JP2006343102A - 表面検査装置および表面検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】照明光を短波長化しなくても、確実に繰り返しピッチの微細化に対応できる表面検査装置および表面検査方法を提供する。
【解決手段】本発明の表面検査装置は、被検査基板を照明するための直線偏光の発散光束を射出する光源手段と、前記直線偏光の発散光束を該光束の主光線が所定の入射角を有するように入射して前記被検査基板に導く光学部材と、前記検査基板からの光束のうち前記直線偏光とは偏光方向が直交する直線偏光を受光する受光手段と、前記光源手段と前記受光手段との間の光路中に配置され、前記光学部材に起因して発生する偏光面の乱れを解消する少なくとも1つの偏光補正部材と、を有し、前記受光手段で受光した光に基づいて前記被検査基板の表面の検査を行う。
【選択図】 図12

Description

本発明は、半導体素子等の製造過程における、基板表面のムラ、傷、等の欠陥を検出する表面検査方法及び装置に関する。
半導体回路素子等の製造工程におけるウェハの表面に形成された繰り返しパターンの欠陥の検査装置として、従来から、回折を利用したものが知られている。回折を利用した装置では、パターンのピッチによりステージのチルト角の調整が必要になる。また、より微細なパターンへの対応のためには照明光の波長の短波長化が必要である。
特開平10−232122号公報
しかしながら、繰り返しピッチの微細化(すなわち配線パターンなどのライン・アンド・スペースの微細化)に対応するために、照明光の短波長化を行おうとすると、光源の種類が限定され、高価で大掛かりな光源となってしまう。また、更に照明系や受光系を構成する光学素子の材料も高価なものに限定され、好ましくない。
本発明の目的は、照明光を短波長化しなくても、確実に繰り返しピッチの微細化に対応できる表面検査装置および表面検査方法を提供することにある。
上記課題を解決のため、本発明の表面検査装置は、被検査基板を照明するための直線偏光の発散光束を射出する光源手段と、前記直線偏光の発散光束を該光束の主光線が所定の入射角を有するように入射して前記被検査基板に導く光学部材と、前記検査基板からの光束のうち前記直線偏光とは偏光方向が直交する直線偏光を受光する受光手段と、前記光源手段と前記受光手段との間の光路中に配置され、前記光学部材に起因して発生する偏光面の乱れを解消する少なくとも1つの偏光補正部材と、を有し、前記受光手段で受光した光に基づいて前記被検査基板の表面の検査を行うものである。
請求項2の表面検査装置は、被検査基板を照明するための直線偏光の光束を射出する光源手段と、前記被検査基板からの光束を入射する位置に配置され、前記被検査基板からの光束を該光束の主光線が所定の射出角を有する収束光束として射出する光学部材と、前記光学部材からの収束光束のうち前記所定の直線偏光とは直交する直線偏光を受光する受光手段と、前記光源手段と前記受光手段との間に光路中に配置され、該光学部材に起因して発生する偏光面の乱れを解消する少なくとも1つの偏光補正部材と、を有し、前記受光手
段で受光した光に基づいて前記被検査基板の表面の検査を行うものである。
請求項3に記載の表面検査装置は、被検査基板を照明するための直線偏光の発散光束を射出する光源手段と、前記直線偏光の発散光束を所定の入射角度をもって入射させ、前記被検査基板へ導く第1の光学部材と、前記被検査基板からの光束を入射して、その収束光
束を所定の射出角度をもって射出し所定面に結像させる第2の光学部材と、前記第2の光学部材からの収束光束のうち前記直線偏光とは直交する直線偏光を抽出する抽出手段と、 前記第2の光学部材と前記抽出手段とを経て形成された前記検査基板の像を受光する受光手段と、前記光源手段と前記受光手段との間の光路中に配置され、前記第1および第2の光学部材に起因して発生する前記光束の偏光面の乱れを解消する少なくとも1つの偏光補正
部材を有するものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の表面検査装置において、前記光学部材は入射する光束に対して収束作用を与えるものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の表面検査装置において、前記偏光補正部材は、前記非平行光束の主光線に対する前記光学部材の傾き方向とは逆の方向に傾けられて、非平行光束中に配置されているものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の表面検査装置において、前記偏光補正部材の傾き方向と傾き角度との少なくとも一方を調整可能に保持する保持手段を更に有するものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の表面検査装置において、前記偏光補正部材は、前記光学部材の面に対して傾斜して配置された硝子の平行平板であるものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の表面検査装置において、前記偏光補正部材は、前記光学部材の前記光軸に垂直な面に対して傾斜して配置され、互いの結晶軸が直交するように貼り合わせられた2枚の複屈折性結晶の平行平板であるものである。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の表面検査装置において、前記偏光補正部材は、前記光学部材の前記光軸に垂直な面に対して傾斜して配置され、互いの結晶軸が直交するように、かつ平行平板を形成するように貼り合せられた2枚の楔形の複屈折性結晶であるものである。
請求項10に記載の偏光照明装置は、前記偏光の発散光束を射出する光源手段と、前記光源手段で生成された直線偏光の光束を所定の入射角度をもって入射させ、前記被検査基板へ導く光学部材と、前記光源手段と前記被検査基板との間の光路中に配置され、前記光学部材に起因して発生する前記光束の偏光面の乱れを解消する偏光補正部材を有するものである。
請求項11に記載の受光装置は、被検査基板からの所定の偏光成分を有する光束を入射して、その収束光束を所定の射出角度をもって射出させる光学部材と、前記光学部材からの光束のうち直線偏光を受光する受光手段と、前記被検査基板と前記受光手段との間の光路中に配置され、前記光学部材に起因して発生する前記光束の偏光面の乱れを解消する偏光補正部材を有するものである。
本発明によれば、照明光を短波長化しなくても、確実に繰り返しピッチの微細化に対応できる。
以下、図面を用いて本発明の偏光を用いた表面検査装置の原理について詳細に説明する。
本発明の表面検査装置30は、図1に示すように、被検基板である半導体ウェハ20を支持するステージ11と、アライメント系12と、照明系13と、受光系14と、画像処理装置15とで構成されている。表面検査装置30は、半導体回路素子の製造工程において、半導体ウェハ20の表面の検査を自動的に行う装置である。半導体ウェハ20は、最上層のレジスト膜への露光・現像後、不図示の搬送系により、不図示のウェハカセットまたは現像装置から運ばれ、ステージ11に吸着される。
半導体ウェハ20の表面には、図2に示すように、複数のチップ領域21がXY方向に配列され、各チップ領域21の中に繰り返しパターン22が形成されている。繰り返しパターン22は、図3に示すように、複数のライン部2Aがその短手方向(X方向)に沿って一定のピッチPで配列されたレジストパターン(例えば配線パターン)である。隣り合うライン部2Aどうしの間は、スペース部2Bである。ライン部2Aの配列方向(X方向)を「繰り返しパターン22の繰り返し方向」という。
ここで、繰り返しパターン22のライン部2Aの線幅DAの設計値をピッチPの1/2とする。設計値の通りに繰り返しパターン22が形成された場合、ライン部2Aの線幅DA
とスペース部2Bの線幅DBは等しくなり、ライン部2Aとスペース部2Bとの体積比は
略1:1になる。これに対して、繰り返しパターン22を形成する際の露光フォーカスが適正値から外れると、ピッチPは変わらないが、ライン部2Aの線幅DAが設計値とは異
なってしまい、スペース部2Bの線幅DBとも異なってしまい、ライン部2Aとスペース
部2Bとの体積比が略1:1から外れる。
本発明の表面検査装置30は、上記のような繰り返しパターン22におけるライン部2Aとスペース部2Bとの体積比の変化を利用して、繰り返しパターン22の欠陥検査を行うものである。説明を簡単にするため、理想的な体積比(設計値)を1:1とする。体積比の変化は、露光フォーカスの適正値からの外れに起因し、半導体ウェハ20のショット領域ごとに現れる。なお、体積比を断面形状の面積比と言い換えることもできる。
また、繰り返しパターン22に対する照明光(後述)の波長と比較して繰り返しパターン22のピッチPが十分小さいとする。このため、繰り返しパターン22から回折光が発生することはなく、繰り返しパターン22の欠陥検査を回折光により行うことはできない。本発明の欠陥検査の原理は、以降、表面検査装置30の構成(図1)と共に順に説明する。
表面検査装置30のステージ11は、半導体ウェハ20を上面に載置して、例えば真空吸着により固定保持する。さらに、ステージ11は、上面の中心における法線1Aを軸に回転可能である。この回転機構によって、半導体ウェハ20の繰り返しパターン22の繰り返し方向(図2,図3のX方向)を、半導体ウェハ20の表面内で回転させることがで
きる。なお、ステージ11は、上面が水平面であり、チルト機構を持たない。このため、半導体ウェハ20を常に水平な状態に保つことができる。
アライメント系12は、ステージ11が回転しているときに、半導体ウェハ20の外縁部を照明し、外縁部に設けられた外形基準(例えばノッチ)の回転方向の位置を検出し、所定位置でステージ11を停止させる。その結果、半導体ウェハ20の繰り返しパターン22の繰り返し方向(図2,図3のX方向)を、後述の照明光の入射面3A(図4参照)
に対して、45度の角度に傾けて設定することができる。
照明系13は、光源31と波長選択フィルタ32とライトガイドファイバ33と偏光板34と凹面反射鏡35とで構成された偏心光学系であり、ステージ11上の半導体ウェハ20の繰り返しパターン22を直線偏光L1により照明する。この直線偏光L1が、繰り返しパターン22に対する照明光である。直線偏光L1は、半導体ウェハ20の表面全体に照射される。
直線偏光L1の進行方向(半導体ウェハ20の表面上の任意の点に到達する直線偏光L1の主光線の方向)は、凹面反射鏡35の光軸O1に略平行である。光軸O1は、ステージ11の中心を通り、ステージ11の法線1Aに対して所定の角度θだけ傾けられている
。ちなみに、直線偏光L1の進行方向を含み、ステージ11の法線1Aに平行な平面が、直線偏光L1の入射面である。図4の入射面3Aは、半導体ウェハ20の中心における入射面である。
また、本説明では、例えば直線偏光L1がp偏光である。つまり、図5(a)に示すように、直線偏光L1の進行方向と電気ベクトルの振動方向とを含む平面(直線偏光L1の振動面)が、直線偏光L1の入射面(3A)内に含まれる。直線偏光L1の振動面は、凹面反射鏡35の前段に配置された偏光板34の透過軸により規定される。
なお、照明系13の光源31は、メタルハライドランプや水銀ランプなどの安価な放電光源である。波長選択フィルタ32は、光源31からの光のうち所定波長の輝線スペクトルを選択的に透過する。ライトガイドファイバ33は、波長選択フィルタ32からの光を伝送する。偏光板34は、ライトガイドファイバ33の射出端近傍に配置され、その透過軸が所定の方位に設定され、透過軸に応じてライトガイドファイバ33からの光を直線偏光にする。凹面反射鏡35は、球面の内側を反射面とした反射鏡であり、前側焦点がライトガイドファイバ33の射出端と略一致し、後側焦点が半導体ウェハ20の表面と略一致するように配置され、偏光板34からの光を半導体ウェハ20の表面に導く。照明系13は、半導体ウェハ20側に対してテレセントリックな光学系である。
上記の照明系13において、光源31からの光は、波長選択フィルタ32とライトガイドファイバ33と偏光板34と凹面反射鏡35とを介し、p偏光の直線偏光L1(図5(
a))となって、半導体ウェハ20の表面全体に入射する。半導体ウェハ20の各点にお
ける直線偏光L1の入射角度は、互いに同じであり、光軸O1と法線1Aとの成す角度θに相当する。
半導体ウェハ20に入射する直線偏光L1がp偏光(図5(a))であるため、図4に示す通り、半導体ウェハ20の繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)が直線偏光L1の入射面(3A)に対して45度の角度に設定された場合、半導体ウェハ20の表面における直線偏光L1の振動面の方向(図6のV方向)と、繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)との成す角度も、45度に設定される。
換言すると、直線偏光L1は、半導体ウェハ20の表面における振動面の方向(図6のV方向)が繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)に対して45度に傾いた状態で、繰り返しパターン22を斜めに横切るような状態で、繰り返しパターン22に入射する。
このような直線偏光L1と繰り返しパターン22との角度状態は、半導体ウェハ20の表面全体において均一である。なお、45度を135度,225度,315度の何れかに言い換えても、直線偏光L1と繰り返しパターン22との角度状態は同じである。また、図6の振動面の方向(V方向)と繰り返し方向(X方向)との成す角度を45度に設定するのは、繰り返しパターン22の欠陥検査の感度を最も高くするためである。
そして、上記の直線偏光L1を用いて繰り返しパターン22を照明すると、繰り返しパターン22から正反射方向に楕円偏光L2が発生する(図1,図5(b))。この場合、楕
円偏光L2の進行方向が正反射方向に一致する。正反射方向とは、直線偏光L1の入射面(3A)内に含まれ、ステージ11の法線1Aに対して角度θ(直線偏光L1の入射角度θに等しい角度)だけ傾いた方向である。なお、上記の通り、繰り返しパターン22のピッチPが照明波長と比較して十分小さいため、繰り返しパターン22から回折光が発生することはない。
ここで、直線偏光L1が繰り返しパターン22により楕円化し、繰り返しパターン22から楕円偏光L2が発生する理由について簡単に説明する。直線偏光L1は、繰り返しパターン22に入射すると、振動面の方向(図6のV方向)が、図7に示す2つの偏光成分VX,VYに分かれる。一方の偏光成分VXは、繰り返し方向(X方向)に平行な成分である。他方の偏光成分VYは、繰り返し方向(X方向)に垂直な成分である。そして、2つの
偏光成分VX,VYは、それぞれ独立に、異なる振幅変化と位相変化とを受ける。振幅変化
と位相変化が異なるのは、繰り返しパターン22の異方性に起因して複素反射率(つまり複素数の振幅反射率)が異なるからであり、構造性複屈折(formbirefringence)と呼ば
れる。その結果、2つの偏光成分VX,VYの反射光は互いに振幅と位相が異なり、これら
の合成による反射光は楕円偏光L2となる(図5(b))。
また、繰り返しパターン22の異方性に起因する楕円化の程度は、図5(b)の楕円偏光L2のうち、図5(a)の直線偏光L1の振動面(入射面(3A)と一致)に垂直な偏光成分L3(図5(c))と考えることができる。そして、この偏光成分L3の大きさは、繰り返しパターン22の材質および形状と、図6の振動面の方向(V方向)と繰り返し方向(X方
向)との成す角度に依存する。このため、V方向とX方向との成す角度を一定の値(例え
ば45度)に保つ場合、繰り返しパターン22の材質が一定であっても、繰り返しパターン22の形状が変化すると、楕円化の程度(偏光成分L3の大きさ)が変化することになる。
繰り返しパターン22の形状と偏光成分L3の大きさとの関係について説明する。図3に示すように、繰り返しパターン22は、ライン部2Aとスペース部2BとをX方向に沿って交互に配列した凹凸形状を有し、適正な露光フォーカスで設計値の通りに形成されると、ライン部2Aの線幅DAとスペース部2Bの線幅DBが等しく、ライン部2Aとスペース部2Bとの体積比が略1:1となる。このような理想的な形状の場合、偏光成分L3の大きさは最も大きくなる。これに対し、露光フォーカスが適正値から外れると、ライン部2Aの線幅DAとスペース部2Bの線幅DBとが異なってしまい、ライン部2Aとスペース部2Bとの体積比が略1:1から外れる。このとき、偏光成分L3の大きさは理想的な場合と比較して小さくなる。偏光成分L3の大きさの変化を図示すると、図8のようになる。図8の横軸は、ライン部2Aの線幅DAである。
このように、直線偏光L1を用い、図6の振動面の方向(V方向)が繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)に対して45度に傾いた状態で、繰り返しパターン22を照明すると、正反射方向に発生した楕円偏光L2(図1,図5(b))は、その楕円化の程度(
図5(c)の偏光成分L3の大きさ)が、繰り返しパターン22の形状(ライン部2Aとスペース部2Bとの体積比)に応じたものとなる(図8)。楕円偏光L2の進行方向は、直線偏光L1の入射面(3A)内に含まれ、ステージ11の法線1Aに対して角度θ(直線偏光L1の入射角度θに等しい角度)だけ傾いている。
次に、受光系14の説明を行う。受光系14は、図1に示すように、凹面反射鏡36と結像レンズ37と偏光板38と撮像素子39とで構成された偏心光学系である。
凹面反射鏡36は、上記した照明系13の凹面反射鏡35と同様の反射鏡であり、その光軸O2が、ステージ11の中心を通り、かつ、ステージ11の法線1Aに対して角度θだけ傾くように配置されている。したがって、繰り返しパターン22からの楕円偏光L2は、凹面反射鏡36の光軸O2に沿って進行することになる。凹面反射鏡36は、楕円偏光L2を反射して結像レンズ37の方に導き、結像レンズ37と協働して撮像素子39の撮像面に集光する。
ただし、結像レンズ37と凹面反射鏡36との間には、偏光板38が配置されている。偏光板38の透過軸の方位は、上記した照明系13の偏光板34の透過軸に対して直交す
るように設定されている(クロスニコル(直交ニコル)の状態)。したがって、偏光板38により、楕円偏光L2の図5(c)の偏光成分L3に相当する偏光成分L4(図1)のみを抽出して、撮像素子39に導くことができる。その結果、撮像素子39の撮像面には、偏光成分L4による半導体ウェハ20の反射像が形成される。
撮像素子39は、例えばCCD撮像素子などであり、撮像面に形成された半導体ウェハ20の反射像を光電変換して、画像信号を画像処理装置15に出力する。半導体ウェハ20の反射像の明暗は、偏光成分L4の光強度(図5(c)の偏光成分L3の大きさ)に略比例し、繰り返しパターン22の形状(ライン部2Aとスペース部2Bとの体積比)に応じて変化する(図8参照)。半導体ウェハ20の反射像が最も明るくなるのは、繰り返しパターン22が理想的な形状(体積比が1:1)の場合である。なお、半導体ウェハ20の反射像の明暗は、ショット領域ごとに現れる。
画像処理装置15は、撮像素子39から出力される画像信号に基づいて、半導体ウェハ20の反射画像を取り込む。なお、画像処理装置15は、比較のため、良品ウェハの反射画像を予め記憶している。良品ウェハとは、繰り返しパターン22が理想的な形状(体積比が1:1)で表面全体に形成されたものである。良品ウェハの反射画像の輝度情報は、最も高い輝度値を示すと考えられる。
したがって、画像処理装置15は、被検基板である半導体ウェハ20の反射画像を取り込むと、その輝度情報を良品ウェハの反射画像の輝度情報と比較する。そして、半導体ウェハ20の反射画像の暗い箇所の輝度値の低下量(∝図8の低下量Δ)に基づいて、繰り返しパターン22の欠陥(ライン部2Aとスペース部2Bとの体積比の変化)を検出する。例えば、輝度値の低下量が予め定めた閾値(許容値)より大きければ「欠陥」と判定し、閾値より小さければ「正常」と判断すればよい。
なお、画像処理装置15においては、上記のように、良品ウェハの反射画像を予め記憶しておく構成の他、ウェハのショット領域の配列データと輝度値の閾値を予め記憶しておく構成でもよい。
この場合、ショット領域の配列データに基づいて、取り込まれたウェハの反射画像中における各ショット領域の位置が分かるので、各ショット領域の輝度値を求める。そして、その輝度値と記憶されている閾値とを比較することにより、パターンの欠陥を検出する。閾値より輝度値が小さいショット領域を欠陥と判断すればよい。
上記したように、表面検査装置30によれば、直線偏光L1を用い、図6の振動面の方向(V方向)が繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)に対して傾いた状態で、繰り返しパターン22を照明すると共に、正反射方向に発生した楕円偏光L2のうち、偏光成分L4の光強度(図5(c)の偏光成分L3の大きさ)に基づいて、繰り返しパターン22の欠陥を検出するため、照明波長と比較して繰り返しパターン22のピッチPが十分小さくても、確実に欠陥検査を行うことができる。つまり、照明光である直線偏光L1を短波長化しなくても、確実に繰り返しピッチの微細化に対応できる。
さらに、表面検査装置30では、図6の振動面の方向(V方向)と繰り返し方向(X方向)との成す角度を45度に設定したことにより、半導体ウェハ20の反射画像の輝度値の低下量(∝図8の低下量Δ)を大きく捉えることができ、繰り返しパターン22の欠陥検査を高感度で行うことができる。
また、表面検査装置30では、照明波長と比較して繰り返しパターン22のピッチPが十分小さい場合に限らず、繰り返しパターン22のピッチPが照明波長と同程度でも、照
明波長より大きい場合でも、同様に繰り返しパターン22の欠陥検査を行うことができる。つまり、繰り返しパターン22のピッチPに拘わらず、確実に欠陥検査を行うことができる。繰り返しパターン22による直線偏光L1の楕円化は、繰り返しパターン22のライン部2Aとスペース部2Bとの体積比に依存して起こるものであり、繰り返しパターン22のピッチPに依存しないからである。
さらに、表面検査装置30では、繰り返しパターン22のライン部2Aとスペース部2Bとの体積比が同じであれば、反射画像の輝度値の低下量(∝図8の低下量Δ)が等しくなる。このため、繰り返しパターン22のピッチPに拘わらず、体積比の変化量が同じであれば、同じ感度で、その検出を行うことができる。例えば、図9(a),(b)に示す繰り
返しパターン22のように、ピッチPが異なり、ライン部2Aとスペース部2Bとの体積比が同じ場合、同じ感度で欠陥検査を行える。また、図9(a),(b)の比較から分かるよ
うに、ピッチPが小さいほど、微細な形状変化(ライン部2Aの線幅DAの設計値からの
ずれ量δ)を確実に検出することができる。
また、表面検査装置30では、繰り返しパターン22のピッチPが異なる場合でも、半導体ウェハ20を水平な状態に保ったままで(従来のようなステージのチルト調整を行わずに)検査を行えるため、実際に欠陥検査を開始する(つまり半導体ウェハ20の反射画像を取り込む)までの準備時間を確実に短縮することができ、作業効率が向上する。
さらに、表面検査装置30では、ステージ11がチルト機構を持たないため、装置構成が簡素化する。また、照明系13の光源31として安価な放電光源を用いることができ、表面検査装置30の全体構成が安価で簡素なものとなる。
また、表面検査装置30では、半導体ウェハ20の表面に複数種類の繰り返しパターンが形成され、ピッチPや繰り返し方向(X方向)の異なる繰り返しパターンが混在している場合でも、半導体ウェハ20の表面全体の反射画像を一括で取り込み、各々の箇所における輝度値の低下量を調べるだけで、全ての繰り返しパターンの欠陥検査を簡単に行うことができる。ちなみに、繰り返し方向の異なる繰り返しパターンは、図10に示すように、0度方向の繰り返しパターン25と90度方向の繰り返しパターン26とである。これらの繰り返しパターン25,26は、互いに、繰り返し方向(X方向)が90度異なっている
。しかし、各々の繰り返し方向(X方向)と直線偏光L1の振動面の方向(V方向)との成す角度は、共に45度である。
さらに、表面検査装置30では、半導体ウェハ20の表面に対して直線偏光L1を斜めに入射させるため(図1参照)、繰り返しパターン22のライン部2Aのエッジ形状の非対称性(例えばエッジ形状の崩れの方向性)に関わる欠陥情報も得ることができる。このためには、ステージ11により半導体ウェハ20の繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)を180度回転させ、その前後の状態で半導体ウェハ20の反射画像を取り込み、同じ箇所の輝度差を調べることになる。
図11には、エッジ形状が非対称な繰り返しパターン22と直線偏光L1の入射方向との関係を図示した。例えば、図11(a)は180度回転前の状態であり、ライン部2AのエッジE1,E2のうち崩れたエッジ(E1)側から照明光が入射される。図11(b)は180度回転後の状態であり、2つのエッジE1,E2のうち崩れていないエッジ(E2)側から照明光が入射される。そして、各々の状態で取り込んだ反射画像の輝度値は、入射方向にあるエッジE1,E2のエッジ形状を反映したものとなり、この例では図11(a)の場合の
方が反射画像の輝度値が大きくなる。したがって、180度回転させる前後の反射画像の輝度差を調べることにより、ライン部2Aのエッジ形状の非対称性が分かる。180度回転させる前後の反射画像を合成して欠陥検査を行ってもよい。
なお、半導体ウェハ20の表面に対して直線偏光L1を斜めに入射させる場合(図1参照,入射角度θ)、繰り返しパターン22から発生する楕円偏光L2(図5(b))は、厳
密に言えば、その進行方向を軸として僅かに回転している。このため、その回転角度を考慮して、受光系14の偏光板38の透過軸の方位を微調整することが好ましい。微調整後の状態では、2つの偏光板34,38の透過軸の方位が正確な90度ではなくなるが、こ
のような角度も"垂直(または直交)"の範疇であり、クロスニコルの状態と言える。偏光板38の透過軸の方位を微調整することにより、検査精度を向上させることができる。微調整の方法としては、例えば、繰り返しパターンの無い表面で直線偏光L1を反射させて画像を取り込み、画像の輝度値が最も小さくなるように、偏光板38の透過軸の方位を回転させることが考えられる。
また、上記では、直線偏光L1がp偏光である例を説明したが、本発明はこれに限定されない。p偏光ではなくs偏光にしても良い。s偏光とは、振動面が入射面に垂直な直線偏光である。このため、図4に示す通り、半導体ウェハ20の繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)が直線偏光L1であるs偏光の入射面(3A)に対して45度の角度に設定された場合、半導体ウェハ20の表面におけるs偏光の振動面の方向と、繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)との成す角度も、45度に設定される。
なお、p偏光は、繰り返しパターン22のライン部2Aのエッジ形状に関わる欠陥情報を取得するのに有利である。s偏光は、半導体ウェハ20の表面の欠陥情報を効率よく捉えて、SN比を向上させるのに有利である。
さらに、p偏光やs偏光に限らず、振動面が入射面に対して任意の傾きを持つような直線偏光でも構わない。この場合、繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)を直線偏光L1の入射面に対して45度以外の角度に設定し、半導体ウェハ20の表面における直線偏光L1の振動面の方向と、繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)との成す角度を、45度に設定することが好ましい。
図12は、本発明による第1実施例の照明光学系13を示す図である。
ランプハウスLSの内部には不図示のハロゲンランプやメタルハライドランプ、水銀ランプなどの光源31と、波長選択フィルタ32、不図示の、光量調整用のNDフィルタ等が内蔵されており、一部の波長の光のみが照明光L1として抽出され、ライトガイドファイバ33に入射している。照明光学系13はライトガイドファイバ33と偏光板34と偏光補償板9と凹面反射鏡35とで構成されている。ライトガイドファイバ33から射出された発散光束である照明光L1は球面形状の凹面反射鏡35によりほぼ平行な光に変換され、ステージ11上に載置されたウェハ20を照明する。ライトガイドファイバ33の射出部付近には偏光板34が配置されていて、ライトガイドファイバ33から射出された照明光L1を直線偏光にする。偏光板34によって直線偏光となった光は後述する偏光補償板9を経て凹面反射鏡35よってコリメートされ、直線偏光のコリメート光がウェハ20を照明する。スループットを向上させるためには、ウェハ面全面の画像を一括で取ることが極めて有利であるので、本実施形態では、上述のように、光源からの光束を拡大して、凹面反射鏡35によりコリメートし、ウェハ全面を照明できる構成となっている。
本実施例においては、照明光学系13には、偏光板34と凹面反射鏡35との間に、偏光補償板9が配置されている。まず、偏光補償板を有さない場合に、凹面反射鏡12に入射し、反射した光束の偏光状態について説明する。
図12において、ライトガイドファイバ33の開口数に応じて発散された照明光L1は
上述のように偏光板34で所定の直線偏光に変換され、発散光束の主光線AX1は凹面反射鏡35の光軸O35に対してずれた部位に入射する所謂軸外しの光学系となっている。
ここで、説明のため、凹面反射鏡35に関して、凹面反射鏡に入射する直線偏光L1の主光線AX1と、主光線が入射する凹面反射鏡の部位の垂線とを含む平面を、凹面反射鏡に入射する直線偏光L1の基準入射面A4と定義する。また、前記基準入射面のうち、前記主光線と平行で前記凹面反射鏡と垂直に交わる軸をこの凹面反射鏡の光軸O35と定義する。
前述のように、凹面反射鏡35に入射する光束は、発散光束である。このためFrenelの反射の式に従って、偏光のp成分とs成分との間に透過率の差が発生し、その結果偏光面の回転が発生する。
以下偏光面の回転の挙動について説明する。基準入射面A4に対して平行な振動面(p偏光)を有する直線偏光の発散光束が凹面反射鏡35に入射される場合を考える。図13にこの様子を示す。図12においては、光源からの光は凹面反射鏡35の有効径にのみ入射するが、図13は、凹面反射鏡を前記光軸O35を中心とし、凹面反射鏡35の有効径を含む円(点線)として表し、入射光束の径もこの円全体を照明するように拡大して記載している。このとき、凹面反射鏡35の面のうち、前記基準入射面A4と交わる部位と、光軸O35を含み前記基準入射面A4に対して垂直な面と交わる部位とにおいては、偏光面の回転は起こらないが、凹面反射鏡35の他の部位では回転が起こる。図13に示すように、凹面反射鏡35の面内のうち、基準入射面を挟んで線対称に偏光の振動面は回転する。また、偏光の振動面の回転は、凹面反射鏡35のうち、光軸O35を含み、基準入射面に対して垂直な面をはさんでも線対称に発生する。この偏光の回転量は凹面反射鏡の光軸O35から離れた部位ほど大きい。これは、凹面反射鏡の光軸から離れた部位ほど、すなわち、垂直入射からはなれた部位ほど入射光線の入射角が大きくなるためである。
ここで、図12のように、凹面反射鏡35の光軸O35からずれた位置から発散光束が入射すると(図13の実線で囲んだ領域35が凹面反射鏡35の光束入射領域に対応)、凹面反射鏡35に入射する光束の最も左側の光は最も入射角度が小さく、最も右側の光は最も入射角度が大きくなるような傾斜を有する。(入射角度は入射光と、凹面反射鏡面の法線との角度である)。
このように凹面反射鏡に対する光の入射角度が面内で異なる(傾斜を有する)ため、面内で偏光面の回転にわずかの差が生じ、例えば、後段にクロスニコルで偏光板を配置したときに消光比のムラが発生する。
凹面反射鏡に方位角αiの直線偏光が入射した時の反射光の偏光の方位角αrは(1)式で表される。
tanαr=rs/rp・exp(i・(Δs−Δp))tanαi
=rs/rp・exp(i・Δ)tanαi …(1)
rp、rsはそれぞれ、光の進行方向に垂直な面内で互いに直角の方向に振動する2つの成分(以下、p成分、s成分と記載する)の各々の振幅反射率、Δp、Δsはp成分、s成分それぞれの反射に起因する位相差で、反射面の複素屈折率と入射角度で決される値である(ボルン・ウォルフ光学の原理III金属光学の章等参照)。凹面反射鏡の反射面は
アルミなどの金属であり、(1)式の位相差Δ、振幅反射率rp、rsは入射角度により変化する。
本実施例においては、偏光板34からウェハ20までの間の光学部材は、アルミの反射面を有する凹面反射鏡35のみであり、この凹面反射鏡を反射する光束の偏光面の回転は
たかだか数度程度と小さい(偏光面の回転角が3°であれば照明光の波長λの1/60の位相変化に相当)。
また、上述のように凹面反射鏡35の光軸から外れた部位に発散光束L1が入射するため、凹面反射鏡35の面に入射した直線偏光の光束において、入射面A4を挟んで対称に回転が発生する。この回転量は凹面反射鏡35の光軸O35から離れるほど大きい。従って、回転量は光軸O35の方向に傾斜を有する。
この、傾斜を有して分布する微小な偏光面の回転による、照明光の面内での偏光面の回転ムラを解消するために、本実施例では、偏光補償板9を偏光板34と凹面反射鏡35との間に配置する。偏光補償板9はガラスの平行平板であり、照明光L1の光軸AX1に対して傾斜して配置されている。以下に、偏光補償板9の作用について説明する。
ライトガイドファイバ11から射出され、偏光板34を経て直線偏光光となった光束L1は偏光補償板9に入射する。ここで、光束L1は発散光束であり、かつ偏光補償板9は光軸AX1に対して傾いて配置されているので、偏光補償板9に入射する光束の入射角度の大きさは光束の断面方向で傾斜を有する。
偏光補償板に方位角α’iで入射した光束の透過光の偏光の方位角は、(2)式で表さ
れる。
tanαi=ts/tp・exp(i・(Δs−Δp))・tanα'i
=ts/tp・exp(i・Δ)・tanα'i … (2)
この場合、ts、tpはs成分、p成分それぞれの透過面での振幅透過率、Δp、Δsはs成分、p成分それぞれの成分の透過に起因する位相差である。ts、ts、Δp、Δsは硝子の屈折率と入射角の関数となる。
理想的な位相板では位相差Δと偏光面の回転量δはΔ=2δの関係があり、今回の実施例でもほぼこの関係を満たすものと考えてよい。その為、偏光補償板9を透過した照明光L1は入射光の入射角度に応じて、p成分とs成分の位相差Δが変化し偏光面が回転する。偏光補償板9により生じた偏光の回転の様子を図13(b)に示す。
ウェハ20を照明する時点での照明光L1の偏光面は偏光補償板9で生じた偏光面の回転と凹面反射鏡35で生じた偏光面の回転量との足し合わせとなる。従って、偏光補償板9を照明光学系の光軸AX1に対して傾けて、凹面反射鏡35で生じる偏光面の回転量の傾斜とは、反対の傾斜を有する偏光面の回転を生じるように配置することによって、偏光面の回転量の値(すなわち、照明光束の全面で光の方位角α)がそろう。
図12においては、前述のように、凹面反射鏡35への入射した直線偏光の光束は、入射面A4を挟んで対称にかつ、凹面反射鏡35の光軸O35から離れるほど回転量が大きい回転量を有する(すなわち凹面反射鏡の光軸O35を中心として傾斜を有する)。この傾斜に対して、逆向きの傾斜を与えるために、偏光補償板を光束に対する凹面反射鏡の傾き方向とは逆の傾き方向に配置することによって、凹面反射鏡35を反射する光束の、断面方向の偏光面の回転量の分布を略一様にそろえることができる。
ここで、図16に示すように、偏光補償板9には傾斜角度と傾斜方向とを任意に設定する位置調整40を設けることが好ましい。このように構成することによって、装置による僅かなばらつきを調整できる。また、例えば、光源31および波長選択フィルタによって照明波長を変化させたときに生じる凹面反射鏡35における偏光面の回転の回転量や分布の変化に応じて、傾斜角度および傾斜方向のいずれか一方または両者を調整することによって、位相補償量を調整することができる。また、例えば装置の調整状態等の装置の状況
に合わせた微調整も可能である。位置調整機構によって、実際に、照明波長λの数十分の1の位相差変化の領域で微調整も含めた調整が出来ている。
以上のように、照明光学系13においては、偏光補償板9を配置することによって、凹面反射鏡12による光束の断面方向での偏光面の回転量の傾斜を補正することができるのでウェハ面全面で偏光面の回転方向の揃った照明光を照射することができる。
以上、説明したように、凹面反射鏡35を軸外しで使用して発散光束を平行光束にするため、凹面反射鏡の35の各点で法線に対する入射角が異なり(図12中の凹面反射鏡35々の左右で値が傾斜を有する)、偏光面の回転に傾きが生じる。これらの偏光面の回転角は微小である。この回転角の分布を一様に揃えるためには偏光補償板9も同様に極めて微小な傾斜を有する位相差を有することが必要である。上述のように、硝子面に光束が角度を持って入射する時、p偏光、s偏光で生じる位相差に差が生じる。これを利用して、実施例1では回転角の分布を一様にするために必要な位相差の傾きを、硝子の平行平面を非平行光束に傾けて配置することにより生じさせ、軸外しの凹面反射鏡を用いた光学系における偏光の振動面の回転分布の僅かな乱れを均一に補償することができる。また、この平行平面の傾斜角度および傾斜方向を調整可能に構成すれば、波長λの数十分の一から百分の一のオーダで位相差の傾きの量を調整できるので、個々の照明装置の状態に応じて微妙な調整が可能となる。
また本実施例では、ガラスの平行平板を用いているので、通常の位相板のように加工誤差(通常10%程度発生)の影響を受けない利点もある。
実施例2においては、図14に基づいて、本発明の表面検査装置の受光光学系について説明する。本発明の受光光学系14は、ウェハ20からの光を入射して集光させる凹面鏡36と、後述の偏光補償板10と、偏光板38と、レンズ37と、撮像素子39とで構成される。
ウェハ20は、例えば、実施例1に説明したような、偏光補償板9を供えた偏光照明光学系によって、照明光の断面方向に偏光面の回転量が揃えられた直線偏光の光束L1により照明される。ウェハは、原理の説明で説明したように、繰り返しパターンの並び方向が、照明光の直線偏光の振動面に対して45°の角度を有するように配置されている。ウェハ20から生じる正反射光L2は、ウェハ面に形成された繰り返しパターンの状態(例えばパターン形状やピッチ、エッジの形状等)に起因する構造複屈折性によって偏光状態が変化している。
ウェハ20からの正反射光L2は、凹面反射鏡36、レンズ37で構成された受光光学系14に導かれて集光され、正反射光L2によるウェハ2の像を撮像素子39の撮像面上
に形成する。撮像素子39は例えは2次元CCDカメラである。
凹面反射鏡36とレンズ37との間には偏光板38が配置されていて、照明光L1の直線偏光に対して直交する直線偏光を透過するように配置されている。偏光板38と凹面反射鏡36との間には偏光補償板10が配置されている。
実施例1では、発散光束が凹面反射鏡35に入射する光束の断面方向の偏光面の回転量の傾斜を、偏光補償板9により偏光面の回転量がそろうように補正した。これと同様の原理で、受光光学系14では、凹面反射鏡36を反射して射出する収束光束の断面方向の偏光面の回転量の傾斜を、偏光補償板10で偏光面の回転量がそろうように補正している。
図14において、凹面反射鏡36に関して、凹面反射鏡36から射出する直線偏光L2の主光線AX2を含み凹面反射鏡の光軸O36に平行な平面が、凹面反射鏡36から射出する直線偏光L2の入射面を基準入射面A5とする。一方、ウェハ20を反射した平行光束L2は、凹面反射鏡36のうち光軸O36から外れた部位に入射して収束作用を受けるので、受光光学系14は、所謂軸外しの光学系となっている。
ここで、説明のため、第一実施例と同様に、凹面反射鏡36に関して、凹面反射鏡から射出する直線偏光L2の主光線AX2と、主光線AX2が射出する凹面反射鏡の部位の垂線とを含む平面を、凹面反射鏡36から射出する直線偏光L2の基準入射面A5と定義する。また、前記基準入射面のうち、前記主光線と平行で前記凹面反射鏡と垂直に交わる軸をこの凹面反射鏡の光軸O36と定義する。
凹面反射鏡36を射出する収束光束の偏光面の回転は、実施例1で図13に基づいて行った説明に準じる。凹面反射鏡36において、凹面反射鏡36の面内のうち、前記基準入射面A5を挟んで線対称に、偏光の振動面が回転する。この回転量は凹面反射鏡の光軸O36から離れた部位ほど大きい。これは、凹面反射鏡36を射出する収束光束L2が、凹面反射鏡36の光軸O36からずれた位置から射出するため、図14において、凹面反射鏡36から射出する光束の最も右側の光は最も射出角度が小さく、最も左側の光は最も射出角度が大きくなるような傾斜を有するからである。(射出角度は射出光と、凹面反射鏡面の法線との角度である)。このように凹面反射鏡に対する光の射出角度が面内で異なる(傾斜を有する)ため、面内で偏光面の回転にわずかの差が生じ、例えばクロスニコル配置の場合に、消光比のムラが発生する。
偏光補償板10は、第一実施例の偏光補償板9と同様に、硝子の平行平面板であり、正反射光L2の主光線AX2に対して傾斜して配置されている。正反射光L2は収束光なので、光軸AX2に対して傾斜して配置された偏光補償板10に対する入射角度の大きさは、光束の断面方向で傾斜を有する。
その為、偏光補償板10も偏光補償板9と同様入射角度の応じた傾斜を持ったp成分とs成分との位相差を生じさせられる。凹面反射鏡41で生じるp成分とs成分の位相差の分布の傾きに対して、p成分とs成分の位相差が逆の傾きを有する分布を有するように偏光補償板の角度をきめればほぼ偏光面の回転を揃えることが出来る。
図16に示すように、偏光補償板10にも位置調整機構41を設け、受光光学系14に配置される傾斜角と傾斜方向とを自在に設定できることが好ましい。このように構成することによって、例えば装置の調整状態等、装置の状況に合わせた微調整が可能となる。また、このように構成することによって照明波長λの数十分の1の位相差変化の領域で微調整も含めた補正が可能となることも照明光学系1の場合と同様である。また、照明光学系13の場合と同様に、照明光の波長を変えた場合等で生じる偏光面の回転の分布の変化に対応させることができる。
上述のように、受光光学系14においても、偏光補償板10を配置することによって、凹面反射鏡36による光束の断面方向での偏光面の回転量の傾斜を補正することができるので、ウェハからの正反射光L2の偏光面の分布を変えずに撮像素子39に導くことができる。従って、検出精度の高い装置を提供することができる。
実施例においては、ウェハ20と偏光板38の間の光学部材はアルミの反射面を有する凹面反射鏡36のみである。凹面反射鏡36による偏光面の回転は小さくたかだか数度程度である(偏光面の回転角3度でほぼ照明光の波長λの1/60の位相変化に相当)。
以上説明したように、本実施例では、凹面反射鏡36を軸外しで使用して平行光束を収斂光束にするため、凹面反射鏡の36の各点で法線に対する射出角が異なり(図14中の凹面反射鏡36の各々の左右で値が傾斜を有する)、偏光面の回転に傾きが生じる。これらの偏光面の回転角は微小である。この回転角の分布を一様に揃えるためには偏光補償板10も同様に極めて微小な傾斜を有する位相差を有することが必要である。実施例1で説明したように、硝子面に光束が角度を持って入射する時、p偏光、s偏光で生じる位相差に差が生じる。これを利用して、実施例2においても、必要な位相差の傾きを硝子の平行平面を非平行光束に傾けて配置することにより生じさせた。また、また平行平面の傾斜角度および傾斜方向を調整可能に構成すれば、波長λの数十分の一から百分の一のオーダで位相差の傾きの量を調整できるため、個々の受光装置の状態に応じて微妙な調整を行うことが可能となる。また通常の位相板のように加工誤差(通常10%程度発生)の影響を受けない利点もある。
実施例3では、実施例1で説明した照明光学系と、実施例2で説明した受光光学系とを備えた表面検査装置について説明する。図15に本発明の表面検査装置を示す。
照明光学系13の構成は実施例1の構成と同様である。ライトガイドファイバ33の射出部付近には偏光板34が配置されていて、ライトガイドファイバ33から射出された照明光L1を直線偏光にする。偏光板34によって直線偏光となった光は後述する偏光補償板9を経て凹面反射鏡35よってコリメートされ、直線偏光のコリメート光L1がウェハ20を照明する。スループットを向上させるためには、ウェハ面全面の画像を一括で取ることが極めて有利であるので、本実施形態では、上述のように、光源からの光束を拡大して、凹面反射鏡35によりコリメートし、ウェハ全面を照明できる構成となっている。
ウェハ20に入射した直線偏光のコリメート光L1はウェハ表面で反射されて、受光光学系14に入射する。受光光学系14の構成は実施例2と同様である。ウェハ20で反射された光束L2は、凹面反射鏡36に入射して収束作用を受け、収束光束は後述する偏光補償板10と、前記偏光板34とはクロスニコルの関係に配置された偏光板38とを経て、結像レンズ37により前記ウェハ20の表面と共役な位置に配置された撮像素子39の撮像面上に前記ウェハ20表面の像を形成する。
ウェハ20の表面には例えば、図2に示すような複数のチップ領域21がXY方向に配列され、各チップ領域21の中に繰り返しパターン22が形成されている。繰り返しパターン22は、図3に示すように複数のライン部2Aとスペース部2Bとがその短手方向(X方向)に沿って一定のピッチPで配列されたレジストパターン(例えば配線パターン)である。
ステージ11は、表面に上述のパターンが形成されたウェハ20を戴置して、真空吸着等により固定保持する。さらに、ステージ11はステージ回転機構16によってステージ面に直交する所定の回転軸周りに回転可能に構成されている。このステージ回転機構16により、ウェハ20を照明する光束L1の直線偏光の振動面に対するウェハ20表面の形成された繰り返しパターンの長手方向とのなす角度を任意の角度に設定することができる。
また、図15の表面検査装置において、凹面反射鏡35と凹面反射鏡36との間には、ステージ11に戴置されたウェハ20の表面に形成されたパターンの向きを検知するためのアライメント系12が配設され、予め設定された光束L1の直線偏光の振動面と繰り返しパターン22の長手方向Yとのなす角度を検知して、ステージ回転機構16により照明光学系13及び受光光学系14に対する繰り返しパターンの長手方向Yの向きを調整することができる。本実施例における欠陥検査の原理は表面検査装置の原理の説明で述べたも
のと同様である。
実施例1で説明した照明光学系と実施例2で説明した受光光学系とを用いて表面検査装置30を構成することによって、2枚の凹面反射鏡35、36による偏光面の回転に対して、偏光補償板9、10を配置して、位相変化を前記のように適宜に与えることにより偏光面の回転角を揃えるので、クロスニコルに配置された2枚の偏光板34、38による消光比を小さく抑えた表面検査装置を構成することができる。
図15の表面検査装置において、上述のように、消光比が小さく抑えられた照明光学系および受光光学系を経て得られたウェハ20の像は、ウェハ20の表面と共役な位置に配置された撮像素子39によって撮像され、デジタル画像に変換される。ここで得られる像は、ウェハ表面に形成された繰り返しパターンの形状やピッチ、側面の形状などに基づいてパターンの領域により異なる輝度値を有する。デジタル画像は画像処理装置15に送られ、撮像素子39で取り込んだ画像の画像処理を行いパターンの領域ごとの輝度値を抽出する。露光装置のデフォーカスや露光量等に異常がある部位では、正常に露光が行われた部位に比較して、偏光面の回転量に違いが生じるため、得られた画像に明るさの差が生じる。画像処理装置15では、これを抽出された輝度値に基づいて検出し、欠陥検査を行う。
更に、照明光学系13により完全に偏光の方位角の揃った直線偏光光束でウェハを照明する必要があれば、例えば、偏光板の後側に所定の位相板を設ける等によって、偏光補償板9に凹面反射鏡35による偏光面の回転とは逆の回転をもたらす位相差を与えればよい。
このように、本実施形態の表面検査装置では、ウェハへの照明側の凹面反射鏡、ウェハより受光側の凹面反射鏡による夫々の偏光面の回転を夫々偏光補償板9、10により面内での偏光面の回転を揃えることが出来る。従って、照明光学系および受光光学系に起因する消光比のムラをなくすことができるので光束断面の全面にわたって消光比が向上し、ノイズが減少するため構造複屈折による僅かな偏光状態の変化を高い検出精度で検出できる。
ここで、図16に示すように、偏光補償板9および偏光補償板10にはそれぞれ傾斜角度と傾斜方向とを任意に設定する位置調整40、41を設けることが好ましい。このように構成することによって、装置による僅かなばらつきを調整できる。また、例えば、偏光板34、38を回転させたときや、光源31および波長選択フィルタによって照明波長を変化させたときに生じる凹面反射鏡35における偏光面の回転の回転量や分布の変化に応じて、傾斜角度および傾斜方向のいずれか一方または両者を調整することによって、位相補償量を調整することができる。また、例えば装置の調整状態等、装置の状況に合わせた微調整も可能である。位置調整機構によって、実際に、照明波長λの数十分の1の位相差変化の領域で微調整も含めた調整が出来ている。
(変形例)
本実施例では、構造複屈折を利用した欠陥検出を行う表面検査装置について説明したが、変形例として、本発明の技術を偏光を利用したホールパターンの検査方法にも適用できる。この場合は、正反射光だけでなくパターンからの回折光も使用する。回折光による検査を行う場合には、例えば図15において、ステージ11に、不図示のチルト機構を設ける。このチルト機構によって紙面と垂直な回転軸AX11周りに、ステージ11をチルトし、ウェハ20上の繰り返しパターンから発生する任意の次数の回折光を受光光学系で取り込めるように角度の調整を行う。一方、構造複屈折に基づいて欠陥検出を行う場合には、主に、正反射光束を用いる。
また、上述の実施例では、照明光学系と受光光学系との双方に偏光補償板を入れ、照明光学系の偏光面の回転ムラと、受光光学系の偏光面の回転ムラとの双方を解消したが、偏光補償板は照明光学系または受光光学系何れか一方に配置し、凹面反射鏡35、凹面反射鏡36で生じた位相ずれを同時に補正しても良い。もちろん軸外しの方向や角度により完全には補正しきれない場合には、実施例のように照明系、受光系それぞれに挿入して独立に補正することにより、より偏光面の回転角を確実に揃えることが出来、消光比が向上する。偏光補償板の配置は凹面反射鏡の配置位置や、要求される仕様に合わせて選択すればよい。また、凹面反射鏡の配置については、実施例1および実施例2では、図13で説明したように、入射面A4(A5)と、該入射面に垂直な面で凹面反射鏡の光軸O35を含む面とで規定される反射面のうち、直径方向が入射面に重なるような面を用いて、光束を反射させているが、実施例に捕らわれるものではない。例えば、該入射面と、これに垂直で凹面反射鏡の光軸を含む面とのどちらも含まない領域で反射させるようにしてもよい。この場合、偏光の回転角度は入射面を含む面よりも大きくなるが、実施例1及び2と同様に、発生する振動面の回転量の傾斜を解消するように傾斜させた偏光補償板を配置することによって光束の断面方向での振動面の回転の分布が均一になるように補正することができる。
また、偏光補償板9、偏光補償板10は、ガラスの平行平面板であるが、発散、及び収束系に挿入して傾斜させる為、傾斜による収差(アス)が生じる。収差を少なくするには、傾斜角を小さく、又厚さを薄くするのが望ましい。傾斜角を小さくするには、平行平面板の屈折率を高くすれば良い。一般的な低屈折率の光学ガラス、例えばBK7は屈折率1.
5であるが、フリント系の高屈折率硝子であれば屈折率が2.0に近いものがあり、それらを使用すればよい。或いは低屈折率のガラス表面に、高屈折率の物質の薄膜を蒸着(コート)したものを使用しても良い。この場合の位相変化は、蒸着物質と空気との界面での屈折率差による位相変化と蒸着物質とガラスとの界面での屈折率差による位相変化を足したものになる。蒸着物質とガラスとの屈折率差は蒸着物質と空気との屈折率差より小さく、実質的には蒸着物質と空気との界面による位相変化が支配的となる。従って高屈折率ガラスによる平行平面板と同等の効果を得られる。ガラスと蒸着物質の厚さの組み合わせによっては反射増加膜が形成され、透過率が低くなる場合もある。それが不都合であれば、高屈折率のガラスに高屈折率の物質を蒸着すればよい。ガラスと蒸着物質の屈折率が同じであれば効果はガラスのみの物と同等である。高屈折率のガラスはヤケが生じやすく、薄膜の蒸着によりヤケの防止にもつながる。
また、偏光補償板9、10は検査光に対して透明な物質であれば、ガラスでなくプラスチック類でも構わない。平行平板の材質は要求される仕様に合わせて選択すればよい。
さらに、偏光補償板9、10はガラスの平行平面板でなく複屈折性を有する結晶、例えば水晶などの平行平面板を2枚、図17のように互いの結晶軸方向が直交するように張り合わせたものを使用しても良い。結晶の厚さ、並びに常光線と異常光線の屈折率差で生じる位相差により、凹面反射鏡で生じる偏光面の回転を打ち消すことが出来る。2枚の結晶それぞれの厚さをt1、t2、結晶の常光線と異常光線の屈折率差をΔnとすると位相差φは、
φ=2π/λ・(t1−t2)Δn で計算される。
また、偏光補償板9、10は瞳空間に配置されているので、光束の光軸とのなす角度がウェハ上の位置に相当する。瞳空間での光束径はウェハ上での開口数(NA)に相当する。図18のように光束径が大きい場合は先述のガラスの平行平面板や結晶を張り合わせたものが良いが、図20のように光束径が細い場合はバビネの補償板を用いても良い。バビネの補償板は、複屈折性を有する結晶、例えば水晶などのくさびプリズムを2枚、図19のように互いの結晶軸方向が直交するように張り合わせた平行平面板である。生じる位相
差は先述の式と同じであるが、くさびの角度により、補償板を通る位置でt1−t2値が変化する。その為角度ごとに異なる位相差を与えることができ、先と同様凹面反射鏡で生じる偏光面の回転を打ち消すことが出来る。
しかし、図18のように光束径が太いと同じ角度の光線(ウェハ上で同じ位置を照明或いは反射、回折する光線。実線、点線、一点鎖線で示している)でも位相板を通る位置によって生じる位相差が変化する為、消光比を均一に改善できない。
従って、光束径の大小により、補償板を適宜選択すればよい。複屈折性の結晶を用いた場合は、入射する角度が大きい場合は用いることが困難になるが、装置の発散角等が比較的小さい場合は使用することも可能である。装置の条件に合わせて選択すればよい。
本発明の全ての実施形態では、照明光学系および受光光学系に凹面反射鏡を用いた形態について説明したが、凹面反射鏡にかぎらず、発散光または収束光が、斜めに配置された反射ミラー、屈折光学系、反射屈折光学系に入射する場合にも、光束の断面方向の偏光面の回転量の傾斜は発生する。このような場合であっても、本発明の構成とすることによって、偏光面の回転量を光束の断面方向で一様とすることができることはいうまでもない。
表面検査装置30の全体構成を示す図である。 半導体ウェハ20の表面の外観図である。 繰り返しパターン22の凹凸構造を説明する斜視図である。 直線偏光L1の入射面(3A)と、繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)との傾き状態を説明する図である。 直線偏光L1と楕円偏光L2の振動方向を説明する図である。 直線偏光L1の振動面の方向(V方向)と、繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)との傾き状態を説明する図である。 繰り返し方向(X方向)に平行な偏光成分VXと垂直な偏光成分VYとに分かれる様子を説明する図である。 偏光成分L3の大きさと、繰り返しパターン22のライン部2Aの線幅DAとの関係を説明する図である。 ピッチPが異なると共に、ライン部2Aとスペース部2Bとの体積比が同じ繰り返しパターン22の一例を示す図である。 繰り返し方向が異なる繰り返しパターン25,26を説明する図である。 エッジ形状が非対称な繰り返しパターン22と直線偏光L1の入射方向との関係を示す図である。 第1実施例の表面検査装置の全体構成を示す図である。 (a)凹面反射鏡35における偏光の回転の様子を示す図である。
(b)偏光補償板9における偏光の回転の様子を示す図である。
第2実施例の表面検査装置の全体構成を示す図である。 第3実施例の表面検査装置の全体構成を示す図である。 第3実施例の表面検査装置の変形例を示す図である。 偏光補償板の構成を示す図である。 偏光補償板を通る光束の模式図である。 偏光補償板の構成を示す図である。 偏光補償板を通る光束の模式図である。
符号の説明
9,10 偏光補償板
30 表面検査装置
11 ステージ
12 アライメント系
13 照明系
14 受光系
15 画像処理装置
16 ステージ回転機構
20 半導体ウェハ
21 チップ領域
22,25,26 繰り返しパターン22
31 光源
32 波長選択フィルタ
33 ライトガイドファイバ
34,38 偏光板
35,36 凹面反射鏡
37 結像レンズ
39 撮像素子
L1 照明光
L2 反射光

Claims (11)

  1. 被検査基板を照明するための直線偏光の発散光束を射出する光源手段と、
    前記直線偏光の発散光束を該光束の主光線が所定の入射角を有するように入射して前記被検査基板に導く光学部材と、
    前記検査基板からの光束のうち前記直線偏光とは偏光方向が直交する直線偏光を受光する受光手段と、
    前記光源手段と前記受光手段との間の光路中に配置され、前記光学部材に起因して発生する偏光面の乱れを解消する少なくとも1つの偏光補正部材と、を有し、
    前記受光手段で受光した光に基づいて前記被検査基板の表面の検査を行うことを特徴とする表面検査装置。
  2. 被検査基板を照明するための直線偏光の光束を射出する光源手段と、
    前記被検査基板からの光束を入射する位置に配置され、前記被検査基板からの光束を該光束の主光線が所定の射出角を有する収束光束として射出する光学部材と、
    前記光学部材からの収束光束のうち前記所定の直線偏光とは直交する直線偏光を受光する受光手段と、
    前記光源手段と前記受光手段との間に光路中に配置され、該光学部材に起因して発生する偏光面の乱れを解消する少なくとも1つの偏光補正部材と、を有し、
    前記受光手段で受光した光に基づいて前記被検査基板の表面の検査を行うことを特徴とする表面検査装置。
  3. 被検査基板を照明するための直線偏光の発散光束を射出する光源手段と、
    前記直線偏光の発散光束を所定の入射角度をもって入射させ、前記被検査基板へ導く第1の光学部材と、
    前記被検査基板からの光束を入射して、その収束光束を所定の射出角度をもって射出し所定面に結像させる第2の光学部材と、
    前記第2の光学部材からの収束光束のうち前記直線偏光とは直交する直線偏光を抽出す
    る抽出手段と、
    前記第2の光学部材と前記抽出手段とを経て形成された前記検査基板の像を受光する受光手段と、
    前記光源手段と前記受光手段との間の光路中に配置され、前記第1および第2の光学部材に起因して発生する前記光束の偏光面の乱れを解消する少なくとも1つの偏光補正部材を
    有することを特徴とする表面検査装置。
  4. 前記光学部材は入射する光束に対して収束作用を与えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の表面検査装置。
  5. 前記偏光補正部材は、前記非平行光束の主光線に対する前記光学部材の傾き方向とは逆の方向に傾けられて、非平行光束中に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の表面検査装置。
  6. 前記偏光補正部材の傾き方向と傾き角度との少なくとも一方を調整可能に保持する保持手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の表面検査装置。
  7. 前記偏光補正部材は、前記光学部材の面に対して傾斜して配置された硝子の平行平板であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の表面検査装置。
  8. 前記偏光補正部材は、前記光学部材の前記光軸に垂直な面に対して傾斜して配置され、
    互いの結晶軸が直交するように貼り合わせられた2枚の複屈折性結晶の平行平板であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の表面検査装置。
  9. 前記偏光補正部材は、前記光学部材の前記光軸に垂直な面に対して傾斜して配置され、互いの結晶軸が直交するように、かつ平行平板を形成するように貼り合せられた2枚の楔形の複屈折性結晶であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の表面検査装置。
  10. 前記偏光の発散光束を射出する光源手段と、
    前記光源手段で生成された直線偏光の光束を所定の入射角度をもって入射させ、前記被検査基板へ導く光学部材と、
    前記光源手段と前記被検査基板との間の光路中に配置され、前記光学部材に起因して発生する前記光束の偏光面の乱れを解消する偏光補正部材を有することを特徴とする偏光照明装置。
  11. 被検査基板からの所定の偏光成分を有する光束を入射して、その収束光束を所定の射出角度をもって射出させる光学部材と、
    前記光学部材からの光束のうち直線偏光を受光する受光手段と、
    前記被検査基板と前記受光手段との間の光路中に配置され、前記光学部材に起因して発生する前記光束の偏光面の乱れを解消する偏光補正部材を有することを特徴とする受光装置。
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