JP4596819B2 - Ats装置 - Google Patents

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本発明はATS装置に係り、特に、電圧レベル検知方式を採用したものに関する。
従来、この種のATS装置(自動列車停止装置)としては、変周方式が知られている(非特許文献1,2参照)。この変周方式のATS装置は、図10に示されるように、レール(軌道)rを走行する列車イに搭載される車上装置50には、発振器(OSC)51、フィルタ回路(バンンドパスフィルタ)52、レベル検知器53、整流器54及びCPU55が含まれ、また、その列車イの先頭下部には疎結合のトランスで構成される車上子56が設けられていて、この車上子56は、車上装置50のOSC51の入力,出力間に接続して設けられている。そして、上記OSC51は、所定の増幅率μの増幅器の役割を有し、また、車上子56は、所定の減衰率βの減衰器の役割を有し、μ×β=1となる発振の条件が成立して発振されている。この発振周波数は各鉄道事業者向として予め決められている。
上記構成の変周方式のATS装置は、車上装置50を搭載した列車イが地上子57に接近して電磁結合状態におかれると、OSC51の出力の一部が車上子56を通るとき、車上の周波数(例えば103KHz)は、地上子57のQが十分に高いために周波数の引込現象によって地上の周波数(例えば130KHz)に変周させられる。したがって、CPU55は、それまでの周波数(103KHz)から地上子の周波数(130KHz)に変化したことをもって列車イが地上子57上に位置したことを検知することができる。
しかしながら、この変周方式のATS装置は、発振を不安定な状態で作り出す仕組みであることから分るように、理論上、ノイズ及び妨害波に弱いという欠点がある。特に、車上子56は、コイルを合成樹脂でモールドしたトランスからなり、周辺の金属の影響により車上子56の一次コイル及び二次コイルの結合特性が変化するだけでなく、車両によりその結合度が変るという問題がある。さらに、車上子56の使用環境によっても車上子56の結合度が変化するために、定期的に車上子56の結合度調整を行わなければならないという面倒があった。
そこで、本出願人は、上述のような変周方式の不安定な帰還発振回路を用いない発振回路を備えたATS装置を提案している(特許文献1参照)。この提案に係るATS装置は、図11に示されるように、車上装置60は、地上に設置されている地上子65に対応した周波数f1 〜fn を安定して常時発生させる信号発生器S1 〜Sn を有し、これら信号発生器S1 〜Sn から発生された各信号(f1 〜fn )は、加算回路61を介して車上子62に供給されるように構成されている。また、この車上子62からは、リミッタ63を介して分別器64に信号が入力されるように構成されている。そして、この分別器64には、上記複数の信号発生器S1 〜Sn の各周波数f1 〜fn をそれぞれ通過させる複数のフィルタ回路F1 〜Fn が設けられている。
上記提案に係るATS装置は、列車イが所定の周波数(図11の例ではf1 )を送出している地上子65に接近し、車上子62と地上子65とが電磁結合状態におかれると(図12のt1 〜t2 参照)、車上子62の周波数は、図12のf1 に示されるように地上子65の周波数f1 に同調させられる。このため、周波数f1 以外の信号f2 〜fn は、リミッタ63により抑圧され(図12のF2 ,F3 参照)、地上子65に係る周波数f1 の信号のみが分別器64から出力される(図12のF1 参照)。これにより、車上装置60は、列車イは地上子65の位置に位置したことを検知することができる。
平成9年4月15日 (社)日本鉄道電気技術協会発行(四版) 鉄道技術者のための電気概論 信号シリーズ7 P.6〜22 平成3年7月20日 (株)交友社(第17版)発行 信号 P.557〜569 特開平8−58588号公報
しかしながら、上記提案に係るATS装置は、車上装置に地上に設けられている地上子に対応した周波数の信号を発生することのできる信号発生器を有しているので、従来の変周方式のATS装置に比べて常時安定した信号を発生でき、また、周囲の環境変化によって影響を受けないなどの優れた特長を有しているが、リミッタを用いて信号を抑圧して検知する方式なので、分別器の出力側では、信号発生器側の状態を監視できないという不都合があった。加えて、近年、列車制御の高度化により、地上・車上間の情報量を増やしたいという要望があり、さらに、装置の冗長度を高めたいという要望もあった。また、地上子の状態を日常的に監視したいという要望があるとともに、従来の変周式のATS装置と同等、もしくはそれ以下の外形寸法にしたいという要望があった。
そこで、本発明は、上記欠点を解決するとともに、上記要望に応えるためになされたものであって、その目的は、信号発生状態を常時監視でき、かつ、地上・車上間の情報量を増加でき、さらに、装置の冗長度を高めることのできるATS装置を提供するとともに、地上子を日常的に検測できるようにし、また、各要素の小型化により消費電力及び発熱量の小さい特長を有するATS装置を提供することにある。
本発明に係るATS装置は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、列車の走行する軌道に沿って設けられた地上子で用いられている、周波数の異なる複数の信号に対応した複数の信号を含む所定のスペクトラム信号をスペクトラム拡散方式により、周期的に発生させる信号発生手段と、発生した前記スペクトラム信号を前記列車に設けられている車上子を構成する一方のコイルに供給する供給手段と、前記車上子を構成する他方のコイルから前記スペクトラム信号を入力するとともに、その入力したスペクトラム信号をFFT演算処理して周波数毎のスペクトラムを出力するFFT演算処理回路と、出力された各スペクトラムのうち、所定以上のレベルのスペクトラムが検出されたときにそのスペクトラムの周波数に対応した地上子上に前記列車が位置していると判定する判定手段と、からなり、前記スペクトラム信号は、前記スペクトラムの間隔が前記地上子で用いられている前記複数の異なる周波数の周波数間隔より狭く設定されていることを特徴としている。
本発明の請求項2に記載のATS装置は、前記FFT演算処理回路から出力された信号に基づいて信号発生手段を監視する監視手段を設けたことを特徴としている。
本発明の請求項に記載のATS装置は、供給手段は、車上から地上へ送信する所定の情報も供給することを特徴としている。
本発明の請求項に記載のATS装置は、車上子は、列車の他方のエンド側に設けられている車上子と切換え接続が可能に構成されていることを特徴としている。
本発明の請求項1に記載のATS装置は、列車の走行する軌道に沿って設けられた地上子で用いられている、周波数の異なる複数の信号に対応した複数の信号を含む所定のスペクトラム信号をスペクトラム拡散方式により、周期的に発生させる信号発生手段と、発生したスペクトラム信号を前記列車に設けられている車上子を構成する一方のコイルに供給する供給手段と、前記車上子を構成する他方のコイルからスペクトラム信号を入力するとともに、その入力したスペクトラム信号をFFT演算処理して周波数毎のスペクトラムを出力するFFT演算処理回路と、出力された各スペクトラムのうち、所定以上のレベルのスペクトラムが検出されたときにそのスペクトラムの周波数に対応した地上子上に前記列車が位置していると判定する判定手段とからなり、前記スペクトラム信号は、前記スペクトラムの間隔が前記地上子で用いられている前記複数の異なる周波数の周波数間隔より狭く設定されているので、単一の信号発生器で地上側で用いられている全周波数をカバーでき、消費電力が少なく、したがって発熱量も小さく、しかも、小型化できるという特長がある。また、FFT演算処理により、列車と地上子とが電磁結合したことを的確に検知することができるとともに、その電磁結合した地上子の検測を効果的に行うことができる。
本発明の請求項2に記載のATS装置は、前記FFT演算処理回路から出力された信号に基づいて信号発生手段を監視する監視手段を設けたので、信号発生手段の異常状態を検出することができる。
本発明の請求項に記載のATS装置は、供給手段は、車上から地上へ送信する所定の情報も供給するので、車上情報を地上側へ効果的に送出することができる。
本発明の請求項に記載のATS装置は、車上子は、列車の他方のエンド側に設けられている車上子と切換え接続が可能に構成されているので、一方のエンド側のATS装置が故障しても他方のエンド側のATS装置を使用でき、冗長度を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るATS装置の参考の概略構成図であって、軌道(レール)rを走行する列車イの車上装置1には、軌道rに沿って設けられている地上子a1 で用いられている周波数に対応した信号を常時発生させる信号発生器2が設けられている。
図1においては、地上子a1 は、1個のみ設けられているが、実際は、軌道rの所定箇所に所定の間隔を保って複数個設けられていて、信号機の現示等に対応した所定の周波数の信号を車上(列車イ)に向けて送信することができるように構成されている。この所定の周波数の例としては、123KHzや130KHz等である。
上記信号発生器2は、地上子a1 で用いられている種類の周波数の信号f1 〜fn を発生させることのできる複数の発振回路からなる複数の信号発生回路S1 〜Sn で構成されている。したがって、信号発生器2は、地上側(地上子側)で用いられる周波数の種類が3個の場合は3個の信号発生回路S1 〜S3 が用いられ、また、その種類が5個の場合は5個の信号発生回路S1 〜S5 が用いられる。
図1中、3は、変調器であって、車上から地上へ送出するための車上情報、例えば、列車イの列車番号や緩急別情報等の所定の車上情報を生成するもので、上記信号発生器2の各信号発生回路S1 〜Sn で用いられる周波数と異なる周波数からなる搬送波を車上情報で変調処理ができるように構成されている。そして、この変調器3から出力された信号は、上記各信号発生回路S1 〜Sn から発生された各信号と加算回路4で合わせられて接続トランスTを介して列車イの先端下部に設けられている車上子5を構成する一方のコイル(一次コイル)6aに供給(印加)されるように構成されている。
この車上子5を構成する他方のコイル(二次コイル)6bは、接続トランスTを介して車上装置1に設けられている分別器7に入力されるように構成されている。この分別器7には、上記信号発生器2で出力している複数の信号f1 〜fn をそれぞれ分別して抽出できるように、各信号f1 〜fn をそれぞれ通過させるためのバンドパスフィルタ8a〜8nと、バンドパスフィルタ8a〜8nから出力された信号の電圧レベルをそれぞれ判定するレベル判定回路9a〜9nと、レベル判定回路9a〜9nの出力をそれぞれ整流する整流回路10a〜10nとが設けられている。そして、これら整流回路10a〜10nの出力は、所定の演算処理を行なうことのできるCPU11に入力されるように構成されている。このCPU11は、本発明の判定手段を担っている。
図1中、12は、上記分別器7への入力信号の一部を分岐して入力し、後述する地上で用いられている所定の周波数からなる搬送波を通過させるためのバンドパスフィルタであり、このバンドパスフィルタ12の出力は、地上から車上に対する、例えば、地上子距離情報、先行列車位置情報、踏切機器の駆動状態情報等の所定の地上情報を復調処理する復調器13に出力できるように構成されている。そして、この復調器13の出力は、上記CPU11に入力されるように構成されている。
図1中、a2 及びa3 は地上子であって、実際は一つの地上子であるが、説明の便宜上、2つに分けて示されている。これら地上子a2 ,a3 は、上記地上子a1 と同様に車上子5が所定距離の範囲内に位置したときに地上・車上間の情報伝達ができるように構成されている。このうち、地上子a2 は、車上子5と電磁結合したときに車上(列車イ)の変調器3で生成された車上情報を地上に設けられている復調器14に出力できるように構成されている。したがって、復調器14は、受信した車上情報を図示しない上位機器に送出することができ、上位機器では受信した車上情報を基に各種の列車制御を行うことができる。また、地上子a3 は、車上子5と電磁結合したときに地上に設けられている変調器15で生成された地上情報を車上(列車イ)に送出できるように構成されている。この車上に送出された情報は、上述のように、車上(列車イ)に設けられているバンドパスフィルタ12及び復調器13を介してCPU11に取込まれるように構成されている。なお、この変調器15の搬送波の周波数は、車上(列車イ)側に設けられている信号発生器2及び変調器3で使用されているものと異なるものが用いられる。
上記構成からなるATS装置の制御動作を図1の概略構成図、図2のフローチャート及び図3(a),(b)のスペクトラム特性を示した図を用いて説明する。今、列車イの運転開始により車上装置1の電源が投入されたとする(ステップ100肯定。以下、ステップを「S」とする。)。車上装置1の電源がONになると信号発生器2から信号f1 〜fn が発生させられるとともに、変調器3で車上情報が生成され(S102)、これら信号は、加算回路4及び車上子5を介して分別器7に入力されるとともに、車上子5を介して地上側へも送出される(S104)。分別器7の整流回路10a〜10nからは、分別器7に入力された電圧に応じたレベルの信号f1 〜fn が検出される。図3(a)は、信号発生器2の信号発生回路S1 〜Sn が4個の場合を示しており、以下、信号発生器2からは4種類の信号f1 〜f4 が発生されているとして説明する。また、図1中の地上子a1 は、これら4種類のうちの信号f3 の信号を出力するものとして示されている。
信号発生器2の各信号発生回路S1 〜S4 が正常であれば(S106肯定)、各整流回路10a〜10dからは、図3(a)に示されるように、各信号発生回路S1〜S4 から発生された信号に基づく所定の電圧レベルの信号f1 〜f4 が出力される。したがって、CPU11では、これら信号f1 〜f4 が出力されていることをもって、信号発生器2側が正常であると判定することができる。また、例えば、信号発生器2の信号発生回路S1 がダウンして信号f1 の出力がないとき、図3(a)のf1 の信号が検出されないので、CPU11は、信号発生器2側に異常が発生していると判定し、後述するエンド装置の切換え処理を行うこともできる(S106否定。S107)。
さて、CPU11により正常と判定され、列車イの走行が開始されてその列車イの車上子5が地上子a1 に電磁結合されると、車上子5の周波数f3 と地上子a1 の周波数f3 とが同調して分別器7の整流器10c(図1では省略されている。)の信号f3 の出力の電圧レベルが図3(b)に示されるように所定以上となる(S108肯定)。したがって、CPU11では、図示しない記憶部に地上子毎の周波数を記憶しているので、信号f3 が所定以上の電圧レベルとなったことをもって列車イ(車上子5)が信号f3 を出力している地上子a1 上に位置していることを検知することができるとともに、その受信した信号f3 に基づいて所定の列車制御を行うことができる(S110)。
また、列車イの走行により車上子5が地上子a2 に電磁結合されると、車上情報がその地上子a2 及び復調器14を介して受信され、受信された車上情報は、図示しない上位機器に送出されて列車制御用等に利用される(図2では省略)。さらに、列車イの走行により車上子5が地上子a3 に電磁結合されると(S112肯定)、地上情報がその地上子a3 、車上子5及び復調器13を介して受信され、受信された地上情報は、CPU11に送出されて列車制御用等に利用される(S114)。
図4は、上記異常処理時(S106否定、S107)のエンド装置切換えの説明図である。すなわち、列車イには、上記図1に示される車上装置1が列車の一方の先頭車両と他方の先頭車両(後尾車両)に設けられている。この図4では、左側の車上装置1aを組込んだ装置を1エンド装置(1END装置)20aとし、右側の車上装置1bを組込んだ装置を2エンド装置(2END装置)20bとしている。そして、この図4中に示されるリレー及び接点は、1エンド側の車上子5aと2エンド側の車上子5bとを切換えるための切換回路を示している。この切換回路により、例えば、列車イが1エンド側に進行する場合、1END装置20aの車上装置1aが故障のときは、その1END装置20aの車上装置1aを切離して2END装置20bの車上装置1bを用いることとなる。すなわち、1END装置20aの車上装置1aが故障した場合、図1では省略されているCPU11によって正常リレーが落下(OFF)してその車上装置1aが切離され、そして、切換えスイッチSW1 が係員によりONされることにより1エンド側の車上子5aが2END装置の車上装置1bに接続される。したがって、1エンド側は、その1エンド側の車上子5a及び2エンド側の車上装置1bを用いて列車運転を継続することができる。また、これとは逆に、列車イが2エンド側に進行する場合、2END装置20bの車上装置1bが故障のときは、その2END装置20bの車上装置1bを切離して1END装置20aの車上装置1aを用いることができる。このようにして車上装置の冗長度が高められている。なお、信号発生器2に異常が発生したときは、上述のような切換処理を行わずに列車停止を行って復旧処理を行うことも可能である。しかし、上述のように切換処理を行うと、列車運行を継続することができる。
図5は、本発明の別の参考の形態に係るATS装置の概略構成図であり、上記図1と同じ構成要素には同一符号が付されている。したがって、これら同一符号の構成要素についての説明は省略する。
図5中、30はアナログデジタル回路(A/D回路)であり、接続トランスTの二次側から得られるアナログ信号をデジタル信号に変換できるように構成されている。また、図中、31は、A/D回路30から得られた信号を一定時間毎にサンプリングして周波数を分析処理する、周知のFFT演算処理回路である。そして、図中、32は、このFFT演算処理回路31の出力を検波し、所定のしきい値を用いて地上子との結合状態を検出するパターンDET(検波回路)である。
図6は、上記構成からなるATS装置の動作を説明するためのスペクトラム特性を示す図で、FFT演算処理回路31の出力状態を表していて、同図(a)は、車上子5が地上子(ここでは地上子a1 とし、この地上子a1 の周波数はf3 とする。)に電磁結合する前の状態を示し、同図(b)は、車上子5が地上子a1 に電磁結合している状態を示している。
すなわち、FFT演算処理回路31は、信号発生回路S1 〜Sn (図6の例ではS1 〜S4 )が正常であれば、図6(a)に示されるように、4個のピークを有する周波数成分が出力される。したがって、CPU11は、この4個のピークの有無を所定の照査レベルを用いて信号発生器2の状態を監視することができる(図6(a),(b)の照査レベル参照)。すなわち、CPU11は、これら4個のピークが存在することをもって信号発生器2を正常と判定し、いずれか一つのピークが存在しないときには信号発生器2に異常発生したと判定することができる。そして、車上子5と地上子a1 とが電磁結合されると、図6(b)に示されるように、地上子a1 の周波数f3 に起因して周波数f3 のレベルが信号発生器2を監視するための照査レベルよりも高い値となり、パターンDET32では所定の受信レベルを用いて周波数f3 が所定の値を越えたと判定される。これにより、CPU11は、車上子5が地上子a1 と電磁結合したと検知することとなる。
車上子5が地上子a1 と電磁結合したときの周波数成分は、CPU11の図示しないメモリに記憶される。そして、このメモリに記憶された周波数成分は、後日、図示しない信号読取器を用いて読出されて地上子a1 の状態が検査される。すなわち、信号読取器によりメモリに記憶されていた周波数成分を読取り、その読取られたデータの分析の結果、地上子a1 の周波数が、例えば130KHzとされている場合、メモリから読取られて検出されたピーク値が135KHzであれば、地上子a1 の周波数は、所定値よりも5KHzずれていると判定され、地上子a1 の保守点検の資料とされる。
上記構成からなるFFT演算処理回路31を有するATS装置においては、上述のように、列車イの走行に伴って地上子を日常的に検測することができる他に、FFT演算処理回路31を備えているので、車上子5が地上子と電磁結合したときに、その地上子を的確に検知することが可能となる。すなわち、上記図1に示される電圧レベルを検出して地上子を検知する場合、例えば、周波数f3 の地上子と電磁結合した場合、他の地上子の周波数f2 がその地上子の周波数f3 と接近しているときは、車上子が周波数f3 の地上子と電磁結合すると周波数f2 の信号も誘起されて電圧レベルが高くなるおそれがある。しかし、この実施例のように、FFT演算処理回路31を用いる場合、上述のような信号の誘起があっても誤判定のおそれがなく、目的とする地上子をクリアに検出することができる。
図7は、本発明の一実施形態に係るATS装置の概略構成図であり、上記図1及び図5と同じ構成要素には同一符号が付されている。したがって、これら同一符号の構成要素についての説明は省略する。
図7中、2aは、上記図1及び図5に示される信号発生器2に対応した信号発生器であり、後に詳述する信号発生回路S′と、その信号発生回路S′からの出力信号を増幅処理する周知の増幅回路で構成される増幅回路40と、その増幅回路40からの出力信号のうち、所定の帯域の信号のみを通過させるための周知のバンドパスフィルタからなるバンドパスフィルタ41と、そのバンドパスフィルタ41の出力信号を車上子5に接続するための上記図1及び図5に示されている接続トランスと同様の接続トランスTとから構成されている。
上記信号発生回路S′は、スペクトラム拡散方式により、地上側(地上子側)で用いられる全周波数を含む複数の信号を連続的に出力するように構成されている。すなわち、この信号発生回路S′は、所定の変周クロック信号fc により送信される信号の帯域が規定されるとともに、所定のビット数Nにより帯域内での送信する信号数が決定されるシフトレジスタ42と、フィードバック用の排他的論理和回路43と、送信信号帯域の中心周波数f0 を規定する論理和回路43とから構成されていて、M系列符号(Maximum Length Linear Shift Register Sequence)を発生させて信号を連続的に拡散させるように構成されている。
この信号発生回路S′を具体的な数値を用いて説明すると、地上側の地上子a1 では、通常の地上子と同様に、103KHz,108.5KHz,123KHz及び130KHzの4種類の周波数が用いられているとする。したがって、この信号発生回路S′では、少なくともこの4種類の周波数の信号を含む信号を周期的に発生する必要がある。ところで、上記4種類の周波数帯域は、103〜130KHzであるので、スペクトラムの中心周波数の搬送波を115KHzとすることができる。そして、拡散周波数を25KHzとすると地上側で用いられている周波数(103〜130KHz)をカバーすることができる。また、符号の長さ(2n −1)(nはシフトレジスタの段数)は、シフトレジスタ42の段数で規定されるので、その段数を6とすると、スペクトラム間隔は、25KHz÷(26 −1)で求められ、その間隔は約400Hzとなる。図9(a)は、これを模式的に表わしたスペクトラムを表わしている。つまり、この図9(a)は、信号発生器S′が周期的に出力する信号の周波数の状態を示している。
上記構成からなるATS装置において、FFT演算処理回路31は、信号発生回路S′が正常であれば、図9(a)に示される周波数成分を出力することができる。したがって、CPU11は、これら周波数成分の出力状態を監視することにより信号発生器S′の正常又は異常を判定することができる。そして、図9(a)中のスペクトラムXの信号周波数を説明の便宜上130KHzとし、また、地上子a1 で130KHzの周波数が用いられているとした場合、車上子5と地上子a1 とが電磁結合されると、スペクトラムXは、図9(b)に示されるように電圧レベルが高まり(図9(b)の鎖線参照)、スペクトラムXのレベルが信号発生器S′を監視するための照査レベルよりも高い値となり、パターンDET32では所定の受信レベルを用いてスペクトラムXが所定の値を越えたと判定される。これにより、CPU11は、車上子5が地上子a1 と電磁結合したと検知することとなる。
上述のように、このATS装置で用いられる信号発生器S′は、単一の信号発生器で地上側で用いられている全ての周波数をカバーできるので、消費電力が少なく、したがって発熱量も小さく、しかも、小型化できるという特長がある。
なお、上述の例では、車上装置1の受信側構成を上記図5に示されたFFT演算回路31を用いて周波数分析方式を採用したが、この受信側構成を上記図1に示されるバンドパスフィルタ8a〜8nを用いたアナログ方式とすることもできる。
本発明の参考の形態に係るATS装置の概略構成図である。 制御動作を示すフローチャートである。 (a),(b)はスペクトラム特性を示す図である。 1END装置及び2END装置の切換えの説明図である。 本発明の別の参考の形態に係るATS装置の概略構成図である。 (a),(b)はスペクトラム特性を示す図である。 本発明の一実施形態に係るATS装置の概略構成図である。 信号発生器の詳細図である。 (a),(b)はスペクトラムの模式図である。 従来の変周方式のATS装置の概略構成図である。 先の提案に係るATS装置の概略構成図である。 先の提案に係るATS装置のタイムチャートである。
符号の説明
r 軌道(レール)
イ 列車
1,1a,1b 車上装置
2 信号発生器
S1 〜Sn ,S′ 信号発生回路
3,15 変調器
4 加算回路
T 接続トランス
5,5a,5b 車上子
6a,6b コイル
7 分別器
8a〜8n,12 バンドパスフィルタ
9a〜9n レベル判定回路
10a〜10n 整流回路
11 CPU
13,14 復調器
20a 1END装置
20b 2END装置
30 A/D変換回路
31 FFT演算処理回路
32 パターンDET
40 増幅回路
41 バンドパスフィルタ
42 シフトレジスタ
43,44 排他的論理和回路

Claims (4)

  1. 列車の走行する軌道に沿って設けられた地上子で用いられている、周波数の異なる複数の信号に対応した複数の信号を含む所定のスペクトラム信号をスペクトラム拡散方式により、周期的に発生させる信号発生手段と、
    発生した前記スペクトラム信号を前記列車に設けられている車上子を構成する一方のコイルに供給する供給手段と、
    前記車上子を構成する他方のコイルから前記スペクトラム信号を入力するとともに、その入力したスペクトラム信号をFFT演算処理して周波数毎のスペクトラムを出力するFFT演算処理回路と、
    出力された各スペクトラムのうち、所定以上のレベルのスペクトラムが検出されたときにそのスペクトラムの周波数に対応した地上子上に前記列車が位置していると判定する判定手段と、
    からなり、
    前記スペクトラム信号は、前記スペクトラムの間隔が前記地上子で用いられている前記複数の異なる周波数の周波数間隔より狭く設定されていることを特徴とするATS装置。
  2. 請求項に記載のATS装置において、前記FFT演算処理回路から出力された信号に基づいて信号発生手段を監視する監視手段を設けたことを特徴とするATS装置。
  3. 請求項1又は2に記載のATS装置において、供給手段は、車上から地上へ送信する所定の情報も供給することを特徴とするATS装置。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のATS装置において、車上子は、列車の他方のエンド側に設けられている車上子と切換え接続が可能に構成されていることを特徴とするATS装置。
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