JP4600476B2 - 微細構造物の欠陥検査方法及び欠陥検査装置 - Google Patents

微細構造物の欠陥検査方法及び欠陥検査装置 Download PDF

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Description

この発明は、微細構造物の欠陥検査方法及び欠陥検査装置に係り、詳しくは、検査対象たる微細構造物の形状欠陥や異物付着の有無等を検査するための微細構造物の欠陥検査方法及び欠陥検査装置に関する。
この種の欠陥検査装置としては、従来から、光学顕微鏡の結像を利用する方式のものが知られている。この方式の欠陥検査装置は、微細な回路・素子パターンが形成されているレチクルやフォトマスク、さらには、レチクルやフォトマスクの微細な回路・素子パターンを縮小転写して作成されたMEMS(Micro-Electro-Mechanical System)と呼ばれる微小電気機械部品や、LSI(Large-Scale Integrated circuit)等の電子デバイス等の微細構造物をステージの上に載置し、ステージ上の微細構造物の検査対象面を撮像することにより、微細構造物の形状欠陥や異物の有無等について検査する構成となっている。
この方式の欠陥検査装置にあっては、観察視野内でむらのない良好な顕微鏡画像を得ることに重点が置かれていたため、観察視野を均一に照明し、かつ、微細構造物の検査対象面を照明する光としては、全方向に均等な光学特性を有する光、つまり、無偏光(円偏光、ランダム偏光)状態の光が、好ましいとされていた。
ところで、近年、LSI、MEMS等の微細構造化、これに伴うレチクルパターンやフォトマスクパターンの微細化が進むにつれて、これら微細構造物の検査対象面のパターン形状をより鮮明に解像できる、分解能の高い欠陥検査装置の必要性が高まっている。
ここで、光学顕微鏡の分解能εは、光の波長λと対物レンズの開口数NAとによって、ε=k1×λ×NAで表される(k1は、光源の条件等で決まる定数)ので、微細な表面構造を解像するためには、短波長化と高NA化が必要である。
短波長化には、高出力で安定した光源と、高精度で短波長に対しても劣化が少なく、観察視野を均一に照明する結像光学系が必要である。しかしながら、観察視野内を均一な光量で照明するのは光学的に容易ではない、という問題がある。また、観察視野内を同時に照射するため、輝度が非常に低くなり、このため、高いS/N比を得るためには、受光素子(CCD等多素子型イメージセンサ)の露光時間を相当量長くしなければならない、という問題もある。それゆえ、現時点で技術的に利用可能な短波長(波長200nm程度)を用いて、精度の高い結像光学系を実現するのは、技術的難度が高く、それゆえ、実現できても、大変高価なものとなる。
高NA化についても同様で、近年注目されている液浸レンズ等で高NA化を実現しようとしても、技術的難度が高く、したがって、大変高価なものとなる。このような欠陥検査装置の高騰化は、ひいては、レチクルやフォトマスク、LSI、及びMEMS等の微細構造物の単価を上げる要因の一つとなるので、好ましくない。
そこで、結像顕微鏡方式を利用する欠陥検査装置の問題点を解消するために、特許文献1に記載されている走査型のパーティクル測定装置が提供されている。
特許文献1に記載のパーティクル測定装置では、P偏光するレーザ光とS偏光するレーザ光とからなる2種類のレーザ光を、ステージに置かれたウエハ上の同一領域に垂直に同時照射する構成となっている。ウエハ上で反射された光は偏光ビームスプリッタにより、P偏光成分とS偏光成分とに分離される。分離されたP偏光成分はP偏光成分の受光部で電気信号に変換され、また、分離されたS偏光成分はS偏光成分の受光部で電気信号に変換される。そして、これらの信号出力が、コンピュータに送られて、計算処理されて、パーティクルの有無が検出される。2種類のレーザ光は、ウエハを載せたステージの移動と協働して、所定の走査幅でウエハ上を走査する。この動作を繰り返すことで、ウエハ全面をレーザ光が走査できる。このようにして、ウエハ全面のパーティクル測定を行うことができる。
特許文献1に記載のパーティクル測定装置の構成によれば、レーザ光がウエハ上を走査するので、結像顕微鏡方式の欠陥検査装置に較べて、レーザ光の集光スポット径を小さくできるので、非常に高い輝度を得ることができる。それゆえ、照明の光量問題が解決されるので、高いS/N比と高いスループットとを確保できる。
加えて、各粒径に対する散乱光強度が偏光特性に応じて異なることに着目して、P偏光とS偏光との2種類のレーザ光を用いて測定を行うので、各粒径に対して最も感度の高いパーティクル測定を行うことができる。
特開平08−005569号公報
ところで、レチクルやフォトマスク、LSI、及びMEMS等の微細構造物では、形状・構造の微細化が益々進むにつれて、照射光の偏光特性に依存して、微細構造物の検査対象面の光学特性(反射率や透過率や散乱強度)が異なる事態が顕になってきている。このため、互いに直交するP偏光とS偏光との2種類の直線偏光しか用いない特許文献1の構成では、感度や解像度の面で、より微細化が進んだ微細構造物の検査に対応できなくなってきている。
また、P偏光とS偏光とを微細構造物の検査対象面に設定された同一の検査領域に同時照射する特許文献1の構成では、微細化が進む中、微細構造物の形状やパターン如何によっては、P偏光の反射光とS偏光の反射光とを確実に分離検出することができない事態が発生することも予想され、このような場合には、高解像度の反射画像を得ることができない、という不具合が懸念される。
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、微細構造物のさらなる微細化が進む状況下でも、安価で簡素な構造と方法により、微細構造物の形状欠陥や異物付着の有無等を高解像度かつ高感度で検査することができる微細構造物の欠陥検査方法及び欠陥検査装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、この発明の第1の構成は、微細構造物の欠陥の有無を光ビームで検査するための微細構造物の欠陥検査方法に係り、光源から出力される前記光ビームを互いに特性の異なるN本(Nは2以上の自然数)の偏光ビームに分岐し、前記微細構造物の検査対象面上に設定された同一の検査領域を、前記各偏光ビームで順次走査させることで、全体としてN回重複走査させて、前記検査対象面上の前記検査領域を写すN枚の反射画像、N枚の透過画像、又はN枚の散乱画像、又はこれら複数種類の画像のうち、任意の2種又は全種からなるM×N枚(Mは2又は3)の複数種の画像を採取して、前記微細構造物の欠陥の有無を検査すると共に、前記N本の偏光ビームは、互いに直交する偏光面を有する2本の直線偏光ビームを少なくとも含み、かつ、前記各直線偏光ビームを大きな開口数で集光して、その偏光方向に広がる楕円ビームを形成し、形成された前記楕円ビームで前記検査領域を走査させることを特徴としている。
この発明の第2の構成は、微細構造物の欠陥の有無を光ビームで検査するための微細構造物の欠陥検査方法に係り、光源から出力される前記光ビームを互いに特性の異なるN本(Nは2以上の自然数)の偏光ビームに分岐し、前記N本の偏光ビームを重ね、重ねた前記N本の偏光ビームで前記微細構造物の検査対象面上に設定された同一の検査領域を一度に走査させて、前記検査対象面上の前記検査領域を写すN枚の反射画像、N枚の透過画像、又はN枚の散乱画像、又はこれら複数種類の画像のうち、任意の2種又は全種からなるM×N枚(Mは2又は3)の複数種の画像を採取して、前記微細構造物の欠陥の有無を検査すると共に、前記N本の偏光ビームは、互いに直交する偏光面を有する2本の直線偏光ビームを少なくとも含み、かつ、前記各直線偏光ビームを大きな開口数で集光して、その偏光方向に広がる楕円ビーム成分を形成し、形成された前記楕円ビーム成分の重ね合わせからなる前記N本の偏光ビームで前記検査領域を走査させることを特徴としている。
この発明の第3の構成は、微細構造物の欠陥の有無を光ビームで検査するための微細構造物の欠陥検査装置に係り、前記微細構造物を載置して移動を行うXYステージと、光ビームを出力する光源と、前記光ビームを互いに特性の異なるN本(Nは2以上の自然数)の偏光ビームに分岐する光ビーム分岐手段と、前記微細構造物の検査対象面上に設定された検査領域を前記各偏光ビームで走査する走査手段と、前記走査手段と前記XYステージとの駆動を制御して、前記検査対象面上に設定された同一の検査領域を、前記走査手段に前記各偏光ビームで順次走査させ、全体としてN回重複走査させる走査制御手段と、前記検査領域から反射する反射光、同検査領域を透過する透過光、又は同検査領域にて散乱する散乱光、又は反射光、透過光、及び散乱光のうち、任意の2つ又は全部を受光して電気信号に変換し、検出信号を生成する検出信号生成手段と、該検出信号生成手段から出力される前記検出信号を用いて、前記検査対象面上の前記検査領域を写すN枚の反射画像、N枚の透過画像、又はN枚の散乱画像、又はこれら複数種の画像のうち、任意の2種又は全種からなるM×N枚(Mは2又は3)の複数種の画像を取得して、前記微細構造物の欠陥の有無を検査する画像処理手段とを備えてなると共に、前記N本の偏光ビームは、互いに直交する偏光面を有する2本の直線偏光ビームを少なくとも含み、かつ、前記各直線偏光ビームは大きな開口数で集光されて、その偏光方向に広がる楕円ビームが形成され、前記走査手段は、形成された前記楕円ビームで前記検査領域を走査することを特徴としている。
この発明の第4の構成は、微細構造物の欠陥の有無を光ビームで検査するための微細構造物の欠陥検査装置に係り、前記微細構造物を載置して移動を行うXYステージと、光ビームを出力する光源と、前記光ビームを互いに特性の異なるN本(Nは2以上の自然数)の偏光ビームに分岐する光ビーム分岐手段と、前記N本の偏光ビームを重ね、重ねた前記N本の偏光ビームで前記微細構造物の検査対象面上に設定された同一の検査領域を一度に走査する走査手段と、前記検査領域から反射する反射光、同検査領域を透過する透過光、又は同検査領域にて散乱する散乱光、又は反射光、透過光、及び散乱光のうち、任意の2つ又は全部を受光して電気信号に変換し、検出信号を生成する検出信号生成手段と、該検出信号生成手段から出力される前記検出信号を用いて、前記検査対象面上の前記検査領域を写すN枚の反射画像、N枚の透過画像、又はN枚の散乱画像、又はこれら複数種の画像のうち、任意の2種又は全種からなるM×N枚(Mは2又は3)の複数種の画像を取得して、前記微細構造物の欠陥の有無を検査する画像処理手段とを備えてなると共に、前記N本の偏光ビームは、互いに直交する偏光面を有する2本の直線偏光ビームを少なくとも含み、かつ、前記各直線偏光ビームは大きな開口数で集光されて、その偏光方向に広がる楕円ビーム成分が形成され、前記走査手段は、形成された前記楕円ビーム成分の重ね合わせからなる前記N本の偏光ビームで前記検査領域を走査することを特徴としている。
この発明の構成によれば、微細パターンの形状やサイズに応じて、互いに異なる偏光特性を有する複数の偏光ビームによる複数の画像の中から、とくに感度や解像力の良い偏光ビームによる画像を選択できるので、光学分解能の向化を達成できる。
また、異なる偏光特性のビーム走査は同時に行われるため、スループットの低下を伴うことなく、光学分解能の向化を達成できる。
加えて、この発明の欠陥検査装置は、従来のビームスキャン型装置の大掛りな改造ではなく、比較的簡単な改造にて達成できる。
まず、偏光特性について説明する。検査対象面に集光されたビームスポットが直線偏光の場合、以下の偏光依存が現われる。(1)高NAで集光した場合は、直線偏光の偏光方向に広がった楕円ビームになる。(2)高NAで集光した場合に、P偏光、S偏光の直交する直線偏光は入射角度(NA)が大きくなると透過率、反射率の差が大きくなる、すなわち、入射角度(NA)が大きくなると、P偏光の透過率は、S偏光のそれよりも高く、一方、S偏光の反射率は、P偏光のそれよりも高くなる。(3)波長程度の大きさの非常に細かいスリット又はL/Sパターン(回折格子)では、スリットの方向と平行な直線偏光>円偏光>直交する直線偏光の順で透過率が減少する。
上記は、直偏光の方向と直交する方向の分解能が向上することを意味しており、検査パターンによって最適な偏光特性が存在することを示している。
上記偏光特性と分解能とが密接の関係を揺することに着目して、この発明の実施品としての欠陥検査装置は、光源から出力される光ビームを互いに特性の異なるN本(Nは2以上の自然数)の偏光ビームに分岐する光ビーム分岐手段と、検査対象面上に設定された検査領域を各偏光ビームで走査する走査手段と、該走査手段とXYステージとの駆動を制御して、検査対象面上に設定された同一の検査領域を、走査手段に各偏光ビームで順次走査させ、全体としてN回重複走査させる走査制御手段と、上記検査領域から反射する反射光、同検査領域を透過する透過光、又は同検査領域にて散乱する散乱光、又は反射光、透過光、及び散乱光のうち、任意の2つ又は全部を受光して電気信号に変換し、検出信号を生成する検出信号生成手段と、該検出信号生成手段から出力される上記検出信号を用いて、検査対象面上の上記検査領域を写すN枚の反射画像、N枚の透過画像、又はN枚の散乱画像、又はこれら複数種の画像のうち、任意の2種又は全種からなるM×N枚(Mは2又は3)の複数種の画像を取得して、微細構造物の欠陥の有無を検査する画像処理手段とを備えるようにした。
なお、上記走査制御手段は、同一の検査領域を、走査手段に各偏光ビームで順次走査させ、全体としてN回重複走査させる構成であるが、これに代えて、走査手段が、N本の偏光ビームを重ね、重ねたN本の偏光ビームで検査対象面上に設定された同一の検査領域を一度に走査するように構成しても良い。
実施形態1
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態である微細構造物の欠陥検査装置の概略構成を示すブロック図、図2(a)は、同欠陥検査装置の光学系を構成する分離ミラーの動作を説明するための概略拡大図、図3は、各種の検査対象物を示す断面図、図4は、同欠陥検査装置によるP偏光とS偏光とによる非同時の重複走査動作を概念的に示す斜視図、図5は、同重複走査動作の説明に供される図、また、図6は、この実施形態による画像処理の手順方法の説明に供される図である。
まず、全体構成から説明すると、この欠陥検査装置は、検査対象物たる微細構造物の反射画像を取得して検査領域の欠陥の有無を検査する走査型反射顕微鏡方式の検査装置に係り、同図に示すように、光ビームL1を出力する光源1と、偏向走査手段(走査手段)2と、第1の偏光ビームスプリッタ(光ビーム分岐手段)3と、ミラー4、5と、第2の偏光ビームスプリッタ6と、ハーフミラー7と、対物レンズ8と、検査対象物(微細構造物)9aを載置して移動を行うXYステージ9と、走査制御回路(走査制御手段)10と、分離ミラー11と、光電変換器(検出信号生成手段)12、13と、画像処理システム(画像処理手段)14と、参照画像記憶部15と、検査データ記憶部16とから概略構成されている。
次に、装置各部について説明する。光源1としては、この実施形態では、走査型光学顕微鏡の分解能を高めるために、検査対象面上に照射される集光スポット径を小さくすることが好ましく、このため、短波長光源が用いられる。また、S/Nを向上させるために、高輝度な光源が好ましい。この理由のため、光源1には、例えば、波長266nmの遠紫外レーザを用いるのが良い。必要に応じて、より短波長の光ビームを出力できる波長253nmの遠紫外レーザや波長199nmの遠紫外レーザを用いるのが好ましい。
偏向走査手段2は、例えば、音響光学偏向器、ポリゴンミラー、ガルバノミラー等の走査光学系やビームエキスパンダや二分の一波長板等から構成されている。光源1から入射される光ビームL1を、所望のビーム径に変換し、かつ、高速に偏向して光ビームL2として出射する。
第1の偏光ビームスプリッタ3は、偏向走査手段2にて高速偏向されて入射される光ビームL2をP偏光ビームP1とS偏光ビームS1とに分岐する。すなわち、第1の偏光ビームスプリッタ3は、偏向走査手段2から入射される光ビームL2のうち、P偏光成分P1を透過し、S偏光成分S1を反射することで、光ビームL2をP偏光ビームP1とS偏光ビームS1とに分割する。ミラー4、5は、第1の偏光ビームスプリッタ3にて反射されるS偏光ビームS1の進行方向を180度変えて、第2の偏光ビームスプリッタ6の裏面に入射させる。
第2の偏光ビームスプリッタ6は、第1の偏光ビームスプリッタ3を透過して表面に入射するP偏光ビームP1を透過する一方、第1の偏光ビームスプリッタ3、ミラー4、5にて順次反射されて裏面に入射するS偏光ビームS1を反射する。ここで、第2の偏光ビームスプリッタ6は、P偏光ビームP1とS偏光ビームS1とを、互いに、走査方向に走査幅相当のずれ量で平行移動した状態で合成する。走査幅は、検査パターンのサイズに応じて、適宜変更可能であり、この例では、検査対象面(パターン形成面)9b上で40−70μmの範囲内に設定される。しかし、走査幅は、上記の範囲に限定されない。
ハーフミラー7は、走査幅分ずれた状態で合成されたP偏光ビームP1とS偏光ビームS1とを部分的に透過させる一方、検査対象物9aからの反射光P2、S2を部分的に反射して反射光P2、S2の進行方向を変える。対物レンズ8は、図4に示すように、入射したP偏光ビームP1とS偏光ビームS1とを検査対象面9bに集光させる。具体的には、対物レンズ8は、例えば、NA(開口数)0.8以上の大きな開口を有し、検査対象物9aの検査対象面9b上に、φ0.3−0.4μmの微小なP偏光ビームP1の集光スポットPxと、微小なS偏光ビームS1の集光スポットSxとを形成する。
ここで、検査対象物9aとしては、図3(a)に示すように、フォトリソグラフィ技術で用いられるレチクルやフォトマスク等のような平面に限りなく近い微細構造物91や、同図(b)に示すように、超紫外線露光技術(Extreme UltraViolet lithography)で用いられるEUVマスクのような微細かつ深い溝を有する微細構造物92や、同図(c)に示すように、MEMSのような平面上の微細立体構造物93等を挙げることができる。しかしながら、これらに限定されるものではない。
XYステージ9は、検査対象物9aを載置して、X方向、Y方向に2次元移動する図示せぬ駆動系を備えている。走査制御回路10は、偏向走査手段2とXYステージ9の駆動系を制御して、検査対象面9bを、偏向走査手段2に、互いに走査幅相当隔てられるP偏光の集光スポットPxとS偏光の集光スポットSxとで走査させる(図4及び図6)。走査制御回路10は、例えば、図4及び図5に示すように、偏向走査手段2を制御して、P偏光の集光スポットPxとS偏光の集光スポットSxとで、1次元の検査領域の走査始点位置から走査終点位置までの走査幅の距離をY(+)方向(図5では、Ay、By方向)に走査させると共に、XYステージ9の駆動系を制御して、走査終点位置から次の走査始点位置にまで戻る際に、検査対象物9aをX(-)方向に移動させる。これにより、P偏光の集光スポットPxとS偏光の集光スポットSxとは、矢印Ax方向、Bx方向(図4及び図5)に相対的に進み、これを繰り返すことで、互いに偏光面が直交する2種類の集光スポットPx、Sxで2次元の検査領域(図6)を隈なく走査できるようになっている。さらに、この実施形態では、後述するように、各検査領域については、P偏光の集光スポットPxによる偏光ビーム走査とS偏光の集光スポットSxによる偏光ビーム走査との2重の非同時走査を行う構成となっている(図4及び図6)。
分離ミラー11は、検査対象物9aの検査対象面9bと共焦点をなす位置に配置されて、検査対象物9aと対物レンズ8とハーフミラー7と共に、コンフォーカル光学系を構成する。このようなコンフォーカル光学系の機能により、検査対象物9aの検査対象面9bに走査幅分だけ空間的に分離して照射される集光スポットPx、Sx(P偏光ビームP1、S偏光ビームS1)の反射光P2、S2は、空間的に分離した状態で分離ミラー11に入射する。分離ミラー11は、図2(a)に示すように、検査対象物9aの検査対象面9bから反射し、対物レンズ8を逆戻りして、ハーフミラー7にて反射した末に入射するP偏光ビームP1の反射光P2を透過する透過領域11aと、入射するS偏光ビームS1の反射光S2を反射する反射領域11bとから構成され、空間的に分離されて入射するP偏光ビームP1の反射光P2とS偏光ビームS1の反射光P2とをさらに確実に空間分離する。
光電変換器12、13は、フォトダイオードや光電子増倍管等から構成され、光電変換器12は、図2(a)に示すように、分離ミラー11の透過領域11aを透過するP偏光ビームP1の反射光P2を受光してP反射画像検出信号(電気信号)PRを生成する。また、光電変換器13は、分離ミラー11の反射領域11bにて反射するS偏光ビームS1の反射光S2を受光してS反射画像検出信号(電気信号)SRを生成する。
参照画像記憶部15は、設計データとしての参照画像REFを蓄積する。画像処理システム14は、光電変換器12、13から供給されるP反射画像検出信号PRとS反射画像検出信号SRとに基づいて、2種類の2次元反射画像(P反射画像とS反射画像)を実画像として生成採取し、生成採取された実画像と設計データとしての参照画像とを重ね合わせる画像処理を行い、得られた差分画像に基づいて、検査対象物9aの欠陥の有無を検査する。検査データ記憶部16は、検査対象物9aに対する欠陥有無の検査結果DRを保存する。
次に、図1乃至図6を参照して、この実施形態による欠陥検査装置の動作について説明する。
光源1から出力された光ビームL1は、偏向走査手段2によって、所望のビーム径に変換され、さらに、高速に偏向されて光ビームL2として光路を進む。高速偏向を受けている光ビームL2は、偏向走査手段2に入射して、P偏光ビームP1とS偏光ビームS1とに分岐される。分岐されたS偏光ビームS1は、ミラー4、5で反射して、第2の偏光ビームスプリッタ6に到達し、第2の偏光ビームスプリッタ6にて、P偏光ビームP1と合成される。このとき、P偏光ビームP1とS偏光ビームS1とは、互いに、走査方向に走査幅相当のずれ量で平行移動した状態(図1、図5及び図6)で合成される。合成されたP偏光ビームP1とS偏光ビームS1は、対物レンズ8によって集光されて、φ0.3−0.4μmの微小なP偏光の集光スポットPxと、S偏光の集光スポットSxとして、検査対象面9b上を照射する。
ここで、互いに直交するP偏光の集光スポットPxと、S偏光の集光スポットSxとは、図4及び図5に示すように、走査方向(矢印Y(+)の方向)に、例えば、40−70μmの走査幅W程度、互いに離隔分離して検査対象面9bを照射し走査する。すなわち、P偏光の集光スポットPxは、矢印Ayの方向に走査され、S偏光の集光スポットSxが走査方向(矢印Y(+)の方向)に走査幅W分ずれて(矢印Ayと平行の)矢印Byの方向に走査される。実際には、検査範囲を完全に網羅するために、図5に示すように、幅ΔW分の境界領域だけ、P偏光の集光スポットPxによる走査とS偏光の集光スポットSxによる走査とをオーバーラップさせるようにするのが好ましいい。それゆえ、厳密にいえば、P偏光の集光スポットPxとS偏光の集光スポットSxとの離隔距離は、図5に示すように、走査方向(矢印Y(+)の方向)に、走査幅Wから重複領域の幅ΔWを減じた距離となる。
走査制御回路10は、偏向走査手段2とXYステージ9との駆動を制御して、検査対象物9aの検査対象面9bを、互いに偏光面が直交する集光スポットPxと集光スポットSxとで順次走査し(図4及び図6)、各検査領域については、P偏光の集光スポットPxによる走査(P偏光ビーム走査Ay)とS偏光の集光スポットSxによる走査(S偏光ビーム走査By)との非同時2重走査を行う(図4及び図6)。ここで、P偏光の集光スポットPxによるP偏光ビーム走査AyとS偏光の集光スポットSxによるS偏光ビーム走査Byは、図5に示すように、互いに走査幅程度(W−ΔW)、離隔した状態で繰り返し行われる。そして、P偏光ビーム走査AyとS偏光ビーム走査Byとが繰り返される度に、XYステージ9の駆動系を制御して、検査対象物9aを、走査方向Y(+)と直交するX(-)方向に移動させる。この結果、P偏光の集光スポットPxとS偏光の集光スポットSxとは、図4及び図5に示すように、検査対象面9b上を、X(-)方向と平行かつ反対方向の矢印Ax方向、Bx方向に相対移動(副走査)し、これにより、2次元のP偏光ビーム走査Ay・Axと2次元のS偏光ビーム走査By・Bxとが検査対象面9b上で実施される。
このとき、図示せぬレーザ干渉計によるXYステージ9のX(-)方向移動距離の測長が行われる。そして、走査制御回路10は、レーザ干渉計から得られる測長データに基づいて、P偏光の集光スポットPxとS偏光の集光スポットSxとが、次の走査が行われる1次元の検査領域(走査位置)に到達したか否かを判断して、偏光ビーム走査Ay/By毎の走査開始タイミングを決定する。具体的には、図5に示すように、Δx(例えば、100nm)の距離毎に偏光ビーム走査Ay/Byをしたいときは、レーザ干渉計が、XYステージ9がΔx(100nm)進んだことを測定する度に、走査制御回路10は、偏向走査手段2に走査開始の命令を出す。
2次元のP偏光ビーム走査Ay・Axと2次元のS偏光ビーム走査By・Bxとが、図4に示すように、検査対象物9aの2次元の検査領域の終端に達すると、走査制御回路10は、XYステージ9の駆動系を制御して、載置する検査対象物9aをY(-)方向に走査幅分(厳密には(W−ΔW)の距離)ステップ送りさせる。これにより、同図に示すように、P偏光の集光スポットPxとS偏光の集光スポットSxとは、検査対象面9b上を相対移動して隣の2次元の検査領域の始端に移る。
この後、走査制御回路10は、今度は、前回のX(-)方向とは逆方向のX(+)方向にXYステージ9を移動(逆進)させながら、P偏光ビーム走査AyとS偏光ビーム走査Byとを繰り返す。この結果、P偏光の集光スポットPxとS偏光の集光スポットSxとは、同図に示すように、検査対象面9b上を、今度は、矢印Ax方向、Bx方向とは逆向きの矢印Ar方向、Br方向に相対移動(副走査)し、これにより、2次元のP偏光ビーム走査Ay・ArとS偏光ビーム走査By・Brとが、検査対象面9b上で実施される。以後、同様の動作を繰り返し、検査対象面9b上を蛇行しながら検査範囲を全走査する。
図6は、検査対象面9b上を蛇行して(一例として、3往復の)P偏光ビーム走査Ay・Ax、Ay・ArとS偏光ビーム走査By・Bx、By・Brとが実施される様子を示す模式図であり、同図(a)が、P偏光の集光スポットPxによる蛇行走査を示し、同図(b)が、S偏光の集光スポットSxによる蛇行走査を示している。
ここで、P偏光の集光スポットPxは、S偏光の集光スポットSxよりも、図6中の上方に、概略走査幅相当(W−ΔW)の距離だけ、離隔分離されて形成されるため、初回のP偏光ビーム走査Ay・Axが行われる走査範囲1−1の領域(同図(a))のように、P偏光の集光スポットPxのみによる走査範囲が存在する。同様に、S偏光の集光スポットSxは、P偏光の集光スポットPxよりも、図6中の下方に、走査幅相当の距離だけ、離隔分離されて形成されるため、最終回のS偏光ビーム走査By・Brが行われる走査範囲2−6の領域(同図(b))のように、S偏光の集光スポットSxのみによる走査範囲が存在する。
走査範囲のうち、走査範囲1−1、2−6以外の領域は、2重走査範囲として、P偏光ビーム走査Ay・Ax、Ay・ArとS偏光ビーム走査By・Bx、By・Brとの走査が重複して実行される。2重走査範囲が、実質的な検査範囲9cであり、検査範囲9cでは、同図(a)に示すように、2回目、3回目、……、6回目のP偏光ビーム走査Ay・Ax、Ay・Arが、走査範囲1−2、1−3、……、1−6に区切られて行われ、また、同図(b)に示すように、1回目、2回目、……、5回目のS偏光ビーム走査By・Bx、By・Brが、走査範囲2−1、2−2、……、2−5に区切られて行われる。
このような動作により、P偏光の集光スポットPxとS偏光の集光スポットSxとで非同時の2重走査が行われるため、P偏光の特性が反映されたP偏光反射画像とS偏光の特性が反映されたS偏光反射画像とを取得できる。それゆえ、欠陥検査の際には、P偏光で採られたP偏光反射画像とS偏光で採られたS偏光反射画像とを較べて、より分解能の優れる反射画像を採用することで、検査対象物(微細構造物)9bの形状欠陥や異物付着の有無等を高解像度かつ高感度で画面検査することができる。
次に、図6を参照して、画像処理の方法について説明する。
初回のP偏光ビーム走査Ay・Axと初回のS偏光ビーム走査By・Bxとは、それぞれの走査範囲(2次元の検査領域)1−1、2−1において同時に行われ、P偏光反射画像とS偏光反射画像とが同時に採取されるが、これらは、同一の走査範囲を写した反射画像ではない。すなわち、上記したように、走査範囲1−1の領域(同図(a))では、S偏光の集光スポットSxによる走査は実施されないので、走査範囲2−1を写したP偏光反射画像のみを画像処理システム14(図1)にバッファリングしておく。
XYステージ9の折り返しとなる、2回目のP偏光ビーム走査Ay・Arと2回目のS偏光ビーム走査By・Brとは、それぞれの走査範囲1−2、2−2において同時に行われ、P偏光反射画像とS偏光反射画像とが同時に採取される。ここで、2回目の走査で走査範囲1−2を写したP偏光反射画像と、初回の走査で走査範囲2−1を写したS偏光反射画像とは、共に、同一の検査領域を撮像したものであるため、走査範囲1−2を写したP偏光反射画像とバッファリングした走査範囲2−1を写したS偏光反射画像とを用いてダイ−ダイ(Die-Die)検査や、ダイ−データベース(Die-DB)検査や、これらの併用検査や、時間差検査を実施する。
ここで、半導体フォトマスク(レチクル)は半導体ウエハ上にフォトリソグラフィによって回路パターンを転写露光するが、1枚のウエハから同じ回路パターンの集積回路を多数生産できるように、レチクル上にも、ダイ(Die)と呼ばれる同じ回路パターンの塊がある。ダイ−ダイ検査とは、同じパターン同士であるダイの実画像同士を比較することで欠陥を検出する方法である。このダイ−ダイ検査では、表示装置に画面表示されたダイの実画像同士を肉眼観察することにより、行うこともできる。
また、ダイ−データベース検査とは、ダイの実画像としての反射画像と、CAD設計データから作り出した参照画像(参照パターン)REFとを比較検査する方法である。すなわち、この実施形態による欠陥検査装置を用いてダイ−データベース検査を行う際には、ダイの実画像と参照画像記憶部15(図1)から読み出された参照画像(参照パターン)REFとを重ね合わせる画像処理を行い、得られた差分画像に基づいて、検査対象物9aの欠陥を検出する。また、併用検査とは、ダイ−ダイ検査とダイ−データベース検査とを併用する検査のことである。また、時間差検査とは、ダイ画像データを保存しておいて、異なる時間で再度検査することをいう。
2回目の走査で走査範囲(2次元の検査領域)2−2を写したS偏光反射画像は、次(3回目)の走査で得られる走査範囲1−3のP偏光反射画像と共に、走査範囲2−2(すなわち、走査範囲1−3)の欠陥検査に用いられるため、画像処理システム14(図1)にバッファリングしておく。以後、このような検査処理を繰り返す。
実施形態2
図7は、この発明の第2の実施形態である微細構造物の欠陥検査装置の概略構成を示すブロック図である。
この第2の実施形態による欠陥検査装置が、上記した第1の実施形態のそれと、著しく異なるところは、検査対象物の反射画像に代えて、透過画像を取得して検査領域の欠陥の有無を検査する走査型透過顕微鏡方式を採用した点である。走査型透過顕微鏡方式を具現するために、この第2の実施形態では、反射光学系を構成する図1のハーフミラー7及び分離ミラー11を、図7に示すように、透過光学系対応に配置換えされている。なお、図7において、図1の構成部分と同一の各部には、同一の符号付してその説明を省略し、また、図1の構成部分と対応する各部には、添え字を付して対応関係を明確にしてその説明を省略する。
この例の構成によっても、第1の実施形態で述べたと略同様の効果を得ることができる。すなわち、P偏光の集光スポットPxとS偏光の集光スポットSxとで非同時の2重走査(図4)が行われるため、P偏光の特性が反映されたP偏光透過画像とS偏光の特性が反映されたS偏光透過画像とを取得できる。それゆえ、欠陥検査の際には、P偏光で採られたP偏光透過画像とS偏光で採られたS偏光透過画像とを較べて、より分解能の優れる透過画像を採用することで、検査対象物(微細構造物)9bの形状欠陥や異物付着の有無等を高解像度かつ高感度で画面検査することができる。
実施形態3
図8は、この発明の第3の実施形態である微細構造物の欠陥検査装置の概略構成を示すブロック図である。
この第3の実施形態による欠陥検査装置は、同図に示すように、上記した第1及び第2の実施形態を合体させて、検査対象物の反射画像と透過画像との両方を取得できるようにした点である。なお、図8において、図1又は図7の構成部分と同一の各部には、同一の符号付してその説明を省略し、また、図1又は図7の構成部分と対応する各部には、添え字を付して対応関係を明確にしてその説明を省略する。
この例の構成によっても、P偏光の集光スポットPxとS偏光の集光スポットSxとで非同時の2重走査(図4)が行われることは、上記した第1及び第2の実施形態と同様であるが、P偏光の特性が反映されたP偏光反射画像及びP偏光透過画像、並びに、S偏光の特性が反映されたS偏光反射画像及びS偏光透過画像との4種類の検査画像を同時に取得できるので、反射画像よりも透過画像の分解能が優れる場合にも対応でき、逆に、透過画像よりも反射画像の分解能が優れる場合にも対応できる。それゆえ、欠陥検査の際には、P偏光で採られたP偏光反射画像、P偏光透過画像とS偏光で採られたS偏光反射画像、S偏光透過画像との4種の画像を較べて、一段と分解能の優れる画像を採用することで、検査対象物(微細構造物)9bの形状欠陥や異物付着の有無等を高解像度かつ高感度で画面検査することができる。
実施形態4
次に、この発明の第4の実施形態による欠陥検査装置について説明する。
この第4の実施形態では、P偏光ビームP1とS偏光ビームS1とを重ね、重ねた2種類の偏光ビームで微細構造物の検査対象面上に設定された同一の検査領域を一度に走査するようにした点で、P偏光ビームP1とS偏光ビームS1とを、互いに、走査方向に概略走査幅相当のずれ量で平行移動した状態で重複走査する第1乃至第3の実施形態と、著しく相違している。
この実施形態の構成では、反射光をP偏光の反射光とS偏光の反射光とに分離して検出する光学手段として、コンフォーカル光学系の分離ミラー11(図2(a))に代えて、偏光分離光学系、例えば、図2(b)に示すように、P偏光の反射光P2を反射し、S偏光の反射光S2を透過する偏光ビームスプリッタ11cを用いることとなる。
この例の構成によっても、第1の実施形態で述べたと略同様の効果を得ることができる。しかしながら、偏光ビームスプリッタ11cを用いる構成では、パターンの形状やサイズ如何によっては、パターンのエッジ部分等で発生する光の散乱により偏光状態が乱れるため、図2(b)のP偏光の反射光成分PNとS偏光の反射光成分SNに示すようなクロストークが発生し、P偏光反射画像、S偏光反射画像のそれぞれの画像に互いの画像が映りこみ誤差の原因となる虞がある。
とくに、相対的に幅が狭く、奥行きがあるようなパターンに対しては、P偏光ビームP1とS偏光ビームS1とを独立に走査して、空間的に分離できるコンフォーカル光学系を用いる第1の実施形態の方が好ましい。
実施形態5
次に、図9を参照して、この発明の第5の実施形態による欠陥検査装置について説明する。この第5の実施形態では、P偏光ビームP1とS偏光ビームS1と円偏光ビームC1とにより、3ビームによる同時の分離走査を行い、この結果として、非同時の重複走査を実施できる構成となっている。すなわち、この構成では、P偏光の集光スポットPxとS偏光の集光スポットSxと円偏光C2の円偏光スポットCxとからなる3種類の偏光スポットで、矢印Ax,Bx、Dxの方向に、同時の分離ビーム走査を行い、それぞれ、走査方向Y(+)に概略走査幅分ずれた3箇所分の検査範囲の画像を取得する。次に、各集光スポットPx,Sx、Cxは、Y(+)方向に概略走査幅分の移動量でステップ送りされ、蛇行しながら走査を行い、これにより、共通の検査範囲について、P偏光画像、S偏光画像、円偏光画像からなる3種類の画像を取得して検査を行うことができる。
この実施形態については、円偏光ビームC1を含むことから、偏光による分離ができないため、空間的に各偏光ビームが分離した場所でミラー等で分離する。このように、この実施形態によれば、従来の円偏光を用いて偏光に関して平均的な画像(円偏光画像)をも同時に採取することが可能となり、P偏光画像やS偏光画像との差分をとることで、直線偏光に特化した画像の情報を取得することが可能となる。
実施形態6
次に、図10を参照して、この発明の第6の実施形態による欠陥検査装置について説明する。この実施形態では、ビーム走査方向に対して、共に45度傾いて、互いに直交する偏光面を有する傾斜P偏光ビームRxと傾斜S偏光ビームLxとを照射して画像を取得する。この例の構成によれば、斜め方向の微細パターンを有する検査対象物の検査に対応できる。
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、走査ビームの偏光特性と偏光スポットの個数は、上記した実施形態に限らず。任意に変更し得る。
例えば、円偏光と、ビーム走査方向に対して共に45度傾いて互いに直交する偏光面を有する第3及び第4の直線偏光とを含む、3本の光ビームからなるように構成しても良い。また、円偏光と、ビーム走査方向に平行する偏光面を有する第1の直線偏光と、ビーム走査方向に直交する偏光面を有する第2の直線偏光、ビーム走査方向に対して共に45度傾いて互いに直交する偏光面を有する第3及び第4の直線偏光とを含む、5本の光ビームからなるように構成しても良い。
また、透過画像や反射画像のほかにも、散乱画像を取得して検査に役立てることができる。散乱画像を取得する光学顕微鏡系としては、図1にような反射光学顕微鏡系を用いるようしても良く、図7に示すような透過光学顕微鏡系を用いても良い。純粋な散乱画像を得るためには、例えば、反射光や透過光を遮断する遮光手段を設けることで、達成できる。
また、従来装置では、検査光の反射光を利用して光学式のオートフォーカスシステムを構成している。光学式のオートフォーカスシステムは合焦精度が高く、フォーカス制御速度を高速にできる利点を有するが、検査対象の微細構造のパターン形状によっては、反射光に誤差成分を含み、フォーカスエラーを引き起こすことがある。この発明の欠陥検査装置は、そもそも、P偏光とS偏光とで観察しているパターンが異なるため、好適なパターンを選択する構成となっているので、P偏光とS偏光との両方でフォーカス信号を採取し、変動の少ない方のフォーカス信号に従ってフォーカス制御を行うようにすることもできる。
この発明は、微細構造を持つマスク原板、とくに、液晶パネル、半導体集積回路等の回路を転写する際に用いられるマスクやレチクルの異物や製造上の欠陥検査に適用できる他にも、微細な構造を有するMEMS、電子デバイス等の光学検査にも適用できる。
この発明の第1の実施形態である微細構造物の欠陥検査装置の概略構成を示すブロック図である。 (a)は、第1の実施形態の光学系を構成する分離ミラーの動作を説明するための概略拡大図、また、(b)は、第4の実施形態の光学系を構成する偏光ビームスプリッタの動作を説明するための概略拡大図である。 各種の検査対象物の断面構造を概略示す概略断面図である。 同欠陥検査装置によるP偏光とS偏光とによる非同時の重複走査動作を概念的に示す斜視図である。 同重複走査動作の説明に供される図である。 同第1の実施形態による画像処理の手順方法の説明に供される図である。 この発明の第2の実施形態である微細構造物の欠陥検査装置の概略構成を示すブロック図である。 この発明の第3の実施形態である微細構造物の欠陥検査装置の概略構成を示すブロック図である。 この発明の第5の実施形態である微細構造物の欠陥検査装置によるP偏光とS偏光と円偏光とによる非同時の重複走査動作を概念的に示す斜視図である。 この発明の第6の実施形態である微細構造物の欠陥検査装置による重複走査動作の説明に供される図である。
符号の説明
1 光源
2 偏向走査手段(走査手段)
3 第1の偏光ビームスプリッタ(光ビーム分岐手段)
L1、L2 光ビーム
9 XYステージ
9a、91、92、93 検査対象物(微細構造物)
9b 検査対象面
10 走査制御回路(走査制御手段)
11 分離ミラー(コンフォーカル光学系)
11c 偏光ビームスプリッタ(偏光分離光学系)
12、13 光電変換器(検出信号生成手段)
14 画像処理システム(画像処理手段)
P1 P偏光ビーム(偏光ビーム)
S1 S偏光ビーム(偏光ビーム)
C1 円偏光ビーム(偏光ビーム)
P2、S2 反射光
P3、S3 透過光
PR,PS,SR,PR 検出信号
REF 設計データとしての参照画像
P1、S1 第1の直線偏光
S1、P1 第2の直線偏光
Rx、Lx 傾斜P偏光ビーム、傾斜S偏光ビーム(第3の直線偏光)
Lx、Rx 傾斜S偏光ビーム、傾斜P偏光ビーム(第4の直線偏光)

Claims (24)

  1. 微細構造物の欠陥の有無を光ビームで検査するための微細構造物の欠陥検査方法であって、
    光源から出力される前記光ビームを互いに特性の異なるN本(Nは2以上の自然数)の偏光ビームに分岐し、
    前記微細構造物の検査対象面上に設定された同一の検査領域を、前記各偏光ビームで順次走査させることで、全体としてN回重複走査させて、前記検査対象面上の前記検査領域を写すN枚の反射画像、N枚の透過画像、又はN枚の散乱画像、又はこれら複数種類の画像のうち、任意の2種又は全種からなるM×N枚(Mは2又は3)の複数種の画像を採取して、前記微細構造物の欠陥の有無を検査すると共に、
    前記N本の偏光ビームは、互いに直交する偏光面を有する2本の直線偏光ビームを少なくとも含み、かつ、前記各直線偏光ビームを大きな開口数で集光して、その偏光方向に広がる楕円ビームを形成し、形成された前記楕円ビームで前記検査領域を走査させることを特徴とする微細構造物の欠陥検査方法。
  2. 微細構造物の欠陥の有無を光ビームで検査するための微細構造物の欠陥検査方法であって、
    光源から出力される前記光ビームを互いに特性の異なるN本(Nは2以上の自然数)の偏光ビームに分岐すると共に、これらの偏光ビームを互いに走査幅分の間隔で離隔する態様で、前記微細構造物の検査対象面に照射させ、
    前記検査対象面上に設定された同一の検査領域を、前記各偏光ビームで順次走査させることで、全体としてN回重複走査させて、前記検査対象面上の前記検査領域を写すN枚の反射画像、N枚の透過画像、又はN枚の散乱画像、又はこれら複数種類の画像のうち、任意の2種又は全種からなるM×N枚(Mは2又は3)の複数種の画像を採取して、前記微細構造物の欠陥の有無を検査すると共に、
    前記N本の偏光ビームは、互いに直交する偏光面を有する2本の直線偏光ビームを少なくとも含み、かつ、前記各直線偏光ビームを大きな開口数で集光して、その偏光方向に広がる楕円ビームを形成し、形成された前記楕円ビームで前記検査領域を走査させることを特徴とする微細構造物の欠陥検査方法。
  3. 微細構造物の欠陥の有無を光ビームで検査するための微細構造物の欠陥検査方法であって、
    光源から出力される前記光ビームを互いに特性の異なるN本(Nは2以上の自然数)の偏光ビームに分岐し、
    前記N本の偏光ビームを重ね、重ねた前記N本の偏光ビームで前記微細構造物の検査対象面上に設定された同一の検査領域を一度に走査させて、前記検査対象面上の前記検査領域を写すN枚の反射画像、N枚の透過画像、又はN枚の散乱画像、又はこれら複数種類の画像のうち、任意の2種又は全種からなるM×N枚(Mは2又は3)の複数種の画像を採取して、前記微細構造物の欠陥の有無を検査すると共に、
    前記N本の偏光ビームは、互いに直交する偏光面を有する2本の直線偏光ビームを少なくとも含み、かつ、前記各直線偏光ビームを大きな開口数で集光して、その偏光方向に広がる楕円ビーム成分を形成し、形成された前記楕円ビーム成分の重ね合わせからなる前記N本の偏光ビームで前記検査領域を走査させることを特徴とする微細構造物の欠陥検査方法。
  4. 前記微細構造物が、高精度パターンが形成されたレチクル又はフォトマスク、又は前記レチクル又は前記フォトマスクを用いて作成された微小電気機械部品又は電子デバイスからなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の微細構造物の欠陥検査方法。
  5. 前記N本の光ビームの反射光、透過光、又は散乱光を空間分離するコンフォーカル光学系を用いて分離し、前記反射画像、前記透過画像、又は前記散乱画像、又は前記複数種の画像を採取することを特徴とする請求項1又は2記載の微細構造物の欠陥検査方法。
  6. 前記N本の光ビームの反射光、透過光、又は散乱光を空間分離する偏光分離光学系を用いて分離し、前記反射画像、前記透過画像、又は前記散乱画像、又は前記複数種の画像を採取することを特徴とする請求項1、2又は3記載の微細構造物の欠陥検査方法。
  7. 実画像として採取した前記N枚の反射画像、N枚の透過画像、又はN枚の散乱画像、又は前記M×N枚の複数種の画像と、設計データとしての参照画像とを重ね合わせる画像処理を行い、得られた差分画像に基づいて、前記微細構造物の欠陥の有無を検査することを特徴とする請求項1、2又は3記載の微細構造物の欠陥検査方法。
  8. 前記N本の光ビームは、ビーム走査方向に平行する偏光面を有する第1の直線偏光と、ビーム走査方向に直交する偏光面を有する第2の直線偏光との2本の光ビームからなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の微細構造物の欠陥検査方法。
  9. 前記N本の光ビームは、円偏光と、ビーム走査方向に平行する偏光面を有する第1の直線偏光と、ビーム走査方向に直交する偏光面を有する第2の直線偏光とを含む、3本の光ビームからなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の微細構造物の欠陥検査方法。
  10. 前記N本の光ビームは、ビーム走査方向に対して共に45度傾いて互いに直交する偏光面を有する第3及び第4の直線偏光の2本の光ビームからなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の微細構造物の欠陥検査方法。
  11. 前記N本の光ビームは、円偏光と、ビーム走査方向に対して共に45度傾いて互いに直交する偏光面を有する第3及び第4の直線偏光とを含む、3本の光ビームからなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の微細構造物の欠陥検査方法。
  12. 前記N本の光ビームは、円偏光と、ビーム走査方向に平行する偏光面を有する第1の直線偏光と、ビーム走査方向に直交する偏光面を有する第2の直線偏光、ビーム走査方向に対して共に45度傾いて互いに直交する偏光面を有する第3及び第4の直線偏光とを含む、5本の光ビームからなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の微細構造物の欠陥検査方法。
  13. 微細構造物の欠陥の有無を光ビームで検査するための微細構造物の欠陥検査装置であって、
    前記微細構造物を載置して移動を行うXYステージと、
    光ビームを出力する光源と、
    前記光ビームを互いに特性の異なるN本(Nは2以上の自然数)の偏光ビームに分岐する光ビーム分岐手段と、
    前記微細構造物の検査対象面上に設定された検査領域を前記各偏光ビームで走査する走査手段と、
    前記走査手段と前記XYステージとの駆動を制御して、前記検査対象面上に設定された同一の検査領域を、前記走査手段に前記各偏光ビームで順次走査させ、全体としてN回重複走査させる走査制御手段と、
    前記検査領域から反射する反射光、同検査領域を透過する透過光、又は同検査領域にて散乱する散乱光、又は反射光、透過光、及び散乱光のうち、任意の2つ又は全部を受光して電気信号に変換し、検出信号を生成する検出信号生成手段と、
    該検出信号生成手段から出力される前記検出信号を用いて、前記検査対象面上の前記検査領域を写すN枚の反射画像、N枚の透過画像、又はN枚の散乱画像、又はこれら複数種の画像のうち、任意の2種又は全種からなるM×N枚(Mは2又は3)の複数種の画像を取得して、前記微細構造物の欠陥の有無を検査する画像処理手段とを備えてなると共に、
    前記N本の偏光ビームは、互いに直交する偏光面を有する2本の直線偏光ビームを少なくとも含み、かつ、前記各直線偏光ビームは大きな開口数で集光されて、その偏光方向に広がる楕円ビームが形成され、前記走査手段は、形成された前記楕円ビームで前記検査領域を走査することを特徴とする微細構造物の欠陥検査装置。
  14. 微細構造物の欠陥の有無を光ビームで検査するための微細構造物の欠陥検査装置であって、
    前記微細構造物を載置して移動を行うXYステージと、
    光ビームを出力する光源と、
    前記光ビームを互いに特性の異なるN本(Nは2以上の自然数)の偏光ビームに分岐すると共に、これらN本の偏光ビームを互いに走査幅分の間隔で離隔する態様で、前記微細構造物の検査対象面上に設定された検査領域に照射させる光ビーム分岐手段と、
    前記検査対象面上の前記検査領域を前記各偏光ビームで走査する走査手段と、
    前記走査手段と前記XYステージとの駆動を制御して、前記検査対象面上に設定された同一の検査領域を、前記走査手段に前記各偏光ビームで順次走査させ、全体としてN回重複走査させる走査制御手段と、
    前記検査領域から反射する反射光、同検査領域を透過する透過光、又は同検査領域にて散乱する散乱光、又は反射光、透過光、及び散乱光のうち、任意の2つ又は全部を受光して電気信号に変換し、検出信号を生成する検出信号生成手段と、
    該検出信号生成手段から出力される前記検出信号を用いて、前記検査対象面上の前記検査領域を写すN枚の反射画像、N枚の透過画像、又はN枚の散乱画像、又はこれら複数種の画像のうち、任意の2種又は全種からなるM×N枚(Mは2又は3)の複数種の画像を取得して、前記微細構造物の欠陥の有無を検査する画像処理手段とを備えてなると共に、
    前記N本の偏光ビームは、互いに直交する偏光面を有する2本の直線偏光ビームを少なくとも含み、かつ、前記各直線偏光ビームは大きな開口数で集光されて、その偏光方向に広がる楕円ビームが形成され、前記走査手段は、形成された前記楕円ビームで前記検査領域を走査することを特徴とする微細構造物の欠陥検査装置。
  15. 微細構造物の欠陥の有無を光ビームで検査するための微細構造物の欠陥検査装置であって、
    前記微細構造物を載置して移動を行うXYステージと、
    光ビームを出力する光源と、
    前記光ビームを互いに特性の異なるN本(Nは2以上の自然数)の偏光ビームに分岐する光ビーム分岐手段と、
    前記N本の偏光ビームを重ね、重ねた前記N本の偏光ビームで前記微細構造物の検査対象面上に設定された同一の検査領域を一度に走査する走査手段と、
    前記検査領域から反射する反射光、同検査領域を透過する透過光、又は同検査領域にて散乱する散乱光、又は反射光、透過光、及び散乱光のうち、任意の2つ又は全部を受光して電気信号に変換し、検出信号を生成する検出信号生成手段と、
    該検出信号生成手段から出力される前記検出信号を用いて、前記検査対象面上の前記検査領域を写すN枚の反射画像、N枚の透過画像、又はN枚の散乱画像、又はこれら複数種の画像のうち、任意の2種又は全種からなるM×N枚(Mは2又は3)の複数種の画像を取得して、前記微細構造物の欠陥の有無を検査する画像処理手段とを備えてなると共に、
    前記N本の偏光ビームは、互いに直交する偏光面を有する2本の直線偏光ビームを少なくとも含み、かつ、前記各直線偏光ビームは大きな開口数で集光されて、その偏光方向に広がる楕円ビーム成分が形成され、前記走査手段は、形成された前記楕円ビーム成分の重ね合わせからなる前記N本の偏光ビームで前記検査領域を走査することを特徴とする微細構造物の欠陥検査装置。
  16. 前記微細構造物が、高精度パターンが形成されたレチクル又はフォトマスク、又は前記レチクル又は前記フォトマスクを用いて作成された微小電気機械部品又は電子デバイスからなることを特徴とする請求項13、14又は15記載の微細構造物の欠陥検査装置。
  17. 前記N本の偏光ビームの反射光、透過光、又は散乱光を空間分離して前記検出信号生成手段に受光させるコンフォーカル光学系が付加されてなることを特徴とする請求項13又は14記載の微細構造物の欠陥検査装置。
  18. 前記N本の偏光ビームの反射光、透過光、又は散乱光を空間分離して前記検出信号生成手段に受光させる偏光分離光学系が付加されてなることを特徴とする請求項13、14又は15記載の微細構造物の欠陥検査装置。
  19. 前記画像処理手段では、実画像として得られた前記N枚の反射画像、N枚の透過画像、又はN枚の散乱画像、又は前記M×N枚の複数種の画像と、設計データとしての参照画像とを重ね合わせる画像処理を行い、得られた差分画像に基づいて、前記微細構造物の欠陥の有無を検査することを特徴とする請求項13、14又は15記載の微細構造物の欠陥検査装置。
  20. 前記N本の偏光ビームは、ビーム走査方向に平行する偏光面を有する第1の直線偏光と、ビーム走査方向に直交する偏光面を有する第2の直線偏光との2本の光ビームからなることを特徴とする請求項13、14又は15記載の微細構造物の欠陥検査装置。
  21. 前記N本の偏光ビームは、円偏光と、ビーム走査方向に平行する偏光面を有する第1の直線偏光と、ビーム走査方向に直交する偏光面を有する第2の直線偏光とを含む、3本の光ビームからなることを特徴とする請求項13、14又は15記載の微細構造物の欠陥検査装置。
  22. 前記N本の偏光ビームは、ビーム走査方向に対して共に45度傾いて互いに直交する偏光面を有する第3及び第4の直線偏光の2本の光ビームからなることを特徴とする請求項13、14又は15記載の微細構造物の欠陥検査装置。
  23. 前記N本の偏光ビームは、円偏光と、ビーム走査方向に対して共に45度傾いて互いに直交する偏光面を有する第3及び第4の直線偏光とを含む、3本の光ビームからなることを特徴とする請求項13、14又は15記載の微細構造物の欠陥検査装置。
  24. 前記N本の偏光ビームは、円偏光と、ビーム走査方向に平行する偏光面を有する第1の直線偏光と、ビーム走査方向に直交する偏光面を有する第2の直線偏光、ビーム走査方向に対して共に45度傾いて互いに直交する偏光面を有する第3及び第4の直線偏光とを含む、5本の光ビームからなることを特徴とする請求項13、14又は15記載の微細構造物の欠陥検査装置。
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