JP4596036B2 - サーマルヘッドの制御方法及びサーマルプリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、サーマルヘッドの発熱素子についての発熱量を制御する技術に関する。
一般に、サーマルヘッドは、各発熱素子列に独立して所定の電流を流すことによって熱を生じさせ、感熱紙にドットパターンを形成するためのものであり、その熱の大きさが、電流を流す時間、すなわち、通電パルス幅の大きさによって制御されるようになっている。
また、サーマルヘッドには、同じ発熱素子に通電が続くとその熱が蓄積されていくという蓄熱特性があるため、通常、発熱素子に通電した履歴に応じて通電パルス幅を短くし、発熱素子に生じる熱を一定にするような熱履歴制御が行われている。
このような熱履歴制御には、例えば、各発熱素子列に対応した1ライン分の印字データを、一時的に保存するための印字バッファと、このデータを履歴として保存する履歴バッファとに転送し、次の印字データに対して各発熱素子の通電パルス幅を決定すべく、印字バッファと履歴バッファとの間で所定の論理演算を行うことにより、直前に印字が行われた発熱素子に対しては、通電パルス幅の短いデータをサーマルヘッドに転送し、直前に印字が行われていない発熱素子に対しては、通常の通電パルス幅のデータをサーマルヘッドに転送するように構成されたものがある。
一方、感熱紙は、基材となる紙に感熱層が形成されたもので、所定の大きさの熱が加えられると発色するようになっているが、中には、加えられる熱の大きさの違いによって異なる色を発するような2色タイプのものもある。
特開平09−030014号公報 特開2001−080099号公報 特開2001−088340号公報
ところで、上述のようなサーマルヘッドに2色タイプの感熱紙を用いるにあたっては、例えば、黒、赤の2色印字を行う2色モードと、黒のみの印字を行う単色モードとに使い分けられることが望まれている。
このような要望に対応するためには、2色モードを行う場合、通電パルス幅を高熱用の長いものと、低熱用の短いものとに使い分ける必要がある。
そのため、2色タイプの感熱紙を用いる場合には、サーマルヘッドの発熱素子への通電量を制御するための回路が複雑になるという問題がある。
また、2色モードの場合、高い発熱量の色の縁に低い発熱量の色が発生するという問題がある。この原因は、発熱素子の熱が感熱紙に伝わる時間が不充分であるためと推定される。
本発明は、このような技術的課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、簡素な回路構成でありながら、熱履歴制御を行いつつ2色印字可能なサーマルヘッドの制御装置及び制御方法を提供することと、2色印字の場合でもよりきれいな印字を提供することにある。
上記目的を達成するためになされた本発明は、感熱紙温度が第2の温度を越えたとき第2の色を発色し、前記感熱紙温度が前記第2の温度より高い第1の温度を越えたとき第1の色を発色する感熱紙に対し、サーマルヘッドの発熱素子に通電する長さを変えるサーマルヘッドの制御方法であって、前記第1の色発色させるための通電工程は第1段階の通電工程と第2段階の通電工程とを含み、前記第2の色発色させるための通電工程は前記第2段階の通電工程を含み、当該第2段階の通電工程を第1ストローブ信号期間と第2ストローブ信号期間とからなるものとして、前記第1の色を発色させる場合は、前記感熱紙温度が前記第1の温度を超えるように、前記第1段階の通電を行った後、所定の休止期間をおいて、該休止期間で前記第1段階の前記通電による熱を減じつつも、前記第2段階では、前記第1段階の前記通電による前記感熱紙温度が前記第1の温度を越えた範囲におかれるように前記第2のストローブ信号期間の通電を行う行程と、前記第2の色を発色させる場合には、前記感熱紙温度が前記第2の温度を超えるように、前記第2段階の前記第1ストローブ信号期間及び前記第2ストローブ信号期間の通電のみを行う行程と、を備えたことを特徴とするサーマルヘッドの制御方法である。
また、前記第1の色を発色させる場合は、前記第1段階の通電による前記発熱素子のピーク値と、前記第2段階の前記第2ストローブ信号期間の通電による前記発熱素子のピーク値とが、ほぼ同じとなるようにそれぞれの通電する長さが設定されることを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッドの制御方法である。
また、前記第1段階の通電の長さは、前記第2段階の通電より長いことを特徴とする請求項1または2に記載のサーマルヘッドの制御方法である。
また、前記サーマルヘッドと、前記サーマルヘッドを制御する制御回路を有し、
前記制御回路は、請求項1から3に記載のいずれかのサーマルヘッドの制御方法を行うことを特徴とするサーマルプリンタである。
また、以下の参考例の構成も有効である。
サーマルヘッドの発熱素子に通電する量を変えることによって異なる発熱量を制御するサーマルヘッドの制御方法において、第1の発熱量で第1の色を発色させる場合は、第1段階の通電及び第2段階の通電を行う工程と、第1段階の通電と第2段階の通電との間に所定の休止期間をおく工程と、を備えたことを特徴とするサーマルヘッドの制御方法である。
また、参考例において、感熱紙の同一のドットに対して、第1の発熱量で発色する色で印字する場合にあっては、第1段階と第2段階に分け、第1の発熱量で発色する色に必要な発熱量を確保しつつ、実質的に2度印字することにより、印字画像を鮮明にすることができる。
また、参考例において、休止期間は、第2段階において、第1の発熱量が実質的に発熱素子の表面全体に拡散するのに充分な時間であることも効果的である。
また、参考例において、発熱素子の熱が感熱紙に均一に拡散し、印字画像をより鮮明にすることができる。
また、参考例において、第1段階の通電量は、第2段階の通電量より大きいことも効果的である。
また、参考例よれば、第1段階の熱を第2段階の熱よりも高くすることにより、感熱紙の同一のドットに対して、まず濃い色で印字してからそれよりも薄い色で印字できるため、印字画像の外形を鮮明にすることができる。また、第1の発熱量で感熱紙に発色させる場合、サーマルヘッドの発熱素子を一気に加熱することができる。
また、参考例は、第2の発熱量で第2の色を発色させる場合は、第2段階の通電のみを行う工程、を更に備えたことを特徴とするサーマルヘッドの制御方法である。
また、参考例によれば、第2の発熱量で発色する色で印字する場合にあっては、第1段階で通電せずに第2段階でのみ通電することにより、サーマルヘッドの発熱素子を十分に冷却することができるため、熱履歴を考慮する必要がなくなる。
また、参考例において、第2段階の通電量は、第2の発熱量で第2の色を発色させるのに充分な通電量であることも効果的である。
また、参考例によれば、第2段階において、第2の発熱量で発色する色に必要な発熱量を確保しつつ、印字画像を鮮明にすることができる。
その一方で、参考例は、独立して駆動可能な発熱素子が複数配列されたサーマルヘッドに対して、各発熱素子への通電量を変えることによって当該発熱素子に生じる発熱量を制御するためのサーマルヘッドの制御装置において、所定の発熱素子につき異なる発熱量に基づく発色に関する情報であって第1の発熱量に基づく第1の発色情報及び第1の発熱量より低い第2の発熱量に基づく第2の発色情報の双方又はいずれか一方を含む印字情報群に対して、印字情報群に含まれる発色情報のうち、第1の発色情報に対しては、第1段階の通電命令と第2段階の通電命令とに変換する第1の命令処理機能と、第2の発色情報に対しては、第2段階の通電命令に変換する第2の命令処理機能と、第1段階の通電命令を記憶する第1の記憶領域と、第2段階の通電命令を記録する第2の記憶領域とを有し、第1の記憶領域に含まれる通電命令と第2の記憶領域に含まれる通電命令とを選択的に送るように構成された印字情報処理部と、第1の記憶領域又は第2の記憶領域に含まれる通電命令を保存するための第1の命令保存領域と、当該第1の命令保存領域に含まれる通電命令を保存するための第2の命令保存領域とを有し、第1の命令保存領域と第2の命令保存領域との間で比較した結果に基づく通電命令により当該所定の発熱素子に通電するように構成された駆動制御回路とを備えたことを特徴とするサーマルヘッドの制御装置である。
また、参考例によれば、印字情報処理部に第1、第2の記憶領域を確保し、印字情報処理部内において、第1の発色情報や第2の発色情報を整理したものを、駆動制御回路に送るようにしたことから、駆動制御回路を単色用の履歴制御用の回路としてそのままこれを用いても、熱履歴を考慮してサーマルヘッドの発熱素子の発熱温度を一定に保たせる一方で、第1の発色に必要な発熱量と、第2の発色に必要な発熱量とを使い分けて、サーマルヘッドの各発熱素子に生じさせることができる。
その結果、簡素な回路構成でありながら、熱履歴制御を行いつつ2色印字可能なサーマルヘッドの制御装置を得ることができる。
また、参考例において、印字情報処理部は、第1の命令処理機能が、印字情報群から第1の発色情報を第1の作業領域に抽出して第1の記憶領域に記憶させるように構成される一方で、第2の命令処理機能が、印字情報群から第2の発色情報を第2の作業領域に抽出して当該第1の作業領域と当該第2の作業領域との間で論理和演算を行った結果を第2の記憶領域に記憶させるように構成されていることも効果的である。
また、参考例によれば、第1の記憶領域に第1の発色情報につき第1段階に関する情報を記録することができる一方で、第2の記憶領域に第1、第2の発色情報につき第2段階に関する情報を記録することができる。
その結果、第1の発色に必要な発熱量に関する情報を第1、第2段階に分けて駆動制御回路に与えることができるとともに、第2の発色に必要な発熱量に関する情報を第2段階のものとして駆動制御回路に与えることができる。
また、参考例において、印字情報処理部は、第1段階の通電命令及び第2段階の通電命令を印字情報と発熱素子への通電の履歴に基づいて、各段階の通電命令を複数の通電命令に変換して記憶領域に記憶させるように構成されていることも効果的である。
また、参考例によれば、第1の発色に関する発熱量を第1段階の通電命令及び第2段階の通電命令によって制御することができる一方で、第2の発色に関する発熱量を第2段階の通電命令によって制御することができる。
また、参考例において、第1段階及び第2段階の複数の通電命令は、通電パルスであって、第1の発色に必要な発熱量に応じて通電パルス幅が定められていることも効果的である。
また、参考例によれば、第1の発色に必要な発熱量を第1段階及び第2段階の複数の通電命令で定められる通電パルス幅によって制御することができる。
また、参考例において、第2段階の複数の通電命令は、第2の発色に必要な発熱量に応じて通電パルス幅が定められていることも効果的である。
また、参考例によれば、第2の発色に必要な発熱量を第2段階の複数の通電命令で定められる通電パルス幅によって制御することができる。
また、参考例において、第1段階の最初の通電命令は、第2段階の複数の通電命令に起因する発熱量とサーマルヘッドの発熱素子についての冷却温度との関係に基づいて定められていることも効果的である。
また、参考例によれば、第1段階の最初の通電命令の通電パルス幅の設定を適宜変更すること、及び休止期間をおくことにより、サーマルヘッドの発熱素子について第1段階の発熱温度と第2段階の発熱温度とを均一にすることができ、その結果、第1の色について印字画像を鮮明にすることができる。
また、参考例において、第2段階の最初の通電命令は、第1段階の複数の通電命令に起因する発熱量とサーマルヘッドの発熱素子についての冷却温度との関係に基づいて定められていることも効果的である。
また、参考例によれば、第2段階の最初の通電命令による通電パルス幅の設定を適宜変更することにより、サーマルヘッドの発熱素子について第2段階の発熱温度を均一にすることができ、その結果、第2の色について印字画像を鮮明にすることができる。
また、参考例において、駆動制御回路は、第1段階の最終の通電命令又は第2段階の最終の通電命令に対しては、印字データに基づいて記憶された命令保存領域から直接実行する一方で、第1段階の最終の通電命令を除く通電命令又は第2段階の最終の通電命令を除く通電命令に対しては、印字データに基づいて記憶された命令保存領域と前回印字データ命令保存領域との間で否定的論理積演算を行った結果に基づいて実行するように構成されていることも効果的である。
また、参考例によれば、第1、第2の発色に基本的に必要な発熱量と、第1、第2の必要な発熱量に対して熱履歴に基づく発熱量を控除したものとに分けてサーマルヘッドの発熱素子に通電することができる。
また、参考例において、駆動制御回路は、第Nの通電命令(N=1、2、3、4等の整数)に対応して、所定のタイミングで第Nのストローブ信号を発生させることが可能な通電出力回路を有することも効果的である。
また、参考例によれば、第1段階及び第2段階の複数の通電命令を容易に生成することができる。
一方、参考例において、制御装置は、単色印字の場合も駆動制御回路を用いて、第1段階の通電命令のみを用いることにより、1ライン印字するのに、2色印字を行う場合の半分の通電命令で印字を行うことを特徴とするサーマルプリンタである。
また、参考例によれば、単色印字時の駆動回路を用いて、熱履歴制御を行いつつ、単色と2色の両方において鮮明に印字可能なサーマルヘッドプリンタを得ることができる。
以上述べたように本発明及び参考例によれば、感熱紙の同一のドットに対して、第1の発熱量で発色する色で印字する場合にあっては、第1段階と第2段階に分け、第1の発熱量で発色する色に必要な発熱量を確保しつつ、実質的に2度印字することにより、印字画像を鮮明にすることができる。
さらに、本発明及び参考例によれば、発熱素子の熱が感熱紙に均一に拡散し、印字画像をより鮮明にすることができる。
さらに、本発明及び参考例によれば、第1段階の熱を第2段階の熱よりも高くすることにより、感熱紙の同一のドットに対して、まず濃い色で印字してからそれよりも薄い色で印字できるため、印字画像の外形を鮮明にすることができる。また、第1の発熱量で感熱紙に発色させる場合、サーマルヘッドの発熱素子を一気に加熱することができる。
また、本発明及び参考例によれば、第2の発熱量で発色する色で印字する場合にあっては、第1段階で通電せずに第2段階でのみ通電することにより、サーマルヘッドの発熱素子を十分に冷却することができるため、熱履歴を考慮する必要がなくなる。
さらに、本発明及び参考例によれば、第2段階において、第2の発熱量で発色する色に必要な発熱量を確保しつつ、印字画像を鮮明にすることができる。
その一方で、本発明及び参考例によれば、駆動制御回路を単色用の履歴制御用の回路としてそのままこれを用いても、熱履歴を考慮してサーマルヘッドの発熱素子の発熱温度を一定に保たせる一方で、第1の発色に必要な発熱量と、第2の発色に必要な発熱量とを使い分けて、サーマルヘッドの各発熱素子に生じさせることができ、その結果、簡素な回路構成でありながら、熱履歴制御を行いつつ2色印字可能なサーマルヘッドの制御装置を得ることができる。
また、本発明及び参考例によれば、第1の記憶領域に第1の発色情報につき第1段階に関する情報を記録することができる一方で、第2の記憶領域に第1、第2の発色情報につき第2段階に関する情報を記録することができ、その結果、第1の発色に必要な発熱量に関する情報を第1、第2段階に分けて駆動制御回路に与えることができるとともに、第2の発色に必要な発熱量に関する情報を第2段階のものとして駆動制御回路に与えることができる。
さらに、本発明及び参考例によれば、第1の発色に関する発熱量を第1段階の通電命令及び第2段階の通電命令によって制御することができる一方で、第2の発色に関する発熱量を第2段階の通電命令によって制御することができる。
さらにまた、本発明及び参考例によれば、第1の発色に必要な発熱量を第1段階及び第2段階の複数の通電命令で定められる通電パルス幅によって制御することができる。
さらに加えて、本発明及び参考例によれば、第1段階の最初の通電命令の通電パルス幅の設定を適宜変更すること、及び休止期間をおくことにより、サーマルヘッドの発熱素子について第1段階の発熱温度と第2段階の発熱温度とを均一にすることができ、その結果、第1の色について印字画像を鮮明にすることができる。
また、本発明及び参考例によれば、第2段階の最初の通電命令による通電パルス幅の設定を適宜変更することにより、サーマルヘッドの発熱素子について第2段階の発熱温度を均一にすることができ、その結果、第2の色について印字画像を鮮明にすることができる。
さらに、本発明及び参考例によれば、第1、第2の発色に基本的に必要な発熱量と、第1、第2の必要な発熱量に対して熱履歴に基づく発熱量を控除したものとに分けてサーマルヘッドの発熱素子に通電することができる。
一方、単色印字時の駆動回路を用いて、熱履歴制御を行いつつ、単色と2色の両方において鮮明に印字可能なサーマルヘッドプリンタを得ることができる。
以下、本発明に係るサーマルヘッドの制御装置の好ましい実施を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態のサーマルヘッドの概略構成を示すブロック図である。図2は、同サーマルヘッドの制御装置の概略構成を示すブロック図である。図3は、同制御装置のストローブ信号の構成比率を示す図である。
図1又は図2に示すように、本実施のサーマルプリンタ1は、サーマルヘッド10と、サーマルヘッドの制御装置30とを有する。
本実施例においては、履歴制御は、今回の通電するドットにおいて、その直前の印字の有無によって、履歴データを決定する方法「過去1段履歴」の制御方法の実施例を示している。
サーマルヘッド10は、独立して発熱可能な発熱素子が一方向に複数配列された発熱体11を有する。この発熱体11は、紙送りモータ2の動力を受けて図示しない紙送りローラが回転することに伴って送られる感熱紙に対して、所望のドットパターンを形成するものである。
ここで、サーマルプリンタ1に用いられる感熱紙には、熱により単一の色しか発色しない「モノクロ」タイプのものがあるが、熱の違いにより、異なる色が発色する「2色」タイプのものもある。「2色」タイプには、高熱が加えられた場合に黒色に発色し、低熱が加えられた場合に赤色や青色に発色する、いわゆる「加色」と称されるタイプのものと、高熱が加えられた場合に赤色や青色に発色し、低熱が加えられた場合に黒色に発色する、いわゆる「消色」と称されるタイプのものとがある。
本実施の形態の場合、「加色」「消色」のいずれの感熱紙を用いることも可能であるが、「加色」タイプの赤色の2色感熱紙を想定して、高熱が加えられた場合に発する色を「第1色(黒色)」とし、低熱が加えられた場合に発する色を「第2色(赤色)」とする。
このような発熱体11の各発熱素子には、それぞれ駆動回路12が電気的に接続されている。そして、各発熱素子は、駆動回路12に流れる通電量の大きさに応じて異なる発熱量を生じ、感熱紙に対して1ドットごとに第1色又は第2色の発色を施すようになっている。
なお、サーマルヘッド10は、シフトレジスタ13とラッチレジスタ14とを有するが、これらについては後述する。
サーマルヘッドの制御装置30は、印字情報処理部40と、駆動制御回路50とからなり、これらは、電気的に接続されている。
印字情報処理部40は、CPU41と、信号処理プログラムやその他のプログラム等が格納されたROM(図示なし)と、第1のラインバッファ43、第2のラインバッファ44、第1のイメージバッファ46及び第2のイメージバッファ47が所定の領域に確保されたRAM42と、セレクタ45等とからなる。なお、RAM42の全部または1部は、CPU41に内蔵されていてもかまわない。
信号処理プログラムは、第1の色の印字データHや第2の色の印字データLが混在して配列された、使用者が指定した印字データ列から第1、第2の色用の印字信号を作成するためのもので、第1の信号処理機能と、第2の信号処理機能とを有している。
第1の信号処理機能は、印字データ列から印字データHのみの配列を抽出して、第1色のイメージバッファ46に保存するように構成されている。
第2の信号処理機能は、印字データ列から印字データLのみを抽出して、第2色のイメージバッファ47に保存するように構成されている。
第1のラインバッファ43は、複数のラインから構成されている第1色のイメージバッファより1ライン分の印字データを記録するための領域である。第2のラインバッファは、第1色及び第2色のイメージバッファの論理和を1ライン分の印字データとして記録するための領域である。
そして、ROMに格納された他のプログラム(以下の説明においても同様)の実行により、第1のイメージバッファ46の内容を1ライン分毎、第1のラインバッファ43に転送するとともに、第1のイメージバッファ46と第2のイメージバッファ47との間で論理和(OR)演算を行った結果を1ライン分毎、第2のラインバッファ44に転送するようになっている。
セレクタ45は、第1、第2のラインバッファ43、44を択一的に駆動制御回路50と接続させるように構成されている。これにより、第1、第2のラインバッファ43、44の内容は、選択的に駆動制御回路50に送信されるようになっている。
駆動制御回路50は、印字信号送信回路51と、制御用セレクタ54と、同期クロック出力回路55と、通電出力回路56と、通電タイマ57等とからなる。
印字信号送信回路51は、第1、第2のラインバッファ43、44の内容を熱履歴に応じて選択的に書き換えたものをサーマルヘッド10に転送するためのもので、印字バッファ52と、履歴バッファ53とを有し、上述したセレクタ45に接続されている。
また、印字信号送信回路51は、第1、第2のラインバッファ43、44のいずれかの内容を印字バッファ52に保存するとともに、印字バッファ52の内容を履歴バッファ53に保存するように構成されている。
印字バッファ52は、制御用セレクタ54の一方の端子に接続される一方で、履歴バッファ53のNOT演算とのAND演算を経て制御用セレクタ54の他方の端子に接続されている。
このような制御用セレクタ54がサーマルヘッド10のシフトレジスタ13に接続され、これにより、印字バッファ52の内容、あるいは、印字バッファ52と履歴バッファ53との間で論理演算の結果、すなわち、熱履歴を考慮した結果を印字信号としてシフトレジスタ13に書き込めるようになっている。
同期クロック出力回路55は、印字データをシフトレジスタ13に書き込むときの同期信号となる。同期クロックにより、印字バッファもしくは、印字バッファと履歴バッファの演算結果を発熱体列のON−OFFを示す印字データとして、シフトレジスタに書き込んでいく。
通電出力回路56は、通電タイマ57が示すタイミングに同期しつつ、ラッチ信号とストローブ信号とを生成するためのものである。ラッチ信号については、サーマルヘッド10のラッチレジスタ14に接続され、ストローブ信号については、否定(NOT)演算を経て、さらに、ラッチレジスタ14との間を否定的論理積(NAND)演算を経て、サーマルヘッド10の各発熱素子の駆動回路12に接続されている。
ここで、ラッチレジスタ14は、ラッチ信号に基づいてシフトレジスタ13の内容を記録するためのものである。これにより、ラッチレジスタ14に記録された印字信号が、「印字する(1)」、「印字しない(0)」によって、発熱体のON−OFFを決定している。
ストローブ信号は、印字情報処理部40のRAM42内で通電パルス幅に関するタイムテーブルによって、それぞれ所定のパルス幅をもつ、第1段階のストローブ信号I、IIと、これらと所定の期間をおいて、第2段階のIII、IVとが生成されるようになっている。
ここで、図3及び図8に示すように、第1段階のストローブ信号I、IIの和と、第2段階のストローブ信号III、IVの和との比率は、第1、第2の色を発色させるのに必要な発熱温度t1、t2との関係及び第1段階に高熱を加えてサーマルヘッド10の発熱素子を一気に加熱させる観点から、(I+II)≧(II+III)であることが好ましい。
また、ストローブ信号IIに対するストローブ信号Iの比率は、サーマルヘッド10の前の発熱素子が発熱した場合にその熱履歴を考慮して発熱量を調整する観点から、I≦IIであることが好ましい。
ただし、本実施の形態の場合、熱履歴を考慮したストローブ信号IIIの調整は行っていない。このことは、詳細は後述するが、第1の色で印字する際に、ストローブ信号IIとストローブ信号IIIとの間に時間的間隔があり、ストローブ信号IVで調整すればストローブ信号IIIを使用しなくても済み、一方、第2の色で印字するときには、ストローブ信号I、IIを使用していないため、そもそも熱履歴を考慮する必要がないからである。
そして、かかる観点から、本実施の形態の場合においては、ストローブ信号I〜IVのストローブ信号全体に対する各構成比率は、ストローブ信号Iが0.1、ストローブ信号IIが0.55、ストローブ信号IIIが、0.05、ストローブ信号IVが0.3に設定している。
図4、図5は、同制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。図6は、同制御装置のタイミングを示すタイミングチャートである。
図7は、同制御装置のデータの構成内容を示す図である。図9は、同制御装置の熱に基づくストローブ信号の構成を示す図である。
図8は、同サーマルヘッドの発熱素子について温度分布の状態を示す図である。
以下、本実施例における制御装置の処理の流れをフローチャートやタイミングチャート等に基づいて説明する。
図4に示すように、ステップ1において、制御装置30の印字情報処理部40が印刷命令を受け取った場合、ステップ2で、例えばDIPスイッチ等で設定された印字モードが「2色モード」であるか、あるいは、「単色モード」であるかを判断する。
2色モードが設定されている場合には、ステップ3に進み、単色モードが設定されている場合には、ステップ100に分岐する(図5参照)。
ステップ3では、CPU41が、印字データ列から、第1色の印字データHを抽出して第1のイメージバッファ46に一時的に保存するとともに、第2色の印字データLを抽出して第2のイメージバッファ47に一時的に保存する。図7では、印字データ列の紙送り方向n行目とn+1行目の発熱体方向のドット(m−2)〜(m+4)に対応した領域に、mドットから“H”、“H”、“L”、“L”が、n+1行目にmドットから“H”、“L”、“H”、“L”記録されている例が示されている。第1色及び第2色のイメージバッファ内では、印字するか否かのデータとして処理するために、印字を行うドットは、●で示す。以下、この例に基づいて説明する。
ステップ4では、CPU41が、第1のイメージバッファ46の内容印字を行うnラインのデータを第1のラインバッファ43にそのまま転送するとともに、第1色、第2色のイメージバッファ46、47のnライン目のデータ間で論理和演算を行った結果を第2のラインバッファ44に転送する。
ステップ5では、セレクタ45の選択により第1のラインバッファ43と駆動制御回路50とを接続させた後、第1のラインバッファ43の内容を印字バッファ52に転送する。第1のラインバッファ43より印字バッファ52にデータが転送されると同期させて、印字バッファ52のデータが履歴バッファ53に転送されて、前回印字したデータとして使用される。
そして、ステップ6では、印字情報処理部40からの命令により、セレクタ54を選択して、第1のラインバッファより印字バッファ52(nライン目第1データ)と、履歴バッファ53(n−1のラインデータでありこの場合は、n−1が印字なしであるので、“0”:印字しないとのデータ)との間で論理演算の結果(mドットとm−1ドットは“1”:通電)を、印字信号Iとしてサーマルヘッド10のシフトレジスタ13に転送する。転送が終了した後、ステップ7では、ラッチ信号Iを通電出力回路56からサーマルヘッド10のラッチレジスタ14に送信する。これにより、シフトレジスタ13内の印字信号Iがラッチレジスタ14に転送される。
その後、ステップ8では、印字情報処理部40からの命令により、紙送りモータ2を作動させて感熱紙の紙送りを開始し、紙送りモータ2からの制御信号に基づきステップ9に進む。
ステップ9では、印字情報処理部40からの命令により、セレクタ54を選択して、印字バッファ52より印字信号IIをサーマルヘッド10のシフトレジスタ13に転送する。
ステップ10では、ラッチレジスタに記憶された印字信号Iの内容により選択されたサーマルヘッド10のm,m+1ドットの発熱素子に対して通電する。ラッチ信号をかけた後は、シフトレジスタとラッチレジスタは、独立して使用できるので、印字信号II転送中に通電が可能である。ここでは、印字信号Iの内容が、クロック信号を介してストローブ信号Iに対応づけられるため、ストローブ信号Iに相当する熱が発熱素子に加えられる。一方、ステップ12では、セレクタ45の選択により第2のラインバッファ44と駆動制御回路50とを接続させた後、第2のラインバッファ44の内容を印字バッファ52に転送する(図2及び図7参照)。
ステップ11、13では、通電出力回路56からのラッチ信号IIに基づき、シフトレジスタ13内の印字信号IIがラッチレジスタ14に転送された後、印字信号IIの内容(m,m+1ドット通電)をサーマルヘッド10の特定の発熱素子に対して通電する。ここでは、印字信号IIの内容がストローブ信号IIに対応づけられるため、ストローブ信号IIに相当する熱が発熱素子に加えられる。
ステップ12では、セレクタ45の選択により第2のラインバッファ44と駆動制御回路50とを接続させた後、nラインの第2のラインバッファ44の内容を印字バッファ52に転送する。第2のラインバッファ44より印字バッファ52にデータが転送されると同期させて、印字バッファ52のデータ(即ち第1のラインバッファデータ)が履歴バッファ53に転送されて、前回印字したデータとして使用される。
ステップ14では、印字情報処理部40からの命令により、セレクタ54を選択して、第2のラインバッファより印字バッファ52(nライン目第2データ)と、履歴バッファ53(この場合は、nライン目第1データ)との間で論理演算の結果(m+2ドットとm+3ドットは“1”)を、印字信号IIIとして、サーマルヘッド10のシフトレジスタ13に転送する。
ステップ15、17では、通電出力回路56からのラッチ信号IIIに基づき、シフトレジスタ13内の印字信号IIIがラッチレジスタ14に転送された後、印字信号IIIの内容をサーマルヘッド10の特定の発熱素子に対して発する。ここでは、印字信号IIIの内容(m+2,m+3ドット)が、クロック信号を介してストローブ信号IIIに対応づけられ、ストローブ信号IIIに相当する熱が発熱素子に加えられる。
ステップ16では、印字情報処理部40からの命令により、セレクタ54を選択して、印字バッファ52より印字信号IVをサーマルヘッド10のシフトレジスタ13に転送する。
ステップ18、19では、通電出力回路56からのラッチ信号IVに基づき、シフトレジスタ13内の印字信号IVがラッチレジスタ14に転送された後、印字信号IVの内容をサーマルヘッド10の特定の発熱素子に対して通電する。ここでは、印字信号IVの内容(m〜m+3ドット)を、ストローブ信号IVに相当する熱が発熱素子に加えられる。
そして、図8又は図9に示すように、まず、サーマルヘッド10の特定の発熱素子にストローブ信号I、IIに相当する電流が流れた場合、感熱紙の特定のドット数nについての加熱温度が第1の色の発熱温度t1を越えるため、その部分は第1の色(黒色)に発色する。
この場合、印字信号に基づく熱は、ストローブ信号I、IIに相当する第1段階の熱が、ストローブ信号III、IVに相当する第2段階の熱より高いため、第1段階の熱により特定の発熱素子が第1のピーク温度T1まで一気に加熱される。
その一方で、しばらくの休止期間をおき、さらに、ストローブ信号IIIを使用せずに(図9(c))、その発熱素子が第2段階の熱(ストローブ信号IVに相当分)により第1のピーク温度T1とほぼ等しい第2のピーク温度T2まで再び加熱される。
これにより、サーマルヘッド10の特定の発熱素子は、第1段階の発熱の際に残存した熱を減じつつ、感熱紙の同一のドットに対して実質的に2度印字したことになるため、発熱素子の熱が感熱紙に拡散する時間が充分に確保され、感熱紙の加熱温度は、第1の色の発熱温度t1を越えた範囲でほぼ均一状態におかれる。したがって、高い発熱量の色の縁に低い発熱量の色が発生する現象を低減し、鮮明な印字画像が得られる。
かかる処理は、サーマルヘッド10の特定の発熱素子に対するものであり、これと同様の処理が、紙幅方向の1ライン分の印字にあたって、印字データ列に含まれる印字データH、Lに基づいて各発熱素子ごとに行われる。
その後、ステップ20において、CPU41が、第1、第2のイメージバッファ46、47に印字データH、Lが含まれていると判断した場合には、ステップ4に分岐してそれ以降のライン(n+1〜)対してステップ4〜ステップ19の一連の処理を行い、第1、第2のイメージバッファ46、47に印字データH、Lが含まれていないと判断した場合には、2色モードの印字処理を終了する。印字データが含まれている場合、ステップ19,ステップ20について、説明上ステップ19終了後ステップ20より、ステップ4に入る様に記載しているが、データIV通電は、通電タイマ57を用いて、ステップ4からステップ6とは、独立して動作可能であるので、ステップ19のデータIV通電は、ステップ20,ステップ4,5,6が終了する間に行なう。
以下、(n+1)ライン目の処理については、主に、nライン目の場合と異なる箇所を説明する。
(n+1)ラインの場合、ステップ4において、第1色のイメージバッファ46から第1のラインバッファ43に、m,m+2ドットの通電を転送されるとともに、第1色、第2色のイメージバッファ46,47のn+1ライン目のデータ間で論理和演算を行った結果である、m〜m+3ドットの通電を転送する。
ステップ5では、第1のラインバッファ43から印字バッファ52にデータが転送されるとともに、前回の印字の時に印字バッファ(nライン目IVのときのデータ)の内容であるm〜m+3ドットの通電の内容が、履歴バッファ53に転送される。
ステップ6では、サーマルヘッドのシフトレジスタ13に、履歴バッファ53と印字バッファ52の演算結果(印字ドットなし)が転送される。
ステップ7,ステップ8を行い、ステップ9で、サーマルヘッドのシフトレジスタ13に印字バッファ52の内容(m,m+2ドット通電)が転送されるとともに、実際に印字するドットはないが、ステップ10で、印字信号Iの通電を実施する。
この後は、データ転送に関わるステップの説明だけに留める。ステップ12では、n+1ラインの第2のラインバッファ44の内容(m〜m+3ドットを通電)を印字バッファ52に転送する。このデータ転送と同期させて、印字バッファ52のデータ(m,m+2ドット通電)が履歴バッファ53に転送されて、前回印字したデータとして使用される。
ステップ14では、印字バッファ52と、履歴バッファ53との間で論理演算の結果(m+1,m+3ドットを通電)を、印字信号IIIとして、サーマルヘッド10のシフトレジスタ13に転送する。
ステップ16では、印字バッファ52より印字信号IV(m〜m+3ドット通電)をサーマルヘッド10のシフトレジスタ13に転送する。
n+1ライン目のデータのように、第1色を発熱させる場合に、前回に印字があった場合、図8又は図9に示すように、第1段階の熱は、前回の印字が無い場合よりも印字信号Iに基づくストローブ信号Iに相当する分だけ高くなるため、このような第1段階の熱により、ストローブ信号Iに相当する休止期間をおいて、ストローブ信号IIをいれることにより(図9(b))、第1のピーク温度T1まで加熱される。
他方、印字情報処理部40が、ステップ2で単色モードが設定されていると判断した場合、ステップ2から分岐して、図5に示すステップ100〜ステップ110の一連の処理を行う。
ここでの処理については、印字データHLの区別はなく通電を行うことのみが情報としてある印字データ列に対して、第1のイメージバッファ46、第1のラインバッファ43のみを使用する点が2色モードについての処理と異なり、その他の内容は、2色モードの場合と同様であるため、その説明は省略する。
以上述べたように本実施の形態によれば、印字情報処理部40のRAM42に第1、第2のラインバッファ43、44の領域を確保し、印字情報処理部40内において、第1の色の印字データHや第2の色の印字データLを整理して第1、第2のラインバッファ43、44から、駆動制御回路50に送信するようにしたことから、駆動制御回路50を単色用の履歴制御用の回路としてそのままこれを用いても、熱履歴を考慮してサーマルヘッド10の発熱素子の発熱温度を一定に保たせる一方で、第1の色の発色に必要な発熱量と、第2の色の発色に必要な発熱量とを使い分けて、サーマルヘッド10の各発熱素子に生じさせることができる。
その結果、簡素な回路構成でありながら、熱履歴制御を行いつつ2色印字可能なサーマルヘッド10の制御装置30を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、感熱紙の同一のドットに対して、第1段階の熱と第2段階の熱に分けて実質的に2度印字するようにしたことから、発熱素子の熱が感熱紙に均一に拡散し、印字画像を鮮明にすることができる。
特に、本実施の形態の場合、第1段階の熱を第2段階の熱よりも高くしたことから、感熱紙の同一のドットに対して、まず、濃い色で印字してからそれよりも薄い色で印字できるため、印字画像の外形を鮮明にすることができる。
以上のことは、別の観点からみると、第2段階の熱のみを、そのまま第2の色の印字に用いるようにしたことから、印字データ列から第1の色の印字データHや第2の色の印字データLを整理する段階での制御自体を簡素にできるとともに、印字データHや印字データLを記録するためのバッファを共通化して印字情報処理部40のRAM42の負担を軽減することができる。
また、本実施の形態によれば、印字データHについて、ストローブ信号II、IVを必要な共通信号とし、ストローブ信号I、IIIを熱履歴に応じて選択可能な信号としたことから、感熱紙の種類に応じてストローブ信号I、IIIの設定した値を変更することができる。また、印字データLについても、ストローブ信号IVを必要な信号とし、ストローブ信号IIIを熱履歴に応じて選択可能な信号としたことから、感熱紙の種類に応じてストローブ信号IIIの設定した値を変更することができる。
特に、本実施の形態のように、ストローブ信号IIとストローブ信号IIIとの間に休止期間を設定すると、熱履歴の観点から、印字データHについては、ストローブ信号IIIを使用しなくても足り(図9(b)(c))、印字データLについては、ストローブ信号IIIを常時使用するような制御を行うこともできる(図9(a))。
本実施の形態のサーマルヘッドの概略構成を示すブロック図である。 同サーマルヘッドの制御装置の概略構成を示すブロック図である。 同制御装置のストローブ信号の構成比率を示す図である。 同制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。 同制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。 同制御装置のタイミングを示すタイミングチャートである。 同制御装置のデータの構成内容を示す図である。 同サーマルヘッドの発熱素子について温度分布の状態を示す図である。 同制御装置の熱に基づくストローブ信号の構成を示す図である。
符号の説明
10 サーマルヘッド
30 サーマルヘッドの制御装置
40 印字情報処理部
43 第1のラインバッファ(第1の記憶領域)
44 第2のラインバッファ(第2の記憶領域)
50 駆動制御回路
52 印字バッファ(第1の命令保存領域)
53 履歴バッファ(第2の命令保存領域)
56 通電出力回路

Claims (4)

  1. 感熱紙温度が第2の温度を越えたとき第2の色を発色し、前記感熱紙温度が前記第2の温度より高い第1の温度を越えたとき第1の色を発色する感熱紙に対し、サーマルヘッドの発熱素子に通電する長さを変えるサーマルヘッドの制御方法であって、
    前記第1の色発色させるための通電工程は第1段階の通電工程と第2段階の通電工程とを含み、前記第2の色発色させるための通電工程は前記第2段階の通電工程を含み、
    当該第2段階の通電工程を第1ストローブ信号期間と第2ストローブ信号期間とからなるものとして
    前記第1の色を発色させる場合は、前記感熱紙温度が前記第1の温度を超えるように、前記第1段階の通電を行った後、所定の休止期間をおいて、該休止期間で前記第1段階の前記通電による熱を減じつつも、前記第2段階では、前記第1段階の前記通電による前記感熱紙温度が前記第1の温度を越えた範囲におかれるように前記第2のストローブ信号期間の通電を行う行程と、前記第2の色を発色させる場合には、前記感熱紙温度が前記第2の温度を超えるように、前記第2段階の前記第1ストローブ信号期間及び前記第2ストローブ信号期間の通電のみを行う行程と、を備えたことを特徴とするサーマルヘッドの制御方法。
  2. 前記第1の色を発色させる場合は、前記第1段階の通電による前記発熱素子のピーク値と、前記第2段階の前記第2ストローブ信号期間の通電による前記発熱素子のピーク値とが、ほぼ同じとなるようにそれぞれの通電する長さが設定されることを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッドの制御方法。
  3. 前記第1段階の通電の長さは、前記第2段階の通電より長いことを特徴とする請求項1または2に記載のサーマルヘッドの制御方法。
  4. 前記サーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドを制御する制御回路を有し、
    前記制御回路は、請求項1から3に記載のいずれかのサーマルヘッドの制御方法を行うことを特徴とするサーマルプリンタ。
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