JP4598453B2 - 包装容器 - Google Patents
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Description
また、テイクアウト用に販売されているソバやうどん等の食品は、ゆで麺を袋入りのタレや薬味とともに包装して販売されている。この場合、別容器にタレと薬味を移し、麺をつけて食べるのであるが、麺同士が団子状に絡まり箸で食べ難いのでパックしたほぐし水を添付した考案が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
本発明は、食事時にほどよく冷えた食品を手軽に食べることができ、麺類の場合には団子状に固まることもなく容易にほぐれて掴み易く、かつコストのかからない包装容器を提供しようとするものである。
このような構成の包装容器とすれば、食品の上に冷却用の氷を直接載せるので手間がかからず、食品をほど良く冷却し、また、食品が麺類の場合には溶けた氷の水が適度なほぐし水となって麺同士が団子状に絡まるのを防止して、しかも溶けた氷の水が内容器底部の水抜き用の孔から外容器底部に滴下するので、食品が適度の水分を保つので清涼感に加えて美味のある冷食品とすることができる。また、水切り用の孔の近傍に盛り上げ部を設けることにより、ソバ等の食品が内容器を滑り落ちて水抜き用の孔を塞ぎ、溶けた氷の水が内容器底部に溜まるのを防ぐことができる。また、溶けた氷の水滴を速やかに水切りして、食品の風味を保つために、内容器底部が中心部から周縁部に向かって下降するように傾斜している。この包装容器はソバやうどんの他に心太や豆腐等の食品の包装容器として好適である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる包装容器と包装食品の断面を示す図である。
この図1は、図2の線A−A’に沿った断面を示すものである。
図1に示す本発明の包装食品1は、外容器11と内容器21からなる包装容器の内容器21に食品2(例えばソバ等)を入れその上に適量の冷却用の氷3を載せたものに、透明なシールラップ5を被せて周囲51をヒートシールして密封してある。さらに、シールラップ5の上から保冷用の蓋6を被せてある。
外容器11は平面円形で周囲に内容器21を支持するための平坦部13とシールラップ5を貼りつけるための平坦部14が設けてある。また、外容器11の底部中央部には内容器21の底部中心部25を支持するための突起12が設けてある。
外容器11は、特に限定されないが、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の樹脂、またはこれらの樹脂にタルク等の無機充填剤を含有させた組成物からなる発泡または非発泡の厚さ0.2〜4mm程度のシートを真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の加工方法で形成するのが好ましいが、中でも発泡ポリスチレン系樹脂が軽くて断熱性に優れているので好適である。
開口部の短径寸法は、例えば100〜300mm程度、より好ましくは150〜250mm程度、容器の高さは30〜100mm程度、より好ましくは30〜70mm程度であって、形状は丸形、長円型、矩形などの多角形であっても良い。これらの値は内容物の種類や収容量等に応じて適宜最適値を選択すれば良い。
内容器21の底部22の外周部近傍には氷3が溶けた水を抜き取るための孔23が複数個設けてある。したがって冷却用の氷3が溶けるとその水が食品2を伝って徐々に下降し、孔23を通して外容器11の底部に落下してゆく。
そして底部22の孔23の近傍には盛り上げ部24が設けてあり、食品2が底部22に貼り付くのを防ぐとともに、ソバ等の食品が内容器底部の傾斜面を滑り落ちて水切り用の孔23を塞ぎ、溶けた氷の水が内容器の底部に溜まるのを防止することができる。又、食品2が盛り上げ部24を乗り越えても、盛り上げ部24が食品2を持ち上げているので、水が孔23に流出する空間が確保され、水が内容器の底部22に溜まることがない。
その結果、食品2は適度の水分を保った状態で冷却されるので、風味が損なわれることはない。孔23の数は特に制限はないが、少なくとも4個以上設け、孔23の直径は収容する食品2が落下しないように2〜7mm程度とするのが好ましい。孔の替わりにスリットを多数設けたり、ネット状やスノコ状としても良い。
内容器21の底部22は、図示したように中心部25から外周部に向かって下がる傾斜を付けておき、その先端に水抜き用の孔23を設けると、内容器内に水が溜まらず食品が水っぽくなって風味が損なわれるのを防止するのに有効である。
また、盛り上げ部24の形状や設ける位置は特に限定されないが、例えば、水切り用の孔23の近傍で、容器中心部側に水切り用の孔23を取り囲むように三日月状に盛り上げて形成する例が挙げられる。このように盛り上げ部24を形成すれば、食品2の固着防止と孔23の閉塞防止の機能を兼ね備えたものとすることができる。
また、例え食品2が盛り上がり部24を乗り越えたとしても、盛り上げ部24が食品2を持ち上げているので水が孔23に流出する空間が確保され、水が内容器の底部22に溜まることはない。
内容器21は特に限定されないが、ハイインパクトポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の樹脂、またはこれらの樹脂にタルク等の無機充填剤を含有させた組成物からなる、厚さ0.2〜1mmのシートを真空成形、圧空成形または真空圧空成形等の加工方法で形成するのが好ましい。
ヒートシールした上にオーバーキャップして、その中に袋入りの薬味やタレを収納しておくこともできる。また、内容器の一部に薬味等を入れる仕切部を設けることもできる。 ヒートシールした場合には、保護や保冷を目的としてヒートシールした樹脂フィルム5の上からさらに蓋6をか被せるのが好ましい。
この蓋6の外縁部を垂直にした垂下部66の先端に係止部65を設け、蓋6を垂下部66と係止部65の窪みに外容器11の平坦部14の先端を嵌合させることによって、運搬時などに簡単に外れないようにするのが好ましい。
蓋6の材質は、透明性を有するポリスチレンやポリエチレンテレフタレート等でも良いが、氷が溶けずに長持ちすることを目的として、保冷性を有する発泡ポリスチレン等の発泡樹脂を使用しても良い。発泡ポリスチレン蓋は不透明で中の食品が見えないので、陳列時には被せずに、販売する際の引き渡し時に被せるのが好ましい。
図3は、本発明の第2の実施形態に係わる包装容器と包装食品の断面を示す図である。
この図3は、図4の線B−B’に沿った断面を示すものである。
図3に示す本実施形態の包装食品は、外容器11と内容器21からなる包装容器の内容器21に食品2(例えばソバ等)を入れその上に適量の冷却用の氷3を載せたものに、透明なシールラップ5を被せて周囲51をヒートシールして密封してある。さらに、シールラップ5の上から保冷用の蓋6を被せてある。
本実施形態の包装容器が先の第1の実施形態の包装容器と異なる点は、内容器21の形状である。内容器21の底部22の外周部近傍には氷3が溶けた水を抜き取るための孔23が複数個設けてある。そして孔23の近傍には複数の盛り上げ部24が設けてあり、食品2が底部22に貼り付くのを防ぐとともに、ソバ等の食品2が内容器底部の傾斜面を滑り落ちて水切り用の孔23を塞ぎ、溶けた氷の水が内容器の底部に溜まるのを防止することができる。又、食品2が盛り上げ部24を乗り越えても、盛り上げ部24が食品2を持ち上げているので、水が孔23に流出する空間が確保され、水が内容器の底部に溜まることがない。
さらに、本実施形態の包装容器では、容器底部22の中心部25から複数の円形の凸部28が設けてある。凸部28を設けることにより内容器21の底部22は凹凸を有するものとなり、食品2が内容器底部22に貼り付くのを防ぐことができる。
その他の外容器11,シールラップ5及び蓋6は第1の実施形態の場合と同様である。
図5は、本発明の第3の実施形態に係わる包装容器と包装食品の断面を示す図である。
この図5は、図6の線C−C’に沿った断面を示すものである。図5に示す本発明の包装食品は、外容器11と内容器21からなる包装容器の内容器21に食品2(例えばソバ等)を入れその上に適量の冷却用の氷3を載せたものを透明な蓋6で覆い、周囲を外容器11周縁の立ち上がり部16と内嵌合させて密封してある。また、内容器21の底面には中心部から周縁部に向かって下降する溝27を有し、溝27の先端部近傍に水抜き用の孔23が配置してある。また孔23の容器中心側には、三日月状の盛り上げ部24が設けてある。
内容器21の支持方法等の他の構造は、第1の実施形態や第2の実施形態の場合と同様である。
内容器21内に食品2を収容し、その上に冷却用の氷3を載置した後、蓋6を被せて周囲を押し込むと、外容器11の立上がり部16と蓋6の立上がり部62が噛み合って、逆テーパになっているのでしっかりと嵌合して包装容器を密封することができる。
また、内容器21には任意の位置に任意の形状の仕切部29を設け、内容物の種類によって薬味などの収容場所を区分する窪み30を設けたものであっても良い。
図7は、本発明の第4の実施形態に係わる包装容器と包装食品の断面を示す図である。
この図7は、図8の線D−D’に沿った断面を示すものである。本発明の第4の実施形態が特徴とするところは、先の第3の実施形態で溝27となっている部分が底部22よりもち上がっており、枕37を形成している点である。内容器21の底部22に盛り上げ部24と枕37を形成することにより底部全面が凹凸をなすので、食品2が内容器底部22に貼り付くのを防ぐことができ、溶けた氷の水の流れ落ちる空間も充分確保することができる。枕37も樹脂を一体成形して形成してある。
図9は、本発明の第5の実施形態に係わる包装容器と包装食品の断面を示す図である。
本発明の第5の実施形態が特徴とするところは、外容器11と内容器21との密封構造であって、内容器の構造等には特に制限が無く先の第1の実施形態ないしは第4の実施形態のものがそのまま使用できる。
本実施形態における外容器11と蓋6との密封構造は、図に示すように外容器11の周縁部に、蓋6のフランジ部61,61を支持するための平坦部14,17が設けてあり、これら二つの平坦部14,17の間が立上がり部16−1,平坦部15及び垂下部16−2によって連結されており、これらの連結部分のうち立上がり部16−1は容器外側に傾斜しており、一方垂下部16−2は容器内側に傾斜していて、逆テーパ構造になっている。
一方、蓋6の周縁には外容器11に密着させて支持させるための二つのフランジ部61、61が設けられており、これら二つのフランジ部61、61の間は、立上がり部61−1,平坦部63及び垂下部61−2によって連結されており、これらの連結部分のうち立上がり部61−1は容器外側に傾斜しており、一方垂下部61−2は容器内側に傾斜している。
図10は、本発明の第6の実施形態に係わる包装容器と包装食品の断面を示す図である。本発明の第6の実施形態が特徴とするところは、内容器21を外容器11に固定した点である。すなわち、図10の示すように、外容器11の周縁部に第1の係止部19を設け、該第1の係止部19で内容器21のフランジ部26を係止して、内容器21を外容器11に固定してある。
必要により氷3を載せた食品2をシールラップ5で密封し、さらに保冷用の蓋6を被せても良い。
蓋6と外容器11との係止構造は特に制限はなく、先第1の実施形態ないし第5の実施形態の例などが使用できる。図では第5の実施形態を使用した例を示してある。
内容器21を外容器11に固定することのより運搬中に内容物である食品2の盛り付けが崩れる恐れが少なくなり、商品価値を確実に維持することができる。
Claims (2)
- 外容器と内容器とからなる包装容器であって、内容器底部が中心部から外周部に向かって下降するように傾斜した傾斜面を有しており、その外周部近傍には複数個の水切り用の孔を設けるとともに、前記水切り用の孔の近傍に食品が内容器底部の傾斜面を滑り落ちて水切り用の孔を塞ぐことを防止する盛り上げ部を傾斜面から上方へ突出するように配し、
前記外容器外側周縁部に水平の平坦部を設けると共に外容器底部の中央部に突起を設け、内容器周縁に設けた水平のフランジ部と外容器の前記平坦部、及び内容器底部の中心部と外容器底部の前記突起とがそれぞれ互いに当接して内容物の荷重を支える構造とし、外容器と内容器底部との間に空間を有してなることを特徴とする包装容器。 - 前記盛り上げ部が、前記孔の容器中心側に該孔を取り囲むように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装容器。
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