JP4599650B2 - プリンタ及びその排紙方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録材料の通過城に沿って、特定の色を1ラインずつ記録するサーマルヘッドを複数個配置し、この通過城を搬送される記録材料に対して、サーマルヘツドを、上流側に位置するものから順次圧接させることにより画像印画を行う方式のプリンタ及びその排紙方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フルカラー画像をカラー感熱記録紙に直接熱記録し、もしくはカラーインクリボンを用いて記録紙に熱転写するカラープリンタとしては、3個のサーマルヘッドで記録紙を1回通して行なう1パス3ヘッド方式の、高速な印画が可能なカラープリンタがある。このプリンタでは、ロール状に巻かれた長尺記録紙に画像の印画を行った後に、記録紙の排出口の用紙カッターにより、画像の大きさに合わせて適正な長さに切断した記録紙を排紙している。このカラープリンタにあっては、記録紙を排紙する際に、記録紙に上流側から下流側への搬送と逆方向への搬送とを繰り返して、既印画画面の前後にある余白部分の記録紙を切断する動作が行われる。この場合、記録紙を上流側に戻す際にインクリボンやピンチローラが既印画画面に接触して汚してしまう可能性があるので、これらをすべて待避させ、記録紙と接触させないことが必要とさていれる。
【0003】
この従来のプリンタとその排紙方法の手順を図5と図6を用いて説明する。図5は、従来のプリンタの構成部品の配置を説明するプリンタ要部の平面図である。従来プリンタの要部は、上流側から下流側に向かって、記録紙2を搬送する搬送ローラA5と、記録紙2の通過城に沿って配置され、該記録紙2に対してイエロー(Y色)、マゼンダ(M色)、シアン(C色)の各色をそれぞれ個別に、熱記録により印画するサーマルヘッドY6、サーマルヘッドM7、及びサーマルヘッドC8と、排紙する記録紙2を所定の長さに切断する用紙カッター10とが順次配設されている。ここでは、インクリボンやそれを駆動する機構は図示しない。
【0004】
また、搬送ローラA5には、記録紙2を挟んでピンチローラA16が対向配置されている。搬送ローラA5は、図示しない制御部が制御する図示しないステップモータにより駆動され、記録紙2の搬送量を制御する。サーマルヘッドY6、サーマルヘッドM7、サーマルヘッドC8には、記録紙2を挟んでプラテンローラ11a〜11cが対向配置される。更に、サーマルヘッドY6の下流側には、搬送ローラY12と該搬送ローラY12に対向配置されたピンチローラY17が設けられていて、該サーマルヘッドY6に搬送された記録紙2に張力を付与する。同様に、サーマルヘッドM7、サーマルヘッドC8の下流側には、搬送ローラM13、及び搬送ローラC14と、各搬送ローラM13、搬送ローラC14に対向配置されたピンチローラM18、及びピンチローラC19が設けられていて、各サーマルヘッドM7、サーマルヘッドC8に搬送された記録紙2に張力を付与する。これらの搬送ローラY12、搬送ローラM13、搬送ローラC14は、図示しない制御部が制御する図示しないDCモータで駆動され、記録紙2に一定の張力を与えている。
【0005】
図6は、図5の構成を有するプリンタにおける、プリンタの各サーマルヘッドと用紙カッター10、及び記録紙2との位置関係を示した概念図である。ここで、直線YはサーマルヘッドY6の基準位置を、直線MはサーマルヘッドM7の基準位置を、直線CはサーマルヘッドC8の基準位置を表し、更に直線CUTは用紙カッター10の基準位置を示している。また各サーマルヘッド間のヘッドピッチをL0、印画領域のサイズをL1、画像に余白を出さないための切断マージンをαとする。更に、図6において、a点は記録紙2の1画面目に相当する印画領域の先端を、b点は1画面目に相当する印画領域の後端を、c点は2画面目に相当する印画領域の先端を、d点は2画面目に相当する印画領域の後端を、e点は3画面目に相当する印画領域の先端を、f点は3画面目に相当する印画領域の後端を、g点は4画面目に相当する印画領域の先端を、h点は4画面目に相当する印画領域の後端を、それぞれ示しており、1枚あたりの印画領域の長さはヘッドピッチより短いものとする。また、aa点は切断マージンαを切り取られた後の1画面目に相当する画像の先端とする。
【0006】
このような位置関係を前提として、図示しない制御部によるプリンタ各部に対する制御の内容を説明する。まず、1画面目に相当する印画領域に対するC色の印画が完了した時点の記録紙2の位置を図6(1)に示す。次に、図示しないステップモータで駆動される搬送ローラA5は、用紙カッター10が切断マージンαだけ、1画面目に相当する印画領域先端a点から内側に来るように記録紙2を進めて一時停止する。用紙カッター10は、1画面目に相当する先頭部の余分な部分を切り取る。次に、記録紙2を進めて、1画面目に相当する先頭部の余分な部分を切り取る直前の状態を図6(2)に示す。1画面目に相当する先頭部の余分な部分を切り取ったら、搬送ローラA5により所定量のL1の距離だけ記録紙2を進め、2画面目に相当する印画領域のC色の印画を行う。2画面目に相当する印画領域に対するC色の印画が完了したら、搬送ローラA5は、更に(L0−L1)の距離だけ記録紙2を進め一時停止する。この状態を図6(3)に示す。ここで、全てのサーマルヘッドと、搬送ローラY12、搬送ローラM13、搬送ローラC14に対向配置されている3個のピンチローラ全てを待避し、搬送ローラA5を逆回転させて、記録紙2を(2α+L0−L1)の距離だけ戻す。この状態を図6(4)に示す。このようにして記録紙2を所定の距離だけ戻したら、用紙カッター10により1画面目に相当する記録紙2を切断し、プリンタの外部へ排出する。
【0007】
次に、搬送ローラA5を正回転させて、記録紙2を(2α+L0−L1)の距離だけ進ませる。この状態を図6(5)に示す。記録紙2が図6(5)に示す位置まで進んだら一時停止し、用紙カッター10により、2画面目に相当する先頭部の余分な部分を切り取る。
この後、搬送ローラA5により所定量のL1の距離だけ記録紙2を進め、3画面目に相当する印画領域のC色の印画を行う。3画面目に相当する印画領域に対するC色の印画が完了したら、搬送ローラA5により、更に(L0−L1)の距離だけ記録紙2を進め一時停止する。この時の記録紙2と用紙カッター10の位置は、画面こそ違うが、図6(3)に示す状態と同じになるので、これ以降、図示しない制御部は図6(3)〜(5)の動作を繰り返すことにより、画像の大きさに合わせて適正な長さに切断した記録紙2をプリンタの外部へ排出する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来のカラープリンタでは、記録紙の排紙の際の切断処理において、全てのサーマルヘッドと、搬送ローラY12、搬送ローラM13、搬送ローラC14に対向配置されている3個のピンチローラ全てを待避し、搬送ローラA5を逆回転させて記録紙を所定量だけ戻す動作が介在するため、無駄が多いという欠点があった。特に、記録紙を切断する際の全サーマルヘッドと全ピンチローラの待避と、次の印画を行うためのそれらの圧接には非常に時間がかかり、プリンタの印画に要する時間を大幅に引き延ばす原因になっていた。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、記録紙の排紙の際の切断処理において、全記録ヘッドと全ピンチローラの待避と圧接の動作を行わず、プリンタの印画に要する時間を短縮することを可能にする、プリンタ及びその排紙方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、プラテンローラとの間に記録紙を挟んで印画する記録ヘッドと、記録ヘッドより下流側に、隣り合う2個の記録ヘッド間の長さより短い距離を隔てて設けられた切断部により印画後の記録紙を切断して排紙する切断手段とを有するプリンタにおいて、切断部へ記録紙を搬送する搬送ローラと、搬送ローラを逆方向に回転し、最下流側の既印画画面を所定の長さだけ上流側に戻した後に、それより上流側の既印画画面との間の記録紙を切断手段により切断する制御手段とを設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプリンタにおいて、記録紙を上流側に戻すに際して、記録紙を最下流側の記録ヘッドより下流側で拘束する拘束手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、プラテンローラとの間に記録紙を挟んで印画する記録ヘッドと、記録ヘッドより下流側に、隣り合う2個の記録ヘッド間の長さより短い距離を隔てて設けられた切断部により印画後の記録紙を切断して排紙する切断手段とを有するプリンタの排紙方法において、最下流側の既印画画面を所定の長さだけ上流側に戻した後に、それより上流側の既印画画面との間の記録紙を切断することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のプリンタの排紙方法において、記録紙を上流側に戻すに際して、記録紙を最下流側の記録ヘッドより下流側で拘束することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の第1の実施形態によるプリンタ及びその排紙方法を説明するために、図2の本実施形態によるプリンタの要部構成図を用いて、その構造から説明する。図2において、プリンタの要部は、上流側から下流側に向かって、用紙ロール1と、用紙ロール1から記録紙2を導く給紙ローラ3と、通過域に記録紙2を導く用紙ガイドローラ4a及び4bと、記録紙2を搬送する搬送ローラA5と、記録紙2の通過城に沿って配置され、該記録紙2に対してイエロー(Y色)、マゼンダ(M色)、シアン(C色)の各色をそれぞれ個別に、熱記録により印画するサーマルヘッドY6、サーマルヘッドM7、及びサーマルヘッドC8と、記録紙2を排紙するための排紙ローラ9と、排紙する記録紙2を所定の長さに切断する用紙カッター10とが順次配設されている。そして、給紙ローラ3には、記録紙2を挟んでピンチローラ12aが対向配置されており、またガイドローラ4aには、記録紙2を挟んでピンチローラ15b及び15cが対向配置されている。
【0015】
搬送ローラA5には、記録紙2を挟んでピンチローラA16が対向配置されている。搬送ローラA5は、図示しない制御部が制御する図示しないステップモータにより駆動され、記録紙2の搬送量を制御する。サーマルヘッドY6、サーマルヘッドM7、サーマルヘッドC8には、記録紙2を挟んでプラテンローラ11a〜11cが対向配置される。
更に、サーマルヘッドY6の下流側には、搬送ローラY12と該搬送ローラY12に対向配置されたピンチローラY17が設けられていて、該サーマルヘッドY6に搬送された記録紙2に張力を付与する。同様に、サーマルヘッドM7、サーマルヘッドC8の下流側には、搬送ローラM13、及び搬送ローラC14と、各搬送ローラM13、搬送ローラC14に対向配置されたピンチローラM18、及びピンチローラC19が設けられていて、各サーマルヘッドM7、サーマルヘッドC8に搬送された記録紙2に張力を付与する。これらの搬送ローラY12、搬送ローラM13、搬送ローラC14は、図示しない制御部が制御する図示しない5Cモータで駆動され、記録紙2に一定の張力を与えている。また、排紙ローラ9には記録紙2を挟んでピンチローラ15dが対向配置されている。排紙ローラ9は、図示しない制御部が制御する図示しないステップモータで駆動され、記録紙2の搬送量を制御する。
【0016】
また、各サーマルヘッドの間にはサーマルヘッドにより熱記録された画像を記録紙2に定着させる定着ランプがある。定着ランプは、下流側のエネルギーの高いサーマルヘッドで、既に記録された画像が影響を受けないように、既に熱記録した発色層の反応を止める。よって、サーマルヘッドY6とサーマルヘッドM7の間には反射板Y20を備えたY定着ランプ21が、サーマルヘッドM7とサーマルヘッドC8の間には反射板M22を備えたM定着ランプ23がある。サーマルヘッドC8の後は、下流側にそれ以上高いエネルギーを印加するサーマルヘッドが存在しないので、定着ランプは特に設けない。
【0017】
次に、上記の構成を有するプリンタにおける、本発明の第1の実施形態によるプリンタ及びその排紙方法を図1及び図3を用いて説明する。図3は、本発明のプリンタの構成部品の配置を説明する、図2から抜粋したプリンタ要部の平面図で、図3(1)が本実施の形態のプリンタを説明する図である。図3(1)において、本実施の形態のプリンタは、サーマルヘッドY6、サーマルヘッドM7、サーマルヘッドC8がヘッドピッチL0で等間隔に並ぶ構成とする。また、画像に余白を出さないための切断マージンをαとした場合に、用紙カッター10がサーマルヘッドC8より下流に距離(L0−α)だけ離した位置に設けられている。更に用紙カッター10の上流には、用紙カッター10に干渉しない位置に排紙ローラ9が設けられている。
【0018】
また、図1は本発明の第1の実施形態を説明するための概念図で、図3(1)に示したプリンタ要部の各サーマルヘッド及びカッターの基準位置、及び記録紙2の1枚毎の印画領域とその進み方を示している。図1において、直線YはサーマルヘッドY6の基準位置を示す。同様に、直線MはサーマルヘッドM7の基準位置を、直線CはサーマルヘッドC8の基準位置を表し、更に直線CUTは用紙カッター10の基準位置を示している。また、印画領域のサイズをL1とし、各サーマルヘッド間のヘッドピッチL0と画像に余白を出さないための切断マージンαと共に図中に記載する。更に、図1において、a点は記録紙2の1画面目に相当する印画領域の先端を、b点は1画面目に相当する印画領域の後端を、c点は2画面目に相当する印画領域の先端を、d点は2画面目に相当する印画領域の後端を、e点は3画面目に相当する印画領域の先端を、f点は3画面目に相当する印画領域の後端を、g点は4画面目に相当する印画領域の先端を、h点は4画面目に相当する印画領域の後端を、それぞれ示しており、1枚あたりの印画領域の長さはヘッドピッチより短いものとする。また、aa点は切断マージンαを切り取られた後の1画面目に相当する画像の先端とする。
【0019】
次に、本実施の形態のプリンタの排紙方法による、図示しない制御部のプリンタ各部に対する制御の内容を説明する。まず、1画面目に相当する印画領域に対するC色の印画が完了した時点の記録紙2の位置を図1(1)に示す。次に、図示しないステップモータで駆動される搬送ローラA5及び排紙ローラ9は、用紙カッター10が、1画面目に相当する印画領域先端a点から、切断マージンαだけ内側に来るように記録紙2を進めて一時停止する。ここでは、搬送ローラA5と排紙ローラ9は同一量だけ駆動されて、記録紙2を搬送するものとする。用紙カッター10は1画面目に相当する先頭部の余分な部分を切り取る。記録紙2を進めて、1画面目に相当する先頭部の余分な部分を切り取る直前の状態を図1(2)に示す。1画面目に相当する先頭部の余分な部分を切り取ったら、同様に搬送ローラA5と排紙ローラ9は、L1の距離だけ記録紙2を進め、2画面目に相当する印画領域のC色の印画を行う。2画面目に相当する印画領域に対するC色の印画が完了したら、同様に搬送ローラA5と排紙ローラ9は、更に(L0−L1)の距離だけ記録紙2を進め一時停止する。この状態を図1(3)に示す。ここで、搬送ローラC14とピンチローラC19の回転を停止し、記録紙を固定した状態で、排紙ローラ9のみを逆回転させて、記録紙2を(2α+L0−L1)の距離だけ戻す。この状態を図1(4)に示す。記録紙2は、図1(4)に示すように、搬送ローラC14と排紙ローラ9の間の空間に弛ませておく。記録紙2を戻したら、用紙カッター10により1画面目の画像に相当する記録紙2を切断し、プリンタの外部へ排出する。
【0020】
次に、排紙ローラ9のみを正回転させて、記録紙2を(2α+L0−L1)の距離だけ進ませる。この状態を図1(5)に示す。記録紙2が図1(5)に示す位置まで進んだら一時停止し、用紙カッター10により、2画面目に相当する先頭部の余分な部分を切り取る。この後、搬送ローラA5と排紙ローラ9はL1の距離だけ記録紙2を進め、3画面目に相当する印画領域のC色の印画を行う。3画面目に相当する印画領域に対するC色の印画が完了したら、搬送ローラA5と排紙ローラ9をは、更に(L0−L1)の距離だけ記録紙2を進め一時停止する。この時の記録紙2と用紙カッター10の位置は、画面こそ違うが、図1(3)に示す状態と同じになるので、これ以降、図示しない制御部は図1(3)〜(5)の動作を繰り返すことにより、画像の大きさに合わせて適正な長さに切断した記録紙2をプリンタの外部へ排出する。
【0021】
次に、図2の構成を有するプリンタにおける、本発明の第2の実施形態によるプリンタ及びその排紙方法を図3及び図4を用いて説明する。図3は、本発明のプリンタの構成部品の配置を説明する、図2から抜粋したプリンタ要部の平面図で、図3(2)が本実施の形態のプリンタを説明する図である。図3(2)において、本実施の形態のプリンタは、図3(1)に示す第1の実施の形態によるプリンタと、各サーマルヘッドの配置位置は同一であり、用紙カッター10がサーマルヘッドC8より下流に距離(L1−α)だけ離した位置に設けられていることが異なる。また、同様に用紙カッター10の上流には、用紙カッター10に干渉しない位置に排紙ローラ9が設けられている。また、図4は本発明の第2の実施形態を説明するための概念図で、図3(2)に示したプリンタ要部の各サーマルヘッド及びカッターの基準位置、及び記録紙2の1枚毎の印画領域とその進み方を示している。図4において用いられている記号の意味は、図1と全く同一とする。
【0022】
次に、本実施の形態のプリンタの排紙方法による、図示しない制御部のプリンタ各部に対する制御の内容を説明する。まず、1画面目に相当する印画領域に対するC色の印画が完了した時点の記録紙2の位置を図4(1)に示す。この時、用紙カッター10が、1画面目に相当する印画領域先端a点から、切断マージンαだけ内側に位置しているので、用紙カッター10は、1画面目に相当する先頭部の余分な部分を切り取る。1画面目に相当する先頭部の余分な部分を切り取ったら、図示しないステップモータで駆動される搬送ローラA5及び排紙ローラ9は、(L0−L1)の距離だけ記録紙2を進めた後に印画を再開し、同様に搬送ローラA5と排紙ローラ9はL1の距離だけ記録紙2を進め、2画面目に相当する印画領域のC色の印画を行う。ここでは、搬送ローラA5と排紙ローラ9は同一量だけ駆動されて、記録紙2を搬送するものとする。次に、搬送ローラA5と排紙ローラ9は、2画面目に相当する印画領域に対するC色の印画が完了したら一時停止する。この状態を図4(2)に示す。ここで、搬送ローラC14とピンチローラC19の回転を停止し、記録紙を固定した状態で、排紙ローラ9のみを逆回転させて、記録紙2を(2α+L0−L1)の距離だけ戻す。この状態を図4(3)に示す。記録紙2は、図4(3)に示すように、搬送ローラC14と排紙ローラ9の間の空間に弛ませておく。記録紙2を戻したら、用紙カッター10により1画面目の画像に相当する記録紙2を切断し、プリンタの外部へ排出する。
【0023】
次に、排紙ローラ9のみを正回転させて、記録紙2を(2α+L0−L1)の距離だけ進ませる。この状態を図4(4)に示す。記録紙2が図4(4)に示す位置まで進んだら一時停止し、用紙カッター10により、2画面目に相当する先頭部の余分な部分を切り取る。この後、搬送ローラA5と排紙ローラ9は、更に(L0−L1)の距離だけ記録紙2を進めた後に印画を再開し、同様に搬送ローラA5と排紙ローラ9はL1の距離だけ記録紙2を進め、3画面目に相当する印画領域のC色の印画を行う。搬送ローラA5と排紙ローラ9は、3画面目に相当する印画領域に対するC色の印画が完了したら一時停止する。この時の記録紙2と用紙カッター10の位置は、画面こそ違うが、図4(2)に示す状態と同じになるので、これ以降、図示しない制御部は図4(2)〜(4)の動作を繰り返すことにより、画像の大きさに合わせて適正な長さに切断した記録紙2をプリンタの外部へ排出する。
【0024】
上述の第1及び第2の実施の形態は、フルカラー画像をカラー感熱記録紙に直接に熱記録するカラー感熱プリンタに関して説明したが、カラーインクリボンを用いて記録紙に熱転写するカラープリンタにも、逆回転することが可能な排紙ローラとその制御部を設けることで、同様に適用が可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上の如く本発明によると、記録ヘッドへ記録紙を搬送する第1の搬送ローラに加えて、切断手段へ記録紙を搬送する第2の搬送ローラを設け、第1の搬送ローラと第2の搬送ローラを独立に制御することとした。これにより、記録ヘッド部にある記録紙を動かさずに、切断手段へ自由に記録紙を搬送して切断することが可能となる。よって、記録紙を切断する際の全記録ヘッドと全ピンチローラの待避と、次の印画を行うためのそれらの圧接を行う必要がなくなり、装置コストを上げずに、プリンタの印画に要する時間を大幅に短縮できるという効果がある。
【0026】
また、記録紙全体を逆方向に搬送する必要がなくなるので、記録紙搬送の誤動作が発生する頻度が低くなると同時に、印画部での色ズレが発生する確率も低くなり、印画の信頼性が向上する。同時に、全記録ヘッドと全ピンチローラの待避と圧接という機械的な動作の回数が減るので、プリンタの寿命が延びるという効果がある。更に、請求項3に記載の発明では、プリンタの装置サイズを短くすることが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態のプリンタ及びその排紙方法を説明する概念図である。
【図2】 本実施の形態によるプリンタの要部構成図である。
【図3】 本発明のプリンタの構成部品の配置を説明するプリンタ要部の平面図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態のプリンタ及びその排紙方法を説明する概念図である。
【図5】 従来のプリンタの構成部品の配置を説明するプリンタ要部の平面図である。
【図6】 従来のプリンタ及びその排紙方法を説明する概念図である。
【符号の説明】
1 用紙ロール
2 記録紙
3 給紙ローラ
4a、4b ガイドローラ
5 搬送ローラA
6 サーマルヘッドY
7 サーマルヘッドM
8 サーマルヘッドC
9 排紙ローラ
10 用紙カッター
11a〜11c プラテンローラ
12 搬送ローラY
13 搬送ローラM
14 搬送ローラC
15a〜15d ピンチローラ
16 ピンチローラA
17 ピンチローラY
18 ピンチローラM
19 ピンチローラC
20 反射板Y
21 Y定着ランプ
22 反射板M
23 M定着ランプ

Claims (4)

  1. 記録紙の搬送方向に沿って直列に配置され、前記記録紙に対してそれぞれ個別に印画する複数の記録ヘッドと、前記複数の記録ヘッドのうち最下流の記録ヘッドより下流側に、画像に余白を出さないための切断マージンの長さだけ、前記複数の記録ヘッドのうち隣り合う2個の前記記録ヘッド間の長さか、もしくは印画領域のサイズの長さより短い距離を隔てて設けられ、印画後の前記記録紙を切断して排紙する切断部とを有するプリンタにおいて、
    前記複数の記録ヘッドのうち、最下流の記録ヘッドより下流に配置され、前記記録紙を搬送する搬送ローラと、
    前記搬送ローラに対向配置されたピンチローラと、
    前記搬送ローラと前記切断部との間に配置された排紙ローラと、
    前記記録紙の既印画画面を切断して排出するにあたり、前記搬送ローラと前記ピンチローラとで当該記録紙を固定した状態で、前記排紙ローラを逆方向に回転し、当該記録紙の既印画画面部分を、当該記録紙の最下流の既印画画面の後端部が前記切断部の位置と合うまで上流側に戻し、当該記録紙の最下流の既印画画面の後端部を前記切断部により切断するように制御する制御手段と、
    を設けたことを特徴とするプリンタ。
  2. 請求項1に記載のプリンタにおいて、
    前記記録紙を上流側に戻すに際して、該記録紙を最下流側の前記記録ヘッドより下流側で弛ませることを特徴とするプリンタ。
  3. 記録紙の搬送方向に沿って直列に配置され、前記記録紙に対してそれぞれ個別に印画する複数の記録ヘッドと、前記複数の記録ヘッドのうち最下流の記録ヘッドより下流側に、画像に余白を出さないための切断マージンの長さだけ、前記複数の記録ヘッドのうち隣り合う2個の前記記録ヘッド間の長さか、もしくは印画領域のサイズの長さより短い距離を隔てて設けられ、印画後の前記記録紙を切断して排紙する切断部とを有するプリンタの排紙方法において、
    前記記録紙の既印画画面を切断して排出するにあたり、前記記録ヘッドより下流に配置された搬送ローラと当該搬送ローラと対向配置されたピンチローラとで当該記録紙を固定した状態で、前記搬送ローラと前記切断部との間に配置された排紙ローラを逆方向に回転し、当該記録紙の既印画画面部分を、当該記録紙の最下流の既印画画面の後端部が前記切断部の位置と合うまで上流側に戻し、当該記録紙の最下流の既印画画面の後端部を前記切断部により切断する
    ことを特徴とするプリンタの排紙方法。
  4. 請求項3に記載のプリンタの排紙方法において、
    前記記録紙を上流側に戻すに際して、該記録紙を最下流側の前記記録ヘッドより下流側で弛ませる
    ことを特徴とするプリンタの排紙方法。
JP2000073154A 2000-03-15 2000-03-15 プリンタ及びその排紙方法 Expired - Fee Related JP4599650B2 (ja)

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