JP4462222B2 - 表面検査装置 - Google Patents

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本発明は、被検物体の表面に形成された繰り返しパターンの欠陥検査を行う表面検査装置に関する。
被検物体(例えば半導体ウエハや液晶基板など)の表面に形成された繰り返しパターンに検査用の照明光を照射し、このとき繰り返しパターンから発生する光に基づいて、繰り返しパターンの欠陥検査を行う装置が知られている。この装置は、被検物体の表面の比較的広い領域(例えば全域など)で、一括して繰り返しパターンの欠陥を検出可能であり、高スループットでの欠陥検査を可能とするものである。
また、検査用の照明光として直線偏光を用い、繰り返しパターンから発生する光のうち、繰り返しパターンでの偏光状態の変化に関わる成分を受光して、欠陥検査を行う装置も提案されている(例えば特許文献1を参照)。この装置では、照明系と受光系との各々に凹面反射鏡が配置され、全ての凹面反射鏡の入射光路と反射光路が検査用の照明光(直線偏光)の入射面内に含まれるような配置となっている。
国際公開2005/040776号パンフレット
しかし、上記の構成では、被検物体の表面の各点(繰り返しパターン)での偏光状態の変化(シグナル成分)に、照明系と受光系との各々に配置された凹面反射鏡の各反射点での偏光状態の変化(ノイズ成分)が加算される。さらに、このノイズ成分は、被検物体の表面の各点(繰り返しパターン)ごとに異なる大きさで加算され、上記した照明系と受光系の各凹面反射鏡の配置に応じた大きなバラツキを持っている。したがって、ノイズ成分のバラツキの影響で、被検物体の表面の各点でのシグナル成分を正確に捉えることができず、繰り返しパターンの欠陥検査を高精度に行うことができなかった。
本発明の目的は、照明系と受光系の各凹面反射鏡の配置に応じたノイズ成分のバラツキを小さく抑えることができる表面検査装置を提供することにある。
本発明の表面検査装置は、被検物体の表面に直線偏光を照射して前記表面を照明する照明手段と、前記表面から前記直線偏光の入射面に沿って発生した光のうち、前記直線偏光の振動面に交差する偏光成分を受光する受光手段とを備え、前記照明手段および前記受光手段の各々の光路中には凹面反射鏡が配置され、前記照明手段の光路と前記受光手段の光路との少なくとも一方には、前記入射面に交差する光路が含まれるものである。
また、上記の表面検査装置において、前記照明手段および前記受光手段の光路中には前記凹面反射鏡が1つずつ配置され、前記照明手段の凹面反射鏡の入射光路と前記受光手段の凹面反射鏡の反射光路との少なくとも一方は、前記入射面に交差する光路であることが好ましい。
また、上記の表面検査装置において、前記照明手段の凹面反射鏡の入射光路と反射光路とを含む面、および、前記受光手段の凹面反射鏡の入射光路と反射光路とを含む面は、互いに直交することが好ましい。
また、上記の表面検査装置において、前記表面に形成された繰り返しパターンの繰り返し方向と前記直線偏光の振動面の前記表面における方向との成す角度を斜めの角度に設定する設定手段を備えることが好ましい。
また、上記の表面検査装置において、前記照明手段と前記受光手段との少なくとも一方の光路中には偏光補償用の光学部材が配置されることが好ましい。
また、上記の表面検査装置において、前記光学部材の姿勢を調整する調整手段を備えることが好ましい。
また、上記の表面検査装置において、前記直線偏光は紫外光であることが好ましい。
本発明の表面検査装置によれば、照明系と受光系の各凹面反射鏡の配置に応じたノイズ成分のバラツキを低減することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
本実施形態の表面検査装置10は、図1に示す通り、被検物体20を支持するステージ11と、照明系13と、受光系14と、画像処理部15とで構成される。
被検物体20は、例えば半導体ウエハや液晶ガラス基板などである。被検物体20の表面(レジスト層)の各点には、図2に示す通り、検査すべき繰り返しパターン22が形成されている。繰り返しパターン22は、配線パターンやホールパターンなどである。繰り返しパターン22のライン部の配列方向(X方向)を「繰り返しパターン22の繰り返し方向」という。なお、繰り返しパターン22がホールパターンの場合、各々のライン部は、複数のホールを一次元的に配列して成る。
本実施形態の表面検査装置10は、半導体回路素子や液晶表示素子の製造工程において、被検物体20の表面に形成された繰り返しパターン22の欠陥検査を自動で行う装置である。繰り返しパターン22の欠陥とは、被検物体20に対する露光時のデフォーカス欠陥やレジストの膜厚ムラや傷などの形状変化である。露光時の欠陥は、被検物体20のショット領域ごとに現れる。被検物体20は、表面(レジスト層)への露光・現像後、不図示の搬送系によってカセットまたは現像装置から運ばれ、ステージ11に吸着される。
ステージ11は、被検物体20を上面に載置して例えば真空吸着により固定保持する。また、ステージ11には不図示の回転機構が設けられ、その回転軸は被検物体20を載置する上面に垂直である。回転機構によってステージ11を回転させ、その上面に載置された被検物体20を回転させることで、上記の繰り返しパターン22の繰り返し方向(図2のX方向)を、被検物体20の表面内で回転させることができる。
このような回転の最中に、不図示のアライメント系は、被検物体20の外縁部を照明し、外縁部に設けられた外形基準(例えばノッチ)の回転方向の位置に基づいて、繰り返しパターン22の向きを検出する。そして、繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)が所望の方向になると、ステージ11の回転が停止される。
繰り返しパターン22の所望の方向は、例えば、照明系13から繰り返しパターン22に照射される照明光L1の入射面3A(図2)を基準とし、この入射面3Aの方向と繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)との成す角度φによって定められる。本実施形態では、角度φを斜めの角度に設定する(0度<φ<90度)。角度φは例えば45度である。また、角度φは30度〜60度の間の任意の角度に設定することが好ましい。
照明光L1の入射面3Aとは、被検物体20の表面の中心における代表的な入射面であり、照明光L1のうち表面の中心に照射される主光線の照射方向と被検物体20の表面の法線とを含む平面である。被検物体20の表面では、中心における入射面3Aに限らず、表面の各点ごとに照明光L1の入射面を定義することができる。
図1(a)は、入射面3Aを紙面に一致させて示した図である。図1(b)は、図1(a)の装置を側方から見た図であり、入射面3Aは紙面に垂直となっている。図1(b)には入射面3Aの一部を太い点線で示した。
照明系13は、被検物体20の表面に形成された繰り返しパターン22(図2)に対して検査用の照明光L1を照射する手段であって、光源31と、波長選択フィルタ32と、ライトガイドファイバ33と、偏光フィルタ34と、凹面反射鏡35とで構成されている(偏心光学系)。この照明系13は、被検物体20側に対してテレセントリックな光学系である。
光源31は、ハロゲンランプやメタルハライドランプや水銀ランプなどの安価な放電光源である。波長選択フィルタ32は、光源31から出射される光のうち所定波長の輝線スペクトル(狭帯域のスペクトル)を選択的に透過する。
例えば、光源31が水銀ランプの場合、光源31から出射される光の波長域は、240nm〜600nm程度であり、紫外域から可視域までの領域を含む。また、波長選択フィルタ32の透過波長域は、例えば、546nm(e線),436nm(g線),405nm(h線),365nm(i線),313nm(j線),265nm,248nmなどである。不図示の切り替え機構によって、複数の波長選択フィルタ32の何れか1つが光路中に挿入される。
ライトガイドファイバ33は、波長選択フィルタ32から出射される光を伝送し、発散光束の照明光(非偏光)を射出する。
偏光フィルタ34は、ライトガイドファイバ33の射出端近傍に配置され、その透過軸が所定の方位に設定される。そして、ライトガイドファイバ33からの発散光束の照明光(非偏光)を、透過軸の方位に応じた偏光状態(つまり直線偏光)に変換する。偏光フィルタ34の透過軸の方位は、本実施形態において、繰り返しパターン22(図2)に対する照明光L1の入射面3Aと平行である。
凹面反射鏡35は、球面の内側を反射面とした反射鏡であり、前側焦点がライトガイドファイバ33の射出端と略一致、後側焦点が被検物体20の表面と略一致するように配置される。このため、偏光フィルタ34からの発散光束の照明光L0(直線偏光)は、凹面反射鏡35によってコリメートされ、平行光束の検査用の照明光L1として被検物体20の表面の繰り返しパターン22に照射される(いわゆるテレセントリック照明)。
このとき、被検物体20の表面の比較的広い領域(例えば全域など)の各点に対して、斜め上方から略一定の角度条件で、検査用の照明光L1を入射させることができる。これは、ライトガイドファイバ33からの光束を発散させた後、凹面反射鏡35でコリメートすることにより実現する。被検物体20の表面の全域を照明すれば、表面の全域で一括して繰り返しパターン22の欠陥を検出可能となり、高スループットでの欠陥検査が可能となる。
ここで、本件では、ライトガイドファイバ33の中心から出射して凹面反射鏡35の中心に入射する光(つまり発散光束の照明光L0の主光線)の光路を“凹面反射鏡35の入射光路5A”という。また、凹面反射鏡35の中心で反射して被検物体20の表面の中心に到達する光(つまり平行光束の照明光L1の主光線)の光路を“凹面反射鏡35の反射光路5B”という。
凹面反射鏡35の入射光路5Aおよび反射光路5Bのうち、反射光路5Bは、もちろん照明光L1の入射面3A(図1(a)の紙面)内に含まれている。一方、入射光路5Aは、凹面反射鏡35の配置(向き)に応じて、入射面3A内に含まれるようにも、入射面3Aに交差するようにも可能である。
本実施形態では、入射光路5Aが入射面3A内に含まれるように、凹面反射鏡35を配置した。この場合、凹面反射鏡35の入射光路5Aと反射光路5Bとを含む面(この面の一部を図1(b)には太い破線5Cで示した)も、入射面3A内に含まれる。このため、ライトガイドファイバ33からの光は入射面3A(図1(a)の紙面)に沿って進行し、凹面反射鏡35を介して繰り返しパターン22に照射される。
さらに、本実施形態では、凹面反射鏡35の入射光路5A上に配置された偏光フィルタ34の透過軸の方位を入射面3Aと平行にしたので、偏光フィルタ34から凹面反射鏡35に入射する照明光L0の振動面は、その方向を図3に矢印で示す通り、凹面反射鏡35の各点において入射面3Aと平行になる。照明光L0の振動面とは、照明光L0の進行方向と電気(または磁気)ベクトルの振動方向とを含む平面のことである。各矢印の近傍の数値は、照明光L0の回転量(度)を表している。
そして、この照明光L0が凹面反射鏡35で反射する際には、凹面反射鏡35の各反射点ごとに、入射/反射の角度条件に応じた異なる偏光作用を受け、検査用の照明光L1となる。具体的には、凹面反射鏡35の各反射点のうち、入射面3A内の反射点では偏光状態が保持され、入射面3Aから外れた反射点では偏光状態が僅かに変化する。偏光状態の変化とは、直線偏光(照明光L0)の楕円化である。
このため、凹面反射鏡35から出射される検査用の照明光L1には偏光状態の不均一が生じ、入射面3A内を進行する光は照明光L0と同様の直線偏光、入射面3Aから外れた光は僅かに楕円化した偏光となる。ここで、楕円偏光の位相を考慮せず、楕円偏光の電気(または磁気)ベクトルの振動方向のみ考えることにする。この場合、直線偏光の楕円化とは、直線偏光の振動面の回転と等価である。そして、検査用の照明光L1のうち、入射面3Aから外れた光は、僅かに振動面の回転した直線偏光と考えることができる。
検査用の照明光L1の振動面に関し、被検物体20の表面の各点に入射する際の振動面を図示すると、例えば図4に矢印で示すようになる。図4から分かるように、照明光L1の振動面は、被検物体20の表面の各点のうち、入射面3A内の点では入射面3Aと平行(つまりp偏光)になるが、入射面3Aから外れた点では入射面3Aに対して僅かに回転している。各々の矢印の近傍には照明光L1の振動面の回転量θ1(度)の具体例を数値で示した。
このように、上記の照明系13では、被検物体20の表面の各点のうち、入射面3A内の点(繰り返しパターン22)には、入射面3Aと平行な振動面の直線偏光(p偏光)を照射すると共に、入射面3Aから外れた点(繰り返しパターン22)には、入射面3Aに対して僅かに振動面が回転した直線偏光を照射することになる。
そして、図2に示すように、繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)と、照明光L1の入射面3Aの方向との成す角度φを、斜めの角度(0度<φ<90度)に設定する場合は、被検物体20の表面における照明光L1の振動面の方向(図4)と、繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)との成す角度も、斜めの角度に設定することができる。この角度は例えば45度であり、30度〜60度の間の任意の角度に設定される。
このように、検査用の照明光L1は、被検物体20の表面における振動面の方向(図4)が、繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)に対して所定の角度(例えば45度)だけ傾いた状態で、つまり繰り返しパターン22を斜めに横切るような状態で、繰り返しパターン22に入射する。このような照明光L1と繰り返しパターン22との角度状態は、被検物体20の表面の全域において略均一である。
上記の照明光L1(図4)を用いて繰り返しパターン22を照明すると、繰り返しパターン22の異方性に起因する構造性複屈折(form birefringence)によって偏光状態が変化し、直線偏光の振動面が回転する(ここでも楕円偏光の位相を考慮せずに説明した)。そして、繰り返しパターン22から各点での入射面(中心では入射面3A)に沿って、偏光状態の変化した正反射光L2(図1)が発生する。
繰り返しパターン22による振動面の回転(楕円化)の詳細な説明は、本出願人が既に出願した国際公開2005/040776号パンフレットに記載されているので、ここでは詳しい説明を省略する。
なお、本実施形態では、繰り返しパターン22のピッチ(例えば110nm)が照明光L1の波長(240nm〜600nm程度の波長域)と比較して十分小さいため、照明光L1が照射されたときに、繰り返しパターン22から回折光が発生することはない。
本実施形態の表面検査装置10は、直線偏光の照明光L1(図4)によって被検物体20の表面の繰り返しパターン22を照明し、このとき繰り返しパターン22から発生する正反射光L2を受光系14に導き、その偏光状態(つまり振動面の回転量)に基づいて、繰り返しパターン22の欠陥検査を行うものである。
被検物体20の表面の各点(繰り返しパターン22)から発生した正反射光L2の振動面を模式的に図示すると、例えば図5に矢印で示すようになる。正反射光L2の振動面の回転量θ2は、各々、シグナル成分(繰り返しパターン22での構造性複屈折による振動面の回転量θS)に、図4のノイズ成分(照明光L1の振動面の回転量θ1)が加算された大きさとなっている。
受光系14(図1)は、凹面反射鏡36と、偏光フィルタ37と、集光レンズ38と、撮像素子39とで構成される(偏心光学系)。受光系14も、照明系13と同様、被検物体20側に対してテレセントリックな光学系である。
凹面反射鏡36は、照明系13の凹面反射鏡35と同様の構成であり、概略、被検物体20の表面の繰り返しパターン22から発生した正反射光L2(図5)を反射して集光光束に変換する(図1の正反射光L3)。そして、この正反射光L3は、偏光フィルタ37を透過した後、集光レンズ38を介して、撮像素子39の撮像面に入射する。
ここで、受光系14の凹面反射鏡36についても、照明系13の凹面反射鏡35と同様に、被検物体20の中心から発生して凹面反射鏡36の中心に入射する光(つまり正反射光L2の主光線)の光路を“凹面反射鏡36の入射光路6A”という。また、凹面反射鏡36の中心で反射して撮像素子39の撮像面の中心に入射する光(つまり正反射光L3の主光線)の光路を“凹面反射鏡36の反射光路6B”という。
凹面反射鏡36の入射光路6Aおよび反射光路6Bのうち、入射光路6Aは、もちろん照明光L1の入射面3A(図1(a)の紙面)内に含まれている。一方、反射光路6Bは、凹面反射鏡36の配置(向き)に応じて、入射面3A内に含まれるようにすることも、入射面3Aに交差するようにすることも可能である。
本実施形態では、反射光路6Bが入射面3Aに交差するように、凹面反射鏡36を配置した。入射面3Aに対する反射光路6Bの傾き角をψとして図1(b)に示した。
また、本実施形態では、凹面反射鏡36の入射光路6Aと反射光路6Bとを含む面(図1(b)の紙面に一致)(この面の一部を図1(a)には太い破線6Cで示した)が、入射面3Aに対して直交するように、凹面反射鏡36を配置した。このとき、凹面反射鏡36の入射光路6Aと反射光路6Bとを含む面(6C)、および、照明系13の凹面反射鏡35の入射光路5Aと反射光路5Bとを含む面(5C)は、互いに直交することになる。
本実施形態では、受光系14の凹面反射鏡36の配置を上記のようにしたので、被検物体20の表面の各点(繰り返しパターン22)からの正反射光L2(図5)は入射面3Aに沿って進行し、凹面反射鏡36で反射した後の正反射光L3は、入射面3Aから外れた方向(傾き角ψの方向)に進行する光となる。
凹面反射鏡36の各点に入射する正反射光L2の振動面は、被検物体20の表面の各点(繰り返しパターン22)から発生したときの振動面(例えば図5)と同じであり、その回転量θ2の大きさが、シグナル成分(繰り返しパターン22での振動面の回転量θS)と、図4のノイズ成分(照明系13の凹面反射鏡35での振動面の回転量θ1)とを加算した値に相当する。
そして、正反射光L2が凹面反射鏡36で反射する際には、凹面反射鏡36の各反射点ごとに、入射/反射の角度条件に応じた異なる偏光作用を受けて、正反射光L3となる。正反射光L3の振動面の回転量θ3は、凹面反射鏡36の各点に入射する正反射光L2の振動面の回転量θ2(図5)とは異なる大きさを有し、この回転量θ2(図5)に図6のノイズ成分(凹面反射鏡36での振動面の回転量θ4)が加算された大きさとなる。
つまり、正反射光L3の振動面の回転量θ3は、図7に示した通り、シグナル成分(繰り返しパターン22での振動面の回転量θS)と、図4のノイズ成分(照明系13の凹面反射鏡35での振動面の回転量θ1)と、図6のノイズ成分(受光系14の凹面反射鏡36での振動面の回転量θ4)とを加算した値に等しくなる。そして、このような偏光状態の正反射光L3が偏光フィルタ37(図1)に導かれる。
偏光フィルタ37は、集光レンズ38の近傍に配置され、その透過軸の方位が、照明光L1の入射面3Aと等価な面に対して垂直である。すなわち、この偏光フィルタ37は、照明系13の偏光フィルタ34に対し、それぞれの透過軸が互いに直交するように配置される(クロスニコルの配置)。
このため、凹面反射鏡36からの正反射光L3は、偏光フィルタ37を透過する際に、その透過軸の方位に応じた偏光成分(すなわち直線偏光の照明光L1の振動面に交差する偏光成分)のみが抽出される。この偏光成分は、繰り返しパターン22から発生して凹面反射鏡36で反射した後の正反射光L3の偏光状態(図7の振動面の回転量θ3)に応じた成分であり、本実施形態では正反射光L3の振動面を入射面3Aに直交する面6Cに投影した大きさを有し、集光レンズ38を介して撮像素子39の撮像面に入射する。
このとき、撮像素子39の撮像面には、被検物体20の表面の各点(繰り返しパターン22)から発生して凹面反射鏡36で反射した後の正反射光L3のうち、正反射光L3の偏光状態(図7の振動面の回転量θ3)に応じた偏光成分によって、被検物体20の表面の反射像が形成される。
撮像素子39は、凹面反射鏡36と集光レンズ38とを介して、被検物体20の表面と共役な位置に配置される。撮像素子39は、例えばCCD撮像素子などであり、撮像面に形成された被検物体20の表面の反射像を光電変換して、画像信号を画像処理部15に出力する。
画像処理部15は、撮像素子39から出力される画像信号に基づいて、被検物体20の反射画像を取り込む。この反射画像には、被検物体20の表面の各点(繰り返しパターン22)から発生して凹面反射鏡36で反射した後の正反射光L3の偏光状態(図7の振動面の回転量θ3)に応じた明暗が現れる。
画像処理部15は、被検物体20の反射画像を取り込むと、その輝度情報と例えば良品サンプルの反射画像の輝度情報とを比較する。良品サンプルとは、理想的な形状で欠陥のない繰り返しパターン22を表面全域に形成したものである。
画像処理部15は、良品サンプルの反射画像の輝度値を基準とし、被検物体20の反射画像の輝度値の変化量を測定する。得られた輝度値の変化量は、繰り返しパターン22の形状変化(露光時のデフォーカス欠陥やレジストの膜厚ムラなど)による正反射光L3の偏光状態(図7の振動面の回転量θ3)の変化を表している。
そして、画像処理部15は、被検物体20の反射画像における輝度値の変化量に基づいて、繰り返しパターン22の欠陥を検出する。例えば、輝度値の変化量が予め定めた閾値(許容値)より大きければ「欠陥」と判定し、閾値より小さければ「正常」と判定すればよい。また、良品サンプルを使わずに、被検物体20の反射画像の中での輝度値の変化量を所定の閾値と比較してもよい。
このように、本実施形態の表面検査装置10では、直線偏光の照明光L1によって繰り返しパターン22を照明し、繰り返しパターン22から発生して凹面反射鏡36で反射した後の正反射光L3の偏光状態(図7の振動面の回転量θ3)に応じて被検物体20の反射画像を取り込むため、この反射画像の明暗に基づいて繰り返しパターン22の欠陥を検出することができる。さらに、繰り返しパターン22からの正反射光L2(L3)を欠陥検査に用いるため、照明光L1の波長が可視域(例えば546nm)であっても、パターンの微細化に対応できる。欠陥検出の感度を最も高くするには、直線偏光の照明光L1の振動面の方向(図4)と繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)との成す角度を45度に設定することが好ましい。
また、本実施形態の表面検査装置10では、照明系13および受光系14の各々の光路中に凹面反射鏡35,36を配置し、凹面反射鏡35からの直線偏光の照明光L1の入射面3Aを基準として、凹面反射鏡35,36の配置(向き)を次のように設定した。つまり、凹面反射鏡35の入射光路5Aが入射面3A内に含まれ、凹面反射鏡36の反射光路6Bが入射面3Aに交差するように設定した。
したがって、照明系13と受光系14の配置が入射面3Aに対して非対称になるため、光学系(凹面反射鏡35,36)の配置に起因する2種類のノイズ成分(図4,図6の回転量θ14)の加算値(図8の回転量θ1+θ4)において、そのバラツキを小さく抑えることができる。図8の例において、ノイズ成分の加算値(図8の回転量θ1+θ4)のバラツキは、最大値(2.13)と最小値(−1.97)との間の狭い範囲に収まっている。
2種類のノイズ成分(図4,図6)を互いに比較すると分かるように、図4のノイズ成分(凹面反射鏡35での振動面の回転量θ1)の絶対値は、入射面3Aに近い反射点ほど小さく、入射面3Aから遠い反射点ほど大きくなる。これに対し、図6のノイズ成分(凹面反射鏡36での振動面の回転量θ3)の絶対値は、入射面3Aに直交する面6C(凹面反射鏡36の入射光路6Aと反射光路6Bとを含む面)に近い反射点ほど小さく、この面6Cから遠い反射点ほど大きくなる。
つまり、2種類のノイズ成分(図4,図6の回転量θ14)は互いに90度回転したような分布となっている。これは、凹面反射鏡35,36の配置(向き)を、凹面反射鏡35の入射光路5Aが入射面3A内に含まれ、凹面反射鏡36の反射光路6Bが入射面3Aに交差するように設定したからである。そして、このような2種類のノイズ成分(図4,図6の回転量θ14)が加算されると、図8に示す通り、そのバラツキが小さく抑えられる。
ここで、比較例のノイズ成分を図9に示す。この比較例は、従来のように照明系の凹面反射鏡の入射光路と受光系の凹面反射鏡の反射光路との双方が入射面内に含まれる構成に対応する。このように照明系と受光系の配置を入射面に対して対称にした場合、照明系の凹面反射鏡での振動面の回転量と受光系の凹面反射鏡での振動面の回転量は、共に、図4に示す回転量θ1に等しくなる。したがって、両方のノイズ成分が加算されたときの回転量は、図9に示す通り、各々の回転量θ1の単純加算となり、約2倍の大きさになる。
これに対して、本実施形態の表面検査装置10では、照明系13と受光系14とが入射面3Aに対して非対称に配置され、2種類のノイズ成分(図4,図6の回転量θ14)が互いに90度回転したような分布となるため、比較例(図9)のような単純加算を回避することができる。そして、2種類のノイズ成分の加算値(図8の回転量θ1+θ4)において、そのバラツキを小さく抑えることができる。
上記のシミュレーション結果において、本実施形態のノイズ成分の加算値(図8の回転量θ1+θ4)のバラツキは、比較例のノイズ成分の加算値(図9の回転量2×θ1)のバラツキの約2/3となっている。これは、図8に示す回転量θ1+θ4の最大値と最小値との差(4.1)と、図9のに示す回転量2×θ1の最大値と最小値の差(6.08)との比からも明らかである。
本実施形態の表面検査装置10では、上記のように、2種類のノイズ成分の加算値(図8の回転量θ1+θ4)のバラツキを小さく抑えることができるため、被検物体20の表面の各点(繰り返しパターン22)において、繰り返しパターン22の欠陥検査の偏光条件(照明系13と受光系14とのクロスニコルの条件)のバラツキが小さく抑えられ、その偏光条件をより均一に保つことができる。
したがって、繰り返しパターン22の欠陥検査のために取り込んだ被検物体20の反射画像の輝度情報において、光学系(凹面反射鏡35,36)に起因する明るさムラが小さく抑えられ、2種類のノイズ成分(図4,図6の回転量θ14)がシグナル成分(繰り返しパターン22での回転量θS)に加算されても、シグナル成分を正確に捉えることが可能となる。その結果、高精度に繰り返しパターン22の欠陥検査を行うことができる。
さらに、凹面反射鏡35,36の各反射点における振動面の回転量(図4,図6の回転量θ14)の絶対値を小さくし、非点収差の増大を抑えるためには、凹面反射鏡35,36に入射する光(照明光L0,正反射光L2)の入射角度を出来るだけ小さくすることが望ましい。本実施形態では、その入射角度を例えば15度以下とした。
また、本実施形態の表面検査装置10では、凹面反射鏡36の入射光路6Aと反射光路6Bとを含む面(6C)、および、凹面反射鏡35の入射光路5Aと反射光路5Bとを含む面(5C)が、互いに直交するように配置したので、2種類のノイズ成分(図4,図6の回転量θ14)の加算によって、最も効率よくノイズ成分のバラツキを抑えることができる。つまり、2種類のノイズ成分(図4,図6の回転量θ14)の最大値付近と最小値付近とを組み合わせた加算が可能となり、バラツキを最も小さくすることができる。
また、本実施形態の表面検査装置10では、上記した偏光条件の均一性の確保に加え、照明系13と受光系14の被検物体20側のテレセントリック性によって、被検物体20の表面に対する照明光L1の入射角度(および正反射光L2の出射角度)の均一性も良好に保つことができる。したがって、より高精度な欠陥検査が可能となる。
さらに、照明光L1の波長は、可視域(例えば546nm)でも構わないが、より短波長の紫外域(例えば248nm〜365nmのDUV領域)とすることが好ましい。紫外域の照明光L1を用いれば、被検物体20の下地層からの戻り光(バックグランド成分)を小さくすることができ、可視域の照明光L1を用いる場合と比べて感度の高い欠陥検査を行うことができる。
ただし、正反射光による欠陥検査を行うためには、紫外域の照明光L1であっても繰り返しパターン22から回折光が発生しない波長範囲(例えば248nm〜365nm)を用いることが好ましい。この波長範囲であれば安価な放電光源(例えば水銀ランプなど)を使用できるという利点もある。なお、振動面の回転量をシミュレーションで確認したところ、紫外光(365nm)と可視光(546nm)との差は殆ど無かった(2%程度)。
(第2実施形態)
ここでは、図10に示す表面検査装置40を例に説明する。
表面検査装置40では、照明系13,受光系14の凹面反射鏡35,36の配置(向き)を、凹面反射鏡35の入射光路5Aが入射面3Aに交差して、凹面反射鏡36の反射光路6Bが入射面3A内に含まれるように設定した。入射面3Aに対する入射光路5Aの傾き角をψとして図10(b)に示した。
また、凹面反射鏡35の入射光路5Aと反射光路5Bとを含む面(5C)(図10(b)の紙面に一致)が、入射面3A(図10(a)の紙面)に対して直交し、凹面反射鏡36の入射光路6Aと反射光路6Bとを含む面(6C)に対して直交するように設定した。それ以外の構成は、第1実施形態の表面検査装置10と同様である。
第2実施形態の表面検査装置40では、発散光束の照明光L0が入射面3Aに対して傾いた方向から凹面反射鏡35に入射し、そこで反射した後、入射面3A内に偏向される。そして、入射面3Aに沿って進行する光(平行光束の照明光L1)が、繰り返しパターン22に照射される。この場合、凹面反射鏡35の各反射点での振動面の回転量は、図6の回転量θ4に略等しくなる。
さらに、被検物体20の表面の各点(繰り返しパターン22)から入射面3Aに沿って発生した正反射光L2は、凹面反射鏡36で反射した後も、入射面3A内を進行し(正反射光L3)、偏光フィルタ37などを介して撮像素子39の撮像面に入射する。この場合、凹面反射鏡36の各反射点での振動面の回転量は、図4の回転量θ1に略等しくなる。
上記のように構成された第2実施形態の表面検査装置40でも、照明系13と受光系14の配置が入射面3Aに対して非対称なため、光学系(凹面反射鏡35,36)の配置に起因するノイズ成分の加算値(図8の回転量θ1+θ4)のバラツキを小さく抑えることができる。その結果、繰り返しパターン22の欠陥検査を高精度に行うことができる。凹面反射鏡35,36に対する光の入射角度を第1実施形態と同様の角度(例えば15度以下)とした場合、振動面の回転量は第1実施形態と同程度である。
また、第2実施形態の表面検査装置40でも、凹面反射鏡35の入射光路5Aと反射光路5Bとを含む面(5C)、および、凹面反射鏡36の入射光路6Aと反射光路6Bとを含む面(6C)が、互いに直交するので、2種類のノイズ成分(図4,図6の回転量θ14)の加算によって、最も効率よくノイズ成分のバラツキを抑えることができる。
(第3実施形態)
ここでは、図11に示す表面検査装置50を例に説明する。
表面検査装置50は、第1実施形態の表面検査装置10(図1)の照明系13と受光系14との各々に偏光補償板51,52を配置したものである。その他の構成は、第1実施形態の表面検査装置10と同様である。
偏光補償板51は、照明系13の偏光フィルタ34と凹面反射鏡35との間の光路中に傾けて配置される。図11(a)には、凹面反射鏡35の入射光路5Aに対する偏光補償板51の傾き角をαとして示した。
偏光補償板52は、受光系14の凹面反射鏡36と偏光フィルタ37との間の光路中に傾けて配置される。図11(b)には、凹面反射鏡36の反射光路6Bに対する偏光補償板52の傾き角をβとして示した。
偏光補償板51,52は、偏光補償用の光学部材であり、高屈折率の光学ガラスからなる平行平面板である。高屈折率の光学ガラスとしては、例えばランタンフリント(LaF)系のガラスや重ランタンフリント(LaSF)系のガラスなどを用いることが好ましく、例えば光ガラス(株)製のE−LASFH9(nd=1.90265,νd=35.70)や、(株)オハラ製のS−LAH65(nd=1.80400,νd=46.6)などを用いることが考えられる。また、その他の光学ガラスやアクリルやプラスチックなど、屈折率を有する透明材料であれば、偏光補償板51,52として用いることができる。ただし、偏光補償の性能は、材料の屈折率が大きいほど高くなる。
第3実施形態の表面検査装置50では、発散光束の照明光L0を照明系13の偏光補償板51に入射させ、ここで照明光L0の偏光状態を変化させた後、凹面反射鏡35に入射させる。
偏光補償板51に入射する照明光L0が発散光束で、偏光補償板51が入射光路5Aに対して傾いている(傾き角α)ため、偏光補償板51の各点における照明光L0の入射角度は、偏光補償板51の傾き方向に沿って少しずつ異なる。
したがって、偏光補償板51を通過させることで、予め、凹面反射鏡35の各反射点での振動面の回転量θ1(図4)を相殺できるような偏光状態の変化(振動面の回転量δ1)を、照明光L0に付加することができる。
そして、偏光補償板51を通過した後の照明光L0が凹面反射鏡35に入射し、そこで反射した後の照明光L1が繰り返しパターン22に照射される。
このような照明系13での振動面の回転量(ノイズ成分)は、偏光補償板51の各点で付加された回転量δ1と、凹面反射鏡35の各反射点での回転量θ1とが加算された大きさ(θ1+δ1)となり、例えば図12に示すように図4と比べて非常に小さな値となる。
さらに、繰り返しパターン22から発生した正反射光L2は、受光系14の凹面反射鏡36で反射した後(正反射光L3)、偏光補償板52に入射する。
偏光補償板52に入射する正反射光L3が集光光束で、偏光補償板52が反射光路6Bに対して傾いている(傾き角β)ため、偏光補償板52の各点における正反射光L3の入射角度は、偏光補償板52の傾き方向に沿って少しずつ異なる。
したがって、偏光補償板52を通過させることで、凹面反射鏡36の各反射点での振動面の回転量θ4(図6)を相殺できるような偏光状態の変化(振動面の回転量δ4)を、正反射光L3に付加することができる。
そして、偏光補償板52を通過した後の正反射光L3が、偏光フィルタ37などを介して撮像素子39の撮像面に入射する。
このような受光系14での振動面の回転量(ノイズ成分)は、凹面反射鏡36の各反射点での回転量θ4と、偏光補償板52の各点で付加された回転量δ4とが加算された大きさ(θ4+δ4)となり、例えば図13に示すように図6と比べて非常に小さな値となる。
上記のように構成された第3実施形態の表面検査装置50では、照明系13と受光系14の配置を入射面3Aに対して非対称にすると共に、照明系13と受光系14との各々の光路中に偏光補償板51,52を配置するため、照明系13でのノイズ成分(図12の回転量(θ1+δ1))と、受光系14でのノイズ成分(図13の回転量(θ4+δ4))との加算値(図14の回転量(θ1+δ1)+(θ4+δ4))において、そのバラツキを非常に小さな値に抑えることができる。
上記のシミュレーション結果において、本実施形態のノイズ成分の加算値(図14の回転量(θ1+δ1)+(θ4+δ4))のバラツキは、比較例のノイズ成分の加算値(図9の回転量2×θ1)のバラツキの約1/10となっている。これは、図14の回転量(θ1+δ1)+(θ4+δ4)の最大値と最小値との差(0.57)と、図9のに示す回転量2×θ1の最大値と最小値の差(6.08)との比からも明かである。
(第3実施形態の変形例)
上記した第3実施形態では、照明系13と受光系14との双方に偏光補償板51,52を配置したが、本発明はこれに限定されない。偏光補償板51,52のうち何れか一方を省略して、照明系13と受光系14との何れか一方のみに偏光補償板を配置しても構わない。偏光補償板を照明系13と受光系14との少なくとも一方の光路中に配置すれば、照明系13と受光系14との少なくとも一方における凹面反射鏡でのノイズ成分を偏光補償板によって相殺することができ、最終的なノイズ成分(例えば図14参照)のバラツキを非常に小さな値に抑えることができる。
また、上記した第3実施形態では、第1実施形態の表面検査装置10(図1)の照明系13と受光系14との少なくとも一方に偏光補償板を配置する例で説明したが、本発明はこれに限定されない。第2実施形態の表面検査装置40(図10)の照明系13と受光系14との少なくとも一方に偏光補償板を配置しても、同様の効果を得ることができる。
さらに、光路中に配置した偏光補償板の姿勢を調整可能とし、図15に示す2つの回転方向γ12に沿って偏光補償板を回転可能としてもよい。一方の回転方向γ1は、光軸(照明系13の入射光路5Aまたは受光系14の反射光路6Bに対応)を中心とする回転の方向である。他方の回転方向γ2は、光軸に垂直な軸を中心とする回転の方向である。
偏光補償板を方向γ1に沿って回転させれば偏光補償板の傾き方向を調整でき、方向γ2に沿って回転させれば偏光補償板の傾き角(照明系13の傾き角αや受光系14の傾き角β)を調整できる。そして、偏光補償板の姿勢(傾き角と傾き方向との少なくとも一方)を調整することで、偏光補償板を通過したときに付加される偏光状態の変化量(振動面の回転量δ14)を変化させることができる。
したがって、偏光補償板の姿勢を調整することで、装置ごとの僅かなバラツキをも調整可能となる。例えば、偏光フィルタ34,37を光軸中心で回転させたり、光源31や波長選択フィルタ32によって照明光L1の波長域を変化させると、凹面反射鏡35,36での振動面の回転量(図4,図6)が変化することがあり、その変化に応じて偏光補償板の姿勢を調整すれば、位相補償量を調整することができる。また、例えば装置の調整状態など、装置の状況に合わせた微調整も可能である。実際に、照明波長の数十分の一の位相差変化のオーダーで微調整も含めた調整が可能となる。
(全体の変形例)
上記した実施形態では、照明系13の凹面反射鏡35の入射光路5Aと受光系14の凹面反射鏡36の反射光路6Bとの何れか一方が入射面3Aに交差し、他方が入射面3A内に含まれる例を説明したが、本発明はこれに限定されない。凹面反射鏡35の入射光路5Aと凹面反射鏡36の反射光路6Bとの双方を入射面3Aに交差させても構わない。入射光路5Aと反射光路6Bとの少なくとも一方を入射面3Aに交差させれば、照明系13と受光系14の配置を入射面3Aに対して非対称にすることができる。
また、上記した実施形態では、照明系13および受光系14の光路中に凹面反射鏡35,36を1つずつ配置したが、本発明はこれに限定されない。照明系13と受光系14との少なくとも一方の光路中に複数の凹面反射鏡を配置し、照明系13と受光系14の配置を入射面3Aに対して非対称にしても構わない。ただし、照明系13と受光系14との各々に凹面反射鏡を1つずつ配置することで簡素な装置構成する方が好ましい。
さらに、上記した実施形態では、凹面反射鏡35,36の反射面の形状が球面である例を説明したが、本発明はこれに限定されない。反射面の形状は、放物面,トーリック面,トロイダル面などの非球面であっても構わない。
また、上記した実施形態では、照明系13の凹面反射鏡35の入射光路5Aと反射光路5Bとを含む面(5C)、および、凹面反射鏡36の入射光路6Aと反射光路6Bとを含む面(6C)が、互いに直交する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。これら2つの面5C,6Cを直交以外の角度で交差させても、2種類のノイズ成分の加算値において、そのバラツキを小さく抑えることができる。
さらに、上記した実施形態では、偏光フィルタ34,37をクロスニコルの配置としたが、本発明はこれに限定されない。偏光フィルタ34,37の各透過軸を直交以外の角度で交差させても構わない。ただし、欠陥検出の感度が最も高くなるのは、偏光フィルタ34,37をクロスニコルの配置にした場合である。
また、上記した実施形態では、照明系13の偏光フィルタ34の透過軸を照明光L1の入射面3Aと平行に配置した(すなわち照明光L1をp偏光にした)が、本発明はこれに限定されない。照明系13の偏光フィルタ34の透過軸を照明光L1の入射面3Aと垂直に配置して、照明光L1をs偏光にしてもよい。入射面3Aを斜めに横切るように偏光フィルタ34の透過軸を設定しても構わない。
さらに、上記した実施形態では、受光系14の偏光フィルタ37の透過軸を照明光L1の入射面3Aと垂直に配置したが、本発明はこれに限定されない。受光系14の偏光フィルタ37の透過軸を照明光L1の入射面3Aと平行に配置しても構わない。入射面3Aを斜めに横切るように偏光フィルタ37の透過軸を設定しても構わない。
また、上記した実施形態では、繰り返しパターン22からの正反射光L2(L3)に基づいて欠陥検査を行う例で説明したが、本発明はこれに限定されない。正反射光L2(L3)以外の光、例えば繰り返しパターン22からの回折光や、パターンエッジによる散乱光、パターン側面からの反射光などに基づいて、被検物体20の表面の欠陥検査を行う場合にも、本発明を適用できる。
この場合には、ステージ11にチルト機構を設け、被検物体20の表面内に含まれる軸(チルト軸)を中心として、ステージ11(被検物体20)を回転可能とすることが好ましい。チルト軸は、入射面3Aに垂直である。または、上記のチルト軸を中心として、照明系13と受光系14とステージ11との少なくとも2つを独立に回転させてもよい。
このようなチルト機構を設けることで、被検物体20の表面に対する照明光L1の入射角度と被検物体20の表面から発生する光(回折光や散乱光など)の出射角度とを、欠陥検査の内容に応じて最適に設定することができる。
また、正反射光L2(L3)以外の光(回折光や散乱光など)に基づいて欠陥検査を行う場合には、直線偏光の照明光L1の振動面の方向(図4)と、繰り返しパターン22の繰り返し方向(図2のX方向)との成す角度を斜めの角度に設定する必要はない。例えば、照明光L1の振動面の方向と繰り返しパターン22の繰り返し方向との成す角度は、0度または90度に設定すればよい。
第1実施形態の表面検査装置10の全体構成を示す図である。 照明光L1の入射面3Aと繰り返しパターン22の繰り返し方向(X方向)との角度関係を説明する図である。 凹面反射鏡35に入射する照明光L0の偏光状態を説明する図である。 照明系13の凹面反射鏡35における振動面の回転量θ1に関するシミュレーション結果である。 被検物体20の表面の各点から発生する正反射光L2の偏光状態を説明する図である。 受光系14の凹面反射鏡36における振動面の回転量θ4に関するシミュレーション結果である。 凹面反射鏡36からの正反射光L3の偏光状態を説明する図である。 第1実施形態における2種類のノイズ成分の加算値(回転量θ1+θ4)に関するシミュレーション結果である。 比較例のノイズ成分の加算値(回転量2×θ1)に関するシミュレーション結果である。 第2実施形態の表面検査装置40の全体構成を示す図である。 第3実施形態の表面検査装置50の全体構成を示す図である。 照明系13における振動面の回転量(θ1+δ1)に関するシミュレーション結果である。 受光系14における振動面の回転量(θ4+δ4)に関するシミュレーション結果である。 第3実施形態における2種類のノイズ成分の加算値(回転量(θ1+δ1)+(θ4+δ4))に関するシミュレーション結果である。 偏光補償板の姿勢を調整する機構の説明図である。
符号の説明
10,40,50 表面検査装置 ; 11 ステージ ; 13 照明系 ;
14 受光系 ; 15 画像処理部 ; 20 被検物体 ; 22 繰り返しパターン ;
31 光源 ; 32 波長選択フィルタ ; 33 ライトガイドファイバ ;
34,37 偏光フィルタ ; 35,36 凹面反射鏡 ; 38 集光レンズ ; 39 撮像素子
3A 入射面 ; 5A,6A 入射光路 ; 5B,6B 反射光路 ; 51,52 偏光補償板

Claims (7)

  1. 被検物体の表面に直線偏光を照射して前記表面を照明する照明手段と、
    前記表面から前記直線偏光の入射面に沿って発生した光のうち、前記直線偏光の振動面に交差する偏光成分を受光する受光手段とを備え、
    前記照明手段および前記受光手段の各々の光路中には凹面反射鏡が配置され、
    前記照明手段の光路と前記受光手段の光路との少なくとも一方には、前記入射面に交差する光路が含まれる
    ことを特徴とする表面検査装置。
  2. 請求項1に記載の表面検査装置において、
    前記照明手段および前記受光手段の光路中には前記凹面反射鏡が1つずつ配置され、
    前記照明手段の凹面反射鏡の入射光路と前記受光手段の凹面反射鏡の反射光路との少なくとも一方は、前記入射面に交差する光路である
    ことを特徴とする表面検査装置。
  3. 請求項2に記載の表面検査装置において、
    前記照明手段の凹面反射鏡の入射光路と反射光路とを含む面、および、前記受光手段の凹面反射鏡の入射光路と反射光路とを含む面は、互いに直交する
    ことを特徴とする表面検査装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の表面検査装置において、
    前記表面に形成された繰り返しパターンの繰り返し方向と前記直線偏光の振動面の前記表面における方向との成す角度を斜めの角度に設定する設定手段を備えた
    ことを特徴とする表面検査装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の表面検査装置において、
    前記照明手段と前記受光手段との少なくとも一方の光路中には偏光補償用の光学部材が配置される
    ことを特徴とする表面検査装置。
  6. 請求項5に記載の表面検査装置において、
    前記光学部材の姿勢を調整する調整手段を備えた
    ことを特徴とする表面検査装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の表面検査装置において、
    前記直線偏光が紫外光である
    ことを特徴とする表面検査装置。
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