JP4594493B2 - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4594493B2
JP4594493B2 JP2000162586A JP2000162586A JP4594493B2 JP 4594493 B2 JP4594493 B2 JP 4594493B2 JP 2000162586 A JP2000162586 A JP 2000162586A JP 2000162586 A JP2000162586 A JP 2000162586A JP 4594493 B2 JP4594493 B2 JP 4594493B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
water
coating
parts
coating composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000162586A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001342432A (ja
Inventor
清彰 肥後
智一 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Marine Coatings Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Marine Coatings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Marine Coatings Co Ltd filed Critical Nippon Paint Marine Coatings Co Ltd
Priority to JP2000162586A priority Critical patent/JP4594493B2/ja
Publication of JP2001342432A publication Critical patent/JP2001342432A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4594493B2 publication Critical patent/JP4594493B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、船舶、工業用水系設備等に用いられる塗料組成物に関し、更に詳しくは、水に対する乱流摩擦抵抗の小さい塗膜を得ることができる塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
船舶は、航行中に受ける抵抗を減少させ、燃費を向上させることを目的として、船体自体の形状や表面構造に種々の工夫がなされている。現在では、航行中に受ける抵抗のなかでも、摩擦抵抗が、全抵抗の80%程度を占めるようになってきている。
【0003】
特開平11−29725号公報には、海水中において基板を20ノットの速度で移動させた場合の塗膜の膜厚変化量が10〜50μm/月である塗料組成物が開示されている。このものは、摩擦抵抗を低減させることのみならず、防汚効果が確実に長期間持続することを目的とするものではあるが、摩擦抵抗低減効果としては、充分とは言いがたいものであった。また、膜厚変化量に依存する点において、塗料設計上不利であった。
【0004】
ところで、直鎖状の高分子、繊維等を添加することにより、高剪断下での粘性抵抗が抑制される現象は、トムズ効果として既に知られている。
特開平11−343427号公報には、トムズ効果を利用するものとして、水溶性高分子を20〜100重量%含む塗料が開示されている。しかしながら、この塗料に配合することができる固形成分としては、水に溶解しないアクリル樹脂等の有機高分子であるため、機械的塗膜強度の付与によって水溶性高分子の溶出速度をコントロールする結果、長期にわたる溶出制御が不可能であった。更に、水溶性高分子の溶出に伴い、水に溶解しないアクリル樹脂等の有機高分子が残存するため、かえって、表面粗度の上昇による摩擦抵抗の増加が起こるという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記現状に鑑み、水に対する乱流摩擦抵抗を充分に低減することができ、かつ、長期にわたって摩擦抵抗を低減することができる塗料組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水溶性高分子(a)、及び、塗膜更新性を有する樹脂(b)を含有することを特徴とする塗料組成物である。
以下に、本発明を詳述する。
【0007】
本発明の塗料組成物は、水溶性高分子(a)、及び、塗膜更新性を有する樹脂(b)を含有するものである。水溶性高分子(a)及び塗膜更新性を有する樹脂(b)をともに含有することによって、水に対する乱流摩擦抵抗を充分に低減することができ、かつ、長期にわたって、この摩擦抵抗低減効果を持続することができる。更に、特開平11−29725号公報に記載の塗料組成物のように、膜厚変化量に依存することなく、摩擦抵抗を低減することができる。
【0008】
本発明において、水溶性高分子(a)とは、水に対する乱流摩擦抵抗を低減することができる水溶性の糖類及び繊維を含む高分子を意味するものである。上記乱流摩擦抵抗を低減するか否かについては、鉄製細管の内面にこの水溶性高分子を塗布し、それを垂直に固定して細管上部より一定量の海水を流し、すべての量の海水が流れ落ちるまでの時間を測定した場合に、メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート=60/70(モル比)共重合体(重量平均分子量=30000、数平均分子量=12000)からなる塗料を塗布して同様に測定した対照と比べて、それより短い時間であった場合には、乱流摩擦抵抗を低減するものとすることができる。
上記水溶性高分子(a)は、水に常温(25℃)で溶解するものであれば特に限定されないが、水に対する溶解度(25℃)が100ppm以上のものが好ましい。
本発明においては、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びキサンタンガムからなる群より選択される少なくとも1つの高分子又は糖類であることが好ましい。上記水溶性高分子(a)は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0009】
上記水溶性高分子(a)は、分子量が104 以上であるものが好ましい。104 未満であると、水に対する乱流摩擦抵抗を低減する効果がない。上記分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。
上記水溶性高分子(a)の配合量(PVC)としては、塗料組成物固形分に対して、10〜80体積%が好ましい。10体積%未満であると、水に対する乱流摩擦抵抗を低減する効果がなく、80体積%を超えると、得られる塗膜の物性が劣る。
【0010】
本発明は、上記水溶性高分子(a)とともに、塗膜更新性を有する樹脂(b)を含有するものである。上記塗膜更新性を有する樹脂(b)は、水溶性高分子(a)を長期にわたり溶出させることができ、しかも、特開平11−343427号公報に記載の塗料のように、水溶性高分子(a)が溶出した後も基体樹脂が残存しないため、表面粗度の上昇が起こらず、乱流摩擦抵抗を低減する効果が長期間持続する。
【0011】
本発明において、塗膜更新性を有する樹脂(b)とは、樹脂を含む塗料を基板に塗布し、水中にて経時的にその塗膜の膜厚変化量を観察した場合に、膜厚が減少していく性質を有する樹脂を意味するものであり、膜厚が経時的に減少していくものであれば、その変化量は問わない。
【0012】
上記塗膜更新性を有する樹脂(b)としては、ロジン樹脂及び/又は加水分解型樹脂を挙げることができる。
上記ロジン樹脂としては、塗膜更新性を有するものであれば特に限定されず、例えば、ウッドロジン、ガムロジン、変成ロジン、ロジンエステル等を挙げることができる。
本発明においては、乱流摩擦抵抗低減効果が長期にわたり持続することから、加水分解型樹脂を用いることが好ましい。
上記加水分解型樹脂としては、金属エステル含有アクリル樹脂が好ましい。上記金属エステル含有アクリル樹脂とは、下記一般式(1)で表される化学構造を有する基を、少なくとも1つの側鎖の末端部に少なくとも1つ有するアクリル樹脂である。
【0013】
【化1】
Figure 0004594493
【0014】
式中、Mは、亜鉛又は銅を表す。R1 は、有機酸残基を表す。
上記R1 としては、更に具体的には、レブリン酸、ナフテン酸、オレイン酸、アビエチン酸等の有機酸残基を挙げることができる。
【0015】
上記金属エステル含有アクリル樹脂を構成するアクリル樹脂としては特に限定されず、主鎖がアクリル結合により形成されているあらゆる樹脂が含まれる。これらは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルの(共)重合体、(メタ)アクリル酸アルキルとこれらと共重合可能な他の重合性単量体との共重合体等からなる樹脂等を挙げることができる。
上記共重合においては、通常のラジカル重合開始剤や必要に応じて適当な溶剤を用いることができる。
上記金属エステル含有アクリル樹脂は、特開昭62−57464号公報に記載の方法に従って、合成することができる。
【0016】
上記加水分解型樹脂としては、また、下記一般式(2)で表されるトリオルガノシリル(メタ)アクリレート及びその他の重合性モノマーを共重合させて得られる樹脂も好ましい。
【0017】
【化2】
Figure 0004594493
【0018】
式中、R2 は、水素原子又はメチル基を表し、R3 は、同一又は異なって、炭素数3以上のアルキル基を表す。
上記R3 のアルキル基としては、貯蔵安定性に優れており、貯蔵後であっても塗装した塗膜が長期防汚性に優れた塗料組成物を得ることができることから、i−プロピル基が好ましい。更に、塗装した塗膜の柔軟性や可撓性の観点から、トリ−i−プロピルシリルメタクリレートとトリ−i−プロピルシリルアクリレートとの重量比が50/50〜0/100であることが好ましい。
【0019】
上記トリオルガノシリル(メタ)アクリレート以外の重合性モノマーとしては、特に限定されない。
【0020】
上記一般式(2)で表されるトリオルガノシリル(メタ)アクリレート及びその他の重合性モノマーは、アゾ化合物、過酸化物等の重合開始剤と混合して混合溶液を調製した後、例えば、キシレン等の溶剤中に滴下して、加熱条件下に反応させる方法等によって、本発明の塗膜更新性を有する樹脂(b)とすることができる。
【0021】
本発明の塗膜更新性を有する樹脂(b)の分子量に関しては特に制限されるものではないが、通常は数平均分子量で4000〜40000程度であり、好ましくは6000〜35000の範囲である。4000未満であると、塗料の造膜性が低下することがあり、また40000を超えると塗料の硬度が高くなり実用に適さぬばかりか、塗装時に大量の希釈溶剤を必要とし、公衆衛生、経済性等の点で好ましくないからである。
【0022】
本発明において、塗膜更新性を有する樹脂(b)は、上記のようなロジン樹脂及び加水分解型樹脂を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
更に、塗膜の強度や下塗り塗装との密着性等を高める目的で通常使用される塗料用樹脂を必要に応じて配合することができ、例えば、有機溶剤系として、塩化ビニル系樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、石油系樹脂、シリコーンレジン、シリコーンゴム系樹脂、ワックス、パラフィン、また、錫、銅、亜鉛、テルル等の金属元素を側鎖に含有する樹脂等を挙げることができ、水性系として、アクリルエマルジョン樹脂、エポキシエマルジョン樹脂、酢酸ビニル樹脂等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を混合して配合することができる。
【0023】
本発明においては、塗膜更新性を有する樹脂(b)及び必要により併用される塗料用樹脂の合計量は、通常、塗料組成物中に固形分比で10〜90重量%含むものである。10重量%未満であると、得られる塗膜の物性に劣る。90重量%を超えると、水溶性高分子(a)の配合量が少なくなる結果、水に対する乱流摩擦抵抗を低減する効果が生じない。
【0024】
本発明の塗料組成物は、防汚剤を含有させることにより、汚損生物等に対して防汚効果を発揮することができる。このような目的のために用いられる防汚剤の含有量(PVC)は、塗料組成物全体の固形分に対して、5〜60体積%が好ましい。5体積%未満であると、防汚剤の防汚効果を発揮することができず、60体積%を超えると、塗膜物性やレベリング性に弊害が生じることとなる。
【0025】
上記防汚剤としては特に限定されず、例えば、亜酸化銅等の無機系防汚剤の他に、有機系防汚剤として、マンガニーズエチレンビスジチオカーバメート(東京有機化学工業社製、マンネブ)、ジンクジメチルジチオカーバメート(化成品工業協会、ジラム)、ジンクエチレンビスジチオカーバメート(東京有機化学工業社製、ジネブ)、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−S−トリアジン(チバガイギー社製、イルガロール1051)、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル(サンノプコ社製、マリンサイド)、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素(保土谷化学工業社製)、ロダン銅、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3(2H)−イソチアゾリン(ロームアンドハースジャパン社製、SEANINE 211)、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド(バイエルジャパン社製、プリベントールA−3)、N,N′−ジメチル−N′−フェニル−(N−フルオロジクロロメチルチオ)スルファミド(バイエルジャパン社製、プリベントールA4S)、N−ジクロロフルオロメチルチオ−N′,N′−ジメチル−N−p−トリルスルファミド(バイエルジャパン社製、プリベントールA5S)、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛塩(ジンクピリチオン)、2−ピリジンチオール−1−オキシド銅塩(カッパーピリチオン)、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン(Densil S100)、3−ヨード−2−プロピニールブチルカーバメート(TROYSAN POLYPHASE P100)、ジヨードメチルパラトリルスルホン(AMICAL 48)、ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジチオカーバメート(TOC−3204)、ピリジン−トリフェニルボラン(PK)等を挙げることができる。
【0026】
本発明の塗料組成物には、更に、分散剤として、シランカップリング剤等を用いることができる。
また、透明な上塗り塗料であるクリア塗料、着色塗料であるベース塗料等のように用いる用途に応じて、一般に塗料組成物に使用される着色顔料、体質顔料等を配合することができる。
【0027】
上記着色顔料としては特に限定されず、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、べんがら、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン等を挙げることができる。上記体質顔料としては特に限定されず、例えば、亜鉛華、タルク、クレー、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を挙げることができる。
上記塗料組成物には、さらに可塑剤等の公知の添加剤を配合することもできる。
上記添加剤としては、例えば、ジオクチルフタレート等の可塑剤;有機ベントナイト、コロイダルシリカ等の流れどめ剤等を挙げることができる。
【0028】
本発明の塗料組成物は、常法に従って被塗物の表面に塗布した後、常温下又は加熱下で溶剤を揮散除去することによって乾燥塗膜を形成することができる。
【0029】
本発明の塗料組成物は、水溶性高分子(a)及び塗膜更新性を有する樹脂(b)を含有することにより、摩擦抵抗低減効果の長期化を達成することができる。これは、塗膜更新性を有する樹脂(b)の有する塗膜の更新作用に伴い、水溶性高分子(a)の溶解溶出作用が塗膜表層で継続して起こることによると推定される。更に、防汚剤を配合することによって、フジツボ、ホヤ、セルプラ、ムラサキガイ、フサコケムシ、アオサ等の水棲汚損生物の付着や成長を長期間にわたって防止することができ、優れた防汚効果を発揮することができる。
従って、本発明の防汚塗料は、タンカー、フェリー、漁船、鋼鉄船、木船、FRP船等の船舶;工業用水系設備、導水管、海中構築物、養殖網、定置網等の漁網、漁具等に好適に用いることができる。
【0030】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。部は重量部を表す。
【0031】
製造例1
攪拌機、還流冷却機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、キシロール120部、n−ブタノール30部を加え、110〜120℃に保った。この溶液中にアクリル酸エチル65部、メタクリル酸メチル25部、アクリル酸10部、アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を3時間にわたり等速で滴下し、滴下後2時間保温した。得られたワニスの固形分は、39.8%、粘度は2.2ポイズであった。
攪拌機、還流冷却機、デカンターを備えた4つ口フラスコに、上記で得られたワニスを100部、ナフテン酸(酸価200KOHmg/g)13部、水酸化銅5部を加え、120℃に昇温し、2時間保温した。この間に生成する水を除去した(脱水量2.5g)。得られたワニスをワニスAとして後の実験に供した(固形分50%)。
【0032】
製造例2
攪拌機、還流冷却機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、キシロール120部、n−ブタノール30部を加え、110〜120℃に保った。この溶液中にアクリル酸エチル60部、アクリル酸2−エチルヘキシル25部、アクリル酸15部、アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を3時間にわたり等速で滴下し、滴下後2時間保温した。得られたワニスの固形分は、39.8%、粘度は2.2ポイズであった。
攪拌機、還流冷却機、デカンターを備えた4つ口フラスコに、上記で得られたワニスを100部、ナフテン酸(酸価200KOHmg/g)20部、水酸化銅7部を加え、120℃に昇温し、2時間保温した。この間に生成する水を除去した(脱水量2.5g)。得られたワニスをワニスBとして後の実験に供した(固形分50%)。
【0033】
製造例3
攪拌機、冷却機、温度制御装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた4つ口フラスコにキシレン42部を加え、80℃に保った。この容器中に、アクリル酸トリイソプロピルシリル50部、メタクリル酸トリイソプロピルシリル5部、アクリル酸メトキシエチル20部、メタクリル酸メチル25部、及び、ジメチル2,2′−アゾビスイソブチラート1部の混合液を3時間にわたり等速滴下し、滴下終了後、30分間保温した。その後、キシレン7.24部及びジメチル2,2′−アゾビスイソブチラート0.15部の混合液を30分間にわたり等速滴下し、滴下終了後、2時間保温した。その後、110℃に加熱して30分間保温した。その後、キシレン17.43部を加え、ワニスCを得た。ワニスC中の固形分は60重量%、ガードナー粘度(25℃)はZ1であった。
【0034】
実施例1〜12、比較例1〜4
ワニスA、ワニスB及びワニスCと他の成分を配合して、表1に示す各塗料組成物を調製した。表1中の配合成分の単位は、重量部である。
表1中、ワニスDはNT100(日東化成社製アクリル樹脂、固形分50%)、ワニスEはACW1001ワニス(日本ペイント社製水溶性アクリル樹脂、固形分50%)、樹脂FはラフロレックスMP−35(BASF社製塩化ビニル樹脂、固形分100%)、PEG6×103 、PEG7×104 及びPEG2×106 はその数字の分子量を有するポリエチレングリコール(和光純薬工業社製試薬)、防汚剤1は4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3(2H)−イソチアゾリン、防汚剤2は2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛塩、防汚剤3は2−ピリジンチオール−1−オキシド銅塩、防汚剤4はジンクエチレンビスジチオカーバメートである。
【0035】
【表1】
Figure 0004594493
【0036】
水抵抗性試験
実施例1〜12、比較例1〜4で得られた塗料組成物を用いて、直径2cm、長さ100cmの鉄製細管の内面を、浸漬方法により、乾燥膜厚が100μmとなるように塗装した(以下、供試塗装物ともいう)。供試塗装物を垂直に固定し、細管上部に特別に作製した滴下ロートを装着し、ロート上部から、海水2000mlを流し、すべての量の海水が流れ落ちるまでの時間を測定した。
また、供試塗装物を流速約1m/sの海水水路に浸漬し、経時的に同様の実験を実施するとともに、内面の付着生物による汚染の程度を調べた。付着生物による汚損面積の割合(%)を表2に表した。
【0037】
「対照」では、メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレート=60/70(モル比)共重合体(重量平均分子量=30000、数平均分子量=12000)からなる塗料組成物を用いて、実施例と同様に塗装した。
「赤サビ」では、全面に赤い錆が浮き出た鉄製細管をそのまま用いた。
「対照」に要した時間を「0」とした場合に、それより長く掛かった時間を「+」、短く掛かった時間を「−」で表現した。結果を表2に示した。
表2中「−」とあるのは、測定することができなかったことを意味する。
なお、「対照」及び「赤サビ」は、測定ごとに用意し、海水水路への浸漬は実施しなかった。
【0038】
膜厚変化量
図1に示す試験装置を用いて、実施例及び比較例の塗料組成物について、それぞれ試験した。膜厚変化量は、試験前の膜厚と1カ月間モータを回転しつつ浸漬をし続けた後の膜厚とを比較してその差(μm/月)を示した。結果を表2に示した。
なお、図1に示す試験装置は、厚さ1cm、直径30cmのアクリル樹脂製の円盤1の中心部に回転棒2を設け、これをモータ3に接続させることにより円盤1が一定の周速度で回転するものであり、円盤1の上面11に、試験に供する被検塗料組成物を塗布し、乾燥膜厚100μmの塗膜を形成した。塗膜形成後、上記試験装置を、天然の海水に近似させるため、温度20℃、pH8の5%食塩水(pHは水酸化ナトリウムによって調整)中に、図1の41に示す箇所まで浸漬し、図1の試験装置全体を20℃の恒温槽に漬けた。その後、モータ3によって、円盤1を回転させた。回転の周速度は、図2に示す円盤の上面11の最外周111が25ノットとなる速度とし、これによって、最外周111から一定距離(6cm)だけ内側にある円112の位置にある塗膜が上記水中において20ノットの速度となるようにして、回転を継続させた。図2の112の位置にある塗膜の膜厚を経時的に測定することにより、膜厚変化量を算出した。
【0039】
【表2】
Figure 0004594493
【0040】
実施例1〜12の塗料組成物は、水溶性高分子及び塗膜更新性を有する樹脂を含有するものであるので、塗膜の膜厚変化量に依存することなく、海水に対する摩擦抵抗を低減することができ、比較例に比べて明らかに持続性を有するものであった。特に、実施例1〜7の塗料組成物について優れた結果が得られた。
比較例1の塗料組成物は、分子量2×106 のポリエチレングリコールがキシロールに対して溶解度が低く、一般的なアクリル樹脂に相溶させることができなかったため、分散状態のものではあるが、このアクリル樹脂は塗膜更新性を有するものではないので、明確な摩擦抵抗低減効果は認められず、また、防汚剤を含まないので汚損生物により被塗物表面が汚損された。比較例2の塗料組成物は、ポリエチレングリコールが水溶性アクリル樹脂とは水系で相溶性を示したので、水性塗料としたものであるが、塗膜の膜厚の減少速度が非常に速く、長期にわたり摩擦抵抗を低減することができず、また、汚損生物により被塗物表面が汚損された。比較例3の塗料組成物は、防汚効果は充分なものであったが、摩擦抵抗低減効果が小さかった。比較例4の塗料組成物は、塗膜の膜厚の減少速度が遅いため、摩擦抵抗低減効果がなかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の塗料組成物は、上述の構成よりなるので、優れた摩擦抵抗低減効果を発揮し、持続性を飛躍的に延ばすことができるとともに、その摩擦抵抗低減効果が塗膜の膜厚変化量に依存しないので、対象被塗物の要求性能に応じて膜厚変化量を設定することが可能である。更に、防汚剤を併用させることによって、水中生物付着を防止して高い防汚効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】膜厚変化量を測定するための試験装置の模式図である。
【図2】膜厚変化量を測定するための試験装置を構成する円盤の上面図である。
【符号の説明】
1 円盤
2 回転棒
3 モーター

Claims (3)

  1. 分子量が10 4 以上であるポリエチレンオキシドと、
    金属エステル含有アクリル樹脂および/または下記式:
    Figure 0004594493
    (式中、R 2 は水素原子またはメチル基を表し、R 3 は、同一または異なって、炭素数3以上のアルキル基を表す。)
    で表されるトリオルガノシリル(メタ)アクリレートを含む重合性モノマーを共重合させて得られる樹脂からなる加水分解型樹脂と、
    を含み、
    前記加水分解型樹脂と前記ポリエチレンオキシドとの含有量比は、固形分比で1/1〜3/1である、塗料組成物。
  2. 更に、防汚剤を含有する請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記防汚剤の含有量は、前記加水分解型樹脂の固形分100重量部に対して、50重量部以上である、請求項2に記載の塗料組成物。
JP2000162586A 2000-05-31 2000-05-31 塗料組成物 Expired - Fee Related JP4594493B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000162586A JP4594493B2 (ja) 2000-05-31 2000-05-31 塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000162586A JP4594493B2 (ja) 2000-05-31 2000-05-31 塗料組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001342432A JP2001342432A (ja) 2001-12-14
JP4594493B2 true JP4594493B2 (ja) 2010-12-08

Family

ID=18666467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000162586A Expired - Fee Related JP4594493B2 (ja) 2000-05-31 2000-05-31 塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4594493B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5008397B2 (ja) * 2004-05-26 2012-08-22 日本ペイント株式会社 塗料組成物、塗膜及び水中摩擦低減方法
JPWO2009011332A1 (ja) * 2007-07-18 2010-09-24 日本ペイントマリン株式会社 防汚塗料組成物、防汚塗膜、ならびに船舶および水中構造物
JP2009091562A (ja) * 2007-09-21 2009-04-30 Chugoku Marine Paints Ltd 耐スライム性および貯蔵安定性が改良されたトリフェニルボロン化合物含有防汚塗料組成物
CN102686683B (zh) 2009-10-13 2014-12-31 日本油漆船舶涂料公司 防污涂料组合物以及防污涂膜、复合涂膜和水中结构物
US9845395B2 (en) 2009-10-13 2017-12-19 Nippon Paint Marine Coatings Co., Ltd. Antifouling coating composition, antifouling film, composite film, and in-water structure
JP6188114B2 (ja) * 2010-06-23 2017-08-30 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 摩擦抵抗低減塗料、摩擦抵抗低減塗膜および船舶
EP3388493B1 (en) 2015-12-11 2020-10-21 Chugoku Marine Paints, Ltd. Coating composition for forming frictional resistance-reducing coating film, coating film, and substrate with coating film
CN108368383A (zh) * 2015-12-25 2018-08-03 中国涂料株式会社 用于形成降低摩擦阻力的涂膜的涂料组合物、涂膜和带涂膜的基材
JP6291691B2 (ja) * 2017-03-30 2018-03-14 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 摩擦抵抗低減塗料、摩擦抵抗低減塗膜および船舶

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61268773A (ja) * 1985-05-22 1986-11-28 Nippon Paint Co Ltd 防汚塗料
JPS63128084A (ja) * 1986-11-17 1988-05-31 Nippon Paint Co Ltd 加水分解型樹脂の製造法
JPH04372667A (ja) * 1991-06-20 1992-12-25 Eiki Zoshitsu Kogyo Kofun Yugenkoshi 自己研磨型の防汚塗料組成物
JPH05295303A (ja) * 1992-04-16 1993-11-09 Dainippon Ink & Chem Inc 防汚塗料用樹脂組成物
JPH10508639A (ja) * 1994-11-14 1998-08-25 ヨズ.セー.ヘンペルズ スキブスファーバ−ファブリク アクティーゼルスカブ 防汚ペイント組成物
JPH1129725A (ja) * 1997-07-10 1999-02-02 Nippon Paint Co Ltd 塗料組成物
JPH11343427A (ja) * 1998-06-01 1999-12-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 塗 料
JP2001106962A (ja) * 1999-10-04 2001-04-17 Chugoku Marine Paints Ltd 防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5728172A (en) * 1980-07-25 1982-02-15 Nippon Paint Co Ltd Antifouling coating material for ship bottom of reduced underwater frictional resistance
JPH08176480A (ja) * 1994-12-27 1996-07-09 Seiko Epson Corp 画像形成用インク及びその製造方法
JPH1129747A (ja) * 1997-07-10 1999-02-02 Nippon Paint Co Ltd 塗料用樹脂組成物
JP4343289B2 (ja) * 1998-10-06 2009-10-14 関西ペイント株式会社 水性防汚塗料
JP2000248207A (ja) * 1999-03-02 2000-09-12 Kansai Paint Co Ltd 防汚塗料組成物

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61268773A (ja) * 1985-05-22 1986-11-28 Nippon Paint Co Ltd 防汚塗料
JPS63128084A (ja) * 1986-11-17 1988-05-31 Nippon Paint Co Ltd 加水分解型樹脂の製造法
JPH04372667A (ja) * 1991-06-20 1992-12-25 Eiki Zoshitsu Kogyo Kofun Yugenkoshi 自己研磨型の防汚塗料組成物
JPH05295303A (ja) * 1992-04-16 1993-11-09 Dainippon Ink & Chem Inc 防汚塗料用樹脂組成物
JPH10508639A (ja) * 1994-11-14 1998-08-25 ヨズ.セー.ヘンペルズ スキブスファーバ−ファブリク アクティーゼルスカブ 防汚ペイント組成物
JPH1129725A (ja) * 1997-07-10 1999-02-02 Nippon Paint Co Ltd 塗料組成物
JPH11343427A (ja) * 1998-06-01 1999-12-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 塗 料
JP2001106962A (ja) * 1999-10-04 2001-04-17 Chugoku Marine Paints Ltd 防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体または水中構造物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001342432A (ja) 2001-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10077366B2 (en) Antifouling coating composition, antifouling coating film formed using said composition, and coated article having antifouling coating film on surface
US7977407B1 (en) Antifouling coating composition, antifouling coating film formed from the composition, coated object having the coating film on surface, and method of antifouling by forming the coating film
US5795374A (en) Coating composition
EP2128208B1 (en) Stain-proof coating composition, method for production of the composition, stain-proof coating film formed by using the composition, coated article having the coating film on the surface, and stain-proofing treatment method for forming the coating film
US5436284A (en) Coating composition
JP4979890B2 (ja) 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶、水中構造物、漁具または漁網
US9624385B2 (en) Antifouling paint composition, copolymer for antifouling paint composition and method for manufacturing same, and painted object having on surface antifouling paint film formed using said composition
EP0297505B1 (en) Antifouling paint
EP2161316A1 (en) Antifouling coating composition, process for producing the composition, antifouling coating film formed from the composition, coated object having the coating film on surface, and method of antifouling treatment by formation of the coating film
SG187606A1 (en) Antifouling coating composition, copolymer for antifouling coating composition, and coated article having surface that is provided with antifouling coating film which is formed using the composition
JP3857010B2 (ja) 共重合体及び塗料組成物
JP4594493B2 (ja) 塗料組成物
US20120010342A1 (en) Antifouling coating composition, antifouling coating film formed by use of the composition, coated object having the coating film thereon, and method of antifouling treatment by forming the coating film
KR102613892B1 (ko) 방오도료 조성물용 공중합체, 방오도료 조성물, 상기 조성물을 이용하여 형성되는 방오도막, 상기 도막을 표면에 가지는 도장물 및 상기 도막을 형성하는 방오처리 방법
KR101999037B1 (ko) 방오도료 조성물, 방오도막, 방오도막 부착 기재, 방오성 기재, 방오도막 부착 기재의 제조방법 및 기재의 방오방법
JP2012251158A (ja) 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法
JPH11323209A (ja) 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法
JP2002053796A (ja) 防汚塗料組成物
JPH1129725A (ja) 塗料組成物
JP3650484B2 (ja) トリアルキルゲルミルエステル共重合体を含む防汚塗料組成物、およびその用途
JPH11323210A (ja) 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法
JPH1129747A (ja) 塗料用樹脂組成物
JP2005307193A (ja) 防汚塗料組成物およびその用途ならびに水中構造物の防汚方法
JPH0119429B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040317

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070528

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20091208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100326

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100907

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100917

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4594493

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees