JP4601749B2 - タフテッド製品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、電気カーペット、電気毛布、電気座布団等の電熱製品の表面カバー、あるいは炬燵カバー、敷物、敷布、座布団、膝掛け、車両用床敷物、車両用椅子張地等として用いられるタフテッド製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、一次基布にパイルがタフティングされてなるタフテッドパイル原反の裏面に、樹脂又はゴムラテックスを塗布して形成される接着剤層を介して二次基布が貼り合わされた構成のタフテッド製品は、カーペット、ダストコントロールマット等として用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のタフテッド製品では次のような問題があった。即ち、タフテッドパイル原反と二次基布との間に樹脂又はゴムの接着剤層が存在するために、タフテッド製品として十分な通気性が得られないという問題があった。また、接着剤層が存在すること等に起因して硬さがあり、タフテッド製品として十分な柔らかさ(折り曲げに対する柔らかさ)を得ることができないという問題もあった。また、軽量性を具備させつつ十分なパイル抜糸強度を得ることができなかった。即ち、接着剤の付着量を多くしてやれば、それだけパイル抜糸強度を向上させることができるわけであるが、その反面、接着剤付着量の増大により軽量性を確保することができなくなり、このように軽量性と十分なパイル抜糸強度を両立させることが困難であった。更に、接着剤の二次基布に対する接着性も不十分であった。加えて、タフテッドパイル原反裏面のバックステッチ層への接着剤の浸透が十分ではないため、パイルの遊び毛が多く、使用時においてパイルの抜けが発生しやすいという難点もあった。
【0004】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、十分な柔らかさを有し、通気性、軽量性に優れ、十分なパイル抜糸強度を有すると共に、二次基布との接着性も良好で、パイル遊び毛の極めて少ないタフテッド製品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者は鋭意研究の結果、一次基布としてプラスチックヤーンの織布を用い、接着剤としてはゴムおよび合成樹脂から選択される1種または2種以上の高分子成分を含有してなる特定の機械特性及び発泡倍率がそれぞれ特定範囲にあるものを用い、かつ接着剤の塗布量を特定範囲内に規定すると共に、該接着剤としては充填剤を含有しないものとするか、あるいは充填剤を含有させるとしても前記高分子成分に対して特定量以下とすることにより、上記所望のタフテッド製品が得られることを見出すに至り、この発明を完成したものである。
【0006】
即ち、この発明に係るタフテッド製品は、プラスチックヤーンの織布からなる一次基布にパイルがタフティングされてなるタフテッドパイル原反の裏面に、接着剤を介して二次基布が貼り合わされてなり、前記接着剤が、ゴムおよび合成樹脂から選択される1種または2種以上の高分子成分を含有する一方、充填剤を含有しないか又は充填剤を前記高分子成分100重量部に対して50重量部以下含有してなり、該接着剤の発泡倍率が1.5〜5倍で、該接着剤の乾燥後の塗布量が80〜200g/m2であり、該接着剤のJIS L1021で規定される引張強度試験法による破断時の伸び率が600%以上であり、かつ伸び率100%時の引張荷重が196N/cm2以下であることを特徴とするものである。
【0007】
接着剤が発泡されてなるものであり、この接着剤層の中に連続気泡が形成され、かつその発泡倍率が上記特定範囲内にあるので、タフテッド製品として通気性に優れたものとなる。また、1)ゴムおよび合成樹脂から選択される1種または2種以上の高分子成分を含有してなる接着剤の伸び率及び伸び率100%時の引張荷重が上記特定範囲内にあること、2)一次基布が非多孔質のプラスチックヤーンで構成されているので、接着剤がこの一次基布に浸透(吸収)されることがなく、従って一次基布が接着剤によって硬くなることがないこと、3)接着剤の乾燥後の塗布量が80〜200g/m2と少ない範囲に規定されていること、これらが相乗的に作用し合って、タフテッド製品として十分な柔らかさ(折り曲げに対する柔らかさ)が確保される。更に、接着剤は充填剤を含有しないものとするか、あるいは充填剤を含有させるとしても前記高分子成分に対して特定量以下と少ない量に規定されているから、バックステッチ層への接着剤の浸透が十分に行われ、従って十分なパイル抜糸強度が得られると共に、パイルの遊び毛も極めて少ないものとなる。また、このように接着剤の浸透が十分に行われるのであるが、ここで該接着剤が発泡されてなるものであるから、少ない接着剤量でもって優れたパイル抜糸強度が確保されるものとなる。即ち、軽量性を十分に維持しつつ優れたパイル抜糸強度を確保し得る。加えて、接着剤は充填剤を含有しないか又は含有しても特定量以下であるので、塗布重量が少なくても接着剤の二次基布に対する接着性は良好なものとなる。
【0008】
上記二次基布の、JIS L1021で規定される引張強度試験法による破断時の伸び率は100%以上であり、かつ伸び率25%時の引張荷重は4.9N/50mm以下であるのが、タフテッド製品として一層十分な柔らかさを付与できる点で、好ましい。
【0009】
また、二次基布は不織布であるのが好ましく、このような構成により、タフテッド製品としての通気性を一層向上させることができると共に、不織布表面の毛羽によって接着剤との接着性もより向上し、しかもタフテッド製品としてより一層柔らかさを付与させることができる。
【0010】
接着剤を構成する高分子成分はSBRであるのが、パイル抜糸強度を一層向上できる点で、好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明に係るタフテッド製品の一実施形態を図1に示す。この発明のタフテッド製品(1)は、プラスチックヤーンの織布からなる一次基布(2)にパイル(3)がタフティングされてなるタフテッドパイル原反(5)の裏面に、接着剤(6)を介して二次基布(7)が貼り合わされてなるものであり、接着剤として以下に詳述する構成のものを採用したものである。
【0012】
前記接着剤(6)としては、ゴムおよび合成樹脂から選択される1種または2種以上の高分子成分を主体成分として含有した接着剤を用いる。前記高分子成分としては、特に限定されないが、例えばSBR(スチレン−ブタジエン共重合体)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重合体)、MBR(メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体)、CR(クロロプレンラバー)、アクリル樹脂、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、天然ゴムなどが挙げられる。中でも、パイル抜糸強度をより向上させることができる点で、SBRを用いるのが好ましい。
【0013】
また、前記接着剤(6)としては充填剤を含有しないものとするか、あるいは充填剤を含有せしめるとしても前記高分子成分100重量部に対して50重量部以下とする。このように充填剤を含有しないか又は含有しても前記特定量以下となされているので、バックステッチ層(パイル糸のバックステッチ部分)(4)への接着剤(6)の浸透が十分に行われる。従って、十分なパイル抜糸強度を確保できると共に、パイルの遊び毛も極めて少ないものとなる。中でも、前記接着剤(6)としては充填剤を含有しないものとするか、あるいは充填剤を含有せしめるとしても前記高分子成分100重量部に対して20重量部以下とするのが好ましい。
【0014】
前記充填剤としては、特に限定されるものではないが、例えば炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、クレイ、タルク、水酸化アルミニウム、ケッチン型カーボンブラック、セピオライト、活性炭、あるいは抗菌性金属イオン(銅イオン、亜鉛イオン、銀イオン等)を付与したゼオライト等が挙げられる。
【0015】
また、前記接着剤(6)としては、JIS L1021で規定される引張強度試験法(2号ダンベル形状の試験片、試験片厚さ0.5mm、引張速度200mm/分)による破断時の伸び率が600%以上であり、かつ伸び率100%時の引張荷重が196N/cm2以下であるものを用いる。伸び率が600%未満ではタフテッド製品(1)として十分な柔らかさを付与することができないし、また伸び率100%時の引張荷重が196N/cm2を超えても十分な柔らかさを付与することができない。なお、接着剤の伸び率とは、ラテックスの乾燥後における無発泡形態での伸び率を意味するものであり、即ちラテックスのフィルムで測定される値であり、充填剤等を含有する構成であってもこれら充填剤等を含有しない形態で測定される値である。同様に、接着剤の伸び率100%時の引張荷重とは、ラテックスの乾燥後における無発泡形態での引張荷重を意味するものであり、即ちラテックスのフィルムで測定される値であり、充填剤等を含有する構成であってもこれら充填剤等を含有しない形態で測定される値である。
【0016】
また、前記接着剤(6)の発泡倍率は1.5〜5倍とする。即ち、接着剤(6)を塗布する際には通常ラテックスコンパウンドの形態にして、これを例えばミキサー等によって機械的に泡立てて嵩を大きくして塗布するのであるが、その際の発泡倍率を1.5〜5倍に設定する。このような発泡状態で塗布されて形成された接着剤層の中には連続気泡が形成されるので、優れた通気性が確保される。また、接着剤(6)が発泡されてなるものであるから、少ない接着剤量でもって優れたパイル抜糸強度が確保される。発泡倍率が1.5倍未満では、タフテッド製品(1)としての通気性が低下する一方、発泡倍率が5倍を超えると十分なパイル抜糸強度が得られなくなるので、接着剤(6)の発泡倍率は1.5〜5倍とする。中でも、接着剤(6)の発泡倍率は2〜4倍とするのが望ましい。なお、発泡の手段としては前記機械発泡に特に限定されるものではない。
【0017】
更に、前記接着剤(6)の塗布量(乾燥後における)は80〜200g/m2とする。80g/m2未満では十分な接着力が得られなくなるし、200g/m2を超えるとタフテッド製品(1)として十分な柔らかさを確保することができなくなる。中でも、接着剤(6)の塗布量(乾燥後における)は100〜160g/m2とするのが好ましい。接着剤(6)の塗布は、タフテッドパイル原反(5)の裏面全面に行うのが望ましい。部分的に接着を行った場合には外力が該部分的接着箇所に集中して作用し二次基布(7)に破れや剥離の発生が懸念されるからである。なお、塗布方法としては特に限定されるものではないが、例えばロールコーター法、ダイレクトコート法、ナイフコート法、スプレーコート法等が挙げられる。
【0018】
なお、前記接着剤(6)には、必要に応じて、抗菌剤、防虫剤、消臭剤、静電防止剤、防炎剤等の各種添加剤を配合することもできる。
【0019】
前記タフテッドパイル原反(5)を構成する一次基布(2)としては、プラスチックヤーンを用いて織成された織布を用いる。一次基布(2)が非多孔質のプラスチックヤーンで構成されることで、接着剤(6)がこの一次基布(2)に浸透することがないので、一次基布(2)が接着剤(6)によって硬くなることがない。前記プラスチックヤーンの素材としては、特に限定されないが、例えばポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等が挙げられる。
【0020】
また、前記タフテッドパイル原反(5)を構成するパイル(3)としては、その形態は特に限定されず、例えばループパイルであっても良いし、カットパイルであっても良い。また、パイル(3)素材としては、特に限定されず、例えばポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ウール、綿等が挙げられる。なお、パイル糸の形態としては、多数の繊維からなる多孔質状態に構成されたものを用いるのが好ましい。このような多孔質状態であれば接着剤がバックステッチ層により十分に浸透できるので、パイル抜糸強度を一層向上できるとともに、パイル遊び毛も一層少ないものとできる。
【0021】
前記二次基布(7)としては、特に限定されるものではないが、例えば不織布、織布、編布等を用いる。中でも、不織布を用いるのが好ましく、このような構成により、タフテッド製品(1)としての通気性及び柔らかさを一層向上させることができると共に、不織布表面の毛羽によって接着剤(6)との接着性もより向上させることができる。前記不織布としては、厚さは1〜5mmが好適であり、目付は30〜100g/m2が好適であり、嵩比重は0.01〜0.10g/cm3の範囲が好適である。なお、この二次基布(7)の素材としては、特に限定されず、例えばポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等が挙げられる。
【0022】
前記二次基布(7)の、JIS L1021で規定される引張強度試験法による破断時の伸び率は100%以上であり、かつ伸び率25%時の引張荷重は4.9N/50mm以下であるのが、タフテッド製品(1)として一層十分な柔らかさを付与できる点で、望ましい。中でも、二次基布(7)の、JIS L1021で規定される引張強度試験法による破断時の伸び率は200%以上であり、かつ伸び率25%時の引張荷重は2.94N/50mm以下であるのが、より望ましい。
【0023】
なお、前記パイル(3)、一次基布(2)、二次基布(7)には必要に応じて静電気防止剤、消臭剤、防炎剤、防虫剤、抗菌剤、芳香剤、ホルマリン捕捉剤等の各種添加剤を配合しても良い。パイル(3)に添加するものとしては、その他に、撥水剤、防汚剤、紫外線吸収剤等を例示できる。
【0024】
この発明のタフテッド製品(1)の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、電気カーペット、電気毛布、電気座布団等の電熱製品の表面カバー、あるいは炬燵カバー、ベッドカバー、敷物、敷布、座布団、膝掛け、車両用床敷物、車両用椅子張地等が挙げられる。
【0025】
この発明のタフテッド製品(1)は、通気性に優れているので、例えば炬燵カバー、ベッドカバー、敷物、敷布、座布団、膝掛け等として用いても蒸れを生じることが防止されるし、電気カーペット、電気毛布、電気座布団等の電熱製品の表面カバーとして用いた場合には暖気を外部に伝えることができる。また、この発明のタフテッド製品(1)は、十分な柔らかさを有しているので、例えば車両用床敷物、車両用椅子張地等の車両内装材として用いる場合には車両フレームの形状によく馴染ませて構成することができる。
【0026】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
【0027】
<実施例1>
SBR(スチレン含量43重量%)ラテックスコンパウンド(固形分30%)を機械発泡により発泡倍率2倍に発泡させたものを、ポリプロピレンフラットヤーンからなる織布(一次基布:目付90g/m2)にアクリル繊維からなるパイル糸がタフティングされてなるタフテッドパイル原反(パイル長8mm、パイル目付700g/m2)の裏面に、その乾燥後の塗布量が120g/m2となるようにロールコーター法により塗布した後、ポリエステル不織布(二次基布:目付60g/m2)を圧接して貼り合わせ、次いで140℃の条件下で加熱乾燥させて、タフテッド製品を得た。なお、二次基布の、JIS L1021で規定される引張強度試験法による破断時の伸び率は220%であり、また伸び率25%時の引張荷重は1.96N/50mmであった。
【0028】
<実施例2>
SBRラテックスコンパウンドの組成を、SBR(スチレン含量43重量%)100重量部に対して炭酸カルシウムが15重量部配合された固形分30%の組成とした以外は、実施例1と同様にしてタフテッド製品を得た。
【0029】
<実施例3>
SBRラテックスコンパウンドの組成を、SBR(スチレン含量43重量%)100重量部に対して炭酸カルシウムが40重量部配合された固形分30%の組成とした以外は、実施例1と同様にしてタフテッド製品を得た。
【0030】
<実施例4>
SBRラテックスコンパウンドの発泡倍率を3倍とし、乾燥後の塗布量が100g/m2となるように塗布した以外は、実施例1と同様にしてタフテッド製品を得た。
【0031】
<実施例5>
SBRラテックスコンパウンドの発泡倍率を4倍とし、乾燥後の塗布量が80g/m2となるように塗布した以外は、実施例1と同様にしてタフテッド製品を得た。
【0032】
<参考例>
SBRラテックスコンパウンドの発泡倍率を1.8倍とし、乾燥後の塗布量が150g/m2となるように塗布した以外は、実施例1と同様にしてタフテッド製品を得た。
【0033】
<実施例7>
SBRとしてスチレン含量40重量%のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてタフテッド製品を得た。
【0034】
<実施例8>
SBRとしてスチレン含量46重量%のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてタフテッド製品を得た。
【0035】
<実施例9>
SBRラテックスコンパウンドに代えてアクリル樹脂エマルジョン(固形分45%)を用いた以外は、実施例1と同様にしてタフテッド製品を得た。
【0036】
<実施例10>
二次基布として、JIS L1021で規定される引張強度試験法による破断時の伸び率が180%であり、かつ伸び率25%時の引張荷重が2.18N/50mmであるポリプロピレン不織布(目付60g/m2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてタフテッド製品を得た。
【0037】
<比較例1>
接着剤の乾燥後の塗布量を300g/m2とし、非発泡とした以外は、実施例1と同様にしてタフテッド製品を得た。
【0038】
<比較例2>
SBRラテックスコンパウンドの組成を、SBR(スチレン含量43重量%)ラテックス100重量部に対して炭酸カルシウムが200重量部配合された固形分30%の組成とした以外は、実施例1と同様にしてタフテッド製品を得た。
【0039】
<比較例3>
SBRラテックスコンパウンドの発泡倍率を6倍とし、乾燥後の塗布量を60g/m2とした以外は、実施例1と同様にしてタフテッド製品を得た。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
上記のようにして得られた各タフテッド製品に対して、下記試験法により性能評価を行った。
【0044】
<パイル抜糸強度>
JIS L1023の6.3.1に記載の試験法に準拠してパイル抜糸強度(N)を求めた。
【0045】
<剛軟度試験法>
JIS L1096(45度カンチレバー法)に準拠して剛軟度(たて)(mm)を測定した。
【0046】
<通気性試験法>
JIS L1096−1990の6.27.1のA法に準拠して通気度(cm3/cm2・秒)を測定した。
【0047】
<遊び毛試験法>
ホース中間部に直径150mmの濾紙がセットされた能力200W以上の掃除機のホース先端のノズルを、縦95cm×横50cmの水平板上に固定された試験片(タフテッド製品)の上に隙間のない角度で接するようにセッティングした後、水平板を縦方向に50cmのストロークで100回往復作動(作動速度24往復/分)させた後、濾紙に回収された遊び毛の量を標準状態で計量した。なお、掃除機の吸い込み圧は66.5KPaとし、ノズルの吸い込み幅は30cmとした。
【0048】
表から明らかなように、この発明の実施例1〜10のタフテッド製品は、剛軟度の数値が大きく十分な柔らかさを有し、通気性に優れると共に、十分なパイル抜糸強度を有し、かつパイル遊び毛も極めて少ないものであった。
【0049】
これに対し、接着剤塗布量がこの発明の規定範囲を超える比較例1では十分な柔らかさが得られない上に通気性も不十分であった。また、充填剤含量がこの発明の規定範囲を超える比較例2では十分なパイル抜糸強度が得られない上に遊び毛も多かった。また、発泡倍率がこの発明の規定範囲を超える比較例3では、十分なパイル抜糸強度が得られない上に遊び毛も多かった。
【0050】
【発明の効果】
この発明に係るタフテッド製品は、接着剤が特定範囲の発泡倍率で発泡されてなるものであるから、タフテッド製品として通気性に優れている。また、1)接着剤の伸び率及び伸び率100%時の引張荷重がそれぞれ特定範囲にあること、2)一次基布が非多孔質のプラスチックヤーンで構成されて接着剤が一次基布に浸透せず一次基布が硬くなることがないこと、かつ3)接着剤の乾燥後の塗布量が少ない範囲に規定されていること、これらの相乗効果によってタフテッド製品として十分な柔らかさを確保することができる。更に、接着剤は充填剤を含有しないか又は含有しても特定量以下となされているので、バックステッチ層への接着剤の浸透が十分に行われ、従って十分なパイル抜糸強度が得られると共に、パイルの遊び毛も極めて少ないものとなる。また、接着剤が発泡されてなるものであり、その分少ない接着剤量でもって優れたパイル抜糸強度を確保できる、即ち軽量性を十分に維持しつつ優れたパイル抜糸強度を確保できる。また接着剤の二次基布に対する接着性も良好である。
【0051】
二次基布の、JIS L1021で規定される引張強度試験法による破断時の伸び率が100%以上であり、かつ伸び率25%時の引張荷重が4.9N/50mm以下である場合には、タフテッド製品として一層十分な柔らかさを付与できる。
【0052】
二次基布が不織布である場合には、タフテッド製品として通気性及び柔らかさを一層向上させることができると共に、二次基布の接着剤との接着性も一層向上させることができる。
【0053】
接着剤を構成する高分子成分がSBRである場合には、パイル抜糸強度を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るタフテッド製品を示す断面図である。
【符号の説明】
1…タフテッド製品
2…一次基布
3…パイル
4…バックステッチ層
5…タフテッドパイル原反
6…接着剤
7…二次基布
Claims (4)
- 非多孔質のプスチックヤーンであるフラットヤーンの織布からなる一次基布にパイルがタフティングされてなるタフテッドパイル原反の裏面に、接着剤を介して二次基布が貼り合わされてなり、
前記接着剤が、ゴムおよび合成樹脂から選択される1種または2種以上の高分子成分を含有する一方、充填剤を含有しないか又は充填剤を前記高分子成分100重量部に対して50重量部以下含有してなり、
該接着剤の発泡倍率が2〜4倍で、該接着剤の乾燥後の塗布量が80〜200g/m2であり、該接着剤のJIS L1021で規定される引張強度試験法による破断時の伸び率が600%以上であり、かつ伸び率100%時の引張荷重が196N/cm2以下であることを特徴とするタフテッド製品。 - 前記二次基布の、JIS L1021で規定される引張強度試験法による破断時の伸び率が100%以上であり、かつ伸び率25%時の引張荷重が4.9N/50mm以下である請求項1に記載のタフテッド製品。
- 前記二次基布が不織布である請求項1または2に記載のタフテッド製品。
- 前記接着剤を構成する高分子成分がSBRである請求項1〜3のいずれか1項に記載のタフテッド製品。
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JP2002508426A (ja) * | 1997-12-18 | 2002-03-19 | ザ ビー.エフ.グッドリッチ カンパニー | コポリマーが分散されたポリシロキサンおよびそれを含有するシーリング剤 |
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