JPH0928790A - 医療材料 - Google Patents
医療材料Info
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- JPH0928790A JPH0928790A JP7180000A JP18000095A JPH0928790A JP H0928790 A JPH0928790 A JP H0928790A JP 7180000 A JP7180000 A JP 7180000A JP 18000095 A JP18000095 A JP 18000095A JP H0928790 A JPH0928790 A JP H0928790A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ポリエチレングリコール系重合体が結合した
サブチリシンが基材に固定化されてなる医療材料。 【効果】 優れた抗血栓性が安定に保持され、血液と接
触して使用される医療用具の材料等として好適な医療材
料が提供される。
サブチリシンが基材に固定化されてなる医療材料。 【効果】 優れた抗血栓性が安定に保持され、血液と接
触して使用される医療用具の材料等として好適な医療材
料が提供される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療材料に関する。本
発明の医療材料は、血液中において抗血栓性が安定に保
持されることから、人工腎臓等の人工臓器、人工血管、
カテーテル等の医療用具の材料として有用である。
発明の医療材料は、血液中において抗血栓性が安定に保
持されることから、人工腎臓等の人工臓器、人工血管、
カテーテル等の医療用具の材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】従来より、抗血栓性を有する生理活性物
質としては、主に次の3種類が知られいる。 (1)血液凝固因子の活性を抑制するもの:ヘパリン、ア
ンチトロンビンIII、トロンボモジュリン等。 (2)血小板の活性化を抑制するもの:プロスタグランジ
ン、アスピリン、スルフィンピラゾン等。 (3)血栓(フィブリン塊)を溶解するもの:ウロキナー
ゼ、プラスミン、サブチリシン等。
質としては、主に次の3種類が知られいる。 (1)血液凝固因子の活性を抑制するもの:ヘパリン、ア
ンチトロンビンIII、トロンボモジュリン等。 (2)血小板の活性化を抑制するもの:プロスタグランジ
ン、アスピリン、スルフィンピラゾン等。 (3)血栓(フィブリン塊)を溶解するもの:ウロキナー
ゼ、プラスミン、サブチリシン等。
【0003】これらのうち、(3)の血栓溶解性を有する
生理活性物質は、失活し易いという欠点はあるものの抗
血栓性が最も優れることから、これを基材に固定化した
医療材料、例えば、血液接触部位にウロキナーゼを固定
化したカテーテル[「人工臓器」、第10巻、第989
〜992頁(1981年)参照]等が提案されている。
また、ウロキナーゼの抗血栓性を安定に保つために、ポ
リエチレングリコール鎖を結合させたウロキナーゼ[Th
rombosis Research, Vol.41, p627(1986)参照]、が提
案されている。
生理活性物質は、失活し易いという欠点はあるものの抗
血栓性が最も優れることから、これを基材に固定化した
医療材料、例えば、血液接触部位にウロキナーゼを固定
化したカテーテル[「人工臓器」、第10巻、第989
〜992頁(1981年)参照]等が提案されている。
また、ウロキナーゼの抗血栓性を安定に保つために、ポ
リエチレングリコール鎖を結合させたウロキナーゼ[Th
rombosis Research, Vol.41, p627(1986)参照]、が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ウロキ
ナーゼは非常に不安定な酵素であるため、ウロキナーゼ
を基材もしくはポリエチレングリコール鎖に固定化もし
くは結合させた場合、固定化もしくは結合時の処理条件
または処理後の保存条件等により、容易にその抗血栓性
が低下してしまうという欠点があった。
ナーゼは非常に不安定な酵素であるため、ウロキナーゼ
を基材もしくはポリエチレングリコール鎖に固定化もし
くは結合させた場合、固定化もしくは結合時の処理条件
または処理後の保存条件等により、容易にその抗血栓性
が低下してしまうという欠点があった。
【0005】ところで、納豆菌が産生するタンパク分解
酵素であるナットウキナーゼ等のサブチリシンは、ウロ
キナーゼと同様に、血液凝固の時に生じるフィブリン塊
を溶解させる作用を有しており、これを経口用血栓溶解
剤として医薬用途に使用することができることが報告さ
れている(特開平1−180834号公報および特開平
3−168082号公報参照)。サブチリシンはウロキ
ナーゼ等の他の線維素溶解酵素に比べて血液中に存在す
るα2-マクログロブリン等の阻害物質による活性阻害を
受けにくい傾向にあることから、サブチリシンが固定化
された医療材料(特開平7−59842号公報参照)が
提案され、ある程度抗血栓性の低下を抑制できるように
なってきたが、その効果はまだ十分とはいえない。しか
して、本発明の目的は、血液中において抗血栓性が安定
に保持される医療材料を提供することにある。
酵素であるナットウキナーゼ等のサブチリシンは、ウロ
キナーゼと同様に、血液凝固の時に生じるフィブリン塊
を溶解させる作用を有しており、これを経口用血栓溶解
剤として医薬用途に使用することができることが報告さ
れている(特開平1−180834号公報および特開平
3−168082号公報参照)。サブチリシンはウロキ
ナーゼ等の他の線維素溶解酵素に比べて血液中に存在す
るα2-マクログロブリン等の阻害物質による活性阻害を
受けにくい傾向にあることから、サブチリシンが固定化
された医療材料(特開平7−59842号公報参照)が
提案され、ある程度抗血栓性の低下を抑制できるように
なってきたが、その効果はまだ十分とはいえない。しか
して、本発明の目的は、血液中において抗血栓性が安定
に保持される医療材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、サブチリ
シンを基材に固定化するか、またはサブチリシンにポリ
エチレングリコール(以下、これをPEGと略記すること
がある)系重合体を結合させることにより、血液中での
抗血栓性の低下をある程度抑制できることを見出してき
たが、上記の課題を解決するためにさらに検討を続けた
結果、サブチリシンを基材に固定化しかつサブチリシン
にPEG系重合体を結合させることにより、血液中での抗
血栓性の低下を顕著に抑制し、その活性を安定に保持で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、ポリエチレングリコール系重合体が結合
したサブチリシンが基材に固定化されてなる医療材料で
ある。
シンを基材に固定化するか、またはサブチリシンにポリ
エチレングリコール(以下、これをPEGと略記すること
がある)系重合体を結合させることにより、血液中での
抗血栓性の低下をある程度抑制できることを見出してき
たが、上記の課題を解決するためにさらに検討を続けた
結果、サブチリシンを基材に固定化しかつサブチリシン
にPEG系重合体を結合させることにより、血液中での抗
血栓性の低下を顕著に抑制し、その活性を安定に保持で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、ポリエチレングリコール系重合体が結合
したサブチリシンが基材に固定化されてなる医療材料で
ある。
【0007】本発明におけるサブチリシンは、Bacillus
subtilis(枯草菌)やBacillus amyloliquefaciens等
のBacillus属の細菌が産生する分子量約28000のタンパ
ク分解酵素で、線維素溶解活性を有するものである。こ
の酵素は、ズブチリシンと呼ばれることもある。また、
納豆を作るときに用いられる納豆菌も枯草菌の一種であ
り、納豆菌から分離される線維素溶解活性を有する酵素
であるナットウキナーゼも、本発明におけるサブチリシ
ンに含まれる。
subtilis(枯草菌)やBacillus amyloliquefaciens等
のBacillus属の細菌が産生する分子量約28000のタンパ
ク分解酵素で、線維素溶解活性を有するものである。こ
の酵素は、ズブチリシンと呼ばれることもある。また、
納豆を作るときに用いられる納豆菌も枯草菌の一種であ
り、納豆菌から分離される線維素溶解活性を有する酵素
であるナットウキナーゼも、本発明におけるサブチリシ
ンに含まれる。
【0008】本発明における基材としては、医療用具の
材料として使用可能な公知の有機高分子材料および無機
材料等が利用される。有機高分子材料としては、例え
ば、キチン、キトサン、セルロース、アガロース、ポリ
ビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合
体、ポリウレタン、ポリウレタンウレア、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4-メチルペンテン
-1、ポリ三弗化エチレン、ポリビニリデンフルオライ
ド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリエステル、ナイロン、天然ゴム、シリコンゴム等の
合成ゴムおよびこれらの誘導体などを挙げることができ
る。また、無機材料としては、例えば、ガラス;鉄、ス
テンレス鋼、チタン、アルミニウム等の金属;ヒドロキ
シアパタイト等のリン酸化合物などを挙げることができ
る。なかでも医療材料の単位表面積当たりのサブチリシ
ンの固定化量を多くする観点から、セルロース、アガロ
ース、ポリビニルアルコール等の有機高分子材料が好ま
しく、その形状としては、多孔質構造のゲル、膜、中空
糸等が好ましい。
材料として使用可能な公知の有機高分子材料および無機
材料等が利用される。有機高分子材料としては、例え
ば、キチン、キトサン、セルロース、アガロース、ポリ
ビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合
体、ポリウレタン、ポリウレタンウレア、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4-メチルペンテン
-1、ポリ三弗化エチレン、ポリビニリデンフルオライ
ド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリエステル、ナイロン、天然ゴム、シリコンゴム等の
合成ゴムおよびこれらの誘導体などを挙げることができ
る。また、無機材料としては、例えば、ガラス;鉄、ス
テンレス鋼、チタン、アルミニウム等の金属;ヒドロキ
シアパタイト等のリン酸化合物などを挙げることができ
る。なかでも医療材料の単位表面積当たりのサブチリシ
ンの固定化量を多くする観点から、セルロース、アガロ
ース、ポリビニルアルコール等の有機高分子材料が好ま
しく、その形状としては、多孔質構造のゲル、膜、中空
糸等が好ましい。
【0009】サブチリシンに結合させるPEG系重合体と
しては、PEG鎖の末端に塩化シアヌルを反応させて得ら
れるPEG系重合体(塩化シアヌル1分子に1本のPEG鎖が
結合したものおよび塩化シアヌル1分子に2本のPEG鎖
が結合したものがある)、PEG鎖の末端にN−ヒドロキ
シスクシンイミドエステル等の活性エステル基、エポキ
シ基、アルデヒド基などを導入したPEG系重合体、PEG鎖
の末端に二重結合を導入し、これと無水マレイン酸とを
共重合して得られるPEG系重合体などを用いることがで
きる。PEG系重合体の分子量としては、500〜10万
の範囲内が好ましく、2000〜3万の範囲内がより好
ましい。
しては、PEG鎖の末端に塩化シアヌルを反応させて得ら
れるPEG系重合体(塩化シアヌル1分子に1本のPEG鎖が
結合したものおよび塩化シアヌル1分子に2本のPEG鎖
が結合したものがある)、PEG鎖の末端にN−ヒドロキ
シスクシンイミドエステル等の活性エステル基、エポキ
シ基、アルデヒド基などを導入したPEG系重合体、PEG鎖
の末端に二重結合を導入し、これと無水マレイン酸とを
共重合して得られるPEG系重合体などを用いることがで
きる。PEG系重合体の分子量としては、500〜10万
の範囲内が好ましく、2000〜3万の範囲内がより好
ましい。
【0010】本発明の医療材料は、PEG系重合体が結合
したサブチリシン(以下、これをPEG修飾サブチリシン
と略称することがある)を基材に固定化するか、または
サブチリシンが固定化された基材のサブチリシン部分に
PEG系重合体を結合させることにより製造することがで
きる。これらのうち、サブチリシン部分を基材に確実に
固定化する観点から、サブチリシンを固定化した基材の
サブチリシン部分にPEG系重合体を結合させることによ
り製造するのが好ましい。
したサブチリシン(以下、これをPEG修飾サブチリシン
と略称することがある)を基材に固定化するか、または
サブチリシンが固定化された基材のサブチリシン部分に
PEG系重合体を結合させることにより製造することがで
きる。これらのうち、サブチリシン部分を基材に確実に
固定化する観点から、サブチリシンを固定化した基材の
サブチリシン部分にPEG系重合体を結合させることによ
り製造するのが好ましい。
【0011】サブチリシンまたはPEG修飾サブチリシン
の基材への固定化は、サブチリシンまたはPEG修飾サブ
チリシンを基材に共有結合させることにより行うことが
できる。共有結合を形成させる方法としては、固定化酵
素やアフィニティクロマトグラフィで通常用いられる方
法を採用することができ、例えば、基材表面に活性エス
テル基を導入し、該活性エステル基とサブチリシンまた
はPEG修飾サブチリシンを反応させて共有結合させる方
法;基材表面にエポキシ基を導入し、該エポキシ基とサ
ブチリシンまたはPEG修飾サブチリシンを反応させて共
有結合させる方法;基材表面にイミドカーボネートを導
入し、該イミドカーボネートとサブチリシンまたはPEG
修飾サブチリシンを反応させて共有結合させる方法等が
挙げられる。
の基材への固定化は、サブチリシンまたはPEG修飾サブ
チリシンを基材に共有結合させることにより行うことが
できる。共有結合を形成させる方法としては、固定化酵
素やアフィニティクロマトグラフィで通常用いられる方
法を採用することができ、例えば、基材表面に活性エス
テル基を導入し、該活性エステル基とサブチリシンまた
はPEG修飾サブチリシンを反応させて共有結合させる方
法;基材表面にエポキシ基を導入し、該エポキシ基とサ
ブチリシンまたはPEG修飾サブチリシンを反応させて共
有結合させる方法;基材表面にイミドカーボネートを導
入し、該イミドカーボネートとサブチリシンまたはPEG
修飾サブチリシンを反応させて共有結合させる方法等が
挙げられる。
【0012】基材表面に活性エステル基を導入する方法
としては、表面にカルボキシル基を有する基材にN-ヒド
ロキシスクシンイミドおよびジシクロヘキシルカルボジ
イミドを反応させる方法が挙げられる。
としては、表面にカルボキシル基を有する基材にN-ヒド
ロキシスクシンイミドおよびジシクロヘキシルカルボジ
イミドを反応させる方法が挙げられる。
【0013】基材表面へのエポキシ基の導入は一般に次
の方法により行なうことができる。表面に水酸基、アミ
ノ基またはカルボキシル基を有する基材の場合は、該基
材を1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル等の両末
端にエポキシ基をもつ試薬と反応させることにより行う
ことができる。表面に水酸基を有する基材の場合は、基
材をエピクロロヒドリン等のエポキシ基とハロゲンを有
する試薬と反応させるか、または3−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するシラン
カップリング剤と反応させることによっても行うことが
できる。
の方法により行なうことができる。表面に水酸基、アミ
ノ基またはカルボキシル基を有する基材の場合は、該基
材を1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル等の両末
端にエポキシ基をもつ試薬と反応させることにより行う
ことができる。表面に水酸基を有する基材の場合は、基
材をエピクロロヒドリン等のエポキシ基とハロゲンを有
する試薬と反応させるか、または3−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するシラン
カップリング剤と反応させることによっても行うことが
できる。
【0014】表面に水酸基を有しない基材の場合には、
公知の酸化処理方法によって水酸基を導入し、該水酸基
に上記の反応を施すことにより、エポキシ基を導入する
ことができる。酸化処理方法としては、例えば、酸素ガ
スを含む気体中でプラズマ処理する方法、過マンガン酸
塩を含む硫酸溶液中で化学処理する方法等が挙げられ
る。表面にアミノ基を有しない基材の場合には、例え
ば、窒素ガスやアンモニアガスを含む気体中でプラズマ
処理する方法により、アミノ基を導入した後、上記の反
応を施すことによってエポキシ基を導入することができ
る。これらの方法のうち、プラズマ処理する方法は、短
時間で大量の基材を処理することができ、さらにガス中
で処理するために基材を清浄に保つことができる。化学
処理する方法は、複雑な形状を有するもの、容器内面な
どのプラズマ処理できないものをも処理することができ
るため、適用範囲が広い。したがって、基材に適した処
理方法を選択すればよいが、一般に、血液と接触する医
療材料の基材は、チューブ、中空糸およびボトルなどの
複雑な形状をしたものが多いことから、化学処理する方
法が有利である。
公知の酸化処理方法によって水酸基を導入し、該水酸基
に上記の反応を施すことにより、エポキシ基を導入する
ことができる。酸化処理方法としては、例えば、酸素ガ
スを含む気体中でプラズマ処理する方法、過マンガン酸
塩を含む硫酸溶液中で化学処理する方法等が挙げられ
る。表面にアミノ基を有しない基材の場合には、例え
ば、窒素ガスやアンモニアガスを含む気体中でプラズマ
処理する方法により、アミノ基を導入した後、上記の反
応を施すことによってエポキシ基を導入することができ
る。これらの方法のうち、プラズマ処理する方法は、短
時間で大量の基材を処理することができ、さらにガス中
で処理するために基材を清浄に保つことができる。化学
処理する方法は、複雑な形状を有するもの、容器内面な
どのプラズマ処理できないものをも処理することができ
るため、適用範囲が広い。したがって、基材に適した処
理方法を選択すればよいが、一般に、血液と接触する医
療材料の基材は、チューブ、中空糸およびボトルなどの
複雑な形状をしたものが多いことから、化学処理する方
法が有利である。
【0015】また、表面にエポキシ基を有する基材の場
合には、アンモニアと反応させることによりアミノ基を
導入することができ、これに無水マレイン酸等を反応さ
せることによりカルボキシル基を導入することができ
る。基材表面へのイミドカーボネートの導入は、水酸基
を有する基材に臭化シアンを反応させることにより行う
ことができる。
合には、アンモニアと反応させることによりアミノ基を
導入することができ、これに無水マレイン酸等を反応さ
せることによりカルボキシル基を導入することができ
る。基材表面へのイミドカーボネートの導入は、水酸基
を有する基材に臭化シアンを反応させることにより行う
ことができる。
【0016】PEG系重合体のサブチリシンまたは基材に
固定化されたサブチリシンへの結合は、公知の方法、例
えば、上記のPEG系重合体をサブチリシンまたは基材に
固定化されたサブチリシンのアミノ基と反応させること
により行なうことができる。サブチリシンは反応性のア
ミノ基を9個有しており、そのうちの少なくとも1個は
基材との固定化に用いられるから、PEG系重合体との結
合に利用し得るアミノ基は8個以下である。本発明の医
療材料の抗血栓性を十分長く保持する観点から、本発明
の医療材料におけるサブチリシン部分へ結合しているPE
G鎖の数としては、3〜24の範囲内が好ましく、5〜
18の範囲内がより好ましい。したがって、1本のPEG
鎖を有するPEG系重合体の場合は、サブチリシン部分の
3〜8個のアミノ基と結合しているのが好ましく、5〜
8個のアミノ基と結合しているのがより好ましい。2本
のPEG鎖を有するPEG系重合体の場合は、サブチリシン部
分の2〜8個のアミノ基と結合しているのが好ましく、
3〜8個のアミノ基と結合しているのがより好ましい。
3本のPEG鎖を有するPEG系重合体の場合は、サブチリシ
ン部分の1〜8個のアミノ基と結合しているのが好まし
く、2〜6個のアミノ基と結合しているのがより好まし
い。
固定化されたサブチリシンへの結合は、公知の方法、例
えば、上記のPEG系重合体をサブチリシンまたは基材に
固定化されたサブチリシンのアミノ基と反応させること
により行なうことができる。サブチリシンは反応性のア
ミノ基を9個有しており、そのうちの少なくとも1個は
基材との固定化に用いられるから、PEG系重合体との結
合に利用し得るアミノ基は8個以下である。本発明の医
療材料の抗血栓性を十分長く保持する観点から、本発明
の医療材料におけるサブチリシン部分へ結合しているPE
G鎖の数としては、3〜24の範囲内が好ましく、5〜
18の範囲内がより好ましい。したがって、1本のPEG
鎖を有するPEG系重合体の場合は、サブチリシン部分の
3〜8個のアミノ基と結合しているのが好ましく、5〜
8個のアミノ基と結合しているのがより好ましい。2本
のPEG鎖を有するPEG系重合体の場合は、サブチリシン部
分の2〜8個のアミノ基と結合しているのが好ましく、
3〜8個のアミノ基と結合しているのがより好ましい。
3本のPEG鎖を有するPEG系重合体の場合は、サブチリシ
ン部分の1〜8個のアミノ基と結合しているのが好まし
く、2〜6個のアミノ基と結合しているのがより好まし
い。
【0017】本発明の医療材料は優れた抗血栓性を有し
ており、この抗血栓性は、サブチリシンが本来有する線
維素溶解活性により、血液凝固の結果生成したフィブリ
ン塊が溶解されることによって発現する。したがって、
基材に固定化されたPEG修飾サブチリシンの線維素溶解
活性を測定することにより、本発明の医療材料の抗血栓
性を評価することができる。例えば、医療材料のPEG修
飾サブチリシンが固定化された部位をフィブリンプレー
トに接触させ、該接触部分のフィブリン分解の有無を目
視にて観察する方法、フィブリンを模倣したペプチド
(Boc-Val-Leu-Lys-MCAまたはBoc-Glu-Lys-Lys-MCA等;
MCA:4−メチル−クーマリル−7−アミド)の分解活性
を測定する方法等によって抗血栓性を評価することがで
きる。
ており、この抗血栓性は、サブチリシンが本来有する線
維素溶解活性により、血液凝固の結果生成したフィブリ
ン塊が溶解されることによって発現する。したがって、
基材に固定化されたPEG修飾サブチリシンの線維素溶解
活性を測定することにより、本発明の医療材料の抗血栓
性を評価することができる。例えば、医療材料のPEG修
飾サブチリシンが固定化された部位をフィブリンプレー
トに接触させ、該接触部分のフィブリン分解の有無を目
視にて観察する方法、フィブリンを模倣したペプチド
(Boc-Val-Leu-Lys-MCAまたはBoc-Glu-Lys-Lys-MCA等;
MCA:4−メチル−クーマリル−7−アミド)の分解活性
を測定する方法等によって抗血栓性を評価することがで
きる。
【0018】PEG修飾サブチリシンの基材への固定化量
としては、基材表面に形成された血栓を溶解するための
必要量が固定化されていればよく、例えば、Boc-Glu-Ly
s-Lys-MCAが分解されることにより遊離する7−アミノ
−4−メチル−クマリン(AMC)の生成量を測定した
とき、基材表面1cm2当たり、20pmol/min以上であるのが
好ましい。
としては、基材表面に形成された血栓を溶解するための
必要量が固定化されていればよく、例えば、Boc-Glu-Ly
s-Lys-MCAが分解されることにより遊離する7−アミノ
−4−メチル−クマリン(AMC)の生成量を測定した
とき、基材表面1cm2当たり、20pmol/min以上であるのが
好ましい。
【0019】本発明の医療材料は優れた抗血栓性が安定
に保持されることから、人工腎臓、人工肺、人工血管、
人工心臓、血液成分分離器、血液成分吸着器、血液回
路、血液ポンプ、脱血用カテーテル、冠動脈用バルーン
カテーテル、血管内留置針等の血液と接触して使用され
る医療用具の材料として好適である。なお、本発明にお
ける基材として血液回路等の既製の医療用具を用いた場
合には、本発明の医療材料はそのまま医療用具として使
用することができる。
に保持されることから、人工腎臓、人工肺、人工血管、
人工心臓、血液成分分離器、血液成分吸着器、血液回
路、血液ポンプ、脱血用カテーテル、冠動脈用バルーン
カテーテル、血管内留置針等の血液と接触して使用され
る医療用具の材料として好適である。なお、本発明にお
ける基材として血液回路等の既製の医療用具を用いた場
合には、本発明の医療材料はそのまま医療用具として使
用することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例等により説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
本発明はこれに限定されるものではない。
【0021】実施例1 セルロースゲル20gに蒸留水30ml、2N NaOH水溶液13mlお
よびエピクロロヒドリン3mlを加え、40℃で2時間振盪し
た後、グラスフィルタ上で蒸留水により洗浄して、エポ
キシ化セルロースゲルを得た。得られたゲル1容に濃ア
ンモニア水1.5容を加え、40℃で1.5時間振盪し
た後、グラスフィルタ上で蒸留水により洗浄した。次
に、ゲルを懸濁している蒸留水をジオキサンで置換し、
ゲル1ml当たり0.16gの無水コハク酸を加え、室温で1晩
振盪した後、メタノールおよびジオキサンで洗浄して、
カルボキシル化セルロースゲルを得た。得られたカルボ
キシル化セルロースゲル1容をジオキサン2容に懸濁
し、最終濃度が0.1MになるようにN-ヒドロキシスクシン
イミドおよびジシクロヘキシルカルボジイミドを加え1
時間攪拌した後、ジオキサンで洗浄し、活性化セルロー
スゲルを得た。Batillus subtilis CIR110より分離した
サブチリシンを1mg/mlの濃度になるようにリン酸緩衝液
に溶解して、サブチリシン液を得た。先に用意した活性
化セルロースゲルをリン酸緩衝液で洗浄した後、ゲル1m
l当たり4mlのサブチリシン液を加え、4℃で1晩反応さ
せてサブチリシンを固定化した。このゲルを洗浄後、10
0mM Tris緩衝液中で未反応の活性エステル基をブロッキ
ングして、サブチリシンが固定化されたゲルを得た。次
に、サブチリシンが固定化されたゲルを0.05Mホウ酸緩
衝液(pH 9.1)で洗浄後、5%活性化PEG2(分子量約1万、
生化学工業社製)ホウ酸緩衝液中、4℃で16時間反応さ
せた。その後、0.1M Tris緩衝液(pH 8.0)中で洗浄し、P
EG修飾サブチリシンが固定化されたゲル(以下、これを
医療材料1と略称することがある)を得た。医療材料1
中のサブチリシンには、未反応のアミノ基は検出され
ず、サブチリシンに存在していたアミノ基のほぼ全部が
固定化またはPEG系重合体との結合に使われていること
が確認された。医療材料1に、医療材料1中のサブチリ
シンの分子数に対して2倍量または3倍量のα2-マクロ
グロブリンを加え、37℃で10分間反応させた後、医
療材料1のフィブリン分解活性を測定した。その結果、
α2-マクログロブリンと反応させていない医療材料1の
フィブリン分解活性を100%としたときのフィブリン
分解活性は、2倍量で50%、3倍量でも50%であっ
た。
よびエピクロロヒドリン3mlを加え、40℃で2時間振盪し
た後、グラスフィルタ上で蒸留水により洗浄して、エポ
キシ化セルロースゲルを得た。得られたゲル1容に濃ア
ンモニア水1.5容を加え、40℃で1.5時間振盪し
た後、グラスフィルタ上で蒸留水により洗浄した。次
に、ゲルを懸濁している蒸留水をジオキサンで置換し、
ゲル1ml当たり0.16gの無水コハク酸を加え、室温で1晩
振盪した後、メタノールおよびジオキサンで洗浄して、
カルボキシル化セルロースゲルを得た。得られたカルボ
キシル化セルロースゲル1容をジオキサン2容に懸濁
し、最終濃度が0.1MになるようにN-ヒドロキシスクシン
イミドおよびジシクロヘキシルカルボジイミドを加え1
時間攪拌した後、ジオキサンで洗浄し、活性化セルロー
スゲルを得た。Batillus subtilis CIR110より分離した
サブチリシンを1mg/mlの濃度になるようにリン酸緩衝液
に溶解して、サブチリシン液を得た。先に用意した活性
化セルロースゲルをリン酸緩衝液で洗浄した後、ゲル1m
l当たり4mlのサブチリシン液を加え、4℃で1晩反応さ
せてサブチリシンを固定化した。このゲルを洗浄後、10
0mM Tris緩衝液中で未反応の活性エステル基をブロッキ
ングして、サブチリシンが固定化されたゲルを得た。次
に、サブチリシンが固定化されたゲルを0.05Mホウ酸緩
衝液(pH 9.1)で洗浄後、5%活性化PEG2(分子量約1万、
生化学工業社製)ホウ酸緩衝液中、4℃で16時間反応さ
せた。その後、0.1M Tris緩衝液(pH 8.0)中で洗浄し、P
EG修飾サブチリシンが固定化されたゲル(以下、これを
医療材料1と略称することがある)を得た。医療材料1
中のサブチリシンには、未反応のアミノ基は検出され
ず、サブチリシンに存在していたアミノ基のほぼ全部が
固定化またはPEG系重合体との結合に使われていること
が確認された。医療材料1に、医療材料1中のサブチリ
シンの分子数に対して2倍量または3倍量のα2-マクロ
グロブリンを加え、37℃で10分間反応させた後、医
療材料1のフィブリン分解活性を測定した。その結果、
α2-マクログロブリンと反応させていない医療材料1の
フィブリン分解活性を100%としたときのフィブリン
分解活性は、2倍量で50%、3倍量でも50%であっ
た。
【0022】比較例1 Batillus subtilis CIR110より分離したサブチリシン
に、サブチリシンの分子数に対して2倍量または3倍量
のα2-マクログロブリンを加え、37℃で10分間反応
させた後、フィブリン分解活性を測定した。その結果、
α2-マクログロブリンと反応させていないサブチリシン
の酵素活性を100%としたときのフィブリン分解活性
は、2倍量で0%、3倍量でも0%であった。
に、サブチリシンの分子数に対して2倍量または3倍量
のα2-マクログロブリンを加え、37℃で10分間反応
させた後、フィブリン分解活性を測定した。その結果、
α2-マクログロブリンと反応させていないサブチリシン
の酵素活性を100%としたときのフィブリン分解活性
は、2倍量で0%、3倍量でも0%であった。
【0023】比較例2 Batillus subtilis CIR110より分離したサブチリシンを
5%活性化PEG2(分子量約1万、生化学工業社製)ホウ酸
緩衝液中、4℃で16時間反応させた。その後、0.1M Tri
s緩衝液(pH 8.0)を加え、PEG修飾サブチリシンを得た。
PEG修飾サブチリシンに存在するアミノ基の数は1分子
当たり1個以下であり、サブチリシンに存在していたア
ミノ基の大部分が、PEG系重合体との結合に使われてい
ることが確認された。PEG修飾サブチリシンに、PEG修飾
サブチリシンの分子数に対して2倍量または3倍量のα
2-マクログロブリンを加え、37℃で10分間反応させ
た後、フィブリン分解活性を測定した。その結果、α2-
マクログロブリンと反応させていないPEG修飾サブチリ
シンの酵素活性を100%としたときのフィブリン分解
活性は、2倍量で15%、3倍量で0%であった。
5%活性化PEG2(分子量約1万、生化学工業社製)ホウ酸
緩衝液中、4℃で16時間反応させた。その後、0.1M Tri
s緩衝液(pH 8.0)を加え、PEG修飾サブチリシンを得た。
PEG修飾サブチリシンに存在するアミノ基の数は1分子
当たり1個以下であり、サブチリシンに存在していたア
ミノ基の大部分が、PEG系重合体との結合に使われてい
ることが確認された。PEG修飾サブチリシンに、PEG修飾
サブチリシンの分子数に対して2倍量または3倍量のα
2-マクログロブリンを加え、37℃で10分間反応させ
た後、フィブリン分解活性を測定した。その結果、α2-
マクログロブリンと反応させていないPEG修飾サブチリ
シンの酵素活性を100%としたときのフィブリン分解
活性は、2倍量で15%、3倍量で0%であった。
【0024】比較例3 実施例1で作製したサブチリシンを固定化したゲルに、
該ゲルに存在するサブチリシンの分子数に対して2倍量
または3倍量のα2-マクログロブリンを加え、37℃で
10分間反応させた後、フィブリン分解活性を測定し
た。その結果、α2-マクログロブリンと反応させていな
いサブチリシンを固定化したゲルの酵素活性を100%
としたときのフィブリン分解活性は、2倍量で10%、
3倍量で2%であった。
該ゲルに存在するサブチリシンの分子数に対して2倍量
または3倍量のα2-マクログロブリンを加え、37℃で
10分間反応させた後、フィブリン分解活性を測定し
た。その結果、α2-マクログロブリンと反応させていな
いサブチリシンを固定化したゲルの酵素活性を100%
としたときのフィブリン分解活性は、2倍量で10%、
3倍量で2%であった。
【0025】実施例1および比較例1〜3の結果から、
サブチリシン、PEG修飾サブチリシンおよびサブチリシ
ンを固定化した医療材料は血液中に阻害因子として存在
する阻害因子であるα2-マクログロブリンにより大きく
その活性を低下させられるが、PEG系重合体が結合した
サブチリシンが基材に固定化された実施例1の医療材料
1は、α2-マクログロブリンによる活性低下の割合が小
さく抑えられていることがわかる。
サブチリシン、PEG修飾サブチリシンおよびサブチリシ
ンを固定化した医療材料は血液中に阻害因子として存在
する阻害因子であるα2-マクログロブリンにより大きく
その活性を低下させられるが、PEG系重合体が結合した
サブチリシンが基材に固定化された実施例1の医療材料
1は、α2-マクログロブリンによる活性低下の割合が小
さく抑えられていることがわかる。
【0026】実施例2 塩化ビニル製の血液回路を使用し、下記の方法に従って
血液回路の血液接触部位にサブチリシンを固定化した。
0.4%過マンガン酸カリウムを含む20%硫酸溶液
を、血液回路の血液接触部位に充填し、5分間放置した
後、蒸留水で10分間洗浄した。次に3−(2−アミノ
エチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン(信越化学
社製)の2%エタノール溶液を血液回路の血液接触部位
に充填し、5分間放置した後、その溶液を捨て、40℃
に加温した空気を送り込んで2時間乾燥させた。その
後、蒸留水を2時間流して洗浄した。次に、この血液回
路の血液接触部位に無水コハク酸の4%メタノール溶液
を満たし、12時間放置後、メタノールで洗浄した。更
に、この血液回路にN-ヒドロキシスクシンイミドおよ
びジシクロヘキシルカルボジイミドをそれぞれ6%含有
するメタノール溶液を満たし、12時間放置した後、メ
タノールで洗浄した。サブチリシン〔ベーリンガー・マ
ンハイム山之内(株)製〕をpH7.5のリン酸緩衝液
に0.5mg/mlになるように溶解した溶液を充填
し、5℃で8時間反応させることにより、サブチリシン
が固定された血液回路を得た。次に、サブチリシンが固
定された血液回路を0.05Mホウ酸緩衝液(pH 9.1)で洗浄
後、5%活性エステル化PEG1(分子量約5000、日本油脂社
製)ホウ酸緩衝液と4℃で16時間反応させた。その後、
0.1M Tris緩衝液(pH 8.0)中で洗浄し、PEG系重合体が結
合したサブチリシンが固定された血液回路を得た。得ら
れた血液回路の繊維素溶解活性を測定したところ、基材
表面積1cm2当たりAMCの遊離量は800pmol/minであ
った。この血液回路の中に20分間血漿を満たし、その
後のサブチリシンの酵素活性を測定した。その結果、血
漿と反応させていない該血液回路の酵素活性を100%
としたときのフィブリン分解活性は60%であった。
血液回路の血液接触部位にサブチリシンを固定化した。
0.4%過マンガン酸カリウムを含む20%硫酸溶液
を、血液回路の血液接触部位に充填し、5分間放置した
後、蒸留水で10分間洗浄した。次に3−(2−アミノ
エチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン(信越化学
社製)の2%エタノール溶液を血液回路の血液接触部位
に充填し、5分間放置した後、その溶液を捨て、40℃
に加温した空気を送り込んで2時間乾燥させた。その
後、蒸留水を2時間流して洗浄した。次に、この血液回
路の血液接触部位に無水コハク酸の4%メタノール溶液
を満たし、12時間放置後、メタノールで洗浄した。更
に、この血液回路にN-ヒドロキシスクシンイミドおよ
びジシクロヘキシルカルボジイミドをそれぞれ6%含有
するメタノール溶液を満たし、12時間放置した後、メ
タノールで洗浄した。サブチリシン〔ベーリンガー・マ
ンハイム山之内(株)製〕をpH7.5のリン酸緩衝液
に0.5mg/mlになるように溶解した溶液を充填
し、5℃で8時間反応させることにより、サブチリシン
が固定された血液回路を得た。次に、サブチリシンが固
定された血液回路を0.05Mホウ酸緩衝液(pH 9.1)で洗浄
後、5%活性エステル化PEG1(分子量約5000、日本油脂社
製)ホウ酸緩衝液と4℃で16時間反応させた。その後、
0.1M Tris緩衝液(pH 8.0)中で洗浄し、PEG系重合体が結
合したサブチリシンが固定された血液回路を得た。得ら
れた血液回路の繊維素溶解活性を測定したところ、基材
表面積1cm2当たりAMCの遊離量は800pmol/minであ
った。この血液回路の中に20分間血漿を満たし、その
後のサブチリシンの酵素活性を測定した。その結果、血
漿と反応させていない該血液回路の酵素活性を100%
としたときのフィブリン分解活性は60%であった。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、優れた抗血栓性が安定
に保持され、血液と接触して使用される医療用具の材料
等として好適な医療材料が提供される。
に保持され、血液と接触して使用される医療用具の材料
等として好適な医療材料が提供される。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリエチレングリコール系重合体が結合
したサブチリシンが基材に固定化されてなる医療材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7180000A JPH0928790A (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 医療材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7180000A JPH0928790A (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 医療材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0928790A true JPH0928790A (ja) | 1997-02-04 |
Family
ID=16075707
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7180000A Pending JPH0928790A (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 医療材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0928790A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006123737A1 (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-23 | Sumitomo Bakelite Company, Ltd. | 医療材料用高分子化合物及び該高分子化合物を用いたバイオチップ用基板 |
JP2009162593A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-23 | Nec Corp | 微細構造物の欠陥検査方法及び欠陥検査装置 |
-
1995
- 1995-07-17 JP JP7180000A patent/JPH0928790A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006123737A1 (ja) * | 2005-05-19 | 2006-11-23 | Sumitomo Bakelite Company, Ltd. | 医療材料用高分子化合物及び該高分子化合物を用いたバイオチップ用基板 |
US9046515B2 (en) | 2005-05-19 | 2015-06-02 | Sumitomo Bakelite Company, Ltd. | Polymer compound for medical material, and biochip substrate using the polymer compound |
JP2009162593A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-23 | Nec Corp | 微細構造物の欠陥検査方法及び欠陥検査装置 |
US8614415B2 (en) | 2007-12-28 | 2013-12-24 | Nec Corporation | Defect inspection method of fine structure object and defect inspection apparatus |
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