盤強度を引き抜き前の状態に比べ遜色のないものにすることができる。
第6の発明に係る除去方法では、第1の発明に加え、複数のH鋼の間をチェーンコンベアカッタにより切削して複数のH鋼の間に危険断面を形成し、危険断面に亀裂を発生させる。
この構成により、地中構造物内に複数のH鋼が存在するとき、亀裂の発生により、地中構造物を複数の部分に分割でき、大きな地中構造物を小分けして、容易に撤去できる。
第10の発明に係る除去方法では、第1の発明に加え、連続壁への土圧の差を利用して亀裂を発生させる。
この構成により、特別な外力を作用させなくても、大きな地中構造物を小分けできる。
第11の発明に係る除去方法では、第1の発明に加え、チェーンコンベアカッタにより、地中構造物に軸方向を向く穴を開ける。
この構成により、地中構造物を引き抜く前に、地中構造物の一部を取り除くことができ、引き抜くべき地中構造物の重量を減らすことができる。
第12の発明に係る除去方法では、第1の発明に加え、チェーンコンベアカッタにより、地中構造物を軸方向において複数の部分に分断する。
この構成により、大きな地中構造物を小分けして、容易に撤去できる。
本発明によれば、複数のビットが地中構造物の側面を地上へ向けて掻き上げることにより、地中構造物は周囲の土壌から縁切りされるだけでなく、ビットによって持ち上がる方向の荷重を受ける。よって、ワイヤによる牽引力のみによる場合に比べ、遙かに容易に地中構造物を引き抜くことができる。これにより、地中構造物の撤去に要する、時間、手間、費用を大幅に削減できる。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。図1(a)は、本発明の実施の形態における地中構造物の除去方法に使用するチェーンコンベアカッタの正面図、図1(b)は、同側面図である。
以下、図1に基づいて、このチェーンコンベアカッタ10の構成を説明する。さて、図1に示すように、このチェーンコンベアカッタ10は、チェーンソー型チェーンコンベアカッタである。即ち、四角形の断面を持ち、縦長のポスト11の周囲に、エンドレスチェーン12が張架され、エンドレスチェーン12の外周から、外側に向けて多数のビット13が突設されている。ビット13(特に、四隅のビット)は、鉄筋を切断する場合には、超硬性カッタービットであることが望ましい。
また、エンドレスチェーン12には、駆動装置14から駆動力が付与されることにより、エンドレスチェーン12は、矢印M1方向に巡回する。
ここで、駆動装置14は、モータなどの原動機15と、この原動機15の駆動力を、所定の歯車比で減速して、エンドレスチェーン12に伝達する、減速機16とからなる。
また、図2に拡大して示しているように、ポスト11の下端部には、リターンローラ17が、回転自在に軸支されており、複数のビット13は、リターンローラ17に周接して、下降方向から上昇方向へ折り返す。
なお、チェーンコンベアカッタ10が、地中を鉛直下方へ掘削する際には、ビット13は、専らリターンローラ17付近、つまり、ポスト11の下端部付近でのみ、掘削の仕事を行う。一方、後述するように、地中構造物を掻き上げる際には、矢印M1方向に上昇する側面のビット13が主な役割を果たす。
また、図3に示すように、このチェーンコンベアカッタ10の上端部にある、連結部18には、クローラクレーン19のフック20が、係合しており、クローラクレーン19によって、チェーンコンベアカッタ10を地中から引き上げることができる。
逆に、このチェーンコンベアカッタ10は、その自重とビット13の仕事により、地中を掘削する。勿論、チェーンコンベアカッタ10が、地中を掘削するときには、クローラクレーン19のフック20の位置を、チェーンコンベアカッタ10にあわせて下げてゆけばよい。但し、この際、クローラクレーン19は、チェーンコンベアカッタ10に、押し下げる荷重を作用させるわけではない。
なお、チェーンコンベアカッタ10を、地中から引き抜いたり、水平方向に移動させることができさえすれば、図示しているクローラクレーン19に代えて、任意の装置を用いても良い。
(概要)
次に、地中構造物として杭1を例にとり、本発明の地中構造物の除去方法の概要を説明する。
まず、図4に示すように、クローラクレーン(チェーンコンベアカッタとは別のもの)から垂下するワイヤ4を杭1に掛ける。次に、一対のチェーンコンベアカッタのそれぞれビット13が杭1の周面側で上昇する向きとなるように、これらのチェーンコンベアカッタをセットし、地中の掘削を開始する。そして、杭1の下端部までチェーンコンベアカッタを進め、これらのビット13によりリブ1aを切削し除去する。このとき、ポンプ31から吐出液をチェーンコンベアカッタの下部に設けた吐出口32から吐出させ、縁切りされた土壌を泥状にする。
次に、チェーンコンベアカッタが杭1の下端部まで達したら、図5に示すように、チェーンコンベアカッタを低速高トルク回転させ、ビット13により杭1の周面を掻き上げる。同時に、吐出口32から吐出液30(ソイルセメントを貧配合したものが好ましい。)を吐出し、吐出液30の流入圧を杭1を持ち上げる方向に作用させる。このとき、杭1は、泥と吐出液30とにより形成される粘弾性流体の中に浸かった状態にあり、周辺の土壌から分離されると共に、この流体による圧力及び浮力を受ける。
その結果、杭1は上昇し、杭1の下部に空間が形成されるが、この空間は吐出液30により満たされるので、地盤の緩みが抑制される。そして、図6に示すように、地上へ至った杭1は、ワイヤ4により吊り上げられて撤去される。
地中構造物の撤去にチェーンコンベアカッタを使用すると、以下の利点がある。
(1)チェーンコンベアカッタは、任意の位置にセットできるため、切削位置の制御をしやすく、狭い場所でも実施できる。深い位置まで土壌を切削できるため、地中深くまで位置する地中構造物の除去に適する。
(2)未固結地盤だけでなく、レキ質土、岩盤、コンクリートそのものも切削できる。
(3)縦穴を形成するから、地下水位が浅い透水性地盤においても土留め工事を必要としない。
(4)軟弱地盤では、高い切削撹拌能力により、土の流動化を促進できる。
(5)緩んだ地盤では、固化材を使用して地盤改良もあわせて実施できる。
(6)超硬性カッタービットを使用でき、コンクリートだけでなく鉄筋や一部の鋼材をも破断できる。
以下、地中構造物の種類に応じた各種実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
地中構造物は、比較的小径(直径:120cm以下)の杭である。土壌は、砂、シルト等、粘着性が弱いものが対象となる。
杭の周面土をチェーンコンベアカッタにより掘削撹拌しながら(注水を併用する)、周面土を軟弱化または流動化させ、杭の周面による抵抗力を大幅に低減させて引き抜く。
図7に示すように、チェーンコンベアカッタにより杭の周面土を切削撹拌し、縦穴を2〜4カ所(個数は周面の抵抗力を考慮して増減する。)開ける。
このとき、チェーンコンベアカッタの吐出口32から杭に向けて水を吐出する。すると、水は、より抵抗が少ない経路を選び流動する性質があるため、結果的に図7に矢印で示すように、第1の縦穴から第2の縦穴に至る経路とその逆の経路において水の通り道が形成され、周面土が軟弱化または流動化する。
引き抜く際には、図5に示したように、ビット13による掻き上げ力を利用する。
(実施の形態2)
地中構造物は、比較的小径(直径:120cm以下)の杭である。土壌は、関東ローム層のように、粘着性が強いものが対象となる。
杭の周面土をチェーンコンベアカッタにより掘削撹拌しながら(注水を併用する)、周面土を軟弱化または流動化させ、杭の周面による抵抗力を大幅に低減させて引き抜く。
図8に示すように、チェーンコンベアカッタにより杭の周面土を切削撹拌し、縦穴を複数カ所(個数は周面の抵抗力を考慮して増減する。)開け、杭を縦穴で包囲する。このとき、チェーンコンベアカッタの吐出口32から杭に向けて水を吐出する。
引き抜く際には、図5に示したように、ビット13による掻き上げ力を利用する。
(実施の形態3)
地中構造物は、比較的大径(直径:120cm以上)の杭である。土壌の粘着性は、強くても弱くても差し支えない。
まず、図9に示すように、杭41の内部をチェーンコンベアカッタにより切削し、第1の縦穴を形成する。このとき、チェーンコンベアカッタのビット13により、鉄筋かご41aを切断することが望ましい。
さらに、チェーンコンベアカッタにより、周面土を切削撹拌すると共に、杭41の周辺部を切削する。これにより、第2の縦穴〜第10の縦穴を形成し、杭41の残存する部分を、外縁部42〜45に分離し小分けする。
そして、分離された外縁部42〜45を、チェーンコンベアカッタのビットによる掻き上げ力とクレーンによる牽引力により、地上へ引き抜く。なお、杭41の破片は、リサイクルすることが望ましい。
(実施の形態4)
地中構造物は、比較的大径(直径:120cm以上)の杭である。土壌の粘着性は、強くても弱くても差し支えない。
まず、図10に示すように、杭41の内部をチェーンコンベアカッタにより切削し、第1の縦穴を形成する。このとき、チェーンコンベアカッタのビット13により、鉄筋かご41aを切断することが望ましい。
次に、第1の縦穴とは角度を変えて、第2の縦穴を形成する。このとき、チェーンコンベアカッタのビット13により、鉄筋かご41aを切断することが望ましい。
さらに、チェーンコンベアカッタの角度を変えながら、周面土を切削撹拌すると共に、杭41の周辺部を切削する。これにより、第3の縦穴〜第8の縦穴を形成し、杭41の残存する部分を、外縁部46〜51に分離し小分けする。
そして、分離された外縁部46〜51を、チェーンコンベアカッタのビットによる掻き上げ力とクレーンによる牽引力により、地上へ引き抜く。なお、杭41の破片は、リサイクルすることが望ましい。
(実施の形態5)
地中構造物は、あらゆる杭、地中梁、地中壁である。チェーンコンベアカッタにより、地中構造物の全部を切削し破砕する。破片は、リサイクルする。
(実施の形態6)
地中構造物は、連続壁である。図11に示すように、この連続壁は、H鋼53を同軸状に内蔵する筒体53を、複数互いにオーバラップするように構築して形成される。筒体53の断面は、図示しているものでは円であるが、矩形など他の形状でも差し支えない。なお、図11、図12、図14において、筒体53よりも上方が連続壁の外側であり、下側が内側であるものとする。
さて、図12に示すように、チェーンコンベアカッタを連続壁に対して斜めにセットし、ビットの先端部分がH鋼53同士の隙間に至るようにする。そして、チェーンコンベアカッタによる切削を実施し、第1〜第4の縦穴を形成する。このとき、ビットの先端部分同士の間隔は、通常約5cm程度とするが、可能ならより狭くして差し支えない。これにより、連続壁に意図的に危険断面を形成し、この危険断面に剪断破壊による亀裂54、55を生じさせ、亀裂54、55を境として、長い連続壁を小分けするものである。勿論、亀裂の数は、必要に応じて種々変更できる。例えば、薄い連続壁ならば少なくし、厚い連続壁ならば多くする等である。
即ち、図13に示すように、危険断面を形成したら、その近傍において、連続壁の内側を、チェーンコンベアカッタにより切削撹拌し、図14に示すように、第5〜第8の縦穴を形成する。
このとき、図13を注意深く見れば分かるように、第5〜第8の縦穴をある程度形成した状態では、連続壁の内側には、既に土壌は存在しないか或いは土壌が流動化し土圧が低下している。一方、連続壁の外側には従前のとおり土壌が存在している。即ち、内側から連続壁に作用する土圧よりも外側から連続壁に作用する土圧の方か大きくなり、土圧の差を生じている。この土圧の差がある水準を超えると、もはや上記危険断面は土圧の差に耐えることができなくなり、剪断破壊し、亀裂54、55が発生する。
このとき、チェーンコンベアカッタを緩やかに進行させ、危険断面付近を目視で観察していれば、亀裂が生じたかどうかは知覚できるはずである。したがって、チェーンコンベアカッタの動作を、複雑な計測系を使用して制御しなければならないというわけではない。
その後は、第5〜第8の縦穴を所定深さまで形成すると共に、これらに対向する外側の第9〜第12の縦穴を形成し、亀裂54、55により分断された、各部分壁60〜62を順次地上へ引き抜く。
なお、亀裂が形成された後、連続壁の外側の土塊が大きく変位し、隣接構造物への影響が懸念されるときは、内側の縦穴形成により掘り出された土壌を再度埋め戻すなどの処置をし、土圧変位を制御することが望ましい。
(a)本発明の実施の形態における地中構造物の除去方法に使用するチェーンコンベアカッタの正面図 (b)同側面図 図1の下端部拡大図 本発明の実施の形態におけるチェーンコンベアカッタの立面図 同地中構造物の除去方法の工程説明図 同地中構造物の除去方法の工程説明図 同地中構造物の除去方法の工程説明図 本発明の実施の形態1における地中構造物の除去方法の工程説明図 本発明の実施の形態2における地中構造物の除去方法の工程説明図 本発明の実施の形態3における地中構造物の除去方法の工程説明図 本発明の実施の形態4における地中構造物の除去方法の工程説明図 本発明の実施の形態6における地中構造物の除去方法の工程説明図 本発明の実施の形態6における地中構造物の除去方法の工程説明図 本発明の実施の形態6における地中構造物の除去方法の工程説明図 本発明の実施の形態6における地中構造物の除去方法の工程説明図 従来の地中構造物の除去方法の工程説明図 従来の地中構造物の除去方法の工程説明図
符号の説明
1、40、41 杭
1a リブ
2 ケーシング
2a 歯
3、41a 鉄筋かご
3a 主筋
3b 横筋
3c バリ
4 ワイヤ
10 チェーンコンベアカッタ
11 ポスト
12 エンドレスチェーン
13 ビット
14 駆動装置
15 原動機
16 減速機
17 リターンローラ
18 連結部
19 クローラクレーン
20 フック
30 吐出液
31 ポンプ
32 吐出口
42〜51 外縁部
52 筒体
53 H鋼
54、55 亀裂
60〜62 部分壁
G 地面

Claims (11)

  1. 複数のチェーンコンベアカッタを地中構造物を挟んで対向するように配置すると共に、前記複数のチェーンコンベアカッタのそれぞれに設けられた複数のビットであって前記地中構造物へ臨むものを、地上を向く方向にセットし、
    前記複数のビットを地中構造物の側面に接触させ、前記複数のビットにより前記地中構造物の側面を掻き上げることを特徴とする地中構造物の除去方法。
  2. 前記チェーンコンベアカッタは、前記地中構造物の下部へ吐出液を吐出する、請求項記載の地中構造物の除去方法。
  3. 前記吐出液は、水を含む、請求項記載の地中構造物の除去方法。
  4. 前記吐出液は、固化材を含む、請求項記載の地中構造物の除去方法。
  5. 前記地中構造物は、既存杭である、請求項1からいずれか記載の地中構造物の除去方法。
  6. 前記地中構造物は、連続壁である、請求項1からいずれか記載の地中構造物の除去方法。
  7. 前記連続壁は、複数のH鋼を含む、請求項記載の地中構造物の除去方法。
  8. 前記複数のH鋼の間を前記チェーンコンベアカッタにより切削して前記複数のH鋼の間に危険断面を形成し、前記危険断面に亀裂を発生させる、請求項記載の地中構造物の除去方法。
  9. 前記連続壁への土圧の差を利用して前記亀裂を発生させる、請求項記載の地中構造物の除去方法。
  10. 前記チェーンコンベアカッタにより、前記地中構造物に軸方向を向く穴を開ける、請求項1からのいずれか記載の地中構造物の除去方法。
  11. 前記チェーンコンベアカッタにより、前記地中構造物を軸方向に直角な方向において複数の部分に分断する、請求項1から10のいずれか記載の地中構造物の除去方法。
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