JP3602269B2 - 防虫性シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防虫性シートに関し、更に詳しくはダニやカビの胞子の通過、及び綿埃(リント)の発生を防止し得る防虫性シートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年の住宅の密閉化・高温多湿化に伴い、布団、ソファー及びマット等にダニやカビ等が繁殖し易い環境となり、その人体への影響が問題となってきている。特にダニの糞やカビの胞子はアレルギー疾患や小児喘息の原因になっている場合が多い。
また、布団から発生する綿埃(リント)等のいわゆるハウスダストもアレルギー疾患の原因の一つであることが知られている。
【0003】
布団やソファー中におけるダニの発生を防止するために、従来は、防虫剤をスプレー或いは塗布した布団カバー等(特開昭59−49080号公報)や、防虫剤を練り込んだ樹脂を紡糸して得られた繊維材料からなる布団カバー等が用いられてきた。しかし、これらの布団カバー等は、洗濯により防虫効果が低下してしまったり、また、防虫剤そのものの人体に対する安全性を考えた場合に好ましい防虫方法とは決していえなかった。
【0004】
そこで、防虫剤を用いない防虫材料として、特開平3−80037号公報には、1デニール以下の極細繊維からなる綿、或いは表面が綿状であるか又は表面が起毛ないし植毛されている織布又は不織布を含むダニ防除具が記載されている。また、特開平4−289256号公報、特開平4−289277号公報には、繊維集合体の外周部に所定の繊維間隔の極細繊維層を配してなる防虫性繊維構造物が記載されている。また、特開平5−140851号公報には、所定の繊維間隙、所定の繊維径、及び所定の繊維充填率を有する不織布からなる畳床用防虫シートが記載されている。更に、特開平7−246144号公報には、ポリプロピレン系重合体からなる極細繊維不織布層の両面にポリプロピレン系重合体からなる長繊維不織布層が積層一体化されてなる耐アレルゲン性寝具カバーが記載されている。
【0005】
しかしながら、上記各公報に記載の防虫材料は、極細繊維を使用しているので、寝具や家具等のカバー材としては肌触りが良くなく、また繊維中にダニが残るという欠点があった。更に、カビの胞子は繊維間を通過してしまうという欠点もあった。
【0006】
従って、本発明の目的は、良好な風合いや肌触りを及び水蒸気の透過性を保ちつつ、ダニやカビの胞子の通過及び綿埃(リント)の発生を防止し得る防虫性シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ダニやカビの胞子の通過を防止し得るシートとして、無孔性又はマイクロポーラス性である透湿性の樹脂シートを用いることにより上記目的を達成し得る防虫性シートが得られることを知見した。
【0008】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、透湿性ウレタン樹脂の無孔シートからなる厚さ5〜50μm、透湿度0.5〜5g/〔100cm 2 ・hr〕の液不透過性で且つ透湿性の樹脂シートを、熱融着により坪量10〜100g/m 2 のポリアミド系スパンボンド不織布上に積層させてなり、透湿度が0.5g/〔100cm 2 ・hr〕以上で且つ耐水圧が50cm以上であることを特徴とする防虫性シートを提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の防虫性シートの好ましい一実施形態を図面を参照して説明する。ここで、図1は、本発明の防虫性シートの好ましい一実施形態の構造を示す概略断面図である。
【0010】
図1に示す実施形態の防虫性シート1は、透湿性の樹脂シート(以下、「樹脂シート」という)2を、布帛3上に積層(ラミネート)させたものである。
以下、上記防虫性シート1を構成する樹脂シート2及び布帛3についてそれぞれ説明する。
【0011】
上記樹脂シート2としては、樹脂から形成されたフィルム状のシートであ。本発明においては、該樹脂シート2として、透湿性を有する無孔シートが用いられる。
【0012】
上記無孔シートとしては、透湿性を有する樹脂から成形されたシートが用いられる。該透湿性を有する樹脂としては、透湿性ウレタン樹脂が用いられる。
上記透湿性ウレタン樹脂として好ましく用いられるものとしては、例えば、ハードセグメントとしてウレタン結合を有するブロックと、ソフトセグメントとしてポリカーボネート系ポリオール、エーテル系ポリオール、カプロラクトン系ポリエステル、又はアジペート系ポリエステル等を有するブロックとから成る熱可塑性エラストマー等が挙げられる。また、特開平7−70936号公報、特開平6−134000号公報、特公平6−67604号公報、特開平1−141669号公報、特公昭52−21042号公報等に記載のウレタン樹脂や、東洋ゴム工業製のソフランパーム(商品名)を用いることもできる
【0013】
上記ウレタン樹脂単独で用いてもよく、又はエステル樹脂と組み合わせて用いてもよい。両者を組み合わせて用いる場合には、それぞれの配合割合に特に制限はないが、上記ウレタン樹脂を主な配合に用いる場合や、本発明の防虫性シートにブロッキング防止効果を付与する場合には、上記エステル樹脂の硬度を選んでブレンドすると良い。
【0014】
削除
【0015】
削除
【0016】
削除
【0017】
記布帛としてナイロンの繊維からなる布帛を用いた場合には、これと上記透湿性ウレタン樹脂との接着性が良好であるため、添加剤を配合することなしに両者を融着させることが可能である。
【0018】
上記無孔シートは液不透過性である。これと同時に、該無孔シートは、微細孔によってではなく、上記透湿性ウレタン樹脂の水蒸気の取り込み、拡散、放出という形で透湿性を発現する。従って、ダニやカビの胞子等の通過は該無孔シートによって効果的に防止される。
【0019】
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【0020】
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【0021】
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【0022】
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【0023】
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【0024】
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【0025】
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【0026】
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【0028】
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【0030】
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【0031】
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【0032】
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【0033】
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【0034】
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【0035】
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【0036】
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【0037】
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【0038】
上記無孔シートからなる樹脂シート2は、その厚さが、防虫性シートとしてのドレープ性(柔軟性)、風合い等の観点から5〜50μmであ、5〜30μmであることが好ましい。
また、該樹脂シート2は、本発明の防虫性シートに十分な透湿性を付与する点から、その透湿度が0.5〜5g/〔100cm2・hr〕であ、1.0〜5g/〔100cm2・hr〕であることが好ましい。
【0039】
次に、図1に示す実施形態の防虫性シート1における上記布帛3について説明する。
上記布帛3としては、風合いや感触が良好であり、且つ上記樹脂シート2との積層が容易なものが用いられる。また、綿埃(リント)が発生しにくいもの、例えば、長繊維の繊維集合体からなる布帛を用い。該布帛としては、例えば合成繊維の連続フィラメントからなる不織布を用いる。
上記不織布としては、熱可塑性繊維を主体とする不織布等が用いられる。特に綿埃(リント)が発生しにくいスパンボンド不織布が用いられる。
【0040】
特に、上記布帛3としてポリアミド系スパンボンド不織布を用いる。
リアミド系不織布からなる布帛3は、上記ウレタン樹脂からなる樹脂シート2と熱により融着(ポイントボンドでもよいし、熱エンボスによるダイレクトラミネートでもよいし、或いは溶融状態の上記樹脂をTダイから上記不織布に積層するフラットロールによる熱接着でもよい)させるのに適している。
上記スパンボンド不織布における繊維の太さは、柔軟性及び風合い等の点から細い程好ましく、特に好ましくは3デニール以下である。太さの下限には特に制限はないが実際の生産上0.1デニール程度迄である。
【0041】
上記布帛3は、その厚さに特に制限はないが、コストと風合い等の観点から0.1〜5mm(0.5g/cm2加重下)であることが好ましく、0.3〜3mmであることが更に好ましい。
記布帛3においては、その坪量、コスト等の観点から10〜100g/m2であ、10〜50g/m2であることが好ましい。
【0042】
図1に示す実施形態の防虫性シート1は、全体として透湿性を有するものであり、その透湿度は0.5g/〔100cm2・hr〕以上である。上記透湿度が0.5g/〔100cm2・hr〕に満たないと、透湿性が不十分となり結露が生じる。
また、上記防虫性シート1は、透湿性を有することに加えて、液体不透過性であり、その耐水圧は50cm以上であり、好ましくは100cm以上である。上記耐水圧が50cmに満たないと、防水性が不十分となる。
【0043】
図1に示す実施形態の防虫性シート1においては、その坪量に特に制限はないが、あまり坪量を多くするとコスト高になるため、15〜130g/m2であることが好ましく、25〜50g/m2であることが更に好ましい。
【0044】
図1に示す実施形態の防虫性シート1は、上記樹脂シート2をシート状に溶融成形する際に、上記布帛3上に溶融ラミネートしたり、予め成形した該樹脂シート2と、該布帛3とを熱圧着ラミネートやフレームラミネートして得られる
【0045】
本発明の防虫性シートは、上記布帛により良好な風合いや肌触りが発現し、上記樹脂シートにより水蒸気の透過性が保たれると共にダニやカビの胞子の通過が効果的に防止される。従って、本発明の防虫性シートは、寝具や布張り家具のカバー、例えば布団、枕、マットレス若しくはマットソファーのカバーや、畳床用シートとして好適に用いられる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例により本発明の防虫性シートの有効性を例示する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に限定されないことはいうまでもない。
【0047】
〔実施例1〕
ナイロンスパンボンド不織布(旭化成製のエルタス:坪量30g/m2)と、透湿性ウレタン樹脂フィルム〔東洋ゴム工業製のソフランパームフィルム:厚さ14μm、透湿度4000g/(m2・24hr)〕とを重ね合わせ、熱圧着ロールを通すことにより積層一体化した2層構造のシートを得た。得られたシートについて、下記の方法で透湿度を測定すると共にダニの遮蔽効果を評価した。その結果を表1に示す。
【0048】
<透湿度の測定>
JIS Z0208に準拠して測定した。
<ダニの遮蔽効果>
下記の粒径分布を有する試験用ダスト11種を用いてダニの遮蔽模擬試験を行った。図2に示すように、それぞれ口径5cmの広口ビン5及び吸引ビン6を本発明の防虫性シート1を介して重ね合わせ、クランプ8,8により広口ビン5と吸引ビン6とを固定する。次いで、広口ビン5内の防虫性シート1上に試験用ダスト7を入れ、吸引ビン6をアスピレータ(図示せず)に接続して吸引することにより、試験用ダスト7の通過の程度を観察した。
【0049】
Figure 0003602269
【0050】
削除
【0051】
【表1】
Figure 0003602269
【0052】
【発明の効果】
本発明の防虫シートによれば、良好な風合いや肌触りを及び水蒸気の透過性を保ちつつ、ダニやカビの胞子の通過及び綿埃(リント)の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防虫性シートの好ましい一実施形態の構造を示す概略断面図である。
【図2】ダニの遮蔽効果の評価に用いる装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 防虫性シート
2 透湿性の樹脂シート
3 布帛

Claims (6)

  1. 透湿性ウレタン樹脂の無孔シートからなる厚さ5〜50μm、透湿度0.5〜5g/〔100cm 2 ・hr〕の液不透過性で且つ透湿性の樹脂シートを、熱融着により坪量10〜100g/m 2 のポリアミド系スパンボンド不織布上に積層させてなり、透湿度が0.5g/〔100cm 2 ・hr〕以上で且つ耐水圧が50cm以上であることを特徴とする防虫性シート。
  2. 上記透湿性ウレタン樹脂が、ハードセグメントとしてウレタン結合を有するブロックと、ソフトセグメントとしてポリカーボネート系ポリオール、エーテル系ポリオール、カプロラクトン系ポリエステル、又はアジペート系ポリエステルを有するブロックとから成る熱可塑性エラストマーである、請求項1記載の防虫性シート。
  3. 坪量が15〜130g/m 2 である、請求項1又は2記載の防虫性シート。
  4. 上記熱融着が、ポイントボンド、熱エンボスによるダイレクトラミネート、或いは溶融状態の上記樹脂をTダイから上記不織布に積層するフラットロールによる熱接着である、請求項1〜3の何れかに記載の防虫性シート。
  5. 上記スパンボンド不織布はその厚みが0.1〜5mm(0.5g/cm 2 加重下)である、請求項1〜4の何れかに記載の防虫性シート。
  6. 寝具若しくは布張り家具のカバー、又は畳床用シートとして用いられる、請求項1〜5の何れかに記載の防虫性シート。
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