JP3223351U - 包装用容器の中皿及び包装用容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】商品の陳列状態を多様化することや多様に変化させ、消費者の注目を強く引いて商品の購買意欲を喚起する包装用容器の中皿、及び包装用容器を提供する。【解決手段】平面視略正方形で上方に開口する容器本体20の内側に設置され、容器本体の側壁22の上部に形成される段差部23で外周フランジ15が支持される合成樹脂製の包装用容器の中皿10であり、外周フランジの外周縁を構成する第1辺151と第2辺152が交互に配置されて平面視略八角形に形成され、略中央に収容部13が形成され、容器本体の側壁の辺部を縦横に揃えて配置した状態に対して2組の第1辺の対向する方向を縦横に揃えて設置した第1の状態と、2組の第2辺の対向する方向を縦横に揃えて設置した第2の状態とで、収容部の側壁上端122の平面視形状が容器本体の縦横に対して異方性を有する。【選択図】図7
Description
本考案は、食品、食材等が収容される合成樹脂製の包装用容器の中皿、及び中皿を備える包装用容器に関する。
従来、惣菜のような食品等を店舗販売する際に、これらの食品等を収容する包装用容器として、合成樹脂製の包装用容器に合成樹脂製の中皿が内装される中皿付き包装用容器が用いられている。中皿付き包装用容器は、包装用容器への全体的な食品等の収容量を増加させることができると共に、異種の食品等を互いに区分して収容することが可能であり、葉物が別の具材で沈み込むのを防止するなど異種の食品等を見栄え良く綺麗に収容できる、収容する食品等を多様化できる、異種の食品等との間で味移りが生ずることを防止できるというメリットを有する。
このような中皿付き包装用容器としては、例えば平面視円形の容器本体のフランジよりも内側に周状の係止段部が設けられ、平面視円形の中皿の外周に沿って載置縁が設けられ、中皿の周状の載置縁を容器本体の周状の係止段部に載せるようにして中皿が容器本体に内装されるものがある(特許文献1の段落[0043]〜[0050]、図6〜図8参照)。
また、別の包装用容器の中皿として、平面視略八角形で底の浅いトレー状の中皿もある(特許文献2参照)。
ところで、中皿付き包装用容器では、容器本体と中皿に食品等が収容されると共に、容器本体に中皿が同じ向きで内装されるため、食品等が収容された中皿付き包装用容器を並べて店舗で陳列した際に、画一的な商品が陳列されることとなる。しかし、消費者の注目を強く引いて購買意欲を喚起するためには、商品の陳列状態を多様化することや多様に変化させることが望ましい。
本考案は上記課題に鑑み提案するものであって、商品の陳列状態を多様化することや多様に変化させることが可能であり、消費者の注目を強く引いて商品の購買意欲を喚起することができる包装用容器の中皿及び包装用容器を提供することを目的とする。
本考案の包装用容器の中皿は、平面視略正方形で上方に開口する包装用容器の容器本体の内側に設置され、前記容器本体の側壁の上部に形成される段差部で外周フランジが支持される合成樹脂製の中皿であって、前記外周フランジは、その外周縁を構成する第1辺と第2辺が交互に配置されて平面視略八角形に形成され、前記中皿の略中央に収容部が形成され、前記容器本体の前記側壁の辺部を縦横に揃えて配置した状態に対して2組の前記第1辺の対向する方向を縦横に揃えて前記容器本体の内側に設置した第1の状態と、前記容器本体の前記側壁の辺部を縦横に揃えて配置した状態に対して2組の前記第2辺の対向する方向を縦横に揃えて前記容器本体の内側に設置した第2の状態とで、前記収容部の側壁の上端の平面視形状が前記容器本体の縦横に対して異方性を有することを特徴とする。
これによれば、中皿の容器本体への設置状態によって収容部の側壁上端の平面視形状を異ならせることが可能となるから、食品等が収容された中皿付き包装用容器の商品の陳列状態を多様化することや多様に変化させることができ、消費者の注目を強く引いて商品の購買意欲を喚起することができる。また、平面視略正方形の容器本体に対して中皿の外周フランジを平面視略八角形に形成することにより、上方から、中皿に載せる食品等を消費者に見せることができると共に、容器本体の四隅と中皿の外周フランジとの間の隙間から容器本体に収容された食品等を消費者に見せることができる。
これによれば、中皿の容器本体への設置状態によって収容部の側壁上端の平面視形状を異ならせることが可能となるから、食品等が収容された中皿付き包装用容器の商品の陳列状態を多様化することや多様に変化させることができ、消費者の注目を強く引いて商品の購買意欲を喚起することができる。また、平面視略正方形の容器本体に対して中皿の外周フランジを平面視略八角形に形成することにより、上方から、中皿に載せる食品等を消費者に見せることができると共に、容器本体の四隅と中皿の外周フランジとの間の隙間から容器本体に収容された食品等を消費者に見せることができる。
本考案の包装用容器の中皿は、前記外周フランジの前記第1辺の長さが前記第2辺の長さよりも長く形成されていることを特徴とする。
これによれば、食品等が収容された中皿付き包装用容器の商品の陳列状態をより多様化することやより多様に変化させることができ、消費者の注目度を一層高めて商品の購買意欲をより喚起することができる。
これによれば、食品等が収容された中皿付き包装用容器の商品の陳列状態をより多様化することやより多様に変化させることができ、消費者の注目度を一層高めて商品の購買意欲をより喚起することができる。
本考案の包装用容器の中皿は、前記収容部の前記側壁の上端が平面視略多角形若しくは平面視略楕円形に形成され、前記収容部の前記側壁の上端で囲まれる平面視面積が前記中皿の全体の平面視面積の65%以上を占めていることを特徴とする。
これによれば、容器本体に収容された食品等への消費者の視認性を確保しつつ、収容部の食品等の収容量を増加させることができると共に、中皿の収容部の盤面、収容部に収容された食品等を消費者に広がりを持って見せ、商品が消費者にアピールする度合いをより高めることができる。
これによれば、容器本体に収容された食品等への消費者の視認性を確保しつつ、収容部の食品等の収容量を増加させることができると共に、中皿の収容部の盤面、収容部に収容された食品等を消費者に広がりを持って見せ、商品が消費者にアピールする度合いをより高めることができる。
本考案の包装用容器の中皿は、前記収容部の前記側壁の上端が四隅で湾曲する平面視略矩形に形成されていると共に、前記収容部の前記側壁が前記外周フランジよりも上方に立ち上がるように形成され、前記外周フランジの前記第1辺が前記収容部の前記側壁のそれぞれの辺の部分と略対応するように配置され、前記外周フランジの前記第1辺よりも長さが短い前記第2辺が前記収容部の前記側壁の湾曲する湾曲部と略対応するように配置され、前記収容部の前記側壁の下方に向かって外側に拡がる略テーパ状の外壁面の傾斜角度が、前記湾曲部の中央部分に対応する箇所で最も急峻になっていることを特徴とする。
これによれば、容器本体に収容された食品等への消費者の視認性を確保しつつ、収容部の食品等の収容量と容器本体の食品等の収容量を増加させることができる。また、容器本体の側壁の辺部を縦横に揃えて配置した状態に対して、2組の第1辺の対向する方向を縦横に揃えて容器本体の内側に設置する第1の状態と、2組の第2辺の対向する方向を縦横に揃えて容器本体の内側に設置する第2の状態の双方を確実に実現することができる。
これによれば、容器本体に収容された食品等への消費者の視認性を確保しつつ、収容部の食品等の収容量と容器本体の食品等の収容量を増加させることができる。また、容器本体の側壁の辺部を縦横に揃えて配置した状態に対して、2組の第1辺の対向する方向を縦横に揃えて容器本体の内側に設置する第1の状態と、2組の第2辺の対向する方向を縦横に揃えて容器本体の内側に設置する第2の状態の双方を確実に実現することができる。
本考案の包装用容器は、平面視略正方形で上方に開口し、側壁の上部に段差部が形成された合成樹脂製の容器本体と、前記外周フランジが前記段差部で支持されるようにして前記容器本体の内側に設置される本考案の中皿とを備えることを特徴とする。
これによれば、本考案の中皿の効果を得ることができる包装用容器を得ることができる。
これによれば、本考案の中皿の効果を得ることができる包装用容器を得ることができる。
本考案の包装用容器は、前記外周フランジの前記第1辺の長さが前記第2辺の長さよりも長く形成されていると共に、前記容器本体の前記段差部の外端部が上方に向かって外側に拡がる略テーパ状に形成されていることを特徴とする。
これによれば、容器本体の側壁の辺部を縦横に揃えて配置した状態に対して2組の短い第2辺の対向する方向を縦横に揃えて容器本体の内側に設置した第2の状態では、第1の状態よりも縦の長さと横の長さの双方が長くなるが、この第2の状態でも段差部の外端部の略テーパの部分で中皿の外周フランジの配置状態による縦横長さ増加分を吸収し、重力で下方に落下する中皿の外周フランジを段差部で確実に安定して支持することができる。また、縦横の長さが短い第1の状態では、中皿の外周フランジが段差部の略テーパの部分の下側に落下して支持され、略テーパ状の部分の立ち上がり箇所で中皿が水平移動することを規制或いは抑制して安定支持することができる。尚、段差部の外端部に略テーパ状の部分がなく全体が水平面であり、この構成で第1の状態と第2の状態の中皿を支持する場合、中皿の縦横の長さが短くなる第1の状態では中皿の水平移動が規制或いは抑制されずに中皿の設置状態が不安定になり、他方で第1の状態の中皿の設置状態を安定させる幅に全体が水平面の段差部を形成すると第2の状態で中皿を設置することができなくなる。また、第1辺が第2辺よりも長い中皿を第1の状態、第2の状態のいずれで容器本体に設置する場合にも、略テーパ状の部分で誘導して容器本体の内側に設置し易くすることができる。
これによれば、容器本体の側壁の辺部を縦横に揃えて配置した状態に対して2組の短い第2辺の対向する方向を縦横に揃えて容器本体の内側に設置した第2の状態では、第1の状態よりも縦の長さと横の長さの双方が長くなるが、この第2の状態でも段差部の外端部の略テーパの部分で中皿の外周フランジの配置状態による縦横長さ増加分を吸収し、重力で下方に落下する中皿の外周フランジを段差部で確実に安定して支持することができる。また、縦横の長さが短い第1の状態では、中皿の外周フランジが段差部の略テーパの部分の下側に落下して支持され、略テーパ状の部分の立ち上がり箇所で中皿が水平移動することを規制或いは抑制して安定支持することができる。尚、段差部の外端部に略テーパ状の部分がなく全体が水平面であり、この構成で第1の状態と第2の状態の中皿を支持する場合、中皿の縦横の長さが短くなる第1の状態では中皿の水平移動が規制或いは抑制されずに中皿の設置状態が不安定になり、他方で第1の状態の中皿の設置状態を安定させる幅に全体が水平面の段差部を形成すると第2の状態で中皿を設置することができなくなる。また、第1辺が第2辺よりも長い中皿を第1の状態、第2の状態のいずれで容器本体に設置する場合にも、略テーパ状の部分で誘導して容器本体の内側に設置し易くすることができる。
本考案の包装用容器は、前記中皿の前記収容部の前記側壁が前記外周フランジよりも上方に立ち上がるように形成され、且つ前記収容部の前記側壁の外壁面が下方に向かって外側に拡がる略テーパ状に形成されていると共に、前記容器本体に内嵌合で着脱可能な合成樹脂製の蓋が設けられ、前記蓋の側壁は下方に向かって外側に拡がる略テーパ状に形成され、前記中皿を前記容器本体の内側に前記第1の状態と前記第2の状態のいずれで設置した場合にも、前記蓋の側壁が前記収容部の前記側壁に接触した状態若しくは離間した状態で、前記蓋が前記容器本体を内嵌合で閉鎖可能になっていることを特徴とする。
これによれば、容器本体に収容された食品等への消費者の視認性を確保しつつ、収容部の食品等の収容量と容器本体の食品等の収容量を増加させることができる。また、シール性に優れる内嵌合の構造において、第1の状態と第2の状態のいずれで中皿を容器本体に設置した場合でも蓋を確実に閉じることができる。
これによれば、容器本体に収容された食品等への消費者の視認性を確保しつつ、収容部の食品等の収容量と容器本体の食品等の収容量を増加させることができる。また、シール性に優れる内嵌合の構造において、第1の状態と第2の状態のいずれで中皿を容器本体に設置した場合でも蓋を確実に閉じることができる。
本考案の包装用容器の中皿又は中皿を備える包装用容器によれば、商品の陳列状態を多様化することや多様に変化させることが可能であり、消費者の注目を強く引いて商品の購買意欲を喚起することができる。
〔第1実施形態の包装用容器の中皿及び包装用容器〕
本考案による第1実施形態の包装用容器の中皿10は、図1〜図5に示すように、平面視略八角形の外形を有し、全体が透明な合成樹脂で形成されている。中皿10の略中央には底部11が設けられ、底部11の周囲から側壁12が起立するように形成され、底部11と側壁12で囲まれる部分が上方に開口する収容部13になっている。側壁12は、上方に向かって外側に拡がるように傾斜する略テーパ状の内壁面121と、最も上側に位置する上端122と、下方に向かって外側に拡がるように傾斜する略テーパ状の外壁面123とから構成され、内壁面面121から上端122を介して外壁面123に至るようになっている。収容部13の周囲を囲む内壁面121には周状の段部124が形成されており、段部124は上下方向に複数段で形成されている。
本考案による第1実施形態の包装用容器の中皿10は、図1〜図5に示すように、平面視略八角形の外形を有し、全体が透明な合成樹脂で形成されている。中皿10の略中央には底部11が設けられ、底部11の周囲から側壁12が起立するように形成され、底部11と側壁12で囲まれる部分が上方に開口する収容部13になっている。側壁12は、上方に向かって外側に拡がるように傾斜する略テーパ状の内壁面121と、最も上側に位置する上端122と、下方に向かって外側に拡がるように傾斜する略テーパ状の外壁面123とから構成され、内壁面面121から上端122を介して外壁面123に至るようになっている。収容部13の周囲を囲む内壁面121には周状の段部124が形成されており、段部124は上下方向に複数段で形成されている。
底部11の外周形状と、側壁12の上端122の周方向の形状は四隅で湾曲する平面視略矩形に形成されており、中皿10の略中央の収容部13はこれに対応して四隅で湾曲する平面視略矩形に形成されている。収容部13の側壁12の上端122で囲まれる平面視面積は、中皿10の全体の領域、換言すれば後述する外周フランジ15の外周縁で囲まれる領域の平面視面積の65%以上を占めるように形成される。また、側壁12の外壁面123の下端は外方に屈曲して下方に屈曲する段部14に連なっており、段部14の下端から外方に延びる外周フランジ15が形成されている。
外周フランジ15は略水平で外方に延びてある程度の幅を持って形成され、中皿10の周囲全体に亘って周状に形成されており、その表面には手切り防止用の凹凸が形成されている。外周フランジ15は、側壁12よりも下側に位置する段部14の下端から略水平に延びていることから、側壁12と外周フランジ15との位置関係では、側壁12が外周フランジ15よりも上方に立ち上がるように形成されることになる。
外周フランジ15は、その外周縁が平面視略八角形に形成されており、この平面視略八角形の外周縁は第1辺151と第2辺152が交互に配置されて構成され、この外周縁を構成する第1辺151は第1辺151・151が相互に対向する位置に配置され、同様に第2辺152は第2辺152・152が相互に対向する位置に配置される。
第1実施形態の中皿10における外周フランジ15の第1辺151の長さは第2辺152の長さよりも長く形成されており、又、外周フランジ15の第1辺151は収容部13の側壁12のそれぞれの辺の部分と略対応するように配置され、第1辺151よりも長さが短い第2辺152は収容部13の側壁12の四隅で湾曲する湾曲部125と略対応するように配置されている。更に、側壁12の下方に向かって外側に拡がる略テーパ状の外壁面123の傾斜角度は、湾曲部125の中央部分に対応する箇所で最も急峻になっており、側壁12の辺部分の中央部分など他のいずれの箇所よりも急峻になっている。
また、第1実施形態の包装用容器の容器本体20は、平面視略正方形で上方に開口する箱型で、全体が透明な合成樹脂で形成されている。容器本体20の底部21の周囲からは側壁22が起立するように形成され、側壁22は上方に向かって外側に拡がるように形成されている。側壁22の上部には段差部23が形成されており、段差部23は、側壁22の上端から略水平で外側に延びる平面部231と、平面部231の外端から上方に向かって外側に拡がる略テーパ状に形成されたテーパ部232とから構成され、段差部23の外端はテーパ部232になっている。
段差部23の外端、換言すればテーパ部232の外端或いは上端からは、上方に向かって僅かに内側に傾斜する起立部24が形成され、起立部24の上端から端面視で上方に凸の略山形である外周部25が形成されている。平面部231とテーパ部232で構成される段差部23、起立部24、外周部25は、容器本体20の全周に亘って設けられている。
そして、第1実施形態の包装用容器の中皿10は、容器本体20の側壁22の上部に形成される段差部23で外周フランジ15が支持されるようにして、容器本体20の内側に設置される。この場合、容器本体20の側壁22の辺部を縦横に揃えて配置した状態に対して、中皿10の2組の第1辺151・151の対向する方向を縦横に揃えて、段差部23で外周フランジ15が支持されるように中皿10を容器本体20の内側に設置する第1の状態(図6参照)とすることができると共に、容器本体20の側壁22の辺部を縦横に揃えて配置した状態に対して、中皿10の2組の第2辺152・152の対向する方向を縦横に揃えて、段差部23で外周フランジ15が支持されるように中皿10を容器本体20の内側に設置する第2の状態(図7参照)とすることができる。
第1実施形態では、容器本体20の側壁22の辺部を縦横に揃えて配置した状態に対して2組の短い第2辺152・152の対向する方向を縦横に揃えて容器本体の内側に設置した第2の状態では、第1辺151が第2辺152よりも長いため、第1の状態よりも縦の長さと横の長さの双方が長くなるが、第2の状態でも段差部23の外端部のテーパ部232で中皿10の外周フランジ15の配置による長さ増加分を吸収することが可能である。
即ち、第1の状態で中皿10を容器本体20の内側に設置した場合には、図8(a)に示すように、中皿10の第1辺151に対応する外周フランジ15の部分が容器本体20の側壁22の辺部の中央部分に対応する段差部23で支持される。この際、中皿10の外周フランジ15の当該部分は、段差部23の平面部231に載置されるようにして支持される。
また、第2の状態で中皿10を容器本体20の内側に設置した場合には、図8(b)に示すように、中皿10の第2辺152に対応する外周フランジ15の部分が容器本体20の側壁22の辺部の中央部分に対応する段差部23で支持される。この際、中皿10の外周フランジ15の当該部分は、段差部23のテーパ部232で全体が支持されるか、或いは中皿10が僅かに傾いた場合には段差部23のテーパ部232と平面部231とで支持されるようにして、段差部23で支持される。
更に、中皿10の収容部13の側壁12の上端122の平面視形状は、第1の状態で設置した場合と第2の状態で設置した場合とで、容器本体20の縦横に対して異方性を有するようになっている。第1実施形態では、中皿10を容器本体20に第1の状態で設置した場合には、平面視略正方形の容器本体20の四隅と、収容部13の側壁上端122の平面視略矩形の四隅の湾曲部125が略対応する平面視形状、換言すれば容器本体20の四隅と収容部13の四隅が略対応する平面視形状となる。また、中皿10を容器本体20に第2の状態で設置した場合には、平面視略正方形の容器本体20の側壁22の各辺部の中央部分と、収容部13の側壁上端122の四隅の湾曲部125が略対応する平面視形状、換言すれば容器本体20の辺部の中央部分と収容部13の四隅が略対応する平面視形状となる。
第1実施形態によれば、中皿10の容器本体20への設置状態によって収容部13の側壁上端122の平面視形状を異ならせることが可能となるから、食品等が収容された中皿付き包装用容器の商品の陳列状態を多様化することや多様に変化させることができ、消費者の注目を強く引いて商品の購買意欲を喚起することができる。更に、外周フランジ15の第1辺151の長さを第2辺152の長さよりも長く形成することにより、この多様化や多様な変化を一層高めることができる。また、平面視略正方形の容器本体20に対して中皿10の外周フランジ15を平面視略八角形に形成することにより、上方から、中皿10に載せる食品等を消費者に見せることができると共に、容器本体20の四隅と中皿10の外周フランジ15との間の隙間から容器本体20に収容された食品等を消費者に見せることができる。
また、中皿10の収容部13の側壁上端122を平面視略多角形である四隅に湾曲部125を有する平面視略矩形に形成し、収容部13の側壁上端122で囲まれる平面視面積を中皿10の全体の平面視面積の65%以上を占めるようにすることで、容器本体20に収容された食品等への消費者の視認性を確保しつつ、収容部13の食品等の収容量を増加させることができると共に、中皿10の収容部13の盤面、収容部13に収容された食品等を消費者に広がりを持って見せ、商品が消費者にアピールする度合いをより高めることができる。
また、収容部13の側壁上端122を四隅で湾曲する平面視略矩形に形成し、収容部13の側壁12を外周フランジ15よりも上方に立ち上がるように形成することで、容器本体20に収容された食品等への消費者の視認性を確保しつつ、収容部13の食品等の収容量と容器本体20の食品等の収容量を増加させることができる。また、中皿10の外周フランジ15の第1辺151を収容部13の側壁12のそれぞれの辺の部分と略対応するように配置し、外周フランジ15の第1辺151よりも長さが短い第2辺152を収容部13の側壁12の湾曲する湾曲部125と略対応するように配置し、収容部13の側壁12の下方に向かって外側に拡がる略テーパ状の外壁面123の傾斜角度を湾曲部125の中央部分に対応する箇所で最も急峻にすることにより、平面視略矩形の収容部13を有する中皿10を第1の状態と第2の状態の双方で確実に容器本体20に設置することができる。
また、容器本体20の側壁22の辺部を縦横に揃えて配置した状態に対して2組の短い第2辺152・152の対向する方向を縦横に揃えて容器本体20の内側に設置した第2の状態で、第1の状態よりも縦の長さと横の長さの双方が長くなる場合でも、段差部23の外端部のテーパ部232で中皿10の外周フランジ15の配置状態による縦横長さ増加分を吸収し、重力で下方に落下する中皿10の外周フランジ15を段差部23で確実に安定して支持することができる。また、縦横の長さが短い第1の状態では、中皿10の外周フランジ15が段差部23のテーパ部232の下側に落下して支持され、テーパ部232の立ち上がり箇所で中皿10が水平移動することを規制或いは抑制して安定支持することができる。また、第1辺151が第2辺152よりも長い中皿10を第1の状態、第2の状態のいずれで容器本体20に設置する場合にも、テーパ部232で誘導して容器本体20の内側に設置し易くすることができる。
〔第2実施形態の包装用容器の中皿及び包装用容器〕
本考案による第2実施形態の包装用容器の中皿10、容器本体20は、第1実施形態の中皿10、容器本体20と同様であるが、第2実施形態の包装用容器は、図9〜図12に示すように、蓋30を備える点で第1実施形態と相違する。蓋30は、内嵌合で容器本体20に着脱可能なものであり、平面視略正方形で、全体が透明な合成樹脂で形成されている。
本考案による第2実施形態の包装用容器の中皿10、容器本体20は、第1実施形態の中皿10、容器本体20と同様であるが、第2実施形態の包装用容器は、図9〜図12に示すように、蓋30を備える点で第1実施形態と相違する。蓋30は、内嵌合で容器本体20に着脱可能なものであり、平面視略正方形で、全体が透明な合成樹脂で形成されている。
蓋30は、天板31と、天板31の周囲から下方に向かって外側に拡がるように傾斜する略テーパ状の側壁32と、側壁32の下端から外側に向かって略水平に延びる段部33と、段部33の外端から形成された嵌合部34とから構成される。嵌合部34は、端面視で下方に凸の略コ字形に形成されており、蓋30は、嵌合部34を容器本体20の上方に向かって僅かに内側に傾斜する起立部24に嵌め込むことにより、容器本体20を内嵌合で閉鎖可能になっている(図10〜図12参照)。
そして、中皿10の収容部13の側壁12は、第1実施形態と同様に、外周フランジ15よりも上方に立ち上がるように形成され、且つ外壁面123が下方に向かって外側に拡がる略テーパ状に形成されているが、蓋30は、中皿10を容器本体20の内側に上述の第1の状態と第2の状態のいずれで設置した場合にも、側壁32が収容部13の側壁12に接触した状態若しくは離間した状態で、容器本体20を内嵌合で閉鎖可能になっている。
図12の例では、中皿10を容器本体20に第1の状態で設置した場合、蓋30の側壁32が中皿10の側壁12から離間した状態で、蓋30が容器本体20を内嵌合で閉鎖可能になっており(図12(a)参照)、又、中皿10を容器本体20に第2の状態で設置した場合、蓋30の側壁32が中皿10の側壁12から離間した状態或いは部分的に接触した状態で、蓋30が容器本体20を内嵌合で閉鎖可能になっている(図12(b)参照)。
第2実施形態によれば、シール性に優れる内嵌合の構造において、第1の状態と第2の状態のいずれで中皿10を容器本体20に設置した場合でも蓋30を確実に閉じることができる。
〔本明細書開示考案の包含範囲〕
本明細書開示の考案は、考案として列記した各考案、各実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の考案には下記変形例や追記した内容も含まれる。
本明細書開示の考案は、考案として列記した各考案、各実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の考案には下記変形例や追記した内容も含まれる。
例えば異方性を有する収容部の側壁上端の平面視形状は、第1実施形態の四隅で湾曲する平面視略矩形とすることが好ましいが、これに限定されず、例えば平面視略矩形以外の平面視略五角形等の平面視略多角形の形状、平面視略星形の形状、平面視略楕円形の形状など本考案の趣旨の範囲内の適宜形状を採用することが可能である。尚、中皿の収容部への収容量増加の観点からは、平面視略多角形の形状や平面視略楕円形の形状など、外側に膨らみを持つ形状とすることが望ましい。
また、本考案の包装用容器の中皿は、外周縁が平面視略八角形の外周フランジにおいて、第1辺の長さを第2辺の長さよりも長く形成すると好適であるが、第1辺の長さと第2辺の長さを同一の長さとし、且つ上述の第1の状態と第2の状態とで収容部の側壁上端の平面視形状が容器本体の縦横に対して異方性を有する中皿とすることも可能である。また、本考案の包装用容器の中皿には、収容部の一部又は全部が外周フランジよりも下側に位置するものも含まれる。
また、本考案の包装用容器の中皿や容器本体に収容する食品、食材はサラダ、惣菜など適宜である。また、本考案の包装用容器の中皿と容器本体は透明なものとすると好適であるが、いずれか一方又は双方を不透明なものとすることも可能である。また、本考案の包装用容器の中皿、容器本体、蓋を形成する合成樹脂は適宜であり、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等、並びにこれらの2種類以上の樹脂のブレンドを用いることが可能である。
本考案は、例えば惣菜、サラダ等の食品や食材を中皿と容器本体に収容する包装用容器に利用することができる。
10…中皿 11…底部 12…側壁 121…内壁面 122…上端 123…外壁面 124…段部 125…湾曲部 13…収容部 14…段部 15…外周フランジ 151…第1辺 152…第2辺 20…容器本体 21…底部 22…側壁 23…段差部 231…平面部 232…テーパ部 24…起立部 25…外周部 30…蓋 31…天板 32…側壁 33…段部 34…嵌合部
Claims (7)
- 平面視略正方形で上方に開口する包装用容器の容器本体の内側に設置され、前記容器本体の側壁の上部に形成される段差部で外周フランジが支持される合成樹脂製の中皿であって、
前記外周フランジは、その外周縁を構成する第1辺と第2辺が交互に配置されて平面視略八角形に形成され、
前記中皿の略中央に収容部が形成され、
前記容器本体の前記側壁の辺部を縦横に揃えて配置した状態に対して2組の前記第1辺の対向する方向を縦横に揃えて前記容器本体の内側に設置した第1の状態と、前記容器本体の前記側壁の辺部を縦横に揃えて配置した状態に対して2組の前記第2辺の対向する方向を縦横に揃えて前記容器本体の内側に設置した第2の状態とで、前記収容部の側壁の上端の平面視形状が前記容器本体の縦横に対して異方性を有することを特徴とする包装用容器の中皿。 - 前記外周フランジの前記第1辺の長さが前記第2辺の長さよりも長く形成されていることを特徴とする請求項1記載の包装用容器の中皿。
- 前記収容部の前記側壁の上端が平面視略多角形若しくは平面視略楕円形に形成され、前記収容部の前記側壁の上端で囲まれる平面視面積が前記中皿の全体の平面視面積の65%以上を占めていることを特徴とする請求項1又は2記載の包装用容器の中皿。
- 前記収容部の前記側壁の上端が四隅で湾曲する平面視略矩形に形成されていると共に、前記収容部の前記側壁が前記外周フランジよりも上方に立ち上がるように形成され、
前記外周フランジの前記第1辺が前記収容部の前記側壁のそれぞれの辺の部分と略対応するように配置され、
前記外周フランジの前記第1辺よりも長さが短い前記第2辺が前記収容部の前記側壁の湾曲する湾曲部と略対応するように配置され、
前記収容部の前記側壁の下方に向かって外側に拡がる略テーパ状の外壁面の傾斜角度が、前記湾曲部の中央部分に対応する箇所で最も急峻になっていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の包装用容器の中皿。 - 平面視略正方形で上方に開口し、側壁の上部に段差部が形成された合成樹脂製の容器本体と、
前記外周フランジが前記段差部で支持されるようにして前記容器本体の内側に設置される請求項1〜4の何れかに記載の中皿と
を備えることを特徴とする包装用容器。 - 前記外周フランジの前記第1辺の長さが前記第2辺の長さよりも長く形成されていると共に、
前記容器本体の前記段差部の外端部が上方に向かって外側に拡がる略テーパ状に形成されていることを特徴とする請求項5記載の包装用容器。 - 前記中皿の前記収容部の前記側壁が前記外周フランジよりも上方に立ち上がるように形成され、且つ前記収容部の前記側壁の外壁面が下方に向かって外側に拡がる略テーパ状に形成されていると共に、
前記容器本体に内嵌合で着脱可能な合成樹脂製の蓋が設けられ、
前記蓋の側壁は下方に向かって外側に拡がる略テーパ状に形成され、
前記中皿を前記容器本体の内側に前記第1の状態と前記第2の状態のいずれで設置した場合にも、前記蓋の側壁が前記収容部の前記側壁に接触した状態若しくは離間した状態で、前記蓋が前記容器本体を内嵌合で閉鎖可能になっていることを特徴とする請求項5又は6記載の包装用容器。
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