JPH0576449B2 - - Google Patents

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JPH0576449B2
JPH0576449B2 JP59080912A JP8091284A JPH0576449B2 JP H0576449 B2 JPH0576449 B2 JP H0576449B2 JP 59080912 A JP59080912 A JP 59080912A JP 8091284 A JP8091284 A JP 8091284A JP H0576449 B2 JPH0576449 B2 JP H0576449B2
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JP
Japan
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cellulose
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JP59080912A
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Izumi Sakamoto
Kunihiko Takagi
Masatsugu Mochizuki
Koichi Teranishi
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、生理活性物質の固定化に用いられる
担体に関する。
酵素、補酵素、酵素阻害剤、ホルモン、抗菌
剤、抗原、抗体などの生理活性物質をポリアクリ
ルアミド、セルロース、アガロース、ガラスなど
の担体に固定化したものは化学反応触媒、分離精
製用の特異的吸着体、臨床検査用材料、医療用材
料などとして使用されている。
酵素、補酵素、ホルモン、抗菌剤、抗原、抗体
などの生理活性物質をポリアクリルアミド、ガラ
スなどの担体に固定化したものは化学反応触媒、
分離精製用の吸着体、臨床検査材料、医療用材料
などはして使用されている。セルロースは生体に
対する毒性のない事、比較的安価である事などの
理由から、単体として好ましい材料であるが、分
子内に反応性の低い水酸基しか有しないので、そ
のままでは生理活性物質と反応させる事は温和な
条件では不可能であり、生理活性物質固定化用担
体としては適さない。したがつて、従来より反応
性の高い官能基を導入し、セルロースを活性化さ
せる研究が行われてきた。例えば、特開昭52−
5393号公報にはセルロースからなる成形品をカル
ボキシメチル化したものがウロキナーゼなどの生
理活性物質の固定化用担体として好適であること
が開示されている。しかし、このものは生理活性
物質を物理的又はイオン的に吸着するものであ
り、共有結合にて固定化をする必要がある場合に
は、ジシクロヘキシルカーボジイミドなどの脱水
縮合剤を使用する必要があり、固定化操作固定化
後の洗浄などが面倒となる。また、このものは低
分子化合物によるカルボキシメチル化なので、水
酸基のカルボキシメチル基への置換度は理論値で
最大1であり、通常0.25程度が最高と考えられ
る。したがつて、十分な固定化量は望めない。
また、本出願人は先に特開昭56−64788号にお
いて酸無水物の基を有するポリマーとポリオール
とをセルロース表面上にて反応させて、セルロー
ス表面上に未反応の酸無水物の基を有する皮膜を
形勢させたものが酵素の固定化用担体に好適に使
用しうることを提案している。このものは、脱水
縮合剤などを使用することなく共有結合にて酵素
などを固定化できるという利点があり、前述のカ
ルボキシメチル化セルロースよりも良好な担体で
ある。しかしながら、このものにしても酸無水物
の基を有するポリマーの他に、これと反応しうる
ポリオールを用いなくてはならない点、これら両
者に共通の溶媒を選ばなくてはならない点、反応
に際して低くとも30〜50℃、通常は10℃を越える
高温が必要とされる点及び本来なら酵素などとの
結合に供せられるべき酸無水物基がポリオールと
の反応に費やされて減少するため、酵素などの結
合量が減少するなどの欠点を有している。
このような現況に鑑み、必要に応じて生理活性
物質を共有結合にても、イオン結合あるいは吸着
にても他の試薬を用いる事なく、容易に多量に固
定化が可能で、かつ簡便に製造できる生理活性物
質固定化用担体を得ることを目的として、さらに
鋭意研究を続けた結果、セルロースを酸無水物系
高分子溶液にて処理することによつて目的が達せ
られる事を見出し、本発明に到達したものであ
る。
すなわち本発明は、セルロースを素材としたビ
ーズ、粉末、薄片、チユーブ、スポンジ、シー
ト、フイルム、皮膜などの形状を有する構造物を
酸無水物系高分子溶液にて処理してなる生理活性
物質固定化用担体である。
本発明におけるセルロースとは、グルコースが
β−1.4.−グルコシド結合した多糖類のことであ
る。
本発明に用いられる生理活性物質とは、たとえ
ば酵素、補酵素、酵素阻害剤、プロ酵素、ホルモ
ン、抗生物質、殺菌剤、抗癌剤、免疫反応性物質
等動植物などの生理機能に重要な影響を与える物
質をいう。
酵素としては、たとえばアルコール脱水素酵
素、乳酸脱水素酵素、グルコース−6−リン酸脱
水素酵素、グルコースオキシターゼ、ルシフエラ
ーゼ、L−アミノ酸オキシターゼ、カタラーゼ、
チロシナーゼ、パーオキシターゼなどの酸化還元
酵素、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸脱水酵素、カ
ルバメートキナーゼ、アセテートキナーゼ、リポ
ヌクレアーゼなどのトランスフエラーゼ、リパー
ゼ、アセチルコリンエステラーゼ、ステロイドエ
ステラーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、デクスト
ラナーゼ、インベルターゼ、ペプシン、レニン、
トリプシン、キモトリプシン、パパイン、フイシ
ン、トロンビン、カリクレイン、ストレプトキナ
ーゼ、ウロキナーゼ、プラスミン、ブリノラー
ゼ、アスパラキナーゼ、ウレアーゼ、ペニシリン
アミダーゼ、アピラーゼなどの加水分解酵素、ピ
ルビン酸デカルボキシラーゼ、アルパルターゼ、
スレオニンデアミナーゼなどのリアーゼ、グルコ
ースイソメラーゼなどのイソメラーゼ、チロシル
−TRNAシンセターゼ、アセチル−CoAシンセ
ターゼなどのリガーゼがあげられる。
補酵素としては、たとえばピリドキサールリン
酸、ニコチンアデニンジヌクレオチドなどがあげ
られる。
酵素阻害剤としては、たとえばオホムコイド
Kunitz大豆トリプシン阻害剤、アプロチニン、
アンチトロビン、α2−マクログロブリン、α1
アンチトリプシン、α1−アンチプラスミン、プラ
スミノーゲンアンチアクチベーター、ヘパリンな
どがあげられる。
プロ酵素としては、たとえばプラスミノーゲ
ン、フイブリノーゲン、プロトロンビン、血液凝
固第因子などがあげられる。
ホルモンとしては、たとえばコルチゾン、テス
トロン、エストロン、エストラジオール、プロゲ
ステロン、インシユリン、ソマスタチン、ゴナド
トロビンなどがあげられる。
抗生物質としては、たとえばクロキサシリン、
シクロキサシリン、フルクロキサシリン、アンピ
シリン、ヘタシリン、タランピシリン、シクラシ
リン、アモキシシリン、ピブメシリナム、ピペラ
シリンなどのペニシリン類、セフアロリジン、セ
フアログリシン、セフアレキシン、セフアゾリ
ン、セフアピリン、セフラジン、セフラゾール、
セフオキシチン、セフアトリジンなどのセフアロ
スポリン類、ストレプトマイシン、カナマイシ
ン、フラジオマイシン、パロモマイシン、ゲンタ
マイシン、ベカナマイシン、リポスタマイシン、
ジベカシン、アミカシン、トブラマイシン、スペ
クチノマイシンなどのアミノグリコシド類、オキ
シテトラサイクリン、テトラサイクリン、ヂメチ
ルクロルテトラサイクリン、メタサイクリン、ド
キシサイクリン、ミノサイクリンなどのテトラサ
イクリン類、エリスロマイシン、キタサマイシ
ン、オレアンドマイシン、スピラマイシン、ジヨ
サマイシン、ミデカマイシンなどのマクロライド
類、リンコマイシン、クリンダマイシンなどのリ
ンコマイシン類、ミカマイシン、グラミシジン
S、グラミシジンなどのアンチグラム陽性バクテ
リア類、コリスチン、ポリミキシンBなどのポリ
ミキシン類、バイオマイシン、カプレオマイシ
ン、エンビオマイシン、サイクロセリンなどのア
ンチミコバクテリウム類、アムホテリシンB、ピ
マリシンなどのポリエンマクロライド類、リフア
ンピシン、ピロールニトリン、マイトマイシン
C、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダウノ
ルビシン、ドキソルビシン、ネオカルチノスタチ
ンなどがあげられる。
殺菌剤としては、たとえばアクリノール、アク
リルフラビンなどの色素製剤、ニトロフラゾンな
どのフラン製剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベ
ンゼトニウムなどの第4級アンモニウム塩、クロ
ルヘキシンジンなどのグアニジウム塩、ポビドン
ヨードなどのヨードの錯体、アルキルジアミノエ
チルグリシン塩酸塩のような両性界面活性剤など
があげられる。
抗癌剤としては、たとえばニトロゲンマスター
ド、ニトロミン、クロラムブシル、サイクロフオ
スフアミド、メルフアラン、ウラシルマスター
ド、マンノムスチン、ドーパン、BCNU、トリ
エチレンメラミン、チオ−TEPA、Aza−
TEPA、トレニモン、インプロキユオン、ブスル
フアン、ジメチルミレラン、ピポスルフアン、エ
トグルシド、エポキシプロピジン、エポキシピペ
ラジン、ヘキサメチルメラミン、ジブロモマンニ
トール、ピポブロマンなどのアルキル化剤、葉
酸、アミノプリテンメトトレキセート、グアニ
ン、8−アザガニン、6−メルカプトプリン、ア
ザチオプリン、ウラシル、5−フルオロウラシ
ル、シタラビン、アサセリン、ジアゾマイシンな
どの代謝括抗剤、アクチノマイシンD、サクロマ
イシン、マイトマイシンC、ダウノマイシン、ブ
レオマイシン、クロモマイシン、カルジノフイリ
ンなどの抗生物質、5−HP、IQ−1などの合成
剤、チオテバ、シクロホスフアミド、ドキソルビ
シン、ダウノルビシン、ネオカルチノスタンなど
の植物成分、Hg−ヘマトポルフイリン、Co−プ
ロトポルフイリン、ステイルベストロール、ヒド
ロキシウレア、プロカルバジン、メチルグリヨキ
ザル−ビス−グアニルヒドラゾン、L−アスバラ
ギナーゼなどがあげられる。免疫反応性物質と
は、たとえば抗原、抗体のような免疫学的な結合
を生成しうるものをいう。抗原とは抗原抗体反応
を誘起しうる物質のことであり、一般的にはペプ
チド、蛋白、多糖類、グルコプロテイン、ステロ
イドなどである。抗体とは抗原の刺激により生体
内に作られ抗原と特異的に結合する蛋白質のこと
であり、その化学的な実態は免疫グロブリンであ
る。このような免疫反応性物質としては、たとえ
ば糸状菌、酵母、原生動物、ビールスのような微
生物、それらの免疫学的活性成分、人および動物
から分離された抗体、血清成分、毒素、ホルモ
ン、酵素、アルカロイド、細胞、組織の抽出物、
血液細胞、レクチンなどがあげられる。
上記のような生理活性物質を後述するような固
定化処理によつて支持しうる物質のことを、生理
活性物質固定化用担体といい、それ自体は生理活
性を有せず、生理活性物質が固定化されてはじめ
て生理活性を呈するようなものである。
本発明における酸無水物系高分子としては、例
えばポリマレイン酸無水物、ポリイタコン酸無水
物、ポリアクリル酸無水物、ポリメタクリル酸無
水物等のポリカルボン酸無水物及びこれらポリカ
ルボン酸無水物を構成単位として有する共重合
体、無水マレイン酸/メチルビニルエーテル共重
合体、無水マレイン酸/エチルビニルエーテル共
重合体、無水マレイン酸/ブタンジオールジビニ
ルエーテル共重合体などの無水マレイン酸と脂肪
族ビニルエーテルとの共重合体、無水マレイン
酸/エチレン共重合体、無水マレイン酸/プロピ
レン共重合体、無水マレイン酸/イソブチレン共
重合体などの無水マレイン酸とオレフインモノマ
ーとの共重合体、無水マレイン酸/スチレンなど
の無水マレイン酸と芳香族ビニルモノマーとの共
重合体、無水マレイン酸/酢酸ビニル共重合体な
どの無水マレイン酸と脂肪族ビニルエステルとの
共重合体などがあげられ、本発明においてはこれ
らは1つか又は組み合わせて用いられる。
本発明におけるセルロースを素材とした構造物
の酸無水物系高分子溶液により処理は、既述の酸
無水物系高分子を、例えばメタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸メチ
ル、ベンズアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセ
トン、シクロヘキサン、メタルエチルケトン、酢
酸メシチル、ジアセトンアルコール、2−ピロリ
ドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル
−2−ピスリドン、プチロラクトン、酢酸、ジメ
チルホルムアマイド、ピリジンなどあるいはこれ
らの混合溶媒に好ましくは0.1〜30重量%、とく
に好ましくは0.5〜10重量%の濃度に溶解し、必
要に応じて硫酸、塩酸などを触媒として好ましく
は約0.01〜10重量%、特に好ましくは0.05〜2重
量添加した溶液にて構造物を約0〜150℃、好ま
しくは約0〜100℃、特に好ましくは約20〜80℃
で約10分〜72時間、好ましくは30分〜36時間、又
は高温にて処理する場合には約30分〜10時間処理
した後十分に洗浄し、必要に応じて好ましくは約
40〜150℃、特に好ましくは80〜120℃にて、好ま
しくは約1〜48時間、特に好ましくは約6〜24時
間熱処理を行うことによつてなされる。処理方法
としては、例えば浸漬法、吹き付け法、コーテイ
ング法などの公知の方法を採用することができ
る。
このようにして作成された本発明の生理活性物
質固定化用担体のうち、担体としては担体1gあ
たりの酸無水物基含有量がカルボキシル基量とし
て0.0002〜20ミリ当量、さらには0.002〜10ミリ
当量、特に0.02〜5ミリ当量のものが好ましい。
酸無水物基含有量がカルボキシル基量として
0.0002ミリ当量未満では、生理活性物質を固定化
する能力が劣る傾向があり、一方20ミリ当量をこ
えた場合には構造物としての強度が弱くなる傾向
があつたり、担体として用いた場合に酸無水物系
高分子が溶出してくる傾向がある。本発明におい
て酸無水物含有量は、担体が有する酸無水物基を
加水分解してカルボキシル基としたのち、中和滴
定法によりカルボキシル基量として求めた。
本発明の生理活性物質固定化用担体は、酸無水
物系高分子により処理されているので、以下のご
とき多くの利点を有している。すなわち、共有結
合にてもイオン結合にても生理活性物質を容易に
固定化できること、低分子化合物により反応性官
能基を導入するよりも多量の反応性官能基を導入
する事が可能となり、したがつて多量の生理活性
物質を固定化できる事及び酸無水物系高分子自体
がいわゆる固定化の際のスペーサーとしての働き
をなし、生理活性物質が担体と反応し易くなり、
結果として多量の生理活性物質を固定化できる事
及び酸無水物基を無駄なく固定化反応に供せられ
ることなどである。
本発明の担体への生理活性物質の吸着又は共有
結合による固定化は、生理活性物質を水あるいは
メタノール、エタノール、プロパノール、アセト
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの水と
混合しうる溶媒と水との混合液に溶解するかある
いは分散し、得られた液にて本発明の担体を好ま
しくは−20〜100℃、とくに好ましくは0〜80℃
にて、好ましくは5分〜100時間、とくに好まし
くは10分〜80時間処理することにより行うことが
できる。その際、PHを好ましくは2〜12、とくに
好ましくは4〜10に調節するため、ホスフエート
あるいはアセテートなどの緩衝液を用いてもよい
し、あるいは塩酸、水酸化ナトリウムなどを添加
してもよい。また、本発明の担体への生理活性物
質の吸着又はイオン結合による固定化は、担体を
一旦水により、好ましくは約5分〜96時間、特に
好ましくは約2〜48時間処理して後、上述のごと
くに生理活性物質で処理することにより行うこと
ができる。
このようにして本発明の担体に生理活性物質が
固定化されたものは、例えば化学反応触媒、分
離・精製用の特異的吸着体、臨床検査用材料、医
用材料などとして使用することができる。
すなわち、生理活性物質として酵素が固定化さ
れたものは化学反応触媒として用いることができ
る。例えばチロシナーゼが固定化されたものはL
−DOPAの製造に、アミラーゼやセルラーゼが
固定化されたものはクルココースの製造に、アス
パルターゼが固定化されたものはL−アスパラギ
ン酸の製造に、アセテートキナーゼやカルバメー
トキナーゼが固定化されたものはATPの再生に、
グリコースイソメラーゼが固定化されたものは果
糖の製造に用いることができる。
また、本発明の担体に生理活性物質が固定化さ
れたものは分離精製用の特異的吸着体として用い
ることができる。例えば酵素が固定化されたもの
は、補酵素、酵素阻害剤の分離精製に、補酵素あ
るいは酵素阻害剤が固定化されたものは酵素の分
離精製に、ホルモンが固定化されたものはホルモ
ンレセプターの分離精製に、抗原が固定化された
ものは抗体の分離精製に、抗体が固定化されたも
のは抗原の分離精製に用いることができる。また
それらの特異的吸着体はエンザイムイミユノアツ
セイ及びラジオイミユノアツセイ用臨床検査材料
として、甲状腺刺激ホルモン、甲状腺ホルモン、
インスリン、ステロイドホルモン、ヒト胎盤性ゴ
ナドトロピン、アンギオテンシン、α−フエトプ
ロテイン、フエリチン、HBs抗原などの定量に
用いることができる。そして表1に示されるよう
に、それらの特異的吸着体を用いて体液より種々
の有害物質を除去することにより種々の疾患を治
療することができる。
また、本発明の担体に生理活性物質が固定化さ
れたものは、医療用材料として用いられる。
例えば、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、
ブリノラーゼ、プラスンなどの線溶活性酵素、ヘ
パリン、アンチトロンビンなどの血液凝固系阻
害剤が固定化されたものは、抗血栓成形材料とし
て、血管留置カテーテル、バイパスチユーブ、ド
レンカテーテルなどに用いることができる。抗生
物質、殺菌剤などの抗菌物質が固定化されたもの
は、抗菌性材料として導尿カテーテルなどに用い
ることができる。抗癌剤が固定化されたものは、
癌の局所療法剤として使用することができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に
説明する。
実施例 1 8gのセルロフアンGH−25−m〔セルロース
製ゲル、チツソ株式会社製〕のビーズを4重量%
のGantrez AN 169(GAF社製、無水マレイン
酸/メチルビニルエーテル共重合体)アセトン溶
液100mlに浸漬し、55℃にて24時間の処理を行つ
た。処理後アセトン洗浄、湯洗浄を行い、付着し
ているGanfrez AN 169を十分に洗い流した後、
110℃にて10時間真空乾燥して生理活性物質固定
化用担体を得た。この担体1gあたりの酸無水物
基含有量は中和滴定法によりカルボキシル基量と
して約0.48ミリ当量と求められた。
このもの1gを抗B型肝炎ヒト免疫グロブリン
(HBs抗体)の1重量%リン酸緩衝液(1/
10M,PH8.0)10mlに7℃にて24時間浸漬した後、
生理食塩水溶液にてよく洗浄した。
このようにして得られた抗B型肝炎HBs抗体
固定化セルロフアイン200mgを要領1mlのカラム
に充填し、このカラムを通してHBs抗原価1:28
の血漿2mlをろ過したところ、ろ過後の血漿抗原
量は1:22に減少した。このカラムに引き続き4
回(すなわち第2回から第5回)HBs抗原価
1:28の血漿2mlをろ過したところ、ろ過後の抗
原量は第2回と第3回が1:22、第4回と第5回
が1:23であつた。なお、抗原価の測定は金井、
金井編著「臨床検査概要」改訂増補28版(金原出
版)XX−40に従つて行つた。
実施例 2 セルロフアインGH−25−mのビーズにかえて
セルロース粉末を使用したほかは、実施例1と同
様にGantrez溶液による処理と、HBs抗体溶液に
よる処理を行つた。このようにして得られた
HBs固定化セルロース粉末200mgを容量1mlの
カラムに充填し、このカラムを通してHBs抗原
1:28の血漿2mlをろ過したところ、ろ過後の血
漿抗原量は1:22に減少した。
このカラムに引き続き4回(すなわち第2回か
ら第5回)HBs抗原価1:28の血漿2mlをろ過し
たところ、ろ過後の抗原量は第2回は1:22、第
3回〜第5回は1:23であつた。
比較例 1 実施例1で用いたと同様のセルロフアインGH
−25−m8gを2.7gの水酸化ナトリウムを含むメ
タノール(17.3重量%)−水(13.7重量%)−2−
プロパノール(69重量%)からなる混合溶媒164
g中に20℃で35分間浸漬処理してアルカリ化した
後、この反応系に4.2gのモノクロル酢酸を添加
し、70℃で3時間処理してカルボキシメチル基の
導入を行つた。反応後、反応系を冷却し、塩酸で
処理し、次いでカルボキシメチル基導入セルロフ
アンビーズをPH3以上になるまで水で繰り返し洗
浄した後、乾燥してカルボキシメチル化した生理
活性物質固定化用担体を得た。
このものの200mgを容量1mlのカラムに充填し
このカラムを通してHBs抗原価1:28の血漿2ml
をろ過したところ、ろ過後の血漿抗原量は1:24
に減少した。このカラムを用いて引き続き4回、
HBs抗原価1:28の血漿2mlをろ過したところ、
ろ過後の抗原量は第2回と第3回が1:24、第4
回と第5回が1:25であつた。
実施例 3 10gのセルロースフイルムを10重量%の
SMA3000(ARCO/Chemical Company製、無
水マレイン酸/スチレン共重合体)のメチルエチ
ルケトン溶液100mlに浸漬し、60℃にて36時間処
理した。処理後、メチルエチルケトン洗浄、アセ
トン洗浄を行つて付着しているSMA3000を充分
に洗い流した後、110℃にて10時間真空乾燥して
生理活性物質固定化用担体を得た。この担体1g
あたりの酸無水者基含有量はカルボキシル基量と
して約0.04ミリ当量であつた。
実施例 4 SMA3000(ARCO/Chemical Company製、
無水マレイン酸/メチルビニルエーテル共重合
体)のメチルエチルケトン溶液にかえて無水マレ
イン/エチレン共重合体のメチルエチルケトン溶
液を用いた以外は、実施例3と同様にして生理活
性物質固定化用担体を得た。
この担体の酸無水者基含有量は、担体1gあた
りカルボキシル基量として約0.03ミリ当量であつ
た。
実施例 5 セルローススポンジ5gを2重量%のGantrez
AN 169(GAF社製、無水マレン酸/メチルビニ
ルエーテル共重合体)アセトン溶液100mlに浸漬
し、50℃にて24時間処理した後、アセトン洗、湯
洗を行い、110℃にて8時間真空乾燥して生理活
性物質固定化用担体を得た。この担体の酸無水者
基含有量は、担体1gあたりカルボキシル基量と
して0.38ミリ当量であつた。このものをウロキナ
ーゼのリン酸緩衝液(PH7.0,1/10M,
2000unit/ml)100ml中に24時間浸漬した後、生
理食塩水溶液にてよく洗浄した。線溶活性の測定
は、金井、金井編著「臨床検査法概要」改定増補
28版(金原出版)V1−105に従つてフイブリン平
板を作成し、その上に織物片(直径1cmの円形)
をおき、フイブリンの溶解を観察した。その結
果、24時間後にウロキナーゼが固定化された織物
片のまわりに3.3cmにわたつてフイブリンが溶解
しているのが認められた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 セルロースを素材としたビーズ、粉末、薄
    片、チユーブ、スポンジ、シート、フイルム、皮
    膜などの形状を有する構造物を酸無水物系高分子
    溶液にて処理してなる生理活性物質固定化用担
    体。
JP59080912A 1984-04-20 1984-04-20 生理活性物質固定化用担体 Granted JPS60224637A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP59080912A JPS60224637A (ja) 1984-04-20 1984-04-20 生理活性物質固定化用担体

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JPS54154595A (en) * 1978-05-22 1979-12-05 Unitika Ltd Novel carrier for fixing physiologically active substance

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