JPS5950340B2 - ポリビニルアルコ−ル系抗血栓性医療材料およびその製造法 - Google Patents

ポリビニルアルコ−ル系抗血栓性医療材料およびその製造法

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JPS5950340B2
JPS5950340B2 JP52043770A JP4377077A JPS5950340B2 JP S5950340 B2 JPS5950340 B2 JP S5950340B2 JP 52043770 A JP52043770 A JP 52043770A JP 4377077 A JP4377077 A JP 4377077A JP S5950340 B2 JPS5950340 B2 JP S5950340B2
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JP
Japan
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polyvinyl alcohol
fibrinolytic
active enzyme
manufacturing
medical material
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邦彦 高木
安紀 薮下
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規な抗血栓性医療材料およびその製造法に
関する。
さらに詳しくはポリビニルアルコールあるいはその誘導
体を素材とする抗血栓性医療材料およびその製造法に関
する。
近年、医療材料の分野において高分子材料が使・われる
ようになったが、高分子材料を人工血管、カテーテル、
人工腎臓、人工心臓、人工肺、血管縫合系など直接血液
と接する部位に使用した場合、血栓形成を引きおこすと
いう問題がある。
血栓形成は血液凝固系における一連の複雑な酵素反応に
より最終的にはフィブリノーゲンが不溶性のフィブリン
に変化することを意味している。
従来の抗血栓性医療材料の開発は、この血液凝固系に注
目し、血液凝固系酵素の阻害剤として働くヘパリンを材
料表面に適用し、フィブリノーゲンのフィブリンへの変
化を阻害することにあった。
生体内では、血液凝固系においてフィブリンは絶えず一
定の割合で形成されると同時に、いったん形成されたフ
ィブリンは線溶系(フィブリン溶解系)において絶えず
、溶解していくことにより平衡状態が保たれている。
本発明者らは、この線溶系に注目し、種々の材料表面に
線溶活性酵素(フィブリンの溶解に関与する酵素)を適
用することを検討した結果、血液接触材料として効果の
顕著な新規材料の開発に成功したものである。
すなわち本発明は、ポリビニルアルコールあるいはその
誘導体を素材とし、表面に線溶活性酵素が固定化された
ポリビニルアルコール系抗血栓性医療材料およびポリビ
ニルアルコールあるいはその誘導体よりなる表面をポリ
カルボン酸無水物で処理し、しかるのち線溶活性酵素を
含む溶液と接触させることにより該表面に線溶活性酵素
を固定化することを特徴とする抗血栓性医療材料の製造
法である。
本発明におけるポリビニルアルコールあるいはポリビニ
ルアルコールの誘導体は、ポリビニルアルコールの単一
重合体および共重合体ならびにそれらのエーテル、アセ
タール、エステルなどの誘導体を包含する。
ポリビニルアルコールの共重合成分としては、たとえば
エチレン、プロピレン、塩化ビニル、アリルアルコール
、N−ビニルピロリドンなどがあげられる。
ポリビニルアルコールのエーテル誘導体としては、たと
えばメチル、カルボキシメチル、エチル、プロピル、ブ
チル、オクチル、ドデシル、フェニルなどの誘導体があ
げられる。
ポリビニルアルコールのアセタール誘導体としては、た
とえばホルマール、エタナール、ブチラール、アミノア
セタールなどの誘導体があげられる。
ポリビニルアルコールのエステル誘導体としては、たと
えば酢酸、ギ酸、酪酸、カプロン酸、ラウリン酸、ステ
アリン酸、安息香酸などのエステル誘導体があげられる
これらのポリビニルアルコールあるいはその誘導体は繊
維、中空糸、チューブ、フィルム、皮膜、透過性膜、ビ
ーズ、粉末など目的に応じて種々の形状に加工すること
ができる。
本発明における線溶活性酵素とはフィブリンの溶解に関
与する酵素のことであり、たとえばウロキナーゼ、スト
レプトキナーゼ、プラスミン、プリノラーゼなどがあげ
られるが、代表的なものはウロキナーゼである。
これら線溶活性酵素は共有結合法、イオン結合法、物理
的吸着などの方法により、ポリビニルアルコールあるい
はその誘導体の表面に固定化される。
共有結合法は、表面の反応性に富む官能基と線溶活性酵
素との間に共有結合を形成せしめる方法である。
反応性官能基としては、たとえばアミン基、カルボキシ
ル基、アジド基、ジアゾニウム塩の基、イソシアネート
基、酸クロリド基、酸無水物基、ホルミル基、ブロムア
セチル基、カルボナート基などがあげられる。
これら官能基は、繊維、中空糸、フィルム、皮膜、透過
性膜チューブなどの形状に加工する前に存在していたも
のであってもよいし、加工後、表面処理により表面に導
入されたものであってもよい。
イオン結合法は表面に存在するアンモニウム基、スルホ
ネート基、カルボキシレート基などのイオン交換基と線
溶活性酵素との間にイオン結合を形成せしめる方法であ
る。
物理的吸着法とは、疎水性結合、ファン。デア、ワール
ス力などにより線溶活性酵素を表面に吸着せしめる方法
である。
線溶活性酵素を固定化する方法としては、前述したよう
な種々の方法があげられるが、とくにポリビニルアルコ
ールあるいはその誘導体よりなる表面をポリカルボン酸
無水物により処理し、しかるのち線溶活性酵素を含む溶
液と接触させることによりその表面に線溶活性酵素を固
定化するのが最も効果的でかつ簡単な方法である。
本発明にいうポリカルボン酸無水物とは、無水カルボン
酸単位を有する高分子物質のことをいい、好ましい例と
してはビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、エチ
レン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体などがあげられる。
これらのポリカルボン酸無水物による処理は、ポリカル
ボン酸無水物をアセトン、テトラヒドロフラン、メチル
エチルケトン、ジメチルスルホキシドなどの不活性溶媒
に溶解し、その溶液をポリビニルアルコールあるいはそ
の誘導体よりなる表面に接触せしめることにより行うこ
とができる。
そして、ポリカルボン酸無水物処理後の表面に、必要に
応じてイオン強度、−などを調節した線溶酵素を含む溶
液を接触せしめるだけでその表面に線溶活性酵素を容易
に固定化することができる。
このようにして線溶活性酵素が固定化された材料表面は
、優れた抗血栓性を示す。
本発明の抗血栓性材料は人工血管、カテーテル、人工弁
、人工心臓、人工肺、人工腎臓、血管縫合糸などとして
有用である。
次に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
なお、抗血栓性は線溶活性(フィブリン溶解性)の測定
によった。
すなわち、合弁、合弁編著「臨床検査法提要」改訂第2
7版(金属出版)VI −100を参照し、人フィブリ
ノーゲン水溶液にトロンビン生理食塩水溶液を添加して
作成したフィブリン平板にて測定した。
試料片をフィブリン平板上におき、37℃で24時間放
置した後、試料片のまわりのフィブリン膜の溶解の程度
により線溶活性を測定した。
同一試料にてくりかえし活性測定を行う場合には、試料
片を生理食塩水にて洗滌後、新しいフィブリン平板に置
いた。
実施例 1 直径5mmの円形に切断したポリビニルアルコール、フ
ィルム片(厚さ100μ)をメチルビニルエーテル−無
水マレイン酸共重合体の4wt%アセトン溶液中に浸漬
して、室温で24時間放置した。
放置後のフィルム片をアセトンで洗浄したのち乾燥した
乾燥後のフィルム片をウロキナーゼの生理食塩水溶液中
に浸漬して7℃で24時間放置した後、生理食塩水にて
洗浄した。
このようにして得られたフィルム片の線溶活性を測定し
たところ、フィルム片のまわり直径18mmの円形にフ
ィブリン膜が溶解した。
比較例 1 メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の4w
t%アセトン溶液にかえてブロモアセチルプロミドの1
0wt%氷酢酸溶液を用い、アセトンによる洗浄にかえ
て水で洗浄した以外は実施例1と同様にして処理したフ
ィルム片の線溶活性を測定したところ、フィルム片のま
わり直径8mmの円形にフィブリン膜が溶解した。
実施列 2 ウロキナーゼをストレプトキナーゼにかえたほかは実施
例1と同様な操作によりポリビニルアルコール、フィル
ム片にストレプトキナーゼを固定化した。
得られたフィルム片の線溶活性を測定したところ実施例
1と同様にフィルム片はフィブリン膜を溶解した。
実施例 3 直径5mmの円形に切断したアミノアセタール化ポリビ
ニルアルコール、フィルム片(アミノアセタール化度5
.2モル%、厚さ120μ)をエチレン−無水マレイン
酸共重合体の3wt%アセトン溶液中に浸漬して、室温
で24時間放置した。
放置後のフィルム片をアセトンで洗浄したのち乾燥した
乾燥後のフィルム片をウロキナーゼの生理食塩水溶液中
に浸漬して7℃で24時間放置した後、生理食塩水にて
洗浄した。
このようにして得られたフィルム片の線溶活性を測定し
たところ、フィルム片はそのまわり直径24mmの円形
状にフィブリン膜を溶解した。
同一のフィルム片についてくりかえし活性測定を行った
ところ、5回目の活性測定においてもフィルム片は直径
14mmの円形状にフィブリン膜を溶解した。
実施例 4 ポリビニルアルコール、フィルム(厚さ100μ)をウ
ロキナーゼの生理食塩水溶液(1200単位/ml)中
に1時間浸漬した後、フィルムをとり出し、冷所で乾燥
した。
乾燥後のフィルム上にグルタルアルデヒドのホスフェー
ト、バッファー溶液(2wt%、O,LM、 pH6,
8)を滴下して、7℃で16時間放置した。
このようにして得られたフィルムを生理食塩水で洗浄後
、直径5mmの円形に切断して活性測定を行ったところ
、フィルム片のまわり直径21mmの円形にフィブリン
膜が溶解した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリビニルアルコールあるいはその誘導体を素材と
    し、表面に線溶活性酵素が固定化されたポリビニルアル
    コール系抗血栓性医療材料。 2 線溶活性酵素がウロキナーゼである特許請求の範囲
    第1項記載の医療材料。 3 ポリビニルアルコールあるいはその誘導体よりなる
    表面をポリカルボン酸無水物で処理し、しかるのち線溶
    活性酵素を含む溶液と接触させることにより該表面に線
    溶活性酵素を固定化することを特徴とするポリビニルア
    ルコール系抗血栓性医療材料の製造法。 4 線溶活性酵素がウロキナーゼである特許請求の範囲
    第3項記載の製造法。 5 ポリカルボン酸無水物がビニルエーテル−無水マレ
    イン酸共重合体である特許請求の範囲第3項又は第4項
    記載の製造法。 6 ポリカルボン酸無水物がエチレン−無水マレイン酸
    共重合体である特許請求の範囲第3項又は第4項記載の
    製造法。 7 ポリカルボン酸無水物がスチレン−無水マレイン酸
    共重合体である特許請求の範囲第3項又は第4項記載の
    製造法。
JP52043770A 1977-04-15 1977-04-15 ポリビニルアルコ−ル系抗血栓性医療材料およびその製造法 Expired JPS5950340B2 (ja)

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