JP6870969B2 - 既設井戸の抜管方法 - Google Patents

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Description

本発明は、周辺が住宅地等で周辺への振動の影響が懸念される、狭小な施工ヤードにおいて、地中に形成された既設井戸に埋設された、巻線スクリーン等のストレーナ部を備える井戸管を無振動で抜管する既設井戸の抜管方法に関する。
近年、都市型土木・建築工事、地滑り対策、地下ダムの揚水井、飲料用等の井戸、盤膨れ対策、ダライワーク、軟弱地盤改良河川・海岸等の水際工事、及び土壌改良工事等の様々な分野において、根切り工事に伴う地下水位低下工法として、釜揚排水工法、ウェルポイント工法、及びディープウエル工法等が用いられており、本出願人も、これらの工法に対して、楊程、被圧水対応、低透水性地盤への対応等の課題を改善し、上記分野への適用が可能であり、より大量の揚水と、より広範囲な水位低下を少本数の揚水井戸で実現するウルトラディープ(UD)工法を提案している。
これらの地下水位低下工法、特に、ディープウエル工法、及びウルトラディープ工法等では、地下水を内部に通すストレーナ部を備える鋼製井戸管を地中に埋設して、井戸を設置し、設置された井戸の井戸管内に流入した地下水を揚水ポンプで汲み上げることにより、地下水位の低下を図っている(特許文献1及び2参照)。
上述した都市型土木・建築工事等の地下水位を低下させる必要のある様々な分野の工事において、工事が終了すると、地中に設置された既設井戸の井戸管は、費用がかさむことから、回収されずにそのまま埋めたままにされていることも多いが、地主又は施主の要望などの種々の要請から、既設井戸の井戸管は、様々な方法で回収されている。
このような既設井戸の井戸管を抜管する従来の抜管方法としては、例えば、全旋回ケーシング掘削による抜管方法、バイブロハンマによる抜管方法、及び油圧ジャッキによる抜管方法が挙げられる。
全旋回ケーシング掘削による抜管方法は、把持装置、回転駆動装置、及び押込・引抜装置を備える全回転形オールケーシング掘削機を用い、既設井戸の地盤中に埋め込まれた井戸管を構成するケーシングを把持装置によって把持し、回転駆動装置によって回転させながら押込・引抜装置によって引き抜く方法である。なお、全旋回ケーシング掘削工法は、予め先端に掘削用ビットを装備したケーシングを把持装置によって把持し、回転駆動装置によって回転させながら押込・引抜装置によって地盤中に埋め込んで、ケーシングを井戸管とする井戸を設置する工事を行う際にも実施される。抜管は、工事終了後に、再度全回転形オールケーシング掘削機を用いて行われる。
バイブロハンマによる抜管方法は、クレーンにバイブロハンマを吊り下げた状態で、井戸管となるケーシングをバイブロハンマの把持装置(チャック)によって把持し、バイブロハンマによって振動を発生させて、ケーシングを通じてケーシングに接する地盤に振動を与え、地盤に流動化現象等を生じさせて、ケーシングによって引き抜く工法である。なお、バイブロハンマによる工法は、クレーンにバイブロハンマを吊り下げた状態で、井戸管となるケーシングをバイブロハンマの把持装置(チャック)によって把持し、バイブロハンマによって振動を発生させて、ケーシングを通じてケーシングに接する地盤に振動を与え、地盤に流動化現象等を生じさせてケーシングの地盤への貫入を行って、ケーシングを井戸管とする井戸を設置して工事を行う際にも実施される。抜管は、工事終了後に、再度バイブロハンマを用いて行われる。
油圧ジャッキによる抜管方法は、既設井戸の井戸管を構成するケーシングとジャッキとをワイヤ又はシャックル等で連結させ、油圧ジャッキの油圧シリンダの上昇力でケーシングを引き抜く工法である。
特許第3243501号公報 特許第3595326号公報
ところで、近年、上述した特許文献1及び2に開示の既設井戸の鋼製井戸管を埋設したまま埋め殺すのではなく、地主及び/又は施主からの要望から地盤から回収する必要がある場合が増加している。
しかしながら、都市型土木・建築工事の場合、施工ヤードが狭小、例えば、3m×5m程度であったり、施工ヤードの周囲が住宅地や建造物の密集地等であったりすると、従来の抜管方法、特に全旋回ケーシング掘削による抜管方法では、全回転形オールケーシング掘削機等の大型の機械設備を設置することができないという問題があった。
また、バイブロハンマによる抜管方法では、施工ヤードの周囲が住宅地や建造物の密集地等であったりすると、周辺への振動の影響が大きく、抜管工事を行うことができないという問題があった。
更に、油圧ジャッキによる抜管方法では、油圧ジャッキの油圧シリンダの駆動力で引抜くので、井戸管の接続部分、例えばケーシング管とストレーナ部が形成された内管又は集水管との溶接接続部分、及び/又は巻線スクリーン部等のストレーナ部の破損による井戸管残地の可能性があるという問題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、都市型土木・建築工事において施工ヤードが狭小であっても、また、施工ヤードの周囲が住宅地や建造物の密集地等であっても、ラフタークレーン等の比較的小型の機械設備を設置すればよく、住宅地等の周辺への振動の影響がなく、井戸管の溶接接続部分、及び/又は巻線スクリーン部等のストレーナ部の破損による井戸管残地の可能性を無くすことができ、都市部狭小地において井戸管を無振動で抜管することができる既設井戸の抜管方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の既設井戸の抜管方法は、施工ヤードにおいて、地中に形成された既設井戸に埋設された井戸管を抜管する既設井戸の抜管方法であって、井戸管は、ケーシング管部と、ストレーナ材をその外周に有するストレーナ管部とを有し、既設井戸の掘削孔の内周と井戸管の外周との間には、小石及び砂利を含むフィルタ層を有するものであり、既設井戸の井戸管内に設置された揚水設備を撤去し、井戸管の上端部に、注水口及び空気注入口を備える抜管用閉塞蓋と抜管吊治具とを取り付け、注水口に洗浄ホースを取り付けて井戸管内に注水して井戸管のストレーナ材を注水洗浄した後に注水を停止し、注水口に注水ラインを接続し、空気注入口に空気注入ラインを接続し、抜管吊治具とクレーンとを抜管用ワイヤによって接続し、注水口から井戸管内に注水して井戸管内を満水化して注水を停止し、空気注入口から井戸管内に空気を圧送しながら、クレーンによって抜管用ワイヤを介して抜管吊治具を吊り上げて井戸管の抜管を開始し、井戸管を地山と縁切りした後、更に、クレーンによって抜管吊治具を吊り上げて井戸管の抜管を続行し、クレーンによる井戸管の吊り上げ荷重が、井戸管自体の重量であると判断された後、井戸管内への空気の圧送を停止して、更に、クレーンによる井戸管の吊り上げ抜管を続行し、井戸管を抜管することを特徴とする。なお、前記施工ヤードは、例えば、狭小な施工ヤードであることが好ましい。
ここで、ストレーナ材は、巻線スクリーン、又はスリットスクリーンであることが好ましい。
また、揚水設備は、井戸蓋、流量調整バルブ、注水管、揚水管、及び揚水ポンプであることが好ましい。
また、洗浄ホースの一端は、注水口に取り付けられ、洗浄ホースの他端は、既設井戸の近傍の施工ヤード内に配置された洗浄ポンプに取り付けられており、井戸管のストレーナ材の注水洗浄は、洗浄ポンプを駆動して行うものであり、井戸管のストレーナ材は、ストレーナ材より吐出し洗浄されることが好ましい。
また、注水洗浄の注水圧力は、1.0MPa以下であることが好ましい。
また、注水ラインの一端は、注水口に接続され、注水ラインの他端は、既設井戸の近傍の施工ヤード内に配置された注水タンク内に設置された注水ポンプに接続され、注水ラインによる注水口から井戸管内への注水は、注水ポンプを駆動して行うものであることが好ましい。
また、注水ラインによる注水の注水圧力は、1.0MPa以下であることが好ましい。
また、抜管用閉塞蓋は、更に既設井戸の井戸管内の状態を確認するための確認窓を有し、
注水ラインによる注水によって井戸管内が満水の状態なったことが確認窓で確認された後に、注水ラインによる注水が停止されることが好ましい。
空気注入ラインの一端は、空気注入口に接続され、空気注入ラインの他端は、既設井戸の近傍の施工ヤード内に配置されたコンプレッサに接続され、
空気注入ラインによる空気注入口から井戸管内への空気の圧送は、コンプレッサを駆動して送風することにより行うものであることが好ましい。
また、コンプレッサの駆動による送風圧力は、1.0MPa以下であることが好ましい。
また、抜管用閉塞蓋は、更に既設井戸の井戸管内の状態を確認するための確認窓を有し、空気注入ラインによる空気の圧送によって井戸管の地山との縁切りの状態なったことが確認窓で確認された後に、クレーンによる井戸管の吊上げ抜管が開始されることが好ましい。
また、注水洗浄、注水ラインによる注水、及び空気注入ラインによる空気の圧送の少なくとも1つにおいて、既設井戸の掘削孔内のフィルタ層から地面上にオーバーフローした濁水は、既設井戸の近傍の施工ヤード内に配置されたサンドポンプによって回収されて処理されることが好ましい。
また、抜管吊治具は、井戸管のケーシング管の上端のフランジ部の下側に溶接されて取り付けられ、抜管用ワイヤによってクレーンのフックに接続されることが好ましい。
また、クレーンによる井戸管の抜管時の吊上げ荷重は、15t以下であることが好ましい。
また、クレーンは、ラフタークレーン、トラッククレーン、又はクローラクレーンであることが好ましい。
また、井戸管自体の重量であるとの判断は、井戸管の抜管時の吊上げ荷重が、既設井戸に設置する前の井戸管自体の重量の150%以下となった時になされることが好ましい。
また、更に、クレーンによる井戸管の吊上げ抜管の再続行を井戸管のストレーナ管が地面上に出る前に停止し、井戸管のケーシング管にカンザシを取り付けて井戸管の落下を防止し、ケーシング管のカンザシより上側の部分においてガス溶断機によってケーシング管を切断し、切断されたカンザシ付き井戸管を再抜管して、井戸管を掘削孔から抜き出して抜管を完了し、井戸管が抜き出された掘削孔を埋め戻すことが好ましい。
本発明によれば、都市型土木・建築工事において施工ヤードが狭小であっても、また、施工ヤードの周囲が住宅地や建造物の密集地等であっても、ラフタークレーン等の比較的小型の機械設備を設置すればよく、住宅地等の周辺への振動の影響がなく、井戸管の溶接接続部分、及び/又は巻線スクリーン部等のストレーナ部の破損による井戸管残地の可能性を無くすことができ、都市部狭小地において井戸管を無振動で抜管することができる。
本発明の一実施形態に係る既設井戸の抜管方法を実施する既設井戸に設置された地下水位低下装置の一例を模式的に示す構造図である。 図1に示す地下水位低下装置の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る既設井戸の抜管方法の一例を示すフローチャートである。 図1に示す既設井戸の井戸管に抜管用閉塞蓋及び抜管治具が取り付けられた状態を模式的に示す構造図である。 図4に示す既設井戸の井戸管の注水洗浄工程を実施するためのシステム構成の一例を説明するための構成図である。 図4に示す既設井戸の井戸管に対して本発明の抜管方法を実施するため既設井戸の抜管システムの構成の一例を示す構成図である。 図6に示す既設井戸の抜管システムにおいて実施される井戸管内への注水工程を説明するための説明図である。 図6に示す既設井戸の抜管システムにおいて実施される井戸管内への空気圧送工程を説明するための説明図である。 図6に示す既設井戸の抜管システムにおいて実施される井戸管の引抜き工程を説明するための説明図である。 図9に示す既設井戸の引き抜かれた井戸管の切断工程を説明するための説明図である。
以下に、本発明に係る既設井戸の抜管方法を添付の図面に示す好適実施形態を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る既設井戸の抜管方法を実施する既設井戸に設置された地下水位低下装置の一例を模式的に示す構造図である。図2は、図1に示す地下水位低下装置の構造を模式的に示す断面図である。
図1及び図2に示す地下水位低下装置10は、ディープウエル工法、及び本出願人が提案するウルトラディープ工法等に用いられるもので、地盤E中に掘削される掘削孔11内に設けられる既設井戸12を構成する井戸管14と、井戸蓋16と、揚水ポンプ18と、揚水管20と、流量調整バルブ22と、揚水タンク24と、真空ポンプ26と、吸気ホース28と、洗浄用注水管30と、を有する。
また、井戸管14は、ケーシング管32と、ストレーナ管34とを有する。
なお、既設井戸12では、地盤E中の掘削孔11と井戸管14の外周との間には、砂利などが充填されたフィルタ層Fが設けられている。
ここでは、既設井戸12が揚水井戸として揚水に用いられる時を基準にして、揚水ポンプ18、及び揚水管20と呼ぶが、本発明はこれに限定されず、既設井戸12が注水井戸として注水に用いられる時には、揚水ポンプを洗浄ポンプと、揚水管を洗浄揚水管と呼んでも良い。また、洗浄用注水管30は揚水井戸時には無く、注水井戸時に用いられるものである。
地下水位低下装置10は、地下水対策として、地下水を地上に排水することによって地下水位を低下させる地下水位低下方法を実施するためのもので、地盤E中に埋設された井戸管14の周囲の地盤E中に含まれている地下水を井戸管14のストレーナ管34を通して井戸管14内に流入させ、流入した地下水を揚水ポンプ18によって汲み上げて、揚水管20、及び流量調整バルブ22を介して、地上の揚水タンク24に排水するためのものである。この時、地下水位低下装置10では、真空ポンプ26によって井戸管14内を負圧にして地下水の地上への排水の促進を図っている。
既設井戸12では、井戸管14が地盤E中に埋設され、井戸管14内及びその周辺には、地下水位低下装置10を構成する、例えば具体的には揚水設備を構成する井戸蓋16、揚水ポンプ18、揚水管20、流量調整バルブ22、揚水タンク24、真空ポンプ26、吸気ホース28、及び洗浄用注水管30等が、配置されている。
井戸管14は、フィルタ層F及びストレーナ管34によって周辺の土石や砂利等と分離して混入させることなく井戸管14の周辺の地下水のみを井戸管14の内部に流入させて貯留し、井戸管14内に流入し、貯留された地下水を地上に排水するために用いられるもので、上述したように、ケーシング管32と、ストレーナ管34とを有する。
ケーシング管32は、井戸管14の上側部分を構成し、例えば鋼製の円管、いわゆる鋼管からできている。ケーシング管32は、地盤Eの地下水位が変動してもストレーナ管34の範囲に納まるように、地表からストレーナ管34までを接続している。
ストレーナ管34は、図1及び図2に示すように、ケーシング管32の下端に設けられるもので、円筒状の鋼管からなる集水管36と、集水管36の外周に所定の間隔の隙間37を形成するように設けられた円管状のストレーナ材38とを有する。
集水管36は、その上端が、ケーシング管32の下端に、例えば溶接等により接合されるもので、下端側の所定の領域は砂溜め部40となっており、砂溜め部40の上側の所定の領域には、ストレーナ材38を通過してストレーナ材38と集水管36との間の隙間37に流入した地下水を集水管36内に導入するための複数の通水孔42が、集水管36の管壁を貫通するように形成されている。砂溜め部40の下端となる集水管36の底部は、砂溜め用の底蓋41で閉鎖されている。
通水孔42は、上下方向に長い矩形のスリット状のものであり、集水管36の上下方向に1列以上、集水管36の周方向に、例えば等間隔で複数個整列して格子状、又は千鳥状に配置されている。
円管状のストレーナ材38は、フィルタ層Fによって周辺の地盤E中の土石が分離され、砂利等を含む地下水から砂利等を分離して混入させることなく地下水のみを集水管36とストレーナ材38との間の隙間37に流入させるためのもので、例えば集水管36の外周に等間隔で配置される細長い鋼管からなるスペーサ(図示せず)に鋼線を連続的に券回した複数の巻線からなる特殊スクリーン、いわゆる巻線スクリーンである。この特殊スクリーンの巻線間の間隔は、空気を透過させること無く地下水等の水のみを透過させる所要の透水性能を確保でき、かつ砂およびゴミなどの異物の侵入を防止できるような所定値に設定されている。このようなストレーナ材38としては、ディープウエル工法等に用いられる井戸用の特殊スクリーン、例えば本出願人が提案するウルトラディープ工法に用いられるウルトラディープ特殊スクリーン等の巻線スクリーンの他、スリットスクリーン等を挙げることができる。
図2に示す例では、集水管36とケーシング管32とは、コストや製造の面から、同じ外径及び肉厚の鋼管で構成されていることが好ましいため、ストレーナ管34の外径は、ケーシング管32の外径よりも大きくなる。
例えば、ケーシング管32及び集水管36が、外径406.4mm、肉厚6.4mmの鋼管であり、図示しないスペーサが、外径21.7mm、肉厚1.9mmの細長い鋼管であり、ストレーナ材38の巻線が、幅4.0mm、厚さ3.2mmの亜鉛メッキを施した鋼線である井戸管14を用いることができ、ストレーナ管34の外径は、456.2mmとなり、ケーシング管32の外径よりも、49.8mm、半径で24.9mmだけ太くなる。
このように、ストレーナ管34と、ケーシング管32とは、その外径に差があるが、その差は小さいので、本願の図面では、図2以外の図1、図4〜図10おいては、ストレーナ管34とケーシング管32とは同じ外径で示している。
なお、本発明の井戸管14のケーシング管32とストレーナ管34の集水管36とは同じ外径及び肉厚であり、ストレーナ管34の外径がケーシング管32の外径より大きくなることに限定されず、即ち本発明は、図2に示す例に限定されず、どのような大きさの組み合わせであっても良い。例えば、特許文献1に記載の地下水位低下装置のように、集水管(内筒管)の外径をケーシング管の外径より小さくして、ケーシング管とストレーナ管との外径を同じにしても良い。
井戸蓋16は、井戸管14の上端を塞ぐように井戸管14の上端部に(例えば、ケーシング管32の上端部のフランジ33にボルト及びナットなどの固定具(図示せず)によって)に取り付けられるもので、井戸管14内の水面より上の内部空間(管内空間)Sを密閉している。この管内空間Sは、真空ポンプ26により、減圧され、負圧に維持される。なお、井戸蓋16には、揚水管20の上側部分が貫通するように取り付けられており、また、吸気ホース28が接続される吸気口16a及び洗浄用注水管30が接続される洗浄注水口16bが取り付けられている。更に、井戸蓋16には、上述の管内空間Sの負圧を検出するための真空計27が取り付けられていても良い。
揚水ポンプ18は、井戸管14内に流入した地下水を地上に汲み上げるための水中ポンプであって、例えば、ポンプ本体とモータ部が一体化され、井戸管14のストレーナ管34の集水管36の通水孔42より少し上側に吸水口が来るように配置され、揚水管20に接続されている。
揚水管20は、揚水ポンプ18に接続され、井戸管14内、即ち、ストレーナ管34及びケーシング管32の内部を通って延び、井戸蓋16に取り付けられて地上に延びており、その部分に、流量調整バルブ22が設けられている。
流量調整バルブ22は、揚水管20に設けられ、揚水ポンプ18による地下水の揚水量を調節するためのものであり、揚水タンク24に接続されている。
揚水タンク24は、揚水ポンプ18によって汲み上げられて地上に排水された地下水を貯留するためのもので、既設井戸の12の井戸管14の近傍の地盤E上に配置される。なお、揚水タンク24に貯留された地下水は、その中に含まれている固形分(土壌成分:例えば、砂分、シルト分、粘土分等)を沈殿分離して清浄化されて清浄水とされた後、清浄水は、河川等に放流される。
真空ポンプ26は、井戸管14(ケーシング管32及び集水管36)内に形成される密閉された管内空間Sに負圧を導入し、そのバキューム効果によって、地盤E内の地下水を管内空間Sに向かって吸引するためのもので、その結果、揚水ポンプ18による揚水を促進し、地下水位の低下を効率よく行わせるのに寄与する。なお、管内空間S内の負圧は、真空計27によって計測され、モニタされる。
吸気ホース28は、真空ポンプ26と、井戸蓋16の吸気口16aを接続するためのものである。
洗浄用注水管30は、注水井戸時において、井戸管14のケーシング管32内に配置され、井戸蓋16に接続される細管であって、井戸管14内の洗浄のために、洗浄注水口16bから洗浄水、例えば清浄水を井戸管14内に注水するためのものである。
本発明の既設井戸の抜管方法の対象となる図1及び図2に示す地下水位低下装置10、既設井戸12及び井戸管14は、基本的に以上のように構成されるが、本発明はこれに限定されず、地盤中に形成された既設井戸であって、埋設された井戸管が引き抜く必要のある井戸管であれば、いかなる井戸管であっても良いし、いかなる既設井戸を構成する井戸管であっても良い。
次に、図1及び図2に示す地下水位低下装置の既設井戸を構成する井戸管を引き抜く例を代表例として、本発明の既設井戸の抜管方法を説明する。なお、本発明が、このような井戸管の抜管に限定されるわけではないことは勿論である。
図3は、本発明の一実施形態に係る既設井戸の抜管方法の一例を示すフローチャートである。
図3に示すステップS10においては、先ず、地下水位低下装置10の既設井戸12の井戸管14内外に設置された地下水位低下装置10の揚水設備を撤去する。ここで、揚水設備としては、例えば井戸蓋16、揚水ポンプ18、揚水管20、流量調整バルブ22、揚水タンク24、真空ポンプ26、吸気ホース28、及び洗浄用注水管30等を挙げることができる。ここで、揚水ポンプ18、揚水管20、及び洗浄用注水管30等は、井戸管14の上端部、即ちケーシング管32のフランジ33からボルト及びナットなどの固定具(図示せず)を取り外して井戸蓋16を取り外した後、井戸管14内から引き揚げて回収されて、撤去される。流量調整バルブ22、及び吸気ホース28は、予め井戸蓋16から取り外して撤去しても良いし、井戸蓋16とともに撤去しても良い。揚水タンク24、及び真空ポンプ26は、設置場所から撤去すればよい。
次に、ステップS12において、図4に示すように、井戸蓋16を取り外した井戸管14の上端部、即ちケーシング管32のフランジ33に、注水口44a、空気注入口44b、及び確認口44cを備える抜管用閉塞蓋44をボルト及びナットなどの固定具(図示せず)によって取り付けて固定する。井戸管14の上端部(フランジ33)への抜管用閉塞蓋44の固定は、アーク溶接等の溶接により行っても良い。
次に、井戸管14の上端側、即ちフランジ33直下のケーシング管32の外周部分に抜管吊治具46をアーク溶接等によって溶接して取り付ける。図示例では、2つの抜管吊治具46が、ケーシング管32の直径方向の2か所の外周部分に設けられているが、ケーシング管32の中心に対して点対象に3つ以上設けても良い。
次に、ステップS14において、図5に示すように、井戸管14の上端部に取り付けられた抜管用閉塞蓋44の注水口44aに洗浄ホース48の一端を取り付ける。洗浄ホース48の他端は、既設井戸12の周辺近傍に設置された洗浄水タンク50内に配置された洗浄ポンプ52に接続されている。
この後、洗浄ポンプ52を駆動して、洗浄水タンク50内の洗浄水を、洗浄ホース48を介して、注水口44aから井戸管14内に注水する。こうして井戸管14内に注水された洗浄水は、ケーシング管32を通り、図2に示すように、ストレーナ管34の集水管36を満たす。集水管36内に満たされた洗浄水は、通水孔42から集水管36外周の隙間37に逆流され、隙間37に逆流された洗浄水は、ストレーナ材38のスクリーンを透過してフィルタ層F内に吐き出される。こうして、井戸管14のストレーナ管34のストレーナ材38を洗浄する。ストレーナ材38が十分に洗浄されると、注水洗浄のための洗浄水の注水は、停止される。なお、注水洗浄の注水圧力は、最大、1.0MPaであることが好ましく、0.8MPa以下であることがより好ましい。注水圧力が1.0MPa以下であることが好ましい理由は、井戸蓋16や抜管用閉塞蓋44には、JIS10Kフランジを使用しており、圧力を10kgf/cm(=1.0MPa)以下にする必要があるためである。なお、注水洗浄の注水圧力は、井戸蓋16や抜管用閉塞蓋44の耐圧に応じて設定しても良い。
この時、井戸管14内に注水された洗浄水は、井戸管14のストレーナ材38のスクリーンを透過して洗浄してフィルタ層F内に吐き出されて、濁水となって掘削孔11内のフィルタ層Fから地表にオーバーフローする。地表にオーバーフローした濁水は、既設井戸12の周辺に設置されたサンドポンプ54によって回収されて処理される。
次に、ステップS16において、図6に示すように、井戸管14の上端部に取り付けられた抜管用閉塞蓋44の注水口44aに注水ホース56の一端を取り付ける。この時、注水ホース56の他端は、既設井戸12の周辺近傍に設置された注水タンク58内に配置された注水ポンプ60に接続されている。こうして、注水タンク58内の注水ポンプ60から抜管用閉塞蓋44の注水口44aに至る、更に井戸管14内に至る注水ラインが接続される。
また、図6に示すように、井戸管14の上端部に取り付けられた抜管用閉塞蓋44の空気注入口44bにエアーホース62の一端を取り付ける。この時、エアーホース62の他端は、既設井戸12の周辺近傍に設置されたコンプレッサ64に接続されている。こうして、コンプレッサ64から抜管用閉塞蓋44の空気注入口44bに至る、更に井戸管14内に至るエアーラインが接続される。
また、図6に示すように、井戸管14の上端側の外周部分に取り付けられた抜管吊治具46を抜管ワイヤ66によってクレーン(図示せず)、例えばラフタークレーン(図示せず)のクレーンフック68に接続する。図示例では、2つの抜管吊治具46の孔部46aに2つの抜管ワイヤ66をそれぞれ通し、2つの抜管ワイヤ66をフック68に係合させることにより、フック68と2つの抜管吊治具46とを2つの抜管ワイヤ66によって接続している。
次に、ステップS18において、図7に示すように、注水ポンプ58を駆動して、注水タンク60内の水を、注水ホース56を含む注水ラインを介して、抜管用閉塞蓋44の注水口44aから井戸管14内に注水して、井戸管14内を満水化する。なお、この時の注水圧力は、最大で1.0MPaであることが好ましく、0.8MPa以下であることがより好ましい。その理由は、上述した通りである。
ここで、抜管用閉塞蓋44の確認口44cから井戸管14内が満水化されたことが確認されると、注水ポンプ58の駆動が停止され、注水口44aからの井戸管14内への注水は停止される。
この時、井戸管14内に注水された水は、注水洗浄の場合と同様にして、井戸管14のストレーナ材38のスクリーンを透過してフィルタ層F内に吐き出されて、濁水となって掘削孔11内のフィルタ層Fから地表にオーバーフローするので、地表にオーバーフローした濁水は、既設井戸12の周辺に設置されたサンドポンプ54によって回収されて処理される。
ここで、図6及び図7に示す注水ホース56、注水タンク58、注水ポンプ60、及び注水タンク58内の水は、それぞれ図5に示す洗浄ホース48、洗浄水タンク50、洗浄ポンプ52、及び洗浄水タンク50内の洗浄水と同じであっても良いし、異なっていても良い。
次に、ステップS20において、図8に示すように、コンプレッサ64を駆動して、コンプレッサ64からエアーホース62を含むエアーラインを介して、抜管用閉塞蓋44の空気注入口44bから井戸管14内に空気を圧送(送風)しながら、クレーンフック68によって抜管用ワイヤ66を介して抜管吊治具46を吊り上げて井戸管14の抜管を開始する。なお、この時の圧送(送風)圧力は、最大で1.0MPaであることが好ましく、0.7MPa以下であることがより好ましい。その理由は、高圧コンプレッサを使用すれば、コンプレッサ(エンジン)の最大圧力まで可能であるが、井戸蓋16や抜管用閉塞蓋44の耐圧、バッキ圧、注水洗浄時(ステップ14)の注水圧力、及び注水時(ステップ20)のの注水圧力等が、1.0MPa(10kgf/cm)であるからためである。なお、高圧コンプレッサは、特殊用途に用いられることが多いものであり、高価であることから、通常コンプレッサを用いることが好ましい。このように通常コンプレッサを用いる場合には、通常コンプレッサ(エンジン)の最大圧力は、0.7MPaであるため、送風圧力は、0.7MPaとすることがより好ましい。ここで、コンプレッサ64は、圧送(送風)圧力を、好ましくは最大で1.0MPa、より好ましくは最大で0.7MPaとすることができれば、特に制限的ではないが、例えば、50HP(馬力)程度のパワーを持つものであることが好ましい。なお、コンプレッサ64は、井戸蓋16や抜管用閉塞蓋44の内径や、既設井戸12の深度等により、50HP以上のパワーを持つものを使用しても良いのは勿論である。
また、クレーンフック68による抜管吊治具46、即ち井戸管14の吊り上げ荷重は、15t以下であることが好ましく、5t〜10tであることがより好ましい。その理由は、アーク溶接等により取り付けた抜管吊治具46の溶接部の切断強度を考慮して、15t超の荷重時は、抜管吊治具46の取り付けに細心の注意が必要となるからである。
この時、井戸管14内に満水化されていた水は、井戸管14内への空気の圧送により、井戸管14内への注水の場合と同様にして、井戸管14のストレーナ材38のスクリーンを透過してフィルタ層F内に吐き出されて、濁水となって掘削孔11内のフィルタ層Fから地表にオーバーフローするので、地表にオーバーフローした濁水は、既設井戸12の周辺に設置されたサンドポンプ54によって回収されて処理される。
次に、ステップS22において、図9に示すように、空気を送風圧力好ましくは1.0MPa以下、より好ましくは0.7MPa以下で井戸管14内に圧送しながら、例えばラフタークレーン(図示せず)等のクレーンフック68により、吊り上げ荷重好ましくは15t以下で、より好ましくは5t〜10tで井戸管14の吊り上げ抜管を続けていると、井戸管14の地山との縁切りが生じる。ここで、井戸管14の地山との縁切りが生じたことが確認されると、吊り上げ荷重は低下するが、その吊り上げ荷重で、例えばラフタークレーン(図示せず)等のクレーンフック68により井戸管14の吊り上げ抜管を実施し、更に続行すると、井戸管14は、地盤E中の切削孔11から少しずつ引き抜かれる。井戸管14の抜管が進むにつれて、吊り上げ荷重は低下する。本発明に用いられるクレーンは、上記ラフタークレーンに限定されず、トラッククレーン、又はクローラクレーンであっても良い。
次に、ステップS24において、図9に示すように、クレーンフック68による井戸管14の吊り上げ荷重が、井戸管14自体程度の重量、例えば好ましくは井戸管14自体の重量の150%以下(の引抜荷重)になると、井戸管14自体程度の重量であると判断され、井戸管14内への空気の圧送を停止して、更に、クレーンフック68による井戸管14の吊り上げ抜管を続行する。こうして、井戸管14のケーシング管32の所定位置(井戸管14の長さ及び施工ヤードの大きさに応じて決まる切断位置)が地盤Eの地表上に出る迄抜管する。
即ち、ステップS22及び24では、空気(エアー)圧力により浮力が生じ、クレーンによる井戸管14の吊り上げ抜管の荷重、いわゆる吊り上げ荷重が減少する。クレーンによる井戸管14の引抜荷重においてエアーの供給は停止される。
次に、ステップS26において、図10に示すように、井戸管14のケーシング管32の所定位置までが地盤Eの地面上に出るが、井戸管14のストレーナ管34が地面上に出る前に、クレーンフック68による井戸管14の吊上げ抜管の再続行を停止する。なお、井戸管14のストレーナ管34が地面上に出る迄抜管を続行しても良い。井戸管14のストレーナ管34の巻線スクリーン部が地上に露出すると、エアー圧力により注水された水やこれを含む泥水が巻線スクリーン部から外部に飛散したり、押し出されたりする。
この後、井戸管14のケーシング管32にカンザシ70を取り付けて、カンザシ70で井戸管14を地盤Eの地面に支持し、井戸管14の掘削孔11への落下を防止する。この時、抜管用閉塞蓋44の注水口44a、及び空気注入口44bから、それぞれ注水ホース56、及びエアーホース62を取り外しておくことが好ましい。
次に、ステップS28において、図10に示すように、ケーシング管32のカンザシ70より上側の切断位置Pにおいてガス溶断機(図示せず)によってケーシング管32をガス切断する。
ここで、カンザシ70は、既設井戸12の井戸管14に穴(図示せず)を開け、開けられた穴に差し込んで、井戸管14を串刺しの状態にするためのものである。カンザシ70としては、井戸管14を串刺しの状態にして井戸管14を支持できれば、どのようなものでも良いが、例えば、角パイプやH形鋼等を用いることができる。
また、井戸管14を一度に引き抜かずに、一旦引き抜いて、ケーシング管32を切断して、再度抜管する理由は、長い井戸管14等の長尺物の取り扱いは、クレーン作業時、旋回や、荷ぶれ等によって施工ヤードの周囲構造物との接触を避けるために特に注意が必要となる。したがって、旋回時や荷ぶれ等による施工ヤードの周囲構造物との接触等の防止を考慮すると、短尺物の方が接触等のリスクを低減できるからである。また、抜管に用いるクレーンも、小型のクレーンで対応でき、長尺パイプなどの長尺物の吊作業を低減できるからである。
次に、ステップS30において、クレーン、例えばラフタークレーン(図示せず)を用いて、切断されたカンザシ70付き井戸管14(ストレーナ管34)を再抜管して、井戸管14を掘削孔11から完全に抜き出して抜管を完了する。この時、クレーンによる抜管の前に、切断されたカンザシ70付き井戸管14に抜管吊治具46を再度溶接して取り付け、抜管吊治具46の孔部46aに抜管用ワイヤ66を通し、又は切断されたカンザシ70付き井戸管14に穴(図示せず)を開け、この穴に抜管用ワイヤ66を通し、抜管用ワイヤ66をクレーンフック68に係合させる。
次に、ステップS32において、井戸管14の抜管完了後、井戸管14が抜き出された掘削孔11を埋め戻して、本発明の既設井戸の抜管方法は終了する。
上述した例では、井戸管14の抜管完了後、井戸管14が抜き出された掘削孔11を埋め戻しているが、本発明はこれに限定されず、井戸管14の抜管を井戸管14の途中で停止し、既設井戸12の掘削孔11の横、又は周囲に掘削孔11と連通する注入孔(図示せず)をボーリング(穿孔)し、注入孔から注入剤を注入して埋め戻すことを繰り返しても良い。
また、上述した例では、井戸管14を一旦途中まで引き抜いて、ケーシング管32を切断して、再度抜管しているが、本発明はこれに限定されず、既設井戸12の井戸管14の長さが施工ヤードの大きさ(広さ)や、周辺構造物の状態に比してそれほど長くない場合、又は短い場合や、施工ヤードの広さが広く、周辺構造物が邪魔にならない場合には、通常、井戸管14を一度に、又は一気に引き抜き、抜管後、埋め戻しても良い。
以上、本発明の既設井戸の抜管方法について、種々の実施形態、及び実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、これらの実施形態、及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良又は変更をしてもよいのは勿論である。
10 地下水位低下装置
12 既設井戸
14 井戸管
16 井戸蓋
18 揚水ポンプ
20 揚水管
22 流量調整バルブ
24 揚水タンク
26 真空ポンプ
28 吸気ホース
30 洗浄用注水管
32 ケーシング管
34 ストレーナ管
36 集水管
38 ストレーナ材
40 砂溜め部
42 通水孔
44 抜管用閉塞蓋
44a 注水口
44b 空気注入口
44c 確認口
46 抜管吊治具
46a 孔部
48 洗浄ホース
50 洗浄水タンク
52 洗浄ポンプ
54 サンドポンプ
56 注水ホース
58注水タンク
60 注水ポンプ
62 エアーホース
64 コンプレッサ
66 抜管ワイヤ
68 (クレーン)フック
70 カンザシ
E 地盤
F フィルタ層

Claims (18)

  1. 施工ヤードにおいて、地中に形成された既設井戸に埋設された井戸管を抜管する既設井戸の抜管方法であって、
    前記井戸管は、ケーシング管と、ストレーナ材をその外周に有するストレーナ管とを有し、
    前記既設井戸の掘削孔の内周と前記井戸管の外周との間には、小石及び砂利を含むフィルタ層を有するものであり、
    前記既設井戸の前記井戸管内外に設置された揚水設備を撤去し、
    前記井戸管の上端部に、注水口及び空気注入口を備える抜管用閉塞蓋と抜管吊治具とを取り付け、
    前記注水口に洗浄ホースを取り付けて前記井戸管内に注水して前記井戸管の前記ストレーナ材を注水洗浄した後に注水を停止し、
    前記注水口に注水ラインを接続し、前記空気注入口に空気注入ラインを接続し、前記抜管吊治具とクレーンとを抜管用ワイヤによって接続し、
    前記注水口から前記井戸管内に注水して前記井戸管内を満水化して注水を停止し、
    前記空気注入口から前記井戸管内に空気を圧送しながら、前記クレーンによって抜管用ワイヤを介して前記抜管吊治具を吊り上げて前記井戸管の抜管を開始し、
    前記井戸管を地山と縁切りした後、更に、前記クレーンによって前記抜管吊治具を吊り上げて前記井戸管の抜管を続行し、
    前記クレーンによる前記井戸管の吊り上げ荷重が、前記井戸管自体の重量であると判断された後、前記井戸管内への前記空気の圧送を停止して、更に、前記クレーンによる前記井戸管の吊り上げ抜管を続行し、前記井戸管を抜管することを特徴とする既設井戸の抜管方法。
  2. 前記ストレーナ材は、巻線スクリーン、又はスリットスクリーンである請求項1に記載の既設井戸の抜管方法。
  3. 前記揚水設備は、井戸蓋、流量調整バルブ、注水管、揚水管、及び揚水ポンプである請求項1又は2に記載の既設井戸の抜管方法。
  4. 前記洗浄ホースの一端は、前記注水口に取り付けられ、前記洗浄ホースの他端は、前記既設井戸の近傍の前記施工ヤード内に配置された洗浄ポンプに取り付けられており、
    前記井戸管の前記ストレーナ材の前記注水洗浄は、前記洗浄ポンプを駆動して行うものであり、前記井戸管の前記ストレーナ材は、前記ストレーナ材より吐出し洗浄される請求項1〜3のいずれか1項に記載の既設井戸の抜管方法。
  5. 前記注水洗浄の注水圧力は、1.0MPa以下である請求項4に記載の既設井戸の抜管方法。
  6. 前記注水ラインの一端は、前記注水口に接続され、前記注水ラインの他端は、前記既設井戸の近傍の前記施工ヤード内に配置された注水タンク内に設置された注水ポンプに接続され、
    前記注水ラインによる前記注水口から前記井戸管内への前記注水は、前記注水ポンプを駆動して行うものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の既設井戸の抜管方法。
  7. 前記注水ラインによる前記注水の注水圧力は、1.0MPa以下である請求項6に記載の既設井戸の抜管方法。
  8. 前記抜管用閉塞蓋は、更に前記既設井戸の前記井戸管内の状態を確認するための確認窓を有し、
    前記注水ラインによる前記注水によって前記井戸管内が満水の状態なったことが前記確認窓で確認された後に、前記注水ラインによる前記注水が停止される請求項1〜7のいずれか1項に記載の既設井戸の抜管方法。
  9. 前記空気注入ラインの一端は、前記空気注入口に接続され、前記空気注入ラインの他端は、前記既設井戸の近傍の前記施工ヤード内に配置されたコンプレッサに接続され、
    前記空気注入ラインによる前記空気注入口から前記井戸管内への前記空気の圧送は、前記コンプレッサを駆動して送風することにより行うものである請求項1〜8のいずれか1項に記載の既設井戸の抜管方法。
  10. 前記コンプレッサの駆動による送風圧力は、1.0MPa以下である請求項9に記載の既設井戸の抜管方法。
  11. 前記抜管用閉塞蓋は、更に前記既設井戸の前記井戸管内の状態を確認するための確認窓を有し、
    前記空気注入ラインによる前記空気の圧送によって前記井戸管の前記地山との縁切りの状態なったことが前記確認窓で確認された後に、前記クレーンによる前記井戸管の吊上げ抜管が開始される請求項1〜10のいずれか1項に記載の既設井戸の抜管方法。
  12. 前記注水洗浄、前記注水ラインによる前記注水、及び前記空気注入ラインによる前記空気の圧送の少なくとも1つにおいて、前記既設井戸の前記掘削孔内の前記フィルタ層から地面上にオーバーフローした濁水は、前記既設井戸の近傍の前記施工ヤード内に配置されたサンドポンプによって回収されて処理される請求項1〜11のいずれか1項に記載の既設井戸の抜管方法。
  13. 前記抜管吊治具は、前記井戸管の前記ケーシング管の上端のフランジ部の下側に溶接されて取り付けられ、前記抜管用ワイヤによって前記クレーンのフックに接続される請求項1〜12のいずれか1項に記載の既設井戸の抜管方法。
  14. 前記クレーンによる前記井戸管の抜管時の吊上げ荷重は、15t以下である請求項13に記載の既設井戸の抜管方法。
  15. 前記クレーンは、ラフタークレーン、トラッククレーン、又はクローラクレーンである請求項1〜14のいずれか1項に記載の既設井戸の抜管方法。
  16. 前記井戸管自体の重量であるとの判断は、前記井戸管の抜管時の吊上げ荷重が、前記既設井戸に設置する前の前記井戸管自体の重量の150%以下となった時になされる請求項1〜15のいずれか1項に記載の既設井戸の抜管方法。
  17. 更に、前記クレーンによる前記井戸管の吊上げ抜管の再続行を前記井戸管の前記ストレーナ管が地面上に出る前に停止し、前記井戸管の前記ケーシング管にカンザシを取り付けて前記井戸管の落下を防止し、
    前記ケーシング管の前記カンザシより上側の部分においてガス溶断機によって前記ケーシング管を切断し、
    切断された前記カンザシ付き前記井戸管を再抜管して、前記井戸管を前記掘削孔から抜き出して抜管を完了し、
    前記井戸管が抜き出された前記掘削孔を埋め戻す請求項1〜16のいずれか1項に記載の既設井戸の抜管方法。
  18. 前記クレーンによる前記井戸管の吊上げ抜管を前記井戸管の途中で停止し、前記掘削孔の横、又は周囲に前記掘削孔に連通する注入孔を穿孔し、該注入孔から注入剤を注入して埋め戻すことを繰り返す請求項1〜17のいずれか1項に記載の既設井戸の抜管方法。
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