JP4599714B2 - 経口吸収改善医薬用組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、消化管粘膜からの薬物の吸収を改善する医薬用組成物に関する。また、本発明は、薬物と胆汁酸とが形成する難吸収性複合体の形成阻害作用または該複合体の解離作用を有する物質の使用により、消化管粘膜からの薬物の吸収を改善させる方法に関するものである。
また、本発明は、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEと界面活性剤を溶媒に溶解後、噴霧乾燥法により調製されてなるアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物および該組成物の製造法に関するものである。
背景技術
薬物の投与には、経口投与および注射による投与が広く用いられているが、患者自身による服用の簡便さから、経口投与が最も一般的である。しかし、経口投与は服用の簡便さ、あるいは安全性に優れた投与経路ではあるが、消化管粘膜から吸収されにくい薬物にあっては、優れた薬理効果を有する医薬品といえども、経口剤の開発を断念したり、また医薬品としての開発そのものを断念したりすることもある。
また、消化管粘膜からの薬物の吸収は、患者の消化管内のpHや食事によっても影響を受けるため、薬物の生物学的利用率にバラツキが生ずるだけでなく、その薬理効果が期待できないことも起こり得る。
特に、消化管腔内および粘液層内にはアニオン性物質が多く存在するため、薬物、なかでも塩基性薬物は該粘液層を通過しにくい等の理由により、一般に消化管粘膜からの吸収性に劣る。
したがって、消化管粘膜から吸収されにくい薬物、特に塩基性薬物に対し、易吸収性を付与する製剤設計は、薬物の十分な薬理効果を期待する上で、現在もなお、重要な技術的課題のひとつである。
消化管粘膜からの塩基性薬物の吸収性を改善する方法として、特開平9−2977号公報には、シクロデキストリン類を用いる方法が開示されている。また、国際公開WO98/03202号公報には、コレスチラミンなどの陰イオン交換樹脂を用いる方法が開示されている。さらに、特開平10−231254号公報には、脂肪酸グリセリンエステルなどの親油性物質を用いる方法が開示されている。しかし、いずれの方法も吸収改善の効果は十分ではなく、さらに改善する余地が残されている。
したがって、本発明の目的は、経口投与により消化管粘膜から吸収されにくい薬物、特に塩基性薬物に対し、薬理上治療効果が期待できる程度にまで消化管粘膜からの吸収を改善するための医薬用組成物および吸収改善方法を提供することにある。
なお、本発明の特許出願時の技術的水準として、本発明とは全く相反する技術認識に基づく発明、すなわち、難溶性であるため消化管から吸収されにくい化合物に対し、溶解性を改善するため、難溶性化合物と胆汁酸類を結合させた分子化合物および難溶性化合物の溶解性改善方法が知られている(特開平8−48638号公報参照)。
一方、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEは、苦味マスキングのための皮膜層、あるいは放出制御のための皮膜層を形成させる基剤として、該ポリマーをエタノール等の溶媒に溶解後、錠剤を被覆することに用いられることは知られている。しかし、該ポリマーを例えばエタノール等の溶媒に溶解後、噴霧乾燥法により得られた粉末を、例えば薬物の消化管粘膜からの吸収を改善するための賦形剤(噴霧乾燥医薬用組成物)とすること、また撥水性の改善等製造上取扱いやすいような噴霧乾燥医薬用組成物とすること、および該組成物の製造法については、従来知られていない。
発明の開示
本発明者らは、溶解性に関するpHプロファイルによればある程度の生体内利用率が予想された塩基性薬物について、イヌによるin vivo試験を行った結果、予想外に生体内利用率の低いことを知った。そこで、本発明者らは、消化管粘膜から吸収されにくいかかる薬物に対し、消化管粘膜からの吸収を改善することを目的とし、鋭意検討した結果、吸収されにくい原因が塩基性薬物と胆汁酸が難吸収性複合体を形成することにあることを解明し、さらに検討を継続し、薬物と胆汁酸が難吸収性の複合体を形成するが、該難吸収性複合体の形成阻害作用を有する物質、例えばアミノアルキルメタアクリレートコポリマーEなどを添加すれば、消化管粘膜からの薬物の吸収を向上させ得ることを見出した。さらに該形成阻害作用を有する物質は、一旦形成された難吸収性複合体を解離する作用をも有することを知見して本発明を完成させるに至った。
また、本発明者らは、本発明の経口吸収医薬用組成物において、薬物と胆汁酸とが形成する難吸収性複合体の形成阻害作用または該複合体の解離作用を有する物質として特に好ましいアミノアルキルメタアクリレートコポリマーEを噴霧乾燥法により調製した際、ラボスケールからプラントスケールへのスケールアップの検討途中に、該ポリマーからなる噴霧乾燥品が撥水等製造上取扱いに問題のあることを知った。そこで、本発明者らは、検討した結果、該ポリマーを溶解したエタノールにポリソルベート80等の界面活性剤を添加し、噴霧乾燥すると前記問題が解消されることを知見して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、薬物、および該薬物と胆汁酸とが形成する難吸収性複合体の形成阻害作用または該複合体の解離作用を有する物質を含有してなる経口吸収改善医薬用組成物に関する。また、本発明は、薬物と胆汁酸とが形成する難吸収性複合体の形成阻害作用または該複合体の解離作用を有する物質の使用により、消化管粘膜からの薬物の吸収を改善させる方法に関するものである。さらに、本発明は、薬物およびアミノアルキルメタアクリレートコポリマーEを含有してなる経口吸収改善医薬用組成物に関するものである。さらにまた、本発明は、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEの使用により、消化管粘膜からの薬物の吸収を改善させる方法に関するものである。
また、本発明は、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEと界面活性剤を溶媒に溶解または懸濁させ、該溶液を噴霧乾燥してなるアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物に関するものである。さらに、本発明は、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEと界面活性剤を溶媒に溶解または懸濁させた後、該溶液から噴霧乾燥法により製造するアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物の製造法に関するものである。
以下、経口吸収改善医薬用組成物、消化管粘膜からの薬物の吸収を改善させる方法、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEを製剤化成分として含み、これを噴霧乾燥してなる医薬用組成物およびその噴霧乾燥医薬用組成物の製造法について詳述する。
本発明において、上記経口吸収改善医薬用組成物に用いられる薬物は、消化管粘膜からの吸収性に劣るものであって、本発明の組成物、すなわち薬物と胆汁酸とが形成する難吸収性複合体の形成阻害作用または該複合体の解離作用を有する物質を含有してなる経口吸収改善医薬用組成物、または薬物およびアミノアルキルメタアクリレートコポリマーEを含有してなる経口吸収改善医薬用組成物とすることにより吸収性が改善される薬物、また本発明の他の目的を達成できる薬物であれば特に限定されない。
また、上記噴霧乾燥医薬用組成物に用いられる薬物は、種々の製剤目的においてアミノアルキルメタアクリレートコポリマーEを噴霧乾燥して適用される組成物に配合させるものであって、本発明の噴霧乾燥医薬用組成物とすることにより該ポリマーが有する撥水性を改善し製剤化を容易にできる組成物に適用できる薬物であれば特に限定されない。
本発明の経口吸収改善医薬用組成物あるいは噴霧乾燥医薬用組成物に用いられる薬物としては、例えば、自然界に存在する動植物由来の抽出物(例えば、エキス、チンキなど)、あるいは抽出物等から単離された化合物あるいは化学合成された化合物等が本発明に含まれる。薬物は、単一成分でもよく、また二種以上の混合物でもよい。また、薬物が化合物であるときには、化合物の塩、該化合物の医薬的に許容し得る各種溶媒和物(例えば、水など)、該化合物の塩の溶媒和物が本発明に含まれる。また、これらの結晶多形も含まれる。さらにまた、化合物の構造中に不斉炭素が存在し、それに基づく光学異性体あるいは立体異性体が存在するときには、これらの光学異性体、立体異性体およびこれら異性体の混合物のいずれもが本発明に含まれる。化合物の塩としては、医薬的に許容し得るものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、りん酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩類、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機スルホン酸塩類、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩、アジピン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩等の有機カルボン酸塩等を挙げることができる。
本発明の経口吸収改善医薬用組成物に用いられる薬物としては、例えば催眠鎮静剤、睡眠導入剤、抗不安剤、抗てんかん剤、抗うつ薬、抗パーキンソン剤、精神神経用剤、中枢神経系用薬、局所麻酔剤、骨格筋弛緩剤、自律神経剤、解熱鎮痛消炎剤、鎮けい剤、鎮量剤、強心剤、不整脈用剤、利尿剤、血圧降下剤、血管収縮剤、血管拡張剤、循環器官用薬、高脂血症用剤、呼吸促進剤、鎮咳剤、去たん剤、鎮該去たん剤、気管支拡張剤、止しゃ剤、整腸剤、消化性潰瘍用剤、健胃消化剤、制酸剤、下剤、利胆剤、消化器官用薬、副腎ホルモン剤、ホルモン剤、泌尿器官用剤、ビタミン剤、止血剤、肝臓疾患用剤、通風治療剤、糖尿病用剤、抗ヒスタミン剤、抗生物質、抗菌剤、抗抗悪性腫瘍剤、化学療法剤、総合感冒剤、滋養強壮保健薬、骨粗しょう症薬等であって、例えば5―アミノサリチル酸、アシクロビル、アジナゾラム、アスコルビン酸、アスピリン、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、アセトブトール、アセトヘキサミド、アテノロール、アトルバスタチン、アポモルフィン、アミノピリン、アミノフィリン、アミノ安息香酸エチル、アムリノン、アモバルビタール、アルブテロール、アルプラゾラム、アロプリノール、アンピシリン、アンブロキソール、イソニアジド、イデベノン、イブプロフェン、インデロキサジン、インドメタシン、エテンザミド、エトスクシミド、エトミドリン、エナラプリル、エフェドリン、エリスロマイシン、オキシテトラサイクリン、オキシフェンブタゾン、オサラジン、オメプラゾール、カルモフール、キニジン、グリピジド、クロラムフェニコール、クロルジアゼポキシド、クロロサイアザイド、ケトコナゾール、コデイン、コバマミド、コルヒチン、ザフィルカスト、ジアゼパム、ジキトキシン、ジクロフェナック、ジクロフェナックナトリウム、シクロホスファミド、ジゴキシン、シコチアミン、ジピリダモール、シメチジン、シメチジン、ジョサマイシン、シンバスタチン、スクラルファート、スピロノラクトン、スルピリド、スルファサラジン、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、セフォテタン、セフロキシム、セレギリン、セレコキシブ、タソサルタン、チオテパ、テオフィリン、デキストロメトルファン、テトラサイクリン、テプレノン、テルフェナジン、テルブタリン、ドキソルビシン、トラマドールエトドラック、トリアムシノロン、トリアムテレン、トルブタミド、ナドロール、ナプロキセン、ニコチン酸アミド、ニトログリセリン、ニトロフラントイン、ニフェジピン、ネモナプリド、ノスカピン、ハイドロコルチゾン、バルデコキシブ、バルプロ酸ナトリウム、ハロペリドール、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコルチゾン、ピロカルピン、ファモチジン、フェナセチン、フェニトイン、フェニルブタゾン、フェニルプロパノールアミン、フェノバルビタール、フェノプロフェンカルシウム、プソイドエフェドリン、ブデソニド、フマル酸フォルモテロール、プラウノトール、プラバスタチン、プラバスタチンナトリウム、プランルカスト、プリミドン、フルオロウラシル、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロカインアミド、プロスタグランジンI誘導体、フロセミド、プロベネシド、ブロムワレリル尿素、ベタメタゾン、ペニシリン、ペルオキセチン、ペルフェナジン、ベンジルペニシリン、ペンタゾシン、ホパテン酸カルシウム、ポリチアジド、マレイン酸クロルフェニラミン、ミダゾラム、ミルナシプラン、メシル酸ドキサゾシン、メチルドーパ、メチルフェニデート、メトクロプラミド、メトトレキセート、メトプロロール、メピリゾール、モルヒネ、ラニチジン、ランソプラゾール、リシノプリル、リスペリドン、リセオフルビン、リドカイン、リン酸コデイン、リン酸ジモルファン、リン酸ピリドキサール、レセルピン、レボドパ、ロバスタチン、ロラゼパム、ワーファリン、塩酸アクラルビシン、塩酸アザセトロン、塩酸アミトリプチリン、塩酸アモスラロール、塩酸アンピシリンフタリジル、塩酸インデノロール、塩酸エタンブトール、塩酸オンダンセトロン、塩酸グラニセトロン、塩酸クロルプロマジン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジブカイン、塩酸タムスロシン、塩酸チアプリド、塩酸テラゾシン、塩酸ニカルジピン、塩酸バルニジピン、塩酸ヒドララジン、塩酸ビフェメラン、塩酸プラゾシン、塩酸プロパフェノン、塩酸モペロン、塩酸ラニチジン、塩酸ラモセトロン、臭化ブチルスコポラミン、硝酸イソソルビド、硝酸キニジン、硝酸グアネチジン、硝酸チアミン、酢酸トコフェノール、抱水クロラール等が挙げられるが、好ましくは消化管粘膜から吸収されにくい塩基性薬物である。
また、本発明のアミノアクリルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物に用いられる薬物としては、アミノアクリルメタアクリレートコポリマーEと配合され噴霧乾燥して調製されうる全ての医薬、例えば前記と同じく催眠鎮静剤以下の具体的な適応薬剤が挙げられ、特に好ましい薬物は前記と同じく塩基性薬物である。
本発明の上記経口吸収改善医薬用組成物あるいはアミノアクリルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物において、さらに好ましい塩基性薬物としては、アミノ基、アミジノ基等の塩基性基をその化学構造中に1つまたは2つ以上有するものが挙げられるが、化学構造中の塩基性基の存在位置は特に限定されるべきものではない。
本発明の上記経口吸収改善医薬用組成物あるいはアミノアクリルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物において特に好ましい塩基性薬物としては、(1)特開平5−208946号公報、ならびに(2)国際公開WO96/16940号、(3)同99/05124号、(4)同99/11617号、および(5)同99/37643号各パンフレットにそれぞれ記載されている活性化第X因子阻害活性に基づく血小板凝集阻害活性を有し抗血栓剤等として有用な下記の各一般式の芳香族アミジン誘導体等を挙げることができる。
すなわち、
(1)一般式(1)
〔式中、R1は水素原子または低級アルコキシ基を示し、R2は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシアルキル基又はアルコキシカルボニルアルキル基を示し、R3は水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、カルボキシアルコキシ基又はアルコキシカルボニルアルコキシ基を示し、R4は水素原子、水酸基、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を示し、nは0〜4の数を示し、Aは1〜2個のヒドロキシアルキル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、カルボキシアルキルもしくはアルコキシカルボニルアルキル基が置換していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Xは単結合、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基を示し、Yは置換基を有していてもよい飽和もしくは不飽和の5〜6員の複素環式基もしくは環状炭化水素基、置換基を有していてもよいアミノ基又は置換基を有していてもよいアミノアルキル基を示し、
で表される基は、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチル、テトラヒドロナフチルおよびインダニルより選ばれる基を示す〕で表される芳香族アミジン誘導体又はその塩。
(2)一般式(I)
(式中の記号は以下の意味を示す。
R1:水素原子、又は式−A−W−R4で示される基
れる基
X:酸素原子又は硫黄原子
W:単結合又は式−NR5−で示される基
R4:水酸基、低級アルコキシ基、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基、
但しWが式−NR5−で示される基のときR4は更に水素原子であってもよいが、水酸基若しくは低級アルコキシ基であることはない。
R5:水素原子、カルバモイル基、低級アルコキシカルボニル基、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノカルボニル基、低級アルキルスルホニル基、モノ−若しくはジ−低級アルキルアミノチオカルボニル基、置換されていてもよい低級アルキル基又は置換されていてもよい低級アルカノイル基
R2:低級アルキル基
R3:水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、水酸基、低級アルコキシ基、低級アルキル基又は低級アルコキシカルボニル基
B:低級アルキレン基又はカルボニル基
n:0又は1)で示されるアミジノナフチル誘導体又はその製薬学的に許容される塩。
(3)一般式(II)
(但し、式中の記号は以下の意味を有する。
A:フェニレン又はピリジレン基(これらは置換基を有していてもよい)、
B:5乃至6員のアリール又はヘテロアリールを形成する、
X:−CO−、CONH−、−CSNH−、−SO2−、−SO2NH−、又は式−SO2N(−低級アルキル)−で示される基
Y:結合又は低級アルキレン基
R1:水素原子、低級アルキル、−L−アリール、L−ヘテロアリール、−L−COO−R6、−L−CON(R6)−R7、−C(=NH)−NH2又は−C(=NH)−低級アルキル基
R2:水素原子、−O−低級アルキル、−COOH、−COO−低級アルキル、−CONH2、−CONH−低級アルキル、−CON−ジ−低級アルキル基、或いは、アリール又はヘテロアリール基(これらは置換基を有していてもよい)、
R3:アミジノ基又は生体内でアミジノ基に転化されうる基、
R4、R5:同一又は異なって、水素原子又は低級アルキル基、
R6、R7:同一又は異なって、水素原子又は低級アルキル基、
L:結合又は低級アルキレン基)で示されるヘキサヒドロ−1,4−ジアゼピン誘導体又はその製薬学的に許容される塩。
(4)一般式(III)
(上記式中の記号は、それぞれ以下の意味を有する。
R1:低級アルキル基であり、該低級アルキル基はハロゲン原子、−COOH、−COO−低級アルキル、−NH2、−CN、−NO2、−OH、−O−低級アルキル、−CONH2、−CONH−(低級アルキル)、−CON−(低級アルキル)2、−CONH−(SO2−低級アルキル)、及び置換されていてもよいアリールから選択される、1又は同一又は異なった2個の置換基で置換されていてもよい、
R3:水素原子、ハロゲン原子、−COOH、−COO−低級アルキル、−NH2、−CN、−NO2、−OH、−O−低級アルキル、低級アルキル、−CONH2、−CONH−(低級アルキル)、−CON−(低級アルキル)2、−CONH−(SO2−低級アルキル)、
n:0又は1)で示されるナフトアミド誘導体又はその塩。
(5)一般式(IV)
(但し、上記式中の各記号は、夫々下記の意味を有する。
Alk:低級アルキル
A:式−CH=CR4−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−NR5−CO−−CH2−又は−O−CH2−CH2−で示される基、
X:結合、式−CO−、−CO−O−又は−SO2−で示される基
Y:低級アルキレン、式−NR6−CO−、−NR6−低級アルキレン又は−CR7=CH−で示される基、
R2、R4:同一又は異なって水素原子又は低級アルキル、又は一体となって−CH=CH−を形成、
R5:水素原子又は低級アルキル、
R6:水素原子又はカルボキシル若しくは低級アルキル−O−CO−で置換されていてもよい低級アルキル
R7:水素原子、カルボキシル又は低級アルキル−O−CO−)で示されるベンゼン縮合ヘテロ環誘導体又はその塩。
に包含される化合物である。ここに、本発明の上記各一般式で表される芳香族アミジン誘導体等、これらの誘導体の塩、これらの誘導体の溶媒和物または該誘導体の塩の溶媒和物等において、その定義に包括される具体的な基の例示は、それらを開示する公報ないしは各パンフレットに記載されたとおりのものが挙げられる。
とりわけ、本発明に用いられる芳香族アミジン誘導体としては、具体的には2−[4−[(1−アセトイミドイル−3−ピロリジニル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチル)プロピオン酸、(+)−2−[4−[((3S)−1−アセトイミドイル−3−ピロリジニル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチル)プロピオン酸、(2S)−2−[4−[((3S)−1−アセトイミドイル−3−ピロリジニル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチル)プロピオン酸、(2R)−2−[4−[((3R)−1−アセトイミドイル−3−ピロリジニル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチル)プロピオン酸、2−[4−[(1−アセトイミドイル−2−ピロリジニル)メトキシ]フェニル]−3−(5−アミジノベンゾ[b]チエン−2−イル)プロピオン酸、(+)−2−[4−[((2S)−1−アセトイミドイル−2−ピロリジニル)メトキシ]フェニル]−3−(5−アミジノベンゾ[b]チエン−2−イル)プロピオン酸、2−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチル)プロピオン酸、(+)−2−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−3−(7−アミジノ−2−ナフチル)プロピオン酸、N−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]−N´−メチルスルファミド、エチル N−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]カルバメート、4−[[N−4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]安息香酸、N−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル酢酸、エチル N−[N−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]グリシネート、N−[N−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]−N−エトキシカルボニルグリシン、N−[N−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]グリシン、N−[4−(4−アセトイミドイルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]アセトアミド、エチル N−[4−(4−アセトイミドイルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]アセテート、エチル N−[N−[4−(4−アセトイミドイルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]グリシネート、エチル N−[4−(4−アセトイミドイルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]マロナメート、[N−[6−(4−アセトイミドイルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)−3−ピリジル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]酢酸、[N−[4−(4−アセトイミドイルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル]酢酸、[N−[4−(4−アセトイミドイルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スクシンアミド酸、エチル N−[4−(4−アセトイミドイルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)−3−ピリジル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]マロナメート、エチル N−[4−(4−アセトイミドイルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)−3−ピリジル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スクシナメート、N−[4−(4−アセトイミドイルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]チオアミド酢酸、[N−[4−(4−アセトイミドイルヘキサヒドロ−1H−1,4−ジアゼピン−1−イル)−3−ピリジル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スクシンアミド酸、N−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−(7−アミジノ−2−ナフトイル)グリシン、3−[N−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−(7−アミジノ−2−ナフトイル)アミノ]プロピオン酸、4−[N−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−(7−アミジノ−2−ナフトイル)アミノ]酪酸、エチル 3−[N−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−(7−アミジノ−2−ナフトイル)アミノ]プロピオネート、エチル 4−[N−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−(7−アミジノ−2−ナフトイル)アミノ]ブチラート、1−[(E)−3−(3−カルバミミドイルフェニル)アリル]−6−{[1−(1−イミノエチル)−4−ピペリジル]オキシ}−1H−2,1,3−ベンゾチアジアジン−4(3H)−オン 2,2−ジオキシド、1−[(E)−3−(3−カルバミミドイルフェニル)メチルアリル]−6−{[1−(1−イミノエチル)−4−ピペリジル]オキシ}−1H−2,1,3−ベンゾチアジアジン−4(3H)−オン 2,2−ジオキシド、1−[(7−カルバミミドイル−2−ナフチル)メチル]−6−{[1−(1−イミノエチル)−4−ピペリジル]オキシ}−1H−2,1,3−ベンゾチアジアジン−4(3H)−オン 2,2−ジオキシド、3−[(E)−3−(6−{[1−(1−イミノエチル)−4−ピペリジル]オキシ}−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−1−イル)プロプ−1−エン−1−イル]ベンゼンカルボキシイミダミド、1−{[(3−カルバミミドイルフェニル)カルバモイル]メチル}−6−{[1−(1−イミノエチル)−4−ピペリジル]オキシ}−1H−2,1,3−ベンゾチアジアジン−4(3H)−オン 2,2−ジオキシドまたはそれらの製薬学的に許容される塩等が、本発明の経口吸収改善医薬用組成物あるいはアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物にとっても特に至適な化合物として挙げられる。
本発明のかかる上記各一般式で表される芳香族アミジン誘導体等、これらの誘導体の塩、これらの誘導体の溶媒和物または該誘導体の塩の溶媒和物等には、不斉炭素原子が存在することがあり、その場合、不斉炭素原子に基づく光学異性体あるいは立体異性体が存在するが、これらの光学異性体、立体異性体およびこれらの混合物のいずれも本発明に含まれる。
本発明の経口吸収改善医薬用組成物あるいはアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物に用いられる薬物には、ペプチド、タンパク質およびこれらの誘導体をも挙げることができる。例えば、インスリン、カルシトニン、アンギオテンシン、バソプレシン、デスモプレシン、LH−RH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)、ソマトスタチン、グルカゴン、オキシトシン、ガストリン、シクロスポリン、ソマトメジン、セクレチン、h−ANP(ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド)、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)、MSH(黒色素胞刺激ホルモン)、β−エンドルフィン、ムラミルジペプチド、エンケファリン、ニューロテンシン、ボンベシン、VIP(血管作用性腸ペプチド)、CCK−8(コレシストキニン−8)、PTH(副甲状腺ホルモン)、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)、TRH(チロトロピン放出ホルモン)、エンドセリン、hGH(ヒト成長ホルモン)、またインターロイキン、インターフェロン、コロニー刺激因子、腫瘍壊死因子等のサイトカイン類、およびこれらの誘導体等が挙げられる。該ペプチド、タンパク質とは、天然由来のもののみならず、薬理学的に活性な誘導体およびこれらの類似体も含まれる。例えば、本発明で対象とするカルシトニンには、サケカルシトニン、ヒトカルシトニン、ブタカルシトニン、ウナギカルシトニン、およびニワトリカルシトニンなどの天然に存在する生成物のみならず、それらの遺伝子組み替え体等の類似体も含まれる。また、インスリンではヒトインスリン、ブタインスリン、ウシインスリンのみならずそれらの遺伝子組み替え体等の類似体も含まれる。
本発明の薬物がペプチド、タンパク質である場合、消化酵素の影響の少ない空腸、回腸、結腸、大腸などの消化管下部に該薬物が分解されずに送達せしめる製剤技術を用いれば、本発明の医薬用組成物を適用することができる。例えば、該製剤技術としては、徐放性製剤(例えば、国際公開WO94/06414号パンフレット参照)、結腸放出製剤(例えば、国際公開WO95/28963号パンフレット参照)、時間放出型あるいはパルス放出型製剤(例えば、国際公開WO93/05771号パンフレット参照)などが挙げられる。
また、本発明の薬物には、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物は勿論、経口吸収改善医薬用組成物の場合にも、消化管粘膜から吸収されにくいにも拘わらず、経口ルートで多量投与することにより、臨床上の薬理効果を発現させているようなものにも適用できるが、かかる薬物に本発明を適用する場合も、当然のことながら本発明に含まれる。この場合、より少ない投与量で臨床上期待される薬理効果を発現させることができ、従前までの多量投与による副作用の発現を抑えることが期待できる。
本発明の薬物の配合量は、治療上有効な量であれば特に限定されない。
本発明の薬物と胆汁酸とが形成する難吸収性複合体の形成阻害作用または該複合体の解離作用を有する物質(以下、単に複合体形成阻害物質と略記することもある)は、通常医薬的に許容され、かつ当該作用を有するものであれば特に限定されない。具体的には、複合体形成阻害物質としては、例えば炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、塩化ナトリウム(NaCl)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、リン酸ナトリウム(Na3PO4)、リン酸1水素2ナトリウム(Na2HPO4)、水酸化ナトリウム(NaOH)、安息香酸ナトリウム(C6H5−COONa)、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム(CH3COONa)などの無機または有機のナトリウム塩、塩化カリウム(KCl)、炭酸カリウム(K2CO3)などの有機または無機のカリウム塩、または塩化リチウム(LiCl)などのリチウム塩等、1価の金属イオンを含有してなる有機または無機塩、硝酸アンモニウム(NH4NO3)、アルギニンまたはその塩(例えば、塩酸アルギニン)、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン系界面活性剤(例えば、ポリソルベート80)、マクロゴールトリグリセライドラウリン酸エステル(例えば、商品名:ゲルシアTM44/14、ガテホセ社)、マクロゴールトリグリセライドステアリン酸エステル(例えば、商品名:ゲルシアTM50/13、ガテホセ社)等)等が挙げられる。好ましくは、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE、ポリソルベート80、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素2ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、塩化リチウム、硝酸アンモニウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウムである。さらに好ましくは、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE、ポリソルベート80、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素2ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、塩化リチウム、硝酸アンモニウムであり、より好ましくはアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE、ポリソルベート80、塩化ナトリウムである。これらの複合体形成阻害物質は、単独で使用しても良いし、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。かかる複合体形成阻害物質を薬物と同時および/または併用して使用すると、本発明の医薬用組成物は、薬物と胆汁酸との難吸収性複合体の形成阻害作用を有し、また一旦形成された難吸収性複合体を解離する作用をも有することから、消化管粘膜からの薬物の吸収を改善させる方法を提供することができる。なお、本発明の『難吸収性複合体』とは、不溶性複合体を形成するため、消化管粘膜から吸収されにくくなるもの、あるいはミセルを形成し見かけ上溶解するが、消化管粘膜から吸収されにくくなるものを意味する。また、本発明のアミノアルキルメタアクリレートコポリマーEは、メタアクリル酸メチルとメタアクリル酸ブチル及びメタアクリル酸ジメチルアミノエチルの共重合体であり、オイドラギットTME100(R▲o▼hm GmbH社)の商品名で販売されている。
本発明の複合体形成阻害物質として用いられるアミノアクリルメタアクリレートコポリマーEが医薬用組成物中に配合されるときの状態は、特に限定されるものではないが、例えば、該ポリマー自体の粉末等の固体、あるいは該ポリマーを水に溶解した水溶液等の液体などが挙げられる。粉末化する方法としては自体公知の方法により調製することができるが、例えば、粉砕法、噴霧乾燥法が挙げられる。また該ポリマーの溶解補助剤として、塩酸等の無機酸、クエン酸等の有機酸あるいはL−グルタミン酸塩酸塩等の酸性添加剤を加えることもできる。
本発明のアミノアクリルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物は、アミノアクリルメタアクリレートコポリマーEおよび界面活性剤を溶媒に溶解または懸濁させ、該溶液を噴霧乾燥してなる医薬用組成物である。ここで界面活性剤としては、通常製薬的に許容され、該ポリマーの撥水性を改善させ得るものであれば特に制限されない。かかる界面活性剤としては、例えば非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン系界面活性剤(例えばポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40、ラウロマクロゴール、ポリオキシエチレン水添硬化ヒマシ油(HCO−60)、ショ糖脂肪酸エステル等)、イオン性界面活性剤(アニオン性界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等)、カチオン性界面活性剤(例えば、塩化ベンザルコニウム等)、両性界面活性剤(レシチン等))等が挙げられる。これらは、一種または二種以上適宜混合して用いることもできる。用いられる界面活性剤の配合量としては、通常該ポリマーの撥水性を改善し得る量であれば特に制限されないが、好ましくは該ポリマーに対し1ないし150%(重量)である。アミノアクリルメタアクリレートコポリマーEおよび界面活性剤を溶解または懸濁させる溶媒としては、通常製薬的に許容され得る溶媒であれば特に制限されないが、例えば水、有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン等)、水と有機溶媒との混液等が挙げられる。また、本発明の噴霧乾燥医薬用組成物には、通常医薬品添加物として使用される各種賦形剤、その他の添加剤を含むこともできる。賦形剤あるいは添加剤としては、例えば該ポリマーの溶解補助剤として塩酸を適宜添加してもよく、またそれ自体複合体形成阻害物質としての作用を有する水酸化ナトリウムをpHを調整するために添加することもできる。なお、塩酸と水酸化ナトリウムを添加するとき、塩析により複合体形成阻害作用を有する塩化ナトリウムが生じるため、本発明の所望の効果をさらに享受することができる。また、ここで用いられる塩酸としては、いずれの濃度のものを使用してもよく、またその量は該ポリマーの塩基性基を一部または全部中和する程度の量を使用することができる。さらにまた、余剰に添加した塩酸は、水酸化ナトリウム等を用いて中和することもできる。ここで用いられる水酸化ナトリウムとしては、いずれの濃度のものを使用してもよく、またその量は該ポリマーが沈殿しない程度の量を使用することができる。
本発明のアミノアクリルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物の製造法としては、アミノアクリルメタアクリレートコポリマーEを界面活性剤、および所望により配合される各種賦形剤、その他の添加剤とともに、水、有機溶媒、あるいは水と有機溶媒との混液等の溶媒に溶解または懸濁させた後、該溶液を噴霧・乾燥する工程を採用して行われる。このとき用いられる有機溶媒としては、通常製薬的に許容され得るものであれば特に制限されないが、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン等が挙げられる。ここで用いられる有機溶媒の量としては、アミノアクリルメタアクリレートコポリマーEと界面活性剤を溶解あるいは懸濁させ得る量であれば特に制限されないが、通常アミノアクリルメタアクリレートコポリマーEおよび界面活性剤1重量部に対し0.1ないし999重量部であり、好ましくは1ないし99重量部、さらに好ましくは2ないし69重量部である。また、有機溶媒を水と混合して用いる場合、その配合比は製薬的に許容され得る比であれば特に制限されないが、通常1:999から999:1であり、好ましくは1:99から99:1である。このとき、混液の量は、前記有機溶媒の量と同様通常アミノアクリルメタアクリレートコポリマーEおよび界面活性剤1重量部に対し0.1ないし999重量部であり、好ましくは1ないし99重量部であり、さらに好ましくは2ないし69重量部である。また、アミノアクリルメタアクリレートコポリマーEを含有してなる溶液を噴霧する装置としては、通常製剤化工程で用いられる装置を使用することができる。かかる装置としては、例えば噴霧乾燥機(大川原製作所製、ヤマト社製)等が挙げられる。
本発明における複合体形成阻害物質の配合量は、特に限定されるものではなく、通常薬物の配合量との関係において、適宜調整される。その配合量は、一般に医薬品添加物として使用前例のある範囲内であれば特に限定されるものではないが、通常薬物1重量部に対し0.1重量部以上である。さらに配合量は、通常経口製剤として服用可能な範囲で調整されるが、好ましくは薬物1重量部に対し1重量部〜50重量部であり、さらに好ましくは薬物1重量部に対し2重量部〜30重量部である。複合体形成阻害物質の配合量は、多ければ多いほど、高い吸収改善効果が期待される。なお、本発明において特に好ましいアミノアクリルメタアクリレートコポリマーEの配合量についても上記の通り、一般に薬物の配合量との関係において、適宜調整されるが、通常薬物1重量部に対し0.1重量部以上であり、好ましくは薬物1重量部に対し1重量部〜30重量部であり、さらに好ましくは薬物1重量部に対し3重量部〜10重量部である。
本発明の経口吸収改善医薬用組成物あるいはアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物には、さらに一層の吸収促進を目的として、界面活性剤を配合させることもできる。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン系界面活性剤(例えばポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40、ラウロマクロゴール、ポリオキシエチレン水添硬化ヒマシ油(HCO−60)、ショ糖脂肪酸エステル等)、イオン性界面活性剤(アニオン性界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等)、カチオン性界面活性剤(例えば、塩化ベンザルコニウム等)、両性界面活性剤(レシチン等))等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で使用しても良いし、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
本発明の経口吸収改善医薬用組成物あるいはアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物がとり得る製剤の形態は、特に限定されるものではないが、例えば、散剤、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤および乳剤等の経口的に投与し得る剤形が挙げられる。本発明の医薬用組成物から調製される製剤としては、好ましくは本発明の複合体形成阻害物質を薬物の近傍に存在させるように、例えば本発明の医薬用組成物を造粒し得られた造粒物を腸溶性物質(例えば、メタアクリル酸メチルとメタアクリル酸の1:1の共重合体(商品名:オイドラギットTML、R▲o▼hm GmbH社)、メタアクリル酸メチルとメタアクリル酸の2:1の共重合体(商品名:オイドラギットTMS、R▲o▼hm GmbH社)、アクリル酸エチルとメタアクリル酸の1:1の共重合体(商品名:オイドラギットTMLD−55、R▲o▼hm GmbH社)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、シェラック等)で被膜してなる製剤、あるいは前記造粒物を打錠し得られた錠剤を腸溶性物質(前記同様)で被覆してなる製剤等、薬物が胆汁酸と難吸収性の複合体を形成する機会の少ない製剤である。また、複合体形成阻害物質としてアミノアクリルメタアクリレートコポリマーEを使用する場合、該ポリマーは低いpHで溶解するため、すなわち胃内で溶解するため、該ポリマーが胃内で溶解しないようにさらに腸溶性物質で被覆することもできる。なお、製剤化にあたっては、自体公知の方法により製造することができる。このとき、本発明の医薬用組成物に賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、流動化剤、分散剤、懸濁化剤、乳化剤、防腐剤、安定化剤等の医薬品添加物を適宜加えることができる。
また、本発明の経口吸収改善医薬用組成物あるいはアミノアクリルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物は、例えば、徐放性製剤(例えば、国際公開WO94/06414号パンフレット参照)、結腸放出製剤(例えば、国際公開WO95/28963号パンフレット参照)、時間放出型あるいはパルス放出型製剤(例えば、国際公開WO93/05771号パンフレット参照)、微粒子製剤(例えば、特表平10−511957号公報参照)、粘膜付着型製剤(例えば、特開平5−132416号公報参照)等の製剤に施すこともできる。本発明の経口吸収改善医薬用組成物あるいはアミノアクリルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物は、通常前記製剤等各種製剤に適用することができるが、好ましくは薬物が胆汁酸と難吸収性の複合体を形成する機会の少ない製剤である。かかる医薬用製剤としては、例えば、国際公開WO95/28963号公報に記載された結腸放出製剤、すなわち、本発明の経口吸収改善医薬用組成物あるいはアミノアクリルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物を造粒し得られた造粒物と腸内細菌により分解され有機酸を発生する糖類(例えば、ラクチュロースなど)との混合物を、有機酸により溶解する高分子物質で被覆後、必要に応じヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの非イオン性物質で被覆した後、さらに腸溶性物質で被覆してなる製剤、あるいは前記混合物を打錠し得られた錠剤を、有機酸により溶解する高分子物質で被覆後、必要に応じヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの非イオン性物質で被覆した後、さらに腸溶性物質で被覆してなる製剤が挙げられる。このとき用いられる腸内細菌により分解され有機酸を発生する糖類としては、ラクチュロース、ラフィノース、セルビオース、スタキオース、フラクトオリゴ糖(例えば、乳糖果糖(例えば乳果オリゴLS−55p、林原商事)、シュークロース、グルコース、キシロース、フルクトース、マルトース、ガラクトース等が挙げられる。これらは、一種または二種以上適宜混合して用いることもできる。かかる糖類の添加量としては、一般に製剤化の賦形剤として用いられる量であれば特に制限はないが、通常1%〜99.9%であり、好ましくは5%〜99.9%であり、さらに好ましくは10%〜99.9%である。また、このとき用いられる有機酸により溶解する高分子物質としては、通常薬学的に許容され得るものであれば特に制限はないが、好ましくはpH6未満で溶解する高分子物質であり、さらに好ましくはpH5.5以下で溶解する高分子物質である。かかる高分子物質としては、例えばメタアクリル酸ジメチルアミノエチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチルコポリマー(商品名:オイドラギットTME、R▲o▼hm GmbH社)、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(商品名:AEATM三共、三共)、キトサンなどが挙げられる。これらは、一種または二種以上適宜混合して用いることもできる。かかる高分子物質による被覆膜には、必要に応じ水透過性の放出制御物質を含有させることもできる。かかる放出制御物質としては、通常薬学的に許容される物質であれば特に制限はないが、例えばアクリル酸エチルとメタアクリル酸メチルとメタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルの共重合体(商品名:オイドラギットTMRS、R▲o▼hm GmbH社)、エチルセルロース(商品名:エトセル、ダウケミカルズ社)、ヒドロキシプピルメチルセルロース(商品名:TC−5、信越化学)、ヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC、日本曾達)、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは、一種または二種以上適宜混合して用いることもできる。また、必要に応じ可塑剤を含有させることもできる。可塑剤としては、通常薬学的に許容される物質であれば特に制限はないが、例えばトリアセチン、マクロゴール400、クエン酸トリエチル、ポリソルベート80、ヒマシ油などが挙げられる。また、かかる放出制御物質は、有機酸により溶解する高分子物質による被覆層と腸溶性高分子物質による被覆層との間に被覆されてもよい。かかる有機酸により溶解する高分子物質の被覆量としては、一般に通常製剤化の高分子物質の被覆量として用いられる量であれば特に制限はなく、通常1%〜50%であり、好ましくは2.5%〜40%である。また、このとき用いられる腸溶性高分子物質としては、通常薬学的に許容され得るものであれば特に制限はないが、好ましくはpH6以上で溶解する高分子物質である。かかる高分子物質としては、例えばメタアクリル酸メチルとメタアクリル酸の1:1の共重合体(商品名:オイドラギットTML、R▲o▼hm GmbH社)、メタアクリル酸メチルとメタアクリル酸の2:1の共重合体(商品名:オイドラギットTMS、R▲o▼hm GmbH社)、アクリル酸エチルとメタアクリル酸の1:1の共重合体(商品名:オイドラギットTMLD−55、R▲o▼hm GmbH社)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、シェラックなどが挙げられる。これらは、単独または適宜混合して用いられる。また、必要に応じこれらはさらに可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、例えばトリアセチン、マクロゴール400、クエン酸トリエチル、ポリソルベート80、ヒマシ油などが挙げられる。かかる腸溶性物質の被覆量としては、一般に製剤化の高分子物質の被覆量として用いられる量であれば特に制限はないが、通常1%〜60%であり、好ましくは3%〜40%である。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例、実験例を示して説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、実施例中記載する化合物Aは、国際公開WO96/16940号公報に記載された方法により製造された、N−[4−[(1−アセトイミドイル−4−ピペリジル)オキシ]フェニル]−N−[(7−アミジノ−2−ナフチル)メチル]スルファモイル酢酸 モノメタンスルホネートであり、活性化血液凝固第X因子を阻害し、血液凝固抑制剤または血栓の予防・治療剤として有用なものである。
[実験例1]化合物A 90mgを量り、水100mlに溶解し、化合物A 0.9mg/ml水溶液(以下、A溶液と略す)を得た。別にラウリル硫酸ナトリウム325mgを水100mlに溶解し、ラウリル硫酸ナトリウム3.25mg/ml水溶液(以下、B溶液と略す)を得た。各種添加剤65mgをスピッツ管に量り、A溶液2.4mlおよびB溶液0.6mlを加え、ボルテックスミキサーにて混合(化合物A:ラウリル硫酸ナトリウム=1:2モル比)し、不溶性物質の出現の有無を肉眼にて観察した。また、ラウリル硫酸ナトリウムを胆汁末に替え、前記と同様の実験を行った。ただし、胆汁末を用いた実験では、上記B溶液の濃度が6mg/mlとなるように調整したものを用いた(化合物A:胆汁酸=1:2モル比)。なお、胆汁酸(胆汁末)では不純物成分が多いため、肉眼判定をより簡便にするため、胆汁酸と同じアニオン性界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウムを代用した。
ラウリル硫酸ナトリウムの結果を表1に、また胆汁末の結果を表2に示す。
(結果および考察)表から明らかなように、化合物Aは胆汁酸と複合体を形成することにより難吸収性の白濁を生じるが、オイドラギットTME等、本願発明の複合体形成阻害物質を配合することにより該複合体は消失あるいは該複合体の形成を阻害することが可能であった。またその効果は、ナトリウム金属を含んでなる無機化合物でも認めることができた。特にオイドラギットTMEでは、約等倍量を添加することによっても同効果が認められた。
【表1】
【表2】
[実施例1]オイドラギットTME100(R▲o▼hm GmbH社)10gをメタノール190gに溶解し、1N塩酸100gおよび1N水酸化ナトリウム水溶液50gを加え、噴霧乾燥した。化合物A0.5mgと前記噴霧乾燥品1.5mgを配合し、0.5mlの精製水に溶解して、Wistar系雄性ラット(8週齢)に無麻酔下、経口用ゾンデを用いて、化合物Aとして2.5mg/kg相当量の溶解液を経口投与した。投与後、0.5および1時間にエーテル麻酔して頸静脈より血液を採取し、血漿中未変化体濃度(μg/ml)を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
[比較例1]化合物A 0.5mgを0.5mlの精製水に溶解した。実施例1と同様の方法にてラットに経口投与し、血漿中未変化体濃度(μg/ml)を測定した。
上記比較例1および実施例1で求めた血漿中未変化体濃度を表3に示す。
【表3】
[実験例2]化合物Aおよび種々の割合のオイドラギットTMEを含有した水溶液をラットに経口投与および結腸投与(化合物Aとして2.5mg/kg)し、30分後の血中濃度を測定し、化合物Aを含有した水溶液を投与した対照例と比較した。
表4は、対照例の血漿中未変化体濃度に対する各実施例の血漿中未変化体濃度の百分率(吸収改善度(%))を示すものである。
(結果および考察)表から明らかなように、オイドラギットTMEの添加により、経口投与および結腸投与いずれの場合も、オイドラギットTMEを添加しない水溶液と比較して吸収改善が認められた。その効果は、結腸投与において顕著であった。また、オイドラギットTMEおよびTween80(ポリソルベート80)を添加することにより、顕著な吸収改善が認められた。さらに、結腸投与における吸収は、対照例において経口投与より約1.24倍高いこと、また本願発明の医薬用組成物においてもほとんどの例で高いことから、結腸で特異的に放出できる製剤の方がより高い吸収改善の効果を得られることが示唆された。
【表4】
[実施例2]実施例1で得た噴霧乾燥品30gに化合物A 10gを混合し、粉末とした。
[実施例3]オイドラギットTME100(R▲o▼hm GmbH社)10gをメタノール190gに溶解した。別に1N塩酸100gに化合物A 2gを溶解した後、1N水酸化ナトリウム水溶液50gを加えた。二種の溶液を混和後、さらにTween80 2gを加え、噴霧乾燥し、粉末を得た。
[実施例4]実施例3で得られた粉末55mgに塩化ナトリウム100mgを加え乳鉢にて混合後、オイルプレスにて打錠圧250kg/杵にて打錠し、直径7mmの錠剤を得た。
[実施例5]オイドラギットTME100 500g、Tween80 50gをエタノール3000gに溶解した。本エタノール溶液に1N塩酸1250gを加え、噴霧乾燥し、粉末を得た。本粉末は、貯蔵後も凝集しなかった。
[実施例6]実施例5で得られた粉末128mgに乳糖200mgを加え乳鉢にて混合後、オイルプレスにて打錠圧250kg/杵にて打錠し、直径9mmの錠剤を得た。
[実施例7]実施例5で得られた粉末128mgに化合物A 10mg、ラクチュロース200mgを加えて混合後、オイルプレスにて打錠圧250kg/杵にて打錠し、直径9mmの錠剤を得た。本錠剤にオイドラギットTME/ヒドロキシプロピルセルロース(4:1)のエタノール/水溶液(64:26(重量部))をコーチングしたところ、26mgの重量増加であった。これにヒドロキシプロピルセルロースの水溶液をコーチングしたところ6.0mgの重量増加であった。この錠剤にオイドラギットTML/タルク/クエン酸トリエチル(6:3:1)のエタノール/水溶液(17:1(重量部))をコーチングしたところ、26mgの重量増加であった。
[実施例8]オイドラギットTME100 500g、Tween80 50gをエタノール3000gに溶解した。本エタノール溶液に1N塩酸625gおよび1N水酸化ナトリウム312.5gを加え、噴霧乾燥し、粉末を得た。
[実施例9]実施例8で得られた粉末124mgに化合物A 10mg、ラクチュロース200mgを加えて混合後、オイルプレスにて打錠圧250kg/杵にて打錠し、直径9mmの錠剤を得た。本錠剤にオイドラギットTME/ヒドロキシプロピルセルロース(24:1)のエタノール/水溶液(64:26(重量部))をコーチングしたところ、32mgの重量増加であった。これにヒドロキシプロピルセルロースの水溶液をコーチングしたところ11.0mgの重量増加であった。この錠剤にオイドラギットTML/タルク/クエン酸トリエチル(6:3:1)のエタノール/水溶液(17:1(重量部))をコーチングしたところ、26mgの重量増加であった。
[実験例3]化合物A10mgをリン酸緩衝液(50mMKH2PO4を50mMH3PO4でpH3.3とする)に溶解した(対照例)。約20時間絶食した雄性ビーグル犬(n=6)にゾンデを用いて経口投与した。投与後、0.25、0.5、0.75、1、2、3、4および6時間に前肢腕静脈より血液を採取し、血漿中未変化体濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。得られた血漿中濃度推移から血漿中濃度曲線下面積(AUC)および最大血漿中濃度(Cmax)を算出した。一方、実施例7の組成物を約20時間絶食した雄性ビーグル犬(n=6)に水30mlとともに経口投与した。投与後、30時間まで3時間毎に前肢腕静脈より血液を採取し、血漿中未変化体濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。また、実施例9で得られた組成物を約20時間絶食した雄性ビーグル犬(n=6)に水30mlとともに経口投与した。投与後、24時間まで3時間毎に前肢腕静脈より血液を採取し、血漿中未変化体濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。対照例と同様に得られた血漿中濃度推移から血漿中濃度曲線下面積(AUC)および最大血漿中濃度(Cmax)を算出した。結果を下記表5に示す。
(結果および考察)化合物Aは水溶液による経口投与と比較し、本願発明の実施例7、実施例9で製造された結腸放出製剤とすることにより、AUCが増大した。これは、化合物AにオイドラギットTMEを配合することにより、胆汁酸と化合物Aとの複合体形成を阻害したのに加え、製剤からの薬物の放出が、胆汁酸の少ない、すなわち化合物Aが胆汁酸と難吸収性複合体を形成する機会の少ない、消化管下部の結腸において行われたためと考えられる。
【表5】
[実験例4](4−1)エタノール3000gにオイドラギットTME 500g、Tween80 50gを加え完全に溶解した。この溶液をL−8型噴霧乾燥機(大川原製作所製)を用いて、噴霧乾燥し粉末を得た。(4−2)エタノール3000gにオイドラギットTME 500g、Tween80 50gを加え完全に溶解した。この溶液に1N塩酸312.5gを加えて攪拌した後、L−8型噴霧乾燥機(大川原製作所製)を用いて、噴霧乾燥し粉末を得た。(4−3)エタノール3000gにオイドラギットTME 500g、Tween80 50gを加え完全に溶解した。この溶液に1N塩酸625gを加えて攪拌した後、1N水酸化ナトリウム312.5gを加えて攪拌した。この溶液をL−8型噴霧乾燥機(大川原製作所製)を用いて、噴霧乾燥し粉末を得た。(4−4)エタノール3000gにオイドラギットTME 500g、Tween80 50gを加え完全に溶解した。この溶液に1N塩酸1250gを加えて攪拌した後、L−8型噴霧乾燥機(大川原製作所製)を用いて、噴霧乾燥し粉末を得た。
表6は、処方および得られた噴霧乾燥粉末の性状を示すものである。
【表6】
(結果および考察)4−1〜4−4の各溶液を噴霧乾燥したところ黄色から白色の粉末が得られた。得られた粉末の水への濡れは良好であった。また、4−3溶液を噴霧乾燥したとき、本発明の複合体形成阻害物質のオイドラギットTMEに加え、本組成物中には塩酸と水酸化ナトリウムとの塩析により塩化ナトリウムが生じ、結果として二種類の複合体形成阻害物質を含有してなる噴霧乾燥粉末が得られることになるため、複合体形成阻害効果も大きいことが期待される。また、4−4については、保存後も粉末の凝集は観察されなかったため、製造上取り扱いやすい粉末であることが示唆された。
[比較例2]化合物A 10mgに重量比で19倍量の乳糖を配合し、混合したものをヒドロキシプロピルメチルセルロース製のカプセル(2号)に充填した。約20時間絶食した雄性ビーグル犬(体重10〜13.5kg(n=6))に1カプセルを水30mlととも経口投与した。投与後、0.5、0.75、1、1.5、2、3、4、6および8時間に前肢腕静脈より血液を採取し、血漿中未変化体濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。得られた血漿中濃度推移から血漿中濃度曲線下面積(AUC)および最大血漿中濃度(Cmax)を算出した。
[実施例10]化合物A 10mgに重量比で19倍量の安息香酸ナトリウムを配合し、混合したものをヒドロキシプロピルメチルセルロース製のカプセル(2号)に充填し、約20時間絶食した雄性ビーグル犬に1カプセルを水30mlとともに経口投与した。投与後、0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、3、4、6および8時間に前肢腕静脈より血液を採取し、血漿中未変化体濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。得られた血漿中濃度推移からAUCおよびCmaxを算出した。結果を下記の表7に示す。
[実施例11]化合物A 10mgを10mlの等張リン酸緩衝液(0.123Mリン酸1水素2ナトリウムおよび0.163Mリン酸2水素1ナトリウム;pH6.5)に溶解した。約20時間絶食した雄性ビーグル犬(体重10〜13.5kg(n=6))に無麻酔下、経口用ゾンデを用いて化合物A 1.0mg/kg相当量の溶解液を経口投与した。投与後、0.25、0.5、0.75、1、2、3、4、6および8時間に前肢腕静脈より血液を採取し、血漿中未変化体濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。得られた血漿中濃度推移からAUCおよびCmaxを算出した。結果を下記の表7に示す。
[実施例12]化合物A 10mgに、重量比で50倍量の安息香酸ナトリウムを配合し、10mlの等張リン酸緩衝液(0.123Mリン酸1水素2ナトリウムおよび0.163Mリン酸2水素1ナトリウム;pH6.5)に溶解して、実施例11と同様の方法にて雄性ビーグル犬に経口投与した。血漿中未変化体濃度を測定し、AUCおよびCmaxを算出した。結果を下記の表7に示す。
【表7】
(結果および考察)表7は、上記比較例2、実施例10、実施例11および実施例12で求めたAUCおよびCmaxを示すものである。表から明らかなように、複合体形成阻害物質の添加により、本発明医薬用組成物は、化合物A単独に比べ優れた吸収性を示すことが判明した。また、複合体形成阻害物質の種類および/または添加量に依存して、優れた吸収性を示すことが示唆された。
[比較例3]化合物A 10mgを10mlの精製水に溶解した。約20時間絶食したWistar系雄性ラット8週齢(体重180〜200g(n=3))に無麻酔下、経口用ゾンデを用いて化合物A 2.5mg/kg相当量の溶解液を経口投与した。投与後、0.5および1時間に頸静脈より血液を採取し、血漿中未変化体濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
[実施例13]化合物A 10mgに、重量比で2.5倍量のTween80を配合し、10mlの精製水に溶解して、比較例3と同様の方法にてWistar系雄性ラットに経口投与した。投与後、0.5および1時間に頸静脈より血液を採取し、血漿中未変化体濃度(C0.5h,C1h)を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
[実施例14]化合物A 10mgに、重量比で2.5倍量のゲルシアTM44/14を配合し、10mlの精製水に溶解して、比較例3と同様の方法にてWistar系雄性ラットに経口投与した。投与後、0.5および1時間に頸静脈より血液を採取し、血漿中未変化体濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
[実施例15]化合物A 10mgに、重量比で20倍量の塩酸アルギニンを配合し、10mlの精製水に溶解して、比較例3と同様の方法にてWistar系雄性ラットに経口投与した。投与後、0.5および1時間に頸静脈より血液を採取し、血漿中未変化体濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
[実施例16]化合物A 10mgに、重量比で20倍量の塩化ナトリウムを配合し、10mlの精製水に溶解して、比較例3と同様の方法にてWistar系雄性ラットに経口投与した。投与後、0.5および1時間に頸静脈より血液を採取し、血漿中未変化体濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
[実施例17]化合物A 10mgに、重量比で3倍量の炭酸ナトリウム及び17倍量の炭酸水素ナトリウムを配合し、10mlの精製水に溶解して、比較例3と同様の方法にてWistar系雄性ラットに経口投与した。投与後、0.5および1時間に頸静脈より血液を採取し、血漿中未変化体濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
(結果および考察)表8は、上記比較例3、実施例13ないし実施例17で求めた血漿中未変化体濃度を示すものである。表から明らかなように、複合体形成阻害物質の添加により、本発明医薬用組成物は、化合物A単独に比べ優れた吸収性を示すことが判明した。
【表8】
[実験例5]胆汁酸と難吸収性の複合体を形成することにより消化管粘膜から吸収されにくい薬物であるか否かは、例えば以下の方法で確認することができる。(試験方法)薬物濃度が約8mg/mlとなるようにリン酸緩衝液(0.123M Na2HPO4および0.163M Na2HPO4;pH6.5)に化合物Aを溶解した。この液に、胆汁末濃度が0から50mg/ml(概ね6倍量)となるようにウシ由来の胆汁末を添加し、ボルテックスミキサーを用いて約30秒間混和した。次にこの液を遠心分離(室温,2500rpm,10分)した後、上澄部分に溶解している化合物Aを定量することにより、化合物Aと胆汁との相互作用を評価した。
(結果および考察)図1は、化合物Aと胆汁酸との相互作用に関する溶解度相図を示すものである。図から明らかなように、相図は不溶性の複合体を形成する曲線部および胆汁による可溶化を示す直線部から構成される。生体由来の胆汁は種々の成分の混合物であるため詳細な解析は困難であるが、胆汁による可溶性複合体が胆汁濃度依存的に形成されること、および胆汁濃度の低い領域において化合物Aの溶解度が低下することから、化合物Aと胆汁は重量比で約1:1の複合体を形成し、その後6倍量の胆汁により可溶性の複合体を形成することが示唆された。つぎに、化合物Aと胆汁酸との不溶性複合体および可溶性複合体を各々調製し、これらをラットに絶食下経口投与することにより、該複合体の消化管粘膜からの吸収性を評価した結果、水溶液投与と比較し、該複合体のAUCは約20%であったことから、可溶性複合体および不溶性複合体いずれの複合体であっても、胆汁酸と複合体を形成するものであれば消化管粘膜から吸収されにくいことが明らかとなった。したがって、胆汁酸と複合体を形成し得る薬物、すなわち、薬物と胆汁酸がモル比で1:1ないしはそれ以上で不溶性複合体を形成するもの、あるいは該不溶性複合体が見かけ上可溶性の複合体を形成するものは、消化管粘膜から吸収されにくい薬物であることが証明された。
産業上の利用の可能性
本発明の医薬用組成物は、胆汁酸と難吸収性の複合体を形成することにより、消化管粘膜から吸収されにくい薬物に対し、消化管粘膜からの吸収を改善することができる。また、従来消化管粘膜から吸収されにくいため、経口投与において多量投与されていた薬物にあっては、経口吸収性を改善することにより、投与量を抑えることができ、副作用の発現を抑えることができる。また、消化管粘膜から吸収されにくいため、経口投与において十分な薬理効果の得られなかった薬物にあっては、経口吸収性を改善することにより、期待通りの薬理効果を発現させることができる。
また、本発明のアミノアルキルメタアクリレートコポリマーE含有噴霧乾燥医薬用組成物によれば、該ポリマーと界面活性剤とを溶媒に溶解後、噴霧乾燥法により調製することにより、製造上取扱い容易な噴霧乾燥医薬用組成物およびその製造法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、化合物A(下記参照)について胆汁との溶解度相図を示すものである。
Claims (5)
- アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEおよび界面活性剤を溶媒に溶解または懸濁させ、該溶液を噴霧乾燥してなる粉末を、薬物の経口吸収改善用に含有してなる医薬用組成物。
- 界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、またはイオン性界面活性剤である、請求項1に記載の医薬用組成物。
- 非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40、ラウロマクロゴール、ポリオキシエチレン水添硬化ヒマシ油、またはショ糖脂肪酸エステルであり、イオン性界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、またはレシチンであり、界面活性剤は1種または2種以上である、請求項1または2に記載の医薬用組成物。
- 界面活性剤の量が、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーEに対し1ないし150%(重量)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬用組成物。
- 更に、薬物を配合してなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬用組成物。
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