JP4598098B2 - ギヤポンプのシール装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両用ブレーキ装置等の油圧源として好適に用いられるギヤポンプのシール装置に関する。
従来、ギヤポンプとして例えば特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報に記載のギヤポンプは、ハウジング内に駆動軸、従動軸、一対のサイドプレート、およびシール部材を設けている。また、シール部材は弾性体であるため、サイドプレートの低圧側(内周側)にシール部材よりも硬いバックアップリングを設け、シール部材の過剰変形を抑制している。シール部材およびバックアップリングは、ハウジング内周とサイドプレートに挟持されて収装される。
実開平3−123993号公報
しかしながら上記従来技術にあっては、ハウジング内周とサイドプレートとの間隙が大きい場合、バックアップリング−ハウジング内周間、またはバックアップリング−サイドプレート間のクリアランスにシール部材が噛みこみ、シール部材が傷つくおそれがあった。
一方、噛みこみを防ぐためバックアップリングを大径化して締め代を持たせ、ハウジング内周およびサイドプレートとのクリアランスを詰めた場合、バックアップリングの弾性力によってサイドプレートが押圧され、ギヤとサイドプレートとのフリクションが増大してしまう。
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、フリクションの増大を抑制しつつシール部材の噛みこみを防止したギヤポンプのシール装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本願発明では、肩部は、低圧部に設けられ、シール部材は、少なくとも高圧部に面し、略環状であって、内外を低圧部と高圧部に区画し、かつ断面は略L字型に形成され、バックアップ部材は、肩部の先端部に面し、シール部材とほぼ同一の環状であって、シール部材の断面略L字型を形成する溝の内部に位置し、肩部とシール部材との間に、シール部材が弾性変形した際の肉を逃がす収容部を設けた。

よって、フリクションの増大を抑制しつつシール部材の噛みこみを防止したギヤポンプのシール装置を提供できる。
以下、本発明のギヤポンプのシール装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づき説明する。
図1はギヤポンプPのz軸正方向正面図、図2はx軸正方向側面図、図3は図1のI−I断面図である。図1、図2ではハウジング10およびハウジングカバー20のみ断面で示す。
なお、ポンプ組立体100において従動軸120から駆動軸110へ向かう方向をx軸正方向、x軸と直交しポンプ組立体100のシールブロック200方向をy軸正方向、駆動軸110と同軸であってポンプ組立体100に対し図外のモータへ接続する方向をz軸正方向と定義する。また、図4はポンプ組立体100の斜視図、図5、図6はそれぞれy軸正方向正面図、x軸正方向正面図である。
[ハウジング]
ハウジング10には駆動軸支持孔11およびシリンダ孔12が設けられ、ポンプ組立体100は円筒状のシリンダ孔12に収装される。駆動軸110はブッシュを介して駆動軸支持孔11により回転可能に支持される。
シリンダ孔12の内周面は、位置決め用の当接面12aと内壁12bとを有する。当接面12aは、シールブロック200と当接してポンプ組立体100の位置決めを行うため、内壁12bよりも高精度に形成されている。また、ハウジング10のx軸正方向側には吐出ポート13が設けられ、シリンダ孔12と外部とを連通している。
ハウジング10のz軸負方向側にはハウジングカバー20が取り付けられ、シリンダ孔12およびハウジングカバー20によりポンプ組立体100を液密に収装する。また、ハウジングカバー20の軸方向にはz軸方向貫通孔である吸入ポート21が設けられ、ポンプ組立体100に作動油を供給する。
[ポンプ組立体の詳細]
ポンプ組立体100は、シールブロック200、駆動軸110、従動軸120、駆動側および従動側ギヤ130,140(駆動側歯車および従動側歯車)、および第1、第2サイドプレート150,160(一対の側板)を有する。このポンプ組立体100は山型の板ばね300により仮止めされている。また、シールブロック200は第1、第2サイドプレート150,160よりもx軸方向幅を小さく設けられている。
また、第1、第2サイドプレート150,160およびシールブロック200は、径方向平面内(x−y平面内)において駆動軸110と従動軸120の中間線であるII−II直線に対し対称である。さらに、板ばね300もII−II直線に対し対称であって、II−II直線に対し対称な付勢力を有する。駆動軸110と従動軸120の中間線であるため、II−II直線はy軸に平行である。
さらに、ポンプ組立体100と板ばね300とはx−y平面内において部分的に接触し、接点は、シールブロック200のy軸正方向側の点A、および第1、第2サイドプレート150,160のy軸負方向側面151,161であってx軸方向両端部152,162における点B,Cの3点である。
点AはII−II直線上に位置し、このII−II直線は駆動軸110と従動軸120の軸心Op,Osの中点Mを通ってy軸に平行である。点B,Cはそれぞれy軸負方向側から軸心Op,Osを通るIII−III直線よりもy軸負方向側に位置する(図1参照)。
以下、点接触と記載する場合はx−y平面内において点接触することを示す。x−y−z空間で考えた場合、x−y平面内における点接触はz軸方向の直線上での線接触となる。すなわち、板ばね300は接点Aを通りz軸に平行な直線内でシールブロック200と線接触し、接点B,Cを通りz軸に平行な直線内で第1、第2サイドプレート150,160と線接触する。
したがって、ポンプ組立体100は点Aにおいてy軸正方向側を係止され、点B,Cにおいてy軸正方向側に付勢される。この点A,B,Cの3点支持により、板ばね300はシールブロック200をy軸正方向側から第1、第2サイドプレート150,160に押し付け、ポンプ組立体100の仮止めを行っている。
また、第1、第2サイドプレート150,160よりもシールブロック200の方がx軸方向幅は小さいため、シールブロック200のy軸正方向側を点Aによる1点支持、第1、第2サイドプレート150,160のy軸負方向側を点B,Cによる2点支持とすることにより、シールブロック200を安定的にy軸負方向側へ付勢するものである。
(駆動軸および従動軸)
駆動軸および従動軸110,120はそれぞれ駆動側および従動側ギヤ130,140と一体回転可能に設けられており、また駆動軸110はz軸正方向端部において図外のモータと接続する。駆動側および従動側ギヤ130,140は互いに噛合う平歯車であり、この噛合いにより駆動軸110の回転に伴って従動軸120が回転するよう設けられている。なお、図2では従動側ギヤ140のみ図示するが、駆動側ギヤ130も同一形状の平歯車である。
(サイドプレート)
第1、第2サイドプレート150,160は略8の字型の同一形状部材であり、それぞれ駆動軸貫通孔153,163および従動軸貫通孔154,164が設けられている。y軸正方向面150a,160aはx軸方向中央部においてy軸負方向に凹み、凹部150b,160bを形成する。
この凹部150b,160bとハウジングカバー20の吸入ポート21が連通することで作動油の供給が行われる。凹部150b,160bのx軸正方向両側の曲面は駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168b、となり、x軸負方向側の曲面は従動側シール面158b、168bとなってシールブロック200とのシールを行う。
組み付け時には、z軸正方向側の第1サイドプレート150とz軸負方向側の第2サイドプレート160により駆動側および従動側ギヤ130,140を挟持し、駆動軸貫通孔153,163および従動軸貫通孔154,164にそれぞれ駆動軸および従動軸110,120を貫通させる。組み付け後には、各ギヤ130,140の歯先131,141は駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168bよりも外径側に位置する。
また、第1サイドプレート150のz軸正方向側面155および第2サイドプレート160のz軸負方向側面165には、それぞれ第1、第2シールリング170,180が設けられている。この第1、第2シールリング170,180はそれぞれ駆動軸110および従動軸120を囲繞し、また第1シールリング170はハウジング10と当接し、第2シールリング180はハウジングカバー20と当接する。
これにより駆動および従動軸110,120と第1、第2サイドプレート150,160との摺動面は各シールリング170,180の内側となって吸入領域Din(第1油室)を形成し、各シールリング170,180の外側すなわち吐出領域Dout(第2油室)と液密にシールされる。
なお、第1、第2シールリング170,180の内周側にはそれぞれ第1、第2バックアップリング190a,190bが設けられている。この第1、第2バックアップリング190a,190bは各シールリング170,180よりも硬い材質で設けられ、吐出圧による各シールリング170,180の過剰変形を防止する保持部材の役割を果たす。
また、第1、第2サイドプレート150,160にはそれぞれ第1、第2段部156,166が設けられている。第1段部156はサイドプレート150のx軸正方向側面155のz軸正方向側を切り欠いて設けられる。同様に、第2段部166は第2サイドプレート160のx軸負方向側面165のz軸負方向側を切り欠いて設けられている。
第1、第2段部156,166によって、第1、第2サイドプレート150,160のx軸方向両側面157,167はx軸方向内側に切り欠かれる。したがってx−y平面内においては、第1、第2段部156,166と、第1サイドプレート150のz軸正方向側面151および第2サイドプレート160のz軸負方向側面161とは、互いに異なる曲率を有することとなる。
また、各第1、第2段部156,166のz軸方向幅は、板ばね300を形成する第1、第2金属板301,302のz軸方向幅よりも広く設けられる。
このように、第1、第2段部156,166と、第1サイドプレートz軸正方向側面151および第2サイドプレートz軸負方向側面161とを互いに異なる曲率とし、さらに第1、第2金属板301,302のz軸方向幅よりも広く設けることで、板ばね300を装着した際に板ばね300と第1、第2段部156,166が当接しないよう設けることとする。
したがって、板ばね300は両端部321,322内側の点B,Cにおいてのみ第1、第2サイドプレート150,160と接し、シールブロック200を係止する点Aとともにポンプ組立体100は3点支持される。第1、第2段部156,166によってx軸方向両側面157,167はx軸方向内側に切り欠かれているため、脚部320と第1、第2段部156,166との干渉を回避し、確実に3点支持を行うものである。
なお、第1、第2サイドプレート150,160の形状は、両端部321,322の付勢力が確実にy軸正方向成分を持ち、かつ脚部320とx軸方向両側面157,167との干渉を回避可能なものであればよく特に限定しない。すなわち、板ばね300と点接触してy軸正方向の付勢力を得られる形状であればよい。
(シールブロック)
シールブロック200はy軸正方向においてハウジング10内周の当接面12と当接して位置決めされ、y軸負方向側において第1、第2サイドプレート150,160に当接してシールを行う部材である。y軸負方向側には略8の字型の第1、第2サイドプレート150,160の駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168bと同じ曲率の円弧面である駆動側、従動側シール面210,220が設けられ、駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168bと液密に当接する。
上述のように、ポンプ駆動時においては駆動側ギヤ130および従動側ギヤ140の歯先131,141は第1、第2サイドプレート150,160の駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168bよりも外径側に位置する。
そのため、この駆動側、従動側シール面210,220には各ギヤ130,140の歯先131,141に沿って歯先131,141の当たりによりシール面210,220が削られ、歯当たり面211,221が形成されることになる。これにより、シール面210,220と歯先131,141との接触を回避しつつ、クリアランスをほぼゼロとしてシール性を確保する。
また、歯当たり面211,221の間の領域は、z軸方向全幅にわたってy軸正方向に凹んで凹部230を形成してもよい。この凹部230は、第1、第2サイドプレート150,160の凹部150b、160bとともに吸入ポート21から駆動側、従動側ギヤ130,140の噛合い部に作動油を導く吸入領域Dinとして機能する。
一方、シールブロック200のy軸正方向側面240は円弧状に形成され、z軸正、負方向端面201,202には第3、第4段部251,252が設けられる。第3、第4段部251,252はy軸正方向に突出する凸形状を有し、II−II直線(駆動軸110と従動軸120の軸心Op,Osの中点Mを通ってy軸に平行な直線)上に位置するy軸正方向端部253,254において、板ばね300と当接する接点Aを形成する。
また、第3、第4段部251,252によりシールブロック200はz軸正方向側に突出する突出部250を形成することとなる。すなわち、板ばね300の第1、第2金属板301,302は接点Aにおいてシールブロック200と当接する。これにより、板ばね300はシールブロック200の突出部250にはめ込まれて位置決めされるとともに、第3、第4段部251,252と当接してシールブロック200のy軸正方向を係止する。
また、図2および図3に示すように、第1サイドプレート150のz軸正方向側面155と第2サイドプレート160のz軸負方向側面165の距離は、シールブロック200のz軸方向幅と同一となるよう設けられている。
したがって、各サイドプレート150,160に設けられる第1、第2シールリング170,180もシールブロック200のz軸両端面と当接する。これにより、各サイドプレート150,160の駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168bと、シールブロック200のシール面210,220は、z軸両端面においても各シールリング170,180によりシールされることとなる。
(液圧差によるシールブロック押し付け)
ポンプ駆動時には、駆動側および従動側ギヤ130,140の駆動によって吸入通路Dのz軸負方向側から作動油が吸入され、z軸正方向側から吐出される。これによりポンプ組立体100およびシールブロック200の当接面以外の外周側は吐出側となって高圧に、当接面は吸入側となって低圧となるため、ポンプ駆動に伴ってy軸負方向への差圧が発生する。
この差圧によりポンプ組立体100はシールブロック200がy軸負方向に付勢され、ポンプ組立体100とシールブロック200の当接面のシール性を向上させるものである。
[板ばねの詳細]
図7は板ばね300単体の斜視図である。板ばね300はポンプ組立体100の仮止めを行う部材であって、形状および弾性力はx軸方向の中点A'に対し対称である。板ばね300を用いることで、コイルばねと異なり経時劣化による弾性力低下の影響を回避する。
この板ばね300は、平行に設けられた2つの山型状金属板301,302を接続することにより形成される。また、2つの金属板301,302は、脚部320の両端部321,322およびシールブロック200のx軸方向両脇において接続部303〜306により接続される(図4〜図6参照)。
また、z軸正方向側に設けられる接続部303,304および金属板301,302によって嵌合孔311が形成される。この嵌合孔311にシールブロック200の突出部250を嵌め込むことて、組み付け時の位置決めが容易となる(図10:第3工程参照)。
また、板ばね300はx軸方向中点である点A'を湾曲中心とし、y軸正方向を凸として湾曲する。点A'はII−II直線上に位置し、この点A'に対し対称に変形する。板ばね300のx軸方向中央部310はシールブロック200にまたがり、点A'においてシールブロック200の接点Aと点接触する。組み付け時には両接点A,A'は一致する。
一方、中央部310からx軸両側かつy軸負方向側に延在する脚部320は、y軸負方向に延在して第1、第2サイドプレート150,160に嵌め込まれる。脚部320の両端部321,322におけるx軸方向内側の点B',C'において第1、第2サイドプレート150,160の接点B,Cと点接触する。
[アッセンブリ工程]
(第1工程:図8)
第1工程においては、駆動軸110、従動軸120,第1、第2サイドプレート150,160をそれぞれ組み付け、第1サブアッセンブリ100aとする。
(第2工程:図9)
第2工程では、第1サブアッセンブリ100aにシールブロック200を組み付け、第2サブアッセンブリ100bとする。組み付け時にはシールブロック200を第1、第2サイドプレート150,160の駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168bに押しつける。
その際、駆動側シール面158a,168aおよび従動側シール面158b,168b上に設けられたリブ500,600を塑性変形させ、シールブロック200のシール面210,220と確実に当接させて液密性を確保する。なお、リブ500,600は省略してもよい。
(第3工程:図10)
第3工程では、第2サブアッセンブリ100bに板ばね300をy軸正方向側から嵌合させ、ポンプ組立体100を形成する。山型の板ばね300をシールブロック200にまたがらせ、接点Aに当接させたまま第1、第2サイドプレート150,160に対し着脱可能に嵌合させる。
これにより脚部両端部321,322は、第1、第2サイドプレート150,160のx軸負方向面端部152,162に当接する。板ばね300は弾性力により第1、第2サイドプレート150,160をy軸正方向に付勢し、接点Aにおいてシールブロック200のy軸正方向側を係止することで、ポンプ組立体100の仮止めを行う。
また、シールブロック200における各段部251,252はシールブロック200のz軸両方向面に設けられている。同様に第1サイドプレート150の第1段部156は第1サイドプレートz軸正方向側面155に設けられ、第2サイドプレート150の第2段部166は第2サイドプレートz軸負方向側面165に設けられる。
ここで、シールブロック200および第1、第2サイドプレート150,160は安価な焼結成形によることが望ましい。焼結成形する際は、焼結型をz軸方向からはめ込んで成形するが、各段部251,252および156,166がz軸方向端面に開口している。
したがって、焼結型に各段部251,252および156,166の型を設けることで、シールブロック200および第1、第2サイドプレート150,160を焼結成形時に、各段部251,252および156,166を同時に形成し、低コストな焼結成形を用いつつ加工工数を低減し、コスト削減を図る。なお、第1、第2工程において駆動、従動軸110,120および各ギヤ130,140をアッセンブリ用のダミー工具としてもよい。
[シールリングおよびバックアップ部材]
図11はポンプ組立体100の分解斜視図である。また、図12は第1サイドプレート150のz軸正方向正面図、図13はy軸正方向正面図である。図14、図15はシールブロック200、図16、図17は第1シールリング170、図18、図19は第1バックアップリング190aの正面図である。いずれもz軸正方向正面図およびy軸正方向正面図を示す。
なお、各シールリング170,180およびバックアップリング190a,190bは対称形であるため、図12〜図19では第1シールリング170および第1バックアップリング190aのみ示す。
第1、第2シールリング170,180はそれぞれ第1、第2サイドプレート150,160の肩部159,169に係合される。この肩部159,169は駆動軸貫通孔153,163および従動軸貫通孔154,164の周囲に設けられ、第1サイドプレート150のz軸正方向側面155および第2サイドプレート160のz軸負方向側面165からそれぞれz軸正、負方向側に突出する段部である。
また、第1、第2シールリング170,180はシールブロック200の肩部270にも係合される。肩部270はシールブロック200のz軸正、負方向端面201,202からz軸正、負方向側に突出する段部である。
これにより第1、第2シールリング170,180はシールブロック200と第1、第2サイドプレート150,160との間に形成される吸入領域Din(第1油室:低圧部)を液密にシールする。以下、説明のため第1サイドプレート150、第1シールリング170、および第1バックアップリング190aについてのみ示し、単にシールリング170、バックアップリング190aと記載する。
シールリング170およびバックアップリング190aはそれぞれy軸正方向側に凸、y軸負方向側に凹形状を有し、シールリング170はy軸正方向側部173においてシールブロック200の肩部270と係合する。また、x軸正、負方向側部172において第1サイドプレート150の肩部159に係合する。
シールリング170の内周にはz軸負方向側に凹む溝171が設けられている。この溝171の内径はバックアップリング190aの外径と同形状に設けられる。バックアップリング190aのy軸正方向側部191aはシールリングy軸正方向側部173と係合し、バックアップリング190aのx軸正、負方向側部192aはシールリングx軸正、負方向側部172と係合する。シールリング170は溝171にバックアップリング190aを嵌め込んだ状態で各肩部159,270に係合する。
[バックアップリング脱落防止]
図20はハウジング10および板ばね300を省略したポンプ組立体100のz軸正方向正面図である。バックアップリング190aはサイドプレート肩部159およびシールブロック肩部270において係合されるが、係合が甘いと脱落するおそれがある。
したがって、図20における点a,b,cでは各肩部159,270に対し所定の締め代をもって内接させ、点d,e,fでは間隙を設ける。これにより点a,b,cにおける締め付け力を持ってバックアップリング190aおよびシールリング170を確実に係合させる。また、点d,e,fで間隙(クリアランスh5)を設けたことでシールリング170の噛み込みを防止する(以下詳述)。
[シールリング噛み込み防止]
図21〜図24は組み付け時における点d(図20参照)付近のz軸方向断面図である。図21は組み付け前、図22は吐出圧低圧時、図23は吐出圧中圧時、図24は吐出圧高圧時である。なお、点e,f付近の断面図も同様である。
(組み付け前:図21)
ポンプ組立体100をハウジング10に対し組み付ける前のシールリング170のz軸方向幅はh1である。なお、シールリング170およびバックアップリング190aを係合するサイドプレート150の肩部159においては、z軸方向幅はh2である。すなわち、肩部159の先端部159aと付け根部159b間の距離はh2である。
組み付け後はシールリング170がz軸方向に縮み、縮み代はh3である。したがって、組み付け後におけるシールリング170のz軸方向幅はh1−h3、肩部159とシールリング170のz軸方向高さの差はh4となる。
h1>h2であるため、シールリング170およびバックアップリング190aのz軸正方向側の一部が肩部159から突出する。突出量はh1−h2(=h3+h4:図22参照)である。
なお、ポンプPが作動する前における肩部159とバックアップリング190aとのx軸方向におけるクリアランスはh5、肩部159の付け根部159bとシールリング170とのx軸方向におけるクリアランスはh6であり、ともに肩部159には当接していない。h5<h6であるため、当接の際はバックアップリング190aが先に肩部159に当接することとなる(図23参照)。
なお、クリアランスh6を設けることで、後述するシールリング170の弾性変形時にシールリング170の一部を収容する収容部(隙間)が形成される。クリアランスh6が収容部(隙間)となる。
(吐出圧低圧時:図22)
組み付けによってシールリング170がサイドプレート150およびハウジング10に挟持されて押圧され、縮み代h3分だけシールリング170のz軸方向高さが減少する。シールリング170と肩部159との高さの差であるh4は、肩部159−ハウジング10間のクリアランスとして保持される。
なお、
吐出領域Doutからシールリング170に作用する力=Fx
シールリング170およびバックアップリング190aと、ハウジング10およびサイドプレート150との接触摩擦力の合力=N
とすると、この時点ではFx<Nであるためシールリング170は内径側(図21ではx軸負方向側)に変形せず、x軸方向位置は変化しない。
(吐出圧中圧時:図23)
吐出圧が上昇して中圧となると、吐出領域からシールリング170に作用する力Fxが大きくなり、摩擦力の合力Nを上回ってシールリング170が内径方向(x軸負方向側)に変形・移動する。
これに伴いバックアップリング190aも内径側に変形・移動し、クリアランスh5=0となってバックアップリング190aと肩部159が当接する。なお、シールリング170のz軸負方向側部176はまだ肩部159に当接していない(h6>0)。
(吐出圧高圧時:図24)
吐出圧が高圧となると、シールリング170のz軸負方向側部176も肩部159に当接する(h6=0)。バックアップリング190aは中圧時において既に肩部159に当接しているため(h5=0)、バックアップリング190aと肩部159との間にシールリングz軸負方向側部176の一部が噛み込むことはない。
(比較例)
図25は比較例における吐出圧高圧時のz軸方向断面図である。比較例(組み付け前)における肩部159−バックアップリング190a間のクリアランスh5と、肩部159−シールリング170間クリアランスh6の関係は、h5>h6である。
したがって吐出圧が上昇するとバックアップリング190aよりもシールリングz軸負方向側部176のほうが先に肩部159に当接する(h5>0、h6=0)。このためシールリングz軸負方向側部176の肉が圧縮されてバックアップリング190a−肩部159間クリアランスh5に噛み込んでしまう。本願では、比較例とは逆にh5<h6に設定しているため噛み込みは発生しない。
[シールリングによるサイドプレート押し付け力の変化]
図26〜図29はサイドプレート150に対するシールリング170の押し付け力Fzを示す図である。図26は比較例、図27〜図29は本願である。図27は吐出圧低圧時、図28は中圧時、図29は高圧時を示す。
(比較例)
比較例ではバックアップリング190aは設けられておらず、またシールリング170は組み付け前において肩部159にあらかじめ当接しているものとする。したがって吐出領域Doutから受ける油圧によりシールリング170'は弾性変形するが、あらかじめ肩部159に当接しているため肉の逃げ場が存在しない。
このため弾性変形したシールリング170'はz軸負方向側の全面においてサイドプレート150をz軸負方向側に押圧し、この押し付け力Fzがサイドプレート150と駆動および従動側ギヤ130,140とのフリクションとなってしまう。
(本願)
本願ではバックアップリング190aを設け、さらに組み付け前においてバックアップリング190a−肩部159間にクリアランスh5を設ける。また、シールリング170のz軸負方向側部176−肩部159間にクリアランスh6を設けている。
したがって、吐出領域Doutから押圧された場合であってもシールリング170はすぐには肩部159に当接せず、シールリングz軸負方向側部176のx軸負方向側のクリアランスh6が肉の逃げ場となる。
ここで、シールリングz軸負方向側部176においてバックアップリング190aに当接する部分を当接部176a、当接しない部分を非当接部176bとする。非当接部176bのz軸方向両側にはハウジング10およびサイドプレート150が存在し、x軸負方向側には当接部176aが存在するため肉の逃げ場がなく非当接部176bでは弾性変形した肉がサイドプレート150をz軸負方向側に押圧する。
一方、当接部176aにおいてはクリアランスh6が確保されている限りz軸負方向側に肉が逃げる。そのため当接部176aにおいてはサイドプレート150はz軸負方向側に押圧されず、その分サイドプレート150に対するシールリング170の押し付け力Fzが小さくなってサイドプレート150と駆動および従動側ギヤ130,140とのフリクショントルクTが低減される。
シールリングz軸負方向側部176の当接部176aと肩部159とのクリアランスh6=0となる状態(吐出圧高圧時)では、シールリング170のz軸負方向側前面にわたってz軸負方向側に一定の押し付け力Fzが発生し、比較例と同様となる。
クリアランスh6が確保される状態(吐出圧低圧、中圧時)では、上述のようにサイドプレート150に対するシールリング170の押し付け力Fzが比較例と比べて小さくなり、吐出圧低圧、中圧時においては比較例に対しフリクション面で有利となる。
[フリクションおよびリーク量の対比]
図30、図31は本願と比較例の対比である。図30は吐出圧−押し付け力Fz、図31は吐出圧−フリクショントルクTおよびリーク量Qを示す。
上述のように、シールリングz軸負方向側部176とサイドプレート肩部159とのクリアランスh6が確保されている場合、押し付け力Fzは本願のほうが比較例に対し小さくなる。したがってクリアランスh6=0となる吐出圧までは本願のほうが押し付け力FzおよびフリクショントルクTは小さい。
また、押し付け力Fzが小さくなると駆動、従動側ギヤ130,140とサイドプレート150とのシール性が小さくなる。そのため、比較例に比べて本願ではリーク量Qが増大するが(図31参照)、h6=0となる高圧時には比較例と本願は同等の押し付け力Fzを発生するため、高圧時におけるリーク量Qは比較例と本願で同一となる。
通常のブレーキ使用領域の上限をクリアランスh6>0の領域内に設定すれば、通常ブレーキ時には常時クリアランスh6が確保されてフリクショントルクTが抑制され、ポンプ組立体100の機械効率が向上する。また、急ブレーキ時など高圧を使用する場合、クリアランスh6=0となってリーク量Qが比較例と同等レベルまで低減し、急ブレーキ時における応答性が確保される。
[実施例1の効果]
(1)(21)ハウジング10とサイドプレート150,160との間に配置され、ハウジング10またはサイドプレート150,160に形成された肩部159,169に設けられ、駆動側、従動側ギヤ130,140のラジアル方向に形成される吐出領域Dout(高圧部)と吸入領域Din(低圧部)とを区画するシールリング170,180(シール部材)と、
シールリング170,180を補強するバックアップリング190a,190b(バックアップ部材)と
を備え、
肩部159,169は、吸入領域Dinに設けられ、
シールリング170,180は、少なくとも吐出領域Doutに面し、
バックアップリング190a,190bは、吸入領域Dinに面するとともに肩部159,169の先端部159a,169aに面し、
肩部159,169の付け根部159bとシールリング170,180との間に、少なくともシールリング170,180が弾性変形した際にシールリング170,180の一部を収容可能なクリアランスh6(収容部)を設けた。
これにより、フリクションの増大を抑制しつつシール部材の噛みこみを防止したギヤポンプのシール装置を提供することができる。
(2)(15)シールリング170,180は、略環状かつ断面略L字型に形成され、
バックアップリング190a,190bは、シールリング170,180とほぼ同一形状であって、シールリング170,180の断面略L字型を形成する溝171の内部に位置することとした。
これにより、簡単・確実にバックアップリング190a,190bを保持することができる。
(4) シールリング170,180とバックアップリング190a,190bは、互いに一体的に組みつけられることとした。
(6)クリアランスh6は、シールリング170,180と肩部159,169との間に形成されることとした。
これにより、バックアップリング190a,190bと肩部159との間へのシールリング170,180の噛み込みを確実に抑制することができる。
(7)(19)(22)吐出領域Doutと吸入領域Dinが少なくとも等圧である場合、シールリング170,180およびバックアップリング190a,190bと肩部159,169との間にはクリアランスh5、h6が設けられ、
吐出領域Doutが吸入領域Dinよりも相対的に高圧となった際、シールリング170,180およびバックアップリング190a,190bは肩部159,169に対し近接する方向(吸入領域Din側:内径方向:x軸負方向側)に移動し、
バックアップリング190a,190bは、シールリング170,180よりも先に肩部159,169に当接することとした。
これにより、上記(1)と同様の効果を得ることができる。
(9)シールリング170,180は、略環状の円周方向で肩部159,169に対し複数箇所の点a,b,cで所定の締め代をもって当接することとした。
これにより、点a,b,cにおける締め付け力を持ってバックアップリング190aおよびシールリング170を確実に係合させることができる。また、点d,e,fで間隙(クリアランスh5)を設けたことでシールリング170の噛み込みを防止することができる。
(12)シールリング170,180は、少なくともバックアップリング190a,190bに対し弾性力を付与することとした。これにより、確実に噛み込みを防止できる。
(14)190a,190bは、シールリング170,180の弾性力によって少なくともクリアランスh6(隙間)およびハウジング10方向の2方向に弾性変形することとした。
これにより、上記(1)と同様の効果を得ることができる。
(16)クリアランスh6は、シールリング170,180と肩部159,169との間に形成されることとした。これにより、上記(1)の効果を確実に得ることができる。
(18)シールリング170,180とバックアップリング190a,190bは、互いに嵌合されて一体となることとした。
これにより、シールリング170,180とバックアップリング190a,190bが互いに脱落することを抑制できる。
(3)(17)なお、シールリング170,180とバックアップリング190a,190bは、別部材で形成されることとしてもよい。
別部材で組みつけられるため、吐出圧によるシールリング170,180の弾性変形が容易となる。
以下、実施例1の変形例である。
[実施例1−1]
(10)図32はシールリング170の断面を変更し、矩形の頂点の1つを面取りした面取り部177を有する形状に形成した例である。バックアップリング190aは断面略三角形であって、シールリング170の面取り部177に設けられることとする。
[実施例1−2]
図33は実施例1のシールリング170とバックアップリング190aのz軸方向位置を変更した例である。
[実施例1−3]
図34はシールリング170を断面略円形とした例である。
[実施例1−4]
図35はシールリング170のx軸正方向側面に凹部178を設け、吐出圧を受けやすくした例である。
実施例1−1〜1−4は、いずれにおいても肩部159−シールリング170間のクリアランスh6が確保されるため、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
実施例2につき図36に基づき説明する。基本構成は実施例1と同様である。実施例2では、シールリング170のx軸負方向側部176にx軸正方向に凹む変形許容凹部179を設け、吐出圧によってシールリング170が押圧された際は、クリアランスh6に加えてこの変形許容凹部179に肉を逃がす。
(11)収容部は、シールリング170,180に形成され、吐出領域Doutに臨んで設けられた変形許容凹部179であることとした。これにより、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。なお、変形許容凹部179は肉を逃がすものであればよく、図37に示すようにシールリングz軸負方向側部176を一部切り欠いたものであってもよい。
(5)実施例3につき図38に基づき説明する。実施例3ではシールリング170およびバックアップリング190aにそれぞれ係合部175a,176aおよび193a,194aを設け、互いに一体とされる。これにより、シールリング170とバックアップリング190aとが互いに脱落することを防止できる。
(8)実施例4につき説明する。図39は実施例4におけるシールリング170およびバックアップリング190a付近の断面図、図40はシールリング170の形成時における断面図である。実施例4では、シールリング170のx軸負方向側(肩部159側)への移動量を規制する移動量規制部176bを設ける。
シールリング170はz軸正方向側部175を形成する型とz軸負方向側部176を形成する型を組み合わせ、型成形により形成される。成形時に型の分割位置(z軸負方向側部176のz軸正方向側端部)でバリ176b,176cが形成されるため、z軸負方向側のバリ176bをそのまま移動量規制部176bとする。z軸正方向側のバリ176cは除去する。
シールリング170がx軸負方向側に移動した際、この移動量規制部176bが肩部159に当接することによりシールリングz軸負方向側部176のx軸負方向側移動量が規制される。これによりシールリング170が肩部159−バックアップリング190a間クリアランスh5に噛み込むことを回避する。
また、万が一噛み込みが発生した場合であっても、本来不要なバリである移動量規制部176bが噛み込まれるため、シールリング170自体へのダメージは小さい。これにより、実施例1と同様の効果を得ることができる。なお、図41に示すように移動量規制部176bはz軸負方向側部176のz軸負方向側端部に設けてもよい。
実施例5につき説明する。図42、図43はシールリング170のx軸方向両側に肩部159が設けられている例である。図42は比較例、図43は本願である。なお、図42、図43では、実施例1〜4とは逆に吸入領域Dinがx軸正方向側、吐出領域Doutがx軸負方向側となる。
(比較例)
L字型のシールリング170のx軸方向両側に肩部159が設けられ、さらにポンプ逆回転等によって吸入領域Dinと吐出領域Doutとが反転した場合、吐出圧によってシールリング170がx軸負方向側から押圧され、吸入領域Dinに噛み込んでしまう。
(本願)
本願ではシールリング170を逆T字型とし、シールリング170のx軸方向両側にバックアップリング190aを設ける。これによりx軸方向両側に肩部159が設けられ、さらにポンプ逆回転等によって吸入領域Dinと吐出領域Doutとが反転した場合であっても、シールリング170の噛み込みを防止することができる。
実施例6につき説明する。実施例6では、本願ギヤポンプPをブレーキ装置のホイルシリンダ増圧用として用いる。
[油圧回路]
図44は本発明のポンプPが適用される油圧ユニットHUの油圧回路構成である。油圧ユニットHUは、ホイルシリンダW/CとマスタシリンダM/Cとに接続されている。
ブレーキ回路は独立した2つの系統、すなわちP系統とS系統に分かれ、各系統に対応したブレーキ回路10P,20Sを有している。ブレーキ回路10Pは左前輪のホイルシリンダW/C(FL)と右後輪のホイルシリンダW/C(RR)とに接続され、ブレーキ回路20Sは右前輪のホイルシリンダW/C(FR)と左後輪のホイルシリンダW/C(RL)とに接続されており、いわゆるX配管構造となっている。なお、ブレーキ回路はX配管でなくともよい。
ブレーキペダルBPは、運転者の踏み込み操作を倍力装置BSおよびインプットロッドIRを介してマスタシリンダM/Cへ伝達する。ブレーキペダルBPには、運転者のブレーキ操作の有無を検出するブレーキスイッチ18が設けられている。
マスタシリンダM/Cはタンデム型であり、前後に並んだ2つのマスタシリンダピストンによってシリンダの中に2つの液圧室が隔成されている。2つの液圧室は、それぞれリザーバタンクRESからブレーキ液の供給を受ける。一方の液圧室はブレーキ回路10Pに接続され、他方の液圧室はブレーキ回路20Sに接続されている。
マスタシリンダM/Cは、ブレーキペダルBPが踏み込まれると、ブレーキペダルBPの踏み込み量に応じた液圧(以下、マスタシリンダ圧Pmcという)を上記2つの液圧室に発生する。このマスタシリンダ圧Pmcが、それぞれブレーキ回路10P,20Sに供給される。
なお、各マスタシリンダピストンの外周には周知のカップ状のシール部材が設けられており、ピストンストローク時には、このシール部材により各液圧室とリザーバタンクRESとの連通が遮断されることで、各液圧室内の加圧が可能となる。
このとき、リザーバタンクRESからはブレーキ回路10P,20Sへブレーキ液が供給されず、マスタシリンダM/Cの液圧室からのみブレーキ回路10P,20Sへブレーキ液が供給されることになる。
一方、ブレーキペダルBPが戻されると、各マスタシリンダピストンが(液圧室内に設けられた)戻しバネの力で戻される。このとき、上記シール部材の構造により、マスタシリンダM/Cの液圧室とリザーバタンクRESが連通する。これにより、リザーバタンクRESのブレーキ液をマスタシリンダM/Cの液圧室に供給することが再び可能となる。
ブレーキ回路10PのマスタシリンダM/C側(以下、上流という)からホイルシリンダW/C側(以下、下流という)に向かう途中には、常開の比例電磁弁であるアウト側ゲート弁GV−OUT(P)が設けられている。ブレーキ回路10Pにはアウト側ゲート弁GV−OUT(P)と並列に油路10jが接続されている。
油路10j上には、下流側から上流側へ向かうブレーキ液の流れを防止するチェック弁10pが設けられている。以下、アウト側ゲート弁GV−OUT(P)上流側のブレーキ回路10Pをブレーキ回路10nとし、アウト側ゲート弁GV−OUT(P)下流側のブレーキ回路10Pをブレーキ回路10kという。
ブレーキ回路10kは、ブレーキ回路10a,10bに分岐している。ブレーキ回路10a,10bは、それぞれホイルシリンダW/C(FL,RR)に接続している。ブレーキ回路10a,10b上には、常開の電磁弁である増圧弁IN/V(FL、RR)がそれぞれ設けられている。
ブレーキ回路10aには、増圧弁IN/V(FL)と並列に油路10lが接続されている。油路10l上には、上流側から下流側へ向かうブレーキ液の流れを防止するチェック弁10qが設けられている。同様に、増圧弁IN/V(RR)と並列に接続された油路10m上には、上流側から下流側へ向かうブレーキ液の流れを防止するチェック弁10rが設けられている。
増圧弁IN/V(FL、RR)の下流側のブレーキ回路10a,10bには、リターン回路10c,10dがそれぞれ接続されている。リターン回路10c,10dにはそれぞれ常閉のオン・オフ電磁弁である減圧弁OUT/V(FL),15が設けられている。リターン回路10c,10dは合流してリターン回路10eを形成している。リターン回路10eは、油圧ユニットHU内に設けられたリザーバ16に接続している。
一方、アウト側ゲート弁GV−OUT(P)の上流側のブレーキ回路10nには、吸入回路10gが接続している。吸入回路10g上には、吸入回路10gの連通・遮断を切り換える常閉のオン・オフ電磁弁であるイン側ゲート弁GV−IN(P)が設けられている。吸入回路10gは、リザーバ16からのリターン回路10fと合流して吸入回路10hを形成している。
油圧ユニットHUには、マスタシリンダM/C以外の液圧源として、ブレーキ液の吸入・吐出を行うポンプPが設置されている。ポンプPはモータMにより作動するギヤポンプであり、第1ポンプP1(P系統)および第2ポンプP2(S系統)を備えている。
第1ポンプP1の吸入側は、吸入回路10hに接続されている。第1ポンプP1の吐出側は、吐出回路10iに接続されており、吐出回路10iを介してブレーキ回路10kに接続されている。
なお、リターン回路10f上には、チェック弁10sが設けられており、吸入回路10g(イン側ゲート弁GV−IN(P))からリザーバ16へ向かうブレーキ液の流れを防止する。
吐出回路10i上には、チェック弁10uが設けられており、ブレーキ回路10k(アウト側ゲート弁GV−OUT(P))またはブレーキ回路10a,10b(ホイルシリンダW/C)から第1ポンプP1(吐出側)へ向かうブレーキ液の流れを防止する。
ブレーキ回路20S側の油圧回路も、上記ブレーキ回路10Pと同様に構成されている。なお、イン側ゲート弁GV−IN(P)よりも上流側のブレーキ回路10n上には、マスタシリンダ圧Pmcを検出するマスタシリンダ圧センサMC/Senが設けられている。
(ブレーキ制御)
上記構成の油圧ユニットHUは、通常ブレーキ時において下記倍力制御を実行可能であるほか、車両挙動制御等の自動ブレーキ制御やアンチスキッド制御を実行可能である。
ここで車両挙動制御とは、車両の実ヨーレイトをヨーレイトセンサ等により検出し、また、舵角センサ等を用いて目標ヨーレイトを求め、この目標ヨーレイトと実ヨーレイトとが一致するように特定の車輪のみに制動力を付与する公知の技術である。また、アンチスキッド制御とは、擬似車体速度と車輪速度との関係からスリップ率等を算出し、このスリップ率が所望の値となるようにホイルシリンダ圧の増減圧制御を行う公知の技術である。
車両挙動制御等の自動ブレーキ制御時には、ブレーキ回路10P側を例にとると、アウト側ゲート弁GV−OUT(P)を閉弁する一方、イン側ゲート弁GV−IN(P)を開弁する。同時にポンプPを作動させ、マスタシリンダM/Cから吸入回路10g,10hおよび吐出回路10iを介してブレーキ回路10a,10bに向けてブレーキ液を供給する。
さらに、車両挙動安定に必要な制動力に応じたホイルシリンダ目標液圧Pwc*を発生させるように、アウト側ゲート弁GV−OUT(P)または増圧弁IN/V(FL、RR)を制御する。ブレーキ回路20S側でも同様である。
また、アンチスキッド制御時には、車輪FLを例にとると、ホイルシリンダW/Cに接続されている減圧弁OUT/V(FL)を開弁するとともに増圧弁IN/V(FL)を閉弁し、ホイルシリンダW/Cのブレーキ液をリザーバ16に排出することにより減圧を行う。また、車輪FLがロック傾向から回復したら、減圧弁OUT/V(FL)を閉弁してホイルシリンダ圧を保持する。
また、ポンプPを作動させるとともに増圧弁IN/V(FL)を開弁して適宜増圧を行う。ポンプPは、減圧時にリザーバ16に逃がしたブレーキ液をブレーキ回路10kに戻す役割を果たす。
[実施例6の効果]
(13)(20)(23)ギヤポンプPは車両用ブレーキ装置に適用され、制動時等の回転要求時(車両挙動制御でホイルシリンダW/Cの増圧が必要な場合やアンチスキッド制御でリザーバ16,26の残留液をブレーキ回路10k、20kに戻す場合)に回転され、非制動時等の非回転要求時(ホイルシリンダW/Cの増圧が不要な場合)には停止されることとした。
これにより、圧力変動が大きく回転と停止が頻繁に繰り返される場合であっても、シールリング170,180の噛み込みを防止して耐久性を向上させることができる。
実施例7は、車両用ブレーキ装置として実施例6とは異なる油圧回路を用いる例である。
[実施例7におけるブレーキ装置の油圧回路]
図45は、実施例7におけるブレーキ装置の油圧回路構成を示す。
ブレーキ制御装置は、倍力装置BSを介してブレーキペダルBPに接続されたマスタシリンダMCと、マスタシリンダMCに接続され、マスタシリンダ圧を車両の各車輪FL,FR,RL,RRのホイルシリンダW/C(FL)〜W/C(RR)に供給する液圧制御ユニットを有している。この液圧制御ユニットは、ポンプPや複数の電磁弁6等を有しており、制御指令に応じて、上記ABS制御やVDC制御等の自動ブレーキ制御を実行可能に設けられている。
以下、4輪FL,FR,RL,RRのそれぞれに対応して設けられている構成については、a,b,c,dの記号を添えて区別するものとし、aは前左輪FL、bは前右輪FR、cは後左輪RL、dは後右輪RRにそれぞれ対応する構成を表すこととする。
油圧回路は独立した2つの系統に分かれており、第1ブレーキ回路1および第2ブレーキ回路2を有している。第1ブレーキ回路1は、マスタシリンダMC、第1増圧制御弁6、およびホイルシリンダW/C(FL〜RR)を接続する通常ブレーキ回路である。
第2ブレーキ回路2は、リザーバタンクRES、ポンプP、第2増圧制御弁7、およびホイルシリンダW/C(FL〜RR)を接続する制御ブレーキ回路である。なお、ホイルシリンダW/C(FL〜RR)、減圧制御弁8、およびリザーバタンクRESを接続するリターン回路が、第2ブレーキ回路2との間で油路を一部共通しつつ、設けられている。
ブレーキペダルBPは、運転者のブレーキ操作を倍力装置BSへ伝達する。ブレーキペダルBPにはストロークセンサS/Senが設けられている。ストロークセンサS/Senは、ブレーキペダルBPのストロークを検出する。
倍力装置BSは、ブレーキペダルBPから伝達される力を例えばエンジン負圧により増幅し、該増幅した力をマスタシリンダMC(のピストン)に伝達してマスタシリンダMCを作動させることで、運転者の踏力をアシストする。なお、モータの駆動力によりブレーキ操作力を補助する電動ブースタを用いてもよい。
リザーバタンクRESは、ブレーキ液を貯留するタンデム型のリザーバタンクであり、マスタシリンダMCおよび第2ブレーキ回路2に接続されている。なお、リザーバタンクRESはタンデム型に限られない。
マスタシリンダMCは、倍力装置BSから伝達される力を油圧に変換し、上記力に比例したマスタシリンダ圧を発生する。マスタシリンダMCはタンデム型であり、2つのマスタシリンダピストンにより隔成された2つの液圧室を有している。
2つの液圧室は、それぞれ別々にリザーバタンクRESからブレーキ液の供給を受ける。一方の液圧室は、第1ブレーキ回路1の一方の分岐回路である第1ブレーキ回路1Aに接続されている。他方の液圧室は、第1ブレーキ回路1の他方の分岐回路である第1ブレーキ回路1Bに接続されている。第1ブレーキ回路1Aは前輪FL,FR側の系統であり、第1ブレーキ回路1Bは後輪RL,RR側の系統である。
また、マスタシリンダMCは、2つのマスタシリンダピストンにより隔成された2つの背圧室を有している。これらの背圧室はそれぞれリザーバタンクRESに連通している。
ブレーキペダルBPが踏み込まれると、上記2つのマスタシリンダピストンがストロークして、上記2つの液圧室に同じマスタシリンダ圧を発生する。このマスタシリンダ圧が、それぞれ第1ブレーキ回路1A、1Bに供給される。
なお、各マスタシリンダピストンの外周にはシール部材が設けられており、ピストンストローク時には、このシール部材により各液圧室とリザーバタンクRESとの連通が遮断されることで、各液圧室内の加圧が可能となる。
このとき、リザーバタンクRESからは第1ブレーキ回路1A、1Bへブレーキ液が供給されず、マスタシリンダMCの液圧室からのみ第1ブレーキ回路1A、1Bへブレーキ液が供給されることになる。
リザーバタンクRES側を上流とし、ホイルシリンダW/C(FL〜RR)側を下流とすると、油路1A、1Bの下流側には、それぞれホイルシリンダW/C(FL),W/C(FR)が接続されている。油路1A、1B上には、それぞれ第1増圧制御弁6a,6bが設けられている。
第1増圧制御弁6bより上流側の油路1Bにはマスタシリンダ圧センサMC/Senが設けられている。マスタシリンダ圧センサMC/Senは、マスタシリンダ圧を検出する。
第1増圧制御弁6は常開の電磁弁であり、コイルに流される電流値によりバルブ開度が比例的に変化する、いわゆる比例弁である。第1増圧制御弁6a〜6dは指令電流により開閉動作を行い、それぞれ油路2a〜2dを連通・遮断する。
マスタシリンダ圧がホイルシリンダW/C(FL)〜W/C(RR)の圧力(ホイルシリンダ圧)より高いときは、開弁することでマスタシリンダ圧をホイルシリンダW/C(FL)〜W/C(RR)に供給し、閉弁することで上記供給を遮断する。一方、ホイルシリンダ圧がマスタシリンダ圧より高いときは、開弁することでホイルシリンダ圧をマスタシリンダMCに供給し、閉弁することで上記供給を遮断する。
ホイルシリンダ圧センサ13a〜13dは、ホイルシリンダW/C(FL)〜W/C(RR)の圧力(ホイルシリンダ圧)をそれぞれ検出する。なお、いずれかの輪でブレーキ失陥が発生したときは、ホイルシリンダ圧センサ13a〜13dによりこれを検出するとともに、失陥が発生した輪に対応する第1増圧制御弁6a〜6dを遮断する。
リザーバタンクRESに接続された第2ブレーキ回路2の下流側には、ポンプPが接続されている。ポンプPは、リザーバタンクRESから吸い上げたブレーキ液を下流側(第2増圧制御弁7a〜7d)へ高圧で供給する。
モータMは電動式であり、ポンプPを駆動する。なお、モータM以外の他の駆動力源を用いてポンプPを駆動することとしてもよい。
ポンプPの下流側の第2ブレーキ回路2には、下流側から上流側へのブレーキ液の流れを防止するチェック弁9が設けられている。
第2ブレーキ回路2は、チェック弁9の下流側で第2ブレーキ回路2Aおよび第2ブレーキ回路2Bに分岐している。第2ブレーキ回路2Aの下流側は油路2a、2bに分岐している。
同様に、第2ブレーキ回路2Bの下流側は油路2c、2dに分岐している。油路2a〜2dはそれぞれホイルシリンダW/C(FL)〜W/C(RR)に接続されている。油路2a〜2d上には、それぞれ第2増圧制御弁7a〜7dが設けられている。
第2増圧制御弁7a〜7dは常閉の比例電磁弁であり、それぞれ油路2a〜2dを連通・遮断する。開弁することでポンプ圧をホイルシリンダW/C(FL)〜W/C(RR)に供給し、閉弁することで上記供給を遮断する。
第2増圧制御弁7a〜7dの下流側の油路2a〜2dには、それぞれ油路3a〜3dが接続されている。油路3a〜3dは、それぞれポンプPの上流側の第2ブレーキ回路2に接続されており、第2ブレーキ回路2を介してリザーバタンクRESに接続されている。
油路3a〜3d上には、それぞれ減圧制御弁8a〜8dが設けられている。「ホイルシリンダW/C(FL)〜W/C(RR)→減圧制御弁8a〜8d→リザーバタンクRES」により、ブレーキ液をホイルシリンダW/C(FL〜RR)からリザーバタンクRESに戻すリターン回路が形成されている。
減圧制御弁8a〜8dは比例電磁弁である。前輪側の8a、8bは常閉弁であり、後輪側の8c、8dは常開弁である。減圧制御弁8a〜8dは指令電流により開閉動作を行い、それぞれ油路3a〜3dを連通・遮断する。開弁することでブレーキ液をホイルシリンダW/C(FL)〜W/C(RR)からリザーバタンクRESに戻し、ホイルシリンダ圧を抜き減圧する。閉弁状態では上記抜き減圧は行われない。
ポンプPとチェック弁9との間の第2ブレーキ回路2には、リリーフ用の油路2eが接続されている。油路2eは、減圧制御弁8a〜8dの上流側の油路3a〜3d(のいずれか)に接続されており、油路3a〜3dおよび第2ブレーキ回路2を介してリザーバタンクRESに接続されている。なお、油路2eをポンプPの上流側のブレーキ回路2に直接接続してもよい。
また、油路2e上にはリリーフ弁10が設けられている。リリーフ弁10は、ポンプ圧が所定値(例えば本油圧回路の所定耐圧)以上となった場合に開弁し、ポンプPの吐出側をリザーバタンクRESに連通させる。これによりポンプ圧をリザーバタンクRESに開放し、ポンプ圧が上記所定値以上になることを防止する。
[実施例7の効果]
実施例7にあっても、実施例6と同様の作用効果を得る。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
実施例1におけるギヤポンプのz軸正方向正面図である。 実施例1におけるギヤポンプのx軸正方向正面図である。 図1のI−I断面図である。 実施例1におけるポンプ組立体の斜視図である。 実施例1におけるポンプ組立体のy軸正方向正面図である。 実施例1におけるポンプ組立体のx軸正方向正面図である。 実施例1における板ばね単体の斜視図である。 実施例1におけるギヤポンプの組立第1工程である。 実施例1におけるギヤポンプの組立第2工程である。 実施例1におけるギヤポンプの組立第3工程である。 ポンプ組立体100の分解斜視図である。 第1サイドプレート150のz軸正方向正面図である。 第1サイドプレート150のz軸正方向正面図である。 シールブロック200のz軸方向正面図である。 シールブロック200のy軸方向正面図である。 第1シールリング170のz軸方向正面図である。 第1シールリング170のy軸方向正面図である。 第1バックアップリング190aのz軸方向正面図である。 第1バックアップリング190aのy軸方向正面図である。 ハウジング10および板ばね300を省略したポンプ組立体100のz軸正方向正面図である。 組み付け時における点d付近のz軸方向断面図である(組み付け前)。 組み付け時における点d付近のz軸方向断面図である(吐出圧低圧時)。 組み付け時における点d付近のz軸方向断面図である(吐出圧中圧時)。 組み付け時における点d付近のz軸方向断面図である(吐出圧高圧時)。 比較例における吐出圧高圧時のz軸方向断面図である。 サイドプレート150に対するシールリング170の押し付け力Fzを示す図である(比較例)。 サイドプレート150に対するシールリング170の押し付け力Fzを示す図である(本願吐出圧低圧時)。 サイドプレート150に対するシールリング170の押し付け力Fzを示す図である(本願吐出圧中圧時)。 サイドプレート150に対するシールリング170の押し付け力Fzを示す図である(本願吐出圧高圧時)。 本願と比較例の対比である(吐出圧−押し付け力Fz)。 本願と比較例の対比である(吐出圧−フリクショントルクTおよびリーク量Q)。 実施例1−1を示す図である。 実施例1−2を示す図である。 実施例1−3を示す図である。 実施例1−4を示す図である。 実施例2を示す図である(収容部として凹部を設けた例)。 実施例2の変形例である。 実施例3を示す図である(係合部を設けた例)。 実施例4におけるシールリング170およびバックアップリング190a付近の断面図である。 実施例4におけるシールリング170の形成時における断面図である。 実施例4の変形例である。 実施例5を示す図である(比較例)。 実施例5を示す図である(本願:シールリング170のx軸方向両側に肩部159が設けられている例)。 本願ポンプを適用した油圧回路である。 本願ポンプを適用した油圧回路である。
符号の説明
10 ハウジング
150,160 サイドプレート150,160
130,140 駆動側、従動側ギヤ
159,169 肩部
159a,169a 先端部
170,180 シールリング(シール部材)
171 溝
175a,176a 係合部
176b 移動量規制部
179 変形許容凹部(収容部)
190a,190b バックアップリング(バックアップ部材)
193a,194a 係合部
Dout 吐出領域(高圧部)
Din 吸入領域(低圧部)
h6 クリアランス(収容部)
a,b,c 点(複数箇所)
P ギヤポンプ

Claims (11)

  1. 少なくとも一対の噛み合うギヤと、
    前記ギヤに隣接して配置されたサイドプレートと、
    前記サイドプレートを挟み、前記ギヤと対向した位置に配置されたハウジングと、
    前記ハウジングと前記サイドプレートとの間に配置され、前記ハウジングまたは前記サイドプレートに形成された肩部に設けられ、前記ギヤのラジアル方向に形成される高圧部と低圧部とを区画するシール部材と、
    前記シール部材を補強するバックアップ部材と
    を備え、
    前記肩部は、前記低圧部に設けられ、
    前記シール部材は、少なくとも前記高圧部に面し、略環状であって、内外を前記低圧部と高圧部に区画し、かつ断面は略L字型に形成され、
    前記バックアップ部材は、前記肩部の先端部に面し、前記シール部材とほぼ同一の環状であって、前記シール部材の断面略L字型を形成する溝の内部に位置し、
    前記肩部の付け根部と前記シール部材との間に、少なくとも前記シール部材が弾性変形した際に前記シール部材を収容可能な収容部を設けたこと
    を特徴とするギヤポンプのシール装置。
  2. 請求項に記載のギヤポンプのシール装置において、
    前記シール部材と前記バックアップ部材は、別部材で形成されること
    を特徴とするギヤポンプのシール装置。
  3. 請求項に記載のギヤポンプのシール装置において、
    前記シール部材と前記バックアップ部材は、互いに一体的に組みつけられること
    を特徴とするギヤポンプのシール装置。
  4. 請求項に記載のギヤポンプのシール装置において、
    前記シール部材と前記バックアップ部材は、それぞれに互いに係合する係合部を有し、この係合部によって一体とされること
    を特徴とするギヤポンプのシール装置。
  5. 請求項1に記載のギヤポンプのシール装置において、
    前記収容部は、前記シール部材と前記肩部との間に形成されたクリアランスであること
    を特徴とするギヤポンプのシール装置。
  6. 請求項に記載のギヤポンプのシール装置において、
    前記高圧部と前記低圧部が少なくとも等圧である場合、前記シール部材および前記バックアップ部材と前記肩部との間にはクリアランスが設けられ、
    前記高圧部が前記低圧部よりも相対的に高圧となった際、前記シール部材および前記バックアップ部材は前記肩部に対し近接する方向に移動し、
    前記バックアップ部材は、前記シール部材よりも先に前記肩部に当接すること
    を特徴とするギヤポンプのシール装置。
  7. 請求項に記載のギヤポンプのシール装置において、
    前記シール部材は、このシール部材の前記肩部方向への移動量を規制する移動量規制部を有すること
    を特徴とするギヤポンプのシール装置。
  8. 請求項に記載のギヤポンプのシール装置において、
    前記シール部材は、環状の円周方向で、前記肩部に対し環状の円周方向所定の複数箇所で所定の締め代をもって当接すること
    を特徴とするギヤポンプのシール装置。
  9. 請求項1に記載のギヤポンプのシール装置において、
    前記収容部は前記シール部材に形成され、前記高圧部に臨んで設けられた変形許容凹部であること
    を特徴とするギヤポンプのシール装置。
  10. 請求項1に記載のギヤポンプのシール装置において、
    前記シール部材は、少なくとも前記バックアップリングに対し弾性力を付与すること
    を特徴とするギヤポンプのシール装置。
  11. 請求項1に記載のギヤポンプのシール装置において、
    前記ギヤポンプは車両用ブレーキ装置に適用され、回転要求時に回転され、非回転要求時には停止されること
    を特徴とするギヤポンプのシール装置。
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